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JP6277973B2 - 気泡径分布測定方法及び気泡径分布測定装置 - Google Patents
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気泡径分布測定方法及び気泡径分布測定装置 Download PDF

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Description

本発明は、液体試料に含まれるファインバブルの気泡径分布を測定するための気泡径分布測定方法及び気泡径分布測定装置に関するものである。
近年、マイクロバブルやウルトラファインバブルといったファインバブルの研究及び利用が活発に行われている。ファインバブルは、例えば気泡径が100μm以下の微細気泡であり、気泡径が1μm以上のものはマイクロバブル、気泡径が1μm未満のものはウルトラファインバブルと呼ばれている。ファインバブルは、液体中での滞留時間が長いという特性を有しており、特にウルトラファインバブルは、数か月にわたって液体中に滞留することが知られている。
ファインバブルには、洗浄効果や殺菌効果といった様々な効果が期待されている。例えば工場やプラント、公衆トイレなどで、ファインバブルを用いて各種設備の洗浄を行えば、洗剤の使用量を削減することができる。そのため、ファインバブルを用いた洗浄方法は、環境に優しい新たな洗浄方法として注目されている。
上記のようなファインバブルの特性と効果の関係は、ファインバブルの気泡径や気泡量(濃度)に依存している。そこで、レーザ回折・散乱式の粒子径分布測定装置などを用いて、ファインバブルの気泡径分布(粒子径分布)を測定する技術が提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。
しかしながら、測定対象となる液体試料には、ファインバブル以外にも、例えば粉塵又は土などの固体粒子や、オイル又はエマルジョンなどの液体粒子が含まれている場合がある。このような場合、粒子径分布測定装置を用いてファインバブルの気泡径分布を測定するような方法では、ファインバブルと、固体粒子及び液体粒子とを識別することができず、ファインバブルの気泡径分布を精度よく測定することができないおそれがある。
液体試料中に含まれる気泡と固体微粒子を判別する方法としては、例えば超音波振動による圧力波を液体に印加することにより気泡の体積を周期的に変化させる方法などが提案されている(例えば、下記特許文献2参照)。
特開2007−263876号公報 特開昭63−139231号公報
しかしながら、上記特許文献2に開示された構成は、試料セル内に一定流速で液体試料を流し、測定域を通過する際に気泡の体積が周期的に変化することを確認するような構成であり、各気泡を個別に確認する必要がある。そのため、上記特許文献2に開示されているような構成を用いたとしても、液体試料中のファインバブルの気泡径分布を短時間で精度よく測定することは困難である。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、ファインバブルの気泡径分布を短時間で精度よく測定することができる気泡径分布測定方法及び気泡径分布測定装置を提供することを目的とする。
本発明に係る気泡径分布測定方法は、収容ステップと、第1データ取得ステップと、第2データ取得ステップと、気泡径分布算出ステップとを含む。前記収容ステップでは、ファインバブルを含む液体試料を容器内に収容する。前記第1データ取得ステップでは、前記容器内を第1の圧力とした状態で、前記容器内の液体試料の粒子径分布に関するデータを取得する。前記第2データ取得ステップでは、前記容器内を前記第1の圧力とは異なる第2の圧力とした状態で、前記容器内の液体試料の粒子径分布に関するデータを取得する。前記気泡径分布算出ステップでは、前記第1データ取得ステップで取得されたデータ、及び、前記第2データ取得ステップで取得されたデータに基づいて、前記第1の圧力と前記第2の圧力との変化量を用いて演算を行うことにより、液体試料に含まれるファインバブルの気泡径分布を算出する。
このような構成によれば、容器内を異なる圧力として、それぞれの圧力における容器内の液体試料の粒子径分布に関するデータを取得することにより、それらのデータに基づいて圧力の変化量を用いて演算を行うことにより液体試料に含まれるファインバブルの気泡径分布を算出することができる。すなわち、容器内を異なる圧力とすることにより、液体試料に含まれるファインバブルの気泡径を変化させることができる。これに対して、液体試料に含まれる固体粒子や液体粒子の粒子径は、圧力に応じてほとんど変化しない。したがって、異なる圧力で取得された液体試料の粒子径分布に関するデータを比較することにより、ファインバブルの気泡径分布のみを特定することができる。
圧力の変化量とファインバブルの気泡径の変化量との間には一定の関係があるため、圧力の変化量を用いて演算を行うことにより、ファインバブルの気泡径分布を精度よく算出することができる。したがって、異なる圧力で液体試料の粒子径分布に関するデータを取得し、それらのデータを比較するだけで、ファインバブルの気泡径分布を短時間で精度よく測定することができる。
前記粒子径分布に関するデータは、粒子径分布データ、又は、粒子径分布データを算出するためのデータであってもよい。
このような構成によれば、異なる圧力で取得された粒子径分布データ又は粒子径分布データを算出するためのデータに基づいて、液体試料に含まれるファインバブルの気泡径分布を測定することができる。すなわち、最終的に算出される粒子径分布データに基づいてファインバブルの気泡径分布を測定することができるだけでなく、光強度分布データなどの粒子径分布データを算出するまでに用いられるデータに基づいて、ファインバブルの気泡径分布を測定することも可能である。
前記気泡径分布算出ステップにおける前記変化量は圧力差又は圧力比であってもよい。
このような構成によれば、圧力の変化量として、第1の圧力と第2の圧力との圧力差又は圧力比を用いて演算を行うことにより、ファインバブルの気泡径分布を精度よく測定することができる。
本発明に係る気泡径分布測定装置は、容器と、圧力制御部と、第1データ取得部と、第2データ取得部と、気泡径分布算出部とを備える。前記容器は、ファインバブルを含む液体試料を収容する。前記圧力制御部は、前記容器内の圧力を制御する。前記第1データ取得部は、前記容器内を第1の圧力とした状態で、前記容器内の液体試料の粒子径分布に関するデータを取得する。前記第2データ取得部は、前記容器内を前記第1の圧力とは異なる第2の圧力とした状態で、前記容器内の液体試料の粒子径分布に関するデータを取得する。前記気泡径分布算出部は、前記第1データ取得部で取得されたデータ、及び、前記第2データ取得部で取得されたデータに基づいて、前記第1の圧力と前記第2の圧力との変化量を用いて演算を行うことにより、液体試料に含まれるファインバブルの気泡径分布を算出する。
そして、前記気泡径分布算出部が基づく前記粒子径分布に関するデータは、粒子径分布データ、又は、粒子径分布データを算出するためのデータであってもよい。
前記気泡径分布算出部が用いる前記変化量は圧力差又は圧力比であってもよい。
本発明によれば、異なる圧力で液体試料の粒子径分布に関するデータを取得し、それらのデータを比較するだけで、ファインバブルの気泡径分布を短時間で精度よく測定することができる。
本発明の一実施形態に係る気泡径分布測定装置の構成例を示した図である。 気泡径分布測定装置の電気的構成の一例を示したブロック図である。 ファインバブルの気泡径分布を測定する際の態様について説明するための図であり、第1データ取得部により取得された粒子径分布データの一例を示している。 ファインバブルの気泡径分布を測定する際の態様について説明するための図であり、第2データ取得部により取得された粒子径分布データの一例を示している。 ファインバブルの気泡径分布を測定する際の態様について説明するための図であり、気泡径分布算出部により算出された気泡径分布データの一例を示している。 ファインバブルの気泡径分布を算出する際の態様について説明するための図である。 液体試料に含まれるファインバブルの気泡径分布を測定する際の流れを示したフローチャートである。
図1は、本発明の一実施形態に係る気泡径分布測定装置の構成例を示した図である。この気泡径分布測定装置は、例えばレーザ回折・散乱式の粒子径分布測定装置である。すなわち、本実施形態では、固体粒子及び液体粒子の粒子径分布を測定するための粒子径分布測定装置を用いて、液体試料に含まれる気体粒子の気泡径分布(粒子径分布)が測定される。
液体試料は、例えば水の他、アルコール又は油といった任意の液体を媒体とする試料であり、例えば気泡径が100μm以下の微細気泡からなるファインバブルを含んでいる。具体的には、気泡径が1μm未満のウルトラファインバブル、及び、気泡径が1μm以上のマイクロバブルの少なくとも一方が、気体粒子として液体試料に含まれている。気体粒子を構成する気体は、空気であってもよいし、例えばオゾンや水素といった空気以外の気体であってもよい。
本実施形態に係る気泡径分布測定装置には、液体試料に対してレーザ光を照射し、液体試料からの回折・散乱光(レーザ回折・散乱光)の強度を測定する光強度測定部1が備えられている。光強度測定部1には、光源11、集光レンズ12、空間フィルタ13、コリメータレンズ14、試料セル15、集光レンズ16、フォトダイオードアレイ17、側方センサ18及び複数の後方センサ19などが備えられている。測定対象となる液体試料は1回の測定ごとに試料セル15に供給される。すなわち、本実施形態で使用される試料セル15はいわゆる回分セルである。
光源11は、例えばレーザ光源からなり、当該光源11から照射されたレーザ光が、集光レンズ12、空間フィルタ13及びコリメータレンズ14を通過することにより平行光となる。このようにして平行光とされたレーザ光は、液体試料が収容されている試料セル15に照射され、試料セル15内の試料に含まれる粒子群(固体粒子、液体粒子及び気体粒子を含む。)で回折及び散乱した後、集光レンズ16を通ってフォトダイオードアレイ17により受光されるようになっている。
フォトダイオードアレイ17は、光源11側から見て試料セル15の前方(光源11側とは反対側)に配置されている。これにより、フォトダイオードアレイ17に備えられた複数の受光素子は、それぞれ前方センサ171を構成している。フォトダイオードアレイ17は、試料セル15内の液体試料からの回折・散乱光(回折光及び散乱光)を検出するための検出器を構成している。
本実施形態におけるフォトダイオードアレイ17は、互いに異なる半径を有するリング状又は半リング状の検出面が形成された複数(例えば、64個)の前方センサ171を、集光レンズ16の光軸を中心として同心円状に配置することにより構成されたリングディテクタであり、各前方センサ171には、それぞれの位置に応じた回折・散乱角度の光が入射する。したがって、フォトダイオードアレイ17の各前方センサ171の検出信号は、各回折・散乱角度の光の強度を表すことになる。
これに対して、側方センサ18は、光源11側から見て試料セル15の側方に配置されている。この例では、試料セル15が厚さの薄い中空状の部材により形成されており、その厚み方向Dが光源11から入射するレーザ光の光軸Lと平行になるように配置される。側方センサ18は、試料セル15に対して、例えば厚み方向Dに直交する方向に並べて配置される。
図1では、側方センサ18が試料セル15の上方に配置されているが、これに限らず、試料セル15の下方、右方、左方など、試料セル15の厚み方向Dに直交する面内の任意の位置に配置されていてもよい。これにより、厚み方向Dに対して直交する方向への回折・散乱光を側方センサ18で受光することができる。ただし、側方センサ18は、厚み方向Dに対して90°の方向への回折・散乱光を受光するような構成に限らず、厚み方向Dに対して70°〜110°、より好ましくは80°〜100°の方向への回折・散乱光を受光するような構成であってもよい。
複数の後方センサ19は、それぞれ光源11側から見て試料セル15の後方(光源11側)に配置されている。これにより、各後方センサ19は、側方センサ18よりも後方への回折・散乱光を受光することができる。各後方センサ19は、試料セル15に対して異なる角度で配置されることにより、それぞれ異なる角度で入射する回折・散乱光を受光することができる。この例では、2つの後方センサ19が設けられているが、これに限らず、例えば1つ又は3つ以上の後方センサ19が設けられた構成であってもよい。
フォトダイオードアレイ17の各前方センサ171、側方センサ18及び各後方センサ19の検出信号は、A/D変換器3によりアナログ信号からデジタル信号に変換された後、通信部4を介してデータ処理装置5に入力されるようになっている。これにより、各センサ171,18,19における受光強度が、各センサ171,18,19の素子番号に対応付けてデータ処理装置5に入力される。
データ処理装置5は、液体試料の粒子径分布を測定する際のデータを処理するためのものであり、例えばパーソナルコンピュータにより構成される。このデータ処理装置5は、制御部51、操作部52、表示部53及び記憶部54などを備えている。データ処理装置5は、光強度測定部1などと一体的に気泡径分布測定装置を構成していてもよいし、光強度測定部1などとは分離した気泡径分布測定装置として提供されてもよい。
制御部51は、例えばCPU(Central Processing Unit)を含む構成であり、操作部52、表示部53及び記憶部54などの各部が電気的に接続されている。操作部52は、例えばキーボード及びマウスを含む構成であり、作業者が操作部52を操作することにより入力作業などを行うことができるようになっている。
表示部53は、例えば液晶表示器などにより構成することができ、作業者が表示部53の表示内容を確認しながら作業を行うことができるようになっている。記憶部54は、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスクなどにより構成することができる。
液体試料の粒子径分布データは、光強度測定部1における液体試料の測定で得られる光強度分布データに基づいて、制御部51が演算を行うことにより生成される。粒子径分布データを生成する際には、下記式(1)の関係を用いることができる。
Figure 0006277973
ここで、s、q及びAは、下記式(2)〜(4)で表される。
Figure 0006277973
上記sは、光強度分布データ(ベクトル)である。上記sにおける各要素s(i=1,2,・・・,m)は、フォトダイオードアレイ17の各前方センサ171、側方センサ18及び各後方センサ19における検出強度である。
上記qは、頻度分布%として表現される粒子径分布データ(ベクトル)である。測定対象となる粒子径範囲(最大粒子径がx、最小粒子径がxn+1)をn分割し、それぞれの粒子径区間を[x,xj+1]とすると、上記qにおける各要素q(j=1,2,・・・,n)は、各粒子径区間[x,xj+1]に対応する粒子量である。
通常は、体積基準が用いられ、下記式(5)を満たすように、すなわち各要素qの合計が100%となるように正規化が行われる。
Figure 0006277973
上記Aは、粒子径分布データqを光強度分布データsに変換する係数行列である。上記Aにおける各要素ai,j(i=1,2,・・・,m、j=1,2,・・・,n)は、各粒子径区間[x,xj+1]に属する単位粒子量の粒子群によって回折及び散乱した光のi番目の素子における検出強度である。
上記Aにおける各要素ai,jの値は、屈折率をパラメータの一つとして用いて予め理論的に計算することができる。このとき、気体粒子を構成する気体の屈折率を用いて、各要素ai,jの値を算出しておけばよい。各要素ai,jの値は、フラウンホーファ回折理論又はミー散乱理論を用いて算出される。例えば、粒子径が光源11からのレーザ光の波長に比べて十分に大きい場合(例えば10倍以上)には、フラウンホーファ回折理論を用いて各要素ai,jの値を計算することができる。一方、粒子径が光源11からのレーザ光の波長と同程度、又は、それより小さい場合には、ミー散乱理論を用いて各要素ai,jの値を計算することができる。
このようにして上記Aにおける各要素ai,jの値を求めれば、上記式(1)に基づいて、下記式(6)により粒子径分布データqを求めることができる。ただし、AはAの転置行列である。
Figure 0006277973
本実施形態では、ファインバブルを含む液体試料が、容器としての試料セル15内に収容され、当該試料セル15内の圧力が圧力調整機構6の動作によって変化する。圧力調整機構6は、例えば試料セル15内に連通するシリンジ61と、当該シリンジ61を駆動するシリンジ駆動部62とを備えている。シリンジ駆動部62は、例えばモータ(図示せず)を含む構成であり、シリンジ61を駆動して試料セル15内を加圧又は減圧することができる。
図2は、気泡径分布測定装置の電気的構成の一例を示したブロック図である。制御部51は、例えばCPU(Central Processing Unit)を含む構成であり、当該CPUがプログラムを実行することにより、圧力制御部511、第1データ取得部512、第2データ取得部513、気泡径分布算出部514及び表示制御部515などとして機能する。
圧力制御部511は、シリンジ駆動部62の動作を制御してシリンジ61を駆動させることにより、試料セル15内の圧力を制御する。第1データ取得部512及び第2データ取得部513は、それぞれ光強度測定部1からの入力信号に基づいて粒子径分布データを取得する。第1データ取得部512及び第2データ取得部513により取得された粒子径分布データは、それぞれ記憶部54に記憶される。
本実施形態では、第1データ取得部512により粒子径分布データを取得するときと、第2データ取得部513により粒子径分布データを取得するときとで、試料セル15内が異なる圧力となるように、圧力制御部511が試料セル15内の圧力を制御するようになっている。具体的には、第1データ取得部512により粒子径分布データを取得する際には、試料セル15内が大気圧(第1の圧力)とされ、第2データ取得部513により粒子径分布データを取得する際には、試料セル15内が大気圧よりも高い圧力(第2の圧力)とされる。第2の圧力は、例えば第1の圧力の2〜4倍(2〜4気圧)に設定されるが、これに限られるものではない。
気泡径分布算出部514は、第1データ取得部512で取得された粒子径分布データ、及び、第2データ取得部513で取得された粒子径分布データに基づいて、液体試料に含まれるファインバブルの気泡径分布を算出する。すなわち、試料セル15内を異なる圧力として、それぞれの圧力における試料セル15内の液体試料の粒子径分布データを取得することにより、それらの粒子径分布データに基づいて液体試料に含まれるファインバブルの気泡径分布が算出されるようになっている。
表示制御部515は、表示部53に対する表示内容を制御する。液体試料に含まれるファインバブルの気泡径分布が気泡径分布算出部514により算出された場合には、表示制御部515が、その気泡径分布をグラフなどで表示部53に表示させる。
図3A〜図3Cは、ファインバブルの気泡径分布を測定する際の態様について説明するための図である。図3Aは、第1データ取得部512により取得された粒子径分布データの一例であり、液体試料に含まれる固体粒子及び液体粒子の各粒子径と粒子量との関係、及び、液体試料に含まれる気体粒子の各気泡径と気泡量との関係が示されている。図3Bは、第2データ取得部513により取得された粒子径分布データの一例であり、液体試料に含まれる固体粒子及び液体粒子の各粒子径と粒子量との関係、及び、液体試料に含まれる気体粒子の各気泡径と気泡量との関係が示されている。図3Cは、気泡径分布算出部514により算出された気泡径分布データの一例であり、液体試料に含まれる気体粒子の各気泡径と気泡量との関係が示されている。なお、図3A〜図3Cにおいて、横軸は粒子径又は気泡径を対数で表している。
試料セル15内を第1の圧力とした状態で第1データ取得部512により取得された粒子径分布データが、例えば図3Aに示すようなデータであったとする。液体試料中に、ファインバブルと、固体粒子又は液体粒子とが含まれているとすれば、図3Aに示すように、ファインバブルの粒子径分布(気泡径分布)D1と、固体粒子又は液体粒子の粒子径分布D2とがデータに現れる。
このような液体試料が収容された試料セル15内を第1の圧力よりも高い第2の圧力とした状態で、第2データ取得部513により粒子径分布データを取得した場合には、例えば図3Bに示すようなデータが得られる。図3A及び図3Bにおけるファインバブルの粒子径分布D1を比較すれば明らかなように、試料セル15内を異なる圧力とすることにより、液体試料に含まれるファインバブルの気泡径(粒子径)を変化させることができる。
すなわち、試料セル15内を加圧するとファインバブルの気泡径が小さくなるため、ファインバブルの粒子径分布D1は、図3Aの場合よりも図3Bの場合の方が気泡径が小さい側にシフトした状態となる。これに対して、図3A及び図3Bにおける固体粒子又は液体粒子の粒子径分布D2を比較すれば明らかなように、液体試料に含まれる固体粒子や液体粒子の粒子径は、圧力に応じてほとんど変化しない。このような特性を用いて粒子径分布D1,D2を比較することにより、図3Cに示すように、ファインバブルの気泡径分布D1のみを特定することができる。
圧力の変化量とファインバブルの気泡径の変化量との間には一定の関係があるため、圧力の変化量を用いて演算を行うことにより、ファインバブルの気泡径分布を精度よく算出することができる。具体的には、圧力をn倍にすると、ファインバブルの体積がn−1倍となり、気泡径はn−(1/3)倍となる。したがって、第1の圧力から第2の圧力への変化量(例えば圧力差又は圧力比)を用いてファインバブルの気泡径の変化量を特定し、その気泡径の変化量を用いて第1の圧力及び第2の圧力における粒子径分布D1,D2を比較するだけで、ファインバブルの気泡径分布D2を短時間で精度よく測定することができる。
例えば図3A及び図3Bに示すような粒子径分布D1,D2から、図3Cに示すようなファインバブルの気泡径分布D1のみを特定する場合、図3Bの粒子径分布データから図3Aの粒子径分布データを差し引く演算を行う。これにより、固体粒子又は液体粒子の粒子径分布D2は演算により消去され、図3Aの気泡径分布D1と図3Bの気泡径分布D1との差分が得られる。
この場合、図3Aの気泡径分布D1と図3Bの気泡径分布D1とが、一部の気泡径の範囲において互いに重なり合っていなければ、それらの気泡径分布D1が上記演算によって互いに影響し合うことがないため、一方の気泡径分布D1を容易に取り出して測定結果とすることができる。
一方、図3Aの気泡径分布D1の気泡径の範囲L1に対して、図3Bの気泡径分布D1が一部の気泡径の範囲L2において重なり合っている場合には、それらの気泡径分布D1が上記演算によって互いに影響し合う。そのため、上記差分演算を行った場合には、重なり合っている気泡径の範囲L2において、実際の気泡径分布とは異なる測定結果が得られてしまう。図4は、そのような場合にファインバブルの気泡径分布D2を算出する際の態様について説明するための図である。気泡径分布D1が5個の区間で区切られて測定され、第1の圧力のときの気泡径分布(図3Aに相当)と第2の圧力のときの気泡径分布(図3Bに相当)のシフト量が2区間分であったとする。図3Bのデータから図3Aのデータを引き算するので、図4では、図3Bのデータをグラフの正の側、図3Aのデータをグラフの負の側に記載してある。固体粒子又は液体粒子の粒子径分布D2が差分演算により消去されることは上記と同様である。
図4の例では、図3Bの気泡径分布D1(x,x,x,x,x)から差し引かれる図3Aの気泡径分布D1(−x,−x,−x,−x,−x)が部分的に重なり合っている。そのため、気泡径a,aにおける気泡量x,xは実際の値に等しいが、気泡径a,a,a,a,aにおける気泡量は実際の値と異なっている。この場合、気泡径a,a,a,a,aにおける気泡量は、上述した差分演算によって下記の通り算出される。
気泡径aにおいて算出される気泡量=x−x
気泡径aにおいて算出される気泡量=x−x
気泡径aにおいて算出される気泡量=x−x
気泡径aにおいて算出される気泡量=−x
気泡径aにおいて算出される気泡量=−x
上記演算により算出される気泡径a,a,a,a,aにおける気泡量を実際の値に補正するために、気泡径分布算出部514では、以下のような演算が行われる。
気泡径aにおける実際の気泡量=(x−x)+x=x
気泡径aにおける実際の気泡量=(x−x)+x=x
気泡径aにおける実際の気泡量=(x−x)+x=x
気泡径aにおける実際の気泡量=(−x)+x=0
気泡径aにおける実際の気泡量=(−x)+x=0
すなわち、気泡径a,aにおける実際の気泡量x,xを用いて、気泡径a,aにおける実際の気泡量x,xを順次求め、それらの気泡量x,xを用いて、次の気泡径a,a,aにおける実際の気泡量を順次求めることができる。このように、第1の圧力(図3A参照)から第2の圧力(図3B参照)への変化量(圧力差又は圧力比)が分かっていれば、その変化量から気泡径の変化量が分かり、図3Aから図3Bへの気泡径のシフト量が分かるため、上記のような演算によりファインバブルの気泡径分布を精度よく算出することができる。
これにより、洗浄、殺菌又は生体活性化などのファインバブルに期待される効果と、ファインバブルの気泡径分布との関係を定量的に評価することができる。また、目的や対象に最もふさわしいファインバブルの気泡径分布を特定し、ファインバブルに関する認証制度の確立などに寄与することも可能となる。
ただし、図4に示すように、図3Bの気泡径分布D1の気泡径の範囲L1に対して、図3Aの気泡径分布D1が一部の気泡径の範囲L2において重なり合っている場合に、上記のような演算によりファインバブルの気泡径分布を算出するような構成に限らず、例えば図3Aの気泡径分布D1と図3Bの気泡径分布D1とが重なり合わないように圧力をフィードバック制御するような構成などであってもよい。
図5は、液体試料に含まれるファインバブルの気泡径分布を測定する際の流れを示したフローチャートである。気泡径分布を測定する際には、まず、ファインバブルを含む液体試料が試料セル15内に収容される(ステップS101:収容ステップ)。このとき、試料セル15内は大気圧(第1の圧力)であり、そのままの状態で粒子径分布データが取得される(ステップS102:第1データ取得ステップ)。これにより、図3Aに例示されるような粒子径分布データが得られる。
その後、シリンジ61を用いて試料セル15内が加圧され(ステップS103:加圧ステップ)、加圧状態(第2の圧力)で粒子径分布データが取得される(ステップS104:第2データ取得ステップ)。これにより、図3Bに例示されるような粒子径分布データが得られる。そして、上記のようにして得られた各粒子径分布データに基づいて気泡径分布算出部514による演算が行われ、液体試料に含まれるファインバブルの気泡径分布が算出される(ステップS105:気泡径分布算出ステップ)。
ただし、上記実施形態のように、異なる圧力で取得された粒子径分布データに基づいて気泡径分布を測定するような構成に限らず、粒子径分布に関する他のデータに基づいて気泡径分布を測定するような構成であってもよい。すなわち、最終的に算出される粒子径分布データに基づいてファインバブルの気泡径分布を測定することができるだけでなく、光強度分布データなどの粒子径分布データを算出するまでに用いられるデータに基づいて、ファインバブルの気泡径分布を測定することも可能である。なお、粒子径分布データを算出するためのデータは、光強度分布データに限らず、光強度分布データから算出される他のデータなどであってもよい。
圧力調整機構6は、シリンジ61を備えた構成に限らず、例えばポンプなどの他の機構を用いて試料セル15内の圧力を調整することができるような構成であってもよい。また、試料セル15内を異なる圧力とした状態で、それぞれの圧力における試料セル15内の液体試料の粒子径分布に関するデータを取得するような構成であれば、第1の圧力が大気圧、第2の圧力が大気圧よりも高い圧力となるような構成に限られるものではない。
例えば、第1の圧力は大気圧に限らず、大気圧よりも低い圧力であってもよいし、大気圧よりも高い圧力であってもよい。また、第2の圧力は、第1の圧力よりも高い圧力に限らず、第1の圧力よりも低い圧力であってもよい。この場合、圧力調整機構6により試料セル15内の圧力を減圧させるような構成であってもよい。
ファインバブルを含む液体試料が収容される容器は、回分セルからなる試料セル15に限らず、例えばフローセルからなる試料セル15などであってもよい。この場合、フローセル内に高圧で液体試料を導入すれば、フローセル内を加圧することができる。また、試料セル15に限らず、他の容器に液体試料を収容し、当該容器内の液体試料に含まれるファインバブルの気泡径分布を測定することができるような構成であってもよい。
以上の実施形態では、気泡径分布測定装置がレーザ回折・散乱式の粒子径分布測定装置である場合について説明した。しかし、本発明は、レーザ回折・散乱法以外の方法で粒子径分布を測定するような構成にも適用可能である。上記レーザ回折・散乱法以外の方法としては、例えば動的光散乱法、電気的検知帯法などを例示することができる。
1 光強度測定部
3 A/D変換器
4 通信部
5 データ処理装置
6 圧力調整機構
11 光源
12 集光レンズ
13 空間フィルタ
14 コリメータレンズ
15 試料セル
16 集光レンズ
17 フォトダイオードアレイ
18 側方センサ
19 後方センサ
51 制御部
52 操作部
53 表示部
54 記憶部
61 シリンジ
62 シリンジ駆動部
171 前方センサ
511 圧力制御部
512 第1データ取得部
513 第2データ取得部
514 気泡径分布算出部
515 表示制御部

Claims (6)

  1. ファインバブルを含む液体試料を容器内に収容する収容ステップと、
    前記容器内を第1の圧力とした状態で、前記容器内の液体試料の粒子径分布に関するデータを取得する第1データ取得ステップと、
    前記容器内を前記第1の圧力とは異なる第2の圧力とした状態で、前記容器内の液体試料の粒子径分布に関するデータを取得する第2データ取得ステップと、
    前記第1データ取得ステップで取得されたデータ、及び、前記第2データ取得ステップで取得されたデータに基づいて、前記第1の圧力と前記第2の圧力との変化量を用いて演算を行うことにより、液体試料に含まれるファインバブルの気泡径分布を算出する気泡径分布算出ステップとを含むことを特徴とする気泡径分布測定方法。
  2. 前記粒子径分布に関するデータは、粒子径分布データ、又は、粒子径分布データを算出するためのデータであることを特徴とする請求項1に記載の気泡径分布測定方法。
  3. 前記変化量は、力差又は圧力比であることを特徴とする請求項1又は2に記載の気泡径分布測定方法。
  4. ファインバブルを含む液体試料を収容する容器と、
    前記容器内の圧力を制御する圧力制御部と、
    前記容器内を第1の圧力とした状態で、前記容器内の液体試料の粒子径分布に関するデータを取得する第1データ取得部と、
    前記容器内を前記第1の圧力とは異なる第2の圧力とした状態で、前記容器内の液体試料の粒子径分布に関するデータを取得する第2データ取得部と、
    前記第1データ取得部で取得されたデータ、及び、前記第2データ取得部で取得されたデータに基づいて、前記第1の圧力と前記第2の圧力との変化量を用いて演算を行うことにより、液体試料に含まれるファインバブルの気泡径分布を算出する気泡径分布算出部とを備えたことを特徴とする気泡径分布測定装置。
  5. 前記粒子径分布に関するデータは、粒子径分布データ、又は、粒子径分布データを算出するためのデータであることを特徴とする請求項4に記載の気泡径分布測定装置。
  6. 前記変化量は、力差又は圧力比であることを特徴とする請求項4又は5に記載の気泡径分布測定装置。
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