JP6273980B2 - 紫外線遮蔽被膜付き板ガラスとその製造方法、及び紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの被膜形成用塗布液 - Google Patents
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Description
板ガラスと、該板ガラスの少なくとも片側の表面に形成された被膜を有する、被膜付板ガラスであって、前記被膜が紫外線吸収剤を含有する被膜であり、該被膜が、
紫外線吸収剤、
(a)下記一般式[1]で表されるアミノ基を含むシラン化合物と、
R1 4−nSi(OR2)n [1]
(式[1]中、R1はアミノ基を含有する有機基を表し、R2はメチル基、エチル基またはプロピル基を表し、nは1〜3から選ばれる整数を表す)
(b)H3BO3及びB2O3からなる群から選ばれる少なくとも1種のホウ素化合物と
を反応させて得られる反応生成物、
(c)金属アルコキシド及び/又は金属アルコキシドの縮合物、
(d)合成樹脂、及び、
実質的にSP値が8〜11.5(cal/cm3)1/2である非水溶媒からなる溶媒を混合した塗布液
を前記板ガラスに塗布して硬化させた被膜であって、該被膜中にSi−O−B結合を有し、該被膜の総量100質量%中に5〜20質量%の紫外線吸収剤が分散保持され、該紫外線吸収剤のSP値が10〜13.5(cal/cm3)1/2であることを特徴とする、
紫外線遮蔽被膜付き板ガラスである。
板ガラスと、該板ガラスの少なくとも片側の表面に形成された被膜を有する、被膜付板ガラスであって、前記被膜が紫外線吸収剤を含有する被膜である紫外線遮蔽被膜付板ガラスの製造方法において、
SP値が10〜13.5(cal/cm3)1/2である紫外線吸収剤、
(a)前記一般式[1]で表されるアミノ基を含むシラン化合物と、
(b)H3BO3及びB2O3からなる群から選ばれる少なくとも1種のホウ素化合物と
を反応させて得られる反応生成物、
(c)金属アルコキシド及び/又は金属アルコキシドの縮合物、
(d)合成樹脂、及び、
実質的にSP値が8〜11.5(cal/cm3)1/2である非水溶媒からなる溶媒を
混合し、全固形分に対して前記紫外線吸収剤が5〜20質量%である、紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの被膜形成用塗布液を板ガラス表面に塗布する、塗布工程、
塗布工程後の板ガラスを、100〜350℃の熱と水蒸気に曝して塗膜を硬化する、硬化工程
を有することを特徴とする、紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの製造方法である。
(式中、R3は、アルキル基を表し、その一部は水素であってもよく、R3は、それぞれ独立に同一であっても異なっていてもよく、mは2〜20から選択される整数を表し、Mは、Si、Ti及びZrからなる群から選択される少なくとも1種の金属を表す。)
板ガラス表面に塗布し硬化することにより上記の紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの被膜を形成する被膜形成用塗布液であって、
SP値が10〜13.5(cal/cm3)1/2である紫外線吸収剤、
(a)前記一般式[1]で表されるアミノ基を含むシラン化合物と、
(b)H3BO3及びB2O3からなる群から選ばれる少なくとも1種のホウ素化合物と
を反応させて得られる反応生成物、
(c)金属アルコキシド及び/又は金属アルコキシドの縮合物、
(d)合成樹脂、及び、
実質的にSP値が8〜11.5(cal/cm3)1/2である非水溶媒からなる溶媒を
混合し、全固形分に対して前記紫外線吸収剤が5〜20質量%であることを特徴とする、紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの被膜形成用塗布液(以降、単に「被膜形成用塗布液」や「塗布液」と記載する場合がある)である。
(式中、R3は、アルキル基を表し、その一部は水素であってもよく、R3は、それぞれ独立に同一であっても異なっていてもよく、mは2〜20から選択される整数を表し、Mは、Si、Ti及びZrからなる群から選択される少なくとも1種の金属を表す。)
1.(a)成分と(b)成分を反応させて得られる反応生成物
(1)(a)成分と(b)成分を反応させて得られる反応生成物について
(a)成分(アミノ基を含むシラン化合物)と(b)成分(ホウ素化合物)を混合すると、反応し、数分から数十分で透明で粘稠な液体となり、固化する。これは、ホウ素化合物が、(a)成分中のアミノ基を介して架橋剤として働き、これらの成分を高分子化させて、その結果、粘稠な液体となり、固化するからであると考えられる。なお、(a)成分は液体である。本発明では、上記(a)成分と(b)成分との反応に際し、水を使用しない。
R1 4−nSi(OR2)n [1]
(式[1]中、R1はアミノ基を含有する有機基を表し、R2はメチル基、エチル基またはプロピル基を表し、nは1〜3から選ばれる整数を表す)
上記の反応生成物に対し、(c)成分として、金属アルコキシド及び/又は金属アルコキシドの縮合物を添加する。すなわち、前記(a)成分と(b)成分との反応に際して、あるいは、反応後に、(c)成分を添加する。(c)成分を添加することにより、得られる被膜の硬度を向上させることができるとともに、(c)成分を用いない場合と同様の粘稠な液体の状態となるので、塗布液中で安定して溶解した成分とすることができる。
(式中、R3は、アルキル基を表し、その一部は水素であってもよく、R3は、それぞれ独立に同一であっても異なっていてもよく、mは2〜20から選択される整数を表し、Mは、Si、Ti及びZrからなる群から選択される少なくとも1種の金属を表す。)
上記の反応生成物に対し、合成樹脂((d)成分)を添加する。すなわち、前記(a)成分と(b)成分との反応に際して、あるいは、反応後に、合成樹脂((d)成分)を添加する。(d)成分を加えることで、得られる被膜にクラック防止性を付与することができる。
上記の反応生成物に対し、シリコーンオイル((e)成分)を添加することができる。すなわち、前記(a)成分と(b)成分との反応に際して、あるいは、反応後に、シリコーンオイル((e)成分)を添加させることができる。(e)成分を加えることで、得られる被膜に可撓性や硬さを付与できる。
上記の反応生成物に対し、無機粉末((f)成分)を添加することができる。すなわち、前記(a)成分と(b)成分との反応に際して、あるいは、反応後に、無機粉末((f)成分)を添加させることができる。(f)成分を加えることで、得られる被膜に、例えば、赤外線の吸収効果や耐熱性や熱伝導性を付与することができる。
上記の反応生成物に対し、ジオール系化合物((g)成分)を添加することができる。すなわち、前記(a)成分と(b)成分との反応に際して、あるいは、反応後に、ジオール系化合物((g)成分)を添加させることができる。(g)成分を加えることで、得られる被膜にクラック防止性を付与することができる。
本発明で用いる紫外線吸収剤は、SP値が10〜13.5(cal/cm3)1/2であり、例えば、シプロ化成製ベンゾフェノン系紫外線吸収剤SEESORB107(SP値:13.0(cal/cm3)1/2)、城北化学製ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤JF−79(SP値:11.9(cal/cm3)1/2)、JF−83(SP値:11.3(cal/cm3)1/2)、JF−832(SP値:11.3(cal/cm3)1/2)、BASF製ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤TINUVIN109(SP値:11.1(cal/cm3)1/2)、TINUVIN384(SP値:10.8(cal/cm3)1/2)、TINUVIN900(SP値:11.0(cal/cm3)1/2)、BASF製トリアジン系紫外線吸収剤TINUVIN400(SP値:11.0(cal/cm3)1/2)、TINUVIN460(SP値:10.9(cal/cm3)1/2)、TINUVIN479(SP値:11.3(cal/cm3)1/2)、TINUVIN477(SP値:11.4(cal/cm3)1/2)等が挙げられる。
本発明の塗布液に含まれる溶媒は、SP値が8〜11.5(cal/cm3)1/2である非水溶媒から実質的に構成される。
「実質的にSP値が8〜11.5(cal/cm3)1/2である非水溶媒からなる溶媒」とは、
「SP値が8〜11.5(cal/cm3)1/2である単独種の非水溶媒」
「SP値が8〜11.5(cal/cm3)1/2である非水溶媒のみを組み合わせ、その混合溶媒のSP値が8〜11.5(cal/cm3)1/2の範囲に入る溶媒」、及び、
「SP値が8〜11.5(cal/cm3)1/2である非水溶媒とそれ以外のSP値の溶媒を組み合わせ、その混合溶媒のSP値が8〜11.5(cal/cm3)1/2の範囲に入る溶媒」を意味する。
なお、混合溶媒のSP値は、例えば「溶媒A」と「溶媒B」の2種類を用いた場合、以下の計算式から算出することができる。
塗布液に含まれる溶媒のSP値が8〜11.5(cal/cm3)1/2であれば、SP値が10〜13.5(cal/cm3)1/2である疎水性の紫外線吸収剤を該塗布液中に均一に分散することができ、ひいては、得られる被膜中においても前記紫外線吸収剤を均一に分散させることができる。なお、溶媒のSP値が8未満であると、塗布後に塗膜から前記の疎水性の紫外線吸収剤が析出し、最終的に得られる被膜が不透明になってしまう場合がある。
本発明の塗布液は、上記で列挙した成分以外にも、その用途に応じて、着色剤、防黴剤、光触媒材料、防錆剤、防食剤、防藻剤、撥水剤、撥油剤、導電性材料、赤外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、基材湿潤剤、親水性材料、吸水性材料などを含ませることができる。上記の成分の添加のタイミングは特に制限されるものではない。例えば、前記(a)成分と(b)成分との反応に際して、あるいは、反応後に添加してもよく、すなわち前記反応生成物に添加されるものであってもよい。また、前記反応生成物と前記(c)成分と(d)成分と紫外線吸収剤と溶媒とともに混合されるものであってもよい。
1.板ガラスについて
本発明で使用される板ガラスは、自動車用ならびに建築用、産業用ガラス等に通常用いられている板ガラスであり、フロート法、デュープレックス法、ロールアウト法等による板ガラスであって、製法は特に問わない。ガラス種としては、クリアをはじめグリーン、ブロンズ等の各種着色ガラスやIRカットガラス、電磁遮蔽ガラス等の各種機能性ガラス、網入りガラス、低膨張ガラス、ゼロ膨張ガラス等防火ガラスに供し得るガラス、強化ガラスやそれに類するガラス、合わせガラスのほか複層ガラス等が挙げられる。
前記塗布工程で塗布液を板ガラス表面に塗布する方法としては、スピンコーティング、ディップコーティング、ノズルコーティング、カーテンコーティング、ロールコーティング、スプレーコーティング、ブレードコート、ハケ塗り等の公知の塗布方法を利用することができる。その中でもスプレーコーティングは、塗布するガラス形状に依存せず、少量の塗布液で成膜できるためより好ましい。
例えば、他の部材と接触するように基材を据え付ける場合は、該接触部に対応する領域(あるいはさらにマージンを取った領域)の基材表面には塗布せず(被膜を形成せず)、それ以外の領域に塗布を行ってもよい(被膜を形成してもよい)。他の部材と接触するように基材を据え付ける態様としては、例えば、自動車用をはじめとする車両用や建築用や産業用の板ガラスを嵌め殺しの窓材として据え付ける態様や、上記の板ガラスをサッシ等の枠体部材に組み込んで据え付ける態様が挙げられる。上述のように被膜を形成しない領域を設けることで、板ガラスを固定するためのシーリング材やモールド材やグレージングチャンネル部材と該板ガラスの被膜を形成されていない領域との間で、良好な接着性や密着性や相性を確保することができる。
また、例えば、可動式窓材に用いられる板ガラスに塗布を行う場合、窓材の開閉時に他の部材と接する領域(あるいはさらにマージンを取った領域)の板ガラス表面には塗布せず(被膜を形成せず)、それ以外の領域に塗布を行ってもよい(被膜を形成してもよい)。可動式窓材としては、例えば、開閉等に伴い自動車用をはじめとする車両用や建築用や産業用の板ガラスを動作させるような窓材が挙げられる。窓材の開閉時に他の部材と接する領域とは、例えば、窓材を閉じる際に枠体に収納される板ガラスの端部周辺の領域(枠体と接する領域)であり、上述のように被膜を形成しない領域を設けることで、板ガラスを開閉する際に該板ガラスの端部周辺に枠体による傷が付きにくくすることができる。また、例えば、上記の窓材のうち、開閉等の作動機構に接する領域(あるいはさらにマージンを取った領域)の板ガラス表面にも被膜を形成しない態様をとってもよい。
上記の場合、一旦基材(板ガラス)の全面に対して塗布を行い、被膜を形成しない領域の塗布液を拭き取ってもよいし、被膜を形成しない領域を溶媒に浸漬して該領域に塗布された塗布液を除去してもよいし、被膜を形成しない領域に溶媒を掛け流して該領域に塗布された塗布液を除去してもよいし、被膜を形成しない領域に予めマスキングを施して塗布を行った後に該マスキングを除去することでもよい。
また、被膜を形成しない領域に、予め、本発明の塗布液を弾くような(本発明の塗布液と馴染まないような)撥水膜や撥水・撥油膜を形成して、塗布を行い、該撥水膜や撥水・撥油膜上で弾かれて付着した塗布液を拭き取ってもよい。さらに、その撥水膜や撥水・撥油膜も除去してもよい。
また、被膜を形成しない領域に、予め、本発明の塗布液を弾くような(本発明の塗布液と馴染まないような)撥水膜や撥水・撥油膜を形成して、塗布及び硬化を行い、該撥水膜や撥水・撥油膜上で弾かれた状態で硬化した被膜を除去してもよい。さらに、その撥水膜や撥水・撥油膜も除去してもよい。
また、一旦基材(板ガラス)の全面に対して塗布を行い、硬化させて、基材(板ガラス)の全面に対して被膜を形成した後に、該被膜の所望の領域を物理的または化学的に除去してもよい。
前記塗布工程後の板ガラスを100〜350℃の熱と水蒸気に曝すことにより、塗膜の硬化反応を進行させて、板ガラス表面に紫外線遮蔽被膜を形成させる。板ガラスの温度や、板ガラス表面に接触させる水蒸気の量が安定しやすいため、硬化工程をチャンバー内で行うことが好ましい。前記板ガラスを100℃超〜350℃の過熱水蒸気に曝すと、短時間で脱水縮合反応が進行し、高硬度の被膜が得られるためより好ましい。さらに好ましい過熱水蒸気の温度は100℃超〜300℃である。なお、過熱水蒸気とは、100℃の飽和水蒸気を更に加熱して得られる100℃超の水蒸気である。
本発明の紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの紫外線遮蔽被膜中にはSi−O−B結合が存在する。Si−O−B結合は、前記の(a)成分と(b)成分との縮合反応や、前記の(c)成分と(b)成分との縮合反応等により形成される。該結合が存在することにより被膜にクラックが発生し難くなる。特に過熱水蒸気を用いて形成した被膜中にSi−O−B結合が存在すると、該被膜に、後述する耐湿性試験や耐高温高湿性試験や耐候性試験を行っても被膜にクラックが発生し難い。また、被膜の膜厚は8μm以下であると、後述する耐湿性試験や耐高温高湿性試験や耐候性試験を行っても被膜にクラックが発生し難いため好ましい。
得られた紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの被膜の一部を削り取って、その破片の固体11B−NMR測定及び固体29Si−NMR測定から被膜中のSi−O−B結合の有無を確認した。
小坂研究所製サーフコーダーET4000Aを用いて、紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの被膜の膜厚を測定した。
目視観察にて、紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの被膜にクラックや着色や白濁(被膜中で紫外線吸収剤が凝集等により均一に分散されていない)等の外観上の不具合がないかどうか確認した。
日本電色工業製ヘーズメーターNDH2000を用いて、紫外線遮蔽被膜付き板ガラスのヘーズ値を測定した。得られた紫外線遮蔽被膜付き板ガラスのヘーズ値が0.5%未満であれば、紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの実使用上の透明性の観点から良好であり、該ヘーズ値が小さいほど透明性がより優れているといえる。
日立製分光光度計U−4000を用いて、紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの紫外線透過率TUVを、ISO9050−1990に準拠して算出した。TUVが1%未満を合格とした。
JIS R 3212に準拠し、50℃、95%RHの環境で紫外線遮蔽被膜付き板ガラスを1000h保持し、試験後の外観と、試験前後の紫外線透過率の変化を確認した。試験後に外観上の不具合がなく、かつ、試験前後の紫外線透過率の差が±1%未満であれば、紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの実使用上の耐湿性の観点から良好であり、該紫外線透過率の差が小さいほど耐湿性がより優れているといえる。
80℃、95%RHの環境で紫外線遮蔽被膜付き板ガラスを720h保持し、試験後の外観と、試験前後の紫外線透過率の変化を確認した。試験後に外観上の不具合がなく、かつ、試験前後の紫外線透過率の差が±1%未満であれば、紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの実使用上の耐高温高湿性の観点から良好であり、該紫外線透過率の差が小さいほど耐高温高湿性がより優れているといえる。
JIS R 3212に準拠し、スガ試験機製サンシャインウェザーメーターSX80を用い、ブラックパネル温度83℃で、紫外線遮蔽被膜付き板ガラスのガラス面(非被膜面)に1000h光照射し、試験後の外観と、試験前後の紫外線透過率の変化を確認した。試験後に外観上の不具合がなく、かつ、試験前後の紫外線透過率の差が±1%未満であれば、紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの実使用上の耐候性の観点から良好であり、該紫外線透過率の差が小さいほど耐候性がより優れているといえる。
JIS R 3212に準拠し、紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの被膜面を上面として紫外線遮蔽被膜付き板ガラスを回転台にのせ、該被膜面に対し4.9Nの荷重の摩耗ホイール(大和化成工業製C180 0XF)で1000回転させ、試験を行った箇所のヘーズ値と試験を行う前の該箇所のヘーズ値との差を算出した。前記のヘーズ値の差が±5%未満であれば、紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの実使用上の耐摩耗性の観点から良好であり、該ヘーズ値の差が小さいほど耐摩耗性がより優れているといえる。
反応容器中において、(a)成分として、3−アミノプロピルトリエトキシシラン液12.18gに、(b)成分として、ホウ酸(H3BO3)粉末2.04gを加え((a)成分1モルに対して(b)成分を0.6モルの比率で添加)、23℃5分間攪拌後、(c)成分として、テトラメトキシシラン21.78gを添加し((a)成分1モルに対して(c)成分が2.6モルの比率で存在するように添加)、(d)成分として、ナガセケムテックス製エポキシ樹脂CY232を4g(全固形分に対して18質量%の比率で存在するように添加)添加した後、60℃で120時間反応させ粘稠な液体を形成した。この液体に溶媒として2−ヘプタノン(SP値:8.5(cal/cm3)1/2)45.89g、1−エトキシ2−プロパノール(SP値:10.9(cal/cm3)1/2)11.47gを添加し、紫外線吸収剤としてBASF製のトリアジン系紫外線吸収剤TINUVIN460(SP値:10.9(cal/cm3)1/2)を2.4g、光安定剤TINUVIN123を0.24g添加して固形分濃度が20質量%の被膜形成用塗布液とした。なお、該塗布液中に含まれる溶媒のSP値は9.0(cal/cm3)1/2である。作製した塗布液は透明であり凝集等による白濁は確認されず、紫外線吸収剤(TINUVIN460)が塗布液中で均一に分散できていた。なお、本実施例以外のすべての実施例においても得られた塗布液は透明であり凝集等による白濁は確認されず、紫外線吸収剤が塗布液中で均一に分散できていた。
(e)成分として、三菱化学製エポキシ樹脂jER828を使用する以外は実施例1と同様の方法で紫外線遮蔽被膜付き板ガラスを得た。紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの作製条件を表1に、評価結果を表2に示す。
紫外線吸収剤としてBASF製のトリアジン系紫外線吸収剤TINUVIN477(SP値:11.4(cal/cm3)1/2)を使用する以外は実施例1と同様の方法で紫外線遮蔽被膜付き板ガラスを得た。紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの作製条件を表1に、評価結果を表2に示す。
紫外線吸収剤としてBASF製のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤TINUVIN109(SP値:11.1(cal/cm3)1/2)を使用する以外は実施例1と同様の方法で紫外線遮蔽被膜付き板ガラスを得た。紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの作製条件を表1に、評価結果を表2に示す。
実施例1で用いた溶媒(2−ヘプタノン(SP値:8.5(cal/cm3)1/2)45.89g、1−エトキシ2−プロパノール(SP値:10.9(cal/cm3)1/2)11.47g)の代わりに、2−ヘプタノン(SP値:8.5(cal/cm3)1/2)45.89g、3−メトキシ−3メチルブタノール(SP値:10.5(cal/cm3)1/2)11.47gを使用する以外は実施例1と同様の方法で紫外線遮蔽被膜付き板ガラスを得た。なお、本実施例で作製した塗布液中に含まれる溶媒のSP値は8.9(cal/cm3)1/2である。紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの作製条件を表1に、評価結果を表2に示す。
実施例1で用いた溶媒(2−ヘプタノン(SP値:8.5(cal/cm3)1/2)45.89g、1−エトキシ2−プロパノール(SP値:10.9(cal/cm3)1/2)11.47g)の代わりに、2−ヘプタノン(SP値:8.5(cal/cm3)1/2)25.80g、1−メトキシ2−プロパノール(SP値:11.3(cal/cm3)1/2)31.56gを使用する以外は実施例1と同様の方法で紫外線遮蔽被膜付き板ガラスを得た。なお、本実施例で作製した塗布液中に含まれる溶媒のSP値は10.2(cal/cm3)1/2である。紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの作製条件を表1に、評価結果を表2に示す。
実施例1で用いた溶媒(2−ヘプタノン(SP値:8.5(cal/cm3)1/2)45.89g、1−エトキシ2−プロパノール(SP値:10.9(cal/cm3)1/2)11.47g)の代わりに、2−ヘプタノン(SP値:8.5(cal/cm3)1/2)12.20g、1−メトキシ2−プロパノール(SP値:11.3(cal/cm3)1/2)45.16gを使用する以外は実施例1と同様の方法で紫外線遮蔽被膜付き板ガラスを得た。なお、本実施例で作製した塗布液中に含まれる溶媒のSP値は10.8(cal/cm3)1/2であり、塗布工程後に塗膜がレベリングに要する時間が、溶媒のSP値が10.5(cal/cm3)1/2以下である実施例1〜6に比べて、長く掛かる傾向があった。紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの作製条件を表1に、評価結果を表2に示す。
実施例1で用いた溶媒(2−ヘプタノン(SP値:8.5(cal/cm3)1/2)45.89g、1−エトキシ2−プロパノール(SP値:10.9(cal/cm3)1/2)11.47g)の代わりに、1−メトキシ2−プロパノール(SP値:11.3(cal/cm3)1/2)57.36gを使用する以外は実施例1と同様の方法で紫外線遮蔽被膜付き板ガラスを得た。なお、本実施例で作製した塗布液中に含まれる溶媒のSP値は11.3(cal/cm3)1/2であり、塗布工程後に塗膜がレベリングに要する時間が、溶媒のSP値が10.5(cal/cm3)1/2以下である実施例1〜6に比べて、長く掛かる傾向があった。紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの作製条件を表1に、評価結果を表2に示す。
予備加熱工程として、前記塗布工程後の板ガラスを180℃の熱風循環炉にて5分間加熱し、続いて、硬化工程として、新熱工業製過熱水蒸気装置を用いて該板ガラスを、180℃の過熱水蒸気に10分間曝露する以外は、それぞれ実施例1〜8と同様の方法で紫外線遮蔽被膜付き板ガラスを得た。なお、実施例15、16においても、塗布工程後に塗膜がレベリングに要する時間が、溶媒のSP値が10.5(cal/cm3)1/2以下である実施例9〜14に比べて、長く掛かる傾向があった。紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの作製条件を表1に、評価結果を表2に示す。
紫外線吸収剤としてシプロ化成製ベンゾフェノン系紫外線吸収剤SEESORB107(SP値:13.0(cal/cm3)1/2)を使用する以外は実施例16と同様の方法で紫外線遮蔽被膜付き板ガラスを得た。紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの作製条件を表1に、評価結果を表2に示す。
2−ヘプタノン45.89g、1−エトキシ2−プロパノール11.47gの代わりに、溶媒として、n−ヘキサン(SP値:7.3(cal/cm3)1/2)を57.36g用いた以外は実施例1と同様に被膜形成用塗布液を作製した。得られた塗布液は透明であった。
2−ヘプタノン45.89g、1−エトキシ2−プロパノール11.47gの代わりに、溶媒として、2−メトキシエタノール(SP値:12.0(cal/cm3)1/2)を57.36g用いた以外は実施例1と同様に被膜形成用塗布液を作製した。得られた塗布液は不透明であり凝集による白濁が確認され、紫外線吸収剤(TINUVIN460)が塗布液中で均一に分散できていなかった。
紫外線吸収剤(TINUVIN460)の添加量を調整して被膜の総量100質量%中の紫外線吸収剤の含有量を4質量%とした以外は実施例1と同様に被膜形成用塗布液を作製した。得られた塗布液は透明であり凝集等による白濁は確認されず、紫外線吸収剤(TINUVIN460)が塗布液中で均一に分散できていた。
比較例3で作製した塗布液を用いて、ベーカー式アプリケーターで塗布を行った以外は実施例1と同様の手順で紫外線遮蔽被膜付き板ガラスを作製した。被膜の目視観察で凝集等による白濁は確認されず前記紫外線吸収剤は被膜中に均一に分散していた。得られた被膜付き板ガラスの紫外線透過率TUVは1%未満であり、被膜の膜厚は14.6μmであった。該被膜付き板ガラスは耐久性試験において被膜にクラックが発生し、被膜付き板ガラスの耐久性能が不十分であった。紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの作製条件を表1に、評価結果を表2に示す。
紫外線吸収剤(TINUVIN460)の添加量を調整して被膜の総量100質量%中の紫外線吸収剤の含有量を25質量%とした以外は実施例1と同様に被膜形成用塗布液を作製した。得られた塗布液は不透明であり、未溶解による紫外線吸収剤の凝集により白濁が確認され、紫外線吸収剤(TINUVIN460)が塗布液中で均一に分散できていなかった。
実施例1に記載のような、(a)成分と(b)成分の反応生成物に、(c)成分と(d)成分を添加した組成物の代わりに、低温硬化型ペルヒドロポリシラザン(AZ−エレクトロニックマテリアル製、製品名:アクアミカNP−110、固形分濃度:20質量%、含有溶媒:キシレン)83.8g、溶媒としてキシレン(SP値:9.1(cal/cm3)1/2)12.96gを用い、被膜の総量100質量%中の紫外線吸収剤の含有量が15質量%となるように調整した以外は実施例1と同様に被膜形成用塗布液を作製した。
得られた塗布液は透明であった。
レベリング工程後に、予備加熱工程として、前記塗布工程後の板ガラスを180℃の熱風循環炉にて5分間加熱し、続いて、硬化工程として、新熱工業製過熱水蒸気装置を用いて該板ガラスを、180℃の過熱水蒸気に10分間曝露する以外は、比較例1〜6と同様の方法で紫外線遮蔽被膜付き板ガラスを得た。紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの作製条件を表1に、評価結果を表2に示す。
以下、参考例として、特許文献2に記載のような従来のゾルゲル法を利用した酸化ケイ素マトリックス中に、SP値が13.5(cal/cm3)1/2以下の疎水性の紫外線吸収剤を含有させた実験例について記載する。
2−プロピルアルコール(SP値:11.6(cal/cm3)1/2)51g、1−メトキシ−2−プロパノール(SP値:11.3(cal/cm3)1/2)51g、テトラメトキシシラン(関東化学製)71g、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製)47g、0.1モル/リットルの硝酸180gを混合し、25℃で1時間撹拌した。この液に紫外線吸収剤として、BASF製のTINUVIN477(SP値:11.4(cal/cm3)1/2)8.3g、光安定剤TINUVIN123を0.83g添加して固形分濃度が15.4質量%の被膜形成用塗布液とした。なお、該塗布液中に含まれる溶媒のSP値は21.0(cal/cm3)1/2である。
以下、参考例として、特許文献4に記載のような従来のゾルゲル法を利用した酸化ケイ素マトリックス中に、SP値が13.5(cal/cm3)1/2以下の疎水性の紫外線吸収剤を含有させた実験例について記載する。
紫外線吸収剤として、BASF製のTINUVIN477(SP値:11.4(cal/cm3)1/2)2.5g、純水(SP値:22.3(cal/cm3)1/2)30.56g、エチルアルコール(片山化学製、SP値:12.6(cal/cm3)1/2)17.64g、分散剤としてグリセリンにプロピレンオキシドが付加したトリオール(ADEKA製G−300)0.5g、テトラエトキシシラン(信越化学工業製)31.25g、濃塩酸(関東化学製;35質量%)0.05g、光安定剤TINUVIN123を0.25g混合して固形分濃度が15質量%の被膜形成用塗布液とした。なお、該塗布液中に含まれる溶媒のSP値は20.5(cal/cm3)1/2である。
以下、参考例として、特許文献5に記載のような従来のゾルゲル法を利用した酸化ケイ素マトリックス中に、SP値が13.5(cal/cm3)1/2以下の疎水性の紫外線吸収剤を含有させた実験例について記載する。
紫外線吸収剤として、BASF製のTINUVIN477(SP値:11.4(cal/cm3)1/2)3.90g、純水(SP値:22.3(cal/cm3)1/2)16.61g、エチルアルコール(片山化学製、SP値:12.6(cal/cm3)1/2)46.89g、エチルシリケート40(コルコート製)32.50g、濃塩酸(35質量%、関東化学製)0.10gを混合して固形分濃度が13質量%の被膜形成用塗布液とした。なお、該塗布液中に含まれる溶媒のSP値は17.2(cal/cm3)1/2である。
以下、参考例として、特許文献6に記載のような従来のゾルゲル法を利用した酸化ケイ素マトリックス中に、SP値が13.5(cal/cm3)1/2以下の疎水性の紫外線吸収剤を含有させた実験例について記載する。
紫外線吸収剤として、BASF製のTINUVIN477(SP値:11.4(cal/cm3)1/2)2.19g、エタノール(SP値:12.6(cal/cm3)1/2)41.9g、テトラメトキシシラン17.3g、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン5.8g、純水(SP値:22.3(cal/cm3)1/2)15.8g、1質量%硝酸水溶液4.2g、光安定剤TINUVIN123を0.22g混合して固形分濃度が15.7質量%の被膜形成用塗布液とした。なお、該塗布液中に含まれる溶媒のSP値は17.9(cal/cm3)1/2である。
以下、参考例として、特許文献3に記載のような従来のポリシラザンを用いた酸化ケイ素マトリックス中に、SP値が13.5(cal/cm3)1/2以下の疎水性の紫外線吸収剤を含有させた実験例について記載する。
低温硬化型ペルヒドロポリシラザン(AZ−エレクトロニックマテリアルズ社製、商品名:アクアミカNP−110)63.8g、BASF製のトリアジン系紫外線吸収剤TINUVIN477(SP値:11.4(cal/cm3)1/2)を2.3g、光安定剤TINUVIN123を0.2g、及びキシレン(SP値:9.1(cal/cm3)1/2)を34.0g混合して、固形分濃度が12.8質量%の塗布液とした。なお、該塗布液中に含まれる溶媒のSP値は9.1(cal/cm3)1/2である。
以下、参考例として、特許文献3に記載のような従来のポリシラザンを用いた酸化ケイ素マトリックス中に、SP値が13.5(cal/cm3)1/2以下の疎水性の紫外線吸収剤を含有させた実験例について記載する。
参考例5と同様の手順で得たレベリング工程後の板ガラスを25℃、50%RHに保った環境試験室中で4週間放置して紫外線遮蔽被膜付き板ガラスを得た。紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの作製条件を表3に、評価結果を表4に示す。
レベリング工程後に、予備加熱工程として、前記塗布工程後の板ガラスを150℃の熱風循環炉にて20分間加熱し、続いて、硬化工程として、沸騰状態の熱水を配置した150℃の炉内で前記板ガラスを15分間保持する(即ち150℃の熱と水蒸気に15分間曝す)以外は、それぞれ参考例1〜5と同様の方法で紫外線遮蔽被膜付き板ガラスを得た。紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの作製条件を表3に、評価結果を表4に示す。
レベリング工程後に、予備加熱工程として、前記塗布工程後の板ガラスを180℃の熱風循環炉にて5分間加熱し、続いて、硬化工程として、新熱工業製過熱水蒸気装置を用いて該板ガラスを、180℃の過熱水蒸気に10分間曝露する以外は、参考例6と同様の方法で紫外線遮蔽被膜付き板ガラスを得た。紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの作製条件を表3に、評価結果を表4に示す。
実施例1と同様に、グリーン系フロート板ガラス(縦10cm、横10cm、厚さ3.2mm、ISO9050に準拠した可視光線透過率:81.9%、JIS R3106に準拠した日射透過率:60.6%、ISO9050に準拠した紫外線透過率:28.2%、セントラル硝子社製、通称MFL)上の全面に対して塗布を行った後で、該板ガラスの一辺について端部から内側10mmにかけての領域に塗布された塗布液を、2−ヘプタノンを染み込ませた旭化成製不織布「ベンコットM−1」で拭き取った。それ以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、板ガラスの一辺について端部から内側10mmにかけての領域には被膜が形成されず、それ以外の領域には被膜が形成された構成の紫外線遮蔽被膜付き板ガラスが得られた。被膜が形成された領域での紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの評価結果は実施例1と同様であった。
グリーン系フロート板ガラス(縦10cm、横10cm、厚さ3.2mm、ISO9050に準拠した可視光線透過率:81.9%、JIS R3106に準拠した日射透過率:60.6%、ISO9050に準拠した紫外線透過率:28.2%、セントラル硝子社製、通称MFL)の一辺について端部から内側10mmにかけての領域に予めPVC製マスクキングテープ「日東電工製N−380」を貼付してマスキングを施した。それ以外は実施例1と同様の塗布を行い、塗布後に上記マスキングを除去した。その後、実施例1と同様の操作を行った。その結果、板ガラスの一辺について端部から内側10mmにかけての領域には被膜が形成されず、それ以外の領域には被膜が形成された構成の紫外線遮蔽被膜付き板ガラスが得られた。被膜が形成された領域での紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの評価結果は実施例1と同様であった。
グリーン系フロート板ガラス(縦10cm、横10cm、厚さ3.2mm、ISO9050に準拠した可視光線透過率:81.9%、JIS R3106に準拠した日射透過率:60.6%、ISO9050に準拠した紫外線透過率:28.2%、セントラル硝子社製、通称MFL)の一辺について端部から内側10mmにかけての領域に予めパーフルオロエーテル鎖を有するシラン化合物「ダイキン製オプツールDSX」を住友3M製フッ素系溶剤「フロリナートFC−3283」で0.5質量%とした撥水・撥油剤を塗布して乾燥することにより撥水・撥油膜を形成した。実施例1と同様に板ガラスの全面に対して塗布を行った後で、該板ガラスに予め形成した撥水・撥油膜の領域に塗布された塗布液を、2−ヘプタノンを染み込ませた旭化成製不織布「ベンコットM−1」で拭き取った。それ以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、板ガラスの一辺について端部から内側10mmにかけての領域には被膜が形成されず(該領域には撥水・撥油膜が形成されている)、それ以外の領域には被膜が形成された構成の紫外線遮蔽被膜付き板ガラスが得られた。被膜が形成された領域での紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの評価結果は実施例1と同様であった。
グリーン系フロート板ガラス(縦10cm、横10cm、厚さ3.2mm、ISO9050に準拠した可視光線透過率:81.9%、JIS R3106に準拠した日射透過率:60.6%、ISO9050に準拠した紫外線透過率:28.2%、セントラル硝子社製、通称MFL)の一辺について端部から内側10mmにかけての領域に予めパーフルオロエーテル鎖を有するシラン化合物「ダイキン製オプツールDSX」を住友3M製フッ素系溶剤「フロリナートFC−3283」で0.5質量%とした撥水・撥油剤を塗布して乾燥することにより撥水・撥油膜を形成した。実施例1と同様に板ガラスの全面に対して塗布を行い、硬化させた後で、該板ガラスに予め形成した撥水・撥油膜上で硬化した被膜を、樹脂製スクレパーで除去した。その結果、板ガラスの一辺について端部から内側10mmにかけての領域には被膜が形成されず(該領域には撥水・撥油膜が形成されている)、それ以外の領域には被膜が形成された構成の紫外線遮蔽被膜付き板ガラスが得られた。被膜が形成された領域での紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの評価結果は実施例1と同様であった。
実施例1と同様の手順で得られた紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの一辺について端部から内側10mmにかけての領域の被膜を金属製スクレパーで削り取ることにより除去した。その結果、板ガラスの一辺について端部から内側10mmにかけての領域には被膜が形成されず、それ以外の領域には被膜が形成された構成の紫外線遮蔽被膜付き板ガラスが得られた。被膜が形成された領域での紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの評価結果は実施例1と同様であった。
実施例1と同様に、グリーン系フロート板ガラス(縦10cm、横10cm、厚さ3.2mm、ISO9050に準拠した可視光線透過率:81.9%、JIS R3106に準拠した日射透過率:60.6%、ISO9050に準拠した紫外線透過率:28.2%、セントラル硝子社製、通称MFL)上の全面に対して塗布を行った後で、該板ガラスの一辺について端部から内側10mmにかけての領域を2−ヘプタノンに浸漬することにより、該領域に塗布された塗布液を除去した。それ以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、板ガラスの一辺について端部から内側10mmにかけての領域には被膜が形成されず、それ以外の領域には被膜が形成された構成の紫外線遮蔽被膜付き板ガラスが得られた。被膜が形成された領域での紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの評価結果は実施例1と同様であった。
実施例1と同様に、グリーン系フロート板ガラス(縦10cm、横10cm、厚さ3.2mm、ISO9050に準拠した可視光線透過率:81.9%、JIS R3106に準拠した日射透過率:60.6%、ISO9050に準拠した紫外線透過率:28.2%、セントラル硝子社製、通称MFL)上の全面に対して塗布を行った後で、該板ガラスの一辺について端部から内側10mmにかけての領域に2−ヘプタノンを掛け流すことにより、該領域に塗布された塗布液を除去した。それ以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、板ガラスの一辺について端部から内側10mmにかけての領域には被膜が形成されず、それ以外の領域には被膜が形成された構成の紫外線遮蔽被膜付き板ガラスが得られた。被膜が形成された領域での紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの評価結果は実施例1と同様であった。
Claims (16)
- 板ガラスと、該板ガラスの少なくとも片側の表面に形成された被膜を有する、被膜付板ガラスであって、前記被膜が紫外線吸収剤を含有する被膜である紫外線遮蔽被膜付板ガラスの製造方法において、
SP値が10〜13.5(cal/cm3)1/2である紫外線吸収剤、
(a)下記一般式[1]で表されるアミノ基を含むシラン化合物と、
R1 4−nSi(OR2)n [1]
(式[1]中、R 1 はアミノ基を含有する有機基を表し、R 2 はメチル基、エチル基また
はプロピル基を表し、nは1〜3から選ばれる整数を表す)
(b)H3BO3及びB2O3からなる群から選ばれる少なくとも1種のホウ素化合物と
を反応させて得られる反応生成物、
(c)金属アルコキシド及び/又は金属アルコキシドの縮合物、
(d)合成樹脂、及び、
実質的にSP値が8〜11.5(cal/cm3)1/2である非水溶媒からなる溶媒を混合し、全固形分に対して前記紫外線吸収剤が5〜20質量%である、紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの被膜形成用塗布液を板ガラス表面に塗布する、塗布工程、
塗布工程後の板ガラスを、100〜350℃の熱と水蒸気に曝して塗膜を硬化する、硬化工程
を有することを特徴とする、紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの製造方法。 - 前記反応生成物に、(f)無機粉末を添加することを特徴とする、請求項1に記載の紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの製造方法。
- 前記硬化工程で、塗布工程後の板ガラスを、100℃超〜350℃の過熱水蒸気に曝して塗膜を硬化することを特徴とする、請求項1又は2に記載の紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの製造方法。
- 板ガラス表面に塗布し硬化することにより紫外線遮蔽被膜を形成する、被膜形成用塗布液であって、
SP値が10〜13.5(cal/cm3)1/2である紫外線吸収剤、
(a)下記一般式[1]で表されるアミノ基を含むシラン化合物と、
R1 4−nSi(OR2)n [1]
(式[1]中、R 1 はアミノ基を含有する有機基を表し、R 2 はメチル基、エチル基また
はプロピル基を表し、nは1〜3から選ばれる整数を表す)
(b)H3BO3及びB2O3からなる群から選ばれる少なくとも1種のホウ素化合物と
を反応させて得られる反応生成物、
(c)金属アルコキシド及び/又は金属アルコキシドの縮合物、
(d)合成樹脂、及び、
実質的にSP値が8〜11.5(cal/cm3)1/2である非水溶媒からなる溶媒を混合し、全固形分に対して前記紫外線吸収剤が5〜20質量%であることを特徴とする、紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの被膜形成用塗布液。 - 前記反応生成物が、(a)成分1モルに対して(b)成分0.02〜8モルの比率で反応させて得られることを特徴とする、請求項4に記載の紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの被膜形成用塗布液。
- 前記(b)成分が、H3BO3であることを特徴とする、請求項4又は請求項5に記載の紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの被膜形成用塗布液。
- 前記反応生成物は、水を添加する加水分解工程を経ないで(a)成分と(b)成分を反応させて得られる反応生成物であることを特徴とする、請求項4乃至請求項6のいずれかに記載の紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの被膜形成用塗布液。
- 前記(c)成分の金属アルコキシドとして、テトラメトキシシラン及び/又はテトラエトキシシランを、(a)成分1モルに対して10モル以下の比率で添加することを特徴とする、請求項4乃至7のいずれかに記載の紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの被膜形成用塗布液。
- 前記(a)成分1モルに対し、前記金属アルコキシドの縮合物(c)を、金属アルコキシドモノマー質量換算で、2〜50モル添加することを特徴とする、請求項4乃至7のいずれかに記載の紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの被膜形成用塗布液。
- 前記反応生成物に、(f)無機粉末を添加することを特徴とする、請求項4乃至請求項9のいずれかに記載の紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの被膜形成用塗布液。
- (f)成分が、導電性物質であることを特徴とする、請求項10に記載の紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの被膜形成用塗布液。
- 実質的に溶解パラメーター(SP値)が8〜10.5(cal/cm3)1/2である非水溶媒からなる溶媒を含むことを特徴とする、請求項4乃至請求項11のいずれかに記載の紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの被膜形成用塗布液。
- 前記紫外線吸収剤が、ベンソフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤から選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする、請求項4乃至請求項12のいずれかに記載の紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの被膜形成用塗布液。
- 前記被膜の総量100質量%中に分散保持された前記紫外線吸収剤の量が10〜15質量%となるように前記紫外線吸収剤が含有されていることを特徴とする、請求項4乃至請求項13のいずれかに記載の紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの被膜形成用塗布液。
- 前記(d)合成樹脂が、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールのいずれかであることを特徴とする請求項4乃至請求項14のいずれかに記載の紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの被膜形成用塗布液。
- 前記(d)合成樹脂が、全固形分に対し5〜30質量%の比率で添加されていることを特徴とする請求項4乃至請求項15のいずれかに記載の紫外線遮蔽被膜付き板ガラスの被膜形成用塗布液。
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