本発明の一態様によれば、
筐体と、
加熱対象が載置される調理皿と、
筐体内に配置され、且つ調理皿を出し入れ可能に収容する箱状の調理庫と、
筐体の内底部と調理庫の外底部との間にそれぞれ空間を保って配置され、且つ調理庫内の調理皿を誘導加熱する加熱コイルを備えるコイルユニットと、
コイルユニットと筐体の内底部との間に空気を送風することによってコイルユニットを冷却する冷却装置と、を備え、
コイルユニットと調理庫の外底部との間の上側空間に流れ込む空気の流入量を、コイルユニットと筐体の内底部の間の下側空間に流れ込む流入量に比べて少なくなるように制限する、加熱調理器が提供される。
本発明の一態様によって提供される加熱調理器において、コイルユニットを冷却するための冷却装置によって送風された空気は、空気流入制限部材によってコイルユニットと調理庫の外底部との間への流入を制限される。その結果、調理庫内の調理皿の温度低下を抑制しつつ、加熱コイルを冷却することができる。
コイルユニット上面と調理庫の外底部との隙間を0.1mm以上10mm以下の範囲に設定することによって上側空間への空気の流入を制限してもよい。
コイルユニットと調理庫の外底部との間の上側空間への空気の流入を制限する空気流入制限部材を設けてもよい。
空気流入制限部材は、コイルユニットの外周を囲むように調理庫の外底部に設けられている環状のリブであってもよい。
加熱調理器は、調理庫の外底部に接触して該外底部の温度を検出する温度センサを有してもよい。空気流入制限部材によってコイルユニットと調理庫の外底部との間への空気の流入が制限されているため、温度センサは安定した精度で調理庫の外底部の温度を検出することができる。
調理皿は、調理庫の内底部との間に空間ができるように、調理庫の内底部に向かって突出する脚部を備えてもよい。これにより、誘導加熱によって高温状態にされた調理皿から調理庫の内底部への熱の移動が抑制され、その内底部からコイルユニットへの熱の移動も抑制される。
コイルユニットは、加熱コイルが載置される絶縁板と、絶縁板が載置されるフェライトと、フェライトが載置され、間隔をあけて筐体の内底部と対向し、且つ貫通穴を備える防磁板とを、有してもよい。冷却装置から送風された空気によって防磁板およびフェライトを直接的に冷却することにより、加熱コイルの熱が絶縁板を介してフェライトおよび防磁板に移動する。その結果、加熱コイルが冷却される。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る加熱調理器の上方斜視図である。図2は、トッププレートが省略された加熱調理器の上方斜視図である。図3は、コイルユニット、操作ユニット、右側支持プレート、および冷却ユニットを取り外した状態の図2に示す加熱調理器の上方斜視図である。そして、図4は、制御ユニット、左側支持プレート、およびグリルユニットを取り外した状態の図3に示す加熱調理器の上方斜視図である。
図1および図2に示すように、加熱調理器10は、加熱調理器10の複数の構成要素(詳細は後述する)を収容する筐体12と、筐体12の上部に取り付けられるトッププレート14とを有する。なお、図において、X軸方向は加熱調理器10の奥行き方向(前後方向)を示し、Y軸方向は幅方向(左右方向)を示し、Z軸方向は高さ方向(上下方向)を示す。また、符号「F」は加熱調理器10の前側を、「B」は後側、「R」は右側、そして「L」は左側を示している。
筐体12は、上方が開いた箱状であって、例えば金属材料から作製されている。
トッププレート14は、耐熱性に優れた絶縁材料、例えばガラスから作製されている。トッププレート14はまた、筐体12の上部の開口を覆うように該筐体12に取り付けられる。トッププレート14上には、加熱対象を収容した鍋などの容器が載置される。
図2に示すように、トッププレート14上に載置された容器を誘導加熱するための複数のコイルユニット16が、筐体12の内部空間における上側に配置されている。
また、加熱調理器10をユーザが操作するための操作ユニット18が、筐体12の内部空間における上部前側に配置されている。操作ユニット18はまた、トッププレート14を介してユーザに操作される静電容量スイッチ18aを備える。
図3に示すように、複数のコイルユニット16および操作ユニット18は、右側支持プレート20および左側支持プレート22上に載置された状態で筐体12内に収容されている。右側支持プレート20の下方には、加熱調理器10を制御する制御ユニット24と、筐体12内を冷却するための冷却ユニット26とが配置されている。一方、図4に示すように、左側支持プレート22の下方には、グリルユニット28が配置されている。
図4に示すように、筐体12の内部空間は、隔壁30によって右側空間と左側空間とに区分けされている。右側空間に制御ユニット24と冷却ユニット26とが収容され、左側空間にグリルユニット28が収容されている。なお、右側空間において、冷却ユニット26は、制御ユニット24に対して加熱調理器10の前側に配置されている。
図3に示すように、冷却ユニット26は、筐体12内に空気の流れを形成するファン26aを搭載している。そのファン26aによって筐体12の前側に形成された複数の貫通穴12aを介して外気が筐体12内に取り込まれる。
冷却ユニット26のファン26aによって筐体12内に取り込まれた空気は、制御ユニット24に向かって流れる。制御ユニット24を通過した空気の一部は、トッププレート14の後側に形成された排気口14aを介して外部に流出する。
制御ユニット24を通過した残りの空気は、図4に示すように隔壁30に形成された貫通穴30a、30bを介して、左側空間内に流入する。なお、詳細は後述するが、隔壁30の下側に形成されている貫通穴30aを通過した空気は、グリルユニット28と筐体12の内底部との間に流入する。
図4に示すように、グリルユニット28は、加熱調理器10の前側に開口28aを備える、略直方体形状のユニットである。グリルユニット28は、その開口28aが筐体12の前側に形成された開口12bと接続するように筐体12内に配置される。
このグリルユニット28内に、その開口28aを介して、例えば肉や魚などの調理対象が載置された調理皿32が投入される。調理皿32が内部に投入されたグリルユニット28の開口28aは、扉カバー34によって閉じられる。扉カバー34は、加熱調理器10の奥行方向(X軸方向)に筐体12に対して進退可能なレール36に取り付けられている。
ここからは、グリルユニット28について、図5〜図9を参照しながら、さらに詳細に説明する。
図5は、グリルユニット28の下方斜視図である。図6は、グリルユニットの底面図である。図7は、グリルユニットの分解図である。そして、図8は、グリルユニットの概略的な断面図である。
図5〜図8に示すように、グリルユニット28は、グリルユニット28内に投入された調理皿32を誘導加熱するためのグリル用コイルユニット40を有する。
具体的に説明すると、グリルユニット28は、金属材料から作製され、調理皿32を出し入れ可能に収容する箱状(直方体形状)の調理庫42を有する。調理庫42は、加熱調理器10の奥行方向(X軸方向)の一端に、調理皿32が通過する開口28aを備える。また、図7および図8に示すように、調理庫42は、その底部に、グリル用コイルユニット40の上部が収容可能な大きさの貫通穴42aを備える。この貫通穴42aを上方から覆うように、ガラスなどの磁束が通過可能な材料から作製された耐熱絶縁板44が、調理庫42内に配置されている。この耐熱絶縁板44は調理庫42の底部として機能する。
図8に示すように、グリルユニット28の調理庫42内に投入された調理皿32は、調理庫42の内底部上、すなわち耐熱絶縁板44上に載置される。調理皿32は、大部分が耐熱絶縁板44との間に空間を設けた状態で該耐熱絶縁板44上に載置される。そのために、調理皿32の前側が、扉カバー34に設けられて幅方向(Y軸方向)に延在するフックバー46に着脱可能に架けられている。また、調理皿32の後側に耐熱絶縁板44に向かって突出する脚部32aが形成されている。
扉カバー34が加熱調理器10の前側にスライド移動されると、調理皿32が耐熱絶縁板44上を移動する。このとき、調理皿32の脚部32aのみが耐熱絶縁板44に接触しているため、調理皿32の全体が耐熱絶縁板44に接触している場合に比べて、耐熱絶縁板44上の塗装の剥離が抑制される。また、調理皿32の全体が耐熱絶縁板44に接触している場合に比べて、後述するグリル用コイルユニット40のコイルに誘導加熱されることによって高温状態になった調理皿32から耐熱絶縁板44への熱の移動を抑制することができる。その結果、耐熱絶縁板44からグリル用コイルユニット40への熱の移動も抑制される。
図7および図8に示すように、耐熱絶縁板44の下方に、具体的には、貫通穴42aを介して視認可能な耐熱絶縁板44の部分の下方に、グリル用コイルユニット40が配置されている。
グリル用コイルユニット40は、加熱コイル48と、加熱コイル48が載置される集成マイカなどの絶縁板50と、絶縁板50が載置される強磁性体であるフェライト52と、フェライト52が載置され、アルミニウムなどの非磁性金属材料から作製された防磁板54とを有する。
加熱コイル48は、グリルユニット28の調理庫42内の投入された調理皿32を誘導加熱する磁束を発生させる。
絶縁板50は、加熱コイル48とフェライト52との間に配置され、これらの間の電気絶縁を確保する。
フェライト52は、加熱コイル48によって発生した磁束を集める(磁束の拡がりを抑制する)役割をする。
防磁板54は、加熱コイル48によって発生した磁束が下方に拡がらないように該磁束を遮蔽する、すなわち磁束が調理皿32の誘導加熱に効果的に使用されるようにする。防磁板54はまた、理由は後述するが複数の貫通穴54aを備える。
なお、加熱コイル48、絶縁板50、フェライト52、および防磁板54はそれぞれ、隣接するグリル用コイルユニット40の構成要素に対して、熱伝導性に優れた高熱伝導性接着剤によって接着されている。また、本実施の形態の場合、加熱コイル48の上部に、集成マイカなどの絶縁板56が高熱伝導性接着剤を介して取り付けられている。この絶縁板56と絶縁板50とに挟まれることにより、コイル線を渦状に巻いて形成される加熱コイル48は、その形状が維持される。
図8に示すように、グリル用コイルユニット40は、調理庫42の外底部(耐熱絶縁板44)との間に空間を設けた状態で該調理庫42に取り付けられている。
具体的には、グリル用コイルユニット40は、図5、図6、および図8に示すように、複数のブラケット60、62を介して、調理庫42の耐熱絶縁板44と加熱コイル48との間に空間を設けた状態で調理庫42の外底部に取り付けられる。
ブラケット60、62は、例えば耐熱性に優れた樹脂材料から作製されている。本実施の形態の場合、ブラケット60、62は、図8および図9に示すように、グリル用コイルユニット40の防磁板54の下部の外縁を保持するコイルユニット受け部60a、62aを備える。また、ブラケット60、62は、図7に示すように、調理庫42の貫通穴42aの周囲に設けられ、下方に向かって突出するボス部42bに取り付けられる調理庫取り付け部60b、62bを備える。
図8に示すように、ブラケット60、62を介することにより、グリル用コイルユニット40は、加熱コイル48と調理庫42の外底部、すなわち耐熱絶縁板44との間に空間が形成された状態で、且つ、その上部が調理庫42の貫通穴42a内に収容された状態で、調理庫42に取り付けられる。
これにより、グリル用コイルユニット40の加熱コイル48と調理庫42の外底部(耐熱絶縁板44)との間に空気の断熱層が形成される。このような空気の断熱層を形成する理由について説明する。
グリル用コイルユニット40の加熱コイル48によって調理庫42内の調理皿32が誘導加熱されると、扉カバー34によって閉じた空間である調理庫42の内部空間が高温状態になる。この高温状態の調理庫42の内部空間(およびその内部の調理皿32)から耐熱絶縁板44を介してグリル用コイルユニット40の加熱コイル48に向かって熱が輻射される。
このとき、加熱コイル48と耐熱絶縁板44との間に空気の断熱層が形成されているために、耐熱絶縁板44から加熱コイル48への熱の移動が、これらが当接している場合に比べて(空気の断熱層がない場合に比べて)抑制される。その結果、加熱コイル48の温度上昇が抑制される。
加熱コイル48と耐熱絶縁板44との間に空気の断熱層が存在するものの、耐熱絶縁板44から加熱コイル48に伝わる熱量はゼロではない。また、加熱コイル48自体も発熱する。そのため、加熱コイル48は、筐体12内に放熱することによって冷却される、または強制的に冷却される。
加熱コイル48の冷却は、主に、グリル用コイルユニット40の防磁板54を介して間接的に実行される。
グリル用コイルユニット40の防磁板54は、加熱コイル48の熱を絶縁板50、フェライト52、およびそれらの間の熱伝導性接着剤を介して吸収し、その吸収した熱を筐体12内に放出する放熱手段として機能する。また、その防磁板54を強制的に冷却することにより、加熱コイル48は間接的に強制冷却される。
具体的には、図8に示すように、冷却ユニット26によって送風されて隔壁30の貫通穴30aを通過した空気が、グリル用コイルユニット40(防磁板54)と筐体12の内底部との間に流入する。その空気によってグリル用コイルユニット40の防磁板54が冷却される。それにより、加熱コイル48の熱が、絶縁板50、フェライト52、およびこれらの間の熱伝導性接着剤を介して防磁板54に吸収される。その結果、加熱コイル48が冷却される。
また、防磁板54には複数の貫通穴54aが形成されている。これにより、フェライト52が、冷却ユニット26によって送風された空気によって直接的に冷却される。その結果、加熱コイル48の冷却効率が向上する。なお、冷却ユニット26によって送風された空気と接触する防磁板54の表面積を増加させるために、防磁板54にフィンを設けてもよい。
冷却ユニット26によって送風された空気がグリル用コイルユニット40と調理庫42の外底部(耐熱絶縁板44)との間に流入しないように、すなわち空気の断熱層が維持されるように、この間への空気の流入を制限する空気流入制限部材が設けられている。
本実施の形態の場合、グリル用コイルユニット40と調理庫42の外底部(耐熱絶縁板44)との間への空気の流入を制限する空気流入制限部材は、調理庫42に設けられた環状のリブ42cである。
リブ42cは、図7に示すように調理庫42の貫通穴42aを囲むように、すなわち図8に示すように貫通穴42aに一部が収容されたグリル用コイルユニット40の外周を囲むように、調理庫42の外底部から突出している。
このリブ42cにより、冷却ユニット26によって送風された空気は、グリル用コイルユニット40の加熱コイル48と調理庫42との間の流入することが抑制される。その結果、グリル用コイルユニット40の加熱コイル48と調理庫42との間の空気の断熱層が維持される。また、冷却ユニット26によって送風された空気による調理庫42の外底部(耐熱絶縁板44)の冷却が抑制される。その結果、調理庫42の内底部(耐熱絶縁板44)上の調理皿32の温度の低下が抑制される。
本実施の形態の場合、リブ42cがグリル用コイルユニット40の加熱コイル48と調理庫42の外底部(耐熱絶縁板44)との間への空気の流入を制限することにより、調理皿32の温度を検出するための温度センサ70の検出精度が安定する。ここで、リブ42cが貫通穴42aを囲むように設けられているので、調理庫42の外底部の強度を高めることができる。
本実施の形態の場合、図8に示すように、調理庫42の外底部(耐熱絶縁板44)に接触して該外底部の温度を検出する温度センサ70が設けられている。温度センサ70は、温度変化に対応して電気抵抗が変化するサーミスタである。
温度センサ70は、調理庫42の外底部(耐熱絶縁板44)の温度を検出することにより、調理庫42の内底部(耐熱絶縁板44)上の調理皿32の温度を間接的に検出するように構成されている。また、温度センサ70は、センサホルダ72を介してグリル用コイルユニット40の防磁板54に固定されている。温度センサ70の検出結果に基づいて、グリル用コイルユニット40の加熱コイル48の出力が制御される。
図8に示すように、温度センサ70は、グリル用コイルユニット40の加熱コイル48と調理庫42の外底部(耐熱絶縁板44)との間に存在する。そのため、加熱コイル48と調理庫42の外底部との間に冷却ユニットによって送風された空気が流入すると、温度センサ70自体の温度が変化する。そのため、温度センサ70は、調理庫42の外底部の温度を安定した精度で検出することができなくなる。したがって、リブ42cが加熱コイル48と調理庫42の外底部との間への空気の流入を制限することにより、温度センサ70は安定した精度で調理庫42の外底部の温度を検出することができる。
ここで、グリル用コイルユニット40が、直接的に調理庫42に取り付けられずに、図5〜8に示すようにブラケット60、62を介して間接的に調理庫42に取り付けられている理由について説明する。
まず、第1の理由は、ブラケット60、62を用いることにより、調理庫42とグリル用コイルユニット40とを、非接触の状態で、グリルユニット28として一体化することが可能になるからである。それにより、調理庫42自体からグリル用コイルユニット40への熱伝達を抑制することができる。
具体的に説明すると、調理庫42内での加熱調理中、その内部空間の温度上昇にともない、金属製の調理庫42自体の温度も上昇する。この高温状態の金属製の調理庫42に対して熱的に絶縁するために、耐熱性に優れた樹脂材料から作製されたブラケット60、62を介してグリル用コイルユニット40は調理庫42に固定されている。その結果、グリル用コイルユニット40の温度上昇が抑制される。別の観点から言えば、グリル用コイルユニット40に熱を奪われることにより、調理庫42が冷えることが抑制される。その結果として、調理庫42内の調理対象が短時間で効率的に加熱される。
第2の理由は、ブラケット60、62を用いることにより、グリルユニット28の振動を抑制することが可能になるからである。
例えば、本実施の形態と異なり、グリル用コイルユニット40が直接的に調理庫42に取り付けられることによってグリルユニット28が構成される場合を考える。この場合、調理庫42内の調理皿32は、グリル用コイルユニット40の加熱コイル48によって発生した磁束によって誘導加熱される。その一方で、その磁束で加熱コイル48と調理皿32が磁力的に引き合い、加熱コイル48および調理皿32が振動する。それにより、グリル用コイルユニット40および調理庫42それぞれも振動し、その結果としてグリルユニット28全体が振動する。
一方、本実施の形態の場合、グリル用コイルユニット40が、ブラケット60、62を介して間接的に調理庫42に取り付けられている。そのため、グリル用コイルユニット40および調理庫42それぞれが振動しても、その振動が樹脂材料から作製されたブラケット60、62によって吸収される。すなわち、ブラケット60、62が減衰器として機能する。その結果、グリルユニット28の振動が抑制される。
第3の理由は、グリルユニット28の筐体12内への取り付けを容易するためである。
図5および図6に示すように、グリル用コイルユニット40が調理庫42にブラケット60、62を介して取り付けられることにより、これらはグリルユニット28として一体化されている。そのため、グリル用コイルユニット40と調理庫42を別々に筐体12内に取り付ける場合に比べて、その取り付け作業が容易である。
その一方で、グリル用コイルユニット40が調理庫42の外底部にブラケット60、62を介して取り付けられているため、グリル用コイルユニット40から延在するケーブルの配設が困難になりうる。
例えば、図6に示すように、グリル用コイルユニット40の防磁板54に形成された貫通穴54bを通過した加熱コイル48のリード線48aが、防磁板54の裏側(下方側)で延在している。また、本実施の形態の場合、図8に示すようにセンサホルダ72を通過した温度センサ70の信号線70aが防磁板54の裏側で延在している。
加熱コイル48のリード線48a、温度センサ70の信号線70aなどのケーブルは、グリルユニット28が筐体12内に取り付けられた後、図3に示す制御ユニット24に接続される。また、加熱コイル48のリード線48a、温度センサ70の信号線70aなどのケーブルは、熱損傷を抑制するために、調理時に高温状態になる調理庫42に極力接触しないように配設する必要がある。
しかしながら、これらのリード線48a、信号線70aなどのケーブルは、防磁板54の下方、すなわちグリルユニット28の下方で延在しているため、グリルユニット28を筐体12内に取り付ける際には見えにくい。また、グリルユニット28を筐体12に取り付けた後のグリルユニット28と筐体12の内底部との間において、これらのケーブルがどのような状態であるかはわからない。
この対処として、ブラケット62は、グリル用コイルユニット40の防磁板54から延在する加熱コイル48のリード線48a、温度センサ70の信号線70aなどのケーブルを保持するケーブル保持部62c、62dを備える。
ブラケット62のケーブル保持部62cは、図6および図7に示すように、加熱コイル48のリード線48aおよび温度センサ70の信号線70aを引っ掛けて保持するフック状のケーブル保持部である。
一方、ブラケット62のケーブル保持部62dは、加熱コイル48のリード線48aの一端が固定される端子である。端子状のケーブル保持部62dには、制御ユニット24から延在するリード線(図示せず)が接続される。
このようなブラケット62のケーブル保持部62c、62dに、加熱コイル48のリード線48a、温度センサ70の信号線70aなどのケーブルが、大きくたるむことなく、また絡まることなく、さらに調理庫42の外底部に接触することなく適切な状態で保持される。その保持状態を維持しつつグリルユニット28が筐体12に取り付けられる。それにより、グリルユニット28を筐体12に取り付けた後のグリルユニット28と筐体12の内底部との間において、加熱コイル48のリード線48a、温度センサ70の信号線70aなどのケーブルが、大きくたるむことなく、また絡まることなく、さらに調理庫42の外底部に接触することなく適切な状態で配設される。その結果、ケーブルを適切な長さで配設することができ、また高温状態の調理庫42に接触することによって起こるケーブルの熱損傷を抑制することができる。
また、本実施の形態の場合、図6および図8に示すように、温度センサ70の信号線70aは、ブラケット62のケーブル保持部62cに保持された後、ケーブルホルダ74のケーブル保持部74aに保持されている。ケーブルホルダ74は、耐熱性に優れた樹脂材料から作製され、調理庫42の側面(本実施の形態の場合は後面)に取り付けられている。このケーブルホルダ74により、温度センサ70の信号線70aは、調理庫42の側面に接触することなく配設される。また、信号線70aは、制御ユニット24に容易に接続される。
なお、図5および図6に示すリード線76aは、図8に示すように、調理庫42の上部に配置されたヒータ76に接続されている。リード線76aを介して電力を供給されることにより、ヒータ76は、調理庫42内の調理皿32上の調理対象を加熱する。
以上、本実施の形態によれば、加熱コイル48を用いて調理庫42内に収容された調理皿32を誘導加熱することによって該調理皿32上の調理対象を加熱する加熱調理器10において、調理皿32の温度低下を抑制しつつ、加熱コイル48を冷却することができる。
以上、上述の実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されない。
例えば、上述の実施の形態の場合、グリル用コイルユニット40は、調理庫42にブラケット60、62を介して取り付けられているが、本発明の実施の形態はこれに限定されない。
調理庫42の外底部と筐体12の内底部との間にグリル用コイルユニット40が配置され且つグリル用コイルユニット40と筐体12の内底部との間を空気が流れることが可能であれば、グリル用コイルユニット40は、例えば筐体12に取り付けられてもよい。
また、上述の実施の形態の場合、グリル用コイルユニット40の加熱コイル48と調理庫42の外底部との間への空気の流入を制限する、すなわちこれらの間に空気の断熱層を形成する空気流入制限部材は、調理庫42の外底部に一体的に形成された環状のリブ42cであるが、これに限らない。例えば、空気流入制限部材は、調理庫42と別部材であってもよい。すなわち、空気流入制限部材は、グリル用コイルユニット40の加熱コイル48と調理庫42の外底部との間への空気の流入を制限する、すなわちこれらの間に空気の断熱層を安定的に形成することができる部材であれば、その形態を問わない。
例えば、環状のリブ42cに代えて、ボス部42bよりも外側に位置するように、調理庫42の外底面の外周部分に沿って空気流入制限部材を設けても良い。
また、上述の実施の形態の場合、コイルユニット40の加熱コイル48と調理庫42の外底部との間への空気の流入を制限するために、空気流入制限部材を設けたが、空気流入制限部材を設ける代りに、調理庫42の外底部とコイルユニット40の上面との隙間を適切な長さに設定することによって、空気の流入を制限することもできる。
すなわち、コイルユニット40上面と調理庫42の外底部との間に断熱空間として機能する隙間(図8において、コイル48の上の絶縁板56と耐熱絶縁板44との間を示す)を設け、その隙間を所定の長さ範囲に設定することによって、上側空間への空気の流入を制限することができる。この隙間を0に近づけ過ぎると、調理庫42の外底部からコイルユニット40の上面への熱伝導が大きくなり、調理庫内の温度が低下するので、隙間は0.1mm以上とすることが好ましい。熱変形や部品の寸法バラツキなどを考慮すると、隙間は0.3mm以上とすることがより好ましい。
一方、隙間を大きくし過ぎると、コイルユニット40と調理皿の距離が大きくなり、誘導加熱の効率が下がるので、隙間は10mm以下とすることが好ましい。熱変形や部品の寸法バラツキなどを考慮すると、隙間は8mm以下とすることがより好ましい。
調理庫42の外底部とコイルユニット40の上面との隙間を、上述のような長さに設定することによって、コイルユニット40と筐体12の内底部の間の隙間(一般に10mm〜100mm)よりも大幅に狭い隙間とすることができ、コイルユニット40の上側空間への空気の流入量を、コイルユニット40の下側空間への空気の流入量に比べて大幅に制限することができ、空気流入制限部材を設ける場合と同様の効果を発揮することができる。ここで、空気流入制限部材と併用すれば、その効果をより高めることが可能となる。