JP6266751B2 - 積層体、延伸積層体、延伸積層体の製造方法、それらを用いた、偏光膜を含む光学フィルム積層体の製造方法、及び偏光膜 - Google Patents
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Description
本発明の積層体は、熱可塑性樹脂基材と、該熱可塑性樹脂基材上に製膜されたポリビニルアルコール系樹脂層とを含み、前記熱可塑性樹脂基材上に製膜されたポリビニルアルコール系樹脂層が前記熱可塑性樹脂基材と共に延伸された後に行われる後工程であって、ポリビニルアルコール系樹脂層を二色性物質により染色する染色工程を少なくとも含む後工程によって、該後工程による処理がされたポリビニルアルコール系樹脂層からなる偏光膜を形成するために使用される。
本発明の延伸積層体は、熱可塑性樹脂基材と、該熱可塑性樹脂基材上に製膜されたポリビニルアルコール系樹脂層とを含み、ポリビニルアルコール系樹脂層を二色性物質により染色する染色工程を少なくとも含む後工程によって、該後工程による処理がされたポリビニルアルコール系樹脂層からなる偏光膜を形成するために使用される。熱可塑性樹脂基材上に製膜されたポリビニルアルコール系樹脂層は、熱可塑性樹脂基材と共に延伸されたものであり、該延伸は、空中延伸(乾式延伸)とすることができる。
本発明の延伸積層体のロール(原反)は、巻取装置によって、延伸積層体を巻き取ることにより形成されたものである。
[光学フィルム積層体の製造方法]
本発明の光学フィルム積層体の製造方法は、熱可塑性樹脂基材と、該熱可塑性樹脂基材上に製膜された、ポリビニルアルコール系樹脂と尿素を含むポリビニルアルコール系樹脂層とを含む積層体に対する延伸によって、熱可塑性樹脂基材と延伸されたポリビニルアルコール系樹脂層とを含む延伸積層体を生成する工程と、ポリビニルアルコール系樹脂層を二色性物質により染色する染色工程を少なくとも含む後工程と、を含み、前記後工程によって処理がされたポリビニルアルコール系樹脂層からなる偏光膜と熱可塑性樹脂基材を含む光学フィルム積層体を生成する。
本発明の空中延伸は、気体中で行われるいわゆる乾式延伸である。その気体は、通常、空気であるが、窒素ガス等の不活性ガスであってもよい。延伸の方法としては、特に限定されず、ロール延伸、又はテンター延伸等の、フィルム延伸に通常用いられている延伸加工法を採用することができる。また、当該延伸は、縦方向又は横方向の一方向の延伸(一軸延伸)でもよく、二軸延伸でも、斜め延伸でもよい。空中延伸の延伸倍率は、1.5倍以上3.5倍以下とすることが好ましく、1.8倍以上3.0倍以下とすることがさらに好ましい。また、空中延伸の延伸温度は、100℃以上150℃以下とすることが好ましい。
本発明における後工程は、ポリビニルアルコール系樹脂層を二色性物質により染色する染色工程を少なくとも含む。この後工程によって処理がされたポリビニルアルコール系樹脂層からなる偏光膜と熱可塑性樹脂基材を含む光学フィルム積層体が生成される。
本発明における染色工程は、ポリビニルアルコール系樹脂層を二色性物質により染色し、着色積層体を生成する工程である。
本発明のホウ酸水中延伸工程は、染色された延伸積層体(着色積層体)をホウ酸水溶液に浸漬させながら少なくとも長手方向に延伸する工程である。ホウ酸水中延伸工程は、2段延伸法の第2段目の延伸工程とすることができる。このホウ酸水中延伸工程によって、着色積層体に含まれるポリビニルアルコール系樹脂層は、吸着されたポリヨウ素イオンが配向されたビニルアルコール系樹脂層へと変化する。このポリヨウ素イオンが配向されたポリビニルアルコール系樹脂層が光学フィルム積層体の偏光膜を構成する。
所望により実施される工程として、例えば、第1の不溶化工程、架橋工程、第2の不溶化工程、洗浄工程、水滴除去工程、乾燥工程があり、以下順に説明する。
第1の不溶化工程は、染色工程前に、延伸積層体をホウ酸水溶液に浸漬する工程であり、少なくとも後工程の染色工程において延伸積層体に含まれる延伸されたポリビニルアルコール系樹脂層が溶解することを防止するものである。このホウ酸水溶液の濃度、液温、浸漬時間は、好ましくは、水100質量部当たり1質量部〜5質量部、10℃以上50℃以下、1秒以上300秒以下である。
架橋工程は、好ましくは、染色工程の後に実施され、(1)後工程のホウ酸水中延伸において着色積層体に含まれる延伸されたポリビニルアルコール系樹脂層を溶解させないようにすること、(2)延伸されたポリビニルアルコール系樹脂層に着色されたヨウ素を溶出させないようにすること、(3)延伸されたポリビニルアルコール系樹脂層の分子同士を架橋することによって結節点を生成することを主な目的として延伸されたビニルアルコール系樹脂層に含まれるポリビニルアルコール分子同士を架橋させる工程であり、必要に応じて、実施することができる。
第2の不溶化工程は、架橋工程後ホウ酸水中延伸工程前に、着色積層体をホウ酸水溶液に浸漬する工程であり、少なくとも後工程のホウ酸水中延伸工程において着色積層体に含まれる延伸されたポリビニルアルコール系樹脂層が溶解することを防止するものである。このホウ酸水溶液の濃度、液温、浸漬時間は、好ましくは、水100質量部当たり1質量部〜6質量部、10℃以上60℃以下、1秒以上300秒以下である。
洗浄工程は、ホウ酸水中延伸工程におけるホウ酸水溶液から取り出された光学フィルム積層体に含まれる偏光膜の表面に付着した不要残存物を洗い流す工程であり、必要に応じて、実施することができる。
水滴除去工程は、延伸されたポリビニルアルコール系樹脂層の表面に付着した余分な水滴を除去する工程であり、必要に応じて、実施することができる。
乾燥工程は、光学フィルム積層体を乾燥して、光学フィルム積層体に含まれる偏光膜の水分率を調整する工程であり、必要に応じて、実施することができる。
本発明に用いる熱可塑性樹脂基材は、任意の適切な熱可塑性樹脂が採用され得る。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート系樹脂等のエステル系樹脂、ノルボルネン系樹脂等のシクロオレフィン系樹脂、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、これらの共重体樹脂等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、ノルボルネン系樹脂、非晶質の(結晶化していない)ポリエチレンテレフタレート系樹脂である。
本発明の積層体に含まれるポリビニルアルコール系樹脂層又は延伸積層体に含まれる延伸されたポリビニルアルコール系樹脂層は、ポリビニルアルコール系樹脂と尿素を含む。
上述のように、本発明の偏光膜は、本発明の製造方法によって得られる光学フィルム積層体に含まれる二色性物質を配向させたポリビニルアルコール系樹脂層から構成される。すなわち、偏光膜は、二色性物質を染色工程により含浸及び吸着させたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを延伸して、含浸された二色性物質を配向させることにより作成される。
本発明の積層体、延伸積層体、延伸積層体の製造方法、光学フィルム積層体の製造方法、及び偏光膜について、以下の実施例を用いて更に説明する。なお、本発明の積層体、延伸積層体、延伸積層体の製造方法、光学フィルム積層体の製造方法、偏光膜は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
熱可塑性樹脂基材として、長尺状で、吸水率0.60%、ガラス転移温度(Tg)80℃の非晶質のイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(以下、「非晶質PET」という)フィルム(厚み:100μm)を用いた。
非晶質PET基材に塗工するポリビニルアルコール水溶液におけるポリビニルアルコール樹脂に対する尿素のモル比が7.3である点を除き、実施例1と同様の条件で偏光膜(光学積層体)を製造し、以下のように各種評価を行った。
非晶質PET基材に塗工するポリビニルアルコール水溶液におけるポリビニルアルコール樹脂に対する尿素のモル比が9.5である点を除き、実施例1と同様の条件で延伸積層体を製造し、以下のようにフィルム白濁(ブリードアウト)評価を行った。
非晶質PET基材に塗工するポリビニルアルコール水溶液におけるポリビニルアルコール樹脂に対する尿素のモル比が11.0である点を除き、実施例1と同様の条件で延伸積層体を製造し、以下のようにフィルム白濁(ブリードアウト)評価を行った。
非晶質PET基材に塗工するポリビニルアルコール水溶液におけるポリビニルアルコール樹脂に対する尿素のモル比が12.5である点を除き、実施例1と同様の条件で延伸積層体を製造し、以下のようにフィルム白濁(ブリードアウト)評価を行った。
非晶質PET基材に塗工するポリビニルアルコール水溶液におけるポリビニルアルコール樹脂に対する尿素のモル比が14.7である点を除き、実施例1と同様の条件で延伸積層体を製造し、以下のようにフィルム白濁(ブリードアウト)評価を行った。
非晶質PET基材に塗工するポリビニルアルコール水溶液におけるポリビニルアルコール樹脂に対する尿素のモル比が18.3である点を除き、実施例1と同様の条件で延伸積層体を製造し、以下のようにフィルム白濁(ブリードアウト)評価を行った。
非晶質PET基材に塗工するポリビニルアルコール水溶液に尿素を添加しない点を除き、実施例1と同様の条件で偏光膜(光学積層体)を製造し、以下のように各種評価を行った。
(厚みの測定方法)
非晶質PET基材及びポリビニルアルコール樹脂層の厚みは、デジタルマイクロメーター(アンリツ社製KC−351C)を用いて測定した。
実施例及び比較例で得られた光学積層体に対して、紫外可視分光光度計(日本分光社製V7100)を用いることによって、偏光膜の単体透過率T、平行透過率Tp、直交透過率Tcを測定した。これらのT、Tp、Tcは、JIS Z 8701の2度視野(C光源)により測定して視感度補正を行なったY値である。
また、偏光度Pを上記の透過率を用い、次式により求めた。
偏光度P(%)={(Tp−Tc)/(Tp+Tc)}1/2×100
なお基材に、反射特性や光散乱性、色相調整など、透過特性に影響する機能が付与されている場合には、ヨウ素等の二色性物質を含むポリビニルアルコール系樹脂層のみを測定する。
図1及び表1を参照すると、非晶質PET基材に塗工するポリビニルアルコール水溶液に尿素を、ポリビニルアルコール系樹脂に含まれるポリビニルアルコール系樹脂に対する尿素のモル比が1.0以上の量で添加した場合に得られた偏光膜は、尿素を添加しなかった場合に得られた偏光膜よりも光学特性(単体透過率Tと偏光度Pとの関係)が向上し、また、添加される尿素の量が多くなるほど、偏光膜の光学特性はより向上することが分かった。
上述のとおり、非晶質PET基材に塗工するポリビニルアルコール水溶液に添加する尿素の量が大きくなると、尿素がブリードアウトし、フィルムが白濁する。そこで、空中補助延伸工程後における延伸積層体の白濁を目視により評価した。結果を表1に示す。表1を参照すると、ポリビニルアルコール系樹脂に含まれるポリビニルアルコール系樹脂に対する尿素のモル比が11.0のときに延伸積層体の白濁が視認されたりされなかったりし、ポリビニルアルコール系樹脂に含まれるポリビニルアルコール系樹脂に対する尿素のモル比が、10を超えると、尿素がブリードアウトし、延伸積層体が白濁することが分かった。
Claims (10)
- 熱可塑性樹脂基材と、該熱可塑性樹脂基材上に製膜されたポリビニルアルコール系樹脂層とを含み、ポリビニルアルコール系樹脂層を二色性物質により染色し、着色積層体を生成する染色工程と、該着色積層体をホウ酸水溶液中において延伸するホウ酸水中延伸工程とを少なくとも含む後工程によって、該後工程による処理がされたポリビニルアルコール系樹脂層からなる偏光膜を形成するために使用される延伸積層体の製造方法であって、
熱可塑性樹脂基材上に、尿素を含むポリビニルアルコール系樹脂塗工液を塗布して、前記熱可塑性樹脂基材と、該熱可塑性樹脂基材上に製膜された、ポリビニルアルコール系樹脂と尿素を含むポリビニルアルコール系樹脂層とを含む積層体を生成する工程と、
前記積層体に対する空中延伸によって、延伸積層体を生成する工程と、
を含み、
前記積層体に含まれる前記ポリビニルアルコール系樹脂に含まれる前記ポリビニルアルコール系樹脂に対する前記尿素のモル比が、1.0以上10以下である延伸積層体の製造方法。 - 前記空中延伸の延伸倍率は、1.5倍以上3.5倍以下である請求項1に記載の延伸積層体の製造方法。
- 前記空中延伸の延伸温度は、100℃以上150℃以下である請求項2に記載の延伸積層体の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の延伸積層体の製造方法によって製造された延伸積層体をロール状に巻き取ることにより延伸積層体のロールを形成する工程を含む延伸積層体のロールの製造方法。
- 熱可塑性樹脂基材と、該熱可塑性樹脂基材上に製膜された、ポリビニルアルコール系樹脂と尿素を含むポリビニルアルコール系樹脂層とを含む積層体に対する空中延伸によって、熱可塑性樹脂基材と延伸されたポリビニルアルコール系樹脂層とを含む延伸積層体を生成する工程と、
ポリビニルアルコール系樹脂層を二色性物質により染色し、着色積層体を生成する染色工程と、該着色積層体をホウ酸水溶液中において延伸するホウ酸水中延伸工程とを少なくとも含む後工程と、
を含み、
前記積層体に含まれる前記ポリビニルアルコール系樹脂に含まれる前記ポリビニルアルコール系樹脂に対する前記尿素のモル比が、1.0以上15以下であり、
前記後工程によって処理がされたポリビニルアルコール系樹脂層からなる偏光膜と熱可塑性樹脂基材を含む光学フィルム積層体を生成する光学フィルム積層体の製造方法。 - 前記空中延伸の延伸倍率は、1.5倍以上3.5倍以下である請求項5に記載の光学フィルム積層体の製造方法。
- 前記空中延伸の延伸温度は、100℃以上150℃以下である請求項6に記載の光学フィルム積層体の製造方法。
- 前記偏光膜の厚みが、10μm以下である請求項5〜7のいずれか1項に記載の光学フィルム積層体の製造方法。
- 前記偏光膜の厚みが、7μm以下である請求項5〜7のいずれか1項に記載の光学フィルム積層体の製造方法。
- 前記偏光膜の厚みが、5μm以下である請求項5〜7のいずれか1項に記載の光学フィルム積層体の製造方法。
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