本発明において使用される、脂肪族ポリアミド(A)は、主鎖中にアミド結合(−CONH−)を有し、脂肪族ポリアミド構造単位であるラクタム、アミノカルボン酸、又は脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸を原料として、溶融重合、溶液重合や固相重合等の公知の方法で重合、又は共重合することにより得られる。
ラクタムとしては、カプロラクタム、エナントラクタム、ウンデカンラクタム、ドデカンラクタム、α−ピロリドン、α−ピペリドン等、アミノカルボン酸としては、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
脂肪族ジアミンとしては、1,2−エタンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,13−トリデカンジアミン、1,14−テトラデカンジアミン、1,15−ペンタデカンジアミン、1,16−ヘキサデカンジアミン、1,17−ヘプタデカンジアミン、1,18−オクタデカンジアミン、1,19−ノナデカンジアミン、1,20−エイコサンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
脂肪族ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、エイコサン二酸等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
脂肪族ポリアミド(A)としては、ポリカプロアミド(ポリアミド6)、ポリウンデカンアミド(ポリアミド11)、ポリドデカンアミド(ポリアミド12)、ポリエチレンアジパミド(ポリアミド26)、ポリテトラメチレンスクシナミド(ポリアミド44)、ポリテトラメチレングルタミド(ポリアミド45)、ポリテトラメチレンアジパミド(ポリアミド46)、ポリテトラメチレンスベラミド(ポリアミド48)、ポリテトラメチレンアゼラミド(ポリアミド49)、ポリテトラメチレンセバカミド(ポリアミド410)、ポリテトラメチレンドデカミド(ポリアミド412)、ポリペンタメチレンスクシナミド(ポリアミド54)、ポリペンタメチレングルタミド(ポリアミド55)、ポリペンタメチレンアジパミド(ポリアミド56)、ポリペンタメチレンスベラミド(ポリアミド58)、ポリペンタメチレンアゼラミド(ポリアミド59)、ポリペンタメチレンセバカミド(ポリアミド510)、ポリペンタメチレンドデカミド(ポリアミド512)、ポリヘキサメチレンスクシナミド(ポリアミド64)、ポリヘキサメチレングルタミド(ポリアミド65)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリヘキサメチレンスベラミド(ポリアミド68)、ポリヘキサメチレンアゼラミド(ポリアミド69)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ポリアミド610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)、ポリヘキサメチレンテトラデカミド(ポリアミド614)、ポリヘキサメチレンヘキサデカミド(ポリアミド616)、ポリヘキサメチレンオクタデカミド(ポリアミド618)、ポリノナメチレンアジパミド(ポリアミド96)、ポリノナメチレンスベラミド(ポリアミド98)、ポリノナメチレンアゼラミド(ポリアミド99)、ポリノナメチレンセバカミド(ポリアミド910)、ポリノナメチレンドデカミド(ポリアミド912)、ポリデカメチレンアジパミド(ポリアミド106)、ポリデカメチレンスベラミド(ポリアミド108)、ポリデカメチレンアゼラミド(ポリアミド109)、ポリデカメチレンセバカミド(ポリアミド1010)、ポリデカメチレンドデカミド(ポリアミド1012)、ポリドデカメチレンアジパミド(ポリアミド126)、ポリドデカメチレンスベラミド(ポリアミド128)、ポリドデカメチレンアゼラミド(ポリアミド129)、ポリドデカメチレンセバカミド(ポリアミド1210)、ポリドデカメチレンドデカミド(ポリアミド1212)等の単独重合体やこれらを形成する原料単量体を数種用いた共重合体等が挙げられる。
これらの中でも、ポリカプロアミド(ポリアミド6)、ポリウンデカンアミド(ポリアミド11)、ポリドデカンアミド(ポリアミド12)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリヘキサメチレンアゼラミド(ポリアミド69)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ポリアミド610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)、ポリノナメチレンドデカミド(ポリアミド912)、ポリデカメチレンセバカミド(ポリアミド1010)、ポリデカメチレンドデカミド(ポリアミド1012)、ポリドデカメチレンドデカミド(ポリアミド1212)やこれらを形成する原料単量体を数種用いた共重合体等が好ましく、ポリカプロアミド(ポリアミド6)、ポリウンデカンアミド(ポリアミド11)、ポリドデカンアミド(ポリアミド12)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリヘキサメチレンデカミド(ポリアミド610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)、ポリデカメチレンデカミド(ポリアミド1010)、ポリデカメチレンドデカミド(ポリアミド1012)、及びポリドデカメチレンドデカミド(ポリアミド1212)からなる群より選ばれる少なくとも1種の単独重合体、又はこれらを形成する原料単量体を数種用いた共重合体がより好ましい。
脂肪族ポリアミド(A)の製造装置としては、バッチ式反応釜、一槽式ないし多槽式の連続反応装置、管状連続反応装置、一軸型混練押出機、二軸型混練押出機等の混練反応押出機等、公知のポリアミド製造装置が挙げられる。重合方法としては溶融重合、溶液重合や固相重合等の公知の方法を用い、常圧、減圧、加圧操作を繰り返して重合することができる。これらの重合方法は単独で、あるいは適宜、組合せて用いることができる。
また、JIS K−6920に準拠して、96%硫酸、ポリマー濃度1%、25℃の条件下にて測定した脂肪族ポリアミド(A)の相対粘度は、得られる積層チューブの機械的性質を確保することと、溶融時の粘度を適正範囲にして積層チューブの望ましい成形性を確保する観点から、1.5以上5.0以下であることが好ましく、2.0以上4.5以下であることがより好ましい。
脂肪族ポリアミド(A)は、該ポリアミド1gあたりの末端アミノ基濃度を[A](μeq/g)、末端カルボキシル基濃度を[B](μeq/g)とした時、[A]>[B]+5を満たす(以下、末端変性脂肪族ポリアミドと称する場合がある。)ことが後記半芳香族ポリアミド(B)との層間接着性を考慮すると好ましく、[A]>[B]+10であることがより好ましく、[A]>[B]+15であることがさらに好ましい。さらに、ポリアミドの溶融安定性やゲル状物発生抑制の観点から、[A]>20であることが好ましく、30<[A]<120であることがより好ましい。
なお、末端アミノ基濃度[A](μeq/g)は、該ポリアミドをフェノール/メタノール混合溶液に溶解し、0.05Nの塩酸で滴定して測定することができる。末端カルボキシル基濃度[B](μeq/g)は、該ポリアミドをベンジルアルコールに溶解し、0.05Nの水酸化ナトリウム溶液で滴定して測定することができる。
末端変性脂肪族ポリアミドは、前記ポリアミド原料を、アミン類の存在下に、溶融重合、溶液重合や固相重合等の公知の方法で重合、又は共重合することにより製造される。あるいは、重合後、アミン類の存在下に、溶融混練することにより製造される。このように、アミン類は、重合時の任意の段階、あるいは、重合後、溶融混練時の任意の段階において添加できるが、積層チューブの層間接着性を考慮した場合、重合時の段階で添加することが好ましい。
上記アミン類としてはモノアミン、ジアミン、トリアミン、ポリアミンが挙げられる。また、アミン類の他に、上記の末端基濃度条件の範囲を外れない限り、必要に応じて、モノカルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸等のカルボン酸類を添加しても良い。これら、アミン類、カルボン酸類は、同時に添加しても、別々に添加しても良い。また、下記例示のアミン類、カルボン酸類は、1種又は2種以上を用いることができる。
添加するモノアミンの具体例としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、オクタデシレンアミン、エイコシルアミン、ドコシルアミン等の脂肪族モノアミン、シクロヘキシルアミン、メチルシクロヘキシルアミン等の脂環式モノアミン、ベンジルアミン、β−フエニルメチルアミン等の芳香族モノアミン、N,N−ジメチルアミン、N,N−ジエチルアミン、N,N−ジプロピルアミン、N,N−ジブチルアミン、N,N−ジヘキシルアミン、N,N−ジオクチルアミン等の対称第二アミン、N−メチル−N−エチルアミン、N−メチル−N−ブチルアミン、N−メチル−N−ドデシルアミン、N−メチル−N−オクタデシルアミン、N−エチル−N−ヘキサデシルアミン、N−エチル−N−オクタデシルアミン、N−プロピル−N−ヘキサデシルアミン、N−プロピル−N−ベンジルアミン等の混成第二アミンが挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
添加するジアミンの具体例としては、1,2−エタンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,13−トリデカンジアミン、1,14−テトラデカンジアミン、1,15−ペンタデカンジアミン、1,16−ヘキサデカンジアミン、1,17−ヘプタデカンジアミン、1,18−オクタデカンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン等の脂肪族ジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)プロパン、5−アミノ−2,2,4−トリメチル−1−シクロペンタンメチルアミン、5−アミノ−1,3,3−トリメチルシクロヘキサンメチルアミン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、ビス(アミノエチル)ピペラジン、2,5−ビス(アミノメチル)ノルボルナン、2,6−ビス(アミノメチル)ノルボルナン、3,8−ビス(アミノメチル)トリシクロデカン、4,9−ビス(アミノメチル)トリシクロデカン等の脂環式ジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン等の芳香族ジアミンが挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
添加するトリアミンの具体例としては、1,2,3−トリアミノプロパン、1,2,3−トリアミノ−2−メチルプロパン、1,2,4−トリアミノブタン、1,2,3,4−テトラミノブタン、1,3,5−トリアミノシクロヘキサン、1,2,4−トリアミノシクロヘキサン、1,2,3−トリアミノシクロヘキサン、1,2,4,5−テトラミノシクロヘキサン、1,3,5−トリアミノベンゼン、1,2,4−トリアミノベンゼン、1,2,3−トリアミノベンゼン、1,2,4,5−テトラミノベンゼン、1,2,4−トリアミノナフタレン、2,5,7−トリアミノナフタレン、2,4,6−トリアミノピリジン、1,2,7,8−テトラミノナフタレン等、1,4,5,8−テトラミノナフタレンが挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
添加するポリアミンは、一級アミノ基(−NH2)及び/又は二級アミノ基(−NH−)を複数有する化合物であればよく、例えば、ポリアルキレンイミン、ポリアルキレンポリアミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン等が挙げられる。活性水素を備えたアミノ基は、ポリアミンの反応点である。
ポリアルキレンイミンは、エチレンイミンやプロピレンイミン等のアルキレンイミンをイオン重合させる方法、或いは、アルキルオキサゾリンを重合させた後、該重合体を部分加水分解又は完全加水分解させる方法等で製造される。ポリアルキレンポリアミンとしては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ペンタエチレンヘキサミン、或いは、エチレンジアミンと多官能化合物との反応物等が挙げられる。ポリビニルアミンは、例えば、N−ビニルホルムアミドを重合させてポリ(N−ビニルホルムアミド)とした後、該重合体を塩酸等の酸で部分加水分解又は完全加水分解することにより得られる。ポリアリルアミンは、一般に、アリルアミンモノマーの塩酸塩を重合させた後、塩酸を除去することにより得られる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、ポリアルキレンイミンが好ましい。
ポリアルキレンイミンとしては、エチレンイミン、プロピレンイミン、1,2−ブチレンイミン、2,3−ブチレンイミン、1,1−ジメチルエチレンイミン等の炭素原子数2以上8以下のアルキレンイミンの1種又は2種以上を常法により重合して得られる単独重合体や共重合体が挙げられる。これらの中でも、ポリエチレンイミンがより好ましい。ポリアルキレンイミンは、アルキレンイミンを原料として、これを開環重合させて得られる1級アミン、2級アミン、及び3級アミンを含む分岐型ポリアルキレンイミン、あるいはアルキルオキサゾリンを原料とし、これを重合させて得られる1級アミンと2級アミンのみを含む直鎖型ポリアルキレンイミン、三次元状に架橋された構造のいずれであってもよい。さらに、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロピレントリアミン、トリプロピレンテトラミン、ジヘキサメチレントリアミン、アミノプロピルエチレンジアミン、ビスアミノプロピルエチレンジアミン等を含むものであってもよい。ポリアルキレンイミンは、通常、含まれる窒素原子上の活性水素原子の反応性に由来して、第3級アミノ基の他、活性水素原子をもつ第1級アミノ基や第2級アミノ基(イミノ基)を有する。
ポリアルキレンイミン中の窒素原子数は、特に制限はないが、4以上3,000であることが好ましく、8以上1,500以下であることがより好ましく、11以上500以下であることがさらに好ましい。また、ポリアルキレンイミンの数平均分子量は、100以上20,000以下であることが好ましく、200以上10,000以下であることがより好ましく、500以上8,000以下であることがさらに好ましい。
一方、添加するカルボン酸類としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、カプリン酸、ペラルゴン酸、ウンデカン酸、ラウリル酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキン酸、ベヘン酸、エルカ酸等の脂肪族モノカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、メチルシクロヘキサンカルボン酸等の脂環式モノカルボン酸、安息香酸、トルイン酸、エチル安息香酸、フェニル酢酸等の芳香族モノカルボン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘキサデセン二酸、オクタデカン二酸、オクタデセン二酸、エイコサン二酸、エイコセン二酸、ドコサン二酸、ジグリコール酸、2,2,4−トリメチルアジピン酸、2,4,4−トリメチルアジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、m−キシリレンジカルボン酸、p−キシリレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,3,5−ペンタントリカルボン酸、1,2,6−ヘキサントリカルボン酸、1,3,6−ヘキサントリカルボン酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸、トリメシン酸等のトリカルボン酸が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
添加されるアミン類の使用量は、製造しようとする末端変性脂肪族ポリアミドの末端アミノ基濃度、末端カルボキシル基濃度、及び相対粘度を考慮して、公知の方法により適宜決められる。通常、ポリアミド原料1モルに対して(繰り返し単位を構成する単量体又は単量体ユニット1モル)、アミン類の添加量は、十分な反応性を得ることと、所望の粘度を有するポリアミドの製造を容易とする観点から、0.5meq/モル以上20meq/モル以下であることが好ましく、1.0meq/モル以上10meq/モル以下であることがより好ましい(アミノ基の当量(eq)は、カルボキシル基と1:1で反応してアミド基を形成するアミノ基の量を1当量とする。)。
末端変性脂肪族ポリアミドにおいては、上記例示のアミン類のうち、末端基濃度の条件を満たすために、ジアミン及び/又はポリアミンを重合時に添加することが好ましく、ゲル発生抑制という観点から、脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン、及びポリアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
また、末端変性脂肪族ポリアミドは、上記末端基濃度を満たす限りにおいては、末端基濃度の異なる2種類以上のポリアミドの混合物でも構わない。この場合、ポリアミド混合物の末端アミノ基濃度、末端カルボキシル基濃度は、混合物を構成するポリアミドの末端アミノ基濃度、末端カルボキシル基濃度、及びその配合割合により決まる。
脂肪族ポリアミド(A)は、前記の単独重合体の混合物、前記の共重合体の混合物、単独重合体と共重合体の混合物であってもよいし、あるいは他のポリアミド系樹脂又はその他の熱可塑性樹脂との混合物であってもよい。混合物中の脂肪族ポリアミド(A)の含有量は60質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。
他のポリアミド系樹脂としては、ポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)、ポリメタキシリレンテレフタラミド(ポリアミドMXDT)、ポリメタキシリレンイソフタラミド(ポリアミドMXDI)、ポリメタキシリレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミドMXDT(H))、ポリメタキシリレンナフタラミド(ポリアミドMXDN)、ポリパラキシリレンアジパミド(ポリアミドPXD6)、ポリパラキシリレンテレフタラミド(ポリアミドPXDT)、ポリパラキシリレンイソフタラミド(ポリアミドPXDI)、ポリパラキシリレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミドPXDT(H))、ポリパラキシリレンナフタラミド(ポリアミドPXDN)、ポリパラフェニレンテレフタラミド(PPTA)、ポリパラフェニレンイソフタラミド(PPIA)、ポリメタフェニレンテレフタラミド(PMTA)、ポリメタフェニレンイソフタラミド(PMIA)、ポリ(2,6−ナフタレンジメチレンアジパミド)(ポリアミド2,6−BAN6)、ポリ(2,6−ナフタレンジメチレンスベラミド)(ポリアミド2,6−BAN8)、ポリ(2,6−ナフタレンジメチレンアゼラミド)(ポリアミド2,6−BAN9)、ポリ(2,6−ナフタレンジメチレンセバカミド)(ポリアミド2,6−BAN10)、ポリ(2,6−ナフタレンジメチレンドデカミド)(ポリアミド2,6−BAN12)、ポリ(2,6−ナフタレンジメチレンテレフタラミド)(ポリアミド2,6−BANT)、ポリ(2,6−ナフタレンジメチレンイソフタラミド)(ポリアミド2,6−BANI)、ポリ(2,6−ナフタレンジメチレンヘキサヒドロテレフタラミド)(ポリアミド2,6−BANT(H))、ポリ(2,6−ナフタレンジメチレンナフタラミド)(ポリアミド2,6−BANN)、ポリ(1,3−シクロヘキサンジメチレンアジパミド)(ポリアミド1,3−BAC6)、ポリ(1,3−シクロヘキサンジメチレンスベラミド(ポリアミド1,3−BAC8)、ポリ(1,3−シクロヘキサンジメチレンアゼラミド)(ポリアミド1,3−BAC9)、ポリ(1,3−シクロヘキサンジメチレンセバカミド)(ポリアミド1,3−BAC10)、ポリ(1,3−シクロヘキサンジメチレンドデカミド)(ポリアミド1,3−BAC12)、ポリ(1,3−シクロヘキサンジメチレンテレフタラミド)(ポリアミド1,3−BACT)、ポリ(1,3−シクロヘキサンジメチレンイソフタラミド)(ポリアミド1,3−BACI)、ポリ(1,3−シクロヘキサンジメチレンヘキサヒドロテレフタラミド)(ポリアミド1,3−BACT(H))、ポリ(1,3−シクロヘキサンジメチレンナフタラミド)(ポリアミド1,3−BACN)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンアジパミド)(ポリアミド1,4−BAC6)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンスベラミド)(ポリアミド1,4−BAC8)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンアゼラミド)(ポリアミド1,4−BAC9)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンセバカミド)(ポリアミド1,4−BAC10)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンドデカミド)(ポリアミド1,4−BAC12)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタラミド)(ポリアミド1,4−BACT)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンイソフタラミド)(ポリアミド1,4−BACI)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンヘキサヒドロテレフタラミド)(ポリアミド1,4−BACT(H))、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンナフタラミド)(ポリアミド1,4−BACN)、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシレンアジパミド)(ポリアミドPACM6)、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシレンスベラミド)(ポリアミドPACM8)、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシレンアゼラミド)(ポリアミドPACM9)、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシレンセバカミド)(ポリアミドPACM10)、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシレンドデカミド)(ポリアミドPACM12)、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシレンテトラデカミド)(ポリアミドPACM14)、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシレンヘキサデカミド)(ポリアミドPACM16)、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシレンオクタデカミド)(ポリアミドPACM18)、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシレンテレフタラミド)(ポリアミドPACMT)、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシレンイソフタラミド)(ポリアミドPACMI)、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシレンヘキサヒドロテレフタラミド)(ポリアミドPACMT(H))、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシレンナフタラミド)(ポリアミドPACMN)、ポリ(4,4’−メチレンビス(2−メチル−シクロヘキシレン)アジパミド)(ポリアミドMACM6)、ポリ(4,4’−メチレンビス(2−メチル−シクロヘキシレン)スベラミド)(ポリアミドMACM8)、ポリ(4,4’−メチレンビス(2−メチル−シクロヘキシレン)アゼラミド)(ポリアミドMACM9)、ポリ(4,4’−メチレンビス(2−メチル−シクロヘキシレン)セバカミド)(ポリアミドMACM10)、ポリ(4,4’−メチレンビス(2−メチル−シクロヘキシレン)ドデカミド)(ポリアミドMACM12)、ポリ(4,4’−メチレンビス(2−メチル−シクロヘキシレン)テトラデカミド)(ポリアミドMACM14)、ポリ(4,4’−メチレンビス(2−メチル−シクロヘキシレン)ヘキサデカミド)(ポリアミドMACM16)、ポリ(4,4’−メチレンビス(2−メチル−シクロヘキシレン)オクタデカミド)(ポリアミドMACM18)、ポリ(4,4’−メチレンビス(2−メチル−シクロヘキシレン)テレフタラミド)(ポリアミドMACMT)、ポリ(4,4’−メチレンビス(2−メチル−シクロヘキシレン)イソフタラミド)(ポリアミドMACMI)、ポリ(4,4’−メチレンビス(2−メチル−シクロヘキシレン)ヘキサヒドロテレフタラミド)(ポリアミドMACMT(H))、ポリ(4,4’−メチレンビス(2−メチル−シクロヘキシレン)ナフタラミド)(ポリアミドMACMN)、ポリ(4,4’−プロピレンビスシクロヘキシレンアジパミド)(ポリアミドPACP6)、ポリ(4,4’−プロピレンビスシクロヘキシレンスベラミド)(ポリアミドPACP8)、ポリ(4,4’−プロピレンビスシクロヘキシレンアゼラミド)(ポリアミドPACP9)、ポリ(4,4’−プロピレンビスシクロヘキシレンセバカミド)(ポリアミドPACP10)、ポリ(4,4’−プロピレンビスシクロヘキシレンドデカミド)(ポリアミドPACP12)、ポリ(4,4’−プロピレンビスシクロヘキシレンテトラデカミド)(ポリアミドPACP14)、ポリ(4,4’−プロピレンビスシクロヘキシレンヘキサデカミド)(ポリアミドPACP16)、ポリ(4,4’−プロピレンビスシクロヘキシレンオクタデカミド)(ポリアミドPACP18)、ポリ(4,4’−プロピレンビスシクロヘキシレンテレフタラミド)(ポリアミドPACPT)、ポリ(4,4’−プロピレンビスシクロヘキシレンイソフタラミド)(ポリアミドPACPI)、ポリ(4,4’−プロピレンビスシクロヘキシレンヘキサヒドロテレフタラミド)(ポリアミドPACPT(H))、ポリ(4,4’−プロピレンビスシクロヘキシレンナフタラミド)(ポリアミドPACPN)、ポリイソホロンアジパミド(ポリアミドIPD6)、ポリイソホロンスベラミド(ポリアミドIPD8)、ポリイソホロンアゼラミド(ポリアミドIPD9)、ポリイソホロンセバカミド(ポリアミドIPD10)、ポリイソホロンドデカミド(ポリアミドIPD12)、ポリイソホロンテレフタラミド(ポリアミドIPDT)、ポリイソホロンイソフタラミド(ポリアミドIPDI)、ポリイソホロンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミドIPDT(H))、ポリイソホロンナフタラミド(ポリアミドIPDN)、ポリテトラメチレンテレフタラミド(ポリアミド4T)、ポリテトラメチレンイソフタラミド(ポリアミド4I)、ポリテトラメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミド4T(H))、ポリテトラメチレンナフタラミド(ポリアミド4N)、ポリペンタメチレンテレフタラミド(ポリアミド5T)、ポリペンタメチレンイソフタラミド(ポリアミド5I)、ポリペンタメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミド5T(H))、ポリペンタメチレンナフタラミド(ポリアミド5N)、ポリヘキサメチレンテレフタラミド(ポリアミド6T)、ポリヘキサメチレンイソフタラミド(ポリアミド6I)、ポリヘキサメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミド6T(H))、ポリヘキサメチレンナフタラミド(ポリアミド6N)、ポリ(2−メチルペンタメチレンテレフタラミド)(ポリアミドM5T)、ポリ(2−メチルペンタメチレンイソフタラミド)(ポリアミドM5I)、ポリ(2−メチルペンタメチレンヘキサヒドロテレフタラミド)(ポリアミドM5T(H))、ポリ(2−メチルペンタメチレンナフタラミド(ポリアミドM5N)、ポリノナメチレンテレフタラミド(ポリアミド9T)、ポリノナメチレンイソフタラミド(ポリアミド9I)、ポリノナメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミド9T(H))、ポリノナメチレンナフタラミド(ポリアミド9N)、ポリ(2−メチルオクタメチレンテレフタラミド)(ポリアミドM8T)、ポリ(2−メチルオクタメチレンイソフタラミド)(ポリアミドM8I)、ポリ(2−メチルオクタメチレンヘキサヒドロテレフタラミド)(ポリアミドM8T(H))、ポリ(2−メチルオクタメチレンナフタラミド)(ポリアミドM8N)、ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタラミド(ポリアミドTMHT)、ポリトリメチルヘキサメチレンイソフタラミド(ポリアミドTMHI)、ポリトリメチルヘキサメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミドTMHT(H))、ポリトリメチルヘキサメチレンナフタラミド(ポリアミドTMHN)、ポリデカメチレンテレフタラミド(ポリアミド10T)、ポリデカメチレンイソフタラミド(ポリアミド10I)、ポリデカメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミド10T(H))、ポリデカメチレンナフタラミド(ポリアミド10N)、ポリウンデカメチレンテレフタラミド(ポリアミド11T)、ポリウンデカメチレンイソフタラミド(ポリアミド11I)、ポリウンデカメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミド11T(H))、ポリウンデカメチレンナフタラミド(ポリアミド11N)、ポリドデカメチレンテレフタラミド(ポリアミド12T)、ポリドデカメチレンイソフタラミド(ポリアミド12I)、ポリドデカメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミド12T(H))、ポリドデカメチレンナフタラミド(ポリアミド12N)やこれらポリアミドの原料単量体を数種用いた共重合体等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
また、混合するその他の熱可塑性樹脂としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブテン(PB)、ポリメチルペンテン(TPX)、エチレン/プロピレン共重合体(EPR)、エチレン/ブテン共重合体(EBR)、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン/アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン/メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン/アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン/メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン/アクリル酸エチル共重合体(EEA)等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン(PS)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、メタクリル酸メチル/スチレン共重合体(MS)、メタクリル酸メチル/スチレン/ブタジエン共重合体(MBS)、スチレン/ブタジエン共重合体(SBR)、スチレン/イソプレン共重合体(SIR)、スチレン/イソプレン/ブタジエン共重合体(SIBR)、スチレン/ブタジエン/スチレン共重合体(SBS)、スチレン/イソプレン/スチレン共重合体(SIS)、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン共重合体(SEBS)、スチレン/エチレン/プロピレン/スチレン共重合体(SEPS)等のポリスチレン系樹脂、カルボキシル基及びその塩、酸無水物基、エポキシ基等の官能基が含有された上記ポリオレフィン系樹脂やポリスチレン系樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、ポリ(エチレンテレフタレート/エチレンイソフタレート)共重合体(PET/PEI)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート(PCT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリアリレート(PAR)、液晶ポリエステル(LCP)、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)等のポリエステル系樹脂、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンエーテル(PPO)等のポリエーテル系樹脂、ポリサルホン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PESU)、ポリフェニルサルホン(PPSU)等のポリサルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリチオエーテルサルホン(PTES)等のポリチオエーテル系樹脂、ポリケトン(PK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルエーテルエーテルケトン(PEEEK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)、ポリエーテルケトンケトンケトン(PEKKK)、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)等のポリケトン系樹脂、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、メタクリロニトリル/スチレン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体(NBR)等のポリニトリル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル(PEMA)等のポリメタクリレート系樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/アクリル酸メチル共重合体等のポリビニル系樹脂、酢酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート(PC)等のポリカーボネート系樹脂、熱可塑性ポリイミド(TPI)、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエステルアミドイミド等のポリイミド系樹脂、熱可塑性ポリウレタン系樹脂、ポリアミドエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
また、脂肪族ポリアミド(A)には、可塑剤を添加することが好ましい。可塑剤としては、ベンゼンスルホン酸アルキルアミド類、トルエンスルホン酸アルキルアミド類、ヒドロキシ安息香酸アルキルエステル類等が挙げられる。
ベンゼンスルホン酸アルキルアミド類としては、ベンゼンスルホン酸プロピルアミド、ベンゼンスルホン酸ブチルアミド、ベンゼンスルホン酸2−エチルヘキシルアミド等が挙げられる。トルエンスルホン酸アルキルアミド類としては、N−エチル−o−トルエンスルホン酸ブチルアミド、N−エチル−p−トルエンスルホン酸ブチルアミド、N−エチル−o−トルエンスルホン酸2−エチルヘキシルアミド、N−エチル−p−トルエンスルホン酸2−エチルヘキシルアミド等が挙げられる。ヒドロキシ安息香酸アルキルエステル類としては、o−ヒドロキシ安息香酸エチルヘキシル、p−ヒドロキシ安息香酸エチルヘキシル、o−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルデシル、p−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルデシル、o−ヒドロキシ安息香酸エチルデシル、p−ヒドロキシ安息香酸エチルデシル、o−ヒドロキシ安息香酸オクチルオクチル、p−ヒドロキシ安息香酸オクチルオクチル、o−ヒドロキシ安息香酸デシルドデシル、p−ヒドロキシ安息香酸デシルドデシル、o−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、o−ヒドロキシ安息香酸ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸ブチル、o−ヒドロキシ安息香酸ヘキシル、p−ヒドロキシ安息香酸ヘキシル、o−ヒドロキシ安息香酸n−オクチル、p−ヒドロキシ安息香酸n−オクチル、o−ヒドロキシ安息香酸デシル、p−ヒドロキシ安息香酸デシル、o−ヒドロキシ安息香酸ドデシル、p−ヒドロキシ安息香酸ドデシル等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
これらの中でも、ベンゼンスルホン酸ブチルアミド、ベンゼンスルホン酸2−エチルヘキシルアミド等のベンゼンスルホン酸アルキルアミド類、N−エチル−p−トルエンスルホン酸ブチルアミド、N−エチル−p−トルエンスルホン酸2−エチルヘキシルアミド等のトルエンスルホン酸アルキルアミド類、p−ヒドロキシ安息香酸エチルヘキシル、p−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルデシル、p−ヒドロキシ安息香酸エチルデシル等のヒドロキシ安息香酸アルキルエステル類が好ましく、ベンゼンスルホン酸ブチルアミド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルヘキシル、p−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルデシルがより好ましい。
可塑剤の含有量は、積層チューブの柔軟性や低温耐衝撃性を十分に確保する観点から、脂肪族ポリアミド(A)100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下であることが好ましく、2質量部以上20質量部以下であることがより好ましい。
また、脂肪族ポリアミド(A)には、耐衝撃改良材を添加することが好ましい。耐衝撃改良材としては、ゴム状重合体が挙げられ、ISO 178に準拠して測定した曲げ弾性率が500MPa以下であることが好ましい。曲げ弾性率がこの値を超えると、衝撃改良効果が不十分となる場合がある。
耐衝撃改良材としては、(エチレン及び/又はプロピレン)/α−オレフィン系共重合体、(エチレン及び/又はプロピレン)/(α,β−不飽和カルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸エステル)系共重合体、アイオノマー重合体、芳香族ビニル化合物/共役ジエン化合物系ブロック共重合体が挙げられ、これらは1種又は2種以上を用いることができる。
前記(エチレン及び/又はプロピレン)/α−オレフィン系共重合体は、エチレン及び/又はプロピレンと炭素原子数3以上のα−オレフィンを共重合した重合体であり、炭素原子数3以上のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−1−ドデセン、12−エチル−1−テトラデセン等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。また、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,4−オクタジエン、1,5−オクタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、4,8−ジメチル−1,4,8−デカトリエン(DMDT)、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,5−ノルボルナジエン等の非共役ジエンのポリエンを共重合してもよい。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
前記(エチレン及び/又はプロピレン)/(α,β−不飽和カルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸エステル)系共重合体は、エチレン及び/又はプロピレンとα,β−不飽和カルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸エステル単量体を共重合した重合体であり、α,β−不飽和カルボン酸単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸が挙げられ、α,β−不飽和カルボン酸エステル単量体としては、これら不飽和カルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、ペンチルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、ノニルエステル、デシルエステル等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
前記アイオノマー重合体は、オレフィンとα,β−不飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル基の少なくとも一部が金属イオンの中和によりイオン化されたものである。オレフィンとしてはエチレンが好ましく用いられ、α,β−不飽和カルボン酸としてはアクリル酸、メタクリル酸が好ましく用いられるが、ここに例示したものに限定されるものではなく、不飽和カルボン酸エステル単量体が共重合されていても構わない。また、金属イオンはLi、Na、K、Mg、Ca、Sr、Ba等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の他、Al、Sn、Sb、Ti、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Cd等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
また、前記芳香族ビニル化合物/共役ジエン化合物系ブロック共重合体は、芳香族ビニル化合物系重合体ブロックと共役ジエン化合物系重合体ブロックからなるブロック共重合体であり、芳香族ビニル化合物系重合体ブロックを少なくとも1個と、共役ジエン化合物系重合体ブロックを少なくとも1個有するブロック共重合体が用いられる。また、上記のブロック共重合体では、共役ジエン化合物系重合体ブロックにおける不飽和結合が水素添加されていてもよい。
芳香族ビニル化合物系重合体ブロックは、芳香族ビニル化合物に由来する単位から主としてなる重合体ブロックである。その場合の芳香族ビニル化合物としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、1,5−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレン等が挙げられ、これらは1種又は2種以上を用いることができる。また、芳香族ビニル化合物系重合体ブロックは、場合により少量の他の不飽和単量体からなる単位を有していてもよい。
共役ジエン化合物系重合体ブロックは、1,3−ブタジエン、クロロプレン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等の共役ジエン系化合物の1種又は2種以上から形成された重合体ブロックであり、水素添加した芳香族ビニル化合物/共役ジエン化合物系ブロック共重合体では、その共役ジエン化合物系重合体ブロックにおける不飽和結合部分の一部又は全部が水素添加により飽和結合になっている。
芳香族ビニル化合物/共役ジエン化合物系ブロック共重合体及びその水素添加物の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状、又はそれら任意の組み合わせのいずれであってもよい。これらの中でも、芳香族ビニル化合物/共役ジエン化合物系ブロック共重合体及び/又はその水素添加物として、1個の芳香族ビニル化合物重合体ブロックと1個の共役ジエン化合物系重合体ブロックが直鎖状に結合したジブロック共重合体、芳香族ビニル化合物系重合体ブロック−共役ジエン化合物系重合体ブロック−芳香族ビニル化合物系重合体ブロックの順に3つの重合体ブロックが直鎖状に結合しているトリブロック共重合体、及びそれらの水素添加物の1種又は2種以上が好ましく用いられ、未水添又は水添スチレン/ブタジエンブロック共重合体、未水添又は水添スチレン/イソプレンブロック共重合体、未水添又は水添スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体、未水添又は水添スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体、未水添又は水添スチレン/(エチレン/ブタジエン)/スチレンブロック共重合体、未水添又は水添スチレン/(イソプレン/ブタジエン)/スチレンブロック共重合体等が挙げられる。
また、耐衝撃改良材として用いられる(エチレン及び/又はプロピレン)/α−オレフィン系共重合体、(エチレン及び/又はプロピレン)/(α,β−不飽和カルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸エステル)系共重合体、アイオノマー重合体、芳香族ビニル化合物/共役ジエン化合物系ブロック共重合体は、カルボン酸及び/又はその誘導体で変性された重合体が好ましく使用される。このような成分により変性することにより、脂肪族ポリアミド(A)に対して親和性を有する官能基をその分子中に含むこととなる。
脂肪族ポリアミド(A)に対して親和性を有する官能基としては、カルボキシル基、酸無水物基、カルボン酸エステル基、カルボン酸金属塩、カルボン酸イミド基、カルボン酸アミド基、エポキシ基等が挙げられる。これらの官能基を含む化合物の例として、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、メサコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、エンドビシクロ−[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸、及びこれらカルボン酸の金属塩、マレイン酸モノメチル、イタコン酸モノメチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸アミノエチル、マレイン酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、エンドビシクロ−[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物、マレイミド、N−エチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジル、シトラコン酸グリシジル等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
耐衝撃改良材の含有量は、積層チューブの機械的強度や低温耐衝撃性を十分に確保する観点から、脂肪族ポリアミド(A)100質量部に対して、1質量部以上35質量部以下であることが好ましく、3質量部以上25質量部以下であることがより好ましい。
さらに、脂肪族ポリアミド(A)には、必要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、滑剤、無機充填材、帯電防止剤、難燃剤、結晶化促進剤、着色剤等を添加してもよい。
本発明において使用される半芳香族ポリアミド(B)は、全ジアミン単位に対して、(b1)m−キシリレンジアミン単位及び(b2)p−キシリレンジアミン単位、若しくは(b1)m−キシリレンジアミン単位からなるキシリレンジアミン単位を60モル%以上含み、(b1)と(b2)のモル比が50:50モル%以上100:0モル%以下であるジアミン単位と、全ジカルボン酸単位に対して、炭素原子数8以上13以下の脂肪族ジカルボン酸単位を60モル%以上含むジカルボン酸単位よりなる(以下、半芳香族ポリアミド(B)と称する場合がある。)。
半芳香族ポリアミド(B)中の(b1)m−キシリレンジアミン単位及び(b2)p−キシリレンジアミン単位、若しくは(b1)m−キシリレンジアミン単位からなるキシリレンジアミン単位の含有量は、得られる積層チューブの耐熱性、耐薬品性、耐衝撃性、薬液透過防止性等の諸物性を十分に確保する観点から、全ジアミン単位に対して、60モル%以上であり、75モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましい。
前記(b1)m−キシリレンジアミン単位と(b2)p−キシリレンジアミン単位のモル比は、成形性、低温耐衝撃性、及び薬液透過防止性のバランスの観点から、(b1):(b2)=50:50モル%以上100:0モル%以下であり、55:45モル%以上100:0モル%以下であることが好ましく、60:40モル%以上100:0モル%以下であることがより好ましく、65:35モル%以上100:0モル%以下であることがさらに好ましい。
半芳香族ポリアミド(B)中のジアミン単位は、本発明の積層チューブの優れた諸特性を損なわない範囲内であれば、(b1)m−キシリレンジアミン単位と(b2)p−キシリレンジアミン単位以外の他のジアミン単位を含んでいてもよい。他のジアミン単位としては、1,2−エタンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,13−トリデカンジアミン、1,14−テトラデカンジアミン、1,15−ペンタデカンジアミン、1,16−ヘキサデカンジアミン、1,17−ヘプタデカンジアミン、1,18−オクタデカンジアミン、1,19−ノナデカンジアミン、1,20−エイコサンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン等の脂肪族ジアミンから誘導される単位、1,3−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)プロパン、5−アミノ−2,2,4−トリメチル−1−シクロペンタンメチルアミン、5−アミノ−1,3,3−トリメチルシクロヘキサンメチルアミン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、ビス(アミノエチル)ピペラジン、2,5−ビス(アミノメチル)ノルボルナン、2,6−ビス(アミノメチル)ノルボルナン、3,8−ビス(アミノメチル)トリシクロデカン、4,9−ビス(アミノメチル)トリシクロデカン等の脂環式ジアミンから誘導される単位、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,4−ビス(アミノメチル)ナフタレン、1,5−ビス(アミノメチル)ナフタレン、2,6−ビス(アミノメチル)ナフタレン、2,7−ビス(アミノメチル)ナフタレン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル等の芳香族ジアミンから誘導される単位が挙げられ、これらは1種又は2種以上を用いることができる。これら他のジアミン単位の含有量は、全ジアミン単位に対して、40モル%以下であり、25モル%以下であることが好ましく、10モル%以下であることがより好ましい。
また、半芳香族ポリアミド(B)中の炭素原子数8以上13以下の脂肪族ジカルボン酸単位の含有量は、得られる積層チューブの耐熱性、耐薬品性、薬液透過防止性等の諸物性を十分に確保する観点から、全ジカルボン酸単位に対して、60モル%以上であり、75モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましい。
炭素原子数8以上13以下の脂肪族ジカルボン酸単位としては、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸等から誘導される単位が挙げられる。炭素原子数が上記を満たす限り、2,2−ジエチルコハク酸、2,2,4−トリメチルアジピン酸、2,4,4−トリメチルアジピン酸、2−ブチルスベリン酸等の分岐鎖状脂肪族ジカルボン酸から誘導される単位を含有していても構わない。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
前記炭素原子数8以上13以下の脂肪族ジカルボン酸単位の中でも、共押出成形性と薬液透過防止性のバランスの観点から、アゼライン酸、セバシン酸から誘導される単位が好ましく、低温耐衝撃性を十分に確保する観点から、ドデカン二酸から誘導される単位が好ましい。
半芳香族ポリアミド(B)中のジカルボン酸単位は、本発明の積層チューブの優れた諸特性を損なわない範囲内であれば、炭素原子数8以上13以下の脂肪族ジカルボン酸単位以外の他のジカルボン酸単位を含んでいてもよい。他のジカルボン酸単位としては、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、エイコサン二酸等の脂肪族ジカルボン酸から誘導される単位、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸から誘導される単位、テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、4,4’−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルプロパン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−トリフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸から誘導される単位が挙げられ、これらは1種又は2種以上を用いることができる。上記単位の中でも、芳香族ジカルボン酸から誘導される単位が好ましい。これら他のジカルボン酸単位の含有量は、全ジカルボン酸単位に対して、40モル%以下であり、25モル%以下であることが好ましく、10モル%以下であることがより好ましい。さらに、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の多価カルボン酸を溶融成形が可能な範囲内で用いることもできる。
半芳香族ポリアミド(B)には、本発明の積層チューブの優れた諸特性を損なわない範囲内であれば、ジカルボン酸単位及びジアミン単位以外のその他の単位を含んでいてもよい。その他の単位としては、カプロラクタム、エナントラクタム、ウンデカンラクタム、ドデカンラクタム、α−ピロリドン、α−ピペリドン等のラクタムから誘導される単位、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等の脂肪族アミノカルボン酸、p−アミノメチル安息香酸等の芳香族アミノカルボン酸のアミノカルボン酸から誘導される単位が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。その他の単位の含有量は、全ジカルボン酸単位に基づいて、30モル%以下であることが好ましく、10モル%以下であることがより好ましい。
半芳香族ポリアミド(B)の融点は、目的、用途、使用方法により適宜選択されるが、前記脂肪族ポリアミド(A)、後記EVOH(C)等と共押出する場合、当該樹脂の成形温度に近いことが好ましい。そのため、前記(b1)m−キシリレンジアミン単位と(b2)p−キシリレンジアミン単位、炭素原子数8以上13以下の脂肪族ジカルボン酸単位、その他のジアミン単位、その他のジカルボン酸単位、及びその他の単位の割合を適宜調節し、半芳香族ポリアミド(B)の融点を最適化することが好ましい。特に、半芳香族ポリアミド(B)の融点は、前記脂肪族ポリアミド(A)や後記EVOH(C)との共押出時の熱溶融安定性、連続成形性、層間接着性、半芳香族ポリアミド(B)の耐薬品性、及び薬液透過防止性を十分に確保する観点から、160℃以上240℃以下であることが好ましく、165℃以上235℃以下であることがより好ましい。ここで、融点とは、示差走査熱量測定装置を用いて、試料を予想される融点以上の温度に加熱し、次に、この試料を1分間あたり10℃の速度で降温し、30℃まで冷却、そのまま約1分間放置したのち1分間あたり10℃の速度で昇温することにより測定される融解曲線のピーク値の温度と定義する。
なお、半芳香族ポリアミド(B)の末端基の種類及びその濃度や分子量分布に特別の制約は無い。分子量調節や成形加工時の溶融安定化のため、モノアミン、ジアミン、ポリアミン、モノカルボン酸、ジカルボン酸のうちの1種あるいは2種以上を適宜組合せて添加することができる。例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン等の脂肪族モノアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン等の脂環式モノアミン、アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチルアミン等の芳香族モノアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン等の脂肪族ジアミン、シクロヘキサンジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、5−アミノ−1,3,3−トリメチルシクロヘキサンメチルアミン等の脂環式ジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン等の芳香族ジアミン、ポリアルキレンイミン、ポリアルキレンポリアミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン等のポリアミンや酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ピバリン酸、イソ酪酸等の脂肪族モノカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸等の脂環式モノカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、α−ナフタレンカルボン酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸、フェニル酢酸等の芳香族モノカルボン酸、アジピン酸、ピメリン酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。これら分子量調節剤の使用量は分子量調節剤の反応性や重合条件により異なるが、最終的に得ようとするポリアミドの相対粘度が後記の範囲になるように適宜決められる。
溶融安定性を考慮すると、半芳香族ポリアミド(B)の分子鎖の末端が末端封止剤により封止されていることが好ましく、末端基の10%以上が封止されていることがより好ましく、末端基の20%以上が封止されていることがさらに好ましい。末端封止剤としては、ポリアミド末端のアミノ基又はカルボキシル基と反応性を有する単官能性の化合物であれば特に制限はないが、反応性、封止末端の安定性等の観点から、モノカルボン酸又はモノアミンが好ましく、取扱いの容易さ等の観点から、モノカルボン酸がより好ましい。その他、無水フタル酸等の酸無水物、モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、モノアルコール類等も使用できる。
末端封止剤として使用されるモノカルボン酸としては、アミノ基との反応性を有するものであれば特に制限はないが、前記の脂肪族モノカルボン酸、脂環式モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸等が挙げられる。これらの中でも、反応性、封止末端の安定性、価格等の観点から、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、安息香酸が好ましい。末端封止剤として使用されるモノアミンとしては、カルボキシル基との反応性を有するものであれば特に制限はないが、前記の脂肪族モノアミン、脂環式モノアミン、芳香族モノアミン等が挙げられる。これらの中でも、反応性、沸点、封止末端の安定性、価格等の観点から、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリンが好ましい。
末端封止剤の使用量は、用いる末端封止剤の反応性、沸点、反応装置、反応条件等を考慮して、適宜選択することができる。重合度の調整の観点から、原料成分であるジカルボン酸とジアミンの総モル数に対して0.1モル%以上15モル%以下であることが好ましい。
半芳香族ポリアミド(B)には、溶融成形時の加工安定性を高めるため、あるいは着色を防止するためにリン化合物を添加することができる。リン化合物としては、次亜リン酸のアルカリ土類金属塩、亜リン酸のアルカリ金属塩、亜リン酸のアルカリ土類金属塩、リン酸のアルカリ金属塩、リン酸のアルカリ土類金属塩、ピロリン酸のアルカリ金属塩、ピロリン酸のアルカリ土類金属塩、メタリン酸のアルカリ金属塩、及びメタリン酸のアルカリ土類金属塩が挙げられる。
具体的には、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸マグネシウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸水素ナトリウム、亜リン酸カリウム、亜リン酸水素カリウム、亜リン酸リチウム、亜リン酸水素リチウム、亜リン酸マグネシウム、亜リン酸水素マグネシウム、亜リン酸カルシウム、亜リン酸水素カルシウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸マグネシウム、リン酸水素二マグネシウム、リン酸二水素マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸水素二カルシウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸リチウム、リン酸水素二リチウム、リン酸二水素リチウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウム、ピロリン酸リチウム、メタリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、メタリン酸マグネシウム、メタリン酸カルシウム、メタリン酸リチウム等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸マグネシウム、亜リン酸カルシウム、亜リン酸水素カルシウム、リン酸二水素カルシウムが好ましく、次亜リン酸カルシウムがより好ましい。なお、これらのリン化合物は水和物であってもよい。
リン化合物の含有量は、着色防止効果を十分に確保し、ゲルの発生を抑制する観点から、半芳香族ポリアミド(B)100質量部に対して、リン原子濃度換算で0.03質量部以上0.30質量部以下であることが好ましく、0.05質量部以上0.20質量部以下であることがより好ましく、0.07質量部以上0.15質量部以下であることがさらに好ましい。
これらのリン化合物の添加方法は、半芳香族ポリアミド(B)の原料であるナイロン塩水溶液、ジアミンもしくはジカルボン酸に添加する方法、溶融状態にあるジカルボン酸に添加する方法、溶融重合中に添加する方法等が挙げられるが、半芳香族ポリアミド(B)中に均一に分散させることが可能であれば、いかなる方法でも良く、これらに限定されるものではない。
半芳香族ポリアミド(B)には、リン化合物と併用して、アルカリ金属化合物を添加することができる。重縮合中のポリアミドの着色を防止するためにはリン化合物を十分な量存在させる必要があるが、場合によってはポリアミドのゲル化を招く恐れがあるため、アミド化反応速度を調整するためにもアルカリ金属化合物を共存させることが好ましい。アルカリ金属化合物としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属酢酸塩、及びアルカリ土類金属酢酸塩が挙げられ、アルカリ金属水酸化物やアルカリ金属酢酸塩が好ましい。
アルカリ金属化合物としては、具体的には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ルビジウム、酢酸セシウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸ストロンチウム、酢酸バリウム等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、経済性の観点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムが好ましく、水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムが好ましい。
半芳香族ポリアミド(B)の重縮合系内にアルカリ金属化合物を添加する場合、該化合物のモル数を前記リン化合物のリン原子換算モル数で除した値は、アミド化反応の促進と抑制のバランスの観点から、0.3以上1.0以下であることが好ましく、0.40以上0.95以下であることがより好ましく、0.5以上0.9以下であることがさらに好ましい。
これらのアルカリ金属化合物の添加方法は、半芳香族ポリアミド(B)の原料であるナイロン塩水溶液、ジアミンもしくはジカルボン酸に添加する方法、溶融状態にあるジカルボン酸に添加する方法、溶融重合中に添加する方法等が挙げられるが、半芳香族ポリアミド(B)中に均一に分散させることが可能であればいかなる方法でも良く、これらに限定されるものではない。
半芳香族ポリアミド(B)の製造装置としては、バッチ式反応釜、一槽式ないし多槽式の連続反応装置、管状連続反応装置、一軸型混練押出機、二軸型混練押出機等の混練反応押出機等、公知のポリアミド製造装置が挙げられる。半芳香族ポリアミド(B)の製造方法としては、溶融重合、溶液重合や固相重合等の公知の方法があり、これらの方法を用い、常圧、減圧、加圧操作を繰り返して半芳香族ポリアミド(B)を製造することができる。これらの製造方法は単独で、あるいは適宜、組合せて用いることができ、これらの中でも、溶融重合法が好ましい。例えば、(b1)m−キシリレンジアミン及び(b2)p−キシリレンジアミン、若しくは(b1)m−キシリレンジアミンと炭素原子数8以上13以下の脂肪族ジカルボン酸からなるナイロン塩を水の存在下で、加圧、昇温し、加えた水及び縮合水を除きながら溶融状態で重合させる方法により製造される。また、(b1)m−キシリレンジアミン及び(b2)p−キシリレンジアミン、若しくは(b1)m−キシリレンジアミンを溶融状態の炭素原子数8以上13以下の脂肪族ジカルボン酸に直接加えて、常圧下で重縮合する方法によっても製造される。この場合、反応系を均一な液状状態に保つために、(b1)m−キシリレンジアミン及び(b2)p−キシリレンジアミン、若しくは(b1)m−キシリレンジアミンを炭素原子数8以上13以下の脂肪族ジカルボン酸に連続的に加え、その間、反応系の温度が生成するオリゴアミド及びポリアミドの融点以上になるように反応系を昇温しつつ、重合が進められる。また、半芳香族ポリアミド(B)は、溶融重合法により製造された後に、固相重合を行っても良い。
JIS K−6920に準拠して、96%硫酸、ポリマー濃度1%、25℃の条件下にて測定した半芳香族ポリアミド(B)の相対粘度は、得られる積層チューブの機械的性質を確保することと、溶融時の粘度を適正範囲にして積層チューブの望ましい成形性を確保する観点から、1.5以上4.0以下であることが好ましく、1.8以上3.5以下であることがより好ましく、2.0以上3.0以下であることがさらに好ましい。
半芳香族ポリアミド(B)は、他のポリアミド系樹脂又はその他の熱可塑性樹脂を含有していてもよい。他のポリアミド系樹脂又はその他の熱可塑性樹脂としては、前記脂肪族ポリアミド(A)の場合と同様の樹脂が挙げられる。さらに、脂肪族ポリアミド(A)との混合物であっても構わない。混合物中の半芳香族ポリアミド(B)の含有量は60質量%以上であることが好ましい。
さらに、半芳香族ポリアミド(B)には、必要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、滑剤、無機質充填材、帯電防止剤、難燃剤、結晶化促進剤、可塑剤、着色剤、潤滑剤、耐衝撃改良材等を添加してもよい。半芳香族ポリアミド(B)の低温耐衝撃性を改良するために、耐衝撃改良材を添加することが好ましく、特に脂肪族ポリアミド(A)中に記載した、ISO 178に準拠して測定した曲げ弾性率が500MPa以下のゴム状重合体を添加することがより好ましい。
本発明において使用されるエチレン/酢酸ビニル共重合体ケン化物(C)は、エチレンと酢酸ビニルからなる共重合体を、アルカリ触媒等を用いて公知の方法により、ケン化して得られる(以下、EVOH(C)と称する場合がある。)。
さらに、EVOH(C)のエチレン含有量は、溶融成形性、柔軟性、耐衝撃性、及び薬液透過防止性を十分に確保する観点から、15モル%以上60モル%以下であることが好ましく、20モル%以上55モル%以下であることがより好ましく、25モル%以上45モル%以下であることがさらに好ましい。ここで、EVOH(C)がエチレン含有量の異なる2種類以上のEVOHの混合物からなる場合には、それぞれのエチレン含有量と混合質量比から算出される値をエチレン含有量とする。
また、EVOH(C)のビニルエステル成分のケン化度は、良好な薬液透過防止性を得る観点から、90モル%以上であることが好ましく、95モル%以上であることがより好ましく、98%モル以上であることがさらに好ましく、99モル%以上であることが特に好ましい。ここで、EVOH(C)がケン化度の異なる2種類以上のEVOHの混合物からなる場合には、それぞれのケン化度と混合質量比から算出される値をケン化度とする。なお、EVOHのエチレン含有量及びケン化度は、核磁気共鳴(NMR)法により求めることができる。
EVOH(C)のメルトフローレート(MFR)(210℃、2160g荷重下)は、溶融時の粘度を適正範囲にして望ましい成形性を確保し、溶融張力を過度に低下させず、成形時にドローダウン等の問題の発生を防止する観点から、0.1g/10分以上100g/10分以下であることが好ましく、0.3g/10分以上50g/10分以下であることがより好ましく、0.5g/10分以上20g/10分以下であることがさらに好ましい。
また、本発明の目的が阻害されない範囲であれば、他の単量体を共重合することも可能である。他の単量体としては、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、酢酸イソプロペニル、酢酸1−ブテニル、ピバル酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ドデセン等のα−オレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、フタル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩、又は炭素原子数1以上18以下のモノ又はジアルキルエステル類、アクリルアミド、炭素原子数1以上18以下のN−アルキルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸又はその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミン又はその酸塩又はその4級塩等のアクリルアミド類、メタクリルアミド、炭素原子数1以上18以下のN−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、2−メタクリルアミドプロパンスルホン酸又はその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミン又はその酸塩又はその4級塩等のメタクリルアミド類、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニルアミド類、アクリルニトリル、メタクリルニトリル等のシアン化ビニル類、炭素原子数1以上18以下のアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、アルコキシアルキルビニルエーテル等のビニルエーテル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル類、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトシキシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシランγ−メタクリルオキシプロピルメトキシシラン等のビニルシラン類、酢酸アリル、塩化アリル、アリルアルコール、ジメチルアリルアルコール、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルエチレンカーボネート等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
また、EVOH(C)には必要に応じて各種の添加剤を含有することもできる。このような添加剤の例としては、酸化防止剤、可塑剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤、フィラー、あるいは他の熱可塑性樹脂を挙げることができ、これらを本発明の作用効果が阻害されない範囲で含有することができる。具体的には、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、4,4’−チオビス(6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、n−オクタデシル−β−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキベンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ベンゼンエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)、ジ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−ペンタエリストール−ジホスファイト等の酸化防止剤、エチレン−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジオクチル、リン酸エステル等の可塑剤、ペンタエリスリットモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、硫酸化ポリオレフィン類、エチレングリコール、グリセリン、ヘキサンジオール等の脂肪族多価アルコール類等の帯電防止剤、ステアリン酸アミド等の飽和脂肪酸アミド、オレイン酸アミド等の不飽和脂肪酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等のビス脂肪酸アミド、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム等の脂肪酸金属塩、ワックス、流動パラフィン、低分子量ポリオレフィン等の滑剤、酢酸、プロピオン酸、ステアリン酸等の有機酸、ホウ酸化合物、リン酸化合物等の無機酸系化合物、ハイドロタルサイト類の金属塩等の安定剤、還元鉄粉類、亜硫酸カリウム、アスコルビン酸、ハイドロキノン、没食子酸等の酸素吸収剤、カーボンブラック、フタロシアニン、キナクリドン、インドリン、アゾ系顔料、ベンガラ等の着色剤、グラスファイバー、アスベスト、バラストナイト、マイカ、セリサイト、タルク、シリカ、カオリン、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト等の充填剤等が挙げられる。
さらに、EVOH(C)にはホウ素化合物を含有することが好ましい。ホウ素化合物を含有することにより、溶融安定性が改善され、均質な肉厚を有する積層チューブを得る観点から有効である。ホウ素化合物としては、ホウ酸類、ホウ酸エステル、ホウ酸塩、水素化ホウ素類等が挙げられる。ホウ酸類としては、オルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸等が挙げられ、ホウ酸エステルとしては、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリメチル等が挙げられ、ホウ酸塩としては上記の各種ホウ酸類のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、ホウ砂等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、オルトホウ酸が好ましい。
EVOH(C)におけるホウ素化合物の含有量は、その含有効果を十分に確保し、外観が良好なチューブを得る観点から、EVOH(C)100質量部に対して、ホウ素元素換算で0.002質量部以上0.5質量部以下であることが好ましく、0.005質量部以上0.2質量部以下であることがより好ましい。
EVOH(C)には、リン酸化合物を含有してもよい。リン酸化合物を含有することにより、溶融成形時のロングラン性、耐着色性、及び層間接着性の両立が図れる。リン酸化合物としては、特に限定されず、リン酸、亜リン酸等の各種の酸やその塩等を用いることができる。リン酸塩としては、第一リン酸塩、第二リン酸塩、第三リン酸塩が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。リン酸塩のカチオン種も特に限定されるものではないが、アルカリ金属塩が好ましく、これらの中でも、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウムが好ましい。
EVOH(C)におけるリン酸化合物の含有量は、その含有効果を十分に確保し、外観が良好なチューブを得る観点から、EVOH(C)100質量部に対して、リン酸根換算で0.02質量部以下であることが好ましく、0.0005質量部以上0.01質量部以下であることがより好ましく、0.001質量部以上0.007質量部以下であることがさらに好ましい。
また、EVOH(C)に対し、アルカリ及び/又はアルカリ土類金属塩を含有させることも、溶融安定性やロングラン性の観点から好ましい。アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩のアニオン種としての限定はなく、カルボン酸塩、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩等が挙げられる。アルカリ金属塩のカチオン種に限定はなく、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられ、アルカリ土類金属塩のカチオン種に限定はなく、マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、ベリリウム塩、ストロンチウム塩等が挙げられる。具体的には、酢酸ナトリウム、酢酸リチウム、酢酸カリウム、パルミチン酸カルシウム、パルミチン酸マグネシウム、ミリスチン酸カルシウム、ミリスチン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、オレイン酸カルシウム、オレイン酸マグネシウム、リノール酸カルシウム、リノール酸マグネシウム、リノレン酸カルシウム、リノレン酸マグネシウム、リン酸ナトリウム、リン酸リチウム等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
EVOH(C)におけるアルカリ及び/又はアルカリ土類金属塩の含有量は、その含有効果を十分に確保し、外観が良好なチューブを得る観点から、EVOH(C)100質量部に対して、金属元素換算で0.0005質量部以上0.2質量部以下であることが好ましく、0.001質量部以上0.1質量部以下であることがより好ましく、0.002質量部以上0.05質量部以下であることがさらに好ましい。
さらに、EVOH(C)には、溶融安定性等を改善するために、本発明の目的を阻外しない範囲内で、ハイドロタルサイト類化、ヒンダードフェノール系等の酸化防止剤の1種又は2種以上を、EVOH(C)100質量部に対して、0.01質量部以上1質量部以下を添加することが好ましい。
本発明において使用される含フッ素系重合体(D)は、アミノ基又はヒドロキシル基に対して反応性を有する官能基が分子鎖中に導入された含フッ素系重合体である(以下、含フッ素系重合体(D)と称する場合がある。)。
含フッ素系重合体(D)は、少なくとも1種の含フッ素単量体から誘導される繰り返し単位を有する重合体(単独重合体又は共重合体)である。熱溶融加工可能な含フッ素系重合体であれば特に限定されるものではない。
ここで含フッ素単量体としては、テトラフルオロエチレン(TFE)、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン(VDF)、フッ化ビニル(VF)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、トリクロロフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、CF2=CFORf1(ここで、Rf1は炭素原子数1以上10以下のエーテル性酸素原子を含んでもよいパーフルオロアルキル基を表す。)、CF2=CF−OCH2−Rf2(ここで、Rf2は、炭素原子数1以上10以下のエーテル性酸素原子を含んでもよいパーフルオロアルキレン基を表す。)、CF2=CF(CF2)pOCF=CF2(ここで、pは1又は2である。)、CH2=CX1(CF2)nX2(ここで、X1及びX2は互いに独立に水素原子又はフッ素原子を表し、nは2以上10以下の整数である。)等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
上記一般式CF2=CFORf1の具体例としては、CF2=CFOCF2(パーフルオロ(メチルビニルエーテル):PMVE)、CF2=CFOCF2CF3(パーフルオロ(エチルビニルエーテル):PEVE)、CF2=CFOCF2CF2CF3(パーフルオロ(プロピルビニルエーテル):PPVE)、CF2=CFOCF2CF2CF2CF3(パーフルオロ(ブチルビニルエーテル):PBVE)やCF2=CFO(CF2)8F(パーフルオロ(オクチルビニルエーテル):POVE)等のパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(以下、PAVEと称する場合がある。)が挙げられる。これらの中でも、CF2=CFOCF2、CF2=CFOCF2CF2CF3が好ましい。
また、上記一般式CH2=CX1(CF2)nX2(ここで、X1及びX2は互いに独立に水素原子又はフッ素原子を表し、nは2以上10以下の整数である。)で表される化合物中のnは、含フッ素系重合体の改質(例えば、共重合体の成形時や成形品のクラック発生の抑制)効果に確保し、十分な重合反応性を得る観点から、2以上10以下の整数である。具体的には、CH2=CF(CF2)2F、CH2=CF(CF2)3F、CH2=CF(CF2)4F、CH2=CF(CF2)5F、CH2=CF(CF2)8F、CH2=CF(CF2)2H、CH2=CF(CF2)3H、CH2=CF(CF2)4H、CH2=CF(CF2)5H、CH2=CF(CF2)8H、CH2=CH(CF2)2F、CH2=CH(CF2)3F、CH2=CH(CF2)4F、CH2=CH(CF2)5F、CH2=CH(CF2)8F、CH2=CH(CF2)2H、CH2=CH(CF2)3H、CH2=CH(CF2)4H、CH2=CH(CF2)5H、CH2=CH(CF2)8H等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
これらの中でも、CH2=CH(CF2)nF又はCH2=CF(CF2)nHで表される化合物が好ましく、式中のnは2以上4以下であることが、含フッ素系重合体(D)の薬液透過防止性と耐環境応力亀裂性のバランスの観点からより好ましい。
含フッ素系重合体(D)は、上記含フッ素単量体に加えて、さらに非フッ素含有単量体に基づく重合単位を含有してもよい。非フッ素含有単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブテン等の炭素原子数2以上4以下のオレフィン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、クロロ酢酸ビニル、乳酸ビニル、酪酸ビニル、ピバル酸ビニル、安息香酸ビニル、クロトン酸ビニル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、クロトン酸メチル等のビニルエステル、メチルビニルエーテル(MVE)、エチルビニルエーテル(EVE)、ブチルビニルエーテル(BVE)、イソブチルビニルエーテル(IBVE)、シクロへキシルビニルエーテル(CHVE)、グリシジルビニルエーテル等のビニルエーテル等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、エチレン、プロピレン、酢酸ビニルが好ましく、エチレンがより好ましい。
含フッ素系重合体(D)の中でも、耐熱性、耐薬品性、及び薬液透過防止性の観点から、少なくとも、フッ化ビニリデン単位(VDF単位)からなる共重合体(D1)、少なくとも、テトラフルオロエチレン単位(TFE単位)及びエチレン単位(E単位)からなる共重合体(D2)、少なくとも、テトラフルオロエチレン単位(TFE単位)及びヘキサフルオロプロピレン単位(HFP単位)及び/又は上記一般式CF2=CFORf1(ここで、Rf1は炭素原子数1以上10以下のエーテル性酸素原子を含んでもよいパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるPAVEに由来するPAVE単位からなる共重合体(D3)、少なくとも、クロロトリフルオロエチレン単位(CTFE単位)からなる共重合体(D4)、少なくとも、クロロトリフルオロエチレン単位(CTFE単位)及びテトラフルオロエチレン単位(TFE単位)からなる共重合体(D5)であることが好ましい。
少なくとも、フッ化ビニリデン単位(VDF単位)からなる共重合体(D1)(以下、VDF共重合体(D1)と称する場合がある。)としては、例えば、
フッ化ビニリデン単独重合体(ポリフッ化ビニリデン(PVDF))(D1−1)、
VDF単位とTFE単位からなる共重合体であって、後記の官能基含有単量体を除く単量体全体に対して、VDF単位の含有量が30モル%以上99モル%以下、及びTFE単位の含有量が1モル%以上70モル%以下である共重合体(D1−2)、
VDF単位とTFE単位、及びトリクロロフルオロエチレン単位からなる共重合体であって、後記の官能基含有単量体を除く単量体全体に対して、VDF単位の含有量が10モル%以上90モル%以下、TFE単位の含有量が0モル%以上90モル%以下、及びトリクロロフルオロエチレン単位の含有量が0モル%以上30モル%以下である共重合体(D1−3)、
VDF単位とTFE単位、及びHFP単位からなる共重合体であって、後記の官能基含有単量体を除く単量体全体に対して、VDF単位の含有量が10モル%以上90モル%以下、TFE単位の含有量が0モル%以上90モル%以下、及びHFP単位の含有量が0モル%以上30モル%以下である共重合体(D1−4)等が挙げられる。
上記共重合体(D1−4)において、後記の官能基含有単量体を除く単量体全体に対して、VDF単位の含有量は15モル%以上84モル%以下、TFE単位の含有量は15モル%以上84モル%以下、及びHFP単位の含有量は0モル%以上30モル%以下であることが好ましい。
少なくとも、テトラフルオロエチレン単位(TFE単位)及びエチレン単位(E単位)からなる共重合体(D2)としては(以下、TFE共重合体(D2)と称する場合がある。)、例えば、後記の官能基含有単量体を除く単量体全体に対して、TFE単位の含有量が20モル%以上である重合体が挙げられ、さらには、後記の官能基含有単量体を除く単量体全体に対して、TFE単位の含有量が20モル%以上80モル%以下、E単位の含有量が20モル%以上80モル%以下、及びこれらと共重合可能な単量体に由来する単位の含有量が0モル%以上60モル%以下である共重合体等が挙げられる。
上記共重合可能な単量体としては、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、上記一般式CF2=CFORf1(ここで、Rf1は炭素原子数1以上10以下のエーテル性酸素原子を含んでもよいパーフルオロアルキル基を表す。)、上記一般式CH2=CX1(CF2)nX2(ここで、X1及びX2は互いに独立に水素原子又はフッ素原子を表し、nは2以上10以下の整数である。)等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
TFE共重合体(D2)としては、例えば、
TFE単位とE単位、及び上記一般式CH2=CX1(CF2)nX2(ここで、X1及びX2は互いに独立に水素原子又はフッ素原子を表し、nは2以上10以下の整数である。)で表されるフルオロオレフィンに由来するフルオロオレフィン単位からなる共重合体であって、後記の官能基含有単量体を除く単量体全体に対して、TFE単位の含有量が30モル%以上70モル%以下、E単位の含有量が20モル%以上55モル%以下、及び上記一般式CH2=CX3(CF2)nX4(ここで、X3及びX4は互いに独立に水素原子又はフッ素原子を表し、nは2以上10以下の整数である。)で表されるフルオロオレフィンに由来するフルオロオレフィン単位の含有量が0モル%以上10モル%以下である共重合体(D2−1)、
TFE単位とE単位とHFP単位、及びこれらと共重合可能な単量体に由来する単位からなる共重合体であって、後記の官能基含有単量体を除く単量体全体に対して、TFE単位の含有量が30モル%以上70モル%以下、E単位の含有量が20モル%以上55モル%以下、HFP単位の含有量が1モル%以上30モル%以下、及びこれらと共重合可能な単量体に由来する単位の含有量が0モル%以上10モル%以下である共重合体(D2−2)、
TFE単位とE単位、及び上記一般式CF2=CFORf1(ここで、Rf1は炭素原子数1以上10以下のエーテル性酸素原子を含んでもよいパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるPAVEに由来するPAVE単位からなる共重合体であって、後記の官能基含有単量体を除く単量体全体に対して、TFE単位の含有量が30モル%以上70モル%以下、E単位の含有量が20モル%以上55モル%以下、及び上記一般式CF2=CFORf1(ここで、Rf1は炭素原子数1以上10以下のエーテル性酸素原子を含んでもよいパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるPAVEに由来するPAVE単位の含有量が0モル%以上10モル%以下である共重合体(D2−3)等が挙げられる。
少なくとも、テトラフルオロエチレン単位(TFE単位)とヘキサフルオロプロピレン単位(HFP単位)及び/又は上記一般式CF2=CFORf1(ここで、Rf1は炭素原子数1以上10以下のエーテル性酸素原子を含んでもよいパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるPAVEに由来するPAVE単位からなる共重合体(D3)(以下、TFE共重合体(D3)と称する場合がある。)としては、例えば、
TFE単位及びHFP単位からなる共重合体であって、後記の官能基含有単量体を除く単量体全体に対して、TFE単位の含有量が70モル%以上95モル%以下であり、好ましくは85モル%以上93モル%以下であり、HFP単位の含有量が5モル%以上30モル%以下であり、好ましくは7モル%以上15モル%以下である共重合体(D3−1)、
TFE単位及び上記一般式CF2=CFORf1(ここで、Rf1は炭素原子数1以上10以下のエーテル性酸素原子を含んでもよいパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるPAVEに由来する1種又は2種以上のPAVE単位からなる共重合体であって、後記の官能基含有単量体を除く単量体全体に対して、TFE単位の含有量が70モル%以上95モル%以下、及び上記一般式CF2=CFORf1(ここで、Rf1は炭素原子数1以上10以下のエーテル性酸素原子を含んでもよいパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるPAVEに由来する1種又は2種以上のPAVE単位の含有量が5モル%以上30モル%以下である共重合体(D3−2)、
TFE単位とHFP単位、及び上記一般式CF2=CFORf1(ここで、Rf1は炭素原子数1以上10以下のエーテル性酸素原子を含んでもよいパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるPAVEに由来する1種又は2種以上のPAVE単位からなる共重合体であって、後記の官能基含有単量体を除く単量体全体に対して、TFE単位の含有量が70モル%以上95モル%以下、HFP単位と上記一般式CF2=CFORf1(ここで、Rf1は炭素原子数1以上10以下のエーテル性酸素原子を含んでもよいパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるPAVEに由来する1種又は2種以上のPAVE単位の合計含有量が5モル%以上30モル%以下である共重合体(D3−3)等が挙げられる。
少なくとも、クロロトリフルオロエチレン単位(CTFE単位)からなる共重合体とは、CTFE単位[−CFCl−CF2−]を有し、エチレン単位(E単位)及び/又は含フッ素単量体単位から構成されるクロロトリフルオロエチレン共重合体(D4)である(以下、CTFE共重合体(D4)と称する場合がある。)。
上記CTFE共重合体(D4)における含フッ素単量体としては、CTFE以外のものであれば特に限定されないが、フッ化ビニリデン(VDF)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、上記一般式CF2=CFORf1(ここで、Rf1は炭素原子数1以上10以下のエーテル性酸素原子を含んでもよいパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるPAVE、上記一般式CH2=CX1(CF2)nX2(ここで、X1及びX2は互いに独立に水素原子又はフッ素原子を表し、nは2以上10以下の整数である。)で表されるフルオロオレフィン等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
CTFE共重合体(D4)としては特に限定されず、例えば、CTFE/PAVE共重合体、CTFE/VDF共重合体、CTFE/HFP共重合体、CTFE/E共重合体、CTFE/PAVE/E共重合体、CTFE/VDF/E共重合体、CTFE/HFP/E共重合体等が挙げられる。
CTFE共重合体(D4)におけるCTFE単位の含有量は、後記の官能基含有単量体を除く単量体全体に対して、15モル%以上70モル%以下であることが好ましく、18モル%以上65モル%以下であることがより好ましい。一方、E単位及び/又は含フッ素単量体単位の含有量は、30モル%以上85モル%以下であることが好ましく、35モル%以上82モル%以下であることがより好ましい。
少なくとも、クロロトリフルオロエチレン単位(CTFE単位)及びテトラフルオロエチレン単位(TFE単位)からなる共重合体(D5)は、CTFE単位[−CFCl−CF2−]及びTFE単位[−CF2−CF2−]、並びにCTFE及びTFEと共重合可能な単量体単位から構成されるクロロトリフルオロエチレン共重合体である(以下、CTFE/TFE共重合体(D5)と称する場合がある。)。
上記CTFE/TFE共重合体(D5)における共重合可能な単量体としては、CTFE及びTFE以外のものであれば特に限定されないが、フッ化ビニリデン(VDF)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、上記一般式CF2=CFORf1(ここで、Rf1は炭素原子数1以上10以下のエーテル性酸素原子を含んでもよいパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるPAVE、上記一般式CH2=CX1(CF2)nX2(ここで、X1及びX2は互いに独立に水素原子又はフッ素原子を表し、nは2以上10以下の整数である。)で表されるフルオロオレフィン等の含フッ素単量体やエチレン、プロピレン、イソブテン等の炭素原子数2以上4以下のオレフィン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等のビニルエステル、メチルビニルエーテル(MVE)、エチルビニルエーテル(EVE)、ブチルビニルエーテル(BVE)等のビニルエーテル等の非フッ素含有単量体が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、上記一般式CF2=CFORf1(ここで、Rf1は炭素原子数1以上10以下のエーテル性酸素原子を含んでもよいパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるPAVEであることが好ましく、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)、パーフルオロ(プロビルビニルエーテル)(PPVE)がより好ましく、耐熱性の観点からPPVEがさらに好ましい。
CTFE/TFE共重合体(D5)としては特に限定されず、例えば、CTFE/TFE共重合体、CTFE/TFE/HFP共重合体、CTFE/TFE/VDF共重合体、CTFE/TFE/PAVE共重合体、CTFE/TFE/E共重合体、CTFE/TFE/HFP/PAVE共重合体、CTFE/TFE/VDF/PAVE共重合体等が挙げられ、これらの中でも、CTFE/TFE/PAVE共重合体、CTFE/TFE/HFP/PAVE共重合体が好ましい。
CTFE/TFE共重合体(D5)中におけるCTFE単位及びTFE単位の合計含有量は、良好な成形性、耐環境応力亀裂性、薬液透過防止性、耐熱性、及び機械特性を確保する観点から、後記の官能基含有単量体を除く単量体全体に対して、90モル%以上99.9モル%以下であることが好ましく、上記CTFE及びTFEと共重合可能な単量体単位の含有量は、0.1モル%以上10モル%以下であることが好ましい。
CTFE/TFE共重合体(D5)中のおけるCTFE単位の含有量は、良好な成形性、耐環境応力亀裂性、及び薬液透過防止性を確保する観点から、上記CTFE単位とTFE単位の合計量100モル%に対して、15モル%以上80モル%以下であることが好ましく、17モル%以上70モル%以下であることがより好ましく、19モル%以上65モル%以下であることがさらに好ましい。
CTFE/TFE共重合体(D5)において、上記CTFE及びTFEと共重合可能な単量体がPAVEである場合、PAVE単位の含有量は、後記の官能基含有単量体を除く単量体全体に対して、0.5モル%以上7.0モル%以下であることが好ましく、1.0モル%以上5.0モル%以下であることがより好ましい。
CTFE/TFE共重合体(D5)において、上記CTFE及びTFEと共重合可能な単量体がHFPとPAVEである場合、HFP単位とPAVE単位の合計含有量は、後記の官能基含有単量体を除く単量体全体に対して、0.5モル%以上7.0モル%以下であることが好ましく、1.0モル%以上5.0モル%以下であることがより好ましい。
TFE共重合体(D3)、CTFE共重合体(D4)、CTFE/TFE共重合体(D5)は、薬液透過防止性、特に含アルコールガソリンに対するバリア性に卓越して優れる。含アルコールガソリン透過係数は、イソオクタン、トルエン、及びエタノールを45:45:10の容積比で混合したイソオクタン/トルエン/エタノール混合溶媒を投入した透過係数測定用カップに測定対象樹脂から得たシートを入れ、60℃において測定した質量変化から算出される値である。TFE共重合体(D3)、CTFE共重合体(D4)やCTFE/TFE共重合体(D5)の上記含アルコールガソリン透過係数は、1.5 g・mm/(m2・day)以下であることが好ましく、0.01g・mm/(m2・day)以上1.0 g・mm/(m2・day)以下であることがより好ましく、0.02g・mm/(m2・day)以上0.8 g・mm/(m2・day)以下であることがさらに好ましい。
本発明において使用される含フッ素系重合体(D)は、重合体を構成する単量体を従来からの重合方法で(共)重合することによって得ることができる。その中でも主としてラジカル重合による方法が用いられる。即ち、重合を開始するには、ラジカル的に進行するものであれば手段は何ら制限されないが、例えば、有機、無機ラジカル重合開始剤、熱、光あるいは電離放射線等によって開始される。
含フッ素系重合体(D)の製造方法は特に制限はなく、一般に用いられているラジカル重合開始剤を用いる重合方法が用いられる。重合方法としては、塊状重合、フッ化炭化水素、塩化炭化水素、フッ化塩化炭化水素、アルコール、炭化水素等の有機溶媒を使用する溶液重合、水性媒体及び必要に応じて適当な有機溶剤を使用する懸濁重合、水性媒体及び乳化剤を使用する乳化重合等、公知の方法を採用できる。
また、重合は、一槽ないし多槽式の攪拌型重合装置、管型重合装置を使用して、回分式又は連続式操作として実施することができる。
ラジカル重合開始剤としては、半減期が10時間である分解温度が0℃以上100℃以下であることが好ましく、20℃以上90℃以下であることがより好ましい。具体例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、2,2’−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]、4,4’−アゾビス(4−シアノペンテン酸)等のアゾ化合物、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の非フッ素系ジアシルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシアセテート等のパーオキシエステル、(Z(CF2)pCOO)2(ここで、Zは水素原子、フッ素原子又は塩素原子であり、pは1以上10以下の整数である。)で表される化合物等の含フッ素ジアシルパーオキサイド、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
また、含フッ素系重合体(D)の製造に際しては、分子量調整のために、通常の連鎖移動剤を使用することも好ましい。連鎖移動剤としては、メタノール、エタノール等のアルコール、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン等のクロロフルオロハイドロカーボン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等のハイドロカーボン、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、塩化メチル等のクロロハイドロカーボンが挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
重合条件については特に限定されず、重合温度は、0℃以上100℃以下であることが好ましく、20℃以上90℃以下であることがより好ましい。重合体中のエチレン−エチレン連鎖生成による耐熱性の低下を避けるためには、一般に低温が好ましい。重合圧力は、用いる溶媒の種類、量、蒸気圧、重合温度等の他の重合条件に応じて適宜定められるが、0.1MPa以上10MPa以下であることが好ましく、0.5MPa以上3MPa以下であることがより好ましい。重合時間は1時間以上30時間以下であることが好ましい。
また、含フッ素系重合体(D)の分子量は特に限定されないが、室温で固体の重合体であり、それ自体、熱可塑性樹脂、エラストマー等として使用できるものが好ましい。また、分子量は、重合に用いる単量体の濃度、重合開始剤の濃度、連鎖移動剤の濃度、温度によって制御される。
含フッ素系重合体(D)を、前記脂肪族ポリアミド(A)、半芳香族ポリアミド(B)、EVOH(C)等と共押出する場合、これらの著しい劣化を伴わない混練温度及び成形温度範囲で、充分な溶融流動性を確保するためには、含フッ素系重合体(D)の融点より50℃高い温度、及び5kg荷重におけるメルトフローレートは、0.5g/10分以上200g/10分以下であることが好ましく、1g/10分以上100g/10分以下であることがより好ましい。
また、含フッ素系重合体(D)は、含フッ素単量体及びその他の単量体の種類、組成比等を選ぶ事によって、重合体の融点、ガラス転移点を調節することができる。
含フッ素系重合体(D)の融点は、目的、用途、使用方法により適宜選択されるが、前記脂肪族ポリアミド(A)、半芳香族ポリアミド(B)、EVOH(C)等と共押出する場合、当該樹脂の成形温度に近いことが好ましい。そのため、前記含フッ素単量体、その他の単量体と後記の官能基含有単量体の割合を適宜調節し、含フッ素系重合体(D)の融点を最適化することが好ましい。特に、EVOH(C)との共押出時の熱溶融安定性、連続成形性、含フッ素系重合体(D)の耐熱性、耐薬品性、及び薬液透過防止性を十分に確保する観点から、該含フッ素系重合体の融点は、150℃以上230℃以下であることが好ましい。
ここで、融点とは、示差走査熱量測定装置を用いて、試料を予想される融点以上の温度に加熱し、次に、この試料を1分間あたり10℃の速度で降温し、30℃まで冷却、そのまま約1分間放置したのち1分間あたり10℃の速度で昇温することにより測定される融解曲線のピーク値の温度を融点と定義するものとする。
本発明において使用される含フッ素系重合体(D)は、アミノ基又はヒドロキシル基に対して反応性を有する官能基を分子構造内に有しており、官能基は、含フッ素系重合体(D)の分子末端又は側鎖又は主鎖のいずれに含有されていても構わない。また、官能基は、含フッ素系重合体(D)中に単独、又は2種類以上のものが併用されていてもよい。その官能基の種類、含有量は、含フッ素系重合体(D)に積層される相手材の種類、形状、用途、要求される層間接着性、接着方法、官能基導入方法等により適宜決定される。
アミノ基又はヒドロキシル基に対して反応性を有する官能基としては、カルボキシル基、酸無水物基もしくはカルボン酸塩、スルホ基もしくはスルホン酸塩、エポキシ基、シアノ基、カーボネート基、及びハロホルミル基から群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。特に、カルボキシル基、酸無水物基もしくはカルボン酸塩、エポキシ基、カーボネート基、及びハロホルミル基からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
含フッ素系重合体(D)に反応性を有する官能基を導入する方法としては、(i)含フッ素系重合体(D)の重合時、官能基を有する共重合可能な単量体を共重合する方法、(ii)重合開始剤、連鎖移動剤等により、重合時に含フッ素系重合体(D)の分子末端に官能基を導入する方法、(iii)反応性を有する官能基をグラフト化が可能な官能基とを有する化合物(グラフト化合物)を含フッ素系重合体にグラフトさせる方法等が挙げられる。これらの導入方法は単独で、あるいは適宜、組合せて用いることができる。積層チューブにおける層間接着性を考慮した場合、上記(i)、(ii)から製造される含フッ素系重合体(D)が好ましい。(iii)については、特開平7−18035号公報、特開平7−25952号公報、特開平7−25954号公報、特開平7−173230号公報、特開平7−173446号公報、特開平7−173447号公報、特表平10−503236号公報による製造法を参照されたい。以下、(i)含フッ素系重合体の重合時、官能基を有する共重合可能な単量体を共重合する方法、(ii)重合開始剤等により含フッ素系重合体の分子末端に官能基を導入する方法について説明する。
(i)含フッ素系重合体(D)の製造時、官能基を有する共重合可能な単量体(以下、官能基含有単量体と略記する場合がある。)を共重合する方法において、カルボキシル基、酸無水物基もしくはカルボン酸塩、ヒドロキシル基、スルホ基もしくはスルホン酸塩、エポキシ基、及びシアノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の官能基含有単量体を重合単量体して用いる。官能基含有単量体としては、官能基含有非フッ素単量体、官能基含有含フッ素単量体等が挙げられる。
官能基含有非フッ素単量体としては、アクリル酸、ハロゲン化アクリル酸(但し、フッ素は除く)、メタクリル酸、ハロゲン化メタクリル酸(但し、フッ素は除く)、マレイン酸、ハロゲン化マレイン酸(但し、フッ素は除く)、フマル酸、ハロゲン化フマル酸(但し、フッ素は除く)、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、エンドビシクロ−[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸等の不飽和カルボン酸やそのエステル等誘導体、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、エンドビシクロ−[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物等のカルボキシル基含有単量体、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルエーテル等のエポキシ基含有単量体等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。官能基含有非フッ素単量体は使用する含フッ素単量体との共重合反応性を考慮して決定される。適当な官能基含有非フッ素単量体を選択することにより、重合が良好に進行し、官能基含有非フッ素単量体の主鎖中に均一に導入しやすく、結果として未反応モノマーが少なくなり、不純物を減らすことができるという利点がある。
官能基含有含フッ素単量体としては、一般式CX3=CX4−(R7)n−Y(ここで、Yは、−COOM(Mは、水素原子又はアルカリ金属を表す。)、カルボキシル基由来基、−SO3M(Mは、水素原子又はアルカリ金属を表す。)、スルホン酸由来基、エポキシ基、及び−CNからなる群より選択される官能基を表し、X3及びX4は、同一又は異なって、水素原子若しくはフッ素原子を表し(但し、X3及びX4が同一に水素原子の場合、n=1であり、R7にフッ素原子を含む。)、R7は、炭素原子数1以上40以下のアルキレン基、炭素原子数1以上40以下の含フッ素オキシアルキレン基、エーテル結合を有する炭素原子数1以上40以下の含フッ素アルキレン基、又は、エーテル結合を有する炭素原子数1以上40以下の含フッ素オキシアルキレン基を表し、nは0又は1である。)で表される不飽和化合物等が挙げられる。
上記一般式におけるYであるカルボキシル基由来基としては、例えば、一般式−C(=O)Q1(式中、Q1は、−OR8、−NH2、F、Cl、Br又はIを表し、R8は、炭素原子数1以上20以下のアルキル基又は炭素原子数6以上22以下のアリール基を表す。)で表される基等が挙げられる。
上記一般式におけるYであるスルホン酸由来基としては、例えば、一般式−SO2Q2(式中Q2は、−OR9、−NH2、F、Cl、Br又はIを表し、R9は、炭素原子数1以上20以下のアルキル基又は炭素原子数6以上22以下のアリール基を表す。)で表される基等が挙げられる。
前記Yは、−COOH、−SO3H、−SO3Na、−SO2F又は−CNが好ましい。
官能基含有含フッ素単量体としては、例えば、カルボニル基を有する官能基である場合、パーフルオロアクリル酸フルオライド、1−フルオロアクリル酸フルオライド、アクリル酸フルオライド、1−トリフルオロメタクリル酸フルオライド、パーフルオロブテン酸等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
含フッ素系重合体(D)中の官能基含有単量体の含有量は、十分な層間接着性を確保し、使用環境条件により、層間接着性の低下を招かず、耐熱性を十分に確保し、高温での加工時、接着不良や着色や発泡、高温での使用時、分解による剥離や着色・発泡、溶出等の発生を防止する観点から、全重合単位に対して、0.05モル%以上20モル%以下であることが好ましく、0.05モル%以上10モル%以下であることがより好ましく、0.1モル%以上5モル%以下であることがさらに好ましい。官能基含有単量体の含有量が前記範囲にあると、製造時の重合速度が低下せず、かつ含フッ素系重合体(D)は積層される相手材との接着性に優れたものとなる。官能基含有単量体の添加法は特に限定されず、重合開始時に一括添加してもよいし、重合中に連続添加しても良い。添加方法は、重合開始剤の分解反応性と重合温度により適宜選択されるが、重合中に、官能基含有単量体が重合で消費されるに従って、消費された量を連続的又は断続的に重合槽内に供給し、当該官能基含有単量体の濃度をこの範囲に維持することが好ましい。
また、上記含有量を満たす限りにおいて、官能基が導入された含フッ素系重合体と、官能基が導入されていない含フッ素系重合体の混合物であって構わない。
(ii)重合開始剤等により含フッ素系重合体の分子末端に官能基を導入する方法において、官能基は、含フッ素系重合体の分子鎖の片末端又は両末端に導入される。末端に導入される官能基としては、カーボネート基、ハロホルミル基が好ましい。
含フッ素系重合体(D)の末端基として導入されるカーボネート基は、一般に−OC(=O)O−の結合を有する基であり、具体的には、−OC(=O)O−R10基[R10は水素原子、有機基(例えば、炭素原子数1以上20以下アルキル基、エーテル結合を有する炭素原子数2以上20以下アルキル基等)、又はI、II、VII族元素である。]の構造のもので、−OC(=O)OCH3、−OC(=O)OC3H7、−OC(=O)OC8H17、−OC(=O)OCH2CH2OCH2CH3等が挙げられる。ハロホルミル基は、具体的には−COZ[Zはハロゲン元素である。]の構造のもので、−COF、−COCl等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
また、重合体の分子末端にカーボネート基を導入するためには、重合開始剤や連鎖移動剤を使用した種々の方法を採用できるが、パーオキサイド、特にパーオキシカーボネートやパーオキシエステルを重合開始剤として用いる方法が、経済性や耐熱性、耐薬品性等の性能の観点から好ましく採用できる。この方法によれば、パーオキサイドに由来するカルボニル基、例えば、パーオキシカーボネートに由来するカーボネート基、パーオキシエステルに由来するエステル基、又は、これらの官能基を変換してなるハロホルミル基等重合体末端に導入することができる。これらの重合開始剤のうち、パーオキシカーボネートを用いることが、重合温度を低くすることができ、開始反応に副反応を伴わないことからより好ましい。
重合体の分子末端にハロホルミル基を導入するためには、種々の方法を採用できるが、例えば、前述のカーボネート基を末端に有する含フッ素系重合体のカーボネート基を加熱させ熱分解(脱炭酸)させることにより得ることができる。
パーオキシカーボネートとしては、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシメタクリロイロキシエチルカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
パーオキシカーボネートの使用量は、目的とする重合体の種類(組成等)、分子量、重合条件、使用する開始剤の種類によって異なるが、重合速度を適正に制御し、十分な重合速度を確保する観点から、重合によって得られる全重合体100質量部に対して、0.05質量部以上20質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。重合体の分子末端のカーボネート基含有量は、重合条件を調整することによって制御できる。重合開始剤の添加法は特に限定されず、重合開始時に一括添加してもよいし、重合中に連続添加しても良い。添加方法は、重合開始剤の分解反応性と重合温度により適宜選択される。
含フッ素系重合体(D)中の主鎖炭素原子数106個に対する末端官能基数は、十分な層間接着性を確保し、使用環境条件により、層間接着性の低下を招かず、耐熱性を十分に確保し、高温での加工時、接着不良や着色や発泡、高温での使用時、分解による剥離や着色・発泡、溶出等の発生を防止する観点から、150個以上3,000個以下であることが好ましく、200個以上2,000個以下であることがより好ましく、300個以上1,000個以下であることがさらに好ましい。また、上記官能基数を満たす限りにおいて、官能基が導入された含フッ素系重合体と、官能基が導入されていない含フッ素系重合体の混合物であって構わない。
以上のように、本発明において使用される含フッ素系重合体(D)は、アミノ基又はヒドロキシル基に対して反応性を有する官能基が導入された含フッ素系重合体である。上述の通り、官能基が導入された含フッ素系重合体(D)は、それ自体、含フッ素系重合体特有の耐熱性、耐水性、低摩擦性、耐薬品性、耐候性、防汚性、薬液透過防止性等の優れた特性を維持することが可能であり、生産性やコストの面で有利である。
さらに、アミノ基又はヒドロキシル基に対して反応性を有する官能基が分子鎖中に含有されることにより、積層チューブにおいて、層間接着性が不充分又は不可能であった種々の材料に対し、表面処理等特別な処理や接着性樹脂の被覆等を行なわず、直接、他の基材との優れた層間接着性を付与することができる。
本発明において使用される含フッ素系重合体(D)は、目的や用途に応じてその性能を損なわない範囲で、無機質粉末、ガラス繊維、炭素繊維、金属酸化物、あるいはカーボン等の種々の充填剤を添加できる。また、充填剤以外に、顔料、紫外線吸収剤、その他任意の添加剤を混合できる。添加剤以外にまた他のフッ素系樹脂や熱可塑性樹脂等の樹脂、合成ゴム等を添加することもでき、機械特性の改善、耐候性の改善、意匠性の付与、静電防止、成形性改善等が可能となる。
本発明に係わる積層チューブは、脂肪族ポリアミド(A)からなる(a)層、半芳香族ポリアミド(B)からなる(b)層、EVOH(C)からなる(c)層、及び含フッ素系重合体(D)からなる(d)層を含む、少なくとも4層以上から構成される。
本発明の積層チューブにおいて、半芳香族ポリアミド(B)からなる(b)層やEVOH(C)からなる(c)層を含むことは必須であり、積層チューブの薬液透過防止性、特に炭化水素透過防止性が良好となる。また、含フッ素系重合体(D)からなる(d)層を含むことも必須であり、積層チューブのアルコール透過防止性が良好となる。
好ましい実施態様としては、脂肪族ポリアミド(A)からなる(a)層は、積層チューブの最外層に配置される。脂肪族ポリアミド(A)からなる(a)層が最外層に配置されることにより、耐薬品性や柔軟性に優れた積層チューブを得ることが可能となる。また、半芳香族ポリアミド(B)からなる(b)層、及びEVOH(C)からなる(c)層が、脂肪族ポリアミド(A)からなる(a)層と含フッ素系重合体(D)からなる(d)層の間に配置される。
さらに好ましい実施態様として、EVOH(C)からなる(c)層と隣接する少なくとも一方の側に、半芳香族ポリアミド(B)からなる(b)層は配置される。半芳香族ポリアミド(B)からなる(b)層は薬液透過性を向上せしめると共に、EVOH(C)からなる(c)層との間に、接着層を設ける必要がなく、優れた層間接着性を得ることが可能となる。また、半芳香族ポリアミド(B)からなる(b)層は、脂肪族ポリアミド(A)からなる(a)層とも接着層を設ける必要がなく、優れた層間接着性を得ることが可能となるため、脂肪族ポリアミド(A)からなる(a)層とEVOH(C)からなる(c)層との間に配置することも可能である。
また、本発明の積層チューブにおいて、導電性フィラーを含有させた含フッ素系重合体組成物からなる導電層が、積層チューブの最内層に配置されると、薬液透過防止性、耐劣化燃料性、及びモノマー、オリゴマーの耐溶出性に優れるとともに、燃料配管チューブとして使用された場合、配管内を循環する燃料の内部摩擦あるいは管壁との摩擦によって発生したスパークが燃料に引火することを防止することが可能となる。その際、導電性を有しない含フッ素系重合体からなる層が、前記導電層に対して外側に配置されることにより、低温耐衝撃性と導電性を両立することが可能であり、また、経済的にも有利である。さらに、ここでいう、含フッ素系重合体は、本発明において規定した、分子鎖中に官能基を有する含フッ素系重合体(D)も包含し、後記の官能基を有さない含フッ素系重合体も指す。
導電性とは、例えば、ガソリンのような引火性の流体が樹脂のような絶縁体に連続的に接触した場合、静電気が蓄積して引火する可能性があるが、この静電気が蓄積しない程度の電気特性を有することを言う。これにより、燃料等の流体の搬送時に発生する静電気による爆発防止が可能となる。
導電性フィラーは、樹脂に導電性能を付与するために添加されるすべての充填材が包含され、粒状、フレーク状、及び繊維状フィラー等が挙げられる。
粒状フィラーとしては、カーボンブラック、グラファイト等が挙げられる。フレーク状フィラーとしては、アルミフレーク、ニッケルフレーク、ニッケルコートマイカ等が挙げられる。また、繊維状フィラーとしては、炭素繊維、炭素被覆セラミック繊維、カーボンウィスカー、カーボンナノチューブ、アルミ繊維、銅繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維等の金属繊維等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、カーボンナノチューブ、カーボンブラックが好ましい。
カーボンナノチューブは、中空炭素フィブリルと称されるものであり、該フィブリルは、規則的に配列した炭素原子の本質的に連続的な多数層からなる外側領域と、内部中空領域とを有し、各層と中空領域とが該フィブリルの円柱軸の周囲に実質的に同心に配置されている本質的に円柱状のフィブリルである。さらに、上記外側領域の規則的に配列した炭素原子が黒鉛状であり、上記中空領域の直径が2nm以上20nm以下であることが好ましい。カーボンナノチューブの外径は、樹脂中への十分な分散性や、得られる樹脂成形体の良好な導電性を付与する観点から、3.5nm以上70nm以下であることが好ましく、4nm以上60nm以下であることがより好ましい。カーボンナノチューブのアスペクト比(長さ/外径の比をいう)は、5以上であることが好ましく、100以上であることがより好ましく、500以上であることがさらに好ましい。該アスペクト比を満たすことにより、導電性ネットワークを形成しやすく、少量添加で優れた導電性を発現することができる。
カーボンブラックは、導電性付与に一般的に使用されているカーボンブラックがすべて包含され、好ましいカーボンブラックとしては、アセチレンガスを不完全燃焼して得られるアセチレンブラックや、原油を原料にファーネス式不完全燃焼によって製造されるケッチェンブラック等のファーネスブラック、オイルブラック、ナフタリンブラック、サーマルブラック、ランプブラック、チャンネルブラック、ロールブラック、ディスクブラック等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの中でも、アセチレンブラック、ファーネスブラックがより好ましい。
また、カーボンブラックは、その粒子径、表面積、DBP吸油量、灰分等の特性の異なる種々のカーボン粉末が製造されている。該カーボンブラックの特性に制限は無いが、良好な鎖状構造を有し、凝集密度の大きいものが好ましい。カーボンブラックの多量配合は耐衝撃性の観点から好ましくなく、より少量で優れた電気伝導度を得る観点から、平均粒径は500nm以下であることが好ましく、5nm以上100nm以下であることがより好ましく、10nm以上70nm以下であることがさらに好ましく、また、表面積(BET法)は10m2/g以上であることが好ましく、30m2/g以上であることがより好ましく、50m2/g以上であることがさらに好ましく、さらに、DBP(ジブチルフタレート)吸油量は50ml/100g以上であることが好ましく、100ml/100gであることがより好ましく、150ml/100g以上であることがさらに好ましい。また、灰分は0.5質量%以下であることが好ましく、0.3質量%以下であることがより好ましい。ここでいうDBP吸油量は、ASTM D−2414に定められた方法で測定した値である。また、カーボンブラックの揮発分含量は1.0質量%未満であることが好ましい。
これら、導電性フィラーはチタネート系、アルミ系、シラン系等の表面処理剤で表面処理を施されていても良い。また溶融混練作業性を向上させるために造粒されたものを用いることも可能である。
導電性フィラーの含有量は、用いる導電性フィラーの種類により異なるため、一概に規定はできないが、導電性、流動性、機械的強度等とのバランスの観点から、含フッ素系重合体100質量部に対して、一般に3質量部以上30質量部以下であることが好ましい。
また、かかる導電性フィラーは、十分な帯電防止性能を得る観点から、溶融押出物の表面固有抵抗値が108Ω/square以下であることが好ましく、106Ω/square以下であることがより好ましい。但し、上記導電性フィラーの添加は強度、流動性の悪化を招きやすい。そのため、目標とする導電レベルが得られれば、上記導電性フィラーの含有量はできるだけ少ない方が望ましい。
本発明の積層チューブでは、各層の厚みは特に制限されず、各層を構成する重合体の種類、積層チューブにおける全体の層数、用途等に応じて調節し得るが、それぞれの層の厚みは、積層チューブの薬液透過防止性、低温耐衝撃性、柔軟性等の特性を考慮して決定される。一般には、(a)層、(b)層、(c)層、(d)層の厚みは、積層チューブ全体の厚みに対して、それぞれ3%以上90%以下であることが好ましい。低温耐衝撃性と薬液透過防止性のバランスを考慮して、(b)、(c)層、(d)層の厚みは、積層チューブ全体の厚みに対して、それぞれ5%以上50%以下であることがより好ましく、7%以上30%以下であることがさらに好ましい。
また、本発明の積層チューブにおける全体の層数は、脂肪族ポリアミド(A)からなる(a)層、半芳香族ポリアミド(B)からなる(b)層、EVOH(C)からなる(c)層、及び含フッ素系重合体(D)からなる(d)層を含む、少なくとも4層以上である限り、特に限定されない。さらに、本発明の積層チューブは、(a)層、(b)層、(c)層、(d)層の4層以外に、更なる機能を付与、あるいは経済的に有利な積層チューブを得るために、他の熱可塑性樹脂からなる層を1層又は2層以上を有していてもよい。本発明の積層チューブの層数は4層以上であるが、チューブ製造装置の機構から判断して8層以下であることが好ましく、4層以上7層以下であることがより好ましい。
他の熱可塑性樹脂としては、本発明において規定された脂肪族ポリアミド(A)、半芳香族ポリアミド(B)以外の、ポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)、ポリメタキシリレンテレフタラミド(ポリアミドMXDT)、ポリメタキシリレンイソフタラミド(ポリアミドMXDI)、ポリメタキシリレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミドMXDT(H))、ポリメタキシリレンナフタラミド(ポリアミドMXDN)、ポリパラキシリレンアジパミド(ポリアミドPXD6)、ポリパラキシリレンテレフタラミド(ポリアミドPXDT)、ポリパラキシリレンイソフタラミド(ポリアミドPXDI)、ポリパラキシリレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミドPXDT(H))、ポリパラキシリレンナフタラミド(ポリアミドPXDN)、ポリパラフェニレンテレフタラミド(PPTA)、ポリパラフェニレンイソフタラミド(PPIA)、ポリメタフェニレンテレフタラミド(PMTA)、ポリメタフェニレンイソフタラミド(PMIA)、ポリ(2,6−ナフタレンジメチレンアジパミド)(ポリアミド2,6−BAN6)、ポリ(2,6−ナフタレンジメチレンスベラミド)(ポリアミド2,6−BAN8)、ポリ(2,6−ナフタレンジメチレンアゼラミド)(ポリアミド2,6−BAN9)、ポリ(2,6−ナフタレンジメチレンセバカミド)(ポリアミド2,6−BAN10)、ポリ(2,6−ナフタレンジメチレンドデカミド)(ポリアミド2,6−BAN12)、ポリ(2,6−ナフタレンジメチレンテレフタラミド)(ポリアミド2,6−BANT)、ポリ(2,6−ナフタレンジメチレンイソフタラミド)(ポリアミド2,6−BANI)、ポリ(2,6−ナフタレンジメチレンヘキサヒドロテレフタラミド)(ポリアミド2,6−BANT(H))、ポリ(2,6−ナフタレンジメチレンナフタラミド)(ポリアミド2,6−BANN)、ポリ(1,3−シクロヘキサンジメチレンアジパミド)(ポリアミド1,3−BAC6)、ポリ(1,3−シクロヘキサンジメチレンスベラミド(ポリアミド1,3−BAC8)、ポリ(1,3−シクロヘキサンジメチレンアゼラミド)(ポリアミド1,3−BAC9)、ポリ(1,3−シクロヘキサンジメチレンセバカミド)(ポリアミド1,3−BAC10)、ポリ(1,3−シクロヘキサンジメチレンドデカミド)(ポリアミド1,3−BAC12)、ポリ(1,3−シクロヘキサンジメチレンテレフタラミド)(ポリアミド1,3−BACT)、ポリ(1,3−シクロヘキサンジメチレンイソフタラミド)(ポリアミド1,3−BACI)、ポリ(1,3−シクロヘキサンジメチレンヘキサヒドロテレフタラミド)(ポリアミド1,3−BACT(H))、ポリ(1,3−シクロヘキサンジメチレンナフタラミド)(ポリアミド1,3−BACN)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンアジパミド)(ポリアミド1,4−BAC6)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンスベラミド)(ポリアミド1,4−BAC8)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンアゼラミド)(ポリアミド1,4−BAC9)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンセバカミド)(ポリアミド1,4−BAC10)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンドデカミド)(ポリアミド1,4−BAC12)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタラミド)(ポリアミド1,4−BACT)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンイソフタラミド)(ポリアミド1,4−BACI)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンヘキサヒドロテレフタラミド)(ポリアミド1,4−BACT(H))、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンナフタラミド)(ポリアミド1,4−BACN)、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシレンアジパミド)(ポリアミドPACM6)、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシレンスベラミド)(ポリアミドPACM8)、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシレンアゼラミド)(ポリアミドPACM9)、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシレンセバカミド)(ポリアミドPACM10)、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシレンドデカミド)(ポリアミドPACM12)、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシレンテトラデカミド)(ポリアミドPACM14)、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシレンヘキサデカミド)(ポリアミドPACM16)、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシレンオクタデカミド)(ポリアミドPACM18)、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシレンテレフタラミド)(ポリアミドPACMT)、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシレンイソフタラミド)(ポリアミドPACMI)、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシレンヘキサヒドロテレフタラミド)(ポリアミドPACMT(H))、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシレンナフタラミド)(ポリアミドPACMN)、ポリ(4,4’−メチレンビス(2−メチル−シクロヘキシレン)アジパミド)(ポリアミドMACM6)、ポリ(4,4’−メチレンビス(2−メチル−シクロヘキシレン)スベラミド)(ポリアミドMACM8)、ポリ(4,4’−メチレンビス(2−メチル−シクロヘキシレン)アゼラミド)(ポリアミドMACM9)、ポリ(4,4’−メチレンビス(2−メチル−シクロヘキシレン)セバカミド)(ポリアミドMACM10)、ポリ(4,4’−メチレンビス(2−メチル−シクロヘキシレン)ドデカミド)(ポリアミドMACM12)、ポリ(4,4’−メチレンビス(2−メチル−シクロヘキシレン)テトラデカミド)(ポリアミドMACM14)、ポリ(4,4’−メチレンビス(2−メチル−シクロヘキシレン)ヘキサデカミド)(ポリアミドMACM16)、ポリ(4,4’−メチレンビス(2−メチル−シクロヘキシレン)オクタデカミド)(ポリアミドMACM18)、ポリ(4,4’−メチレンビス(2−メチル−シクロヘキシレン)テレフタラミド)(ポリアミドMACMT)、ポリ(4,4’−メチレンビス(2−メチル−シクロヘキシレン)イソフタラミド)(ポリアミドMACMI)、ポリ(4,4’−メチレンビス(2−メチル−シクロヘキシレン)ヘキサヒドロテレフタラミド)(ポリアミドMACMT(H))、ポリ(4,4’−メチレンビス(2−メチル−シクロヘキシレン)ナフタラミド)(ポリアミドMACMN)、ポリ(4,4’−プロピレンビスシクロヘキシレンアジパミド)(ポリアミドPACP6)、ポリ(4,4’−プロピレンビスシクロヘキシレンスベラミド)(ポリアミドPACP8)、ポリ(4,4’−プロピレンビスシクロヘキシレンアゼラミド)(ポリアミドPACP9)、ポリ(4,4’−プロピレンビスシクロヘキシレンセバカミド)(ポリアミドPACP10)、ポリ(4,4’−プロピレンビスシクロヘキシレンドデカミド)(ポリアミドPACP12)、ポリ(4,4’−プロピレンビスシクロヘキシレンテトラデカミド)(ポリアミドPACP14)、ポリ(4,4’−プロピレンビスシクロヘキシレンヘキサデカミド)(ポリアミドPACP16)、ポリ(4,4’−プロピレンビスシクロヘキシレンオクタデカミド)(ポリアミドPACP18)、ポリ(4,4’−プロピレンビスシクロヘキシレンテレフタラミド)(ポリアミドPACPT)、ポリ(4,4’−プロピレンビスシクロヘキシレンイソフタラミド)(ポリアミドPACPI)、ポリ(4,4’−プロピレンビスシクロヘキシレンヘキサヒドロテレフタラミド)(ポリアミドPACPT(H))、ポリ(4,4’−プロピレンビスシクロヘキシレンナフタラミド)(ポリアミドPACPN)、ポリイソホロンアジパミド(ポリアミドIPD6)、ポリイソホロンスベラミド(ポリアミドIPD8)、ポリイソホロンアゼラミド(ポリアミドIPD9)、ポリイソホロンセバカミド(ポリアミドIPD10)、ポリイソホロンドデカミド(ポリアミドIPD12)、ポリイソホロンテレフタラミド(ポリアミドIPDT)、ポリイソホロンイソフタラミド(ポリアミドIPDI)、ポリイソホロンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミドIPDT(H))、ポリイソホロンナフタラミド(ポリアミドIPDN)、ポリテトラメチレンテレフタラミド(ポリアミド4T)、ポリテトラメチレンイソフタラミド(ポリアミド4I)、ポリテトラメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミド4T(H))、ポリテトラメチレンナフタラミド(ポリアミド4N)、ポリペンタメチレンテレフタラミド(ポリアミド5T)、ポリペンタメチレンイソフタラミド(ポリアミド5I)、ポリペンタメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミド5T(H))、ポリペンタメチレンナフタラミド(ポリアミド5N)、ポリヘキサメチレンテレフタラミド(ポリアミド6T)、ポリヘキサメチレンイソフタラミド(ポリアミド6I)、ポリヘキサメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミド6T(H))、ポリヘキサメチレンナフタラミド(ポリアミド6N)、ポリ(2−メチルペンタメチレンテレフタラミド)(ポリアミドM5T)、ポリ(2−メチルペンタメチレンイソフタラミド)(ポリアミドM5I)、ポリ(2−メチルペンタメチレンヘキサヒドロテレフタラミド)(ポリアミドM5T(H))、ポリ(2−メチルペンタメチレンナフタラミド)(ポリアミドM5N)、ポリノナメチレンテレフタラミド(ポリアミド9T)、ポリノナメチレンイソフタラミド(ポリアミド9I)、ポリノナメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミド9T(H))、ポリノナメチレンナフタラミド(ポリアミド9N)、ポリ(2−メチルオクタメチレンテレフタラミド)(ポリアミドM8T)、ポリ(2−メチルオクタメチレンイソフタラミド(ポリアミドM8I)、ポリ(2−メチルオクタメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミドM8T(H))、ポリ(2−メチルオクタメチレンナフタラミド)(ポリアミドM8N)、ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタラミド(ポリアミドTMHT)、ポリトリメチルヘキサメチレンイソフタラミド(ポリアミドTMHI)、ポリトリメチルヘキサメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミドTMHT(H))、ポリトリメチルヘキサメチレンナフタラミド(ポリアミドTMHN)、ポリデカメチレンテレフタラミド(ポリアミド10T)、ポリデカメチレンイソフタラミド(ポリアミド10I)、ポリデカメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミド10T(H))、ポリデカメチレンナフタラミド(ポリアミド10N)、ポリウンデカメチレンテレフタラミド(ポリアミド11T)、ポリウンデカメチレンイソフタラミド(ポリアミド11I)、ポリウンデカメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミド11T(H))、ポリウンデカメチレンナフタラミド(ポリアミド11N)、ポリドデカメチレンテレフタラミド(ポリアミド12T)、ポリドデカメチレンイソフタラミド(ポリアミド12I)、ポリドデカメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミド12T(H))、ポリドデカメチレンナフタラミド(ポリアミド12N)やこれらポリアミドの原料単量体及び/又は前記脂肪族ポリアミド(A)の原料単量体を数種用いた共重合体等のポリアミド系樹脂が挙げられる。
また、本発明において規定された以外の含フッ素系重合体(ここで、本発明において規定された以外とは、アミノ基やヒドロキシル基に対して反応性を有する官能基を含有しない含フッ素系重合体を指す。)として、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、エチレン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(EFEP)、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデン共重合体(THV)、フッ化ビニリデン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)/テトラフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、クロロトリフルオロエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン/クロロトリフルオロエチレン共重合体、クロロトリフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体、クロロトリフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロトリフルオロエチレン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロトリフルオロエチレン/テトラフルオロエチレン/フッ化ビニリデン共重合体、クロロトリフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)/テトラフルオロエチレン共重合体(CPT)、クロロトリフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロトリフルオロエチレン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体、クロロトリフルオロエチレン/テトラフルオロエチレン/フッ化ビニリデン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体、クロロトリフルオロエチレン/テトラフルオロエチレン/フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロトリフルオロエチレン/テトラフルオロエチレン/フッ化ビニリデン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)/ヘキサフルオロプロピレン共重合体等が挙げられる。前記アミノ基やヒドロキシル基に対して反応性を有する官能基を含有する含フッ素系重合体(D)からなる(d)層に対して、官能基を含有しない含フッ素系重合体からなる層が内側に配置されることにより、低温耐衝撃性、薬液透過防止性、及び耐環境応力亀裂性を両立することが可能であり、また、経済的にも有利である。
さらに、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブテン(PB)、ポリメチルペンテン(TPX)、エチレン/プロピレン共重合体(EPR)、エチレン/ブテン共重合体(EBR)、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン/アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン/メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン/アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン/メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン/アクリル酸エチル共重合体(EEA)等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン(PS)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、メタクリル酸メチル/スチレン共重合体(MS)、メタクリル酸メチル/スチレン/ブタジエン共重合体(MBS)、スチレン/ブタジエン共重合体(SBR)、スチレン/イソプレン共重合体(SIR)、スチレン/イソプレン/ブタジエン共重合体(SIBR)、スチレン/ブタジエン/スチレン共重合体(SBS)、スチレン/イソプレン/スチレン共重合体(SIS)、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン共重合体(SEBS)、スチレン/エチレン/プロピレン/スチレン共重合体(SEPS)等のポリスチレン系樹脂、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、メサコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、エンドビシクロ−[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸等のカルボキシル基、及びその金属塩(Na、Zn、K、Ca、Mg)、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、エンドビシクロ−[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物等の酸無水物基、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジル、シトラコン酸グリシジル等のエポキシ基等の官能基が含有された上記ポリオレフィン系樹脂やポリスチレン系樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、ポリ(エチレンテレフタレート/エチレンイソフタレート)共重合体(PET/PEI)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート(PCT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリアリレート(PAR)、液晶ポリエステル(LCP)、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)等のポリエステル系樹脂、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンエーテル(PPO)等のポリエーテル系樹脂、ポリサルホン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PESU)、ポリフェニルサルホン(PPSU)等のポリサルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリチオエーテルサルホン(PTES)等のポリチオエーテル系樹脂、ポリケトン(PK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルエーテルエーテルケトン(PEEEK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)、ポリエーテルケトンケトンケトン(PEKKK)、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)等のポリケトン系樹脂、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、メタクリロニトリル/スチレン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体(NBR)等のポリニトリル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル(PEMA)等のポリメタクリレート系樹脂、ポリ酢酸ビニル(PVAc)等のポリビニルエステル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/アクリル酸メチル共重合体等のポリ塩化ビニル系樹脂、酢酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート(PC)等のポリカーボネート系樹脂、熱可塑性ポリイミド(TPI)、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエステルアミドイミド等のポリイミド系樹脂、熱可塑性ポリウレタン系樹脂、ポリアミドエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー等が挙げられる。
尚、本発明の積層チューブにおいては、EVOH(C)の溶融安定性の観点から、上記例示の熱可塑性樹脂のうち、融点が240℃以下のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリチオエーテル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、及び官能基を含有しない含フッ素系重合体を使用することが好ましい。
また、熱可塑性樹脂以外の任意の基材、例えば、紙、金属系材料、無延伸、一軸又は二軸延伸プラスチックフィルム又はシート、織布、不織布、金属綿、木材等を積層することも可能である。金属系材料としては、アルミニウム、鉄、銅、ニッケル、金、銀、チタン、モリブデン、マグネシウム、マンガン、鉛、錫、クロム、ベリリウム、タングステン、コバルト等の金属や金属化合物、及びこれら2種類以上からなるステンレス鋼等の合金鋼、アルミニウム合金、黄銅、青銅等の銅合金、ニッケル合金等の合金類等が挙げられる。
積層チューブ製造法としては、層の数もしくは材料の数に対応する押出機を用いて、溶融押出し、ダイ内あるいは外において同時に積層する方法(共押出法)、あるいは、一旦、単層チューブあるいは、上記の方法により製造された積層チューブを予め製造しておき、外側に順次、必要に応じては接着剤を使用し、樹脂を一体化せしめ積層する方法(コーティング法)が挙げられる。本発明の積層チューブにおいては、各種材料を溶融状態で共押出し、両者を熱融着(溶融接着)して一段階で積層構造のチューブを製造する共押出法により製造されることが好ましい。
また、得られる積層チューブが複雑な形状である場合や、成形後に加熱曲げ加工を施して成形品とする場合は、成形品の残留歪みを除去するために、上記の積層チューブを形成した後、前記チューブを構成する樹脂の融点のうち最も低い融点未満の温度で、0.01時間以上10時間以下熱処理して目的の成形品を得る事も可能である。
積層チューブにおいては、波形領域を有するものであってもよい。波形領域とは、波形形状、蛇腹形状、アコーディオン形状、又はコルゲート形状等に形成した領域である。波形領域は、積層チューブ全長にわたり有するものだけではなく、途中の適宜の領域に部分的に有するものであってもよい。波形領域は、まず直管状のチューブを成形した後に、引き続いてモールド成形し、所定の波形形状等とすることにより容易に形成することができる。かかる波形領域を有することにより、衝撃吸収性を有し、取り付け性が容易となる。さらに、例えば、コネクタ等の必要な部品を付加したり、曲げ加工によりL字、U字の形状等にすることが可能である。
このように成形した積層チューブの外周の全部又は一部には、石ハネ、他部品との摩耗、及び耐炎性を考慮して、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)、カルボキシル化ブタジエンゴム(XBR)、カルボキシル化クロロプレンゴム(XCR)、エピクロルヒドリンゴム(ECO)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、水素化アクリロニトリルブタジエンゴム(HNBR)、カルボキシル化アクリロニトリルブタジエンゴム(XNBR)、NBRとポリ塩化ビニルの混合物、アクリロニトリルイソプレンゴム(NIR)、塩素化ポリエチレンゴム(CM)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、エチレンプロピレンゴム(EPR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、エチレン酢酸ビニルゴム(EVM)、NBRとEPDMの混合物ゴム、アクリルゴム(ACM)、エチレンアクリルゴム(AEM)、アクリレートブタジエンゴム(ABR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシル化スチレンブタジエンゴム(XSBR)、スチレンイソプレンゴム(SIR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、ウレタンゴム、シリコーンゴム(MQ,VMQ)、フッ素ゴム(FKM,FFKM)、フルオロシリコーンゴム(FVMQ)、塩化ビニル系、オレフィン系、エステル系、ウレタン系、アミド系等の熱可塑性エラストマー等から構成するソリッド又はスポンジ状の保護部材(プロテクタ)を配設することができる。保護部材は既知の手法によりスポンジ状の多孔体としてもよい。多孔体とすることにより、軽量で断熱性に優れた保護部を形成できる。また、材料コストも低減できる。あるいは、ガラス繊維等を添加してその強度を改善してもよい。保護部材の形状は特に限定されないが、通常は、筒状部材又は積層チューブを受け入れる凹部を有するブロック状部材である。筒状部材の場合は、予め作製した筒状部材に積層チューブを後で挿入したり、あるいは積層チューブの上に筒状部材を被覆押出しして両者を密着して作ることができる。両者を接着させるには、保護部材内面あるいは前記凹面に必要に応じ接着剤を塗布し、これに積層チューブを挿入又は嵌着し、両者を密着することにより、積層チューブと保護部材の一体化された構造体を形成する。また、金属等で補強することも可能である。
積層チューブの外径は、薬液(例えば含アルコールガソリン等の燃料)等の流量を考慮し、肉厚は薬液の透過性が増大せず、また、通常のチューブの破壊圧力を維持できる厚みで、かつ、チューブの組み付け作業容易性及び使用時の耐振動性が良好な程度の柔軟性を維持することができる厚みに設計されるが、限定されるものではない。外径は4mm以上300mm以下、内径は3mm以上250mm以下、肉厚は0.5mm以上25mm以下であることが好ましい。
本発明の積層チューブは、自動車部品、内燃機関用途、電動工具ハウジング類等の機械部品を始め、工業材料、産業資材、電気・電子部品、医療、食品、家庭・事務用品、建材関係部品、家具用部品等各種用途に使用することが可能である。
また、本発明の積層チューブは、薬液透過防止性に優れるため、薬液搬送チューブとして好適である。薬液としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、フェノール、クレゾール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルコール、フェノール系溶媒、ジメチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエチレン、二塩化エチレン、パークロルエチレン、モノクロルエタン、ジクロルエタン、テトラクロルエタン、パークロルエタン、クロルベンゼン等のハロゲン系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、アセトフェノン等のケトン系溶媒、ガソリン、灯油、ディーゼルガソリン、含アルコールガソリン、メチル−t−ブチルエーテル、含酸素ガソリン、含アミンガソリン、サワーガソリン、ひまし油ベースブレーキ液、グリコールエーテル系ブレーキ液、ホウ酸エステル系ブレーキ液、極寒地用ブレーキ液、シリコーン油系ブレーキ液、鉱油系ブレーキ液、パワーステアリングオイル、含硫化水素オイル、ウインドウオッシャー液、エンジン冷却液、尿素溶液、医薬剤、インク、塗料等が挙げられる。本発明の積層チューブは、上記薬液を搬送するチューブとして好適であり、具体的には、フィードチューブ、リターンチューブ、エバポチューブ、フューエルフィラーチューブ、ORVRチューブ、リザーブチューブ、ベントチューブ等の燃料チューブ、オイルチューブ、石油掘削チューブ、ブレーキチューブ、ウインドウオッシャー液用チューブ、エンジン冷却液(LLC)チューブ、リザーバータンクチューブ、尿素溶液搬送チューブ、冷却水、冷媒等用クーラーチューブ、エアコン冷媒用チューブ、ヒーターチューブ、ロードヒーティングチューブ、床暖房チューブ、インフラ供給用チューブ、消火器及び消火設備用チューブ、医療用冷却機材用チューブ、インク、塗料散布チューブ、その他薬液チューブが挙げられる。特に、燃料チューブとして好適である。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例における分析及び物性の測定方法、及び実施例及び比較例に用いた材料を示す。
ポリアミド系樹脂の特性は、以下の方法で測定した。
[相対粘度]
JIS K−6920に準じて、96%の硫酸中、ポリアミド濃度1%、温度25℃の条件下で測定した。
[末端アミノ基濃度]
活栓付三角フラスコに所定量のポリアミド試料を入れ、あらかじめ調整しておいた溶媒フェノール/メタノール(体積比9/1)の40mLを加えた後、マグネットスターラで攪拌溶解し、指示薬にチモールブルーを用いて0.05Nの塩酸で滴定を行い、末端アミノ基濃度を求めた。
[末端カルボキシル基濃度]
三つ口ナシ型フラスコに所定量のポリアミド試料を入れ、ベンジルアルコール40mLを加えた後、窒素気流下、180℃に設定したオイルバスに浸漬する。上部に取り付けた攪拌モータにより攪拌溶解し、指示薬にフェノールフタレインを用いて0.05Nの水酸化ナトリウム溶液で滴定を行い、末端カルボキシル基濃度を求めた。
また、含フッ素系重合体の特性は、以下の方法で測定した。
[含フッ素系重合体の組成]
溶融NMR分析、フッ素含有量分析、赤外吸収スペクトルにより測定した。
[含フッ素系重合体中の末端カーボネート基数]
含フッ素系重合体中の末端カーボネート基数は、赤外吸収スペクトル分析により、カーボネート基(−OC(=O)O−)のカルボニル基が帰属するピークが1817cm−1の吸収波長に現われ、吸収ピークの吸光度を測定し、次式によって含フッ素系重合体中の主鎖炭素原子数106個に対するカーボネート基の個数を算出した。
[含フッ素系重合体中の主鎖炭素原子数106個に対するカーボネート基の個数]=500AW/εdf
A:カーボネート基(−OC(=O)O−)のピークの吸光度
ε:カーボネート基(−OC(=O)O−)のモル吸光度係数[cm−1・mol−1]。モデル化合物よりε=170とした。
W:モノマー組成から計算される組成平均分子量
d:フィルムの密度[g/cm3]
f:フィルムの厚み[mm]
また、積層チューブの各物性は、以下の方法で測定した。
[低温耐衝撃性]
SAE J−2260 7.5に記載の方法で、−40℃にて衝撃試験を実施した。
[耐劣化燃料性]
SAE J−2260 7.8に記載の方法で、耐劣化燃料テストを実施した。テスト後のチューブをSAE J−2260 7.5に記載の方法で、−40℃にて衝撃試験を実施し、試験本数10本に対して、破断本数が0本の場合、耐劣化燃料性に優れていると判断した。
[薬液(含アルコールガソリン)透過防止性]
200mmにカットしたチューブの片端を密栓し、内部にFuelC(イソオクタン/トルエン=50/50体積比)とエタノールを15/85体積比に混合した含アルコールガソリン(CE85)を入れ、残りの端部も密栓した。その後、全体の質量を測定し、次いで試験チューブを60℃のオーブンに入れ、一日毎に質量変化を測定した。一日当たりの質量変化を、チューブ内層表面積で除して含アルコールガソリン透過量(g/m2・day)を算出した。
[層間接着性]
200mmにカットしたチューブをさらに縦方向に半分にカットし、テストピースを作成した。万能材料試験機(オリエンテック社製、テンシロンUTM III−200)を用い、50mm/minの引張速度にて180°剥離試験を実施した。S−Sカーブの極大点から剥離強度を読み取り、層間接着性を評価した。
[モノマー、オリゴマーの耐溶出性]
1mにカットしたチューブの片端を密栓し、内部にFuelC(イソオクタン/トルエン=50/50体積比)とエタノールを90/10体積比に混合した含アルコールガソリンを入れ、残りの端部も密栓した。その後、試験チューブを60℃のオーブンに入れ、7日間処理した。処理終了後、取り出したチューブ内の含アルコールガソリンを通過粒子径8μmのフィルターにて濾過し、捕集物の質量を測定した。捕集物の質量を処理日数及びチューブの内層表面積で除してモノマー、オリゴマー溶出量(g/m2・day)を算出した。尚、処理終了後、チューブ内から抜き出した含アルコールガソリンの色調についても目視にて観察した。
[実施例及び比較例で用いた材料]
脂肪族ポリアミド(A)
ポリアミド12樹脂組成物(A−1)の製造
ポリアミド12(a−1)(宇部興産(株)製、UBESTA3030UX1、相対粘度2.21)に、衝撃改良材として無水マレイン酸変性エチレン/プロピレン共重合体(JSR(株)製、JSR T7761P)をあらかじめ混合し、二軸溶融混練機((株)日本製鋼所製、型式:TEX44)に供給する一方、該二軸溶融混練機のシリンダの途中から、可塑剤としてベンゼンスルホン酸ブチルアミドを定量ポンプにより注入し、シリンダ温度180℃から260℃で溶融混練し、溶融樹脂をストランド状に押出した後、これを水槽に導入し、冷却、カット、真空乾燥して、ポリアミド12 85質量%、衝撃改良材10質量%、可塑剤5質量%よりなるポリアミド12樹脂組成物のペレットを得た(以下、このポリアミド12樹脂組成物を(A−1)という。)。
導電性ポリアミド12樹脂組成物(A−2)の製造
ポリアミド12樹脂組成物(A−1)の製造において、ポリアミド12(a−1)を(a−2)(宇部興産(株)製、UBESTA3020U、相対粘度1.86)に変更し、導電性フィラーとしてカーボンブラック(キャボット社製、バルカンXC−72)を用い、可塑剤を使用しない以外は、ポリアミド12樹脂組成物(A−1)の製造と同様の方法にて、ポリアミド12 60質量%、衝撃改良材20質量%、導電性フィラー20質量%よりなる導電性ポリアミド12樹脂組成物のペレットを得た(以下、この導電性ポリアミド12樹脂組成物を(A−2)という。)。
ポリアミド610(a−3)の製造
内容積70リットルの攪拌機付き耐圧力反応容器に、1,6−ヘキサンジアミンとセバシン酸の等モル塩の50質量%水溶液17.6kg、1,6−ヘキサンジアミン63.8gを仕込み、重合槽内を窒素置換した後、220℃まで加熱し、この温度で反応系内が均一な状態になるように攪拌した。次いで、重合槽内温度を270℃まで昇温させ、槽内圧力を1.7MPaに調圧しながら、2時間攪拌下に重合した。その後、約2時間かけて常圧に放圧し、次いで、53kPaまで減圧し、減圧下において4時間重合を行なった。次いで、窒素をオートクレーブ内に導入し、常圧に復圧後、反応容器の下部ノズルからストランドとして抜き出し、カッティングしてペレットを得た。このペレットを減圧乾燥し、相対粘度2.48、末端アミノ基濃度73μeq/g、末端カルボキシル基濃度14μeq/gのポリアミド610を得た(以下、このポリアミド610を(a−3)という。)。
ポリアミド610樹脂組成物(A−3)の製造
ポリアミド610(a−3)に、耐衝撃改良材として無水マレイン酸変性エチレン/プロピレン共重合体(JSR(株)製、JSR T7761P)、酸化防止剤としてトリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](BASFジャパン社製、IRGANOX245)、及びリン系加工安定剤としてトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(BASFジャパン社製、IRGAFOS168)をあらかじめ混合し、二軸溶融混練機((株)日本製鋼所製、型式:TEX44)に供給する一方、該二軸溶融混練機のシリンダの途中から、可塑剤としてベンゼンスルホン酸ブチルアミドを定量ポンプにより注入し、シリンダ温度200℃から270℃で溶融混練し、溶融樹脂をストランド状に押出した後、これを水槽に導入し、冷却、カット、真空乾燥して、ポリアミド610 80質量%、耐衝撃改良材10質量%、可塑剤10質量%の合計100質量部に対して、酸化防止剤0.8質量部、リン系加工安定剤0.2質量部よりなるポリアミド610樹脂組成物のペレットを得た(以下、このポリアミド610樹脂組成物を(A−3)という。)。
ポリアミド612(a−4)の製造
ポリアミド610(a−3)の製造において、1,6−ヘキサンジアミンとセバシン酸の等モル塩の50質量%水溶液17.6kgを1,6−ヘキサンジアミンとドデカン二酸の等モル塩の50質量%水溶液20.0kg、1,6−ヘキサンジアミンの添加量を63.8gから70.0gに変更した以外は、ポリアミド610(a−3)の製造と同様の方法にて、相対粘度2.52、末端アミノ基濃度65μeq/g、末端カルボキシル基濃度19μeq/gのポリアミド612を得た(以下、このポリアミド612を(a−4)という。)。
ポリアミド612樹脂組成物(A−4)の製造
ポリアミド610樹脂組成物(A−3)の製造において、ポリアミド610(a−3)をポリアミド612(a−4)に変更した以外は、ポリアミド610樹脂組成物(A−3)の製造と同様の方法にて、ポリアミド612 80質量%、耐衝撃改良材10質量%、可塑剤10質量%の合計100質量部に対して、酸化防止剤0.8質量部、リン系加工安定剤0.2質量部よりなるポリアミド612樹脂組成物のペレットを得た(以下、このポリアミド612樹脂組成物を(A−4)という。)。
ポリアミド6樹脂組成物(A−5)の製造
ポリアミド6(a−5)(宇部興産(株)製、UBE Nylon1024B、相対粘度3.50)に、衝撃改良材として無水マレイン酸変性エチレン/プロピレン共重合体(JSR(株)製、JSR T7761P)、酸化防止剤としてトリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](BASFジャパン社製、IRGANOX245)、及びリン系加工安定剤としてトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(BASFジャパン社製、IRGAFOS168)をあらかじめ混合し、二軸溶融混練機((株)日本製鋼所製、型式:TEX44)に供給する一方、該二軸溶融混練機のシリンダの途中から、可塑剤としてベンゼンスルホン酸ブチルアミドを定量ポンプにより注入し、シリンダ温度230℃から270℃で溶融混練し、溶融樹脂をストランド状に押出した後、これを水槽に導入し、冷却、カット、真空乾燥して、ポリアミド6 85質量%、衝撃改良材10質量%、可塑剤5質量%の合計100質量部に対して、酸化防止剤0.8質量部、リン系加工安定剤0.2質量部よりなるポリアミド6樹脂組成物のペレットを得た(以下、このポリアミド6樹脂組成物を(A−5)という。)。
ポリアミド6/12樹脂組成物(A−6)
ポリアミド6/12(ポリ(カプロアミド/ドデカンアミド)共重合体)樹脂組成物(A−6):宇部興産(株)製、UBE Nylon 7034U
半芳香族ポリアミド(B)
半芳香族ポリアミド(b−1)の製造
攪拌機、温度計、トルクメータ、圧力計、ダイアフラムポンプを直結した原料投入口、窒素ガス導入口、放圧口、圧力調整装置、及びポリマー放出口を備えた内容積が40リットルの圧力容器に、セバシン酸6.068kg(30.0モル)、次亜リン酸ナトリウム一水和物1.55g(ポリアミド樹脂中のリン原子濃度として50ppm)、及び酢酸ナトリウム0.805g(0.009モル)を仕込み、圧力容器の内部の純度が99.9999%の窒素ガスで0.3MPaに加圧した後、次に常圧まで窒素ガスを放出する操作を5回繰返し、窒素置換を行った後、封圧下、攪拌しながら系内を昇温した。さらに少量の窒素気流下で、190℃まで昇温した後、(b1)m−キシリレンジアミン4.086kg(30.0モル)を撹拌下で160分を要して滴下した。この間、反応系内圧は0.5MPaに制御し、内温を連続的に260℃まで昇温させた。また、(b1)m−キシリレンジアミンの滴下とともに留出する水は分縮器および冷却器を通して系外に除いた。(b1)m−キシリレンジアミン滴下終了後、60分間かけて常圧まで降圧し、この間に、容器内の温度を250℃に保持して10分間反応を継続した。その後、反応系内圧を79kPaまで減圧し、40分間溶融重合反応を継続した。その後、攪拌を止めて系内を窒素で0.2MPaに加圧して重縮合物を圧力容器下部抜出口より紐状に抜き出した。紐状の重縮合物は直ちに冷却し、水冷した紐状の樹脂はペレタイザーによってペレット化し、その後、減圧乾燥を行い、融点191℃、相対粘度2.41の半芳香族ポリアミド(ポリアミドMXD10=100モル%)を得た(以下、この半芳香族ポリアミドを(b−1)という。)。
半芳香族ポリアミド組成物(B−1)の製造
半芳香族ポリアミド(b−1)に、衝撃改良材として無水マレイン酸変性エチレン/プロピレン共重合体(JSR(株)製、JSR T7761P)、酸化防止剤としてトリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](BASFジャパン社製、IRGANOX245)、及びリン系加工安定剤としてトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(BASFジャパン社製、IRGAFOS168)をあらかじめ混合し、二軸溶融混練機((株)日本製鋼所製、型式:TEX44)に供給し、シリンダ温度200℃から240℃で溶融混練し、溶融樹脂をストランド状に押出した後、これを水槽に導入し、冷却、カット、真空乾燥して、半芳香族ポリアミド90質量%、衝撃改良材10質量%の合計100質量部に対して、酸化防止剤0.8質量部、リン系加工安定剤0.2質量部よりなる半芳香族ポリアミド組成物のペレットを得た(以下、この半芳香族ポリアミド組成物を(B−1)という。)。
半芳香族ポリアミド組成物(B−2)の製造
半芳香族ポリアミド(b−1)の製造において、(b1)m−キシリレンジアミン4.086kg(30.0モル)を(b1)m−キシリレンジアミンと(b2)p−キシリレンジアミンの7:3の混合ジアミン4.086kg(30.0モル)に変え、重合温度を250℃から260℃に変更した以外は、半芳香族ポリアミド(b−1)の製造と同様の方法にて、融点215℃、相対粘度2.45の半芳香族ポリアミド(ポリアミドMXD10/PXD10=70/30モル%)を得た(以下、この半芳香族ポリアミドを(b−2)という。)。
半芳香族ポリアミド組成物(B−1)の製造において、半芳香族ポリアミド(b−1)を(b−2)に変え、シリンダ温度を240℃から250℃に変更した以外は、半芳香族ポリアミド組成物(B−1)の製造と同様の方法にて、半芳香族ポリアミド90質量%、耐衝撃改良材10質量%の合計100質量部に対して、酸化防止剤0.8質量部、リン系加工安定剤0.2質量部よりなる半芳香族ポリアミド組成物のペレットを得た(以下、この半芳香族ポリアミド組成物を(B−2)という。)。
半芳香族ポリアミド組成物(B−3)の製造
半芳香族ポリアミド(b−1)の製造において、(b1)m−キシリレンジアミン4.086kg(30.0モル)を(b1)m−キシリレンジアミンと(b2)p−キシリレンジアミンの6:4の混合ジアミン4.086kg(30.0モル)に変え、重合温度を250℃から270℃に変更した以外は、半芳香族ポリアミド(b−1)の製造と同様の方法にて、融点224℃、相対粘度2.42の半芳香族ポリアミド(ポリアミドMXD10/PXD10=60/40モル%)を得た(以下、この半芳香族ポリアミドを(b−3)という。)。
半芳香族ポリアミド組成物(B−1)の製造において、半芳香族ポリアミド(b−1)を(b−3)に変え、シリンダ温度を240℃から260℃に変更した以外は、半芳香族ポリアミド組成物(B−1)の製造と同様の方法にて、半芳香族ポリアミド90質量%、耐衝撃改良材10質量%の合計100質量部に対して、酸化防止剤0.8質量部、リン系加工安定剤0.2質量部よりなる半芳香族ポリアミド組成物のペレットを得た(以下、この半芳香族ポリアミド組成物を(B−3)という。)。
半芳香族ポリアミド組成物(B−4)の製造
半芳香族ポリアミド(b−1)の製造において、セバシン酸6.068kg(30.0モル)をアゼライン酸5.647kg(30.0モル)に変更した以外は、半芳香族ポリアミド(b−1)の製造と同様の方法にて、融点194℃、相対粘度2.46の半芳香族ポリアミド(ポリアミドMXD9=100モル%)を得た(以下、この半芳香族ポリアミドを(b−4)という。)。
半芳香族ポリアミド組成物(B−1)の製造において、半芳香族ポリアミド(b−1)を(b−4)に変更した以外は、半芳香族ポリアミド組成物(B−1)の製造と同様の方法にて、半芳香族ポリアミド90質量%、耐衝撃改良材10質量%の合計100質量部に対して、酸化防止剤0.8質量部、リン系加工安定剤0.2質量部よりなる半芳香族ポリアミド組成物のペレットを得た(以下、この半芳香族ポリアミド組成物を(B−4)という。)。
半芳香族ポリアミド組成物(B−5)の製造
半芳香族ポリアミド(b−1)の製造において、セバシン酸6.068kg(30.0モル)をアジピン酸4.384kg(30.0モル)に変え、重合温度を250℃から275℃に変更した以外は、半芳香族ポリアミド(b−1)の製造と同様の方法にて、融点243℃、相対粘度2.42の半芳香族ポリアミド(ポリアミドMXD6=100モル%)を得た(以下、この半芳香族ポリアミドを(b−5)という。)。
半芳香族ポリアミド組成物(B−1)の製造において、半芳香族ポリアミド(b−1)を(b−5)に変え、シリンダ温度を240℃から280℃に変更した以外は、半芳香族ポリアミド組成物(B−1)の製造と同様の方法にて、半芳香族ポリアミド90質量%、耐衝撃改良材10質量%の合計100質量部に対して、酸化防止剤0.8質量部、リン系加工安定剤0.2質量部よりなる半芳香族ポリアミド組成物のペレットを得た(以下、この半芳香族ポリアミド組成物を(B−5)という。)。
エチレン/酢酸ビニル共重合体ケン化物(C)
EVOH(C−1):日本合成化学(株)製、ソアノールDC3203、エチレン含有量32モル%、ケン化度99モル%以上
含フッ素系重合体(D)
含フッ素系重合体(D−1)の製造
内容積が94リットルの攪拌機付き重合槽を脱気し、1−ヒドロトリデカフルオロヘキサン48.53kg、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン12.13kg、CH2=CH(CF2)4Fの0.24kgを仕込み、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)25.40kg、テトラフルオロエチレン(TFE)7.99kg、エチレン(E)0.25kgを圧入し、重合槽内を66℃に昇温し、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシピバレートの5質量%1−ヒドロトリデカフルオロヘキサン溶液の484mLを仕込み、重合を開始させた。重合中圧力が一定になるように組成TFE/E=54/46(モル比)のモノマー混合ガスを連続的に仕込み、TFE/Eのモノマー混合ガスに対して1.0モル%となるようにCH2=CH(CF2)4Fを、0.25モル%となるように無水イタコン酸をそれぞれ連続的に仕込んだ。重合開始3.6時間後、モノマー混合ガス5.06kgを仕込んだ時点で、重合槽内温を室温まで降温するとともに常圧までパージした。得られたスラリ状の含フッ素系重合体をガラスフィルターで吸引ろ過し、分離した当該含フッ素系重合体を120℃で15時間乾燥することにより、含フッ素系重合体の造粒物5.6kgが得られた。
当該含フッ素系重合体の組成は、TFEに基づく重合単位/Eに基づく重合単位/HFPに基づく重合単位/CH2=CH(CF2)4Fに基づく重合単位/無水イタコン酸に基づく重合単位のモル比で48.1/42.7/8.2/0.8/0.2であった。また、融点は175℃であった。
この造粒物を、押出機を用いて、230℃、滞留時間2分で溶融し、含フッ素系重合体のペレットを得た(以下、この含フッ素系重合体を(D−1)という。)。
導電性含フッ素系重合体(D−2)の製造
含フッ素系重合体(D−1)100質量部、及びカーボンブラック(電気化学(株)製)13質量部をあらかじめ混合し、二軸溶融混練機(東芝機械(株)製、型式:TEM−48S)に供給し、シリンダ温度220℃から250℃で溶融混練し、溶融樹脂をストランド状に押出した後、これを水槽に導入し、吐出したストランドを水冷し、ペレタイザーでストランドを切断し、水分除去のために120℃の乾燥機で10時間乾燥し、導電性含フッ素系重合体のペレットを得た(以下、この導電性含フッ素系重合体を(D−2)という。)。
含フッ素系重合体(D−3)の製造
内容積が94リットルの攪拌機付きオートクレーブを脱気し、イオン交換水19.7kg、パーフルオロペンチルジフルオロメタン77.1kg、CH2=CH(CF2)2F0.427kg、テトラフルオロエチレン(TFE)3.36kg、エチレン(E)0.127kgを圧入し、オートクレーブ内を66℃に昇温した。このとき圧力は0.65MPaであった。重合開始剤としてジイソプロピルパーオキシジカーボネートの72gを仕込み、重合を開始させた。重合中圧力が一定になるようにTFE/E=60/40のモル比のモノマー混合ガスを連続的に仕込んだ。また、重合中に仕込むTFEとEの合計モル数に対して6.0モル%に相当する量のCH2=CH(CF2)2Fを連続的に仕込んだ。重合開始の5.6時間後、モノマー混合ガスが11.5kg仕込まれた時点で、オートクレーブ内温を室温まで冷却するとともに重合層内の圧力を常圧までパージした。得られたスラリ状の含フッ素系重合体を、水100.0kgを仕込んだ300Lの造粒槽に投入し、攪拌しながら105℃まで昇温し溶媒を留出除去しながら造粒した。得られた造粒物を135℃で3時間乾燥することにより、含フッ素系重合体の造粒物12.1kgが得られた。
当該含フッ素系重合体の組成は、TFEに基づく重合単位/Eに基づく重合単位/CH2=CH(CF2)2Fに基づく重合単位のモル比で57.2/37.0/5.8であり、含フッ素系重合体の重合開始剤に由来するカーボネート末端基の数は359個であった。また、融点は205℃であった。
この造粒物を、押出機を用いて、250℃、滞留時間2分で溶融し、含フッ素系重合体のペレットを得た(以下、この含フッ素系重合体を(D−3)という。)。
導電性含フッ素系重合体(D−4)の製造
導電性含フッ素系重合体(D−2)の製造において、含フッ素系重合体(D−1)を(D−3)に変え、シリンダ温度を250℃から260℃に変更した以外は、導電性含フッ素系重合体(D−2)の製造と同様の方法にて、導電性含フッ素系重合体のペレットを得た(以下、この導電性含フッ素系重合体を(D−4)という。)。
含フッ素系重合体(D−5)の製造
含フッ素系重合体(D−1)の製造において、無水イタコン酸を仕込まないこと以外は、含フッ素系重合体(D−1)の製造例と同様の方法にて、5.7kgの含フッ素系重合体の造粒物を得た。
当該含フッ素系重合体の組成は、TFEに基づく重合単位/Eに基づく重合単位/HFPに基づく重合単位/CH2=CH(CF2)4Fに基づく重合単位に基づく重合単位のモル比で48.2/42.8/8.2/0.8であった。また、融点は176℃であった。この造粒物を押出機を用いて、230℃、滞留時間2分で溶融し、含フッ素系重合体のペレットを得た(以下、この含フッ素系重合体を(D−5)という。)。
導電性含フッ素系重合体(D−6)の製造
導電性含フッ素系重合体(D−2)の製造において、含フッ素系重合体(D−1)を(D−5)に変更した以外は、導電性含フッ素系重合体(D−2)の製造と同様の方法にて、導電性含フッ素系重合体のペレットを得た(以下、この導電性含フッ素系重合体を(D−6)という。)。
実施例1
上記に示すポリアミド12樹脂組成物(A−1)、半芳香族ポリアミド組成物(B−1)、EVOH(C−1)、含フッ素系重合体(D−1)を使用して、Plabor(プラスチック工学研究所(株)製)4層チューブ成形機にて、(A−1)を押出温度250℃、(B−1)を押出温度240℃、(C−1)を押出温度220℃、(D−1)を押出温度230℃にて別々に溶融させ、吐出された溶融樹脂をアダプタによって合流させ、積層管状体に成形した。引き続き、寸法制御するサイジングダイにより冷却し、引き取りを行い、(A−1)からなる(a)層(最外層)、(B−1)からなる(b)層(外層)、(C−1)からなる(c)層(中間層)、(D−1)からなる(d)層(最内層)としたとき、層構成が(a)/(b)/(c)/(d)=0.60/0.15/0.10/0.15mmで内径6mm、外径8mmの積層チューブを得た。当該積層チューブの物性測定結果を表1に示す。
実施例2
実施例1において、半芳香族ポリアミド組成物(B−1)を(B−2)に変え、(B−2)の押出温度を250℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて、表1に示す層構成の積層チューブを得た。当該積層チューブの物性測定結果を表1に示す。
実施例3
実施例1において、半芳香族ポリアミド組成物(B−1)を(B−3)に変え、(B−3)の押出温度を260℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて、表1に示す層構成の積層チューブを得た。当該積層チューブの物性測定結果を表1に示す。
実施例4
実施例1において、半芳香族ポリアミド組成物(B−1)を(B−4)に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて、表1に示す層構成の積層チューブを得た。当該積層チューブの物性測定結果を表1に示す。
実施例5
実施例1において、ポリアミド12樹脂組成物(A−1)をポリアミド610樹脂組成物(A−3)に変え、(A−3)の押出温度を260℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて、表1に示す層構成の積層チューブを得た。当該積層チューブの物性測定結果を表1に示す。
実施例6
実施例1において、ポリアミド12樹脂組成物(A−1)をポリアミド612樹脂組成物(A−4)に変え、(A−4)の押出温度を260℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて、表1に示す層構成の積層チューブを得た。当該積層チューブの物性測定結果を表1に示す。
実施例7
実施例1において、含フッ素系重合体(D−1)を導電性含フッ素系重合体(D−2)に変え、(D−2)の押出温度を250℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて、表1に示す層構成の積層チューブを得た。当該積層チューブの物性測定結果を表1に示す。また、当該積層チューブの導電性をSAE J−2260に準拠して測定したところ、106Ω/square以下であり、静電気除去性能に優れていることを確認した。
実施例8
実施例1において、含フッ素系重合体(D−1)を(D−3)に変え、(D−3)の押出温度を250℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて、表1に示す層構成の積層チューブを得た。当該積層チューブの物性測定結果を表1に示す。
実施例9
実施例1において、含フッ素系重合体(D−1)を導電性含フッ素系重合体(D−4)に変え、(D−4)の押出温度を260℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて、表1に示す層構成の積層チューブを得た。当該積層チューブの物性測定結果を表1に示す。また、当該積層チューブの導電性をSAE J−2260に準拠して測定したところ、106Ω/square以下であり、静電気除去性能に優れていることを確認した。
実施例10
上記に示すポリアミド12樹脂組成物(A−1)、半芳香族ポリアミド組成物(B−1)、EVOH(C−1)、含フッ素系重合体(D−1)、(D−5)を使用して、Plabor(プラスチック工学研究所(株)製)5層チューブ成形機にて、(A−1)を押出温度250℃、(B−1)を押出温度240℃、(C−1)を押出温度220℃、(D−1)、(D−5)を押出温度230℃にて別々に溶融させ、吐出された溶融樹脂をアダプタによって合流させ、積層管状体に成形した。引き続き、寸法制御するサイジングダイにより冷却し、引き取りを行い、(A−1)からなる(a)層(最外層)、(B−1)からなる(b)層(外層)、(C−1)からなる(b)層(中間層)、(D−1)からなる層(d)層(内層)、(D−5)からなる層(d’)層(最内層)としたとき、層構成が(a)/(b)/(c)/(d)/(d’)=0.60/0.10/0.10/0.10/0.10mmで内径6mm、外径8mmの積層チューブを得た。当該積層チューブの物性測定結果を表1に示す。
実施例11
実施例10において、含フッ素系重合体(D−5)を導電性含フッ素系重合体(D−6)に変え、(D−6)の押出温度を250℃に変更した以外は、実施例10と同様の方法にて、表1に示す層構成の積層チューブを得た。当該積層チューブの物性測定結果を表1に示す。また、当該積層チューブの導電性をSAE J−2260に準拠して測定したところ、106Ω/square以下であり、静電気除去性能に優れていることを確認した。
実施例12
実施例11において、含フッ素系重合体(D−1)を(D−3)に変え、(D−3)の押出温度を250℃に変更した以外は、実施例11同様の方法にて、表1に示す層構成の積層チューブを得た。当該積層チューブの物性測定結果を表1に示す。また、当該積層チューブの導電性をSAE J−2260に準拠して測定したところ、106Ω/square以下であり、静電気除去性能に優れていることを確認した。
実施例13
上記に示すポリアミド12樹脂組成物(A−1)、半芳香族ポリアミド組成物(B−1)、EVOH(C−1)、導電性含フッ素系重合体(D−2)を使用して、Plabor(プラスチック工学研究所(株)製)5層チューブ成形機にて、(A−1)を押出温度250℃、(B−1)を押出温度240℃、(C−1)を押出温度220℃、(D−2)を押出温度250℃にて別々に溶融させ、吐出された溶融樹脂をアダプタによって合流させ、積層管状体に成形した。引き続き、寸法制御するサイジングダイにより冷却し、引き取りを行い、(A−1)からなる(a)層(最外層)、(B−1)からなる(b)層(外層、内層)、(C−1)からなる(b)層(中間層)、(D−2)からなる層(d)層(最内層)としたとき、層構成が(a)/(b)/(c)/(b)/(d)=0.60/0.10/0.10/0.10/0.10mmで内径6mm、外径8mmの積層チューブを得た。当該積層チューブの物性測定結果を表1に示す。また、当該積層チューブの導電性をSAE J−2260に準拠して測定したところ、106Ω/square以下であり、静電気除去性能に優れていることを確認した。
実施例14
上記に示すポリアミド12樹脂組成物(A−1)、ポリアミド6樹脂組成物(A−5)、半芳香族ポリアミド組成物(B−1)、EVOH(C−1)、導電性含フッ素系重合体(D−2)を使用して、Plabor(プラスチック工学研究所(株)製)6層チューブ成形機にて、(A−1)を押出温度250℃、(A−5)を押出温度260℃、(B−1)を押出温度240℃、(C−1)を押出温度220℃、(D−2)を押出温度250℃にて別々に溶融させ、吐出された溶融樹脂をアダプタによって合流させ、積層管状体に成形した。引き続き、寸法制御するサイジングダイにより冷却し、引き取りを行い、(A−1)からなる(a)層(最外層)、(B−1)からなる(b)層(外層)、(A−5)からなる(a’)層(外層1、内層1)、(C−1)からなる(b)層(中間層)、(D−2)からなる層(d)層(最内層)としたとき、層構成が(a)/(b)/(a’)/(c)/(a’)/(d)=0.50/0.10/0.10/0.10/0.10/0.10mmで内径6mm、外径8mmの積層チューブを得た。当該積層チューブの物性測定結果を表1に示す。また、当該積層チューブの導電性をSAE J−2260に準拠して測定したところ、106Ω/square以下であり、静電気除去性能に優れていることを確認した。
実施例15
上記に示すポリアミド12樹脂組成物(A−1)、ポリアミド6樹脂組成物(A−5)、半芳香族ポリアミド組成物(B−1)、EVOH(C−1)、導電性含フッ素系重合体(D−2)を使用して、Plabor(プラスチック工学研究所(株)製)7層チューブ成形機にて、(A−1)を押出温度250℃、(A−5)を押出温度260℃、(B−1)を押出温度240℃、(C−1)を押出温度220℃、(D−2)を押出温度250℃にて別々に溶融させ、吐出された溶融樹脂をアダプタによって合流させ、積層管状体に成形した。引き続き、寸法制御するサイジングダイにより冷却し、引き取りを行い、(A−1)からなる(a)層(最外層)、(B−1)からなる(b)層(外層、内層)、(A−5)からなる(a’)層(外層1、内層1)、(C−1)からなる(b)層(中間層)、(D−2)からなる層(d)層(最内層)としたとき、層構成が(a)/(b)/(a’)/(c)/(a’)/(b)/(d)=0.50/0.10/0.10/0.10/0.10/0.10mmで内径6mm、外径8mmの積層チューブを得た。当該積層チューブの物性測定結果を表1に示す。また、当該積層チューブの導電性をSAE J−2260に準拠して測定したところ、106Ω/square以下であり、静電気除去性能に優れていることを確認した。
実施例16
実施例15において、内層材料として使用した半芳香族ポリアミド組成物(B−1)を含フッ素系重合体(D−1)、導電性含フッ素系重合体(D−2)を(D−6)に変え、(D−1)の押出温度を230℃、(D−6)の押出温度を250℃に変更した以外は、実施例15と同様の方法にて、表1に示す層構成の積層チューブを得た。当該積層チューブの物性測定結果を表1に示す。また、当該積層チューブの導電性をSAE J−2260に準拠して測定したところ、106Ω/square以下であり、静電気除去性能に優れていることを確認した。
実施例17
上記に示すポリアミド12樹脂組成物(A−1)、ポリアミド6樹脂組成物(A−5)、ポリアミド6/12樹脂組成物(A−6)、半芳香族ポリアミド組成物(B−1)、EVOH(C−1)、導電性含フッ素系重合体(D−2)を使用して、Plabor(プラスチック工学研究所(株)製)7層チューブ成形機にて、(A−1)を押出温度250℃、(A−5)を押出温度260℃、(A−6)を押出温度230℃、(B−1)を押出温度240℃、(C−1)を押出温度220℃、(D−2)を押出温度250℃にて別々に溶融させ、吐出された溶融樹脂をアダプタによって合流させ、積層管状体に成形した。引き続き、寸法制御するサイジングダイにより冷却し、引き取りを行い、(A−1)からなる(a)層(最外層)、(A−6)からなる(a’)層(外層)、(B−1)からなる(b)層(外層1)、(A−5)からなる(a’’)層(中間層、内層1)、(C−1)からなる(b)層(内層)、(D−2)からなる層(d)層(最内層)としたとき、層構成が(a)/(a’)/(b)/(a’’)/(c)/(a’’)/(d)=0.40/0.10/0.10/0.10/0.10/0.10/0.10mmで内径6mm、外径8mmの積層チューブを得た。当該積層チューブの物性測定結果を表1に示す。また、当該積層チューブの導電性をSAE J−2260に準拠して測定したところ、106Ω/square以下であり、静電気除去性能に優れていることを確認した。
比較例1
実施例1において、半芳香族ポリアミド組成物(B−1)、EVOH(C−1)、含フッ素系重合体(D−1)を使用しない以外は、実施例1と同様の方法にて、表1に示す単層チューブを得た。当該単層チューブの物性測定結果を表1に示す。
比較例2
実施例1において、半芳香族ポリアミド組成物(B−1)を使用しない以外は、実施例1と同様の方法にて、表1に示す層構成の積層チューブを得た。当該積層チューブの物性測定結果を表1に示す。
比較例3
実施例1において、含フッ素系重合体(D−1)を使用しない以外は、実施例1と同様の方法にて、表1に示す層構成の積層チューブを得た。当該積層チューブの物性測定結果を表1に示す。
比較例4
実施例1において、半芳香族ポリアミド組成物(B−1)を(B−5)に変え、(B−5)の押出温度を280℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて、表1に示す層構成の積層チューブを得た。当該積層チューブの物性測定結果を表1に示す。
比較例5
実施例1において、含フッ素系重合体(D−1)を(D−5)に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて、表1に示す層構成の積層チューブを得た。当該積層チューブの物性測定結果を表1に示す。
比較例6
実施例1において、含フッ素系重合体(D−1)を導電性含フッ素系重合体(D−6)に変え、(D−6)の押出温度を250℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて、表1に示す層構成の積層チューブを得た。当該積層チューブの物性測定結果を表1に示す。また、当該積層チューブの導電性をSAE J−2260に準拠して測定したところ、106Ω/square以下であり、静電気除去性能に優れていることを確認した。
比較例7
実施例1において、含フッ素系重合体(D−1)をポリアミド6樹脂組成物(A−5)に変え、(A−5)の押出温度を260℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて、表1に示す層構成の積層チューブを得た。当該積層チューブの物性測定結果を表1に示す。
比較例8
実施例13において、含フッ素系重合体(D−2)をポリアミド12樹脂組成物(A−1)に変更した以外は、実施例13と同様の方法にて、表1に示す層構成の積層チューブを得た。当該積層チューブの物性測定結果を表1に示す。
比較例9
実施例13において、含フッ素系重合体(D−2)を導電性ポリアミド12樹脂組成物(A−2)に変え、(A−2)の押出温度を260℃に変更した以外は、実施例13と同様の方法にて、表1に示す層構成の積層チューブを得た。当該積層チューブの物性測定結果を表1に示す。また、当該積層チューブの導電性をSAE J−2260に準拠して測定したところ、106Ω/square以下であり、静電気除去性能に優れていることを確認した。
表1から明らかなように、本発明に規定の半芳香族ポリアミドからなる層、エチレン/酢酸ビニル共重合体ケン化物からなる層、及び含フッ素系重合体からなる層を有していない比較例1の単層チューブは薬液透過防止性に劣り、本発明に規定の半芳香族ポリアミドからなる層を有していない比較例2の積層チューブは、層間接着性に劣っていた。本発明に規定の含フッ素系重合体からなる層を有していない比較例3の積層チューブは、低温衝撃性、耐劣化燃料性、及び薬液透過防止性に劣っていた。本発明に規定以外の半芳香族ポリアミドからなる層を有する比較例4の積層チューブは、層間接着性に劣っていた。本発明に規定以外の含フッ素系重合体からなる層を有する比較例5や6の積層チューブは、層間接着性に劣っていた。本発明に規定の含フッ素系重合体からなる層を有しておらず、最内層としてポリアミド6からなる層を有する比較例7の積層チューブは、耐劣化燃料性や薬液透過防止性に劣っており、最内層としてポリアミド12からなる層を有する比較例8や9の積層チューブは、薬液透過防止性やモノマー、オリゴマーの耐溶出性に劣っていた。
一方、本発明に規定されている実施例1から17の積層チューブは、低温耐衝撃性、耐劣化燃料性、薬液透過防止性、特に高濃度アルコール含有ガソリンに対する透過防止性、層間接着性、及びモノマー、オリゴマーの耐溶出性等の諸特性が良好であることは明らかである。