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JP6282860B2 - ポリエステル複合仮撚糸の製造方法 - Google Patents
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Description

本発明は、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸及び他のポリエステル糸からなる複合仮撚糸及びその製造方法に関する。
従来から、ストレッチ素材として、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と、他のポリエステル糸とを複合仮撚加工して得られる複合仮撚糸が知られている。
例えば、布帛に高いストレッチ性と膨らみ感を与えることができる複合仮撚糸の製造方法として、サイドバイサイド型のポリエステルコンジュゲート未延伸糸と、ポリエステル未延伸糸とを引き揃え、両糸とも延伸倍率1.2倍以上の同じ延伸倍率で仮撚加工するポリエステル複合仮撚糸の製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。該製造方法によれば、該延伸糸と該コンジュゲート糸との伸度差があることから糸足差(糸長差)が生じ、得られる複合仮撚糸は該コンジュゲート糸が芯糸となる芯鞘構造を有し、布帛に膨らみ感を与える。そして、芯糸が捲縮発現性に優れるサイドバイサイド型のコンジュゲート糸であることから、仮撚加工における延伸熱処理により芯糸と鞘糸との拘束力に打ち勝つ捲縮が発現し、布帛に優れたストレッチ性を与えるとされている。
また、ハリ、コシ、反発感があり、フラットな外観であり、ソフトかつドライな触感を有するストレッチ布帛が得られる複合仮撚糸の製造方法として、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と、他のポリエステル糸とを引き揃え、交絡せしめた後、複合仮撚加工を施す複合仮撚糸の製造方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。該製造方法によれば、芯糸となる潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と鞘糸となる他のポリエステル糸とが分離しにくく、毛羽やタルミが低減され、特に追撚を施す場合、撚糸機のトラベラーにより糸がしごかれ、ネップが発生したり、織編物を形成したとき白スジが発生したりすることが低減されるとされている。
さらに、ストレッチ性と軽量、嵩高感を併せ持つ複合仮撚糸の製造方法として、潜在捲縮性能を有する低伸度であるポリエステル糸と高伸度である他のポリエステル糸とを引き揃え、温度110℃以下かつ延伸倍率1.2倍以下の同じ延伸倍率条件で複合仮撚加工を行った後、さらにヒーター温度140℃以上で熱処理を行い、実質的に糸長差のない複合仮撚糸とするポリエステル複合仮撚糸の製造方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。該製造方法によれば、温度110℃以下かつ延伸倍率1.2倍以下の条件で複合仮撚加工を行ったとき、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸との間に糸長差が発生するが、2次ヒーターで熱処理することにより鞘糸である他のポリエステル糸が収縮し実質的に糸長差がなくなる。そして、他のポリエステル糸に自己伸長性が付与され、染色工程における熱処理にて再び糸長差が発現し、伸縮伸長性が高まるとされている。
特開平2−175935号公報 特開2003−268639号公報 特開2005−299000号公報
本発明者等は、ソフトな嵩高性とストレッチ性を併せ持つ織編物を得るためのポリエステル複合仮撚糸を得るべく従来技術を検討したところ、特許文献1記載の製造方法では、サイドバイサイド型のポリエステルコンジュゲート未延伸糸とポリエステル未延伸糸との糸長差が大きくなり分離しやすいことからタスランノズルによる交絡処理が必須となるため、単繊維が全体的にループ交絡し拘束されサイドバイサイド型のポリエステルコンジュゲート未延伸糸の潜在捲縮性能を十分発揮できないということが分かった。特許文献2に開示されている複合仮撚糸も同様に、供給糸に交絡処理を施した後に仮撚加工を施すため、得られた複合仮撚り糸からなる織編物はストレッチ性が十分に発揮できないことがわかった。
これらの織編物のストレッチ性が十分に発揮できないことの機序の詳細は明らかではないが、例えば、次のように考えることができる。すなわち、特許文献1に開示されている製造方法では、タスランノズルによる交絡処理を施した後に仮撚加工をおこなうことにより、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸が他のポリエステル糸に拘束されたまま延伸されることから、十分な潜在捲縮性能を備える程度に熱延伸できず、また、染色等熱処理を施したときにも十分に潜在捲縮性能が発現できず、結果としてストレッチ性が十分に発揮できないものと推測される。さらに、特許文献2に開示されている方法により得られる複合仮撚糸は、交絡部以外の部分が潜在捲縮性能を有するポリエステル糸が芯となる芯鞘構造となることも起因して、織編物としたときのストレッチ性が十分発揮できないと推測される。
また、特許文献3に開示されている方法により得られる複合仮撚糸は、他のポリエステル糸に自己伸長性を持たせるべく低温かつ低延伸倍率条件で複合仮撚加工を施すことから、やはり潜在捲縮性能を有するポリエステル糸が十分な潜在捲縮性能を備える程度に熱延伸できず、結果としてストレッチ性が十分に発揮できないことがわかった。
本発明は、上記の問題を解決し、複合仮撚工程、撚糸工程、及び製織編工程に供しても工程通過性良く、ソフトな嵩高性と優れたストレッチ性を付与することができる複合仮撚糸及びその製造方法を提供することを課題とする。
発明者等は、さらに検討した結果、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸の糸長差が小さく、かつ、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸の捲縮率が40%以上であり、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸に対する他のポリエステル糸の捲縮率の差が10%以上であるものとすることにより、工程通過性が良好であり、織編物としたときのソフトな嵩高性とストレッチ性に優れることを見出した。すなわち、本発明は以下の(1)〜(9)を要旨とする。
(1)潜在捲縮性能を有するポリエステル糸及び他のポリエステル糸からなるポリエステル複合仮撚糸であって、前記潜在捲縮性能を有するポリエステル糸に対する前記他のポリエステル糸の糸長差が0〜5%であり、前記潜在捲縮性能を有するポリエステル糸の捲縮率が40%以上であり、前記他のポリエステル糸に対する前記潜在捲縮性能を有するポリエステル糸の捲縮率の差が10%以上であることを特徴とするポリエステル複合仮撚糸。
(2)前記ポリエステル複合仮撚糸が長手方向において交絡部と非交絡部とを含み、該非交絡部において前記潜在捲縮性能を有するポリエステル糸及び前記他のポリエステル糸が芯鞘構造を呈さないことを特徴とする上記(1)に記載のポリエステル複合仮撚糸。
(3)交絡数が10〜120個/mである上記(1)または(2)に記載のポリエステル複合仮撚糸。
(4)前記非交絡部の平均長さが3〜12mmである上記(1)〜(3)いずれかに記載のポリエステル複合仮撚糸。
(5)潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と、他のポリエステル糸とを複合仮撚加工するポリエステル複合仮撚糸の製造方法であって、前記潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸を引き揃えることなくそれぞれで延伸同時仮撚加工を施し、且つ、前記延伸同時仮撚加工におけるそれぞれの延伸倍率が、前記潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と前記他のポリエステル糸の糸長差が5%以下となるように調整したものであることを特徴とするポリエステル複合仮撚糸の製造方法。
(6)前記複合仮撚加工をおこなう工程において、前記潜在捲縮性能を有するポリエステル糸及び前記他のポリエステル糸それぞれの延伸倍率が1.250〜1.500倍である上記(5)に記載のポリエステル複合仮撚糸の製造方法。
(7)前記複合仮撚加工をおこなう工程において、仮撚温度が160℃以上である上記(5)または(6)に記載のポリエステル複合仮撚糸の製造方法。
(8)前記複合仮撚加工をおこなう工程において、ヒーター数が1である上記(5)〜(7)のいずれかに記載のポリエステル複合仮撚糸の製造方法。
(9)前記複合仮撚加工を施した後に、交絡数が10〜120個/mとなるような交絡処理をおこなうものである上記(5)〜(8)いずれかに記載のポリエステル複合仮撚糸の製造方法。
本発明の複合仮撚糸によれば、複合仮撚工程、撚糸工程、製織編工程に供しても工程通過性良く、織編物としたときのソフトな嵩高性とストレッチ性に優れる。また、本発明の製造方法によれば、仮撚工程、撚糸工程、製織編工程に供しても工程通過性良く、織編物としたときのソフトな嵩高性とストレッチ性に優れる複合仮撚糸を製造することが可能となる。
本発明の複合仮撚糸の製造工程の一例を示す模式図である。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本発明において、「複合仮撚」とは複数の糸に仮撚加工を施して1本の仮撚糸とすることである。
本発明において、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸を用いることが必要である。
潜在捲縮性能は、加熱や膨潤によって収縮させるとコイル状の立体捲縮を発現する性能であり、コイル状の立体捲縮により、例えば仮撚加工による非コイル状の捲縮に比して、優れたストレッチ性を発揮する。
潜在捲縮性能を有するポリエステル糸としては、例えば、熱収縮性の異なる2種のポリエステル樹脂を、偏心芯鞘型又はサイドバイサイド型とした複合繊維が挙げられる。
熱収縮性の異なる2種のポリエステル樹脂の組合せとしては特に限定されるものではなく、極限粘度の異なるポリエチレンテレフタレート(他の成分が共重合されていないPET(以下、ホモPETと称する場合がある。))同士の組合せ、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ビスフェノールA又は2,2−ビス{4−(β−ヒドロキシ)フェニル}プロパンを共重合したPETとホモPETの組合せ、ホモPETとポリブチレンテレフタレート(他の成分が共重合されていないPBT(以下、ホモPBTと称する場合がある。))との組合せ等が挙げられる。中でも、ホモPETとホモPBTとの組合せとすると、織編物にしたときのストレッチ性が特に優れたものとなりやすく、好ましい。
熱収縮性の異なる2種のポリエステル樹脂の極限粘度は、高粘度側が0.7〜1.3、低粘度側が0.3〜0.6が好ましい。ここで、極限粘度は、フェノールと四塩化エタンの等量混合物を溶媒とし、温度20℃で測定するものとする。また、熱収縮性の異なる2種のポリエステル樹脂の質量比率は、30/70〜70/30とすることができる。
潜在捲縮性能を有するポリエステル糸としては、十分なストレッチ性を付与する観点から、複合仮撚加工に供する供給糸としての単繊維繊度は1.0〜7.0dtexが好ましく、1.5〜5.0dtexがより好ましい。単繊維繊度を1.0〜7.0dtexとすることにより、十分なストレッチ性が発現するため好ましい。
本発明において、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸は、捲縮率が40%以上であることが必要であり、50〜80%が好ましく、60〜80%がより好ましい。捲縮率が40%未満の場合、織編物としたときのストレッチ性に劣るものとなる。ここで、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸の捲縮率は、複合仮撚糸を構成する供給糸の段階ではなく、複合仮撚糸から分離した潜在捲縮性能を有するポリエステル糸の捲縮率である。
本発明において、捲縮率とは次のように測定、算出するものである。すなわち、糸を枠周1.125mの検尺機を用いて巻き数5回のカセとし、カセをスタンドに吊り下げた状態で一昼夜放置する。次に、カセを0.000147cN/dtexの荷重(荷重1)を掛けた状態で沸水中に入れて30分間の湿熱処理をおこなった後、ろ紙にて水分を軽く取って30分風乾放置する。次いで、荷重1を掛けたまま、さらに0.00177cN/dtexの軽荷重(荷重2)を掛け、カセの長さa(cm)を測定する。次に荷重2のみを外して0.044cN/dtexの重荷重(荷重3)を掛け、カセの長さb(cm)を測定する。そして、下記式(I)に従い、捲縮率を算出する。
上記捲縮率を40%以上とすることは、例えば、伸度40〜150%、単繊維繊度1〜7dtexの潜在捲縮性能を有するポリエステル糸を用い、延伸倍率1.25〜1.50倍、仮撚温度を全面接触型ヒーターの場合は160〜300℃、点接触型ヒーターの場合は200〜450℃として複合仮撚加工を施すことにより可能である。
本発明の複合仮撚糸は、織編物としたときに、例えば、染色のような熱水処理等を施すことにより、複合仮撚糸中の潜在捲縮性能を有するポリエステル糸の潜在捲縮が発現する。そして、後述するように、熱処理前は潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸が実質的に糸長差を有しないため、熱水処理後は潜在捲縮性能を有するポリエステル糸の糸長が相対的に短くなる。これにより、織編物としたときのストレッチ性に関して潜在捲縮性能を有するポリエステル糸が支配的となり、織編物に優れたストレッチ性を与えるものとなる。
本発明において、上記潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と複合仮撚加工する他のポリエステル糸は、洗剤捲縮性能を有するポリエステル糸以外の他のポリエステル糸であれば、特に限定されるものではない。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなどの芳香族ポリエステル、カチオン染色可染性ポリエステル、生分解性機能を有するポリ乳酸等で構成されているポリエステル糸が挙げられる。織編物にソフトな風合いを与えるという観点から、複合仮撚加工に供する供給糸としての他のポリエステル糸の単繊維繊度は0.05〜3.0dtexが好ましく、0.5〜1.0dtexがより好ましい。
また、後述するように、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸の糸長差を5%以下とする観点から、複合仮撚加工に供する供給糸としての他のポリエステル糸の伸度は40〜150%であることが好ましい。
本発明において、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸に対する他のポリエステル糸の糸長差が0〜5%であることが必要である。これにより、得られる複合仮撚糸は、例えば複合仮撚工程より後に交絡処理を施した場合にも、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸の糸ズレが発生しにくくなり、複合仮撚工程、撚糸工程、製織編工程における工程通過性が良好なものとなる。
前記糸長差が5%を超える場合、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸の糸ズレが生じやすくなり、糸切れの発生、織編物品位の低下を招くことがある。また、0%未満の場合、すなわち、他のポリエステル糸の糸長が潜在捲縮性能を有するポリエステル糸の糸長よりも短い場合は、織編物とした後に熱処理を施した場合、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸が芯糸となる芯鞘構造を呈さず、織編物としたときのストレッチ性に関して潜在捲縮性能を有するポリエステル糸が支配的にならないことから、ストレッチ性に劣るものとなる。ここで、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸に対する他のポリエステル糸の糸長差は、複合仮撚糸から分離したときの糸長差である。
本発明において、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸に対する他のポリエステル糸の糸長差は、交絡前の複合仮撚糸から任意の箇所の試料100cmを取り、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸を分離し、それぞれの糸に0.1cN/dtexの荷重を掛けた状態での糸長を測定し、下記式(II)に従い算出するものとする。
本発明において、上記糸長差を5%以下とするには、例えば、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸及び他のポリエステル糸それぞれの延伸倍率を調整し、複合仮撚加工をおこなうことにより可能となる。さらに具体的には、複合仮撚加工に供する潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸との伸度差が大きいものであっても、ポリエステル複合仮撚糸を構成する潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸との伸度差を低減させるように延伸倍率を調整することにより、上記糸長差を5%以下とすることができる。
従来技術に係る特許文献3に開示されている方法は、2次ヒーターで熱処理することにより鞘糸である他のポリエステル糸を収縮させ、実質的に糸長差をなくすものである。しかし、該方法で得られる複合仮撚糸は、該複合仮撚糸を構成する潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸とが伸度差を有することから、例えば、製織編工程において糸長差が発生し、糸ズレが生じる場合がある。
一方、前述のように、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸及び他のポリエステル糸それぞれの延伸倍率を、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸との伸度差を低減させるように調整した場合、得られる複合仮撚糸は、例えば、製織編工程において糸ズレがより発生しにくいものとなる。
従って、ポリエステル複合仮撚糸中の潜在捲縮性能を有するポリエステル糸の伸度E1(%)と他のポリエステル糸の伸度E2(%)との伸度差(E2−E1)としては、糸長差を少なくする観点から、0〜10%であることが好ましく、0〜5%であることがより好ましい。また、複合仮撚加工に供する供給糸としての潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸との伸度差は、仮撚加工性を良好なものとする観点から、100%以下が好ましい。
本発明において、前記他のポリエステル糸に対する潜在捲縮性能を有するポリエステル糸の捲縮率の差(潜在捲縮性能を有するポリエステル糸の捲縮率(%)−他のポリエステル糸の捲縮率(%))が10%以上であることが必要であり、10〜60%が好ましく、10〜40%がより好ましい。
従来技術に係る特許文献1〜3に開示されている方法は、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸との伸度差を大きくすることで、低伸度である潜在捲縮性能を有するポリエステル糸が仮撚加工の段階で芯糸となる芯鞘構造を呈するものであった。一方、本発明の複合仮撚糸は、伸度差によって芯鞘構造を呈するのではなく、捲縮率の差を特定の範囲とすることで、織編物とした後の熱処理によって初めて芯鞘構造を呈する点で従来技術と大きく相違するのである。すなわち、織編物とした後の熱処理によって初めて芯鞘構造を呈し、芯糸となる潜在捲縮性能を有するポリエステル糸が織編物の組織中で十分に潜在捲縮を発現することができるため、本発明のポリエステル複合仮撚糸を用いて織編物としたときには、従来の織編物と比べて、いっそうソフトな嵩高性とストレッチ性に優れるものとなる。
上記捲縮率の差が10%未満の場合、織編物とした後の熱処理後において、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸とが芯鞘構造を呈さず、また、糸長差が生じにくいことから、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸が支配的とならず、結果としてストレッチ性に劣るものとなる。
また、織編物のソフト性の観点からは、上記捲縮率の差は、20〜40%が特に好ましい。該範囲とすることで、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸との捲縮形態が特に異なるものとなり、ソフト性により優れたものとすることができる。
本発明の複合仮撚糸は、ポリエステル複合仮撚糸の長手方向において交絡部と非交絡部とを含み、非交絡部において潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸とが芯鞘構造を呈さないことが好ましい。これにより、織編物とした後の熱処理により、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸の潜在捲縮が十分に発現しやすくなる。
また、良好な工程通過性及びソフトな嵩高性(触感)のバランスの観点から、前記交絡部の末端から次交絡部の先端までの非交絡部の平均長さ(以下、非交絡部の平均長さと称することがある。)が3〜12mmであることが好ましく、6〜10mmがより好ましい。非交絡部の平均長さは、交絡処理におけるエアー圧、オーバーフィード率などを適宜調整することによって達成することができる。
本発明の複合仮撚糸は、交絡部の数(交絡数)は特に限定されるものではないが、10〜120個/mが好ましく、30〜120個/mがより好ましく、50〜110個/mがいっそう好ましい。本発明の複合仮撚糸は、糸長差を実質的に有さないことから、交絡数を10〜50個/mと少ないものとしても、糸ズレは生じにくく、織編物としたときのストレッチ性が優れたものとなりやすいため、通常複合仮撚糸に採用されるよりも、より幅広い交絡数とすることができる。交絡部の数は、JIS L 1013 2010 8.15交絡度によって測定、算出するものとする。
なお、上記非交絡部の平均長さ及び交絡数が適度な範囲の場合、ポリエステル複合仮撚糸に交絡付与したものであっても、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸が熱処理などにより捲縮が十分発現されるものとなるため好ましい。この場合、交絡を付与する前の複合仮撚糸の捲縮率(K)と交絡を付与した後の複合仮撚糸の捲縮率(K)の差(K―K)が、15%以下であることが好ましく、2〜13%であることがより好ましい。
次に、本発明の複合仮撚糸の製造方法について説明する。
図1は、本発明の複合仮撚糸の製造工程の一例を示す模式図である。潜在捲縮性能を有するポリエステル糸1を第1供給ローラー3に、他のポリエステル糸2を第2供給ローラー4にそれぞれ供給する。
そして、複合仮撚糸における潜在捲縮性能を有するポリエステル糸1に対する他のポリエステル糸2の糸長差が5%以下となるように、第1供給ローラー3、第2供給ローラー4、第1デリベリローラー7の速度を設定し、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸1と他のポリエステル糸2を引き揃えることなく、それぞれの延伸倍率を調整する。このとき、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸1及び他のポリエステル糸2それぞれの延伸倍率は1.25〜1.50倍とすることが好ましい。
第1供給ローラー3、第2供給ローラー4を通過した潜在捲縮性能を有するポリエステル糸1及び他のポリエステル糸2を引き揃えることなく、それぞれで調整した延伸倍率で延伸すると同時にヒーター5で加熱し、仮撚付与装置6により複合仮撚加工を施す。潜在捲縮性能を有するポリエステル糸1の捲縮率を40%以上にする観点から、ヒーター5はヒーター数が1であることが好ましい。また、同様の観点から、ヒーター温度は160℃以上が好ましく、全面接触型ヒーターの場合は160〜300℃、点接触型ヒーターの場合は200〜450℃が好ましい。
仮撚付与装置6として特に限定されるものではなく、例えば、ピン、フリクションディスク、旋回ノズル、ベルト等が挙げられる。加撚張力としては、例えば、0.2〜0.6cN/dtexが挙げられる。
仮撚付与装置6としてピンを用いる場合、仮撚数K(T/M)としては、下記式(III)を満足することが好ましく、下記式(IV)を満足することがより好ましい。
また、仮撚付与装置6としてフリクションディスクを用いる場合、例えば、4mm厚のウレタン製ディスク仮撚機を用いたときは、ディスク枚数を1−7−1、ディスク周速度D(m/min)と糸速Y(m/min)の比(D/Y)を1.4〜2.3とすることが好ましい。ここで、ディスク周速度とはディスク外周面の速度であり、糸速とは仮撚付与の際の糸の走行速度であって、例えば、図1に示す製造工程においては第1デリベリローラー7の速度に相当する。
そして、第1デリベリローラー7を通過した複合仮撚糸に、交絡処理装置8により交絡処理を施す。交絡処理装置8としては、インターレースノズルが好ましい。このとき、交絡数としては、前述のように10〜120個/mが好ましく、10〜50個/mとすることもできる。エアー圧力として0.1〜0.6MPa、オーバーフィード率として1〜10%が挙げられる。
その後、第2デリベリローラー9を経て、巻き取りローラー11によりパッケージ10に捲き取り、本発明の複合仮撚糸が得られる。
以下、実施例によって本発明を詳しく説明する。ただし、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
以下の実施例、比較例における測定及び評価は下記の方法でおこなった。
1.総繊度(dtex)及び単繊維繊度(dtex)
総繊度は、JIS L 1013 8.3.1B法に準じて測定した。単繊維繊度は、総繊度をフィラメント数で徐したものを単繊維繊度とした。
2.潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸の糸長(cm)
前述の方法にて測定、算出した。
3.潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸の伸度(%)
JIS L 1013:2010 8.5.1伸び率 標準時試験に従って、測定、算出した。
4.潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸の捲縮率(%)及び複合仮撚糸の捲縮率(%)
前述の方法にて測定、算出した。
5.非交絡部の平均長さ(mm)
ポリエステル複合仮撚糸に0.0882(cN/dtex)の荷重をつけて500mmの印間長を取り、印をつける。次に、該荷重をはずし、全重量が0.0882(cN/dtex)であるフックを用いて、500mmの始点の非交絡部にフックをかけて、そのままフックを下降させ、フックが止まる部分、すなわち交絡部に印をつけ、それを500mmの終点まで繰り返す。次に再び該複合仮撚糸に0.0882(cN/dtex)の荷重を取り付け、500mm印間長の中の隣り合う交絡部と交絡部の間の長さ、すなわち非交絡部の長さを測定し、500mm間にある非交絡部の長さを合計し、その値を500mm間の非交絡部の個数で除して非交絡部の平均長さを産出する。それを5回繰り返し、その5回の平均を持って、該複合仮撚糸の非交絡部の平均長さとする。
6.工程通過性
筬3枚を糸道の角度が45°となるように並べ、得られた複合仮撚糸に0.0882cN/dtexの荷重をかけ張力を付与し、1000m/minの速度で10分間走行させ、糸切れの発生、または、筬上における潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸の糸ズレの発生を観察し、以下のように評価した。
◎:糸切れ、糸ズレの発生がなく、スムーズな走行であった。
○:潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸が離れ、膨らみが発生したが、糸切れ、糸ズレの発生がなかった。
△:糸ズレが発生したが、糸切れは発生しなかった。
×:糸切れが発生した。
7.織物のストレッチ性、ソフト性
得られた織物について、10人のパネラーによる官能評価を行った。各々の試料でストレッチ性が優れるもの、ソフト性が優れるものを10点満点として1〜10点の10段階で評価し10人の平均値を算出し、下記基準により評価し、○以上を合格とした。
◎:8点以上
○:6点以上
△:4点以上
×:4点未満
(実施例1)
潜在捲縮性能を有するポリエステル糸として、極限粘度1.05のホモPBTと極限粘度0.47のホモPETを複合比率(ホモPBT/ホモPET)60/40としてサイドバイサイド型に複合した複合繊維糸条(84dtex24フィラメント、伸度108.1%)を供給糸とした。また、他のポリエステル糸として、ホモPET糸条(90dtex48フィラメント、伸度116.9%)を供給糸とした。
図1に示す製造工程に従い、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸を第1供給ローラー3に、他のポリエステル糸を第2供給ローラー4に供給し、ヒーター5として全面接触型ヒーターを、仮撚付与装置6として4mm厚のウレタン製ディスクを用い、ディスク構成1−7−1としたフリクションディスクを、交絡処理装置8としてインターレースノズルを使用して、表1に示す条件で延伸複合仮撚加工及び交絡処理を施し、複合仮撚糸を得た。得られた複合仮撚糸は、ポリエステル複合仮撚糸の長手方向において交絡部と非交絡部とを含み、非交絡部において潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸とが芯鞘構造を呈さないものであった。なお、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸の糸長(cm)、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸の捲縮率(%)、ポリエステル複合仮撚糸中の潜在捲縮性能を有するポリエステル糸の伸度E1(%)と他のポリエステル糸E2(%)は、第1デリベリローラー7を通過した後、交絡処理装置8を通過する前の複合仮撚糸を採取し、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸を分離して測定、算出した。
得られた複合仮撚糸をZ方向に300T/Mの追撚を施したものを経糸とし、得られた複合加工糸を無撚りのまま緯糸として、経糸密度128本/2.54cm、緯糸密度100本/2.54cmで2/2ツイル織物を織成した。得られた織物を非イオン系界面活性剤(日華化学社製サンモールFL)2g/lで80℃×20分で精練し、100℃×20分でリラックス処理をした。次いで、130℃×30分で分散染色処理し、175℃で仕上げセットし、織物を得た。得られた織物について、ストレッチ性、ソフト性の評価をおこなった。
(実施例2)
潜在捲縮性能を有するポリエステル糸として、極限粘度1.05のホモPBTと極限粘度0.47のホモPETを複合比率(ホモPBT/ホモPET)60/40としてサイドバイサイド型に複合した複合繊維糸条(84dtex24フィラメント、伸度108.1%)を供給糸とした。また、他のポリエステル糸として、ホモPET糸条(90dtex156フィラメント、伸度95.7%)を供給糸とした。
図1に示す製造工程に従い、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸を第1供給ローラー3に、他のポリエステル糸を第2供給ローラー4に供給し、ヒーター5として全面接触型ヒーターを、仮撚付与装置6として4mm厚のウレタン製ディスクを用い、ディスク構成1−7−1としたフリクションディスクを、交絡処理装置8としてインターレースノズルを使用して、表1に示す条件で延伸複合仮撚加工及び交絡処理をし、複合仮撚糸を得た。得られた複合仮撚糸は、ポリエステル複合仮撚糸の長手方向において交絡部と非交絡部とを含み、非交絡部において潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸とが芯鞘構造を呈さないものであった。なお、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸の糸長(cm)、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸の捲縮率(%)、ポリエステル複合仮撚糸中の潜在捲縮性能を有するポリエステル糸の伸度E1(%)と他のポリエステル糸E2(%)は、第1デリベリローラー7を通過した後、交絡処理装置8を通過する前の複合仮撚糸を採取し、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸を分離して測定、算出した。
得られた複合仮撚糸をZ方向に300T/Mの追撚を施したものを経糸とし、得られた複合加工糸を無撚りのまま緯糸として、経糸密度128本/2.54cm、緯糸密度100本/2.54cmで2/2ツイル織物を織成した。得られた織物を非イオン系界面活性剤(日華化学社製サンモールFL)2g/lで80℃×20分で精練し、100℃×20分でリラックス処理をした。次いで、130℃×30分で分散染色処理し、175℃で仕上げセットし、織物を得た。得られた織物について、ストレッチ性、ソフト性の評価をおこなった。
(実施例3)
潜在捲縮性能を有するポリエステル糸、他のポリエステル糸として、実施例1と同一のものを供給糸とした。
図1に示す製造工程に従い、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸を第1供給ローラー3に、他のポリエステル糸を第2供給ローラー4に供給し、ヒーター5として全面接触型ヒーターを、仮撚付与装置6として増速ローラーを用いたピンタイプを、交絡処理装置8としてインターレースノズルを使用して、表1に示す条件で延伸複合仮撚加工及び交絡処理をし、複合仮撚糸を得た。得られた複合仮撚糸は、ポリエステル複合仮撚糸の長手方向において交絡部と非交絡部とを含み、非交絡部において潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸とが芯鞘構造を呈さないものであった。なお、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸の糸長(cm)、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸の捲縮率(%)、ポリエステル複合仮撚糸中の潜在捲縮性能を有するポリエステル糸の伸度E1(%)と他のポリエステル糸E2(%)は、第1デリベリローラー7を通過した後、交絡処理装置8を通過する前の複合仮撚糸を採取し、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸を分離して測定、算出した。
得られた複合仮撚糸をZ方向に300T/Mの追撚を施したものを経糸とし、得られた複合加工糸を無撚りのまま緯糸として、経糸密度123本/2.54cm、緯糸密度96本/2.54cmで2/2ツイル織物を織成した。得られた織物を非イオン系界面活性剤(日華化学社製サンモールFL)2g/lで80℃×20分で精練し、100℃×20分でリラックス処理をした。次いで、130℃×30分で分散染色処理し、175℃で仕上げセットした。その後、仕上げセットした織物を80℃×20分で精練、100℃×20分のリラックス処理をおこなう変則2段処理を行った後、染色仕上げをし、織物を得た。得られた織物について、ストレッチ性、ソフト性の評価をおこなった。
(実施例4)
潜在捲縮性能を有するポリエステル糸、他のポリエステル糸として、実施例2と同一のものを供給糸とした。
図1に示す製造工程に従い、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸を第1供給ローラー3に、他のポリエステル糸を第2供給ローラー4に供給し、ヒーター5として全面接触型ヒーターを、仮撚付与装置6として増速ローラーを用いたピンタイプを、交絡処理装置8としてインターレースノズルを使用して、表1に示す条件で延伸複合仮撚加工及び交絡処理をし、複合仮撚糸を得た。得られた複合仮撚糸は、ポリエステル複合仮撚糸の長手方向において交絡部と非交絡部とを含み、非交絡部において潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸とが芯鞘構造を呈さないものであった。なお、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸の糸長(cm)、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸の捲縮率(%)、ポリエステル複合仮撚糸中の潜在捲縮性能を有するポリエステル糸の伸度E1(%)と他のポリエステル糸E2(%)は、第1デリベリローラー7を通過した後、交絡処理装置8を通過する前の複合仮撚糸を採取し、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸を分離して測定、算出した。
得られた複合仮撚糸をZ方向に300T/Mの追撚を施したものを経糸とし、得られた複合加工糸を無撚りのまま緯糸として、経糸密度123本/2.54cm、緯糸密度96本/2.54cmで2/2ツイル織物を織成した。得られた織物を非イオン系界面活性剤(日華化学社製サンモールFL)2g/lで80℃×20分で精練し、100℃×20分でリラックス処理をした。次いで、130℃×30分で分散染色処理し、175℃で仕上げセットし、織物を得た。得られた織物について、ストレッチ性、ソフト性の評価をおこなった。
(比較例1)
潜在捲縮性能を有するポリエステル糸、他のポリエステル糸として、実施例1と同一のものを供給糸とした。
図1に示す製造工程に従い、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸を第1供給ローラー3に、他のポリエステル糸を第2供給ローラー4に供給し、ヒーター5として全面接触型ヒーターを、仮撚付与装置6として4mm厚のウレタン製ディスクを用い、ディスク構成1−4−1としたフリクションディスクを、交絡処理装置8としてインターレースノズルを使用して、表1に示す条件で延伸複合仮撚加工及び交絡処理をし、複合仮撚糸を得た。得られた複合仮撚糸は、ポリエステル複合仮撚糸の長手方向において交絡部と非交絡部とを含み、非交絡部において潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸とが芯鞘構造を呈さないものであった。なお、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸の糸長(cm)、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸の捲縮率(%)、ポリエステル複合仮撚糸中の潜在捲縮性能を有するポリエステル糸の伸度E1(%)と他のポリエステル糸E2(%)は、第1デリベリローラー7を通過した後、交絡処理装置8を通過する前の複合仮撚糸を採取し、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸を分離して測定、算出した。
得られた複合仮撚糸をZ方向に300T/Mの追撚を施したものを経糸とし、得られた複合加工糸を無撚りのまま緯糸として、経糸密度128本/2.54cm、緯糸密度100本/2.54cmで2/2ツイル織物を織成した。得られた織物を非イオン系界面活性剤(日華化学社製サンモールFL)2g/lで80℃×20分で精練し、100℃×20分でリラックス処理をした。次いで、130℃×30分で分散染色処理し、175℃で仕上げセットし、織物を得た。得られた織物について、ストレッチ性、ソフト性の評価をおこなった。
(比較例2)
潜在捲縮性能を有するポリエステル糸、他のポリエステル糸として、実施例2と同一のものを供給糸とした。
図1に示す製造工程に従い、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸を第1供給ローラー3に、他のポリエステル糸を第2供給ローラー4に供給し、ヒーター5として全面接触型ヒーターを、仮撚付与装置6として4mm厚のウレタン製ディスクを用い、ディスク構成1−7−1としたフリクションディスクを、交絡処理装置8としてインターレースノズルを使用して、表1に示す条件で延伸複合仮撚加工及び交絡処理をし、複合仮撚糸を得た。得られた複合仮撚糸は、ポリエステル複合仮撚糸の長手方向において交絡部と非交絡部とを含み、非交絡部において他のポリエステル糸が芯となる芯鞘構造を呈するものであった。なお、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸の糸長(cm)、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸の捲縮率(%)、ポリエステル複合仮撚糸中の潜在捲縮性能を有するポリエステル糸の伸度E1(%)と他のポリエステル糸E2(%)は、第1デリベリローラー7を通過した後、交絡処理装置8を通過する前の複合仮撚糸を採取し、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸を分離して測定、算出した。
得られた複合仮撚糸をZ方向に300T/Mの追撚を施したものを経糸とし、得られた複合加工糸を無撚りのまま緯糸として、経糸密度128本/2.54cm、緯糸密度100本/2.54cmで2/2ツイル織物を織成した。得られた織物を非イオン系界面活性剤(日華化学社製サンモールFL)2g/lで80℃×20分で精練し、100℃×20分でリラックス処理をした。次いで、130℃×30分で分散染色処理し、175℃で仕上げセットし、織物を得た。得られた織物について、ストレッチ性、ソフト性の評価をおこなった。
(比較例3)
潜在捲縮性能を有するポリエステル糸、他のポリエステル糸として、実施例1と同一のものを供給糸とした。
図1に示す製造工程に従い、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸を第1供給ローラー3に、他のポリエステル糸を第2供給ローラー4に供給し、ヒーター5として全面接触型ヒーターを、仮撚付与装置6として4mm厚のウレタン製ディスクを用い、ディスク構成1−7−1としたフリクションディスクを、交絡処理装置8としてインターレースノズルを使用して、表1に示す条件で延伸複合仮撚加工及び交絡処理をし、複合仮撚糸を得た。得られた複合仮撚糸は、ポリエステル複合仮撚糸の長手方向において交絡部と非交絡部とを含み、非交絡部において他のポリエステル糸が芯となる芯鞘構造を呈するものであった。なお、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸の糸長(cm)、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸の捲縮率(%)、ポリエステル複合仮撚糸中の潜在捲縮性能を有するポリエステル糸の伸度E1(%)と他のポリエステル糸E2(%)は、第1デリベリローラー7を通過した後、交絡処理装置8を通過する前の複合仮撚糸を採取し、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸を分離して測定、算出した。
得られた複合仮撚糸をZ方向に300T/Mの追撚を施したものを経糸とし、得られた複合加工糸を無撚りのまま緯糸として、経糸密度128本/2.54cm、緯糸密度100本/2.54cmで2/2ツイル織物を織成した。得られた織物を非イオン系界面活性剤(日華化学社製サンモールFL)2g/lで80℃×20分で精練し、100℃×20分でリラックス処理をした。次いで、130℃×30分で分散染色処理し、175℃で仕上げセットし、織物を得た。得られた織物について、ストレッチ性、ソフト性の評価をおこなった。
(比較例4)
潜在捲縮性能を有するポリエステル糸、他のポリエステル糸として、実施例2と同一のものを供給糸とした。
図1に示す製造工程に従い、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸を第1供給ローラー3に、他のポリエステル糸を第2供給ローラー4に供給し、ヒーター5として全面接触型ヒーターを、仮撚付与装置6として増速ローラーを用いたピンタイプを、交絡処理装置8としてインターレースノズルを使用して、表1に示す条件で延伸複合仮撚加工及び交絡処理をし、複合仮撚糸を得た。得られた複合仮撚糸は、ポリエステル複合仮撚糸の長手方向において交絡部と非交絡部とを含み、非交絡部において他のポリエステル糸が芯となる芯鞘構造を呈するものであった。なお、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸の糸長(cm)、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸の捲縮率(%)、ポリエステル複合仮撚糸中の潜在捲縮性能を有するポリエステル糸の伸度E1(%)と他のポリエステル糸E2(%)は、第1デリベリローラー7を通過した後、交絡処理装置8を通過する前の複合仮撚糸を採取し、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸を分離して測定、算出した。
得られた複合仮撚糸をZ方向に300T/Mの追撚を施したものを経糸とし、得られた複合加工糸を無撚りのまま緯糸として、経糸密度123本/2.54cm、緯糸密度96本/2.54cmで2/2ツイル織物を織成した。得られた織物を非イオン系界面活性剤(日華化学社製サンモールFL)2g/lで80℃×20分で精練し、100℃×20分でリラックス処理をした。次いで、130℃×30分で分散染色処理し、175℃で仕上げセットし、織物を得た。得られた織物について、ストレッチ性、ソフト性の評価をおこなった。
実施例の製造条件を表1に、得られた結果を表2に示す。
実施例1〜4の複合仮撚糸は、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸に対する他のポリエステル糸の糸長差が5%以下であり、かつ、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸の捲縮率が40%以上であり、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸に対する他のポリエステル糸の捲縮率の差が10%以上であったことから、複合仮撚工程、撚糸工程、及び製織編工程に供しても工程通過性良く、織物としたときのストレッチ性に優れたものであった。中でも、実施例1、3及び4の複合仮撚糸は、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸の捲縮率が60〜80%の範囲内であったことから、織物としたときのストレッチ性に特に優れたものであった。実施例2及び4の複合仮撚糸は、他のポリエステル糸の単繊維繊度が0.5〜1.0dtexであったことから、織物としたときのソフト性が特に優れたものであった。実施例4の複合仮撚糸は、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸の捲縮率が60〜80%の範囲内であり、かつ、他のポリエステル糸の単繊維繊度が0.5〜1.0dtexであったことから、織物としたときのストレッチ性及びソフト性に特に優れたものであった。
一方、比較例1の複合仮撚糸は、供給糸の伸度に対して延伸倍率等の設定が適切でなく、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸に対する他のポリエステル糸の捲縮率の差(%)が10%未満であったことから、織物としたときの染色後において潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸とが芯鞘構造を呈さず、また、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸の捲縮率が比較的低かったことも相俟って、織編物としたときのストレッチ性に関して潜在捲縮性能を有するポリエステル糸が支配的とならず、結果として織物としたときのストレッチ性に劣るものであった。また、上記のように芯鞘構造を呈さなかったことから、織物としたときのソフト性に劣るものであった。
比較例2の複合仮撚糸は、供給糸の伸度に対して延伸倍率等の設定が適切でなく、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸に対する他のポリエステル糸の糸長差が0%未満であったことから、染色後の織物において他のポリエステル糸が芯糸となり、ストレッチ性に関して支配的となり、ストレッチ性に劣るものであった。また、上記のように芯鞘構造を呈さなかったことから、ソフト性を発揮する他のポリエステル糸が織物表面に出ず、織物としたときのソフト性に劣るものであった。なお、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸に対する他のポリエステル糸の糸長差の絶対値が5%を越えるものであったことから、工程通過性にも劣るものであった。
比較例3の複合仮撚糸は、供給糸の伸度に対して延伸倍率等の設定が適切でなく、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸に対する他のポリエステル糸の糸長差が0%未満であったことと、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸に対する他のポリエステル糸の捲縮率の差(%)が10%未満であったことから、染色後の織物において他のポリエステル糸が芯糸となってストレッチ性に関して支配的となり、ストレッチ性及びソフト性に劣るものであった。
比較例4の複合仮撚糸は、供給糸の伸度に対して延伸倍率等の設定が適切でなく、潜在捲縮性能を有するポリエステル糸に対する他のポリエステル糸の糸長差が0%未満であったことから、染色後の織物において他のポリエステル糸が芯糸となってストレッチ性に関して支配的となり、ストレッチ性及びソフト性に劣るものであった。
1 潜在捲縮性能を有するポリエステル糸
2 他のポリエステル糸
3 第1供給ローラー
4 第2供給ローラー
5 ヒーター
6 仮撚付与装置
7 第1デリベリローラー
8 交絡処理装置
9 第2デリベリローラー
10 巻き取りローラー
11 パッケージ

Claims (5)

  1. 潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と、他のポリエステル糸とを複合仮撚加工するポリエステル複合仮撚糸の製造方法であって、
    前記潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と他のポリエステル糸を引き揃えることなくそれぞれで延伸同時仮撚加工を施し、且つ、前記延伸同時仮撚加工におけるそれぞれの延伸倍率が、前記潜在捲縮性能を有するポリエステル糸と前記他のポリエステル糸の糸長差が5%以下となるように調整したものであることを特徴とするポリエステル複合仮撚糸の製造方法。
  2. 前記複合仮撚加工をおこなう工程において、前記潜在捲縮性能を有するポリエステル糸及び前記他のポリエステル糸それぞれの延伸倍率が1.250〜1.500倍である請求項に記載のポリエステル複合仮撚糸の製造方法。
  3. 前記複合仮撚加工をおこなう工程において、仮撚温度が160℃以上である請求項またはに記載のポリエステル複合仮撚糸の製造方法。
  4. 前記複合仮撚加工をおこなう工程において、ヒーター数が1である請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリエステル複合仮撚糸の製造方法。
  5. 前記複合仮撚加工を施した後に、交絡数が10〜120個/mとなるような交絡処理をおこなうものである請求項1〜4いずれか1項に記載のポリエステル複合仮撚糸の製造方法。
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