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JP6279173B2 - アンテナ装置及びアンテナ励振方法 - Google Patents
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Description

この発明は、アレーアンテナが有する複数の素子アンテナに与える搬送波信号の振幅及び位相を制御するアンテナ装置及びアンテナ励振方法に関するものである。
フェーズドアレーアンテナを実装しているアンテナ装置では、そのフェーズドアレーアンテナを構成している複数の素子アンテナに与える搬送波信号の振幅及び位相を制御することで、指向性ビームを形成することができる。
指向性ビームを用いる通信では、指向性ビームのメインローブ方向だけでなく、サイドローブ方向にも通信対象の信号である通信信号が送信される。このため、通信方向と異なる方向に存在している受信局でも通信信号を受信して、その通信信号を復調することが可能になる場合がある。
以下の非特許文献1には、通信方向の近傍のみに信号を送信するアレーアンテナ(以降、「指向性変調アレーアンテナ」と称する)を実装することで、通信可能領域を限定しているアンテナ装置が開示されている。
このアンテナ装置では、送信ビット系列に対して、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)の変調処理を施すことで、通信対象の信号であるベースバンド変調信号を生成し、そのベースバンド変調信号における各信号点の振幅位相と、通信方向における電界振幅位相とを対応させる励振分布を算出し、指向性変調アレーアンテナを構成している複数の素子アンテナに与える搬送波信号に対して、その算出した励振分布を時分割で与えるようにしている。
以下の特許文献1には、指向性変調アレーアンテナの更なる狭覆域化を図っているアンテナ装置が開示されている。
このアンテナ装置は、指向性変調アレーアンテナの励振分布を非一様にして、通信可能領域を限定している。例えば、指向性変調アレーアンテナがリニアアレーアンテナである場合、アレーアンテナを構成している複数の素子アンテナに与える搬送波信号の中で、中央に配置されている素子アンテナに与える搬送波信号と比べて、端部に配置されている素子アンテナに与える搬送波信号の励振振幅を大きくすることで、通信可能領域を限定している。
特開2015−65565号公報
M. P. Daly, "Directional Modulation Technique for Phased Arrays", IEEE Trans. Antennas Propagat., vol.57, pp.2633-2640, 2009.
従来のアンテナ装置は以上のように構成されているので、時分割で与える励振分布を算出する必要がある。また、中央に配置されている素子アンテナに与える搬送波信号と比べて、端部に配置されている素子アンテナに与える搬送波信号の励振振幅が大きくなる励振分布を算出する必要がある。これらの励振分布は、各方角のビット誤り率等に基づいた評価関数を、GA(Genetic Algorithm:遺伝的アルゴリズム)などの最適化手法を用いて解くことで得ることができる。しかし、最適化手法を用いる場合、計算量が膨大になるため、励振分布を得るまでに長時間を要することがあるという課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、通信可能領域が限定されている秘匿通信を実現するために用いるアレーアンテナの励振分布の計算量を低減することができるアンテナ装置及びアンテナ励振方法を得ることを目的とする。
この発明に係るアンテナ装置は、搬送波信号を放射する複数の素子アンテナを有するアレーアンテナと、通信対象の信号である通信信号を生成する通信信号生成部と、通信信号の妨害波となる干渉信号を生成する干渉信号生成部と、通信信号を送信する電波である通信ビームのメインローブを通信方向に向ける励振位相分布を用いて、通信ビームの励振分布を算出する通信励振分布算出部と、通信方向にアンテナパターンの零点を形成する励振位相分布を用いて、干渉信号を送信する電波である干渉ビームの励振分布を算出する干渉励振分布算出部と、通信励振分布算出部により算出された通信ビームの励振分布と干渉励振分布算出部により算出された干渉ビームの励振分布とを合成する励振分布合成部とを設け、振幅位相制御部が、励振分布合成部による合成後の励振分布に従って複数の素子アンテナに与える搬送波信号の振幅及び位相を制御するようにしたものである。
この発明によれば、通信ビームのメインローブを通信方向に向ける励振位相分布を用いて、通信ビームの励振分布を算出する通信励振分布算出部と、通信方向にアンテナパターンの零点を形成する励振位相分布を用いて、干渉ビームの励振分布を算出する干渉励振分布算出部とを設け、励振分布合成部が、通信励振分布算出部により算出された通信ビームの励振分布と干渉励振分布算出部により算出された干渉ビームの励振分布とを合成するように構成したので、通信可能領域が限定されている秘匿通信を実現するために用いるアレーアンテナの励振分布の計算量を低減することができる効果がある。
この発明の実施の形態1によるアンテナ装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態1によるアンテナ装置における信号処理部10のハードウェア構成図である。 信号処理部10がソフトウェア又はファームウェアなどで実現される場合のコンピュータのハードウェア構成図である。 搬送波信号発生部1、分配器2、振幅位相制御部30及び素子アンテナ3−1〜3−Kの動作を示すフローチャートである。 通信信号生成部4及び通信励振分布算出部11の処理内容を示すフローチャートである。 干渉信号生成部5及び干渉励振分布算出部14の処理内容を示すフローチャートである。 ビーム走査位相分布設定部18、重み設定部19及び励振分布合成部20の処理内容を示すフローチャートである。 通信ビームの励振分布W1(t)から算出される通信ビームの振幅特性と、干渉ビームの励振分布W2(t)から算出される干渉ビームの振幅特性とを示す説明図である。 合成励振分布E(t)から算出されるアンテナパターンの位相特性を示す説明図である。 この発明の実施の形態2によるアンテナ装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態2によるアンテナ装置における信号処理部10のハードウェア構成図である。 この発明の実施の形態3によるアンテナ装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態4によるアンテナ装置を示す構成図である。 搬送波信号発生部61、振幅位相制御部70及び素子アンテナ3−1〜3−Kの動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態5によるアンテナ装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態5によるアンテナ装置の干渉信号生成部80を示す構成図である。 干渉信号生成部80における位相調整器81の処理内容を示すフローチャートである。 干渉ビームの励振振幅分布Aと同一の通信ビームの励振振幅分布Aを示す説明図である。 干渉ビームの励振振幅分布Aと同一の通信ビームの励振振幅分布Aを示す説明図である。 図20Aはリニアアレーアンテナの例を示す説明図、図20Bは平面アレーアンテナの例を示す説明図、図20Cはコンフォーマルアレーアンテナの例を示す説明図である。
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるアンテナ装置を示す構成図であり、図2はこの発明の実施の形態1によるアンテナ装置における信号処理部10のハードウェア構成図である。
図1及び図2において、搬送波信号発生部1は例えば無線周波数の搬送波信号を発生する信号発振器である。
分配器2は搬送波信号発生部1により発生された搬送波信号をK(Kは2以上の整数)個に分配して、K個の搬送波信号を振幅位相制御部30に出力する。
アレーアンテナ3はK個の素子アンテナ3−1〜3−Kを有しており、素子アンテナ3−1〜3−Kは振幅位相制御部30の振幅位相調整器31−1〜31−Kにより振幅及び位相が調整された搬送波信号を空間に放射する。
通信信号生成部4は例えばCPU(Central Processing Unit)を実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどによって実現されるものである。
通信信号生成部4は、例えば、外部から与えられる送信ビット系列に対して、QPSKなどのベースバンド変調処理を施すことで、通信対象の信号である通信信号d(t)を生成する処理を実施する。
ここでは、送信ビット系列に対する変調方式がQPSKである例を示しているが、変調方式はQPSKに限るものではなく、例えば、BPSK(Binary Phase Shift Keying)、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、64QAMなどの変調方式を用いるようにしてもよい。
干渉信号生成部5は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどによって実現されるものである。
干渉信号生成部5は、通信信号生成部4により生成される通信信号d(t)の妨害波となる干渉信号i(t)を生成する処理を実施する。
なお、干渉信号生成部5が干渉信号i(t)を生成する際に用いる変調方式は、通信信号生成部4が通信信号d(t)を生成する際に用いる変調方式と同じであってもよいし、異なるものであってもよい。また、干渉信号生成部5により生成される干渉信号i(t)は、変調方式に依存せずに、ランダムな位相となる信号でもよい。
信号処理部10は通信励振分布算出部11、干渉励振分布算出部14、ビーム走査位相分布設定部18、重み設定部19、励振分布合成部20及びアンテナパターン表示部21を備えている。
信号処理部10は、アレーアンテナ3の励振分布、即ち、搬送波信号の振幅及び位相を制御するための励振分布を算出する処理を実施する。
信号処理部10の通信励振分布算出部11は和パターン励振位相分布設定部12及び通信励振分布算出処理部13を備えている。
和パターン励振位相分布設定部12は例えば図2に示す和パターン励振位相分布設定処理回路41によって実現されるものである。
和パターン励振位相分布設定部12は、通信信号d(t)を送信する電波である通信ビームのメインローブを通信方向に向ける励振位相分布として、アレーアンテナ3における和パターンの励振位相分布Sを設定する処理を実施する。
通信励振分布算出処理部13は例えば図2に示す通信励振分布算出処理回路42によって実現されるものである。
通信励振分布算出処理部13は、和パターン励振位相分布設定部12により設定された励振位相分布Sを用いて、通信ビームの励振分布W1(t)を算出する処理を実施する。
干渉励振分布算出部14は差パターン励振位相分布設定部15、差パターン励振振幅分布設定部16及び干渉励振分布算出処理部17を備えている。
差パターン励振位相分布設定部15は例えば図2に示す差パターン励振位相分布設定処理回路43によって実現されるものである。
差パターン励振位相分布設定部15は、通信方向にアンテナパターンの零点を形成する励振位相分布として、アレーアンテナ3における差パターンの励振位相分布Dを設定する処理を実施する。
差パターン励振振幅分布設定部16は例えば図2に示す差パターン励振振幅分布設定処理回路44によって実現されるものである。
差パターン励振振幅分布設定部16は、干渉信号i(t)を送信する電波である干渉ビームの利得のうち、通信ビームのサイドローブ方向に対応する方向の利得を高める励振振幅分布Aを設定する処理を実施する。
干渉励振分布算出処理部17は例えば図2に示す干渉励振分布算出処理回路45によって実現されるものである。
干渉励振分布算出処理部17は、差パターン励振位相分布設定部15により設定された励振位相分布Dと差パターン励振振幅分布設定部16により設定された励振振幅分布Aを用いて、干渉ビームの励振分布W2(t)を算出する処理を実施する。
ビーム走査位相分布設定部18は例えば図2に示すビーム走査位相分布設定処理回路46によって実現されるものである。
ビーム走査位相分布設定部18は、通信方向を定めるビーム走査位相分布Pを設定する処理を実施する。
重み設定部19は例えば図2に示す重み設定処理回路47によって実現されるものである。
重み設定部19は、通信励振分布算出部11により算出された通信ビームの励振分布W1(t)に対する重みmと、干渉励振分布算出部14により算出された干渉ビームの励振分布W2(t)に対する重みnとを設定する処理を実施する。
励振分布合成部20は例えば図2に示す励振分布合成処理回路48によって実現されるものである。
励振分布合成部20は、重み設定部19により設定された重みm,nに従って通信励振分布算出部11により算出された通信ビームの励振分布W1(t)と、干渉励振分布算出部14により算出された干渉ビームの励振分布W2(t)とを合成する処理を実施する。
また、励振分布合成部20は、励振分布W1(t)と励振分布W2(t)とを合成した励振分布に対して、ビーム走査位相分布設定部18により設定されたビーム走査位相分布Pを乗算することで合成励振分布E(t)(合成後の励振分布)を算出し、合成励振分布E(t)を出力する処理を実施する。
アンテナパターン表示部21は例えば図2に示すアンテナパターン表示処理回路49によって実現されるものである。
アンテナパターン表示部21は、励振分布合成部20より出力された合成励振分布E(t)からアンテナパターンを計算し、そのアンテナパターンを表示器6に出力する処理を実施する。
表示器6は例えば液晶ディスプレイなどから構成されており、アンテナパターン表示部21から出力されたアンテナパターンを表示する。
振幅位相制御部30は振幅位相調整器31−1〜31−K及び制御器32を備えており、励振分布合成部20から出力された合成励振分布E(t)に従って素子アンテナ3−1〜3−Kに与える搬送波信号の振幅及び位相を制御する。
振幅位相調整器31−1〜31−Kは位相制御装置31a及び振幅制御装置31bを備えている。
位相制御装置31aは例えば移相器によって構成されており、制御器32から出力された制御信号が示す位相の調整量に従って分配器2により分配された搬送波信号の位相を調整する。
振幅制御装置31bは例えば可変利得増幅器によって構成されており、制御器32から出力された制御信号が示す振幅の調整量に従って位相制御装置31aによる位相調整後の搬送波信号の振幅を調整する。
制御器32は励振分布合成部20から出力された合成励振分布E(t)に従って振幅位相調整器31−1〜31−Kにおける振幅及び位相の調整量を制御する。
図1の例では、信号処理部10の構成要素である通信励振分布算出部11、干渉励振分布算出部14、ビーム走査位相分布設定部18、重み設定部19、励振分布合成部20及びアンテナパターン表示部21のそれぞれが、図2に示すような専用のハードウェアで実現されるものを想定している。
即ち、信号処理部10が、和パターン励振位相分布設定処理回路41、通信励振分布算出処理回路42、差パターン励振位相分布設定処理回路43、差パターン励振振幅分布設定処理回路44、干渉励振分布算出処理回路45、ビーム走査位相分布設定処理回路46、重み設定処理回路47、励振分布合成処理回路48及びアンテナパターン表示処理回路49で実現されるものを想定している。
和パターン励振位相分布設定処理回路41、通信励振分布算出処理回路42、差パターン励振位相分布設定処理回路43、差パターン励振振幅分布設定処理回路44、干渉励振分布算出処理回路45、ビーム走査位相分布設定処理回路46、重み設定処理回路47、励振分布合成処理回路48及びアンテナパターン表示処理回路49は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)、または、これらを組み合わせたものが該当する。
ただし、アンテナ装置における信号処理部10の構成要素は、専用のハードウェアで実現されるものに限るものではなく、信号処理部10がソフトウェア、ファームウェア、または、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現されるものであってもよい。
ソフトウェア又はファームウェアはプログラムとして、コンピュータのメモリに格納される。コンピュータは、プログラムを実行するハードウェアを意味し、例えば、CPU、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)などが該当する。
図3は信号処理部10がソフトウェア又はファームウェアなどで実現される場合のコンピュータのハードウェア構成図である。
信号処理部10がソフトウェア又はファームウェアなどで実現される場合、通信励振分布算出部11、干渉励振分布算出部14、ビーム走査位相分布設定部18、重み設定部19、励振分布合成部20及びアンテナパターン表示部21の処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムをメモリ51に格納し、コンピュータのプロセッサ52がメモリ51に格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
コンピュータのメモリ51は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの不揮発性又は揮発性の半導体メモリや、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disc)などが該当する。
なお、図3において、入力インタフェース機器53は例えばUSB(Universal Serial Bus)ポート又はシリアルポートなどの信号入出力ポートを備えるインタフェース機器である。
入力インタフェース機器53は、通信信号生成部4及び干渉信号生成部5と接続されており、通信信号生成部4から出力された通信信号d(t)及び干渉信号生成部5から出力された干渉信号i(t)を入力する。
出力インタフェース機器54は例えばUSBポートやシリアルポートなどの信号入出力ポートを備えるインタフェース機器である。
出力インタフェース機器54は、振幅位相制御部30と接続されており、励振分布合成部20から出力された合成励振分布E(t)を振幅位相制御部30に出力する。
表示インタフェース機器55は表示器6と接続するためのインタフェース機器であり、アンテナパターン表示部21から出力されたアンテナパターンを表示器6に出力する。
図4は搬送波信号発生部1、分配器2、振幅位相制御部30及び素子アンテナ3−1〜3−Kの動作を示すフローチャートである。
図5は通信信号生成部4及び通信励振分布算出部11の処理内容を示すフローチャートである。
図6は干渉信号生成部5及び干渉励振分布算出部14の処理内容を示すフローチャートである。
図7はビーム走査位相分布設定部18、重み設定部19及び励振分布合成部20の処理内容を示すフローチャートである。
図8は通信ビームの励振分布W1(t)から算出される通信ビームの振幅特性と、干渉ビームの励振分布W2(t)から算出される干渉ビームの振幅特性とを示す説明図である。
図8において、G1は通信ビームの振幅特性を示し、G2は干渉ビームの振幅特性を示している。
図9は合成励振分布E(t)から算出されるアンテナパターンの位相特性を示す説明図である。
次に動作について説明する。
搬送波信号発生部1は、例えば無線周波数の搬送波信号を発生し、その搬送波信号を分配器2に出力する(図4のステップST1)。
分配器2は、搬送波信号発生部1から搬送波信号を受けると、その搬送波信号をK個に分配して、K個の搬送波信号を振幅位相制御部30に出力する(ステップST2)。
通信信号生成部4は、例えば、外部から与えられる送信ビット系列に対して、QPSKなどのベースバンド変調処理を施すことで、通信対象の信号である通信信号d(t)を生成し、その通信信号d(t)を信号処理部10の通信励振分布算出部11に出力する(図5のステップST11)。
ここで、tは時刻を表しており、変調方式がQPSKである場合、通信信号d(t)における各信号点は、exp(jπ/4)、exp(j3π/4)、exp(−j3π/4)、exp(−jπ/4)となる。
通信励振分布算出部11の和パターン励振位相分布設定部12は、通信ビームのメインローブを通信方向に向ける励振位相分布として、アレーアンテナ3における和パターンの励振位相分布Sを設定する(ステップST12)。
和パターンの励振位相分布Sは、公知の励振位相分布であるため詳細な説明を省略するが、和パターンの励振位相分布SはK行1列の行列で表され、その行列の各要素は複素数である。和パターンの励振位相は0度であるため、以下の式(1)に示すように、励振位相分布Sはexp(j0)を要素とする行列となる。

Figure 0006279173
和パターンの励振位相分布Sを用いて、通信ビームの励振分布を算出すれば、通信ビームの振幅特性として、図8のG1のような振幅特性が得られることが知られている。
図8に示している通信ビームの振幅特性G1では、通信ビームのメインローブが0度でピークを有しているため、0度の方向が通信方向となる。
通信励振分布算出処理部13は、和パターン励振位相分布設定部12が和パターンの励振位相分布Sを設定すると、下記の式(2)に示すように、その励振位相分布Sを通信信号生成部4から出力された通信信号d(t)に乗算することで、通信ビームの励振分布W1(t)を算出する(ステップST13)。
W1(t)=d(t)・S (2)
干渉信号生成部5は、通信信号生成部4により生成される通信信号d(t)の妨害波となる干渉信号i(t)を生成し、その干渉信号i(t)を信号処理部10の干渉励振分布算出部14に出力する(図6のステップST21)。例えば、干渉信号i(t)として、位相がランダムな信号を生成する。
干渉励振分布算出部14の差パターン励振位相分布設定部15は、干渉信号i(t)を送信する電波である干渉ビームにおいて、通信方向にアンテナパターンの零点を形成する励振位相分布として、アレーアンテナ3における差パターンの励振位相分布Dを設定する(ステップST22)。
差パターンの励振位相分布Dは、公知の励振位相分布であるため詳細な説明を省略するが、差パターンの励振位相分布DはK行1列の行列で表される。
例えば、その行列の1行目からK/2行目までの要素がexp(jπ)、((K/2)+1)行目からK行目までの要素がexp(j0)であれば、差パターンの励振位相分布Dは、以下の式(3)のように表される。

Figure 0006279173
差パターンの励振位相分布Dを用いて、干渉ビームの励振分布を算出すれば、干渉ビームの振幅特性として、図8のG2のような振幅特性が得られることが知られている。
図8に示している干渉ビームの振幅特性G2では、0度の方向にアンテナパターンの零点が形成されている。
この実施の形態1では、直交関係がない2つのビームの合成処理と比べて、直交関係がある2つのビームの励振分布の合成処理の計算量が少ないことに鑑み、直交関係にある通信ビームと干渉ビームを生成する。そのため、和パターン励振位相分布設定部12が和パターンの励振位相分布Sを設定して、差パターン励振位相分布設定部15が差パターンの励振位相分布Dを設定するものを示している。
ただし、これは一例に過ぎず、和パターンと差パターン以外の励振位相分布をそれぞれ設定して、直交関係にある通信ビームと干渉ビームを生成するようにしてもよい。
また、計算量が多少増加することが想定されるが、直交関係がない通信ビームと干渉ビームが生成される励振位相分布をそれぞれ設定してもよい。直交関係がない通信ビームと干渉ビームの励振分布の合成処理を実施する場合でも、最適化手法を用いて励振分布を算出する場合よりは、計算量が大幅に低減される。
差パターン励振振幅分布設定部16は、通信ビームのサイドローブ方向では通信信号d(t)の復調を困難にするために、干渉ビームの利得のうち、通信ビームのサイドローブ方向に対応する方向の利得を高める差パターンの励振振幅分布Aを設定する(図6のステップST23)。
図8に示すように、通信ビームのサイドローブ方向において、干渉ビームの利得が通信ビームのサイドローブの利得より高くなっている場合、干渉信号i(t)が通信信号d(t)より大きくなる。この場合、通信信号d(t)が干渉信号i(t)に埋もれてしまうため、通信ビームのサイドローブ方向での通信信号d(t)の復調が困難になる。
そこで、差パターン励振振幅分布設定部16は、通信ビームの振幅特性と干渉ビームの振幅特性との関係を、図8の振幅特性G1,G2のような関係にするため、通信ビームのサイドローブ方向において、干渉ビームの利得を高める差パターンの励振振幅分布Aを設定する。
差パターンの励振振幅分布AはK行1列の行列で表され、例えば、その行列の各要素は正の整数である。差パターンの励振振幅分布Aとして、例えば、テイラー分布などから求めることができる。
テイラー分布では、メインビームから離れるほど、サイドローブレベルが小さくなる分布であるため、テイラー分布を改良して、メインビームから離れるほど、サイドローブレベルが大きくなる分布を、差パターンの励振振幅分布Aとして用いればよい。
即ち、テイラー分布は、サイドローブレベルを低くする分布として知られているが、差パターンの励振振幅分布Aにテイラー分布を用いると、サイドローブレベルを高くすることができ、通信ビームのサイドローブ方向において、干渉ビームの利得を高めることができる。
干渉励振分布算出処理部17は、差パターン励振位相分布設定部15が励振位相分布Dを設定し、差パターン励振振幅分布設定部16が励振振幅分布Aを設定すると、下記の式(4)に示すように、その励振位相分布Dと励振振幅分布Aの対角行列を干渉信号生成部5から出力された干渉信号i(t)に乗算することで、干渉ビームの励振分布W2(t)を算出する(図6のステップST24)。
W2(t)=i(t)・diag(A)・D (4)
式(4)において、diag(A)はAを対角要素とする対角行列である。
ビーム走査位相分布設定部18は、通信方向を定めるビーム走査位相分布Pを設定する(図7のステップST31)。
例えば、和パターン励振位相分布設定部12によって、通信ビームのメインローブを0度の方向に向ける励振位相分布Sが設定され、差パターン励振位相分布設定部15によって、0度の方向にアンテナパターンの零点を形成する励振位相分布Dが設定される場合がある。このように励振位相分布Sと励振位相分布Dが設定されているとき、例えば、通信方向を30度の方向や45度の方向などに向ける必要がある場合には、ビーム走査位相分布設定部18が、通信方向が30度の方向や45度の方向を示すビーム走査位相分布Pを設定すれば、通信方向が30度の方向や45度の方向になる。
この場合、通信ビームのメインローブが30度の方向や45度の方向に向けられ、干渉ビームについては30度の方向や45度の方向にアンテナパターンの零点を形成される。
ビーム走査位相分布PはK行1列の行列で表され、その行列の要素は複素数である。図8では、通信方向が0度の方向になるようなビーム走査位相分布Pが設定されている例を示している。
通信方向を適宜切り換える必要がある場合、ビーム走査位相分布設定部18を実装する必要があるが、例えば、通信方向が常にアレーアンテナ3の正面方向である場合など、通信方向が固定されている場合、ビーム走査位相分布設定部18を実装せずに、励振分布合成部20が、事前に設定されているビーム走査位相分布Pを記憶しておくようにしてもよい。
重み設定部19は、通信励振分布算出部11により算出された通信ビームの励振分布W1(t)と、干渉励振分布算出部14により算出された干渉ビームの励振分布W2(t)とに対する重みm,n(m,nは正の整数)を設定する(ステップST32)。
重みm,nは、通信ビームの励振分布W1(t)と干渉ビームの励振分布W2(t)との合成比率を定めるものである。例えば、m<nとすれば、励振分布W1(t)と励振分布W2(t)の合成励振分布E(t)において、干渉ビームの励振分布W2(t)の寄与度を大きくすることができる。即ち、干渉ビームで送信される干渉信号i(t)を大きくして、通信可能領域を狭めることができる。
一方、m>nとすれば、励振分布W1(t)と励振分布W2(t)の合成励振分布E(t)において、干渉ビームの励振分布W2(t)の寄与度を小さくすることができる。即ち、干渉ビームで送信される干渉信号i(t)を小さくして、通信可能領域を広げることができる。
なお、通信ビームの励振分布W1(t)と干渉ビームの励振分布W2(t)との合成比率を変えずに、常に同じ比率で合成する場合、例えば、常にm=n=1で通信ビームの励振分布W1(t)と干渉ビームの励振分布W2(t)とを合成する場合、重み設定部19を実装せずに、励振分布合成部20が、事前に設定されている重みm,nを記憶しておくようにしてもよい。
励振分布合成部20は、ビーム走査位相分布設定部18がビーム走査位相分布Pを設定し、重み設定部19が重みm,nを設定すると、重みm,nに従って通信励振分布算出部11により算出された通信ビームの励振分布W1(t)と、干渉励振分布算出部14により算出された干渉ビームの励振分布W2(t)とを合成する。
そして、励振分布合成部20は、以下の式(5)に示すように、励振分布W1(t)と励振分布W2(t)とを合成した励振分布に対して、そのビーム走査位相分布Pの対角行列を乗算することで、合成励振分布E(t)を算出する(ステップST33)。
E(t)=diag(P)・{m・W1(t)+n・W2(t)} (5)
合成励振分布E(t)は、直交関係にある通信ビームと干渉ビームを合成することで得られるものであるが、式(5)からも分かるように、直交関係にある通信ビームと干渉ビームの合成処理では単純な計算を行うだけである。即ち、行列の足し算と掛け算を行うだけで、通信ビームと干渉ビームを合成することができる。このため、最適化手法を用いて、合成励振分布E(t)を算出する場合と比べて、計算量が数十分の1〜数百分の1程度となる。
励振分布合成部20は、合成励振分布E(t)を算出すると、アレーアンテナ3の励振分布として、その合成励振分布E(t)を振幅位相制御部30に出力する。
振幅位相制御部30の制御器32は、励振分布合成部20から合成励振分布E(t)を受けると、その合成励振分布E(t)に従って振幅位相調整器31−1〜31−Kにおける振幅及び位相の調整量を示す制御信号を振幅位相調整器31−1〜31−Kに出力する。
合成励振分布E(t)から振幅及び位相の調整量を特定して、その振幅及び位相の調整量を示す制御信号を出力する処理自体は公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
振幅位相調整器31−1〜31−Kの位相制御装置31aは、制御器32から制御信号を受けると、その制御信号が示す位相の調整量に従って分配器2により分配された搬送波信号の位相を調整し、位相調整後の搬送波信号を振幅制御装置31bに出力する(図4のステップST3)。
振幅位相調整器31−1〜31−Kの振幅制御装置31bは、制御器32から制御信号を受けると、その制御信号が示す振幅の調整量に従って位相制御装置31aから出力された搬送波信号の振幅を調整し、振幅調整後の搬送波信号を素子アンテナ3−1〜3−Kの出力する(ステップST4)。
これにより、素子アンテナ3−1〜3−Kから振幅及び位相が調整された搬送波信号が空間に放射される(ステップST5)。
素子アンテナ3−1〜3−Kから放射される搬送波信号によって形成される通信ビームと干渉ビームは、例えば、図8のようになる。図8の例では、通信ビームの振幅特性はG1であるため、メインローブが0度でピークを有している。また、干渉ビームの振幅特性はG2であるため、0度の方向にアンテナパターンの零点が形成されている。このため、0度の方向に存在している受信局は、通信ビームで送信された通信信号d(t)を受信することができるが、干渉信号i(t)については送信されて来ない。したがって、干渉信号i(t)の影響を受けずに、通信信号d(t)を復調することができる。
また、この実施の形態1では、通信信号d(t)がQPSKで変調処理が施されており、位相がπ/4(=45度)のところに信号点が存在している。図9に示すように、0度の方向において、アンテナパターンの位相がπ/4(=45度)であるため、0度の方向に存在している受信局は、位相がπ/4(=45度)のところの信号点を復調することができる。
通信ビームのサイドローブ方向では、通信ビームの利得よりも干渉ビームの利得が大きくなっている。
このため、通信ビームのサイドローブ方向に存在している受信局は、干渉ビームで送信されてくる干渉信号i(t)の影響を大きく受けるため、通信ビームで送信された通信信号d(t)を受信することができても、通信信号d(t)を復調することが困難となっている。
よって、通信方向が0度付近の角度だけで、通信信号d(t)の復調が可能であるため、通信可能領域が限定されている。
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、通信ビームのメインローブを通信方向に向ける励振位相分布Sを用いて、通信ビームの励振分布W1(t)を算出する通信励振分布算出部11と、通信方向にアンテナパターンの零点を形成する励振位相分布Dを用いて、干渉ビームの励振分布W2(t)を算出する干渉励振分布算出部14とを設け、励振分布合成部20が、通信励振分布算出部11により算出された通信ビームの励振分布W1(t)と干渉励振分布算出部14により算出された干渉ビームの励振分布W2(t)とを合成するように構成したので、通信可能領域が限定されている秘匿通信を実現するために用いるアレーアンテナ3の励振分布の計算量を低減することができる効果を奏する。
また、この実施の形態1によれば、通信励振分布算出部11により算出された通信ビームの励振分布W1(t)と、干渉励振分布算出部14により算出された干渉ビームの励振分布W2(t)とに対する重みm,nを設定する重み設定部19を備え、励振分布合成部20が、重み設定部19により設定された重みm,nに従って通信ビームの励振分布W1(t)と干渉ビームの励振分布W2(t)とを合成するように構成したので、通信可能領域の範囲を適宜変更することができる効果を奏する。
この実施の形態1によれば、通信方向を定めるビーム走査位相分布Pを設定するビーム走査位相分布設定部18を備え、励振分布合成部20が、通信ビームの励振分布W1(t)と干渉ビームの励振分布W2(t)とを合成し、その合成した励振分布に対して、ビーム走査位相分布設定部18により設定されたビーム走査位相分布Pの対角行列を乗算することで、合成励振分布E(t)を算出するように構成したので、通信方向を適宜変更することができる効果を奏する。
また、この実施の形態1によれば、干渉励振分布算出部14が、干渉ビームの利得のうち、通信ビームのサイドローブ方向に対応する方向の利得を高める励振振幅分布Aを設定し、その励振振幅分布Aの対角行列を干渉信号i(t)に乗算するように構成したので、干渉ビームの利得と比べて、通信ビームのサイドローブの利得を相対的に低減することができるようになる。そのため、通信ビームのサイドローブ方向に存在している受信局での通信信号d(t)の復調を困難にして、秘匿性を高めることができる効果を奏する。
この実施の形態1では、通信信号d(t)と干渉信号i(t)を生成しながら、アレーアンテナ3の励振分布として、合成励振分布E(t)を算出する例を示している。
これは一例に過ぎず、励振分布合成部20が、通信信号d(t)及び干渉信号i(t)に対応する合成励振分布E(t)を事前に算出して、その合成励振分布E(t)をメモリ51などの記憶装置に格納しておくようにする。そして、通信信号d(t)と干渉信号i(t)を受けると、メモリ51から当該通信信号d(t)及び干渉信号i(t)に対応する合成励振分布E(t)を読み出して、その合成励振分布E(t)を振幅位相制御部30に出力するようにしてもよい。
この実施の形態1では、ビーム走査位相分布Pを設定するビーム走査位相分布設定部18を備え、励振分布合成部20が、通信ビームの励振分布W1(t)と干渉ビームの励振分布W2(t)とを合成した励振分布に対してビーム走査位相分布Pの対角行列を乗算する例を示している。
これは一例に過ぎず、ビーム走査位相分布設定部18を2つ実装し、一方のビーム走査位相分布設定部18により設定されたビーム走査位相分布P1の対角行列を通信ビームの励振分布W1(t)に乗算するとともに、他方のビーム走査位相分布設定部18により設定されたビーム走査位相分布P2の対角行列を干渉ビームの励振分布W2(t)に乗算するようにする。そして、励振分布合成部20が、ビーム走査位相分布P1の対角行列が乗算された通信ビームの励振分布W1(t)と、ビーム走査位相分布P2の対角行列が乗算された干渉ビームの励振分布W2(t)とを合成するようにしてもよい。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、干渉ビームの利得と比べて、通信ビームのサイドローブの利得を相対的に低減するために、干渉励振分布算出処理部17が、差パターン励振振幅分布設定部16により設定された励振振幅分布Aの対角行列を干渉信号i(t)に乗算する例を示している。
この実施の形態2では、通信励振分布算出処理部13が、通信ビームのサイドローブ方向の利得を下げる励振振幅分布の対角行列を通信信号d(t)に乗算する例を説明する。
図10はこの発明の実施の形態2によるアンテナ装置を示す構成図であり、図11はこの発明の実施の形態2によるアンテナ装置における信号処理部10のハードウェア構成図である。
図10及び図11において、図1及び図2と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
和パターン励振振幅分布設定部22は例えば図11に示す和パターン励振振幅分布設定処理回路50によって実現されるものである。
和パターン励振振幅分布設定部22は、通信ビームのサイドローブ方向の利得を下げる励振振幅分布Bを設定する処理を実施する。
通信励振分布算出処理部23は例えば図11に示す通信励振分布算出処理回路42によって実現されるものである。
通信励振分布算出処理部23は、和パターン励振位相分布設定部12により設定された励振位相分布Sと和パターン励振振幅分布設定部22により設定された励振振幅分布Bを用いて、通信ビームの励振分布W1(t)を算出する処理を実施する。
次に動作について説明する。
通信励振分布算出部11及び干渉励振分布算出部14以外の処理内容は、上記実施の形態1と同様であるため、ここでは通信励振分布算出部11及び干渉励振分布算出部14の処理内容だけを説明する。
通信励振分布算出部11の和パターン励振振幅分布設定部22は、通信ビームのサイドローブ方向では通信信号d(t)の復調を困難にするために、通信ビームのサイドローブ方向の利得を下げる和パターンの励振振幅分布Bを設定する。
和パターンの励振振幅分布BはK行1列の行列で表され、例えば、その行列の各要素は正の整数である。和パターンの励振振幅分布Bとして、例えば、テイラー分布などを用いることができる。
通信励振分布算出部11の和パターン励振位相分布設定部12は、上記実施の形態1と同様に、和パターンの励振位相分布Sを設定する。
通信励振分布算出部11の通信励振分布算出処理部23は、以下の式(6)に示すように、和パターンの励振位相分布Sと励振振幅分布Bの対角行列を通信信号生成部4から出力された通信信号d(t)に乗算することで、通信ビームの励振分布W1(t)を算出する。
W1(t)=d(t)・diag(B)・S (6)
式(6)において、diag(B)はBを対角要素とする対角行列である。
干渉励振分布算出処理部17は、差パターン励振位相分布設定部15が上記実施の形態1と同様に励振位相分布Dを設定すると、以下の式(7)に示すように、その励振位相分布Dを干渉信号生成部5から出力された干渉信号i(t)に乗算することで、干渉ビームの励振分布W2(t)を算出する。
W2(t)=i(t)・D (7)
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、通信励振分布算出部11が、通信ビームのサイドローブ方向の利得を下げる和パターンの励振振幅分布Bを設定し、その励振振幅分布Bの対角行列を通信信号d(t)に乗算するように構成したので、干渉ビームの利得と比べて、通信ビームのサイドローブの利得を相対的に低減することができるようになる。そのため、通信ビームのサイドローブ方向に存在している受信局での通信信号d(t)の復調を困難にして、秘匿性を高めることができる効果を奏する。
実施の形態3.
上記実施の形態1では、干渉ビームの利得と比べて、通信ビームのサイドローブの利得を相対的に低減するために、干渉励振分布算出処理部17が、差パターン励振振幅分布設定部16により設定された励振振幅分布Aの対角行列を干渉信号i(t)に乗算する例を示している。
この実施の形態3では、さらに、通信励振分布算出処理部13が、通信ビームのサイドローブ方向の利得を下げる励振振幅分布Bの対角行列を通信信号d(t)に乗算するようにしてもよい。
図12はこの発明の実施の形態3によるアンテナ装置を示す構成図であり、図12において、図1及び図10と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
この実施の形態3では、和パターン励振振幅分布設定部22が通信励振分布算出部11に実装され、差パターン励振振幅分布設定部16が干渉励振分布算出部14に実装されている。
このため、通信励振分布算出部11の通信励振分布算出処理部23は、和パターン励振位相分布設定部12が和パターンの励振位相分布Sを設定し、和パターン励振振幅分布設定部22が和パターンの励振振幅分布Bを設定すると、上記実施の形態2と同様に、その励振位相分布Sと励振振幅分布Bの対角行列を通信信号生成部4から出力された通信信号d(t)に乗算することで、通信ビームの励振分布W1(t)を算出する。
また、干渉励振分布算出部14の干渉励振分布算出処理部17は、差パターン励振位相分布設定部15が励振位相分布Dを設定し、差パターン励振振幅分布設定部16が励振振幅分布Aを設定すると、上記実施の形態1と同様に、その励振位相分布Dと励振振幅分布Aの対角行列を干渉信号生成部5から出力された干渉信号i(t)に乗算することで、干渉ビームの励振分布W2(t)を算出する。
これにより、上記実施の形態1,2と同様に、干渉ビームの利得と比べて、通信ビームのサイドローブの利得を相対的に低減することができるようになる。そのため、通信ビームのサイドローブ方向に存在している受信局での通信信号d(t)の復調を困難にして、秘匿性を高めることができる効果を奏する。
この実施の形態3では、干渉ビームの利得と比べて、通信ビームのサイドローブの利得を相対的に低減するために、干渉励振分布算出処理部17が、差パターン励振振幅分布設定部16により設定された励振振幅分布Aの対角行列を干渉信号i(t)に乗算する例を示している。
これは一例に過ぎず、通信励振分布算出処理部13が、通信ビームのサイドローブ方向の利得を干渉ビームの利得を超えない範囲内で、通信ビームのサイドローブ方向の利得を上げる励振振幅分布Cの対角行列を通信信号d(t)に乗算するようにしてもよい。
これにより、通信ビームのサイドローブ方向の利得が干渉ビームの利得を超えない範囲内で高くなるため、サイドローブ方向では、通信信号d(t)が大きくなるが、この場合でも、干渉信号i(t)が通信信号d(t)より大きいため、通信ビームのサイドローブ方向での通信信号d(t)の復調は困難である。
なお、和パターンの励振振幅分布CはK行1列の行列で表され、例えば、その行列の各要素は正の整数である。和パターンの励振振幅分布Cとして、例えば、アレーアンテナ3を構成している素子アンテナ3−1〜3−Kの中で、中央に配置されている素子アンテナでの励振振幅分布と比べて、端部に配置されている素子アンテナでの励振振幅分布が高くなるような逆テーパ状の励振振幅分布を用いることができる。このような逆テーパ状の励振振幅分布Cを用いると、通信ビームのビーム幅が狭くなることから、通信領域の狭覆域化も期待することができる。
実施の形態4.
上記実施の形態1〜3では、振幅位相調整器31−1〜31−Kの位相制御装置31aが、制御器32から出力された制御信号が示す位相の調整量に従って分配器2により分配された搬送波信号の位相を調整し、振幅位相調整器31−1〜31−Kの振幅制御装置31bが、制御器32から出力された制御信号が示す振幅の調整量に従って位相制御装置31aから出力された搬送波信号の振幅を調整する例を示している。
この実施の形態4では、デジタル信号処理で搬送波信号の振幅及び位相を調整するようにしてもよい。
図13はこの発明の実施の形態4によるアンテナ装置を示す構成図であり、図13において、図1、図10及び図12と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
搬送波信号発生部61はデジタル信号である搬送波信号を発生する信号発振器である。
振幅位相制御部70は振幅位相調整器71−1〜71−K及び制御器72を備えており、励振分布合成部20から出力された合成励振分布E(t)に従って素子アンテナ3−1〜3−Kに与える搬送波信号の振幅及び位相を制御する。
振幅位相調整器71−1〜71−Kはデジタル信号処理器71a、デジタルアナログ変換器(以下、「D/A変換器」と称する)71b及び増幅器71cを備えている。
振幅位相調整器71−1〜71−Kは、制御器72から出力された制御信号が示す位相の調整量に従って搬送波信号の位相をデジタル信号処理で調整するとともに、制御器72から出力された制御信号が示す振幅の調整量に従って搬送波信号の振幅をデジタル信号処理で調整する。
制御器72は励振分布合成部20から出力された合成励振分布E(t)に従って振幅位相調整器71−1〜71−Kにおける振幅及び位相の調整量を制御する。
振幅位相調整器71−1〜71−Kのデジタル信号処理器71aは例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどによって実現されるものである。
デジタル信号処理器71aは、デジタル信号処理で搬送波信号の振幅及び位相を調整する。
振幅位相調整器71−1〜71−KのD/A変換器71bはデジタル信号処理器71aにより振幅及び位相が調整された搬送波信号をアナログ信号に変換する。
振幅位相調整器71−1〜71−Kの増幅器71cはD/A変換器71bによりアナログ信号に変換された搬送波信号を増幅し、増幅後の搬送波信号を素子アンテナ3−1〜3−Kに出力する。
図14は搬送波信号発生部61、振幅位相制御部70及び素子アンテナ3−1〜3−Kの動作を示すフローチャートである。
次に動作について説明する。
この実施の形態4では、信号処理部10の処理内容は、上記実施の形態3と同様であるため、信号処理部10以外の処理内容を説明する。なお、信号処理部10の処理内容は、上記実施の形態1,2と同様であってもよい。
搬送波信号発生部61は、デジタル信号である搬送波信号を発生し、その搬送波信号を振幅位相制御部70の振幅位相調整器71−1〜71−Kに出力する(図14のステップST41)。
振幅位相制御部70の制御器72は、信号処理部10の励振分布合成部20が、上記実施の形態3と同様に、合成励振分布E(t)を算出すると、その合成励振分布E(t)に従って振幅位相調整器71−1〜71−Kにおける振幅及び位相の調整量を示す制御信号を振幅位相調整器71−1〜71−Kに出力する。
合成励振分布E(t)から振幅及び位相の調整量を特定して、その振幅及び位相の調整量を示す制御信号を出力する処理自体は公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
振幅位相調整器71−1〜71−Kのデジタル信号処理器71aは、制御器72から制御信号を受けると、その制御信号が示す位相の調整量に従って搬送波信号発生部61から出力された搬送波信号の位相をデジタル信号処理で調整するとともに、その制御信号が示す振幅の調整量に従って当該搬送波信号の振幅をデジタル信号処理で調整する(ステップST42)。
振幅位相調整器71−1〜71−KのD/A変換器71bは、デジタル信号処理器71aから振幅及び位相が調整された搬送波信号を受けると、その搬送波信号をアナログ信号に変換し、アナログの搬送波信号を増幅器71cに出力する(ステップST43)。
振幅位相調整器71−1〜71−Kの増幅器71cは、D/A変換器71bからアナログの搬送波信号を受けると、その搬送波信号を増幅し、増幅後の搬送波信号を素子アンテナ3−1〜3−Kに出力する(ステップST44)。
これにより、素子アンテナ3−1〜3−Kから振幅及び位相が調整された搬送波信号が空間に放射される(ステップST45)。
素子アンテナ3−1〜3−Kから放射される搬送波信号によって形成される通信ビームと干渉ビームは、例えば、図8のようになる。図8の例では、通信ビームの振幅特性はG1であるため、メインローブが0度でピークを有している。また、干渉ビームの振幅特性はG2であるため、0度の方向にアンテナパターンの零点が形成されている。このため、0度の方向に存在している受信局は、通信ビームで送信された通信信号d(t)を受信することができるが、干渉信号i(t)については送信されて来ない。したがって、干渉信号i(t)の影響を受けずに、通信信号d(t)を復調することができる。
また、この実施の形態4では、通信信号d(t)がQPSKで変調処理が施されており、位相がπ/4(=45度)のところに信号点が存在している。図9に示すように、0度の方向において、アンテナパターンの位相がπ/4(=45度)であるため、0度の方向に存在している受信局は、位相がπ/4(=45度)のところの信号点を復調することができる。
通信ビームのサイドローブ方向では、通信ビームの利得より干渉ビームの利得が大きくなっている。
このため、通信ビームのサイドローブ方向に存在している受信局は、干渉ビームで送信されてくる干渉信号i(t)の影響を大きく受けるため、通信ビームで送信された通信信号d(t)を受信することができても、通信信号d(t)を復調することが困難となっている。
よって、通信方向が0度付近の角度だけで、通信信号d(t)の復調が可能であるため、通信可能領域が限定されている。
以上で明らかなように、この実施の形態4によれば、通信ビームのメインローブを通信方向に向ける励振位相分布Sを用いて、通信ビームの励振分布W1(t)を算出する通信励振分布算出部11と、通信方向にアンテナパターンの零点を形成する励振位相分布Dを用いて、干渉ビームの励振分布W2(t)を算出する干渉励振分布算出部14とを設け、励振分布合成部20が、通信励振分布算出部11により算出された通信ビームの励振分布W1(t)と干渉励振分布算出部14により算出された干渉ビームの励振分布W2(t)とを合成するように構成したので、通信可能領域が限定されている秘匿通信を実現するために用いるアレーアンテナの励振分布の計算量を低減することができる効果を奏する。
また、この実施の形態4によれば、振幅位相調整器71−1〜71−Kが、制御器72から出力された制御信号が示す位相の調整量に従ってデジタル信号処理で搬送波信号の位相を調整するとともに、制御器72から出力された制御信号が示す振幅の調整量に従ってデジタル信号処理で搬送波信号の振幅を調整するように構成したので、上記実施の形態1〜3と比べて、アンテナパターンの形成精度を高めることができる効果を奏する。
実施の形態5.
上記実施の形態1〜4では、干渉信号i(t)を通信信号d(t)と独立に生成する例を示している。
この実施の形態5では、通信信号生成部4により生成された通信信号d(t)から干渉信号i(t)を生成する例を説明する。
図15はこの発明の実施の形態5によるアンテナ装置を示す構成図であり、図15において、図1、図10及び図12と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
干渉信号生成部80は位相調整器81を備えており、通信信号生成部4により生成された通信信号d(t)の位相を調整することで、通信信号d(t)の妨害波となる干渉信号i(t)を生成し、干渉信号i(t)を干渉励振分布算出処理部17に出力する処理を実施する。
図16はこの発明の実施の形態5によるアンテナ装置の干渉信号生成部80を示す構成図である。
図16において、位相調整器81は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどによって実現されるものである。あるいは、移相器によって実現されるものである。
位相調整器81は、通信信号生成部4により生成された通信信号d(t)の位相を90度シフト又は−90度シフトすることで、干渉信号i(t)を生成する。
図17は干渉信号生成部80における位相調整器81の処理内容を示すフローチャートである。
次に動作について説明する。
干渉信号生成部80の位相調整器81は、通信信号生成部4から通信信号d(t)を受けると、通信信号d(t)の位相を調整して妨害波となる干渉信号i(t)を生成し、その干渉信号i(t)を干渉励振分布算出処理部17に出力する(図17のステップST51)。
例えば、位相調整器81は、通信信号d(t)の位相を90度シフト又は−90度シフトすることで、干渉信号i(t)を生成する。
具体的には、変調方向がQPSKである時刻tの通信信号d(t)がexp(jπ/4)である場合、この通信信号d(t)に対する位相差をπ/2(=90度)とすると、干渉信号i(t)は、exp(j3π/4)のようになる。
したがって、干渉信号i(t)は、以下の式(8)のように表される。
i(t)=d(t)・exp(jπ/2)=j・d(t)(8)
なお、通信信号d(t)に対する干渉信号i(t)の位相差の符号は一定でもよいし、位相差の符号をランダムに切り換えるようにしてもよい。
また、通信信号d(t)の変調シンボル毎に位相差の符号を切り換えるようにしてもよい。
具体的には、以下の通りである。
例えば、ある時刻tの通信信号d(t)がexp(jπ/4)である場合のように、通信信号d(t)の位相が第1象限に存在する場合、この通信信号d(t)と干渉信号i(t)の位相差を第1の位相差とする。
ある時刻tの通信信号d(t)がexp(−j3π/4)である場合のように、通信信号d(t)の位相が第2象限に存在する場合、この通信信号d(t)と干渉信号i(t)の位相差を第2の位相差とする。
また、ある時刻tの通信信号d(t)がexp(j3π/4)である場合のように、通信信号d(t)の位相が第3象限に存在する場合、この通信信号d(t)と干渉信号i(t)の位相差を第3の位相差とする。
さらに、ある時刻tの通信信号d(t)がexp(−jπ/4)である場合のように、通信信号d(t)の位相が第4象限に存在する場合、この通信信号d(t)と干渉信号i(t)の位相差を第4の位相差とする。
このとき、第1の位相差と第3の位相差が異符号の位相差となるように干渉信号i(t)を生成する。例えば、第1の位相差がexp(jπ/2)、第3の位相差がexp(−jπ/2)となるように干渉信号i(t)を生成する。
また、第2の位相差と第4の位相差が異符号の位相差となるように干渉信号i(t)を生成する。例えば、第2の位相差がexp(−jπ/2)、第4の位相差がexp(jπ/2)となるように干渉信号i(t)を生成する。
通信励振分布算出部11の通信励振分布算出処理部23は、上記実施の形態1と同様に、励振位相分布Sと励振振幅分布Aの対角行列を通信信号生成部4から出力された通信信号d(t)に乗算することで、通信ビームの励振分布W1(t)を算出する。
干渉励振分布算出部14の干渉励振分布算出処理部17は、上記実施の形態1と同様に、励振位相分布Dと励振振幅分布Aの対角行列を干渉信号生成部5から出力された干渉信号i(t)に乗算することで、干渉ビームの励振分布W2(t)を算出する。
ここでは、通信励振分布算出処理部23が通信ビームの励振分布W1(t)の算出に用いる通信ビームの励振振幅分布Aと、干渉励振分布算出処理部17が干渉ビームの励振分布W2(t)の算出に用いる干渉ビームの励振振幅分布Aとは、同一の励振振幅分布である。
図18は干渉ビームの励振振幅分布Aと同一の通信ビームの励振振幅分布Aを示す説明図である。
図18では、アレーアンテナ3が有する素子アンテナの数が4つである例を示している。
図18の例では、4つの素子アンテナ3−1〜3−4のうち、端部の素子アンテナ3−1,3−4に対する通信ビームの励振振幅が、端部以外の素子アンテナ3−2,3−3に対する通信ビームの励振振幅よりも小さい励振振幅分布Aである。
ただし、これは一例であり、図19に示すように、端部の素子アンテナ3−1,3−4に対する通信ビームの励振振幅が、端部以外の素子アンテナ3−2,3−3に対する通信ビームの励振振幅よりも大きい励振振幅分布Aであってもよい。
図19は干渉ビームの励振振幅分布Aと同一の通信ビームの励振振幅分布Aを示す説明図である。
励振分布合成部20は、上記実施の形態1と同様に、重み設定部19により設定された重みm,nに従って通信励振分布算出処理部23により算出された通信ビームの励振分布W1(t)と、干渉励振分布算出処理部17により算出された干渉ビームの励振分布W2(t)とを合成する。
そして、励振分布合成部20は、以下の式(9)に示すように、励振分布W1(t)と励振分布W2(t)とを合成した励振分布に対して、ビーム走査位相分布設定部18により設定されたビーム走査位相分布Pの対角行列を乗算することで、合成励振分布E(t)を算出する。

Figure 0006279173
ここで、式(9)の右辺第4項の列ベクトルにおける各要素の振幅は同一であるため、合成励振分布E(t)の励振振幅分布はdiag(A)で表される。
したがって、変調シンボルの位相が変わっても、合成励振分布E(t)を同一にすることができる。
以上で明らかなように、この実施の形態5によれば、通信信号生成部4により生成された通信信号d(t)の位相を調整することで、通信信号d(t)の妨害波となる干渉信号i(t)を生成する干渉信号生成部80を設け、通信ビームの励振振幅分布Aと干渉ビームの励振振幅分布Aとが同一の励振振幅分布であるように構成したので、通信可能領域が限定された秘匿通信を実現しながら、合成励振分布E(t)のシンボル毎の励振振幅制御を不要にすることができる。
上記実施の形態1〜5における図1、図10、図12、図13及び図15のアンテナ装置では、アレーアンテナ3の素子アンテナ3−1〜3−Kが直線的に並んでいるリニアアレーアンテナを想定している。
しかし、アレーアンテナ3は、リニアアレーアンテナに限るものではなく、例えば、アレーアンテナ3の素子アンテナ3−1〜3−Kが同一平面上に2次元配置されている平面アレーアンテナであってもよい。また、アレーアンテナ3の素子アンテナ3−1〜3−Kが曲面に沿って配置されているコンフォーマルアレーアンテナなどであってもよい。
図20はアレーアンテナ3の一例を示す説明図である。
図20Aはリニアアレーアンテナの例を示し、図20Bは平面アレーアンテナの例を示し、図20Cはコンフォーマルアレーアンテナの例を示している。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
この発明は、アレーアンテナが有する複数の素子アンテナに与える搬送波信号の振幅及び位相を制御するアンテナ装置及びアンテナ励振方法に適している。
1 搬送波信号発生部、2 分配器、3 アレーアンテナ、3−1〜3−K 素子アンテナ、4 通信信号生成部、5 干渉信号生成部、6 表示器、10 信号処理部、11 通信励振分布算出部、12 和パターン励振位相分布設定部、13,23 通信励振分布算出処理部、14 干渉励振分布算出部、15 差パターン励振位相分布設定部、16 差パターン励振振幅分布設定部、17 干渉励振分布算出処理部、18 ビーム走査位相分布設定部、19 重み設定部、20 励振分布合成部、21 アンテナパターン表示部、22 和パターン励振振幅分布設定部、30 振幅位相制御部、31−1〜31−K 振幅位相調整器、31a 位相制御装置、31b 振幅制御装置、32 制御器、41 和パターン励振位相分布設定処理回路、42 通信励振分布算出処理回路、43 差パターン励振位相分布設定処理回路、44 差パターン励振振幅分布設定処理回路、45 干渉励振分布算出処理回路、46 ビーム走査位相分布設定処理回路、47 重み設定処理回路、48 励振分布合成処理回路、49 アンテナパターン表示処理回路、50 和パターン励振振幅分布設定処理回路、51 メモリ、52 プロセッサ、53 入力インタフェース機器、54 出力インタフェース機器、55 表示インタフェース機器、61 搬送波信号発生部、70 振幅位相制御部、71−1〜71−K 振幅位相調整器、71a デジタル信号処理器、71b D/A変換器、71c 増幅器、72 制御器、80 干渉信号生成部、81 位相調整器。

Claims (16)

  1. 搬送波信号を放射する複数の素子アンテナを有するアレーアンテナと、
    通信対象の信号である通信信号を生成する通信信号生成部と、
    前記通信信号の妨害波となる干渉信号を生成する干渉信号生成部と、
    前記通信信号を送信する電波である通信ビームのメインローブを通信方向に向ける励振位相分布を用いて、前記通信ビームの励振分布を算出する通信励振分布算出部と、
    前記通信方向にアンテナパターンの零点を形成する励振位相分布を用いて、前記干渉信号を送信する電波である干渉ビームの励振分布を算出する干渉励振分布算出部と、
    前記通信励振分布算出部により算出された通信ビームの励振分布と前記干渉励振分布算出部により算出された干渉ビームの励振分布とを合成する励振分布合成部と、
    前記励振分布合成部による合成後の励振分布に従って前記複数の素子アンテナに与える搬送波信号の振幅及び位相を制御する振幅位相制御部と
    を備えたアンテナ装置。
  2. 搬送波信号を発生する搬送波信号発生部と、
    前記搬送波信号発生部により発生された搬送波信号を分配する分配器とを備え、
    前記位相制御部は、
    前記分配器により分配された複数の搬送波信号の中の1つの搬送波信号の振幅及び位相を調整し、振幅及び位相を調整した搬送波信号を前記複数の素子アンテナの中の1つの素子アンテナに出力する複数の振幅位相調整器と、
    前記励振分布合成部による合成後の励振分布に従って前記複数の振幅位相調整器における振幅及び位相の調整量を制御する制御器とを備えたことを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
  3. デジタル信号である搬送波信号を発生する搬送波信号発生部を備え、
    前記振幅位相制御部は、
    前記搬送波信号発生部により発生された搬送波信号の振幅及び位相を調整する複数のデジタル信号処理器と、
    前記複数のデジタル信号処理器の中の1つのデジタル信号処理器により振幅及び位相が調整された搬送波信号をアナログ信号に変換して、前記アナログ信号を前記複数の素子アンテナの中の1つの素子アンテナに出力する複数のデジタルアナログ変換器と、
    前記励振分布合成部による合成後の励振分布に従って前記複数のデジタル信号処理器における振幅及び位相の調整量を制御する制御器とを備えたことを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
  4. 前記通信励振分布算出部により算出された通信ビームの励振分布と、前記干渉励振分布算出部により算出された干渉ビームの励振分布とに対する重みを設定する重み設定部を備え、
    前記励振分布合成部は、前記重み設定部により設定された重みに従って前記通信ビームの励振分布と前記干渉ビームの励振分布とを合成することを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
  5. 前記通信方向を定めるビーム走査位相分布を設定するビーム走査位相分布設定部を備え、
    前記励振分布合成部は、前記通信励振分布算出部により算出された通信ビームの励振分布と前記干渉励振分布算出部により算出された干渉ビームの励振分布とを合成し、その合成した励振分布に対して、前記ビーム走査位相分布設定部により設定されたビーム走査位相分布を乗算し、前記ビーム走査位相分布を乗算した励振分布を合成後の励振分布として前記振幅位相制御部に出力することを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
  6. 前記干渉励振分布算出部は、前記干渉ビームの利得のうち、前記通信ビームのサイドローブ方向に対応する方向の利得を高める励振振幅分布を設定して、前記励振振幅分布を前記干渉ビームの励振分布に乗算し、前記励振振幅分布を乗算した前記干渉ビームの励振分布を前記励振分布合成部に出力することを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
  7. 前記通信励振分布算出部は、前記通信ビームのサイドローブ方向の利得を下げる励振振幅分布を設定して、前記励振振幅分布を前記通信ビームの励振分布に乗算し、前記励振振幅分布を乗算した前記通信ビームの励振分布を前記励振分布合成部に出力することを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
  8. 前記通信励振分布算出部は、前記通信ビームのサイドローブ方向の利得を上げる励振振幅分布を設定して、前記励振振幅分布を前記通信ビームの励振分布に乗算し、前記励振振幅分布を乗算した前記通信ビームの励振分布を前記励振分布合成部に出力することを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
  9. 前記干渉励振分布算出部は、前記干渉ビームの利得のうち、前記通信ビームのサイドローブ方向に対応する方向の利得を高める励振振幅分布を設定して、当該励振振幅分布を前記干渉ビームの励振分布に乗算し、当該励振振幅分布を乗算した前記干渉ビームの励振分布を前記励振分布合成部に出力し、
    前記通信励振分布算出部は、前記通信ビームのサイドローブ方向の利得を下げる励振振幅分布を設定して、当該励振振幅分布を前記通信ビームの励振分布に乗算し、当該励振振幅分布を乗算した前記通信ビームの励振分布を前記励振分布合成部に出力することを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
  10. 前記通信励振分布算出部は、前記通信ビームのメインローブを通信方向に向ける励振位相分布として、前記アレーアンテナにおける和パターンの励振位相分布を前記通信信号に乗算することで、前記通信ビームの励振分布を算出し、
    前記干渉励振分布算出部は、前記通信方向にアンテナパターンの零点を形成する励振位相分布として、前記アレーアンテナにおける差パターンの励振位相分布を前記干渉信号に乗算することで、前記干渉ビームの励振分布を算出することを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
  11. 前記干渉信号生成部は、前記通信信号生成部により生成された通信信号の位相を90度シフト又は−90度シフトすることで、前記干渉信号を生成し、
    前記通信励振分布算出部は、前記通信ビームのメインローブを前記通信方向に向ける励振位相分布として、前記アレーアンテナにおける和パターンの励振位相分布を設定するとともに、前記通信ビームの励振振幅分布を設定し、前記和パターンの励振位相分布と前記通信ビームの励振振幅分布を前記通信信号に乗算することで、前記通信ビームの励振分布を算出し、
    前記干渉励振分布算出部は、前記通信方向にアンテナパターンの零点を形成する励振位相分布として、前記アレーアンテナにおける差パターンの励振位相分布を設定するとともに、前記干渉ビームの励振振幅分布を設定し、前記差パターンの励振位相分布と前記干渉ビームの励振振幅分布を前記干渉信号に乗算することで、前記干渉ビームの励振分布を算出し、
    前記通信励振分布算出部により設定される通信ビームの励振振幅分布と、前記干渉励振分布算出部により設定される干渉ビームの励振振幅分布とが同一の励振振幅分布であることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
  12. 前記通信励振分布算出部により設定される通信ビームの励振振幅分布と、前記干渉励振分布算出部により設定される干渉ビームの励振振幅分布とが同一の励振振幅分布であり、
    前記通信ビームの励振振幅分布は、前記複数の素子アンテナのうち、端部の素子アンテナに対する通信ビームの励振振幅が、端部以外の素子アンテナに対する通信ビームの励振振幅よりも小さい励振振幅分布であることを特徴とする請求項11記載のアンテナ装置。
  13. 前記通信励振分布算出部により設定される通信ビームの励振振幅分布と、前記干渉励振分布算出部により設定される干渉ビームの励振振幅分布とが同一の励振振幅分布であり、
    前記通信ビームの励振振幅分布は、前記複数の素子アンテナのうち、端部の素子アンテナに対する通信ビームの励振振幅が、端部以外の素子アンテナに対する通信ビームの励振振幅よりも大きい励振振幅分布であることを特徴とする請求項11記載のアンテナ装置。
  14. 前記干渉信号生成部は、前記通信信号の位相を90度シフト又は−90度シフトすることで、前記干渉信号を生成する際、前記通信信号の位相が第1象限に存在するときの当該通信信号と前記干渉信号の位相差を第1の位相差、前記通信信号の位相が第2象限に存在するときの当該通信信号と前記干渉信号の位相差を第2の位相差、前記通信信号の位相が第3象限に存在するときの当該通信信号と前記干渉信号の位相差を第3の位相差、前記通信信号の位相が第4象限に存在するときの当該通信信号と前記干渉信号の位相差を第4の位相差とし、前記第1の位相差と前記第3の位相差が異符号の位相差となり、かつ、前記第2の位相差と前記第4の位相差が異符号の位相差となるように前記干渉信号を生成することを特徴とする請求項11記載のアンテナ装置。
  15. 前記アレーアンテナは、リニアアレーアンテナ、平面アレーアンテナ又はコンフォーマルアレーアンテナであることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
  16. 通信信号生成部が、通信対象の信号である通信信号を生成し、
    干渉信号生成部が、前記通信信号の妨害波となる干渉信号を生成し、
    通信励振分布算出部が、前記通信信号を送信する電波である通信ビームのメインローブを通信方向に向ける励振位相分布を用いて、前記通信ビームの励振分布を算出し、
    干渉励振分布算出部が、前記通信方向にアンテナパターンの零点を形成する励振位相分布を用いて、前記干渉信号を送信する電波である干渉ビームの励振分布を算出し、
    励振分布合成部が、前記通信励振分布算出部により算出された通信ビームの励振分布と前記干渉励振分布算出部により算出された干渉ビームの励振分布とを合成し、
    振幅位相制御部が、前記励振分布合成部による合成後の励振分布に従ってアレーアンテナが有する複数の素子アンテナに与える搬送波信号の振幅及び位相を制御する
    アンテナ励振方法。
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