(実施形態1)
本実施形態に係る通信装置1は、図1に示すように、第1の通信部11と、第2の通信部12と、第1の制御部13とを有している。
第1の通信部11は、外部装置2との通信を行う。
第2の通信部12は、需要家(customer’s facility)でのエネルギーの使用量を計測するメータ装置3との通信を行う。
第1の制御部13は、第1の通信部11が外部装置2から緊急地震速報を受信した場合に、第2の通信部12からメータ装置3に報知信号を送信する。
ここでいう緊急地震速報は、たとえば気象庁などの特定機関が地震の発生直後に発する、地震動の予報・警報である。つまり、気象庁などの特定機関は、地震が発生すると、震源に近い地震計でとらえた観測データを解析して震源や地震の規模(マグニチュード)を直ちに推定し、これに基づいて各地での主要動の到達時刻や震度を予測し、緊急地震速報として発報(報知)する。緊急地震速報は、携帯電話端末、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、ラジオ受信機などの端末に送信され、これらの端末は、緊急地震速報を受信した場合に利用者に報知する。利用者は、地震の発生直後(理想的には主要動の到達前)に、予測される主要動の到達時刻や震度を知ることができるので、地震の発生直後の時間を適切に活用して、被害の軽減を図ることができる。
すなわち、本実施形態に係る通信装置1は、外部装置2からの緊急地震速報を受けるとメータ装置3へ自動的に報知信号を送信する。そのため、メータ装置3が所謂スマートメータのように需要家へのエネルギー(この場合は電力)の供給路上に設けられた開閉器(スイッチ)を備える場合、地震の発生時にはメータ装置3の開閉器にて需要家へのエネルギー供給を遮断することができる。
これにより、通信装置1は、地震発生時には、需要家へのエネルギーの供給を自動的に遮断することができ、電力が供給され続ける場合に比べて安全性を高めることができる。つまり、たとえば地震により暖房器具が転倒するようなことがあっても、暖房器具へのエネルギーの供給を自動的に遮断することで、二次災害を未然に防ぐことができる。
しかも、本実施形態によれば、通信装置1は、外部装置2からの緊急地震速報をトリガにしてメータ装置3へ報知信号を送信するので、メータ装置3は、地震の発生直後(理想的には主要動の到達前)に報知信号を受信することができる。したがって、本実施形態に係る通信装置1によれば、地震の発生時点から需要家へのエネルギーの供給を遮断するまでに要する時間を短縮できる、という利点がある。
また、本実施形態では、上記の通信装置1と、メータ装置3とを備える管理システムについて説明する。
メータ装置3は、切替部31と、第2の制御部32とを有している。切替部31は、需要家へのエネルギーの供給路上に設けられ、需要家へエネルギーを供給する供給状態と、エネルギーの供給を遮断する遮断状態とを切り替える。第2の制御部32は、報知信号を受信した場合に切替部31を遮断状態とするように、報知信号によって切替部31を制御する。
以下、本実施形態に係る通信装置1および管理システムについて詳しく説明する。ただし、以下に説明する構成は、本発明の一例に過ぎず、本発明は、下記実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
以下の実施形態では、メータ装置3で計測されるエネルギーが電力(電気エネルギー)である場合を例として説明する。ただし、エネルギーは電力、ガス、水道、熱など外部の供給事業者から需要家に供給される資源であって、電力に限る趣旨ではない。また、以下ではエネルギーの需要家が戸建住宅である場合を例に説明するが、この例に限らず、需要家はたとえば集合住宅の各住戸、事務所、店舗、工場などであってもよい。
まず、メータ装置3について説明する。
メータ装置3は、図1に示すように、切替部31と、第2の制御部32と、計測部33と、通信ユニット34と、検知部35と、記憶部36とを備えている。
メータ装置3は、所謂スマートメータであって、需要家で使用された電力量(使用電力量)をエネルギーの使用量として計測部33で計測し、需要家外に設けられているコンセントレータ(図示せず)に送信するように構成されている。このように、メータ装置3は、検針値(計測部33の計測結果)を通信ユニット34から通信によりコンセントレータに送信することで、遠隔検針を可能にする。
また、エネルギーの供給事業者である電力会社、あるいは節電事業者によって運営されているサーバ(図示せず)から各需要家のメータ装置3に、電力の消費を抑制するための要請である要請情報など、種々の情報が送信される場合もある。ここでいう要請情報は、たとえば電力需給の調整を要求するDR(デマンドレスポンス)情報である。
さらに詳しく説明すると、計測部33は、電力の供給事業者から需要家へのエネルギー(ここでは電力)の供給路となる電力線6に電気的に接続されており、需要家での使用電力量を計測する電力メータ(電力量計)である。ここでは、メータ装置3は、計測部33と、その他の構成要素(切替部31、第2の制御部32、通信ユニット34、検知部35、記憶部36)とが1つの筐体(図示せず)に収められていることとするが、別々の筐体を有していてもよい。
切替部31は、供給事業者から需要家へのエネルギー(ここでは電力)の供給路となる電力線6上に設けられた開閉器(スイッチ)である。切替部31は、供給状態と遮断状態との2状態を切替可能に構成されている。供給状態では、切替部31は、電力線6に挿入されている接点を閉じる(オンする)ことによって、需要家へエネルギーを供給する。遮断状態では、切替部31は、電力線6に挿入されている接点を開く(オフする)ことによって、需要家へのエネルギーの供給を遮断する。
第2の制御部32は、通信装置1からの報知信号に応じて切替部31を制御し、供給状態と遮断状態とを切り替える。具体的には、第2の制御部32は、緊急地震速報を受信した通信装置1からメータ装置3へ報知信号が送信されると、地震発生と判断して切替部31を遮断状態に制御する。一方、メータ装置3が通信装置1からの報知信号を受信していない状態では、第2の制御部32は、切替部31を供給状態に制御する。
通信ユニット34は、需要家内に設けられた通信装置1の第2の通信部12と通信可能に構成されている。通信ユニット34は、少なくとも通信装置1からの報知信号を受信する機能を有している。さらに、通信ユニット34は、通信装置1を介して、需要家内に設けられている表示装置(図示せず)とも通信可能に構成されており、検針値や要請情報などを表示装置に送信して表示装置に表示させることが可能である。
また、通信ユニット34は、需要家外に設けられたコンセントレータやサーバとも通信可能に構成されている。これにより、メータ装置3は、上述したように検針値をコンセントレータに送信したり(遠隔検針)、サーバから要請情報を受信したりすることができる。
検知部35は、加速度センサ(図示せず)を用いて構成され、メータ装置3に加わった加速度に基づいて揺れの大きさ(震度)を検知する感震センサである。つまり、検知部35は、地震の発生時に揺れの大きさを計測するように構成されており、メータ装置3の揺れの大きさを監視することで地震の発生を検知する。ただし、検知部35で検知されるのは、P波のみによる振動(初期微動)ではなく、S波と表面波によって引き起こされる主要動である。
ここでは、加速度センサとして、たとえばMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いた小型の加速度センサを用いることにより、検知部35の小型化、ワンチップ化を図っている。検知部35は、検知した揺れの大きさを、たとえば「レベル1」〜「レベル10」の10段階で表し、検知結果として第2の制御部32へ出力するように構成されている。
ところで、本実施形態では、第2の制御部32は、報知信号を受信後に検知部35にて検知した揺れが第1の震度未満である場合、切替部31を遮断状態に切り替えてから所定の復帰時間が経過すると、切替部31を供給状態に切り替えるように構成されている。すなわち、第2の制御部32は、通信装置1から報知信号を受信すると切替部31を遮断状態に制御するが、その後、検知部35で検知さる揺れが第1の震度未満であれば、復帰時間の経過後に切替部31を供給状態に復帰させる。
具体的には、第2の制御部32は、切替部31を遮断状態に切り替えてから復帰時間が経過するまでの期間を監視期間とし、この監視期間内に検知部35で検知された揺れの大きさ(震度)を、記憶部36に記憶されている第1の震度と比較する。そして、第2の制御部32は、監視期間内に、検知部35で検知された揺れの大きさが第1の震度以上になれば、切替部31を遮断状態に維持し、第1の震度以上にならなければ、切替部31を供給状態に制御する。
復帰時間は、固定的に決められた時間であってもよいし、主要動の到達時刻を反映して動的に決められる時間であってもよい。後者の場合、たとえば緊急地震速報では10秒後に主要動が到達すると推定されているにも関わらず、1分の復帰時間が経過しても検知部35にて揺れが検知されないようなときに、第2の制御部32は切替部31を供給状態に復帰する。
なお、検知部35は、本実施形態では計測部33等が収められた筐体に内蔵されているが、この筐体に外付けされる形で設けられていてもよい。外付けされる場合、検知部35は、上述した第2の制御部32の機能の一部である、揺れが第1の震度未満か否かの判断まで行うように構成される。つまりこの場合、検知部35は、検知した揺れの大きさを内蔵メモリ(図示せず)に記憶した第1の震度と比較し、第1の震度以上であれば地震発生と判断する。外付けされた検知部35は、筐体に設けられる入力端子(図示せず)に電気的に接続され、地震発生時には、内部の接点(図示せず)をオンして入力端子を電気的に短絡させることにより、検知結果(地震発生)を第2の制御部32へ出力する。
記憶部36は、上述した第1の震度を予め記憶している。第1の震度は、上述したように第2の制御部32が切替部31を供給状態に復帰するか否かを決めるための閾値であって、上述した「レベル1」〜「レベル10」の10段階の揺れの大きさから選択され、メータ装置3の出荷前に予め記憶部36に記憶される。ただし、第1の震度の初期値は、メータ装置3の出荷後に、利用者(需要家の家人)によって設定され記憶部36に登録されてもよい。
なお、本実施形態では、メータ装置3はマイコン(マイクロコンピュータ)を有しており、マイコンに適宜のプログラムを実行させることによって、第2の制御部32の機能を実現する。プログラムはたとえば記憶部36に記憶されている。
次に、本実施形態に係る通信装置1について説明する。
本実施形態に係る通信装置1は、図1に示すように、外部装置2との通信を行う第1の通信部11と、メータ装置3との通信を行う第2の通信部12と、第1の制御部13とを有している。さらに、図1の例では通信装置1は第3の制御部14を有しているが、第3の制御部14については実施形態2で説明する。
この通信装置1は、上述したメータ装置3と共に本実施形態に係る管理システムを構成する。通信装置1は、メータ装置3の近傍、あるいは需要家内における所定の位置(たとえば分電盤の近傍)に配置されている。
外部装置2は、地震発生時に緊急地震速報を通信装置1に送信する装置であればよく、本実施形態では緊急地震速報を配信する配信サーバであると仮定する。ただし、外部装置2は配信サーバに限らず、たとえば需要家内に設けられインターネットに接続されたパーソナルコンピュータ等の情報端末など、配信サーバから緊急地震速報を受けて通信装置1に転送する装置であってもよい。
第1の通信部11は、インターネットや専用回線を介して外部装置2に接続されており、少なくとも緊急地震速報の発報時には外部装置2から緊急地震速報を受信可能に構成されている。第1の通信部11と外部装置2との間の通信方式は特に限定されず、有線通信、無線通信、あるいは有線通信と無線通信とが混在する通信方式のいずれであってもよい。
第2の通信部12は、電力線6上に設けられているメータ装置(スマートメータ)3と、電力線6を伝送媒体に用いた通信路を用いて通信信号を伝送する電力線搬送通信(PLC:Power Line Communications)により通信する。ただし、第2の通信部12とメータ装置3との間の通信方式も電力線搬送通信に限定されず、たとえば無線通信であってもよい。ここでいう無線通信には、920MHz帯特定小電力無線や400MHz帯特定小電力無線、Wi−Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)などの方式を含む。
なお、第1の通信部11と第2の通信部12とが同じ通信方式を採用する場合には、これら第1の通信部11と第2の通信部12としては、1つの通信モジュールが用いられていてもよい。
第1の制御部13は、外部装置2からの緊急地震速報を受け、メータ装置3に報知信号を送信する。具体的には、第1の制御部13は、第1の通信部11が外部装置2からの緊急地震速報を受けると、緊急地震速報の内容(地震の発生時刻、震源、地震の規模の推定値、推定される震度が規定値以上の地域、各地域への主要動の推定到達時刻など)を解析する。
ここで、通信装置1は、通信装置1が設けられている需要家の地域を予め設置地域として記憶しており、第1の制御部13は、推定される震度が規定値(たとえば震度4)以上の警告地域に、設置地域が含まれているか否かを判断する。第1の制御部13は、警告地域に設置地域が含まれている場合、第2の通信部12からメータ装置3へ報知信号を送信する。つまり、第1の制御部13は、警告地域に設置地域が含まれていなければ、通信装置1宛ての緊急地震速報ではないので、緊急地震速報を受信していないこととして、メータ装置3への報知信号の送信は行わない。
ただし、第1の制御部13は、第1の通信部11が外部装置2からの緊急地震速報を受けた場合、緊急地震速報の内容(警告地域など)に関わらず、メータ装置3へ報知信号を送信するように構成されていてもよい。要するに、通信装置1においての緊急地震速報の内容解析は必須の構成ではない。
なお、通信装置1はマイコン(マイクロコンピュータ)を有しており、マイコンに適宜のプログラムを実行させることによって、第1の制御部13の機能を実現する。プログラムはたとえばマイコンの内蔵メモリ(図示せず)に記憶されている。
本実施形態においては、メータ装置3が報知信号を受信した場合に切替部31を遮断状態とすることは上述したとおりである。したがって、通信装置1は、メータ装置3に報知信号を送信することで、メータ装置3の切替部31を間接的に遮断状態に制御し、需要家へのエネルギーの供給を遮断することになる。
ところで、第1の制御部13は、第1の通信部11が緊急地震速報を受信した時点から所定の待機時間が経過してから、報知信号を送信するように構成されていることが好ましい。すなわち、第1の制御部13は、緊急地震速報が外部装置(サーバ)2から配信された時点ですぐに切替部31を遮断状態に切り替えるのではなく、該時点から待機時間の経過後に切替部31を遮断状態に切り替えるように、報知信号を送信する。
具体的には、待機時間はたとえば10秒程度に設定される。第1の制御部13は、緊急地震速報が外部装置2より配信された時点からカウントを開始し、待機時間が経過すると切替部31を供給状態から遮断状態へ切り替えるための制御信号を送信する。
この構成では、緊急地震速報の発報から、切替部31を遮断状態に切り替えるまでに待機時間分の時間差を設けることができる。そのため、たとえば夜間に地震が発生した場合などにおいて、電力(エネルギー)がすぐに遮断されてしまうことがなく、利用者が安全確保や避難のための時間的な猶予を持たせることができる。
また、緊急地震速報から切替部31を遮断状態に切り替えるまでに待機時間分の時間差を設けるのは、通信装置1ではなくメータ装置3であってもよい。この場合、通信装置1は緊急地震速報を受信後すぐに報知信号を送信し、メータ装置3において、第2の制御部32が報知信号を受信してから待機時間の経過後に切替部31を遮断状態に切り替える。
以上説明した本実施形態の通信装置1によれば、第1の制御部13が、外部装置2からの緊急地震速報を受けた場合にメータ装置3へ報知信号を送信する。そして、メータ装置3は、報知信号を受信すると、第2の制御部32にて切替部31を遮断状態に切り替える。したがって、本実施形態に係る通信装置1および管理システムは、地震の発生時には需要家への電力等のエネルギーの供給を自動的に遮断でき、エネルギーが供給され続ける場合に比べて安全性を高めることができる。
しかも、本実施形態によれば、通信装置1は、外部装置2からの緊急地震速報をトリガにしてメータ装置3へ報知信号を送信するので、メータ装置3は、地震の発生直後(理想的には主要動の到達前)に報知信号を受信することができる。そのため、通信装置1は、地震の発生時点から需要家へのエネルギーの供給を遮断するまでに要する時間を短縮することができる。
さらに、通信装置1は、需要家でのエネルギーの使用量を計測するメータ装置3に設けられている切替部31を利用して、エネルギー供給の遮断を行う。そのため、スマートメータのように切替部(開閉器)31を元々備えた装置をメータ装置3として用いることで、通信装置1自体に切替部を設けることなく、地震の発生時に需要家へのエネルギーの供給を遮断することができる。
また、本実施形態のように、メータ装置3は、地震の発生を検知する検知部35をさらに有することが好ましい。この場合、第2の制御部32は、報知信号を受信後に検知部35にて検知した揺れが第1の震度未満である場合、切替部31を遮断状態に切り替えてから所定の復帰時間が経過すると、切替部31を供給状態に切り替えるように構成されることが好ましい。
この構成によれば、たとえば緊急地震速報が誤報であったような場合で、実際には検知部35にて第1の震度以上の揺れが検知されなければ、復帰時間の経過後には切替部31を自動的に供給状態に復帰させることができる。したがって、緊急地震速報が誤報であったような場合、需要家へのエネルギーの供給が一旦遮断されても、復帰時間が経過すれば、エネルギー供給が自動的に復帰することになる。
また、メータ装置3は、通信装置1から受信する報知信号を、上述したような切替部31の制御以外に用いてもよい。たとえば、メータ装置3は、報知信号を受信した場合、遠隔検針と同様のルートで、エネルギーの供給事業者によって運営されているサーバに通知を行ってもよい。これにより、供給事業者においては、緊急地震速報が配信された地域を把握でき、サーバは、メータ装置3から送られてくる情報を収集することで、局所的な揺れの情報を収集しメンテナンスなどに役立てることができる。
なお、エネルギーが電力以外の資源、たとえばガス、水道、熱などである場合でも、上記実施形態と同様の構成を通信装置に適用することができる。たとえばエネルギーがガスである場合、メータ装置は、計測部としてガスメータと、切替部としてガスの供給路上に設けられた遮断弁(バルブ)とを備える。このメータ装置は、通常時には遮断弁を開いて切替部を供給状態とし、報知信号の受信時には遮断弁を閉じて切替部を遮断状態とする。
(実施形態2)
本実施形態に係る通信装置1は、図2に示すように、分電盤4のキャビネット43に取り付けられている点で、実施形態1の通信装置1と相違する。なお、本実施形態では、エネルギーは電気エネルギ(電力)に限定される。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
分電盤4は、通信装置1と、需要家への電力の供給路上に設けられた主幹ブレーカ41および主幹ブレーカ41の二次側で電力を複数の電路に分岐させる複数の分岐ブレーカ42,42,…が取り付けられたキャビネット43とを備えている。
キャビネット43は、図2に示すように、正面視が横長の長方形状となり前面が開口した箱状に形成されており、住宅の壁等に取り付けて使用される。キャビネット43は、内部に少なくとも内器としてとしての主幹ブレーカ41および複数の分岐ブレーカ42,42,…を収納する空間を有している。ここではキャビネット43は合成樹脂製であり、キャビネット43の前面には開閉可能な蓋(図示せず)が取り付けられる。なお、蓋は、キャビネット43に含まれていてもよいし、キャビネット43に含まれていなくてもよい。
つまり、分電盤4のキャビネット43は、ブレーカ等の種々の内器を取り付けるためのスペースを備えており、主幹ブレーカ41が配置される第1スペース431と、複数の分岐ブレーカ42,42,…が配置される第2スペース432とを少なくとも備えている。
本実施形態に係る分電盤4のキャビネット43は、第1スペース431および第2スペース432に加えて、第3スペース433を備えている。
このように構成される分電盤4のキャビネット43は、最小限の構成として、第1スペース431に主幹ブレーカ41、第2スペース432に複数の分岐ブレーカ42,42,…が取り付けられる。その他の第3スペース433は、分電盤4の機能拡張用に設けられた空きスペースである。
ここで、分電盤4の内器として最小限の構成は、第1スペース431に取り付けられた主幹ブレーカ41、および第2スペース432に取り付けられた複数の分岐ブレーカ42,42,…である。さらに、本実施形態に係る分電盤4は、上述したように第3スペース433をキャビネット43に備えることにより、主幹ブレーカ41および複数の分岐ブレーカ42,42,…以外の種々の内器を付加的に取り付け(後付け)可能である。本実施形態では、分電盤4は、図2に示すように、少なくとも第3スペース433に取り付けられた通信装置1を内器として備えている。
以下に、分電盤4の内器(キャビネット43に取付可能な内器)について説明する。
主幹ブレーカ41は、その一次側端子(図示せず)に、系統電源(商用電源)の単相三線式の引込線が電気的に接続される。主幹ブレーカ41の二次側には、左右方向に長い長尺板状であって、導電部材からなる導電バーが電気的に接続される。主幹ブレーカ41は、一次側に接続された系統電源からの電力を二次側に接続された導電バーへ供給する投入状態と、該電力の供給を遮断する開放状態とを切替可能に構成されている。
複数の分岐ブレーカ42,42,…は、キャビネット43の第2スペース432において、導電バー(図示せず)の上側と下側とに分かれて、それぞれ複数個ずつ左右方向に並ぶように配置されている。各分岐ブレーカ42は、一次側端子(図示せず)と二次側端子(図示せず)とを有しており、一次側端子が導電バーに電気的に接続され、二次側端子には複数の電路(図示せず)の各々が接続される。各分岐ブレーカ42は、協約形寸法に形成されている。ここで、協約形寸法とは「JIS C 8201−2−1」に準拠した電灯分電盤用の回路遮断器の寸法(および形状)をいう。
各分岐ブレーカ42の二次側端子に接続された電路には、たとえば照明器具や給湯設備等の機器、差込接続装置のコンセント(アウトレット)や壁スイッチ等の配線器具が負荷として1つ以上接続され、分岐回路を構成する。つまり、複数の分岐ブレーカ42,42,…はそれぞれ分岐回路が電気的に接続され、主幹ブレーカ41からの電力を各分岐回路へ供給する投入状態と、該電力の供給を遮断する開放状態とを切替可能に構成されている。
通信装置1は、ここではメータ装置3との間で、電力線6を伝送媒体に用いた通信路を用いて通信信号を伝送する電力線搬送通信(PLC)により通信すると仮定する。そのため、通信装置1はメータ装置3に対し、電力線6を介して電気的に接続されている。
さらに、本実施形態では、キャビネット43には、分散電源7から需要家への電力の供給路上に設けられた連系ブレーカ44が取り付けられている。ここでいう分散電源7の一例としては、太陽光発電装置71、燃料電池72、蓄電池(電気自動車に搭載された蓄電池も含む)73などがある。連系ブレーカ44としては、主幹ブレーカ41の一次側に電気的に接続される一次連系ブレーカ441と、主幹ブレーカ41の二次側に電気的に接続される二次連系ブレーカ442とがある。
すなわち、分電盤4のキャビネット43には、主幹ブレーカ41の一次側端子に電気的に接続され、分散電源7である太陽光発電装置71から需要家への電力供給路上に設けられる一次連系ブレーカ(連系ブレーカ44)441が取り付けられている。一次連系ブレーカ441は、キャビネット43のうち、第1スペース431と第3スペース433との間に設けられた第4スペース434に配置される。
また、分電盤4には、導電バーに電気的に接続され、分散電源7である燃料電池72や蓄電池73から需要家への電力供給路上に設けられる二次連系ブレーカ(連系ブレーカ44)442が取り付けられている。二次連系ブレーカ442は、キャビネット43のうち第2スペース432に、複数の分岐ブレーカ42,42,…と共に配置されている。
ところで、通信装置1は、第2の通信部12から報知信号を送信したときに主幹ブレーカ41と複数の分岐ブレーカ42,42,…とのうち少なくとも1つを対象ブレーカとして開放するように、対象ブレーカを制御する第3の制御部14(図1参照)を有している。具体的には、第3の制御部14は、第1の通信部11が外部装置2からの緊急地震速報を受信すると、対象ブレーカに対して制御信号を送信することにより、対象ブレーカの投入状態、開放状態を切り替える。つまり、通信装置1は、外部装置2からの緊急地震速報を受けたときに、メータ装置3に報知信号を送信し、且つ対象ブレーカに制御信号を送信して対象ブレーカを開放する。
制御信号の送信方法並びに制御信号のフォーマットとしては、対象ブレーカに合わせた適宜の仕様が用いられる。本実施形態では、第3の制御部14は、漏電遮断機能を有する主幹ブレーカ41を対象ブレーカとする場合を例示する。第3の制御部14は、キャビネット43内において主幹ブレーカ41と電気的に接続されており、制御信号としては擬似漏電信号が用いられる。
以上説明したように、本実施形態の分電盤4は、メータ装置3へ報知信号を送信したときに、通信装置1に設けた第3の制御部14が、主幹ブレーカ41と複数の分岐ブレーカ42,42,…とのうち少なくとも1つを対象ブレーカとして開放する。これにより、本実施形態に係る分電盤4は、地震の発生時には需要家への電力の供給を自動的に遮断でき、電力が供給され続ける場合に比べて安全性を高めることができる。つまり、たとえば地震により暖房器具(電気ヒータ等)が転倒するようなことがあっても、暖房器具への電力の供給を自動的に遮断することで、二次災害を未然に防ぐことができる。
しかも、分電盤4は、一般的にキャビネット43に取り付けられている主幹ブレーカ41や複数の分岐ブレーカ42,42,…を対象ブレーカとして利用して、電力の供給を遮断する。そのため、分電盤4は、専用の回路遮断器を設けることなく、地震の発生時に電力の供給を遮断することができる。とくに、本実施形態では主幹ブレーカ41を対象ブレーカとして用いるので、分電盤4は、地震の発生時に対象ブレーカを開放することにより需要家全体への電力供給を一括して遮断することができる。
次に、本実施形態の第1の変形例について説明する。
第1の変形例においては、分電盤4は、第3の制御部14が、主幹ブレーカ41と複数の分岐ブレーカ42,42,…とのうち、予め定められた一部の分岐ブレーカ42のみを対象ブレーカとして制御するように構成される。すなわち、第1の変形例では、対象ブレーカは予め定められた一部の分岐ブレーカ42である。
第1の変形例では、第3の制御部14は、キャビネット43内において対象ブレーカとしての分岐ブレーカ42と電気的に接続されており、分岐ブレーカ42に制御信号を送信することにより、分岐ブレーカ42の投入状態、開放状態を切り替える。
ここで、対象ブレーカは、分電盤4に備わっている複数の分岐ブレーカ42,42,…のうちの一部であればよく、1つの分岐ブレーカ42に限らず、2つ以上の分岐ブレーカ42,42,…であってもよい。ただし、第3の制御部14は、分電盤4に備わっている複数の分岐ブレーカ42,42,…の全てを対象ブレーカとするのではなく、一部のみを対象ブレーカとし、残りを非対象ブレーカとする。
ここにおいて、対象ブレーカとしての分岐ブレーカ42は、複数の分岐ブレーカ42,42,…のうち、電話、LAN(Local Area Network)などの通信インフラ関連設備が接続された分岐ブレーカ42を除いて選択されることが好ましい。言い換えれば、通信インフラ関連の設備が接続された分岐ブレーカ42は、非対象ブレーカとすること好ましい。なお、非対象ブレーカに接続される装置は、通信インフラ関連設備に限らず、医療機器など、地震の発生時にも電力の継続した供給が望まれる各種の装置であってもよい。
以上説明したように、第1の変形例に係る分電盤4は、第3の制御部14が、主幹ブレーカ41と複数の分岐ブレーカ42,42,…とのうち、予め定められた一部の分岐ブレーカ42のみを対象ブレーカとして制御するように構成されている。この構成によれば、地震の発生時であっても、主幹ブレーカ41が開放されて需要家全体の電力供給が遮断されるのではなく、一部の分岐ブレーカ42のみが開放されて一部の分岐回路への電力供給のみが遮断される。したがって、特定の装置(たとえば通信インフラ関連設備や医療機器など)が接続された分岐ブレーカ42については対象ブレーカから外すことで、地震の発生時にも特定の装置への電力供給を継続することができる。
次に、本実施形態の第2の変形例について説明する。
第2の変形例においては、分電盤4は、第3の制御部14が、第2の通信部12から報知信号を送信したときには連系ブレーカ44を開放するように、対象ブレーカと併せて連系ブレーカ44を制御するように構成される。つまり、第3の制御部14は、第1の通信部11が外部装置2からの緊急地震速報を受信したときに、対象ブレーカと一緒に連系ブレーカ44を制御するように構成されている。
具体的には、第3の制御部14は、地震の発生時に一次連系ブレーカ(連系ブレーカ44)441に制御信号を出力し、一次連系ブレーカ441を開放する。すなわち、第3の制御部14は、通信装置1が緊急地震速報を受信して対象ブレーカである主幹ブレーカ41を開放したときに、一次連系ブレーカ441を併せて開放するように構成される。
また、第3の制御部14は、地震の発生時に二次連系ブレーカ(連系ブレーカ44)442にも制御信号を出力し、二次連系ブレーカ442を開放する。すなわち、第3の制御部14は、通信装置1が緊急地震速報を受信して対象ブレーカである主幹ブレーカ41を開放したときに、二次連系ブレーカ442を併せて開放するように構成される。
以上説明したように、第2の変形例に係る分電盤4は、第3の制御部14が、第2の通信部12から報知信号を送信したときには連系ブレーカ44を開放するように、対象ブレーカと併せて連系ブレーカ44を制御するように構成されている。この構成によれば、分電盤4は、地震の発生時に、対象ブレーカである主幹ブレーカ41にて系統電源から需要家への電力供給を遮断するだけでなく、連系ブレーカ44にて分散電源7から需要家への電力供給も遮断することができる。
ただし、連系ブレーカ44は、主幹ブレーカ41や複数の分岐ブレーカ42,42,…と同じキャビネット43ではなく、たとえば該キャビネット43に隣接して配置される連系ブレーカボックス(図示せず)のキャビネットに取り付けられていてもよい。つまり、分散電源7の接続用に連系ブレーカボックスが用いられる場合には、通信装置1は、連系ブレーカボックスの連系ブレーカ44を制御対象とする。
なお、第2の変形例に係る構成は、第1の変形例に係る構成と組み合わせても採用可能である。
(実施形態3)
本実施形態に係る通信装置1は、図3に示すように、機器制御装置5と併せて機器制御システム10を構築する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
本実施形態に係る機器制御システム10は、通信装置1と、機器制御装置5とを備えている。機器制御装置5は、需要家の機器51および通信装置1との通信を行う。機器制御装置5は、緊急地震速報を用いて機器51を制御するように構成されている。
具体的には、機器制御装置5は、需要家内に設置されており、通信装置1との通信機能に加えて、複数の機器51,51,…の制御を行うHEMS(Home Energy Management System)のコントローラとしての機能を有する。ここでは、機器制御装置5は、通信装置1との間で、電波を伝送媒体に用いた無線通信により通信する。ただし、機器制御装置5と通信装置1との間の通信方式は、無線通信に限らず、有線通信、あるいは有線通信と無線通信とが混在する通信方式のいずれであってもよい。
ここでいう複数の機器51,51,…はHEMS対応機器である。複数の機器51,51,…は、消費電力の管理対象であれば足り、たとえばHEMSにおいて重要な8機器(太陽光発電装置、蓄電池、燃料電池、電気自動車、エアコン、照明器具、給湯装置)などを含む。さらに、複数の機器51,51,…は、4大電力消費源の他の2つ、冷蔵庫、テレビ受像機などを含んでもよい。ただし、機器51をこれらの機器に限定する趣旨ではない。
機器制御装置5は、表示機器からなる機器51を制御してメータ装置3の検針値を可視化(見える化)したり、検針値に基づいて機器51を制御したりする機能を有している。この機器制御装置5によれば、複数の機器51,51,…での電力消費の状況を管理することが可能になり、電力の無駄な消費を抑えることができる。
ここで、機器制御装置5は、地震の発生時に通信装置1からの緊急地震速報を受けて、複数の機器51,51,…を制御する機能を有している。すなわち、通信装置1は、外部装置2から緊急地震速報を受信したときに機器制御装置5に緊急地震速報を転送し、機器制御装置5は、緊急地震速報を用いてHEMS対応の複数の機器51,51,…を制御する。このとき、機器制御装置5は、機器51の電源をオフしてもよいし、機器51を完全にはオフせずに待機状態としてもよい。また、機器制御装置5は、緊急地震速報を受けて、電動シャッタを開ける、照明器具を点灯させるなど、機器51の動作を停止させる以外の制御を行ってもよい。
以上説明した本実施形態の機器制御システム10によれば、通信装置1と通信する機器制御装置5が複数の機器51,51,…を制御するので、通信装置1と機器制御装置5とを連動させることで、緊急地震速報に基づいて機器51を制御できる。したがって、機器制御装置5は、上述したように地震の発生時に機器51を自動制御することが可能になる。
また、本実施形態において、(少なくとも1台の)機器51は表示機器であって、機器制御装置5は、緊急地震速報に基づく情報を機器(表示機器)51に表示させるように構成されていることが好ましい。ここでいう表示機器は、表示機能のある機器であればよく、テレビ受像機、インターホン親機、電力モニタなどから適宜選択される。
すなわち、機器制御装置5は、緊急地震速報を受けると、緊急地震速報の内容(地震の発生時刻、震源、地震の規模の推定値、推定される震度が規定値以上の地域、各地域への主要動の推定到達時刻など)を表す地震情報を生成する。そして、機器制御装置5は、生成した地震情報が表示されるように、表示機器からなる機器51を制御する。
この構成によれば、地震の発生時刻、震源、地震の規模の推定値、推定される震度が規定値以上の地域、各地域への主要動の推定到達時刻などの、緊急地震速報に基づく情報を機器(表示機器)51で表示することができる。したがって、利用者(需要家の家人)は、緊急地震速報の発報時には、機器51に表示された情報から緊急地震速報の内容を確認でき、迅速な対応が可能になる。
その他の構成および機能は実施形態1と同様である。なお、本実施形態に係る構成は、実施形態2に係る構成と組み合わせても採用可能である。