ところで、熱交換器内に通される流体を熱交換加熱するための燃焼装置が選択的に切換可能な複数の燃焼領域を有し、いずれの燃焼領域を燃焼させるかで燃焼能力を小から大まで複数段に切換可能とされた給湯装置においては、特に燃焼領域と非燃焼領域との境界付近に対応する部分の熱交換器に結露が生じ易くなる。結露が発生すると、それに起因して硫酸銅の析出や堆積の原因になり易く、最終的に熱交換器が特に多数のフィンにより構成されている場合には相隣接するフィン間の閉塞を招くおそれがある。閉塞回避のために一部のフィンを削除するなどの回避策を採ると、逆に燃焼効率の悪化を招くおそれが生じることになる。又、結露防止のために燃焼量を増大させると、給湯温度の変動を招き易くなってユーザーの使い勝手を損なうことになる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、燃焼効率の悪化を招くことなく、加えて、給湯温度を維持しながらも、結露防止を図り得る給湯装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明では、熱交換器内に通水される水を燃焼加熱部の燃焼により熱交換加熱した上で給湯するように構成され、前記燃焼加熱部が複数の独立燃焼可能な燃焼領域を備え、各燃焼領域が独立して又は組み合わされて選択的に燃焼されることにより燃焼能力が複数段にわたり変更切換可能とされ、燃焼能力段数の切換制御及び各燃焼能力段数での燃焼能力の変更調整制御を実行する燃焼能力切換制御により所定の給湯温度での給湯運転が行われるように構成されている給湯装置を対象にして次の特定事項を備えることとした。すなわち、結露発生防止のために前記燃焼加熱部に対する前記燃焼能力切換制御による燃焼状態を変更する結露防止制御手段を備えることとする。そして、前記結露防止制御手段として、特定の燃焼能力段数での燃焼状態が一定時間継続されることを含む結露発生防止のための判定条件の成立により、前記特定の燃焼能力段数を低燃焼能力段数側に段数切換制御する構成とした(請求項1)。
本発明の場合、結露発生防止のための判定条件が成立すると、現在燃焼されている特定の燃焼能力段数から低燃焼能力段数側の燃焼能力段数に切換制御されることになり、これにより、結露発生防止が図られる。
本発明における特定の燃焼能力段数として、熱交換器の上流側範囲に対応する燃焼領域が燃焼停止となり、熱交換器の上流側範囲に隣接する下流側範囲に対応する燃焼領域が燃焼されることになる燃焼能力段数とし、低燃焼能力段数側の燃焼能力段数として、熱交換器の上流側範囲に対応する燃焼領域が燃焼されることになる燃焼能力段数とすることができる(請求項2)。このようにすることにより、結露発生防止の技術的意義がより明確になる。すなわち、特定の燃焼能力段数での燃焼状態では、熱交換器の上流側範囲に対応する燃焼領域が非燃焼状態であるため、この上流側範囲には冷たい水が流れる一方、これに隣接する熱交換器の下流側範囲の燃焼領域は燃焼状態にあるため、その下流側範囲に流れる水は加熱されることになる。このため、両者の境界部分の熱交換器に大きい温度差が生じることになり、この結果、この境界部分に結露が生じ易くなる。これが一定時間継続されて前記判定条件が成立すれば、低燃焼能力段数側への段数切換が実行され、前記熱交換器の上流側範囲に対応する燃焼領域が燃焼状態に切り換えられるため、上流側範囲の熱交換器内の水も加熱され熱交換器内で大きい温度差の生じる部分の存在がなくなることになる。これにより、結露発生のおそれを確実に防止し得ることになる。
又、本発明の結露防止制御手段として、低燃焼能力段数側に段数切換制御する際に、その段数切換の前後で、それまでの特定燃焼能力段数での燃焼能力を維持するよう段数切換制御する構成とすることができる(請求項3)。このようにすることにより、給湯温度を確実に維持しながらも、結露防止のための段数切換制御を行い得ることになる。燃焼能力として例えば燃焼号数を用いた場合には、燃焼号数を段数切換前後で同じに維持させるように制御すればよい。
さらに、その場合には、熱交換器から給湯される給湯流量を変更するための給湯流量変更手段を備えることとし、結露防止制御手段として、低燃焼能力段数側に段数切換制御する際に、段数切換前の特定燃焼能力段数の燃焼能力が段数切換後の低燃焼能力段数側の燃焼能力段数に設定された燃焼能力範囲よりも大きいとき、給湯流量変更手段により給湯流量を絞り側に変更した上で段数切換制御を実行する構成とすることができる(請求項4)。このようにすることにより、特定燃焼能力段数から低燃焼能力段数への切換が、それまでの燃焼能力が低燃焼能力段数の燃焼能力範囲よりも大側であっても、給湯流量変更手段により給湯流量を絞ることで、必要な燃焼能力を低減させ得るため、特定燃焼能力段数から低燃焼能力段数への段数切換を適正に行い得るようになる。これにより、特定燃焼能力段数における結露発生のおそれのある燃焼能力範囲を、大側により広く拡大させたとしても、それまでの給湯温度を維持しながら、低燃焼能力段数への段数切換を適正に実行し得ることになり、これにより、結露発生防止をより広くかつ確実に図り得ることになる。
以上、説明したように、本発明の給湯装置によれば、結露発生防止のための判定条件が成立すれば、現在燃焼されている特定の燃焼能力段数から低燃焼能力段数側の燃焼能力段数に切換制御することにより、結露発生防止を図ることができる。
特に請求項2の給湯装置によれば、特定の燃焼能力段数として、熱交換器の上流側範囲に対応する燃焼領域が燃焼停止となり、熱交換器の上流側範囲に隣接する下流側範囲に対応する燃焼領域が燃焼されることになる燃焼能力段数とし、低燃焼能力段数側の燃焼能力段数として、熱交換器の上流側範囲に対応する燃焼領域が燃焼されることになる燃焼能力段数とすることにより、結露発生防止の技術的意義をより明確にすることができる。すなわち、特定の燃焼能力段数での燃焼状態では、非燃焼状態になる熱交換器の上流側範囲に流れる水と、燃焼状態になる下流側範囲の熱交換器に流れる湯との両者の境界部分の熱交換器に大きい温度差が生じる結果、その境界部分に結露が生じ易くなるところ、低燃焼能力段数側への段数切換により、上流側範囲の熱交換器内の水も加熱され熱交換器内で大きい温度差の生じる部分の存在をなくすことができるようになる。これにより、結露発生のおそれを確実に防止することができるようになる。
又、請求項3の給湯装置によれば、結露防止制御手段として、低燃焼能力段数側に段数切換制御する際に、その段数切換の前後で、それまでの特定燃焼能力段数での燃焼能力を維持するよう段数切換制御する構成とすることにより、給湯温度を確実に維持しながらも、結露防止のための段数切換制御を行うことができるようになる。
加えて、請求項4の給湯装置によれば、熱交換器から給湯される給湯流量を変更するための給湯流量変更手段をさらに備えることとし、結露防止制御手段として、低燃焼能力段数側に段数切換制御する際に、段数切換前の特定燃焼能力段数の燃焼能力が段数切換後の低燃焼能力段数側の燃焼能力段数に設定された燃焼能力範囲よりも大きいとき、給湯流量変更手段により給湯流量を絞り側に変更した上で段数切換制御を実行する構成とすることにより、特定燃焼能力段数から低燃焼能力段数への切換が、それまでの燃焼能力が低燃焼能力段数の燃焼能力範囲よりも大側であっても、給湯流量変更手段により給湯流量を絞ることで、必要な燃焼能力を低減させることが可能となるため、特定燃焼能力段数から低燃焼能力段数への段数切換を適正に行うことができるようになる。これにより、特定燃焼能力段数における結露発生のおそれのある燃焼能力範囲を、大側により広く拡大させたとしても、それまでの給湯温度を維持しながら、低燃焼能力段数への段数切換を適正に実行することができるようになり、これにより、結露発生防止をより広くかつ確実に図ることができるようになる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る給湯装置の模式図である。この給湯装置は、給湯機能を実現する給湯回路2、追い焚き機能を実現する追焚回路3、給湯回路2から追焚回路3へ湯張り等のために湯又は水を供給する注水・注湯回路4、及び、これらの作動制御を行うコントローラ5を備えたものである。なお、図例のものは1缶2水タイプのものを図示しているが、これに限らず、2缶2水タイプのものでも本発明を実施することができる。又、給湯や追い焚き等の複数の機能を実現するものでなくて、給湯機能のみの単機能の給湯装置であっても本発明を実施することができる。さらに、図例のものは、熱交換器として、燃焼ガスの顕熱を吸熱する一次熱交換器に加え燃焼排ガスからの潜熱を回収する二次熱交換器を組み合わせた潜熱回収型に構成されたものを図示しているが、これに限らず、二次熱交換器を有しないものでも本発明を実施することができ、潜熱回収型であることは必須ではない。以下の説明では、一次熱交換器と二次熱交換器とを合わせて、単に給湯用熱交換器又は追い焚き用熱交換器ということもある。
給湯装置2は、水道水等の給水を給水路21に受けて給湯用熱交換器22において燃焼加熱部23の燃焼熱との熱交換加熱により所定温度まで加熱した湯を給湯路24に出湯させ、この湯を台所や洗面所等の各所の給湯栓25まで給湯するようになっている。給水路21と給湯路24との間には、給湯用熱交換器22をバイパスして給水路21からの給水を給湯路24に流入させるバイパス路26が設けられ、バイパス弁26aを開にすれば連通するようになっている。給水路21には流量センサ27や給水温度を検出する給水温度センサ28が介装され、給湯路24には給湯用熱交換器22で加熱された直後の出湯の温度を検出する缶体出口温度センサ29が介装され、バイパス路26との合流部の下流側にサーボ弁により構成された水量調整弁24aが介装されている。前記の給湯用熱交換器22での熱交換加熱として、給水路21を通して給水された水は先ず二次熱交換器22bに通されて予熱され、次に、接続路20を通して一次熱交換器22aに通されて加熱されて給湯路24に出湯されることになる。ここで、水量調整弁24aと燃焼加熱部23との関係について説明すると、例えば水量調整弁24aが絞られて給湯栓25への給湯流量が絞られると、給湯用熱交換器22でそれまでと同じ燃焼量で熱交換加熱された場合、出湯される湯の温度は高くなるため、同じ給湯温度に維持するためには燃焼量を低減すればよいことになる。この水量調整弁24aが給湯流量変更手段を構成する。一次熱交換器22aはフィンアンドチューブ式のもので構成され、二次熱交換22bは多管式のもので構成されている。又、前記の燃焼加熱部23は、複数(図例では3つ)の独立かつ選択的に燃焼可能な燃焼領域を備え、各燃焼領域を選択的に個別に燃焼させたり、あるいは、選択的に組み合わせて燃焼させたりすることで、燃焼能力が複数段(本実施形態では5段)にわたり段数切換可能となっている。この燃焼加熱部23の詳細については後述する。
追焚回路3は、追い焚き機能を実現するために、浴槽6の循環アダプタ61との間に配管された戻り路30a及び往き路30bからなる追焚循環路30を備え、浴槽6内に湯張りされた浴槽湯水を所定温度まで追い焚き加熱し得るようになっている。すなわち、循環ポンプ31の作動により浴槽6から戻り路30aを通して追焚用熱交換器32において燃焼加熱部33の燃焼熱により熱交換加熱されて追い焚きされ、追い焚き後の浴槽湯水が往き路30bを通して浴槽6に供給されるというように循環され、所定の沸き上がり温度まで追い焚きされるようになっている。循環ポンプ31は戻り路30a及び往き路30bのいずれか一方(図例では戻り路30a)に介装されている。戻り路30aには流れを検知して後述のコントローラ5に出力する水流スイッチ34や戻り路30aにより戻される浴槽6内の浴槽湯水の温度を検出する戻り温度センサ35が介装され、又、往き路30bには追い焚き後の浴槽湯水の温度を検出する往き温度センサ36が介装されている。なお、図1中の符号37は、前記の給湯用燃焼バーナ23や追焚用燃焼バーナ33に燃料ガスを供給するためのガス供給系である。又、追焚用熱交換器32も、給湯用熱交換器22の例と同様に、燃焼ガスの顕熱を吸熱する一次熱交換器32aと、燃焼排ガスから潜熱を回収するための二次熱交換器32bとで構成されている。燃焼加熱部33も給湯回路2の側の燃焼加熱部23と同様に複数(図例では2つ)の燃焼領域を備えて燃焼能力が2段にわたり段数切換可能となっている。
注水・注湯回路4は、給湯路24の途中から分岐して追い焚き循環路30の戻り路30aに連通接続される注湯路41を備えており、この注湯路41を通して給湯路24の湯(又は水)が戻り路30aに流入され、これが両側に分流して戻り路30a及び往き路30bのそれぞれを通す両搬送形式で浴槽6に注湯(又は注水)されて浴槽6内に湯張りし得るようになっている。前記の注湯路41には、給湯路24の側である上流側から順に流量センサ42,注湯電磁弁43,逆流防止用の一対の逆止弁44,上流側での負圧発生時に逆流発生を防止する縁切り弁45がそれぞれ介装され、加えて、追焚循環路30との合流点近傍には浴槽6内の水位を検出する圧力式の水位センサ46が介装されている。
なお、図1中の符号7は外気温センサであり、この外気温センサ7はケース内の雰囲気温度を検出することにより外気温を検出するようになっている。又、符号8はドレン処理回路であり、このドレン処理回路8は、給湯用熱交換器22や追焚用熱交換器32に含まれる二次熱交換器において燃焼排ガスが潜熱回収のための熱交換により冷やされて凝縮することにより生じたドレンを集水し、例えば中和処理した上で排水させるために設置されたものである。すなわち、図例のドレン処理回路8は、中和槽81と、前記給湯用熱交換器22及び追焚用熱交換器32に含まれる二次熱交換器22b,32bからドレンを集水して中和槽81に導く集水路82と、中和槽81から中和処理済みのドレンを系外に排水させるための排水路83とを備えて構成されている。
次に、前記の燃焼加熱部23について詳細に説明する。燃焼加熱部23は、複数かつ規模の異なる燃焼領域を備え、かかる燃焼領域の選択的な燃焼作動により幅広い燃焼能力の変更調整が可能となっている。すなわち、燃焼加熱部23は、缶体1の下側位置において左右方向の一側から他側にかけて並べられた複数本(例えば図2(a)の図例では合計10本)の燃焼管231,231,…を備え、これら燃焼管231,231,…が所定本数毎にグループ分けされ、グループ分けされた所定本数の燃焼管231,231,…毎に個別に燃料ガスが供給されて燃焼可能とされることで、複数かつ規模の異なる燃焼領域が形成されている。例えば、左右方向中央部の2本の燃焼管231,231により第1の燃焼領域F1が形成され、右側の3本の燃焼管231,231,…により第2の燃焼領域F2が形成され、左側の5本の燃焼管231,231,…により第3の燃焼領域F3が形成されている。そして、各燃焼管231は各燃焼領域F1,F2,F3毎に区画されたガスマニホールド371に接続され、元ガス電磁弁SV0(図1参照)及びガス比例弁SVLを開けば、ガス供給系37からの燃料ガスが第1〜第3の能力切換弁SV1,SV2,SV3を介してガスマニホールド371の対応する各区画に選択的に供給されるようになっている。例えば、能力切換弁SV1を開けば(図2(a)参照)2本の燃焼管231,231により形成される第1の燃焼領域F1が燃焼され、能力切換弁SV2を開けば(図2(b)参照)3本の燃焼管231,231,231により形成される第2の燃焼領域F2が燃焼され、というように燃焼領域を切換し得るようになっている。なお、前記の「燃焼管」とは燃焼バーナと同義である。
元ガス電磁弁SV0や、各能力切換弁SV1,SV2,SV3は、要求される熱量(要求熱量)に相当する燃焼号数(燃焼量)に応じてコントローラ5の燃焼能力切換制御部によって選択的開閉切換制御が実行され、これにより、対応する燃焼領域F1,F2,F3が選択的に燃焼されて燃焼能力が段階的・連続的に変更切換されるようになっている。なお、本実施形態ではガス比例弁SVLを別途設けているが、これを排して前記能力切換弁SV1〜SV3自体を流量制御弁又は圧力制御弁とすることもできる。
前記の選択的開閉切換制御の例として、例えば図3に示すように各燃焼領域F1〜F3を個別に又は選択的に組み合わせて燃焼作動させることで、5段(5段階)の燃焼能力段数の切換を可能としている。すなわち、能力切換弁SV1のみを開いて第1燃焼領域F1(図2(a)も併せて参照)を燃焼させることで2本の燃焼管231,231に相当する燃焼能力段数が1段の燃焼作動が可能となり、能力切換弁SV2のみを開いて第2燃焼領域F2(図2(b)も併せて参照)を燃焼させることで3本の燃焼管231,231,231に相当する燃焼能力段数が2段の燃焼作動が可能となり、能力切換弁SV1,SV2を開いて第1及び第2の燃焼領域F1,F2(図2(c)も併せて参照)を燃焼させることで5本の燃焼管231,231,…に相当する燃焼能力段数が3段の燃焼作動が可能となり、能力切換弁SV1,SV3を開いて第1及び第3の燃焼領域F1,F3(図4(a)も併せて参照)を燃焼させることで7本の燃焼管231,231,…に相当する燃焼能力段数が4段の燃焼作動が可能となり、全ての能力切換弁SV1,SV2,SV3を開いて第1〜第3の燃焼領域F1,F2,F3(図4(b)も併せて参照)を燃焼させることで10本の燃焼管231,231,…に相当する燃焼能力段数が5段の燃焼作動が可能となる。
又、前記の燃焼加熱部23は、ガス比例弁SVLが前記の燃焼能力切換制御部による開度制御を受けて、各燃焼段数(燃焼能力の段数)での燃焼号数を変更調整可能となっている。例えば、図3及び図5に示すように、燃焼能力段数が1段では2.5号〜5.0号の燃焼範囲で変更調整可能であり、以下同様に、燃焼能力段数が2段では3.5号〜7.5号の燃焼範囲、燃焼能力段数が3段では6.1号〜11.0号の燃焼範囲、燃焼能力段数が4段では8.5号〜15.3号の燃焼範囲、燃焼能力段数が5段では13.2号〜24.0号の燃焼範囲、においてそれぞれ変更調整可能である。
以上の給湯回路2,追焚回路3及び注水・注湯回路4等は、MPU、メモリ等を備え各種の制御用プログラムが格納されたコントローラ5によって、給湯運転、追焚運転、注水・注湯による湯張り運転、湯張り・追焚・保温までを自動制御するふろ自動運転、又は、配管洗浄制御等の各種の運転制御が、リモコン51からの出力及び前記の各種センサからの出力等に基づいて行われるようになっている。すなわち、前記コントローラ5は、給湯運転制御部や、ふろ自動運転制御部等を備えている。そして、給湯運転制御部による給湯運転制御の際に、設定給湯温度の給湯を実現するために前記の燃焼能力切換制御部により燃焼加熱部23の燃焼段数の切換制御や、各燃焼段数での燃焼量調整制御が実行される。
給湯運転制御部による給湯運転制御、及び、ふろ自動運転制御部によるふろ自動制御について簡単に説明する。給湯運転制御は、ユーザーが給湯栓25を開いて最低作動流量以上の流れを流量センサ27が検出すると開始され、まず給湯用燃焼加熱部23及びガス供給系37からなる給湯燃焼系を制御して所定の燃焼段で、所定の燃焼量にすることで、その燃焼熱を受けて給湯用熱交換器22を通る給水が熱交換加熱され、設定給湯温度まで加熱・温調された湯が給湯路24を通して給湯栓25に給湯されることになる。又、ふろ自動制御は、リモコン51のふろ自動スイッチをユーザーがON操作することで開始され、まず、注水・注湯回路4及び追焚循環路30を通して給湯装置2からの湯が浴槽6に湯張りされる。この際の湯張り量は水位センサ46又は注湯流量センサ42の積分等により把握・特定されて、浴槽6内には所定水位まで湯張りされることになる。次に、追焚回路3の追焚用燃焼加熱部33及びガス供給系37からなる追焚燃焼系や循環ポンプ31が作動制御され、追焚用燃焼加熱部33の燃焼熱を受けて追焚用熱交換器32を通る浴槽6内の湯水が熱交換加熱され、所定の沸き上げ温度まで追焚加熱されることになる。追焚加熱が終了すれば、引き続いて、浴槽6内の湯水温度を一定に維持させるために間欠的に追焚制御を実行する保温運転を、設定時間が経過するまで、又は、ユーザーにより風呂自動スイッチがOFFされるまで行う。
前記の給湯運転制御においては、設定給湯温度の如何に応じて必要な燃焼号数(要求号数)のFF号数(フィードフォワード制御用の号数)が定められ、そのFF号数に基づいて燃焼段数が定められ(図3,図5参照)、以後、要求号数の変動に応じて燃焼段数の段数切換や燃焼量の変更調整が行われることにより、設定給湯温度の給湯が行われることになる。又、その際には、給水路21から給湯用熱交換器22に入水する水の温度や流量の検出値に応じて、バイパス路26からの水との混水による温度調整や、水量調整弁24aの開度調整を行うことにより、給湯栓25に対する給湯が設定給湯温度になるように制御される。
<第1実施形態>
次に特徴部分である結露防止制御について、燃焼加熱部23を対象にして、給湯用熱交換器22のフィンアンドチューブ式に構成された一次熱交換器22aのフィン間閉塞発生を回避することを目的にした第1実施形態について、図6〜図8を参照しつつ説明する。前記のコントローラ5には第1実施形態の結露防止制御部(結露防止制御手段)が備えられ、この結露防止制御部による結露防止制御が、前記の燃焼能力切換制御部による燃焼段数の切換制御と燃焼量の変更調整とに併行して以下に説明する如く実行される。もちろん、同様な制御を追焚回路3側の燃焼加熱部33を対象にして実施することも可能である。
まず、前記燃焼能力切換制御部による燃焼段数の切換制御により設定されている現在の燃焼能力の段数は4段であるか否かを判定する(ステップS11)。4段で燃焼していれば(ステップS11でYES)、その燃焼号数が予め定めた結露発生防止のための燃焼号数範囲G1内か否かを判定し(ステップS12)、その燃焼号数範囲G1内での燃焼であれば、燃焼が継続される時間を積算する(ステップS13)。ステップS11で燃焼段が4ではなければ、又は、燃焼号数が所定の燃焼号数範囲G1ではなければ、それぞれリターンしてステップS11以降を繰り返す。第1実施形態における燃焼号数範囲G1(図5参照)は次のように定められる。すなわち、4段での燃焼で可能な燃焼号数範囲(8.5〜15.3号)の内の小側燃焼号数範囲であって、かつ、3段での燃焼で可能な燃焼号数範囲(6.1〜11.0号)と重複する燃焼号数範囲(8.5〜11.0号)、つまり、4段での最小燃焼号数(8.5号)〜3段での最大燃焼号数(11.0号)の範囲を基本として、この範囲の最大側を所定値α(例えば0.8号)分だけ減じた範囲(8.5〜10.2号)を燃焼号数範囲G1として定めている。
これは、4段の燃焼領域での燃焼状態で、かつ、その4段の燃焼号数の小側範囲での燃焼状態が最も結露を生じ易いと考えられる点が基本にあり、これを解消するために低段数側の3段の燃焼領域に切換制御する上で、出湯温度を維持したままで段数切換が可能な燃焼号数範囲(3段での燃焼号数範囲との重複範囲)を切換制御上の判定範囲G1として定めたのである。又、その燃焼号数範囲G1の最大側を前記の所定値α分だけ減じたのは、あまり最大側の境界ぎりぎりであると、結露防止制御により4段から3段に切換制御したにも拘わらず、些細な変動(例えばガス供給圧のハンチングによるずれ変動等)の発生に起因して本来の燃焼能力切換制御の実行により3段から4段へ再度切換制御されてしまい、又さらに結露防止制御により4段から3段へと段数切換が繰り返されるなどの不都合を回避するためにα分の余裕代を設定したものである。これにより、結露防止を安定した制御の下で実現させることができる。
そして、ステップS13で積算していった積算時間が所定の設定時間を超えれば(ステップS14でYES)、結露発生防止のために3段への段数切換が必要と判断し、同等の燃焼号数を維持したまま、それまでの4段の燃焼段を3段に切換制御する(ステップS15)。4段での燃焼段で例えばa(図5参照)で示す燃焼号数で燃焼していたとすると、このaと同じ燃焼号数のb(図5参照)で示す燃焼号数での3段の燃焼に切り換えるようにするのである。これにより、段数切換したとしても、同じ給湯温度を維持しながら、結露発生防止を図ることができるようになる。以上において、結露発生防止のための判定条件としては、燃焼能力段数が4段であること、燃焼号数がその4段の所定の小側範囲であること、その燃焼状態が継続する積算時間が一定時間以上になること、が設定されている。
図7は、燃焼加熱部23(正面断面図状態)が4段の燃焼段で燃焼しているときの熱交換器22a(平面断面図状態)内を移動する湯水の状態を示すものである。なお、図7では、燃焼加熱部23を正面断面図状態にて表し、熱交換器22aを平面断面図状態にて表している。図7の如く、4段の燃焼段では熱交換器22aの下流側範囲の燃焼領域F1,F3が燃焼作動され、熱交換器22aの上流側範囲の燃焼領域F2が燃焼停止状態となっている。このため、接続路20(給水路21)を通して熱交換器22aに入水されて燃焼停止状態の燃焼領域F2の上方範囲の熱交換器22a内に流される冷たい水と、燃焼状態の燃焼領域F1,F3の上方範囲の熱交換器22a内で加熱された湯との境界部分Kで結露が生じ易くなる。これを前記結露防止制御により3段に段数切換することにより、図8に示すように結露発生のおそれを解消し得ることになる。すなわち、3段の燃焼段では熱交換器22aの上流側範囲の燃焼領域F1,F2が燃焼作動され、熱交換器22aの下流側範囲の燃焼領域F3が燃焼停止状態となっている。このため、接続路20(給水路21)を通して入水した冷たい水は熱交換器22aに入水したとたんに加熱され、下流側に移動しながらさらに加熱され、所定温度まで高温になった湯が給湯路24に出湯されることになる。つまり、熱交換器22a内は上流側から下流側まで加熱された湯が流れることになるため、結露発生のおそれはない。そして、入水側の冷たい水と加熱された湯との境界は外側から缶体1内に入る入口部分となり、たとえ結露が生じたとしても熱交換器22aのフィン間閉塞を発生させるおそれはない状態とすることができる。しかも、3段に切換制御されても、段数切換前の4段での燃焼号数と同等の燃焼号数で燃焼継続されるため、それまでと同じ温度を維持したまま出湯させることができ、給湯使用中のユーザーに対し不都合を与えることもない。
<第2実施形態>
図9は第2実施形態に係る結露防止制御のフローチャートである。第2実施形態は段数切換判定のための燃焼号数範囲G2が第1実施形態の燃焼号数範囲G1よりも最大側に拡大されている点、結露防止のために3段に段数切換するために水量調整弁24aを絞り側に変更制御する点で異なる。
第2実施形態の結露防止制御部(結露防止制御手段)による結露防止制御では、まず、現在の燃焼能力の段数が4段であるか否かを判定し(ステップS21)、4段で燃焼していれば(ステップS21でYES)、その燃焼号数が予め定めた結露発生防止のための燃焼号数範囲G2内か否かを判定し(ステップS22)、その燃焼号数範囲G2内での燃焼であれば、燃焼が継続される時間を積算する(ステップS23)。ステップS21で燃焼段が4ではなければ、又は、燃焼号数が所定の燃焼号数範囲G2ではなければ、それぞれリターンしてステップS21以降を繰り返す。この第2実施形態における燃焼号数範囲G2(図5参照)は次のように定められる。すなわち、4段での燃焼で可能な燃焼号数範囲(8.5〜15.3号)の内の結露発生のおそれがあると考えられる小側燃焼号数範囲(例えば8.0〜12.0号)が、燃焼号数範囲G2として定められている。つまり、第1実施形態の燃焼号数範囲G1が3段での燃焼に段数切換が可能な範囲との重複範囲に制限されているのに対し、第2実施形態の燃焼号数範囲G2は4段燃焼状態のなかでも結露が生じ易いと考えられている小燃焼号数範囲、それ自体が設定されている。これにより、第2実施形態では、結露防止制御による低段数側への段数切換を、第1実施形態よりも広い燃焼号数範囲で行うことができ、より確実な結露防止制御を実現することができるようになる。
そして、ステップS23で積算していった積算時間が所定の設定時間を超えれば(ステップS24でYES)、結露発生防止のために3段への段数切換が必要と判断し、同じ出湯温度を維持したまま3段への段数切換が可能か否かをチェックするために、現在の燃焼号数が3段への段数切換可能な号数範囲G1(8.5〜10.2号)にあるか否かを判定する(ステップS25)。もしも、前記号数範囲G1よりも大側であれば(ステップS25でNO)、水量調整弁24aを絞り側に開度変更制御する(ステップS26)。この水量調整弁24aの絞り側への開度変更により、給湯路24に流れる給湯流量が少なくなって同じ燃焼号数(燃焼量)だと出湯温度がそれまでよりも高くなる。このため、同じ出湯温度に維持するように、流量低減分だけ燃焼加熱部23の燃焼号数も小側になるように、給湯制御によって自動的に比例制御されることになる。そして、再度、現在の燃焼量(燃焼号数)は3段への段数切換可能な号数範囲G1(8.5〜10.2号)にあるか否かを判定し、この号数範囲G1内であれば(ステップS25でYES)、同等の燃焼号数を維持したまま、それまでの4段の燃焼段を3段に切換制御する(ステップS27)。例えば、それまでの燃焼号数がc(図5参照)で示す燃焼号数で燃焼していた場合、この燃焼号数cを維持したままでは3段への段数切換は不能であるところ、水量調整弁24aを絞ることで必要な燃焼号数をd(例えばd≦10.2号;図5参照)まで下げれば、燃焼号数dと同じ燃焼号数e(図5参照)での3段への段数切換が可能になる。なお、前記のステップS25による当初のチェックにおいて、そのときの燃焼量(燃焼号数)が3段への段数切換可能な号数範囲G1(8.5〜10.2号)にあれば(ステップS25でYES)、水量調整弁24aの絞り側への変更調整(ステップS26)を経ることなく、同等の燃焼号数を維持したまま、燃焼段を3段に切換制御する(ステップS27)。
この第2実施形態の場合、結露が発生すると考えられる燃焼段数(燃焼領域)・燃焼号数範囲での燃焼が長時間継続することが確実に防止され、結露発生防止を確実に実現させることができるようになる。具体的には、現在の燃焼が、第1実施形態の場合の所定の結露発生防止のための成立条件の内の即座に低段数への段数切換が可能な燃焼号数範囲での燃焼ではなくて、それよりも広い燃焼号数範囲での燃焼であったとしても、低段数への段数切換を可能とするための処理制御(水量調整弁24aの絞り側への変更調整)を付加することにより、第1実施形態と同様の低段数への段数切換を行うことができるようになる。
<他の実施形態>
なお、本発明は上記第1及び第2実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、前記実施形態における燃焼領域の数(3つ)や、それぞれ燃焼領域での燃焼管231の本数、燃焼能力段数(5段)等については例示であり、これら以外に設定することもできる。
前記実施形態では、潜熱回収型の給湯装置を示したが、これに限らず、複数の燃焼領域の選択的燃焼により複数段の燃焼能力の変更切換が可能に構成された給湯装置であれば、本発明を適用することができる。