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JP6286942B2 - 車両のリヤアクスル構造 - Google Patents
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本発明は、右車輪および左車輪の間が一本のアクスルパイプで連結されたリジッドアクスル式のリヤサスペンションを有する車両において、特に左車輪および右車輪を支持するスピンドルをアクスルパイプに固定するための構造に関する。
リジッドアクスル式のリヤサスペンションは、乗用車等の車両に広く用いられている。この種のリヤサスペンションは、例えば特許文献1に開示されているように、左車輪および右車輪を回転自在に支持する一対のスピンドルと、これらスピンドルの間を連結する一本のアクスルパイプと、を備えている。
アクスルパイプは、その長手方向に沿う両端部が夫々コイルスプリングとショックアブソーバとを組み合わせた緩衝装置を介して車体に支持されている。さらに、アクスルパイプは、スピンドルに向けて開口された開口端を有し、当該開口端を塞ぐようにスピンドルの端部が突き合わされている。スピンドルの端部は、アクスルパイプの開口端に全周に亘って溶接することで、アクスルパイプに一体的に固定されている。
実開昭62−196702号公報
従来のリヤサスペンションによると、車両の走行中に路面からスピンドルに作用する衝撃の多くは、スピンドルとアクスルパイプとの溶接部分が受け止める。
ところが、スピンドルの端部は、アクスルパイプの開口端に突き当てた状態で溶接されているに止まっている。このため、スピンドルとアクスルパイプとの溶接部分に大きな応力が集中するのを避けられず、リヤサスペンションの耐久性に悪影響を及ぼす要因となる。
本発明の目的は、アクスルパイプの開口端とスピンドルとの結合部への応力集中を抑制できるとともに、アクスルパイプの曲げ剛性を高めることができ、耐久性に優れた車両のリヤアクスル構造を得ることにある。
前記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係る車両のリヤアクスル構造は、開口端を有するアクスルパイプと、前記アクスルパイプの前記開口端に溶接され、車輪を回転自在に支持するスピンドルと、前記アクスルパイプの端部に固定され、車体との間に介在された懸架用コイルスプリングを受けるスプリングシートと、を備えている。
前記スピンドルは、前記アクスルパイプの前記開口端から前記スプリングシートの下方まで延長された延長部を有する。前記延長部は、前記懸架用コイルスプリングの中心軸線が前記アクスルパイプと交差する位置において、その外周面が前記アクスルパイプに内周面に当接し、前記懸架用コイルスプリングから前記スプリングシートを介して前記アクスルパイプに伝わる荷重を受け止めるように構成されている。
本発明の好ましい形態によると、前記スピンドルの前記延長部の先端よりも前記開口端側に位置する前記アクスルパイプの内周面に、当該アクスルパイプの内側に張り出す突部が形成されている。
本発明の好ましい形態によると、前記突部は、前記スプリングシートの外縁部を前記アクスルパイプの外周面に接合する溶接部で構成されている。
本発明の好ましい形態によると、前記スピンドルの前記延長部は、前記突部に対応する位置に前記アクスルパイプの内周面から離れた逃げ部を有している。
本発明によれば、スピンドルとアクスルパイプの開口端との溶接部分が受ける荷重負担を軽減できるとともに、懸架用コイルスプリングからアクスルパイプに加わる荷重をスピンドルの延長部で受け止めることができる。したがって、アクスルパイプの曲げ剛性を高めることができ、スピンドル回りの耐久性が向上する。
第1の実施形態に係る車両の斜視図である。 第1の実施形態において、右車輪および左車輪を支持する一対のスピンドルの間を一本のアクスルパイプで連結したリジッドアクスル式のリヤサスペンションを概略的に示す断面図である。 第1の実施形態に係るリジッドアクスル式のリヤサスペンションの左端部を示す斜視図である。 図3に示されたリジッドアクスル式のリヤサスペンションを図3の矢印Aの方向から見た斜視図である。 図3に示されたリジッドアクスル式のリヤサスペンションを図3の矢印Bの方向から見た斜視図である。 第1の実施形態に係るリジッドアクスル式のリヤサスペンションの左端部の断面図である。 第1の実施形態で用いるスピンドルの平面図である。 第2の実施形態に係るリジッドアクスル式のリヤサスペンションの左端部の断面図である。 第3の実施形態に係るリジッドアクスル式のリヤサスペンションの左端部の断面図である。
[第1の実施形態]
以下、第1の実施形態について、図1ないし図6を参照して説明する。
図1は、車両の一例である乗用車1を示している。乗用車1の車体2の後部には、左車輪3aおよび右車輪3bが配置されている。左車輪3aおよび右車輪3bは、リジッドアクスル式のリヤサスペンション4を介して車体2に支持されている。
図2に示すように、リヤサスペンション4は、左右のトレーリングアーム5a,5b、左右のスピンドル6a,6bおよびアクスルパイプ7を備えている。トレーリングアーム5a,5bは、車体2の前後方向に延びているとともに、車体2の幅方向に互いに間隔を存して並んでいる。
図3ないし図5に左側のトレーリングアーム5aを代表して示すように、各トレーリングアーム5a,5bは、前端部8および後端部9を有している。トレーリングアーム5a,5bの前端部8は、車体2に回動可能に支持されている。トレーリングアーム5a,5bの後端部9には、夫々ロアブラケット11が固定されている。
アクスルパイプ7は、トレーリングアーム5a,5bの後端部9の間に跨るようにロアブラケット11に溶接されている。本実施形態のアクスルパイプ7は、丸パイプで構成され、軸方向に沿う両端に円形の開口端7a,7bを有している。
アクスルパイプ7の両端部には、夫々スプリングシート12a,12bが取り付けられている。スプリングシート12a,12bは、車体2との間に架設された懸架用コイスルプリング13を受け止める要素であって、アクスルパイプ7の開口端7a,7bと隣り合っている。
スプリングシート12a,12bは、夫々アクスルパイプ7の外周面に沿うようにフレア状に広がる接合部14を有している。接合部14の外縁部14aは、アクスルパイプ7の外周面に対し複数個所で溶接されている。このため、本実施形態では、複数の溶接部分15が接合部14の外縁部14aとアクスルパイプ7との間に跨って形成されている。溶接部分15は、接合部14の周方向に間隔を存して並んでいる。
さらに、アクスルパイプ7にスプリングシート12a,12bを溶接したことに伴い、アクスルパイプ7の内周面の前記溶接部分15に対応する箇所には、図6に示すような突部16が形成されている。突部16は、アクスルパイプ7の内側に向けて張り出している。
図3ないし図5に示すように、スプリングシート12a,12bの背後にショックアブソーバブラケット17が設けられている。ショックアブソーバブラケット17は、アクスルパイプ7およびロアブラケット11に溶接されている。ショックアブソーバブラケット17には、車体2との間に架設されたショックアブソーバ(図示せず)の下端部が連結されている。
左右のスピンドル6a,6bは、左車輪3aおよび右車輪3bを回転自在に支持する要素であり、互に共通の構成を有している。そのため、本実施形態では、左側のスピンドル6aを代表して説明し、右側のスピンドル6bについては同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
図3ないし図6に示すように、スピンドル6aは、スピンドル本体20、スピンドル軸部21および延長部22を有する一体構造物である。スピンドル本体20は、ソリッドな円柱状に形成されており、その一端にフランジ部23を有している。フランジ部23を含むスピンドル本体20の一端は、アクスルパイプ7の開口端7aを閉塞し得る大きさを有している。
スピンドル本体20の一端は、アクスルパイプ7の開口端7aに突き合わせた状態で開口端7aの全周に亘って溶接されている。この結果、スピンドル本体20の一端とアクスルパイプ7との境界に、アクスルパイプ7の周方向に連続する溶接部分24が形成されている。
さらに、スピンドル本体20の外周面にブレーキブラケット25が溶接されている。ブレーキブラケット25は、左車輪3aに設けられたドラムブレーキのバックプレートを支持している。
スピンドル軸部21は、スピンドル本体20の他端からフランジ部23の反対側に向けて同軸状に突出されている。スピンドル軸部21は、前記ドラムブレーキを内装したハブを回転自在に支持する要素であって、当該ハブに左車輪3aのホイールが固定されている。
図6および図7に示すように、スピンドル6aの延長部22は、スピンドル本体20の一端からスピンドル軸部21の反対側に向けて同軸状に突出されている。言い換えると、延長部22は、アクスルパイプ7の開口端7aからアクスルパイプ7の内側に入り込むように延長されている。
本実施形態の延長部22は、ソリッドな円柱状の要素である。延長部22は、小径部27と大径部28とを有している。小径部27は、スピンドル本体20の一端から突出されている。小径部27は、逃げ部の一例であって、アクスルパイプ7の内径よりも小さな外径を有している。小径部27の外周面は、アクスルパイプ7の内周面から離れている。そのため、小径部27の外周面とアクスルパイプ7の内周面との間には、周方向に連続する隙間29が形成されている。
大径部28は、延長部22の先端に位置されている。大径部28の外周面は、スプリングシート12aの中央部の直下において、アクスルパイプ7の内周面に当接するように構成されている。本実施形態では、大径部28の外周面がアクスルパイプ7の内周面に対し全周に亘って溶接されている。このため、大径部28の外周面とアクスルパイプ7の内周面との間にアクスルパイプ7の周方向に連続する溶接部分31が形成され、スピンドル軸部21がアクスルパイプ7により強固に固定されている。さらに、本実施形態によると、大径部28の外周面とアクスルパイプ7の内周面との溶接部分31は、懸架用コイスルプリング13の中心軸線O1がアクスルパイプ7と交差する位置に設けられている。言い換えると、スピンドル6aの延長部22は、懸架用コイスルプリング13の中心軸線O1がアクスルパイプ7と交差する位置でアクスルパイプ7の内周面に当接されるとともに当該アクスルパイプ7に溶接されている。
加えて、本実施形態では、スプリングシート12aとアクスルパイプ7との間の複数の溶接部分15のうちの一つは、丁度延長部22の小径部27に対応する位置に設けられている。このため、前記一つの溶接部分15に対応する突部16は、アクスルパイプ7に開口端7aと延長部22の大径部28との間に位置されて、アクスルパイプ7の内側の隙間29に臨んでいる。
図3ないし図5に示すように、スプリングシート12aの接合部14の外周部の上に台座33が溶接されている。ブレーキホースブラケット34およびプロテクタ35が台座33の上端部に溶接されている。ブレーキホースブラケット34は、前記ドラムブレーキのホイールシリンダと車体との間に掛け渡されたブレーキホース36を保持する要素である。ブレーキホース36は、懸架用コイルスプリング13の下端部とドラムブレーキのバックプレートとの間を通して配管されている。
プロテクタ35は、懸架用コイルスプリング13の下端部とブレーキホース36との間に介在されている。プロテクタ35は、例えば懸架用コイルスプリング13が破断したような場合でも、破断した懸架用コイルスプリング13がブレーキホース36と干渉し合うのを防止するように構成されている。
第1の実施形態によると、左車輪3aを支持するスピンドル6aおよび右車輪3bを支持するスピンドル6bは、夫々スピンドル本体20の一端がアクスルパイプ7の開口端7a,7bに周方向に連続して溶接され、アクスルパイプ7の内側に挿入された延長部22の大径部28がアクスルパイプ7の内周面に当接された状態で当該アクスパイプ7の周方向に連続して溶接されている。
このような構成によれば、車両1の走行中に路面からスピンドル6a,6bに伝わる衝撃は、スピンドル本体20とアクスルパイプ7との間の溶接部分24と、延長部22とアクスルパイプ7との間の溶接部分31との双方で受け止められる。つまり、路面からの衝撃を溶接部分24のみだけでなく、延長部22を介してアクスルパイプ7側へ伝達することができる。このため、溶接部分24での荷重負担が軽減され、アクスルパイプ7の開口端7a,7bに位置された溶接部分24に応力が集中するのを回避できる。よって、溶接部分24,31が損傷し難くなる。加えて、溶接部分31で延長部22の大径部28とアクスルパイプ7とを互いに溶接することによりスピンドル6a,6bをアクスルパイプ7により強固に固定することができる。
さらに、延長部22の大径部28は、スプリングシート12a,12bの中央部の直下に位置されるとともに、懸架用コイルスプリング13の中心軸線O1がアクスルパイプ7と交差する位置でアクスルパイプ7に当接(溶接)されている。このため、懸架用コイルスプリング13からスプリングシート12a,12bを介してアクスルパイプ7に加わる荷重を、スピンドル6a,6bの延長部22で確実に受け止めることができる。
よって、アクスルパイプ7の曲げ剛性が向上し、アクスルパイプ7にスピンドル6a,6bを強固に固定できることと合わせて、リヤサスペンション4の耐久性を高めることが可能となる。
さらに、本実施形態によると、アクスルパイプ7に形成された突部16が延長部22の小径部27とアクスルパイプ7との間の隙間29に臨んでいる。このため、万一、過大な衝撃により溶接部分24,31が破断したとしても、延長部22の大径部28が突部16に引っ掛かる。したがって、延長部22がアクスルパイプ7の開口端7a,7bから抜け出るのを防止でき、スピンドル6a,6bをアクスルパイプ7に保持することができる。
[第2の実施形態]
図8は、第2の実施形態を開示している。第2の実施形態は、スピンドル6aの延長部22の構成が第1の実施形態と相違している。これ以外のリヤサスペンション4の構成は、第1の実施形態と同様である。そのため、第2の実施形態において、第1の実施形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
図8に示すように、延長部22は、その軸線上に中心孔41を有する中空状に形成されている。中心孔41は、延長部22の全長に亘って延びているとともに、大径部28の端面に開口されている。
このような構成によれば、中空孔41の存在により延長部22を軽量化することができる。このため、スピンドル6aに延長部22を設けたにも拘らず、スピンドル6aの重量増加を最小限に止めることができる。
中心孔41は、延長部22の全長に亘ることに特定されず、例えば中心孔41の先端をスピンドル本体20に対応する位置まで延長してもよい。
[第3の実施形態]
図9は、第3の実施形態を開示している。第3の実施形態は、スピンドル6aの延長部22の構成が第1の実施形態と相違している。これ以外のリヤサスペンション4の構成は、第1の実施形態と同様である。そのため、第3の実施形態において、第1の実施形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
図9に示すように、延長部22は、アクスルパイプ7の内側にきっちりと嵌り込むソリッドな円柱状に形成されている。延長部22の外周面のうち、アクスルパイプ7に形成された突部16に対応する位置に凹部51が形成されている。凹部51は、逃げ部の一例であって、当該凹部51の内側に突部16が入り込んでいる。
このような構成によれば、万一、スピンドル6aとアクスルパイプ7との間の溶接部分24,31が破断したとしても、突部16が延長部22の凹部51に引っ掛かる。したがって、延長部22がアクスルパイプ7の開口端7aから抜け出るのを防止でき、スピンドル6aをアクスルパイプ7に保持できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。例えば、スピンドル6a,6bの延長部22は、懸架用コイルスプリング13の中心軸線O1がアクスルパイプ7と交差する位置でアクスルパイプ7に溶接により固定されているが、必ずしも固定されている必要はなく、大径部28がアクスルパイプ7の内周面に当接される構成であればよい。加えて、大径部28がアクスルパイプ7に当接される位置にしてもスプリングシート12a,12bがアクスルパイプ7と重なり合う領域内であれば、本発明の効果を十分に発揮することができる。
さらに、スピンドル6a,6bの延長部22は、例えば接着、嵌合あるいはかしめのような溶接以外の手段でアクスルパイプ7に固定するようにしてもよい。
2…車体、3a…左車輪、3b…右車輪、6a,6b…スピンドル、7…アクスルパイプ、7a,7b…開口端、12a,12b…スプリングシート、13…懸架用コイルスプリング、22…延長部。

Claims (4)

  1. 開口端を有するアクスルパイプと、
    前記アクスルパイプの前記開口端に溶接され、車輪を回転自在に支持するスピンドルと、
    前記アクスルパイプの端部に設けられ、車体との間に架設された懸架用コイルスプリングを受けるスプリングシートと、を具備する車両のリヤアクスル構造であって、
    前記スピンドルは、前記アクスルパイプの前記開口端から前記スプリングシートの下方まで延長されて前記懸架用コイルスプリングから前記スプリングシートを介して前記アクスルパイプに伝わる荷重を受け止めるように構成された延長部を有し、
    前記スピンドルの前記延長部は、前記懸架用コイルスプリングの中心軸線が前記アクスルパイプと交差する位置において、その外周面が前記アクスルパイプに内周面に当接するように構成されたことを特徴とする車両のリヤアクスル構造。
  2. 前記スピンドルの前記延長部の先端よりも前記開口端側に位置する前記アクスルパイプの内周面に、当該アクスルパイプの内側に張り出す突部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の車両のスリヤアクスル構造。
  3. 前記突部が、前記スプリングシートの外縁部を前記アクスルパイプの外周面に接合する溶接部で構成されることを特徴とする請求項に記載の車両のリヤアクスル構造。
  4. 前記スピンドルの前記延長部は、前記突部に対応する位置に前記アクスルパイプの内周面から離れた逃げ部を有することを特徴とする請求項又は請求項に記載の車両のリヤアクスル構造。
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