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JP6285782B2 - 亜クロム酸ナトリウムの製造方法 - Google Patents
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JP6285782B2 - 亜クロム酸ナトリウムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固体潤滑剤、溶融塩電池の正極活物質等として有用な亜クロム酸ナトリウムの製造方法に関するものである。
亜クロム酸ナトリウム(NaCrO)の用途としては、例えば、高温の液体ナトリウム中や高真空中で使用可能な固体潤滑剤として使用すること(例えば、特許文献1)や、あるいは電解質に溶融塩を用いる蓄電池タイプの溶融塩電池の正極活物質として用いること(例えば、特許文献2)等がある。
亜クロム酸ナトリウムを正極活物質とする溶融塩電池は、ナトリウムイオンを伝導イオンとし、充電時にナトリウムイオンが正極側から負極側へ移動し、ナトリウムイオンは負極に吸収されるというものである。
この亜クロム酸ナトリウムを正極活物質とする溶融塩電池は、ナトリウム−硫黄電池が280〜360℃の高温で作動させる必要があるのに対し、それより低温で作動可能であるという特徴を有する。
ここで、従来の亜クロム酸ナトリウムの製造方法としては、例えば、酸化クロムと炭酸ナトリウムを混合して得られる均一混合物を真空中又は不活性ガス中で焼成する方法(特許文献1及び特許文献2)、水酸化クロムと水酸化ナトリウムを反応させて合成する方法(特許文献3)等が提案されている。
特開平8−295894号公報 特開2012−162416号公報 特開2012−41237号公報
従来の酸化クロムと炭酸ナトリウムを混合して得られた均一混合物を、真空中又は不活性ガス中で焼成して、亜クロム酸ナトリウムを得る方法では、合成した亜クロム酸ナトリウムが6価クロムを含有し易く、一方、炭酸ナトリウムの比率を小さくすれば、6価クロムを減らすことはできるが、酸化クロムが未反応物として残り、X線回折的に酸化クロムの異相が見られ、単相の亜クロム酸ナトリウムが得られ難い。
また、重クロム酸ナトリウムに還元剤を添加して焼成する方法も考えられるが、重クロム酸ナトリウムは、強力な酸化剤であるため、急激な反応により危険を伴うという問題がある。
従って、本発明の目的は、重クロム酸ナトリウムを原料に用いて、工業的に有利な方法で、実質的に6価クロムを含有しない、X線回折的に単相の亜クロム酸ナトリウムを得ることができる亜クロム酸ナトリウムの製造方法を提供することにある。
前記目的は、以下の本発明により達成される。
すなわち、本発明(1)は、重クロム酸ナトリウムと、炭素粉末と、を含有し、Crに対するCの原子換算のモル比(C/Cr)が0.7〜3.0である焼成原料混合物を、真空又は不活性ガス雰囲気中、750℃以上で、焼成する亜クロム酸ナトリウムの製造方法であり、該炭素粉末の炭素原子の含有量が98質量%以上であることを特徴とする亜クロム酸ナトリウムの製造方法を提供するものである。
本発明によれば、重クロム酸ナトリウムを原料に用いて、工業的に有利な方法で、実質的に6価クロムを含有しない、X線回折的に単相の亜クロム酸ナトリウムを得ることができる亜クロム酸ナトリウムの製造方法を提供することができる。
実施例及び比較例で得られた焼成物のX線回折チャートである。 実施例1で得られた焼成物のSEM写真である。 実施例2で得られた焼成物のSEM写真である。 実施例3で得られた焼成物のSEM写真である。 実施例4で得られた焼成物のSEM写真である。 実施例5で得られた焼成物のSEM写真である。 実施例6で得られた焼成物のSEM写真である。
本発明の亜クロム酸ナトリウムの製造方法は、重クロム酸ナトリウムと、炭素粉末と、を含有し、Crに対するCの原子換算のモル比(C/Cr)が0.7〜3.0である焼成原料混合物を、真空又は不活性ガス雰囲気中、750℃以上で、焼成することを特徴とする亜クロム酸ナトリウムの製造方法である。
本発明の亜クロム酸ナトリウムの製造方法では、重クロム酸ナトリウム(NaCr)と炭素粉末とを含有する焼成原料混合物を、真空又は不活性ガス雰囲気中で焼成することにより、重クロム酸ナトリウムを還元して、亜クロム酸ナトリウムを得る。
本発明の亜クロム酸ナトリウムの製造方法に係る重クロム酸ナトリウムは、工業的に入手可能なものであれば、特に制限されない。重クロム酸ナトリウムの平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)観察により求められる平均粒子径が、好ましくは10〜1000μm、特に好ましくは50〜500μmである。平均粒子径が上記範囲未満であるとハンドリングが悪くなり易く、また、上記範囲を超えると反応性が悪くなり易い。なお、本発明において、重クロム酸ナトリウムの走査型電子顕微鏡観察(SEM)により求められる平均粒子径は、測定対象を走査型電子顕微鏡で観察し、得られるSEM写真中から、任意に200個の粒子を抽出して、それらの粒子の粒子径を測定し、それらの粒子径の平均値を算出することにより、求められる。
本発明の亜クロム酸ナトリウムの製造方法に係る重クロム酸ナトリウムは、含水物であっても、無水物であってもよい。また、本発明の亜クロム酸ナトリウムの製造方法に係る重クロム酸ナトリウムは、どのような製造方法により得られたものでもよいが、高純度の亜クロム酸ナトリウムを得るために、可及的に不純物が少ないものが好ましい。
本発明の亜クロム酸ナトリウムの製造方法に係る炭素粉末は、炭素原子からなる粉末状の粒子である。本発明の亜クロム酸ナトリウムの製造方法に係る炭素粉末中、炭素原子の含有量は、95質量%以上、好ましくは98質量%以上である。
本発明の亜クロム酸ナトリウムの製造方法に係る炭素粉末としては、特に制限されないが、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、活性炭、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノワイヤー、カーボンナノホーン、カーボンナノリング等が挙げられる。炭素粉末は、1種単独であっても、2種以上の組み合わせであってもよい。これらのうち、天然黒鉛が、重クロム酸ナトリウムを還元する還元能に優れ、6価クロムを実質的に含有せずX線回折的に単相の亜クロム酸ナトリウムを得易い点で好ましく、また、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、活性炭が、入手し易い点で好ましい。
本発明の亜クロム酸ナトリウムの製造方法に係る炭素粉末の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)観察により求められる平均粒子径が、好ましくは0.01〜50μm、特に好ましくは0.01〜20μmである。炭素粉末の平均粒子径が上記範囲にあることにより、重クロム酸ナトリウムを還元する還元能が高くなり、6価クロムを実質的に含有せずX線回折的に単相の亜クロム酸ナトリウムを得易い点で好ましい。なお、本発明において、炭素粉末の走査型電子顕微鏡(SEM)観察により求められる平均粒子径は、測定対象を走査型電子顕微鏡で観察し、得られるSEM写真中から、任意に200個の粒子を抽出して、それらの粒子の粒子径を測定し、それらの粒子径の平均値を算出することにより、求められる。
本発明の亜クロム酸ナトリウムの製造方法に係る焼成原料混合物は、重クロム酸ナトリウムと炭素粉末とを含有する。そして、本発明の亜クロム酸ナトリウムの製造方法に係る焼成原料混合物は、重クロム酸ナトリウムと炭素粉末とを混合することにより得られる。重クロム酸ナトリウムと炭素粉末とを混合して焼成原料混合物を得る方法としては、特に制限されず、重クロム酸ナトリウムと炭素粉末とを、湿式法で混合してもよいし、乾式法で混合してもよい。湿式法で混合する場合、ボールミル、ディスパーミル、ホモジナイザー、振動ミル、サンドグラインドミル、アトライター、強力撹拌機等の装置を用いて混合を行うことができる。また、乾式法で混合する場合、ハイスピードミキサー、スーパーミキサー、ターボスフェアミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、リボンブレンダー、V型混合機等の装置を用いて混合を行うことができる。なお、重クロム酸ナトリウムと炭素粉末との混合は、例示した装置を用いる方法に限定されるものではない。また、実験室レベルでは、家庭用ミキサーを用いてあるいは手作業で混合を行うこともできる。また、所望により、重クロム酸ナトリウムと炭素粉末とを混合して得た焼成原料混合物を、ジェットミル等で粉砕処理して粒度調整を行っても差し支えない。
本発明の亜クロム酸ナトリウムの製造方法に係る焼成原料混合物中、クロム原子に対する炭素原子の原子換算のモル比(C/Cr)は、0.7〜3.0である。クロム原子に対する炭素原子の原子換算のモル比が上記範囲にあることにより、6価クロムを実質的に含有せずX線回折的に単相の亜クロム酸ナトリウムが得られる。
そして、本発明の亜クロム酸ナトリウムの製造方法では、クロム原子に対する炭素原子の原子換算のモル比(C/Cr)を、0.7〜1.5、好ましくは0.7〜1.0とすることにより、炭素粉末に由来する残留炭素分が少ない亜クロム酸ナトリウムであり、且つ、6価クロムを実質的に含有しないX線回折的に単相の亜クロム酸ナトリウムを得ることができる。一方、クロム原子に対する炭素原子の原子換算のモル比が、上記範囲未満だと、X線回折的に単相の亜クロム酸ナトリウムを得ることが難しく、更に、6価クロムの含有量が多くなり、また、上記範囲を超えると、亜クロム酸ナトリウム中の炭素分が多くなる。
また、亜クロム酸ナトリウムを溶融塩電池の正極活物質として用いる場合には、導電性のない亜クロム酸ナトリウムの粒子表面を導電性のある炭素で被覆することにより、溶融塩電池の放電容量を高くすることができる。そこで、本発明の亜クロム酸ナトリウムの製造方法では、Crに対するCの原子換算のモル比(C/Cr)を、1.5〜3.0、好ましくは1.5〜2.4とすることにより、焼成のときに、焼成原料混合物中の重クロム酸ナトリウムを炭素粉末で還元すると共に、還元により生成する亜クロム酸ナトリウムの粒子表面を、還元に使用されなかった炭素粉末に由来する炭素分で被覆することができるので、粒子表面が炭素で被覆された亜クロム酸ナトリウムであり、且つ、6価クロムを実質的に含有しないX線回折的に単相の亜クロム酸ナトリウムを、工業的に有利に得ることができる。
本発明の亜クロム酸ナトリウムの製造方法では、焼成原料混合物を、真空又は不活性ガス雰囲気中で、焼成する。不活性ガスとしては、例えば、アルゴンガス、ヘリウムガス、窒素ガス等が挙げられる。これらの不活性ガスの純度等の諸物性は特に制限されない。
本発明の亜クロム酸ナトリウムの製造方法において、焼成原料混合物を焼成するときの焼成温度は、750℃以上、好ましくは750〜1200℃、特に好ましくは800〜1000℃である。焼成温度が、上記範囲にあることにより、X線回折的に単相の亜クロム酸ナトリウムが得られる。一方、焼成温度が、上記範囲未満だと、単相の亜クロム酸ナトリウムが得られない。また、焼成温度が1200℃を超えると、6価クロムが増える傾向があり、また、コスト的な観点から工業的に不利になるおそれがある。
本発明の亜クロム酸ナトリウムの製造方法において、焼成原料混合物を焼成するときの焼成時間は、特に制限されず、一般的に1時間以上、好ましくは3〜10時間であれば、X線回折的に単相の亜クロム酸ナトリウムが得易い。
本発明の亜クロム酸ナトリウムの製造方法において、焼成原料混合物を焼成するときの焼成回数は、1回であっても、2回以上であってもよい。つまり、焼成原料混合物の焼成操作を1回だけ行ってもよいし、あるいは、焼成原料混合物の1回目の焼成操作を行い焼成物の冷却を行った後、再び、1回目の焼成操作で得られた焼成物を再焼成してもよいし、このような再焼成操作を繰り返してもよい。
本発明の亜クロム酸ナトリウムの製造方法では、焼成により得られる亜クロム酸ナトリウムを、必要に応じて、解砕処理又は粉砕処理し、更に分級を行ってもよい。
このようして、本発明の亜クロム酸ナトリウムの製造方法を行うことにより、亜クロム酸ナトリウム(NaCrO)を得る。
本発明の亜クロム酸ナトリウムの製造方法を行い得られる亜クロム酸ナトリウムは、化学式がNaCrOで表される化合物であり、X線回折的に単相である。また、本発明の亜クロム酸ナトリウムの製造方法を行い得られる亜クロム酸ナトリウムの6価クロムの含有量は30ppm以下、好ましくは10ppm以下と、実質的に6価クロムを含有せず、酸化クロム(Cr)を実質的に含有しない亜クロム酸ナトリウムである。
本発明の亜クロム酸ナトリウムの製造方法を行い得られる亜クロム酸ナトリウムのレーザー散乱・回折法で求められる平均粒子径は、好ましくは1〜100μm、特に好ましくは1〜40μmである。なお、亜クロム酸ナトリウムの平均粒子径は、二次粒子の平均粒子径である。また、原料炭素粉末に由来する残留炭素は、1質量%以下、特に0.5質量%以下であることが好ましい。ここで、亜クロム酸ナトリウムを溶融塩電池の正極活物質として用いる場合において、導電性のある炭素で亜クロム酸ナトリウムの粒子表面を被覆する場合には、残留炭素の含有量を好ましくは1〜15質量%、特に好ましくは3〜10質量%としてもよい。
本発明の亜クロム酸ナトリウムの製造方法を行い得られる亜クロム酸ナトリウムは、正極、負極、セパレータ、及び電解質からなるナトリウムイオン二次電池の正極活物質として好適に使用される。
本発明のナトリウムイオン二次電池用正極活物質は、上記本発明の亜クロム酸ナトリウムの製造方法を行い得られる亜クロム酸ナトリウムを含有することを特徴とするナトリウムイオン二次電池用正極活物質である。
正極活物質は、後述のナトリウムイオン二次電池の正極合剤、すなわち、正極活物質、導電剤、結着剤、及び必要に応じてフィラー等とからなる混合物の一原料である。本発明のナトリウムイオン二次電池用正極活物質は、本発明の亜クロム酸ナトリウムの製造方法を行い得られる亜クロム酸ナトリウムを含むため、他の原料と共に混合して正極合剤を調製する際に混練が容易であり、また、得られる正極合剤を正極集電体に塗布する際の塗工性が容易になる。
本発明のナトリウムイオン二次電池は、上記本発明のナトリウムイオン二次電池用正極活物質が用いられていることを特徴とするナトリウムイオン二次電池であり、正極、負極、セパレータ、及び電解質からなる。
本発明のナトリウムイオン二次電池に係る正極は、例えば、正極集電体上に正極合剤を塗布乾燥等して形成されるものである。正極合剤は、正極活物質、導電剤、結着剤、及び必要により添加されるフィラー等からなる。本発明のナトリウムイオン二次電池は、正極に、本発明のナトリウムイオン二次電池用正極活物質が均一に塗布されている。このため本発明のナトリウムイオン二次電池は、電池性能が高く、特に高容量で安全性が高い。
本発明のナトリウムイオン二次電池に係る正極合剤に含有される正極活物質の含有量は、70〜100質量%、好ましくは90〜98質量%である。
本発明のナトリウムイオン二次電池に係る正極集電体としては、構成された電池において化学変化を起こさない電子伝導体であれば特に制限されるものでないが、例えば、ステンレス鋼、ニッケル、アルミニウム、チタン、焼成炭素、アルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀を表面処理させたもの等が挙げられる。これらの材料の表面を酸化して用いてもよく、表面処理により集電体表面に凹凸を付けて用いてもよい。また、集電体の形態としては、例えば、フォイル、フィルム、シート、ネット、パンチングされたもの、ラス体、多孔質体、発砲体、繊維群、不織布の成形体などが挙げられる。集電体の厚さは特に制限されないが、1〜500μmとすることが好ましい。
本発明のナトリウムイオン二次電池に係る導電剤としては、構成された電池において化学変化を起こさない電子伝導材料であれば特に限定はない。例えば、天然黒鉛及び人工黒鉛等の黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック類、炭素繊維や金属繊維等の導電性繊維類、フッ化カーボン、アルミニウム、ニッケル粉等の金属粉末類、酸化亜鉛、チタン酸カリウム等の導電性ウィスカー類、酸化チタン等の導電性金属酸化物、或いはポリフェニレン誘導体等の導電性材料が挙げられ、天然黒鉛としては、例えば、鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛及び土状黒鉛等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。導電剤の配合比率は、正極合剤中、1〜50質量%、好ましくは2〜30質量%である。
本発明のナトリウムイオン二次電池に係る結着剤としては、例えば、デンプン、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ジアセチルセルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフロオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム、フッ素ゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、ポリエチレンオキシドなどの多糖類、熱可塑性樹脂、ゴム弾性を有するポリマー等が挙げられ、これらは1種または2種以上組み合わせて用いることができる。結着剤の配合比率は、正極合剤中、1〜50質量%、好ましくは5〜15質量%である。
本発明のナトリウムイオン二次電池に係るフィラーは、正極合剤において正極の体積膨張等を抑制するものであり、必要により添加される。フィラーとしては、構成された電池において化学変化を起こさない繊維状材料であれば何でも用いることができるが、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系ポリマー、ガラス、炭素等の繊維が用いられる。フィラーの添加量は特に限定されないが、正極合剤中、0〜30質量%が好ましい。
本発明のナトリウムイオン二次電池に係る負極は、負極集電体上に負極材料を塗布乾燥等して形成される。本発明のナトリウムイオン二次電池に係る負極集電体としては、構成された電池において化学変化を起こさない電子伝導体であれば特に制限されるものでないが、例えば、ステンレス鋼、ニッケル、銅、チタン、アルミニウム、焼成炭素、銅やステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀を表面処理させたもの及びアルミニウム−カドミウム合金等が挙げられる。また、これらの材料の表面を酸化して用いてもよく、表面処理により集電体表面に凹凸を付けて用いてもよい。また、集電体の形態としては、例えば、フォイル、フィルム、シート、ネット、パンチングされたもの、ラス体、多孔質体、発砲体、繊維群、不織布の成形体などが挙げられる。集電体の厚さは特に制限されないが、1〜500μmとすることが好ましい。
本発明のナトリウムイオン二次電池に係る負極材料としては、特に制限されるものではないが、例えば、ハードカーボン、天然グラファイト、人造グラファイト、ソフトカーボン、カーボンブラック、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、カーボンフィブリル、ポリアセン等の炭素材料、Si、Ge、Sn、Pb、In、Zn、H、Ca、Sr、Ba、Ru、Rh、Ir、Pd、Pt、Ag、Au、Cd、Hg、Ga、Tl、C、N、Sb、Bi、O、S、Se、Te、Cl等のナトリウムと合金化する元素単体、これらの元素を含む酸化物及び炭化物等、ナトリウム金属等の金属材料、ナトリウム−チタン複合酸化物等のナトリウム−遷移金属複合酸化物等を挙げることができる。これらの負極材料は、一種のみを単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
本発明のナトリウムイオン二次電池に係るセパレータとしては、大きなイオン透過度を持ち、所定の機械的強度を持った絶縁性の薄膜が用いられる。耐有機溶剤性と疎水性からポリプロピレンなどのオレフィン系ポリマーあるいはガラス繊維あるいはポリエチレンなどからつくられたシートや不織布が用いられる。セパレータの孔径としては、一般的に電池用として有用な範囲であればよく、例えば、0.01〜10μmである。セパレータの厚みとしては、一般的な電池用の範囲であればよく、例えば5〜300μmである。なお、後述する電解質としてポリマーなどの固体電解質が用いられる場合には、固体電解質がセパレータを兼ねるようなものであってもよい。
本発明のナトリウムイオン二次電池に係るナトリウム塩を含有する非水電解質は、非水電解質とナトリウム塩とからなるものである。本発明のナトリウムイオン二次電池に係る非水電解質としては、非水電解液、有機固体電解質、無機固体電解質が用いられる。非水電解液としては、例えば、N−メチル−2−ピロリジノン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロキシフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタン、蟻酸メチル、酢酸メチル、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、ジエチルエーテル、1,3−プロパンサルトン、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等の非プロトン性有機溶媒の1種または2種以上を混合した溶媒が挙げられる。
本発明のナトリウムイオン二次電池に係る有機固体電解質としては、例えば、ポリエチレン誘導体、ポリエチレンオキサイド誘導体又はこれを含むポリマー、ポリプロピレンオキサイド誘導体又はこれを含むポリマー、リン酸エステルポリマー、ポリホスファゼン、ポリアジリジン、ポリエチレンスルフィド、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレン等のイオン性解離基を含むポリマー、イオン性解離基を含むポリマーと上記非水電解液の混合物等が挙げられる。
本発明のナトリウムイオン二次電池に係る無機固体電解質としては、Naの窒化物、ハロゲン化物、酸素酸塩、硫化物等を用いることができ、例えば、NaN、NaI、NaNI、NaN−NaI−NaOH、NaSiO、NaSiO−NaI−NaOH、NaSiS、NaSiO、NaSiO−NaI−NaOH、P、NaS又はNaS−P、NaS−SiS、NaS−GeS、NaS−Ga、NaS−B、NaS−P−X、NaS−SiS−X、NaS−GeS−X、NaS−Ga−X、NaS−B−X、(式中、XはNaI、B、又はAlから選ばれる少なくとも1種以上)等が挙げられる。
本発明のナトリウムイオン二次電池に係るナトリウム塩としては、上記非水電解質に溶解するものが用いられ、例えば、NaCl、NaBr、NaI、NaClO、NaBF、NaB10Cl10、NaPF、NaCFSO、NaCFCO、NaAsF、NaSbF、NaB10Cl10、NaAlCl、CHSONa、CFSONa、(CFSONNa、クロロボランナトリウム、低級脂肪族カルボン酸ナトリウム、イミド類等の1種または2種以上を混合した塩が挙げられる。
また、非水電解質には、放電、充電特性、難燃性を改良する目的で、以下に示す化合物を添加することができる。例えば、ピリジン、トリエチルホスファイト、トリエタノールアミン、環状エーテル、エチレンジアミン、n−グライム、ヘキサリン酸トリアミド、ニトロベンゼン誘導体、硫黄、キノンイミン染料、N−置換オキサゾリジノンとN,N−置換イミダゾリジン、エチレングリコールジアルキルエーテル、アンモニウム塩、ポリエチレングルコール、ピロール、2−メトキシエタノール、三塩化アルミニウム、導電性ポリマー電極活物質のモノマー、トリエチレンホスホンアミド、トリアルキルホスフィン、モルフォリン、カルボニル基を持つアリール化合物、ヘキサメチルホスホリックトリアミドと4−アルキルモルフォリン、二環性の三級アミン、オイル、ホスホニウム塩及び三級スルホニウム塩、ホスファゼン、炭酸エステル等が挙げられる。また、電解液を不燃性にするために含ハロゲン溶媒、例えば、四塩化炭素、三弗化エチレンを電解液に含ませることができる。また、高温保存に適性を持たせるために電解液に炭酸ガスを含ませることができる。
本発明のナトリウムイオン二次電池は、体積当たりの容量が高く、安全性、サイクル特性及び作動電圧にも優れたナトリウムイオン二次電池であり、電池の形状はボタン、シート、シリンダー、角、コイン型等いずれの形状であってもよい。
本発明のナトリウムイオン二次電池の用途は、特に限定されないが、例えば、ノートパソコン、ラップトップパソコン、ポケットワープロ、携帯電話、コードレス子機、ポータブルCDプレーヤー、ラジオ、液晶テレビ、バックアップ電源、電気シェーバー、メモリーカード、ビデオムービー等の電子機器、自動車、電動車両、ゲーム機器、電動工具等の民生用電子機器が挙げられる。
上記で説明した用途の他、本発明の亜クロム酸ナトリウムの製造方法を行い得られる亜クロム酸ナトリウムは、例えば、高温の液体ナトリウム中や高真空中で使用可能な固体潤滑剤にも好適に用いられる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
平均粒子径300μmの重クロム酸ナトリウム二水和物(日本化学工業社製、重クロム酸ナトリウム)100gと、平均粒子径15μmの天然黒鉛(和光純薬工業社製、和光特級)6.1gを電動コーヒーミルにて粉砕しながら十分混合して混合粉を得た。得られた混合粉をアルミナ製匣鉢に入れ、窒素雰囲気下900℃で5時間焼成した。反応条件を表1に、得られた結果を表2に示す。
(実施例2)
平均粒子径300μmの重クロム酸ナトリウム二水和物(日本化学工業社製、重クロム酸ナトリウム)100gと、平均粒子径33μmの天然黒鉛(伊藤黒鉛工業社製、RP99−150)7.3gを電動コーヒーミルにて粉砕しながら十分混合して混合粉を得た。得られた混合粉をアルミナ製匣鉢に入れ、窒素雰囲気下900℃で5時間焼成した。反応条件を表1に、得られた結果を表2に示す。
(実施例3)
平均粒子径300μmの重クロム酸ナトリウム二水和物(日本化学工業社製)100gと、平均粒子径6μmの人造黒鉛(伊藤黒鉛工業社製、AG6T)7.9gを電動コーヒーミルにて粉砕しながら十分混合して混合粉を得た。得られた混合粉をアルミナ製匣鉢に入れ、窒素雰囲気下900℃で5時間焼成した。反応条件を表1に、得られた結果を表2に示す。
(実施例4)
平均粒子径300μmの重クロム酸ナトリウム二水和物(日本化学工業社製)100gと、平均粒子径12μmの活性炭素(純正化学社製、一級試薬)7.9gを電動コーヒーミルにて粉砕しながら十分に混合して混合粉を得た。得られた混合粉をアルミナ製匣鉢に入れ、窒素雰囲気下900℃で5時間焼成した。反応条件を表1に、得られた結果を表2に示す。
(実施例5)
平均粒子径300μmの重クロム酸ナトリウム二水和物(日本化学工業社製)100gと、平均粒子径0.04μmのアセチレンブラック(Strem Chemicals, Inc.製 )7.9gを電動コーヒーミルにて粉砕しながら十分に混合して混合粉を得た。得られた混合粉をアルミナ製匣鉢に入れ、窒素雰囲気下900℃で5時間焼成した。反応条件を表1に、得られた結果を表2に示す。
(比較例1)
天然黒鉛を6.1g混合することに代えて、天然黒鉛を4.0g混合すること以外は、実施例1と同じ方法で行った。反応条件を表1に、得られた結果を表2に示す。
(比較例2)
焼成温度を900℃とすることに代えて、焼成温度を700℃とすること以外は、実施例1と同じ方法で行った。反応条件を表1に、得られた結果を表2に示す。
Figure 0006285782
<平均粒子径の分析>
(1)重クロム酸ナトリウム及び炭素粉末の平均粒子径
測定対象を走査型電子顕微鏡で観察して、測定対象のSEM写真を得、次いで、得られたSEM写真中から、任意に200個の粒子を抽出して、それらの粒子の粒子径を測定し、それらの粒子径の平均値を算出して、平均粒子径を求めた。
(2)亜クロム酸ナトリウムの平均粒子径
マイクロトラックMT3000(日機装社製)を用いてレーザー散乱・回折法により、測定対象の平均粒子径を求めた。
<焼成物の物性評価>
実施例1〜6、及び比較例1〜2で得られた焼成物について、X線回折分析を行った。得られた結果を図1に示す。測定にはリガク製X線回折装置(UltimaIV)を使用した。また、実施例1〜6で得られた亜クロム酸ナトリウムの走査型電子顕微鏡写真を図2〜7に示す。
また、実施例1〜6及び比較例1〜2で得られた焼成物の平均粒子径、酸化クロム含有量、炭素含有量(TC)及び6価クロム含有量を評価した。その結果を表2に示す。
(酸化クロム(Cr)の評価方法)
RIGAKU製統合粉末X線解析ソフトウェアPDXL2を使用しWPPF法で定量した。
(炭素含有量(TC)の評価方法)
TOC全有機炭素計(島津製作所製TOC−5000A)にて測定した。
(6価クロム含有量の評価方法)
分析は比色法で行った。定量には島津製作所製紫外可視分光光度計(UV−1800)を使用した。
Figure 0006285782
表2より、実施例1〜6では、X線回折的に単相であり、6価クロムが実質的に含まれていない亜クロム酸ナトリウムが得られていることが判る。一方、比較例1〜2では、X線回折的に異相が見られ、また、6価クロムが高濃度に検出されていることが判る。
実施例及び比較例により得られた試料を正極活物質として用い、以下のようにして電池性能試験を行った。
<ナトリウムイオン二次電池の作製>
実施例1〜6及び比較例1〜2で得られた正極活物質80質量%、アセチレンブラック粉末10質量%、ポリフッ化ビニリデン10質量%を混合して正極材とし、これをN−メチル−2−ピロリジノンに分散させて混練ペーストを調製した。該混練ペーストをアルミ箔に塗布したのち乾燥、プレスして直径15mmの円盤に打ち抜いて正極板を得た。
この正極板を用いて、セパレータ、負極、正極、集電板、取り付け金具、外部端子、電解液等の各部材を使用してコイン型ナトリウムイオン二次電池を製作した。このうち負極はナトリウム金属を用い、電解液にはプロピレンカーボネートとフルオロエチレンカーボネートの98:2混練液1リットルにNaPF1モルを溶解したものを使用した。
次いで、得られたナトリウムイオン二次電池の性能評価を行った。その結果を表3に示す。
<電池の性能評価>
作製したコイン型ナトリウムイオン二次電池を室温で下記試験条件で作動させ、電池のサイクル特性を評価した。
先ず、0.1Cにて3.5Vまで2時間かけて充電を行い、更に3.5Vで3時間電圧を保持させる定電流・定電圧充電(CCCV充電)充電を行った。その後、0.1Cにて2.5Vまで定電流放電(CC放電)させる放電を行い、これらの操作を1サイクルとして1サイクル毎に放電容量を測定した。このサイクルを10サイクル繰り返した。下記(1)〜(4)の測定結果を表3に示す。
(1)充電容量
サイクル特性評価における定電流・定電圧充電(CCCV充電)させた値を充電容量とした。
(2)放電容量
サイクル特性評価における定電流放電(CC放電)させた値を放電容量とした。
(3)クーロン効率
サイクル特性評価における充電容量と放電容量から、下記式によりクーロン効率を算出した。
クーロン効率(%)=(放電容量/充電容量)×100
(4)容量維持率
サイクル特性評価における1サイクル目と10サイクル目のそれぞれの放電容量から、下記式により容量維持率を算出した。
容量維持率(%)=(10サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100
Figure 0006285782
表3の結果から、比較例よりも実施例の方が優れていることが判る。
本発明によれば、6価クロムを実質的に含有しないX線回折的に単相の亜クロム酸ナトリウムを工業的に有利な方法で提供することができる。また、該亜クロム酸ナトリウムは、例えば、高温の液体ナトリウム中や高真空中で使用可能な固体潤滑剤、あるいは、ナトリウムイオン二次電池の正極活物質として有用である。

Claims (5)

  1. 重クロム酸ナトリウムと、炭素粉末と、を含有し、Crに対するCの原子換算のモル比(C/Cr)が0.7〜3.0である焼成原料混合物を、真空又は不活性ガス雰囲気中、750℃以上で、焼成する亜クロム酸ナトリウムの製造方法であり、該炭素粉末の炭素原子の含有量が98質量%以上であることを特徴とする亜クロム酸ナトリウムの製造方法。
  2. 前記炭素粉末が、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、活性炭、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノワイヤー、カーボンナノホーン及びカーボンナノリングからなる群より選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1記載の亜クロム酸ナトリウムの製造方法。
  3. 前記焼成原料混合物中、Crに対するCの原子換算のモル比(C/Cr)が0.7〜1.5であることを特徴とする請求項1又は2いずれか1項記載の亜クロム酸ナトリウムの製造方法。
  4. 前記焼成原料混合物中、Crに対するCの原子換算のモル比(C/Cr)が1.5〜3.0であることを特徴とする請求項1又は2いずれか1項記載の亜クロム酸ナトリウムの製造方法。
  5. 前記炭素粉末の平均粒子径が、0.01〜50μmであることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の亜クロム酸ナトリウムの製造方法。
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