図面を参照しながら、本発明の実施形態の一例について、以下詳細に説明する。実施形態において参照する図面は、模式的に記載されたものであり、図面に描画された構成要素の寸法比率などは、現物と異なる場合がある。具体的な寸法比率等は、以下の説明を参酌して判断されるべきである。
本明細書において、取り出し口が形成される部分を容器の「上部」とする。また、各シートが積層される方向を容器の「表裏方向」とし、上下方向及び表裏方向に直交する方向を容器の「横方向」とする。以下では、単に、上下方向、表裏方向、横方向という場合がある。
実施形態では、パウチ容器に充填される内容物である「粉体乃至粒体」を、粉ミルクやプロテイン粉末などを意図する粉体100として説明する。但し、「粉体乃至粒体」は、計量用具で掬って摺り切ることができるものであれば、特に限定されず、調味料や小麦粉など、又は粒径がより大きなコーヒー豆や茶葉なども含まれる。計量用具としては、計量スプーン101を例示するが、これに限定されるものではない。
実施形態では、表面シート11、裏面シート12、及び底ガゼットシート13を備えたスタンディングパウチを例示するが、サイドガゼットシートを備えたサイドガゼットパウチや、1枚のシートで各壁面部が形成された所謂ワンシームパウチ、底ガゼットシート及びサイドガゼットシートの両方を備えたパウチなど、他のパウチ形態に本発明の構成を適用してもよい。
<第1実施形態>
図1〜図9を参照しながら、第1実施形態であるパウチ容器10について詳説する。
図1は、パウチ容器10を示す正面図である。図2は、図1のAA線断面図である。パウチ容器10は、表面シート11と、裏面シート12と、底ガゼットシート13と、を備える。パウチ容器10は、紛体100が充填される充填部14を有するスタンディングパウチであって、取り出し口21(図5,6参照)を開口する際に使用される保持部として袋状部30A,30Bを備える。表面シート11及び裏面シート12(以下、これらを総称して「表裏面シート」という場合がある)は、容器の壁面部のうち、表面部及び裏面部をそれぞれ構成する壁面シートである。底ガゼットシート13は、表面部と裏面部との間に折り込まれて挿入されて、底ガゼット部を構成する壁面シートである。底ガゼットシート13は、上方に向かって山折りされており、粉体100の充填により展開する。
パウチ容器10では、表裏面シートの間に底ガゼットシート13が挿入され、この状態で各シートの端縁同士を接合するシール部が形成されている。本実施形態では、当該シール部として、上縁シール部15、下縁シール部16、及びサイドシール部17を有する。表裏面シートは、いずれも上下方向にやや長く延びた略矩形状を呈する。底ガゼットシート13も略矩形状を呈し、例えば、表裏面シートの下端から1/4程度の範囲に設けられる。
上縁シール部15は、粉体100の充填後に形成されるシール部であって、表裏面シートの上縁同士を接合して形成される。本実施形態では、上縁シール部15の近傍に封止部材18及びノッチ19が設けられている。封止部材18は、袋状部30A,30Bよりも上方に設けられる。ノッチ19は、封止部材18よりも上方に設けられる。
下縁シール部16は、底ガゼットシート13の端縁に形成されるシール部であって、底ガゼットシート13と表裏面シートとを接合する。下縁シール部16は、粉体100を充填したときに表裏面シートが互いに離間して底ガゼットシート13が展開するように形成される。また、底ガゼットシート13には、横方向両端に切り欠き20が形成されることが好適である。これにより、表面シート11と裏面シート12とが直接接合され、安定した自立性が得られる。
サイドシール部17は、容器横方向両端縁において、表面シート11と裏面シート12とを接合して形成される。サイドシール部17の一部は、封止部材18を構成するシート材及び袋状部形成シート31A,31B(以下、単に「シート31A,31B」とする)の長手方向両端部を表裏面シートの間に挟んだ状態で形成される。
封止部材18は、例えば、凸条部付きの第1のシート材と、凸条部に嵌合する凹条部付きの第2のシート材とを対向配置して構成される。例えば、第1のシート材が表面シート11の内面に接合され、第2のシート材が裏面シート12の内面に接合される。
ノッチ19は、表裏面シートを切断して開封するための切断起点となる切り込みであり、両側のサイドシール部17にそれぞれ設けることができる。ノッチ19から表裏面シートを横方向に沿って切断すると、上縁シール部15が除去されて容器外部と充填部14とを連通させる開口部である取り出し口21が形成される。即ち、取り出し口21は、容器上部の表面シート11と裏面シート12との間に形成される。開封後は封止部材18により取り出し口21を開閉できる。
パウチ容器10は、表裏面シートのそれぞれにシート31A,31Bを接合して設けられた袋状部30A,30Bを備える。本実施形態では、表裏面シートと、その間に挿入されて各シートの内面にそれぞれ接合されたシート31A,31Bとにより袋状部30A,30Bが形成される。袋状部30A,30Bは、取り出し口21を開口するときに指が挿入される部分であって、取り出し口21を広げた状態でパウチ容器10を安定に保持することを可能とする。
パウチ容器10は、袋状部30A,30Bを用いて取り出し口21を開口したときに、計量スプーン101で掬った紛体100の摺り切り機能を発現する摺り切り部38(図5,6参照)を備える。本実施形態では、袋状部30A,30Bに指を挿入して取り出し口21を開口したときに摺り切り部38が形成される。
パウチ容器10を構成する各シートは、通常、樹脂フィルムから構成される。シートを構成する樹脂フィルムには、耐衝撃性、耐磨耗性、及び耐熱性など、包装体としての基本的な性能を備えることが要求される。また、上記各シール部は、通常、ヒートシールにより形成されるので、シートには、ヒートシール性も要求される。シートとしては、ベースフィルム層と、ヒートシール性を付与するシーラント層とを有する複層シートが好適であり、高いガスバリア性が要求される場合には、ベースフィルム層とシーラント層との間にガスバリア層を設けることが好適である。なお、ベースフィルム層そのものにバリア性を付与してもよい。この場合は、バリア層をベースフィルム層として用い、バリア層とシーラント層とを有する複層シートとなる。また、シートの両面にヒートシール性を付与する場合は、後述のシーラント層を形成する単層フィルムを用いてもよいし、複層シートの場合は、同種又は異種のシーラント層を二層有するか(このとき、シーラント層の一層を形式的にベースフィルム層として用いることになる)、或いはベースフィルム層の両面にシーラント層を有するシートを用いてもよい。本実施形態では、シート31A,31Bとして、両面ヒートシール性の積層シート、具体的には異種のシーラント層を二層積層した積層シートが使用されている。
ここで、ベースフィルム層、シーラント層、及びガスバリア層の構成材料を例示する。なお、これら各層の積層は、慣用のラミネート法、例えば、接着剤によるドライラミネーション、熱接着性層を挟んで熱により接着させる熱ラミネーションなどにより行うことができる。
ベースフィルム層を構成するフィルムとしては、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレ−ト(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)など)、ポリオレフィン(ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)など)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−66など)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、及びポリエーテルスルフォン(PES)等から構成される一層又は二層以上の延伸又未延伸フィルムが例示できる。
シーラント層を構成するフィルムとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−プロピレン共重合体(EP)、未延伸ポリプロピレン(CPP)、二軸延伸ナイロン(ON)、エチレン−オレフィン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)及びエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等から構成される一層又は二層以上の延伸又未延伸フィルムが例示できる。
ガスバリア層としては、アルミニウム等の金属薄膜、又は塩化ビニリデン(PVDC)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)などの樹脂フィルム、或いは任意の合成樹脂フィルム(例えば、ベースフィルム層であってもよい)に、アルミニウム、酸化アルミニウムやシリカ等の無機酸化物などを蒸着(又はスパッタリング)したフィルムが例示できる。
シートには、内容物の商品名や原材料・使用上の注意事項等の商品説明、その他各種デザインなどを表示するための印刷層(図示せず)を設けることができる。例えば、印刷層は、グラビア印刷等の公知の方法により、ベースフィルム層の内側の面に形成できる。
以下、袋状部30A,30B及び摺り切り部38の構成について、さらに詳説する。
パウチ容器10は、封止部材18よりも下方に袋状部30A,30Bを備える。封止部材18は横方向に沿って設けられ、袋状部30A,30Bは封止部材18(横方向)と略平行に設けられている。袋状部30A,30Bは、互いに表裏方向に重なり、取り出し口21を挟んで対向配置されている。袋状部30A,30Bは、上下方向よりも横方向に長く延びた正面視略矩形形状を呈し、互いに同じ形状、同じ寸法を有している。以下、袋状部30A,30Bで共通する内容は、袋状部30Aを例に挙げて説明する。
袋状部30Aは、生産性等の観点から、表裏面シートの横方向の全長に亘って設けられることが好適である。即ち、表裏面シートの横方向長さと、シート材31Aの横方向長さとが同じである。各シートの横方向長さを同じとすることより、長尺状シートを用いた既存の製袋プロセスによって簡便且つ安価にパウチ容器10を製造することができる。
袋状部30Aは、充填部14と連通しない独立の空間である内部空間32Aを有する。内部空間32Aは、正面視状態における周縁が端縁シール部33Aにより塞がれている。内部空間32Aは、少なくとも1本の指、例えば、左手の人差し指を収容可能な寸法を有する(内部空間32Bには、例えば、親指が収容される)。パウチ容器10の安定した保持を可能とするため、内部空間32Aの寸法は、指の先から付け根まですっぽりと収容できる程度に設定することが好ましい。
袋状部30Aは、横方向からの内部空間32Aへの指の挿入を可能とする挿入口34Aを有する。挿入口34Aは、袋状部30Aの横方向一端部側に設けられている。挿入口34Bは、挿入口34Aのちょうど裏側に設けられることが好適である。挿入口34Aは、横方向一端部側から指が挿入される設計であって、挿入口34Aから挿入された指は内部空間32Aにおいて指先が横方向他端部側を向いた状態で収容される。内部空間32Aは、指が横方向から収容されるため、横方向に長く延びた空間となっている。
以下では、挿入口34Aから近い容器の横方向一端部を「第1端部」とし、横方向他端部を「第2端部」とする。この用語は、袋状部30A,30Bだけでなく、後述の下向きガゼットシート41等にも用いる。
挿入口34Aは、シート材31と共に袋状部30Aを構成する表面シート11に切り込み線35Aを形成して設けることが好適である。切り込み線35Aは、正面視略U字状を呈し、その両端(以下、「切り込み端」という)が第2端部側を向くように形成される。具体的には、切り込み線35Aの略直線状の部分が横方向に沿って形成され、切り込み線35Aの円弧状の部分が第1端部側に凸となるように形成されることが好適である。
切り込み線35Aは、上側の直線部分よりも下側の直線部分を長くすることが好適である。即ち、挿入口34Aは、上部側よりも下部側で大きく開口していることが好適である。これにより、挿入口34Aの開口面積を大きくして指を挿入し易くすると共に、容器の重量がかかる指の上側は内部空間32Aに深く入り込むため容器の保持性が向上する。
パウチ容器10には、切り込み線35Aと切り込み端同士を結んだ線(以下、舌片36Aの「付け根線」という)とに囲まれた部分である舌片36Aを設けることが好適である。即ち、挿入口34Aと舌片36Aは同じ寸法を有する。なお、付け根線で舌片36Aを折り曲げることで挿入口34Aが開口する。
舌片36Aは、内部空間32Aの中に折り込まれて使用されることが好適である。舌片36Aは、挿入口34Aの第2端部側の縁部に繋がっており、これを内側に折り込むことで当該縁部が浮いて挿入口34Aが広がり指を挿入し易くなる。なお、舌片36Aは、使用時に折り込まれてもよいし、製造時に折り込まれてもよい。また、舌片36Aは内側に折り込まれた状態で表面シート11に接合されていてもよい。
摺り切り部38は、上記のように、袋状部30A,30Bに指を挿入して取り出し口21を開口したときに形成される(図5,6参照)。袋状部30A,30Bに挿入された指により内部空間32A,32Bが広がってシート31A,31Bが内側に湾曲して張り出し、当該張り出し部が計量スプーン101で掬った紛体100の摺り切り機能を発現する摺り切り部38となる。即ち、袋状部30A,30Bを構成するシート31A,31Bの一部が摺り切り部38となる。摺り切り部38は、封止部材18よりも下に設けられるため、摺り切った紛体100が封止部材18に付着することなく、封止部材18を衛生的に保つことができる。
次に、図3を参照しながら、パウチ容器10の製造方法の一例について説明する。
図3は、パウチ容器10の製造工程のうち、各シートの長尺体を積層し、各シール部を形成する工程を示す。本製造工程では、表面シート11、裏面シート12、底ガゼットシート13、封止部材18を構成するシート(例えば、凸条部付きの第1のシート及び凹条部付きの第2のシート)、及びシート材31A,31Bの長尺体(以下、「長尺体11z,12z,13z,18z,31Az,31Bz」とする)をそれぞれ準備して互いに積層する。長尺体18zは、第1のシートの凸条部と第2のシートの凹条部とが嵌合した状態で積層され、長尺体31Az,31Bzは互いに重ね合わされた状態で積層される。
各長尺体の積層工程では、互いに重ね合わされた長尺体11z,12zの間に長尺体13z,18z,31Az,31Bzをそれぞれ挿入する。このとき、長尺体11z,12zは各々のシーラント層同士が向かい合うように積層され、長尺体13zはシーラント層が長尺体11z,12zと向かい合うように上方に向かって山折りされている。また、長尺体31Azのシーラント層は長尺体11zのシーラント層と向かい合うように、長尺体31Bzのシーラント層は長尺体12zのシーラント層と向かい合うように積層される。なお、各シートを積層する前に、切り欠き20となる孔、切り込み線35A,35Bを形成しておくことが好適である。
積層工程を経た上記各長尺体には、ヒートシール工程で各シール部が形成される。ヒートシール工程では、例えば、上端縁を残して各長尺体の端縁をヒートシールすることにより各シール部を形成する。続いて、ダイカットロール等を用いて、例えば切断予定線22で上記長尺体をカットし、個々の容器サイズに分割する。なお、上記ヒートシール及び当該カットは同時に行なわれてもよい。こうして、パウチ容器10が得られる。
上記製造例では、長尺体31Az,31Bzを用いた例を説明したが、これら長尺体31Az,31Bzの代わりに長尺状のガゼットシートを用いてもよい。この場合、長尺状のガゼットシートを製袋機に供給し、壁面シートにヒートシールする前又はヒートシールした後、折り目線に沿って当該ガゼットシートを切断し、袋状部30A,30Bを分離してもよい。
次に、図4〜図6を参照しながら、パウチ容器10の作用効果について詳説する。
図4,5は、袋状部30A,30Bを用いてパウチ容器10の取り出し口21を開口する様子を示す。パウチ容器10から紛体100を取り出す際には、例えば、片手(以下、左手とする)で容器を保持しながら封止部材18を開けて取り出し口21を広げる。まず初めに、袋状部30Aの内部空間32Aに人差し指を挿入し、袋状部30Bの内部空間32Bに親指を挿入して容器を保持する。このとき、親指と人差し指は、第1端部側から挿入口34A,34Bを通って各内部空間に挿入される。挿入口34A,34Bは、第1端部に近接して形成され、また上側よりも下側の方が長くなった略U字状の切り込み線35A,35Bにより形成され、また舌片36A,36Bが内側に折り込まれて開口している。このため、挿入口34A,34Bから指をスムーズに挿入することができる。
続いて、袋状部30A,30B内に挿入された親指と人差し指との間隔を開けることにより封止部材18を外して取り出し口21を広げる。即ち、人差し指を表側に動かし、親指を裏側に動かす。親指と人差し指の間隔をさらに広げることで、取り出し口21を大きく広げることができる。
図6は、計量スプーン101で掬った粉体100を擦り切る様子を示す図である。上記のように、袋状部30A,30Bに指を挿入して取り出し口21を広げると、各袋状部を構成するシート31A,31Bが湾曲して内側に張り出す。この張り出し部が摺り切り部38であって、計量スプーン101の皿を押し当て上方に引くことにより計量スプーン101で掬った紛体100を摺り切り計量することが可能となる。また、人差し指に直接摺り切り動作の感覚が伝わる為、摺り切り動作を直感的に行うことが可能となり、作業性の向上を図ることができる。さらに、袋状部30A,30Bに指を挿入して開口動作を行うことから、挿入された指はその略全てがシートに覆われており、不意の動作で万が一粉体100がこぼれたとしても指に触れることがない。従い、例えば粉体100が化学品等の毒劇物等、肌に直接触れることが好ましく無いものである場合であっても、安全に作業を行うことができる。
摺り切り部38は、親指が挿入された袋状部30B側にも形成されるが、摺り切り計量には人差し指が挿入された袋状部30A側の摺り切り部38を利用することが好ましい。人差し指は親指よりも長いため袋状部30Aに深く挿入することができるから、袋状部30A側の摺り切り部38は袋状部30B側の摺り切り部38よりも横方向に長く延びて形成される。このため、袋状部30A側の摺り切り部38には計量スプーン101の皿を押し当て易く、これを用いることでより良好な摺り切り操作が可能となる。
以上のように、パウチ容器10によれば、取り出し口21を広げた状態で容器を安定に保持することが可能であり、良好な摺り切り操作が可能になる。
図7〜図9にパウチ容器10の変形例を示す。
図7に示すパウチ容器10xは、挿入口34A,34Bが形成される第1端部側に形成された凹部23を有し、容器上部の横方向長さが容器下部の横方向長さよりも短くなっている。また、指掛け用シール部37Aを有する点でパウチ容器10と異なる。パウチ容器10xでは、挿入口34A,34B側をカットして縮幅することにより、容器の保持性等を向上させることができる。なお、パウチ容器の形状は、本発明の目的を損なわない範囲で、例えばデザイン等に応じて適宜変更できる。
パウチ容器10xには、袋状部30Aの内面同士を接合する指掛け用シール部37Aが設けられている(袋状部20Bについても同様)。指掛け用シール部37Aには、例えば、親指の先を引っ掛けることができる。これにより、袋状部における親指の掛かりが良くなって取り出し口21を広げる方向に力が作用し易くなる。指掛け用シール部37Aは、特に手の小さな女性等の使用に有用である。
指掛け用シール部37Aは、挿入口34Aよりも第2端部側の上部に設けられている。指掛け用シール部37Aは、挿入口34Aの上端近傍であって、舌片36Aが内側に折り込まれたときに該舌片と干渉しない位置に設けられることが好ましい。図7に示す例では、袋状部30Aの上端に沿って形成された端縁シール部33Aの一部が下方に突出して指掛け用シール部37Aが形成されている。指掛け用シール部37Aは、挿入口34Aから挿入される親指が引っ掛かり易い形状であれば特に限定されず、例えば、端縁シール部33Aから離れた位置に形成されるポイントシール部であってもよい。
図8は、袋状部30Ayの断面図を示す。図8(b)の二点鎖線は、内部空間32Aに挿入される指である。袋状部30Ayは、シート31Aよりも剛性が高く湾曲し難い剛性シート39を有する点で袋状部30Aと異なる。剛性シート39は、例えば、容器の横方向全長に亘ってシート31Aの内部空間32A側に接合される。剛性シート39は、シート31Aよりも上下方向長さが短く、シート31Aの上下方向中央部に接合されることが好適である。
袋状部30Aに指を挿入して取り出し口21を開くと、剛性シート39が接合されたシート31Aは剛性シート39の上下で大きく湾曲する。このため、剛性シート39の下端近傍に尖った摺り切り部38yが形成され易くなり、良好な摺り切り操作が可能になる。
図9に示すパウチ容器10zは、袋状部30A,30Bの代わりに、保持部形成シート25Aを表面シート11の外面に接合して形成された保持部24Aを備える点でパウチ容器10xと異なる(裏面側についても同様に保持部形成シートが設けられる)。保持部形成シート25Aは、封止部材18の下方に位置する表面シート11の外面に、その長手方向が封止部材18と略平行となるように接合されている。保持部形成シート25Aの上端及び下端を表面シート11に接合することで、保持部形成シート25Aと表面シート11との間に横方向両側から指を挿入可能な保持部24Aが形成される。
図9に示す例では、例えば、第1端部側から保持部24Aに人差し指が挿入される。この場合、保持部24Aを構成する表面シート11が湾曲して内側に張り出し、この張り出し部が摺り切り部となる。
<第2実施形態>
図10〜図18を参照しながら、第2実施形態であるパウチ容器40について説明する。以下では、第1実施形態との相違点を主に説明し、第1実施形態と同様の構成には同じ符号を付して重複する説明を省略する(第3〜第6実施形態についても同様)。
図10は、粉体100が充填される前のパウチ容器40を示す。図11は、図10のBB線断面図である。パウチ容器40は、封止部材18の上方に袋状部30A,30Bが設けられている点で第1実施形態と異なる。さらに、パウチ容器40は、摺り切り部48を形成する下向きガゼットシート41を備える点においても第1実施形態と異なる。
本実施形態では、袋状部30A,30Bに指を挿入して内側に張り出したシート31A,31Bの一部を摺り切り部として利用することもできるが、好ましくは下向きガゼットシート41により形成される摺り切り部48を利用する。また、袋状部30A,30Bを使わずに取り出し口21を開口した場合にも摺り切り部48は形成されるが、取り出し口21の開口には袋状部30A,30Bを使用することが好ましい。
袋状部30A,30Bの第2端部同士は、接合されていることが好適である。一方、袋状部30A,30Bの第1端部同士は、接合されていないことが好適である。シート31A,31Bの第2端部に切り欠き49を形成して表面シート11と裏面シート12とを直接接合することにより、袋状部30A,30Bの第2端部同士を接合することができる。或いは、シート31A,31Bに所謂両面ヒートシール性のシートを用いて当該接合部を形成してもよい。これにより、小さな力で取り出し口21を大きく開くことが可能となる。即ち、袋状部30A,30Bの第2端部同士を固定して第2端部が外側に開かないようにすることで、取り出し口21を広げる方向に力が作用し易くなり、取り出し口21の開口性が向上する。
下向きガゼットシート41は、封止部材18の下方に設けられている。下向きガゼットシート41は、表裏面シートに展開可能に接合され、横方向に沿って充填部14上の一部を覆うように設けられたガゼットシートであって、下端に折り目線45が形成されるように山折りされている。下向きガゼットシート41は、底ガゼットシート13と同様に、長尺体を用いて設けられることが好適である。当該長尺体には、紛体100の取り出しを可能とすべく、ガゼット開口部が形成される。このため、下向きガゼットシート41は、下方に向かって山折りされたガゼット部42と、ガゼット部42から延びたライン状(帯状)の連結部43とを有する。
下向きガゼットシート41は、表側半部42aの上端部が表面シート11にヒートシールされ、裏側半部42bの上端部が裏面シート12にヒートシールされている。これにより、2本のライン状の接合部44が形成される。ここで、表側半部42aとは、折り目線45よりも表面シート11側に位置する部分を意味し、裏側半部42bとは、折り目線45よりも裏面シート12側に位置する部分を意味する。表側半部42aと裏側半部42bとの上下方向長さは略等しいことが好適である。
ガゼット部42は、第2端部がサイドシール部17により表裏面シートに接合されることが好適である。これにより、摺り切り操作時におけるガゼット部42の撓みを抑制できる。ガゼット部42の第1端部は、表裏面シートに接合されておらず、取り出し口21が開口したときに摺り切り部48(図12〜図14参照)となる。
ガゼット部42は、ガゼット部42の横方向中央部にスプーン挿通部46を有する。スプーン挿通部46は、ガゼット部42が展開した状態で計量スプーン101の皿が挿通可能な貫通孔であって、例えば第1端部側が長辺、第2端部側が短辺となる上面視台形形状を呈する(図14参照)。ガゼット部42が折り畳まれた状態において、スプーン挿通部46に挿入された計量スプーン101は、表側半部42aと裏側半部42bとにより柄が支持される。これにより、計量スプーン101が粉体100に埋もれたり、柄に粉体100が付着したりすることがない状態で計量スプーン101を容器内部に保持できる。
ガゼット部42は、粉体回収部47を有することが好適である。粉体回収部47は、ガゼット部42の折り目線45にかかる部分に形成された貫通孔であって、ガゼット部42上に存在する粉体100を充填部14に戻す機能を有する。粉体回収部47は、ガゼット部42の第2端部側であって、サイドシール部17と接する部分に形成されることが特に好適である。
図12は、パウチ容器40の取り出し口21を開口した状態を示す図である(下向きガゼットシート41よりも上方の構成を省略)。図13は、取り出し口21の開口により展開した下向きガゼットシート41を示す図である。取り出し口21は、第1実施形態の場合と同様に、袋状部30A,30Bを用いて開口することができる。取り出し口21を大きく開くと、ガゼット部42は、第1端部側において最大で表側半部42aと裏側半部42bとが略平行になるまで展開する。即ち、大きく展開したガゼット部42は、その上面が略三角形状を呈するように展開する。
図14は、紛体100の摺り切り計量を行う様子を示す。ガゼット部42が展開すると、その第1端部に粉体100を掬った計量スプーン101の皿を押し当てることができる。そして、第1端部に皿を押し当てながら計量スプーン101を上方に引くことにより余分な粉体100を摺り切ることができる。即ち、パウチ容器40では、取り出し口21の開口によりガゼット部42の第1端部が摺り切り部48となる。
図15〜図18は、第2実施形態の変形例を示す。
図15は、パウチ容器40xの正面図であって、紛体100が充填される前の状態を示す。パウチ容器40xは、封止部材18と下向きガゼットシート41との間に袋状部30A,30Bが設けられている点でパウチ容器40と異なる。換言すると、パウチ容器40xは、パウチ容器10に下向きガゼットシート41を設けた構成である。
図16は、パウチ容器40yの正面図であって、紛体100が充填される前の状態を示す。パウチ容器40yは、下向きガゼットシート41に代えて下向きガゼットシート41yを備える点でパウチ容器40と異なる。下向きガゼットシート41yは、折り目線45yが上端に形成されるように山折りされたガゼットシートである。下向きガゼットシート41の場合と同様に、取り出し口21を開口すると下向きガゼットシート41yのガゼット部42yが展開して、ガゼット部42yの第1端部が摺り切り部となる。なお、ガゼット部42yに貫通孔を形成して、スプーン挿通部や紛体回収部を設けてもよい。
図17は、パウチ容器40zの正面図であって、紛体100が充填される前の状態を示す。図18は、図17のCC線断面図である。パウチ容器40zでは、袋状部30A,30Bと表裏方向に重なる位置に下向きガゼットシート41yが設けられている。当該構成によれば、充填部14の容量が増加する等の利点がある。下向きガゼットシート41yは、例えば、下側の端縁シール部33A,33Bと重なる位置に接合部44yを設けることで、表裏面シートに対して展開可能に接合される。この場合、シート31A,31Bに両面ヒートシール性のシートを用いて各シートをヒートシールする、或いはシート31A,31Bに切り欠きを形成して下向きガゼットシート41yと表裏面シートとを直接接合する。
<第3実施形態>
図19,20を参照しながら、第3実施形態であるパウチ容器50について説明する。
図19は、パウチ容器50を示す正面図である。図20は、図19のDD線断面図であって、取り出し口21を開口した状態を示す図である。パウチ容器50は、下向きガゼットシート41に代えて上向きガゼットシート51を備える点でパウチ容器40と異なる。上向きガゼットシート51は、連結部53によりつながった2つのガゼット部52,52zを有している。
ガゼット部52は、取り出し口21を開口したときに摺り切り部58を形成する。ガゼット部52は、第2端部がサイドシール部17により表裏面シートに接合されていることが好適である。ガゼット部52の第1端部は、表裏面シートに接合されておらず、取り出し口21を開口してガゼット部52が展開したときに摺り切り部58(図20参照)となる。
ガゼット部52zは、スプーン保持部として機能する。ガゼット部52zには、折り目線55zが形成される部分に、第2端部からガゼット部52zの横方向中央部付近に亘ってカット部56が形成されている。カット部56は、例えば、折り目線55zに沿って切り込まれた1本のカット線により形成されてもよく、略コの字状にシートを切り欠いて形成されてもよい。計量スプーン101の柄は、第2端部からカット部56に挿通される。取り出し口21が閉じられてガゼット部52zが折り畳まれた状態では、ガゼット部52zの表側半部と裏側半部とにより計量スプーン101の柄が挟持される。
粉体回収部57は、ガゼット部52,52zの下端部の一部に接合部54を形成しないことにより設けることができる。本実施形態では、ガゼット部52,52zの一部のみに接合部54が形成されている。その他の部分では表裏面シートとガゼット部52,52zとが接合されておらず、表裏面シートと各ガゼット部の間に粉体100を充填部14に落とすことが可能な隙間である粉体回収部57が設けられている。また、連結部53にも接合部54が形成されておらず、表裏面シートと連結部53との間にも隙間が設けられている。当該隙間は、紛体回収部57として機能し、また計量スプーン102の保持部として利用することも可能である。
<第4実施形態>
図21〜図23を参照しながら、第4実施形態であるパウチ容器60について説明する。
図21は、パウチ容器60を示す正面図である。図22は、図21のEE線断面図である。パウチ容器60は、上向きガゼットシート51に代えて下向きガゼットシート61を備える点でパウチ容器50と異なる。下向きガゼットシート61は、2つのガゼット部62を有する点でパウチ容器50と共通するが、各ガゼット部62はいずれも取り出し口21を開口したときに摺り切り部68を形成する。
下向きガゼットシート61は、未開封状態において、充填部14上の全域を覆って設けられている。即ち、未開封状態における下向きガゼットシート61には、ガゼット開口部P(後述の図22参照)が形成されていない。下向きガゼットシート61は、取り出し口21の開口に伴って、ガゼット開口部Pが形成されることを特徴とするものであり、ガゼット開口部Pを形成するための開口補助部を有する。取り出し口21を開口した際に当該開口補助部の機能によりガゼット開口部Pが形成され、その開口縁部が摺り切り部68になる。
本実施形態では、上記開口補助部として、折り目線65に交差して形成された2本のミシン目線69aと、ミシン目線69aに交差して形成されたミシン目線69bとを有する。ミシン目線69bは、ガゼット開口部Pを形成するための切断補助線であって、折り目線65上に形成されることが好適である。ミシン目線69aは、ガゼット開口部Pを拡大させると共に摺り切り部68を形成するための切断補助線であって、ミシン目線69bの両端において略直交して形成されることが好適である。切断補助線としては、ミシン目線の代わりに又はミシン目線と共に、ハーフカット線を用いてもよい。
下向きガゼットシート61には、各ミシン目線によって区切られた蓋部63にシール部66を有することが好適である。蓋部63は、ガゼット開口部Pを塞いでいる部分である。シール部66は、下向きガゼットシート61の表側半部及び裏側半部と表裏面シートの内面とを接合する。即ち、蓋部63は表裏面シートに固定されており展開しない非展開部となる。なお、シール部66の形成パターンは、図21に例示するものに限定されない。
図23は、パウチ容器60の取り出し口21を開口した状態を示す図である(下向きガゼットシート61よりも上方の構成を省略)。例えば、袋状部30A,30Bを用いて取り出し口21を開口すると、各ミシン目線で下向きガゼットシート61が切断されてガゼット開口部Pが形成される。即ち、取り出し口21の開口時に下向きガゼットシート61に作用する力を利用して、蓋部63とその他の部分とを区切る各ミシン目線で下向きガゼットシート61が切断され、ガゼット開口部Pの形成が可能となる。展開されたガゼット部62は、ガゼット開口部Pの開口縁部が粉体100の摺り切り計量に利用される摺り切り部68となる。
<第5実施形態>
図24〜図26を参照しながら、第5実施形態であるパウチ容器70について説明する。
図24は、パウチ容器70の正面図であって、紛体100が充填される前の状態を示す。パウチ容器70は、下向きガゼットシート41に代えて下向きガゼットシート71を備える点でパウチ容器40と異なる。保護ガゼット部76は、取り出し口21を鉛直下方に向けて粉体100を取り出す際に封止部材18を保護する機能を有する。本実施形態では、摺り切りガゼット部72及び保護ガゼット部76は、いずれも同一の下向きガゼットシート71から構成される。
摺り切りガゼット部72及び保護ガゼット部76は、封止部材18よりも下方に位置する表裏面シートの内面に展開可能に接合されている。各ガゼット部は、ガゼット開口部Pを挟んで横方向両側に設けられており、帯状の連結部73によって互いにつながっている。摺り切りガゼット部72は、第2端部がサイドシール部17により表裏面シートに接合されていることが好適であり、取り出し口18を開口することにより展開して第1端部が摺り切り部75となる。
保護ガゼット部76は、その第1端部がサイドシール部17により表裏面シートに接合されており、その上端部も接合部74により各ガゼット半部が表裏面シートに各々接合されている。保護ガゼット部76は、ガゼット開口部Pの縁部(第2端部)から第1端部側に向かって表側半部76a及び裏側半部76bの上部の各々に形成された切り込み77を有する。本実施形態では、下向きガゼットシート71が全幅に亘って設けられているが、切り込み77を入れることで表裏面シートに接合される部分と接合されていない非接合領域Rとを形成することができ、当該非接合領域Rの上方への折り曲げが可能となる。
図25,26は、保護ガゼット部76の非接合領域Rを上方に折り曲げた状態を示す図である。保護ガゼット部76には、非接合領域Rが上方に折り曲げられることで折り目線79が形成される。非接合領域Rを折り目線78で反転させて上方側に折り曲げると、第2端部が封止部材18及び袋状部30A,30Bの位置を超えて上方に延びる。これにより、パウチ容器70の取り出し口21を鉛直下方に傾けて紛体100を取り出そうとする場合であっても、紛体100は非接合領域R上を通って取り出されるため、封止部材18や袋状部30A,30Bに紛体100が付着することを防止できる。
<第6実施形態>
図27〜図29を参照しながら、第6実施形態であるパウチ容器80について説明する。
図27は、パウチ容器80を示す正面図である。パウチ容器80は、摺り切り部88を形成する内装シート81を備える点で第1実施形態と異なる。内装シート81は、裏面シート12の内面に接合されており、取り出し口21を開口したときに内側に張り出す張り出し部82を有する。張り出し部82の一部(後述の当接部86)は、摺り切り計量を行う際に、計量スプーン101の皿が押し当てられる部分である。即ち、張り出し部82は、取り出し口21が閉じた状態では折り畳まれており、取り出し口21の開口により張り出して摺り切り機能を発現する。
内装シート81は、封止部材18及び袋状部30A,30Bよりも下方に設けられる。なお、袋状部30A,30Bと封止部材18との間に内装シート81を設けてもよい。内装シート81は、例えば、裏面シート12の横方向中央部に張り出し部82を有し、その横方向両側に接合部85を有する。
張り出し部82は、2つの谷折り線83と、各谷折り線83の間に形成された2つの山折り線84とで形成され、正面視左右対称の形状を有する。谷折り線83と山折り線84との間に位置する部分である2つの接続部87は、接合部85と略直交するように上方に延びている。各接続部87の間に位置する部分である当接部86は、接合部85と略平行に形成されている。取り出し口21が閉じられた状態において、当接部86の下端部は上端部よりも長く、当接部86は正面視台形形状を呈する。
図28は、図27のFF線断面図であって、取り出し口21を開口した状態を示す図である。取り出し口21を開口すると、裏面シート12が大きく湾曲し、各折り目線で折り畳まれていた当接部86には、通常、横方向長さの縮小による変形力が上方に向かって作用する。そして、その変形力は当接部86の下端部よりも長い上端部側でより大きく作用する。このため、当接部86は、下端部が上方に持ち上がった状態で内側に張り出し、当該端部が摺り切り部88として機能する。