以下、本発明の一実施形態を図1〜図31に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係るカラープリンタ2000の概略構成が示されている。
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、センサ装置100、光走査装置2010、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)、4つのクリーニングユニット(2031a、2031b、2031c、2031d)、4つの帯電装置(2032a、2032b、2032c、2032d)、4つの現像ローラ(2033a、2033b、2033c、2033d)、転写ベルト2040、転写ローラ2042、定着装置2050、給紙コロ2054、排紙ローラ2058、給紙トレイ2060、排紙トレイ2070、通信制御装置2080、プリンタ制御装置2090、操作パネル(図示省略)、及びプリンタ筐体2200などを備えている。
通信制御装置2080は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
プリンタ制御装置2090は、CPU、該CPUにて解読可能なコードで記述されたプログラム及び該プログラムを実行する際に用いられる各種データが格納されているROM、作業用のメモリであるRAM、増幅回路、アナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換回路などを有している。そして、プリンタ制御装置2090は、上位装置からの要求に応じて各部を制御するとともに、上位装置からの画像情報を光走査装置2010に送る。なお、カラープリンタ2000が記録媒体として対応可能な複数の銘柄の記録紙について、銘柄毎の最適な現像条件及び転写条件が「現像・転写テーブル」としてROMに格納されている。
操作パネルは、作業者が各種設定及び各種処理を行うための複数のキー、及び各種情報を表示するための表示部を有している。
感光体ドラム2030a、帯電装置2032a、現像ローラ2033a、及びクリーニングユニット2031aは、組として使用され、ブラックの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Kステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030b、帯電装置2032b、現像ローラ2033b、及びクリーニングユニット2031bは、組として使用され、シアンの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Cステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030c、帯電装置2032c、現像ローラ2033c、及びクリーニングユニット2031cは、組として使用され、マゼンタの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Mステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030d、帯電装置2032d、現像ローラ2033d、及びクリーニングユニット2031dは、組として使用され、イエローの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Yステーション」ともいう)を構成する。
各感光体ドラムはいずれも、その表面に感光層が形成されている。なお、各感光体ドラムは、不図示の回転機構により、図1における面内で矢印方向に回転する。
各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面をそれぞれ均一に帯電させる。
光走査装置2010は、プリンタ制御装置2090からの多色の画像情報(ブラック画像情報、シアン画像情報、マゼンタ画像情報、イエロー画像情報)に基づいて色毎に変調された光で、対応する帯電された感光体ドラムの表面をそれぞれ走査する。各感光体ドラムの表面がそれぞれ被走査面である。これにより、画像情報に対応した潜像が各感光体ドラムの表面にそれぞれ形成される。そこで、各感光体ドラムは像担持体である。ここで形成された潜像は、感光体ドラムの回転に伴って対応する現像ローラの方向に移動する。
各現像ローラは、回転に伴って、対応するトナーカートリッジ(図示省略)からのトナーが、その表面に薄く均一に塗布される。そして、各現像ローラの表面のトナーは、対応する感光体ドラムの表面に接すると、該表面における光が照射された部分にだけ移行し、そこに付着する。すなわち、各現像ローラは、対応する感光体ドラムの表面に形成された潜像にトナーを付着させて顕像化させる。ここでトナーが付着した像(トナー画像)は、感光体ドラムの回転に伴って転写ベルト2040の方向に移動する。
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像は、所定のタイミングで転写ベルト2040上に順次転写され、重ね合わされて多色のカラー画像が形成される。
給紙トレイ2060には記録紙が格納されている。この給紙トレイ2060の近傍には給紙コロ2054が配置されており、該給紙コロ2054は、記録紙を給紙トレイ2060から1枚ずつ取り出す。該記録紙は、所定のタイミングで転写ベルト2040と転写ローラ2042との間隙に向けて送り出される。これにより、転写ベルト2040上のトナー画像が記録紙に転写される。ここで転写された記録紙は、定着装置2050に送られる。
定着装置2050では、熱と圧力とが記録紙に加えられ、これによってトナーが記録紙上に定着される。ここで定着された記録紙は、排紙ローラ2058を介して排紙トレイ2070に送られ、排紙トレイ2070上に順次積み重ねられる。
各クリーニングユニットは、対応する感光体ドラムの表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラムの表面は、再度対応する帯電装置に対向する位置に戻る。
センサ装置100は、プリンタ筐体2200に対して着脱可能であり、操作パネルの近くに、作業者が手に取ることが可能な状態で配置され、記録紙の銘柄を判別するのに用いられる。
このセンサ装置100は、図2(A)〜図3に示されるように、光学センサ110、処理装置130(図2(A)〜図3では不図示、図17参照)、支持部材140、第1保持部材150、第2保持部材160、複数の保持用ばね部材170及び複数の連結用ばね部材172などを有している。なお、図2(A)及び図2(B)は、センサ装置100の外観図であり、図3は、図2(A)において、第1保持部材150及び第2保持部材160の−Y側の壁を取り除いた状態の図である。
本明細書では、XYZ3次元直交座標系において、第1保持部材150と第2保持部材160とが対向している方向をZ軸方向とする。
銘柄を判別する際、判別対象の記録紙Mは、図4に示されるように、光学センサ110の−Z側に位置する。
支持部材140は、一例として図5に示されるように、XY面に平行な支持面を有し、該支持面で記録紙を支持する。また、支持部材140は、支持面上に記録紙の位置決め部141を有している。
第1保持部材150は、光学センサ110を保持する樹脂成形部材である。図6には、この第1保持部材150のXZ断面図が示されている。ここでは、光学センサ110は、一例として図7に示されるように、複数の保持用ばね部材170を介して第1保持部材150に保持されている。
第2保持部材160は、支持部材140を保持する樹脂成形部材である。図8には、この第2保持部材160のXZ断面図が示されている。また、第2保持部材160は、Z軸方向へ移動する際のガイドとなる複数の突起部162を有している。そして、これら複数の突起部162が挿入される複数の穴が第1保持部材150に設けられている。ここでは、支持部材140は、一例として図9に示されるように、第2保持部材160に固定されている。
第1保持部材150と第2保持部材160は、一例として図10に示されるように、Z軸方向に関して離開した状態で、複数の連結用ばね部材172によって連結されている。このときの、第1保持部材150と第2保持部材160のZ軸方向に関する間隙(図11参照)は、図12に示されるように、光学センサ110と支持部材140との間に記録紙Mを挿入するのに適した間隙となるように設定されている。この隙間があるために、記録紙Mが薄くても、記録紙Mを傷めずに所定の位置まで挿入することができる。
また、例えば、手で強く握られたときのように、Z軸方向に関して、第1保持部材150と第2保持部材160を近接させるような外力が加わると、一例として図13に示されるように、複数の連結用ばね部材172が縮み、第1保持部材150と第2保持部材160が近接する。なお、一例として図14に示されるように、第1保持部材150と第2保持部材160とが近接しても、一部に第1保持部材150と第2保持部材160とが離開している部分(逃げ部)が存在する。
そして、このとき、一例として図15に示されるように、光学センサ110は支持部材140によって+Z方向に押されるため、複数の保持用ばね部材170が縮む。これにより、光学センサ110は、複数の保持用ばね部材170の復元力によって−Z側に加圧されることとなる。
そこで、このとき、一例として図16に示されるように、光学センサ110と支持部材140との間に記録紙Mが存在していると、光学センサ110と記録紙Mとが密着される。これにより、記録紙Mへの光の照射位置や入射角度が一定となり、安定した反射光量を得ることができる。すなわち、記録紙Mの銘柄判別の精度を向上させることができる。なお、記録紙Mが光学センサ110に密着されていないと、記録紙Mへの光の照射位置や入射角度が変動し、記録紙Mの銘柄判別の精度が低下する。
また、光学センサ110に印加されている加圧力は大きいものではなく、作業者が記録紙Mをセンサ装置100から容易に引き抜くことができるように設定されている。また、第1保持部材150には、光学センサ110がZ軸方向に円滑に移動できるようにガイド(図示省略)が設けられている。
ところで、仮に前記逃げ部が設けられていないと、作業者がセンサ装置100を強く握ったときに、記録紙に上記加圧力のほかに、作業者の握力が加わり、光学センサ110と記録紙の密着力が一定とならず、記録紙をセンサ装置100に対して移動させる際に記録紙が破損したり、該移動が円滑になされないおそれがある。
記録紙を光学センサ110と支持部材140とで挟む力は、記録紙を挟んだままで記録紙をセンサ装置100に対して移動させる際に、センサ装置100が記録紙に引っかかることなくなめらかに移動できる範囲に調整されている。記録紙を挟む力が強すぎると、記録紙をセンサ装置100に対して移動させるときに記録紙を破損したり、円滑な移動が行えないおそれがある。また、記録紙を挟む力が弱すぎると、光学センサ110と記録紙との間に大きな空隙ができ、銘柄判別の精度が低下するおそれがある。
この「記録紙を挟む」という動作は、記録紙をセンサ装置100に対して手動で移動させる際に、(1)作業者ごとに異なる握力に依存することなく移動させること、(2)記録紙を強い力で挟んだまま移動させることにより記録紙が破損するのを防ぐこと、(3)センサ装置100が記録紙に引っかかり、センサ装置100に対する記録紙の移動が不適切になることを防ぐこと、が目的である。
光学センサ110は、一例として図17に示されるように、光源111、コリメートレンズ112、2つの受光器(113、114)、偏光フィルタ116、及びこれらが収納される暗箱119などを有している。
暗箱119は、金属製の箱部材、例えば、アルミニウム製の箱部材であり、外乱光及び迷光の影響を低減するため、表面に黒アルマイト処理が施されている。
光源111は、複数の発光部を有している。各発光部は、垂直共振器型の面発光レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:VCSEL)である。すなわち、光源111は、面発光レーザアレイ(VCSELアレイ)を含んでいる。ここでは、一例として図18に示されるように、9個の発光部が2次元配列されている。
光源111は、記録紙Mに対してS偏光の直線偏光が照射されるように配置されている。また、光源111からの光の記録紙Mへの入射角θ(図19参照)は、80°である。この光源111は、処理装置130によって、点灯及び消灯される。
コリメートレンズ112は、光源111から射出された光の光路上に配置され、該光を略平行光とする。コリメートレンズ112を介した光は、暗箱119に設けられている開口部を通過して記録紙Mを照明する。なお、以下では、記録紙Mの表面における照明領域の中心を「照明中心」と略述する。また、コリメートレンズ112を介した光を「照射光」ともいう。
ところで、光が媒質の境界面に入射するとき、入射光線と入射点に立てた境界面の法線とを含む面は「入射面」と呼ばれている。そこで、入射光が複数の光線からなる場合は、光線毎に入射面が存在することとなるが、ここでは、便宜上、照明中心に入射する光線の入射面を、記録紙における入射面ということとする。すなわち、照明中心を含みXZ面に平行な面が記録紙における入射面である。
本明細書では、記録紙Mへの入射光だけでなく反射光に対してもS偏光及びP偏光という表現を用いるが、これは説明をわかりやすくするために、記録紙Mへの入射光の偏光方向を基準とした表現であり、入射面内において入射光(ここでは、S偏光)と同一の偏光方向をS偏光、それに直交する偏光方向をP偏光と呼ぶこととする。
偏光フィルタ116は、照明中心の+Z側に配置されている。この偏光フィルタ116は、P偏光を透過させ、S偏光を遮光する偏光フィルタである。なお、偏光フィルタ116に代えて、同等の機能を有する偏光ビームスプリッタを用いても良い。
受光器114は、偏光フィルタ116の+Z側に配置され、偏光フィルタ116を透過した光を受光する。ここでは、図20に示されるように、照明中心と偏光フィルタ116の中心と受光器114の中心とを結ぶ線L1と、記録紙Mの表面とのなす角度ψ1は90°である。
受光器113は、X軸方向に関して、照明中心の+X側に配置されている。そして、図20に示されるように、照明中心と受光器113の中心とを結ぶ線L2と、記録紙Mの表面とのなす角度ψ2は170°である。
光源111の中心と、照明中心と、偏光フィルタ116の中心と、各受光器の中心は、ほぼ同一平面上に存在する。
ところで、記録紙を照明したときの記録紙から反射光は、記録紙の表面で反射された反射光と、記録紙の内部で反射された反射光とに分けて考えることができる。また、記録紙の表面で反射された反射光は、正反射された反射光と拡散反射された反射光とに分けて考えることができる。以下では、便宜上、記録紙の表面で正反射された反射光を「表面正反射光」、拡散反射された反射光を「表面拡散反射光」ともいう(図21(A)及び図21(B)参照)。
記録紙の表面は、平面部と斜面部とで構成され、その割合で記録紙表面の平滑性が決定される。平面部で反射された光は表面正反射光となり、斜面部で反射された光は表面拡散反射光となる。表面拡散反射光は、完全に散乱反射された反射光であり、その反射方向は等方性があるとみなせる。そして、平滑性が高くなるほど表面正反射光の光量が増加する。
一方、記録紙の内部からの反射光は、該記録紙が一般の印刷用紙である場合、その内部の繊維中で多重散乱するため拡散反射光のみとなる。以下では、便宜上、記録紙の内部からの反射光を「内部反射光」ともいう(図21(C)参照)。この内部反射光も、表面拡散反射光と同様に、完全に散乱反射された反射光であり、その反射方向は等方性があるとみなせる。
受光器に向かう表面正反射光及び表面拡散反射光の偏光方向は、入射光の偏光方向と同じである。ところで、記録紙の表面で偏光方向が回転するには、入射光がその入射方向に対して該回転の向きに傾斜した面で反射されなくてはならない。ここでは、光源の中心と照明中心と各受光器の中心とが同一平面上にあるため、記録紙の表面で偏光方向が回転した反射光は、いずれの受光器の方向にも反射されない。
一方、内部反射光の偏光方向は、入射光の偏光方向に対して回転している。これは、記録紙の内部に侵入した光は、繊維中を透過し、多重散乱される間に旋光し、偏光方向が回転するためと考えられる。
偏光フィルタ116には、表面拡散反射光と内部反射光とが混在する反射光が入射する(図22参照)。
表面拡散反射光は入射光と同じS偏光であるため、偏光フィルタ116で遮光される。一方、内部反射光はS偏光とP偏光とが混在しているため、P偏光成分が偏光フィルタ116を透過する。すなわち、内部反射光に含まれるP偏光成分が受光器114で受光される(図23参照)。なお、以下では、便宜上、内部反射光に含まれるP偏光成分を「P偏光内部反射光」ともいう。また、内部反射光に含まれるS偏光成分を「S偏光内部反射光」ともいう。
P偏光内部反射光の光量は、記録紙の厚みや密度に相関を持つことが発明者らによって確認されている。これは、P偏光内部反射光の光量が、記録紙の繊維中を通過する際の経路長に依存するためである。
受光器113には、表面正反射光と表面拡散反射光と内部反射光とが混在する反射光が入射する。この受光位置では、表面正反射光の光量に比べて表面拡散反射光及び内部反射光の光量は非常に小さいので、受光器113の受光光量は、表面正反射光の光量であるとみなすことができる(図24参照)。
各受光器は、それぞれ受光光量に対応する電気信号(電流信号)を処理装置130に出力する。
図17に戻り、処理装置130は、光源駆動回路131、電流電圧変換回路132、AD変換回路133などを有している。
光源駆動回路131は、プリンタ制御装置2090の指示に応じて、光源駆動信号を光源111に出力する。
電流電圧変換回路132は、各受光器からの電流信号を電圧信号に変換する。AD変換回路133は、電流電圧変換回路135を介したアナログ信号をデジタル信号に変換し、プリンタ制御装置2090に出力する。
なお、以下では、光源111からの光が記録紙に照射されたときの、受光器114の出力信号に対応するデジタル信号を「S1」、受光器113の出力信号に対応するデジタル信号を「S2」という。
処理装置130は、暗箱119に固定されている。
次に、銘柄が不明の記録紙の銘柄を判別する処理(銘柄判別処理)について説明する。
先ず、銘柄判別処理の際に作業者によって行われる作業について説明する。
1.センサ装置100を手に持ち、光学センサ110と支持部材140との間に記録紙Mを挿入する(図25及び図26参照)。このとき、記録紙Mが支持部材140の位置決め部141に突き当てられていることを確認する。
2.センサ装置100を強く握り、第1保持部材150と第2保持部材160に握力を作用させ、第1保持部材150と第2保持部材160を近接させる(図27参照)。これにより、光学センサ110に加圧力が作用し、光学センサ110と記録紙Mとが密着する。
3.操作パネルを介して判別処理要求を入力する。なお、作業者は、銘柄判別処理が終了するまで、この状態を維持する。
この判別処理要求は、操作パネルからプリンタ制御装置2090に通知される。
プリンタ制御装置2090は、操作パネルから記録紙の判別処理要求があると、銘柄判別処理を開始する。図28のフローチャートは、銘柄判別処理の際に、プリンタ制御装置2090のCPUによって実行される一連の処理アルゴリズムに対応している。
なお、ここでは、カラープリンタ2000が対応可能な複数銘柄の記録紙に関して、予め調整工程等の出荷前工程で記録紙の銘柄毎にS1及びS2の値を計測し、該計測結果を「銘柄判別テーブル」としてプリンタ制御装置2090のROMに格納している。図29には、国内で販売されている30銘柄の記録紙について、S1及びS2の計測値が示されている。また、図29における枠は、同一銘柄のばらつき範囲を示している。
最初のステップS401では、タイマカウンタの値が格納される変数tcを0クリアする。なお、ここでは、一例として、10m秒毎のタイマ割り込み処理において変数tcの値がカウントアップ(+1)されるものとする。
次のステップS403では、各受光器の出力信号を取得した回数が格納される変数mを0クリアする。
次のステップS405では、光源111を点灯させる。ここでは、複数の発光部を同時に点灯させる。
次のステップS407では、変数tcの値が300以上であるか否かを判断する。すなわち、光源111が点灯されてから3秒が経過したか否かを判断する。ここでの判断が否定されると、ステップS409に移行する。
このステップS409では、各受光器の出力信号を取得する。
次のステップS411では、変数mの値を+1する。
次のステップS413では、ステップS409で取得されたデータと変数mの値とともにRAMに保存する。そして、上記ステップS407に戻る。
以下、ステップS407での判断が肯定されるまでステップS409からステップS413までの処理を繰り返す。
ステップS407での判断が肯定されると、ステップS415に移行する。
このステップS415では、光源111を消灯させる。このときの変数mの値をPとすると、受光器毎にP個のデータがRAMに保存されている。
このステップS417では、受光器毎に、P個の出力レベルを平均化し、S1及びS2の計測値とする。
次のステップS419では、銘柄判別テーブルを参照し、S1及びS2の計測値から記録紙の銘柄を判別する。
例えば、図29において、S1及びS2の計測値が「◇」であれば、銘柄Dと判別される。また、S1及びS2の計測値が「■」であれば、最も近い銘柄Cと判別される。また、S1及びS2の計測値が「◆」であれば、銘柄Aあるいは銘柄Bのいずれかである。
このときは、例えば、銘柄判別テーブルにおける銘柄Aでの平均値と計測値との差、及び銘柄判別テーブルにおける銘柄Bでの平均値と計測値との差を演算し、その演算結果が小さいほうの銘柄に判別される。また、銘柄Aであると仮定して該計測値を含めてばらつきを再計算するとともに、銘柄Bであると仮定して該計測値を含めてばらつきを再計算し、再計算されたばらつきが小さいほうの銘柄を選択しても良い。
次のステップS421では、判別された記録紙の銘柄を操作パネルの表示部に表示させるとともにRAMに保存する。そして、銘柄判別処理を終了する。
ところで、作業者は、上記銘柄判別処理で光源111が点灯されている間、一例として図30(A)及び図30(B)に示されるように、センサ装置100を強く握った状態で、センサ装置100及び記録紙Mの少なくとも一方を移動させても良い。この場合は、一例として図31に示されるように、記録紙Mにおける互いに異なるP個の位置を検出位置とすることができる。なお、P個の位置は、必ずしも等間隔とは限らない。
また、上記銘柄判別処理で光源111が点灯されている間、センサ装置100及び記録紙Mのどちらも移動されない場合は、1つの検出位置で、データがP回取得されることとなる。
作業者は、判別された記録紙の銘柄が操作パネルの表示部に表示されると、センサ装置100を元の配置位置に戻す。そして、銘柄が判別された記録紙を給紙トレイ2060にセットする。なお、操作パネルの表示部に表示されている記録紙の銘柄を、作業者が操作パネルのキーを用いてプリンタ制御装置2090に登録しても良い。
プリンタ制御装置2090は、作業者からの印刷ジョブ要求を受け取ると、RAMに保存されている記録紙の銘柄を読み出し、該記録紙の銘柄に最適な現像条件及び転写条件を、現像・転写テーブルから求める。
そして、プリンタ制御装置2090は、最適な現像条件及び転写条件に応じて各ステーションの現像装置及び転写装置を制御する。例えば、転写電圧やトナー量を制御する。これにより、高い品質の画像が記録紙に形成される。
ところで、特許文献1に開示されている表面性識別装置では、記録材料表面を識別する際に摩擦力が記録材料に印加されるため、紙詰まりが起こる場合があった。また、装置の複雑化を招くため、装置が高価になるという不都合もあった。
また、特許文献2に開示されている固有情報読取装置では、用紙をトレイに配置する操作が必要であり、意図していたものとは異なる用紙をセットしてしまった場合、再度用紙を取り出し、意図した用紙をトレイに配置し直す必要があり、手間がかかるという不都合があった。また、装置の複雑化を招くため、装置が高価になるという不具合もあった。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係るセンサ装置100では、受光器113と受光器114と偏光フィルタ116とによって本発明の光検出系が構成されている。
以上説明したように、本実施形態に係るセンサ装置100は、光学センサ110、処理装置130、支持部材140、第1保持部材150、第2保持部材160、複数の保持用ばね部材170及び複数の連結用ばね部材172などを有している。
光学センサ110は、光源111、コリメートレンズ112、2つの受光器(113、114)、偏光フィルタ116、及びこれらが収納される暗箱119などを有し、複数の保持用ばね部材170を介して第1保持部材150に保持されている。
支持部材140は、暗箱119の開口部を有する面に平行な支持面を有し、第2保持部材160に保持されている。そして、第1保持部材150と第2保持部材160は、複数の連結用ばね部材172によって連結されている。
そして、光学センサ110と支持部材140との間に記録紙を挿入し、第1保持部材150と第2保持部材160が近接するように外力を作用させると、複数の保持用ばね部材170の復元力によって暗箱119に−Z方向の加圧力が作用し、暗箱119の開口部を有する面と記録紙とが密着する。この場合、光学センサ110の各光学部品と記録紙表面とは所望の関係となり、記録紙の銘柄を精度良く判別することができる。
また、暗箱119に作用する加圧力の大きさは、作業者が記録紙をセンサ装置100から容易に引き抜くことができる大きさに設定されているため、記録紙の複数位置を検出位置とすることができる。
また、第1保持部材150と第2保持部材160との間に逃げ部が設けられているため、第1保持部材150と第2保持部材160を近接させたときに記録紙を傷めることがない。
また、支持部材140の支持面上に記録紙の位置決め部141を有しているため、記録紙の位置決めが容易となり、操作性を向上させることができる。
また、複数の保持用ばね部材170及び複数の連結用ばね部材172として、一般に市販されていて、種類も豊富で、入手も容易で、安価な金属ばねを用いることができる。そこで、安価なセンサ装置を実現することができる。
また、上記実施形態では、光学センサ110の光源として面発光レーザアレイを用いているため、直線偏光の照射光を得るための偏光フィルタが不要である。さらに、面発光レーザアレイでは、従来用いられてきたLED等では困難であった複数の発光部の高密度な集積化が可能となる。この場合は、複数の発光部を有する小型の光源が実現できる。また、コリメートレンズの光軸付近に全てのレーザ光を集中させることができるため、入射角を一定にして複数の光を略平行にすることが可能となる。この場合は、安価なコリメート光学系を用いることができる。そこで、センサ装置の小型化及び低コスト化を図ることができる。
また、銘柄判別処理では、面発光レーザアレイの複数の発光部を同時に点灯させている。このため、各受光部の出力におけるS/Nが向上し、判別精度を高めることができる。また、複数の発光部を同時に点灯させることによりスペックルパターンのコントラスト比が低減され、より正確な反射光量の検出が可能になるため、判別精度を高めることができる。
また、複数の発光部を同時に点灯させることにより内部反射光の光量を増加させることができ、光学センサ110では、従来は微弱で分離することが困難であった記録紙内部からの反射光を高精度で分離することができる。記録紙内部からの反射光は、記録紙の内部状態に関する情報を含んでいる。そして、プリンタ制御装置2090は、2つの受光器の出力信号から記録紙の銘柄を判別している。すなわち、記録紙の内部状態に関する情報を加味することにより、紙種の判別レベルを、従来困難であった銘柄のレベルまで向上させている。
また、複数種類のセンサを組み合わせることなく、簡潔な部品構成であるため、低コストで、小型のセンサ装置を実現することができる。
そこで、センサ装置100によると、対象物の種類を簡易に精度良く判別することができる。
そして、本実施形態に係るカラープリンタ2000は、センサ装置100を備えているため、結果として、高コスト化及び大型化を招くことなく、高品質の画像を形成することができる。さらに従来の手動で設定しなければならない煩わしさや設定ミスによる印刷の失敗が解消される。
なお、上記実施形態において、光学センサ110の各受光器の前方に集光レンズを設けても良い。この場合は、各受光器での受光光量の変動を低減することができる。
また、上記実施形態において、プリンタ制御装置2090のCPUによるプログラムに従う処理の少なくとも一部をハードウェアによって構成することとしても良いし、あるいは全てをハードウェアによって構成することとしても良い。
また、上記実施形態では、記録紙に照射される光がS偏光の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、記録紙に照射される光がP偏光であっても良い。但し、この場合は、前記偏光フィルタ116に代えて、S偏光を透過させる偏光フィルタが用いられる。
また、上記実施形態において、面発光レーザアレイにおける複数の発光部は、少なくとも一部の発光部間隔が、他の発光部間隔と異なっていても良い(図32参照)。つまり、隣り合う発光部の間隔が相違していても良い。
ところで、外乱光や迷光の影響で、誤った紙種判別をする恐れがある場合には、受光器の数を増やしても良い。
例えば、図33に示されるように、受光器115を更に有していても良い。この受光器115は、表面拡散反射光及び内部反射光を受光する位置に配置されている。例えば、照明中心と受光器115の中心とを結ぶ線L3と、記録紙Mの表面とのなす角度ψ3は120°である。光源111の中心と、照明中心と、偏光フィルタ116の中心と、各受光器の中心は、ほぼ同一平面上に存在する。
この場合、受光器115の出力信号に対応するデジタル信号を「S3」とすると、S1とS3/S2の計測値に基づいて記録紙の銘柄を判別することができる。なお、記録紙判別テーブルには、予め銘柄毎に計測されたS1とS3/S2の値が含まれている。
また、例えば、図34に示されるように、偏光フィルタ117と受光器118を更に有していても良い。偏光フィルタ117は、表面拡散反射光及び内部反射光の光路上に配置されている。この偏光フィルタ117は、P偏光を透過させ、S偏光を遮光する偏光フィルタである。受光器118は、偏光フィルタ117を透過した光の光路上に配置されている。そこで、受光器118は、内部反射光に含まれるP偏光成分を受光する。
例えば、照明中心と偏光フィルタ117の中心と受光器118の中心とを結ぶ線L4と、記録紙の表面とのなす角度ψ4は150°である。光源111の中心と、照明中心と、偏光フィルタ116の中心と、偏光フィルタ117の中心と、各受光器の中心は、ほぼ同一平面上に存在する。
この場合、受光器118の出力信号に対応するデジタル信号を「S4」とすると、S4/S1とS2の計測値に基づいて記録紙の銘柄を判別することができる。なお、記録紙判別テーブルには、予め銘柄毎に計測されたS4/S1とS2の値が含まれている。
また、例えば、図35に示されるように、上記受光器115と上記偏光フィルタ117と上記受光器118とを更に有していても良い。
この場合、S4/S1とS3/S2の計測値に基づいて記録紙の銘柄を判別することができる。なお、記録紙判別テーブルには、予め銘柄毎に計測されたS4/S1とS3/S2の値が含まれている(図36参照)。
なお、ここでは、S1とS4を用いた演算方法としてS4/S1を用いたが、これに限定されるものではない。同様に、S2とS3を用いた演算方法についても、S3/S2に限定されるものではない。
図37(A)及び図37(B)には、S1とS2のみを用いて紙種判別する場合と、S4/S1とS3/S2を用いて紙種判別する場合とについて、外乱光の影響を調べた結果が示されている。S1とS2のみを用いて紙種判別する場合は、図37(A)に示されるように、外乱光があると各受光系での検出値が大きくなり、誤った紙種判別をする恐れがある。一方、S4/S1とS3/S2を用いて紙種判別する場合は、図37(B)に示されるように、外乱光があってもS4/S1及びS3/S2は、外乱光がないときとほとんど変化せず、正しい紙種判別をすることができる。
また、上記実施形態において、光学センサ110は、一例として図38に示されるように、2つのミラー(121、122)を更に備えていても良い。
ここでは、光源111は、Z軸に平行な方向に光を射出し、コリメートレンズ112は、光軸がZ軸に平行となるように配置されている。
そして、ミラー121は、コリメートレンズ112を介した光を、記録紙Mでの入射角が80°となるように、その光路を曲げる。
ミラー122は、ミラー121と同等のミラーであり、X軸方向に関して、開口部を挟んでミラー121と対向する位置に配置されている。そこで、記録紙Mからの表面正反射光は、その進行方向がZ軸に平行になるように、その光路がミラー122によって曲げられる。
そして、受光器113は、ミラー122の+Z側に配置され、ミラー122で光路が曲げられた反射光を受光する。
この場合は、光源111、コリメートレンズ112及び受光器113を傾斜した状態でそれぞれ支持する部材が不要であり、かつ電気回路を簡素化することができる。これにより、低コスト及び小型化を促進することができる。
なお、3つ以上の受光器が設けられている場合においても、ミラーを用いて各受光器に向かう光の進行方向をZ軸に平行な方向とすることで、光学センサの小型化を促進することができる。
また、上記実施形態では、光学センサ110に加圧力が作用する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、支持部材140に加圧力が作用しても良い。この場合は、一例として図39に示されるように、光学センサ110は第1保持部材150に固定され、支持部材140が複数の保持用ばね部材170を介して第2保持部材160に保持される。このとき、光学センサ110と支持部材140との間に記録紙を挿入し、第1保持部材150と第2保持部材160が近接するように外力を作用させると、複数の保持用ばね部材170の復元力によって支持部材140に+Z方向の加圧力が作用し、暗箱119の開口部を有する面と記録紙とが密着する(図40参照)。なお、第2保持部材160には、支持部材140がZ軸方向に円滑に移動できるようにガイドが設けられている。
要するに、光学センサ110及び支持部材140の少なくとも一方が複数の保持用ばね部材170を介して保持されていれば良い。
また、上記実施形態において、前記複数の保持用ばね部材170に代えて、他の弾性部材を用いても良い。
例えば、図41及び図42に示されるように、前記複数のばね部材170に代えて、複数のゴム部材174を用いても良い。また、前記複数のばね部材170に代えて、スポンジ等の多孔質の樹脂部材を用いても良い。
また、上記実施形態において、一例として図43及び図44に示されるように、前記複数のばね部材170に代えて、複数の磁石176を用いても良い。ここでは、Z軸方向に関して対向している2つの磁石間の反発力(斥力)を利用している。ばね部材やゴム部材は、経年変化(劣化)により、上記はさむ力を適切に維持できなくなるおそれがあり、長期的な使用には不向きである。一方、磁石を用いる場合は、反発力が低下しにくく、長期的な使用に適している。なお、2つの磁石間の引力を利用する構成としても良い。
また、上記実施形態では、記録紙を挿入しやすくするため、第1保持部材150及び第2保持部材160における記録紙の入口近傍が、XY面に対して傾斜した平面とされている場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、該平面に代えて曲面であっても良い(図45参照)。要するに、XZ断面において、第1保持部材150及び第2保持部材160における記録紙の入口近傍が内部よりも広ければ良い。なお、記録紙の挿入に不都合がなければ、XZ断面において、第1保持部材150及び第2保持部材160における記録紙の入口近傍が内部と同じ広さであっても良い(図46参照)。
また、上記実施形態の暗箱119では、記録紙を挿入しやすくするため、暗箱119の−X側端部の−Z側が、XY面に対して傾斜した平面とされている場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、該平面に代えて曲面であっても良い(図47参照)。なお、記録紙の挿入に不都合がなければ、上記平面あるいは曲面が設けられていなくても良い(図48参照)。
また、上記実施形態では、光源111が9個の発光部を有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、光源111が1個の発光部を有していても良い。
また、上記実施形態において、前記面発光レーザアレイに代えて、従来のLD(Laser Diode)を用いても良い。
また、上記実施形態では、光源111から直線偏光が射出される場合について説明したが、これに限定されるものではない。但し、この場合は、光源111の前方に、照射光を直線偏光にするための偏光フィルタが必要となる。
また、上記実施形態において、センサ装置100の処理装置130が、プリンタ制御装置2090での処理の一部を行っても良い。
また、上記実施形態では、銘柄判別処理における光源111の点灯時間が3秒の場合について説明したが、これに限定されるものではない。また、銘柄判別処理における光源111の点灯時間を操作パネルから設定できるようにしても良い。
また、上記実施形態において、センサ装置100が、判別処理の開始ボタンを備えていても良い。この場合は、作業者は、操作パネルを介して判別処理要求を入力する必要はない。
また、上記実施形態において、センサ装置100が、光源111の点灯/消灯に連動したLEDを備えていても良い。この場合は、作業者は、光源111の点灯/消灯状態を視覚的に知ることができる。
また、上記実施形態において、センサ装置100が、表示部を備えていても良い。この場合は、プリンタ制御装置2090は、判別結果を該表示部に表示させることができる。
また、上記実施形態では、給紙トレイが1つの場合について説明したが、これに限定されるものではなく、給紙トレイが複数あっても良い。
また、センサ装置100を用いて判別される対象物は、記録紙に限定されるものではない。
また、上記実施形態では、画像形成装置としてカラープリンタ2000の場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、モノクロ画像を形成するレーザプリンタであっても良い。また、プリンタ以外の画像形成装置、例えば、複写機、ファクシミリ、又は、これらが集約された複合機であっても良い。
また、上記実施形態では、画像形成装置が4つの感光体ドラムを有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、5つの感光体ドラムを有するプリンタであっても良い。
また、上記実施形態では、トナー像が感光体ドラムから転写ベルトを介して記録紙に転写される画像形成装置について説明したが、これに限定されるものではなく、トナー像が感光体ドラムから記録紙に直接転写される画像形成装置であっても良い。
また、記録紙にインクを吹き付けて画像を形成する画像形成装置であっても良い。