(第1の実施の形態)
図1乃至図11を用いて、本発明の第1の実施の形態におけるサスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション、ハードディスクドライブおよびサスペンション用基板の製造方法について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
本実施の形態におけるサスペンション用基板1は、外部機器としてのピエゾ素子(アクチュエータ素子)およびFPC基板131に接続されるようになっているが、ここでは、本発明をピエゾ素子との接続構造に適用した場合について説明する。なお、ピエゾ素子は、サスペンション用基板に実装されるヘッドスライダ(図5参照)を微小移動させるためのものである。
図1に示すように、サスペンション用基板1は、基板本体領域2と、外部機器としての一対のピエゾ素子(アクチュエータ素子、図4参照)44に接続される素子接続領域3と、を有している。このうち基板本体領域2は、後述のヘッドスライダ112(図7参照)に接続されるヘッド端子53(後述)が設けられたヘッド領域2aと、FPC基板(図7、図23参照)131のFPC端子132に接続されるフライングリード33(後述)が設けられたテール領域2bと、を有している。また、一対の素子接続領域3は、基板本体領域2の両側方に配置されており、連結領域4を介して基板本体領域2に連結されている。
図1および図2に示すように、サスペンション用基板1は、金属支持層20と、金属支持層20上に設けられた第1絶縁層(絶縁層)10と、第1絶縁層10上に設けられた複数の素子配線(配線)31および第1信号配線32を有する配線層12と、第1絶縁層10上に設けられ、複数の素子配線31を覆う第2絶縁層40と、第2絶縁層40上に設けられ、複数の第2信号配線(第2配線)51を有する第2配線層50と、を備えている。
すなわち、本実施の形態におけるサスペンション用基板1は、第1配線層30に第2絶縁層40を介して第2配線層50が積層されたスタックド配線構造を有している。第2絶縁層40上には、第2信号配線51を覆う保護層60が設けられている。
第1配線層30の素子配線31は、ピエゾ素子104に接続される配線であり、第1信号配線32は、一対の読取配線と一対の書込配線とを構成する配線となっている。また、第2配線層50の第2信号配線51は、一対の読取配線と一対の書込配線とを構成している。すなわち、第1信号配線32は、対応する第2信号配線51に、第2絶縁層40を貫通するビア(図示せず)を介して電気的に接続されている。
第1配線層30は、テール領域2bに設けられた、第1信号配線32に接続された複数のフライングリード33を有している。また、第2配線層50は、第2信号配線51に接続された複数のヘッド端子53を有している。これらのヘッド端子53は、第2信号配線51および第1信号配線32を介して、対応するフライングリード33に接続されている。
第1絶縁層10と第1配線層30との間には、スパッタリングにより形成された第1金属薄膜層71が介在されている。この第1金属薄膜層71は、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、若しくはそれらの合金(銅(Cu)を含んでも良い)により形成されており、第1絶縁層10と第1配線層30との密着性を向上させている。また、図2に示すように、基板本体領域2においては、第2絶縁層と第2配線層50との間に、スパッタリングにより形成された第2金属薄膜層72が介在されている。この第2金属薄膜層72は、第1金属薄膜層71と同様に、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、若しくはそれらの合金(銅(Cu)を含んでも良い)により形成されており、第2絶縁層と第2配線層50との密着性を向上させている。
図1および図3に示すように、第1配線層30は、素子接続領域3に設けられた、対応する素子配線31に電気的に接続されると共にピエゾ素子104に導電性接着剤(例えば、銀ペースト)108を介して電気的に接続される素子接続部(外部接続部)34を更に有している。この素子接続部34は、後述する金属開口部21および絶縁開口部11によって露出された、ピエゾ素子104に電気的に接続される素子接続面(外部接続面)34aを有している。このようにして、各素子配線31は、素子接続部34を介してピエゾ素子104に電気的に接続されるようになっている。
この素子接続部34は、第1信号配線32およびフライングリード33と共に、第1配線層30として構成されている。すなわち、素子接続部34は、第1信号配線32およびフライングリード33と共に素子配線31と同一工程で(同時に)形成されるものであり、第1信号配線32、フライングリード33および素子接続部34は、素子配線31と同一の材料により形成されて、素子配線31と同一の厚さを有している。なお、本実施の形態における素子接続部34は、絶縁開口部11内に形成されることなく、絶縁開口部11上に設けられている。ここで、同一の厚さとは、厳密に判断されるものではなく、製造誤差等により生じ得る程度の誤差を含んだ概念である。
図3に示すように、金属支持層20は、素子接続領域3に設けられた、導電性接着剤108が充填される金属開口部21と、当該金属開口部21を形成する枠体部22と、を有している。この枠体部22は、例えば、平面視で円形リング状に形成することができるが、導電性接着剤108を充填可能であれば、楕円形リング状など任意の形状とすることができる。なお、連結領域4には金属支持層20を構成する部分が形成されておらず、素子接続領域3における枠体部22は、基板本体領域2における金属支持層20の部分と分離されている。
第1絶縁層10は、素子接続領域3に設けられた、導電性接着剤108が充填される絶縁開口部11を有している。この絶縁開口部11は、金属開口部21上に配置されて金属開口部21に連通されており、金属開口部21と共に、素子接続部34の素子接続面34aを露出させるようになっている。すなわち、金属開口部21および絶縁開口部11により、素子接続面34を露出させる開口部35が構成されている。そして、本実施の形態においては、この開口部35の金属開口部21および絶縁開口部11に、導電性接着剤108が充填されるようになっている。
素子接続部34の素子接続面34aとは反対側の面に、当該素子接続部34を補強する接続補強部52が設けられている。この接続補強部52は、素子接続部34に第2金属薄膜層72を介して形成されている。すなわち、本実施の形態における素子接続領域3には、第2絶縁層40を構成する部分は形成されていないため、素子接続部34の上面(素子接続面34aとは反対側の面)は第2絶縁層40によって覆われておらず、素子接続部34の上面に第2金属薄膜層72が形成されて、この第2金属薄膜層72上に接続補強部52が形成されるようになっている。また、このような接続補強部52は、素子接続部34に第2絶縁層40などの絶縁物を介在させることなく第2金属薄膜層72を介して形成されているため、接続補強部52は、素子接続部34に電気的に接続されている。また、接続補強部52は、素子接続部34の側とは反対側に設けられた露出面52aを有しており、この露出面52aの一部は、後述する保護開口部61により露出されている。
接続補強部52は、金属材料により形成されている。具体的には、接続補強部52は、ヘッド端子53と共に第2配線層50として構成されている。すなわち、接続補強部52は、ヘッド端子53と共に第2信号配線51と同一工程で(同時に)形成されるものであり、接続補強部52およびヘッド端子53は、第2信号配線51と同一の材料により形成されて、第2信号配線51と同一の厚さを有している。
接続補強部52は、素子接続部34の厚さ以上の厚さを有している。すなわち、上述したように、素子接続部34は素子配線31と同一の厚さを有しており、接続補強部52は第2信号配線51と同一の厚さを有している。そして、素子配線31と第2信号配線51とは同一の厚さを有している。このようにして、本実施の形態における接続補強部52は、素子接続部34と同一の厚さを有している。
このような素子接続部34と接続補強部52は、図1に示すように、円形状の平面形状を有しているが、接続補強部52の直径は、素子接続部34の直径より小さくなっている。
図3に示すように、保護層60は、素子接続部34の周縁部と、接続補強部52の周縁部とを覆っており、素子接続部34と接続補強部52との界面(より詳細には、素子接続部34と第2金属薄膜層72との界面、および、第2金属薄膜層72と接続補強部52との界面)を外方から覆うように構成されている。また、保護層60は、保護開口部61を有しており、この保護開口部61は、接続補強部52の露出面52aの一部を露出させている。なお、素子接続領域3においては、上述したように第2絶縁層40が形成されていないため、保護層60は、第1絶縁層10上に形成されている。また、保護層60は、図1においては図面を明瞭にするために、省略されている。
素子接続部34の素子接続面34aのうち絶縁開口部11において露出された部分に、ニッケル(Ni)めっきが施されたことにより形成されたニッケルめっき層75が形成され、このニッケルめっき層75上に金(Au)めっきが施されたことにより形成された金めっき層76が形成されている。このことにより、素子接続部34の素子接続面34aのうち絶縁開口部11において露出された部分が腐食することを防止している。同様にして、接続補強部52の露出面52aのうち保護開口部61において露出された部分に、ニッケルめっき層75および金めっき層76がこの順に形成されている。このようなニッケルめっき層75と金めっき層76との合計厚さは、0.1μm〜4.0μmであることが好ましい。また、ニッケルめっき層75および金めっき層76は、フライングリード33およびヘッド端子52にも形成されている。
なお、連結領域4では、上述したように金属支持層20を構成する部分が形成されておらず、さらに、第2絶縁層40および第2配線層50を構成する部分も形成されていない。このようにして、連結領域4に積層方向(図1における紙面に垂直な方向)の柔軟性が付与されており、素子接続領域3にピエゾ素子104を接続しやすくしている。
次に、各構成部材について詳細に述べる。
第1絶縁層10および第2絶縁層40の材料としては、所望の絶縁性を有する材料であれば特に限定されることはないが、例えば、ポリイミド(PI)を用いることが好適である。なお、第1絶縁層10および第2絶縁層40の材料は、感光性材料であっても非感光性材料であっても用いることができる。また、第1絶縁層10および第2絶縁層40の厚さは、3μm〜30μm、とりわけ5μm〜10μmであることが好ましい。このことにより、金属支持層20と第1配線層30との間の絶縁性能と、第1配線層30と第2配線層50との間の絶縁性能とを確保し、サスペンション用基板1全体としての剛性が喪失されることを防止することができる。
各素子配線31、第1信号配線32および第2信号配線51は、電気信号を伝送するための導体として構成されており、各素子配線31、第1信号配線32および第2信号配線51の材料としては、所望の導電性を有する材料であれば特に限定されることはないが、銅(Cu)を用いることが好適である。銅以外にも、純銅に準ずる電気特性を有する材料であれば用いることもできる。ここで、各素子配線31、第1信号配線32および第2信号配線51の厚さは、例えば1μm〜18μm、とりわけ5μmであることが好ましい。
このことにより、各素子配線31、第1信号配線32および第2信号配線51の伝送特性を確保するとともに、サスペンション用基板1全体としての柔軟性が喪失されることを防止することができる。なお、素子接続部34およびフライングリード33は、素子配線31と同一の材料かつ同一の厚さで形成されており、接続補強部52およびヘッド端子53は、第2信号配線51と同一の材料かつ同一の厚さで形成されている。
金属支持層20の材料としては、所望の導電性、弾力性、および強度を有するものであれば特に限定されることはないが、例えば、ステンレス、アルミニウム、ベリリウム銅、またはその他の銅合金を用いることができ、ステンレスを用いることが好適である。なお、金属支持層20の厚さは、素子配線31および第2信号配線51の厚さよりも大きいことが好ましい。また、金属支持層20の厚さは、一例として、10μm〜30μm、とりわけ15μm〜20μmとすることができる。このことにより、金属支持層20の導電性、剛性、および弾力性を確保することができる。
保護層60の材料としては、樹脂材料、例えば、ポリイミドを用いることが好適である。なお、保護層60の材料は、感光性材料であっても非感光性材料であっても用いることができる。保護層60の厚さは、2μm〜30μmであることが好ましい。
次に、図4乃至図6を用いて、本実施の形態におけるサスペンション101について説明する。図4に示すサスペンション101は、ベースプレート102と、ベースプレート102上に取り付けられ、サスペンション用基板1の金属支持層20を保持するロードビーム103と、上述のサスペンション用基板1と、ベースプレート102およびロードビーム103の少なくとも一方に機械的に接合されると共に、サスペンション用基板1の素子接続部34に電気的に接続されたピエゾ素子104と、を有している。また、ベースプレート102およびロードビーム103は、ステンレスにより形成されている。
ピエゾ素子104は、電圧が印加されることにより伸縮する圧電素子として構成されている。各ピエゾ素子104は、図5に示すように、互いに対向する一対の電極104aと、一対の電極104a間に介在され、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電セラミックスにより形成された圧電材料部104bと、を有している。一対のピエゾ素子104の圧電材料部104bは、互いに180°異なる分極方向となるように形成されており、所定の電圧が印加されると、一方のピエゾ素子104が収縮すると共に、他方のピエゾ素子104が伸長するようになっている。このようなピエゾ素子104は、実装されるヘッドスライダ112の中心を通る長手方向軸線Xに対して互いに線対称に配置されていることが好ましい。このようにして、ヘッドスライダ112のスウェイ方向への変位に対して、各ピエゾ素子104の伸縮の影響を均等にすることができ、ヘッドスライダ112のスウェイ方向の変位を容易に調整することができ、アクチュエータ素子として機能するようになっている。また、本実施の形態においては、ピエゾ素子104に接続される素子接続部34が、基板本体領域2の両側方に配置されているため、ピエゾ素子104の伸縮を効果的にヘッドスライダ112の変位に利用することができるようになっている。
このようなピエゾ素子104は、非導電性接着剤によりベースプレート102およびロードビーム103に機械的に接合されている。また、図示しないが、ピエゾ素子104の一方(サスペンション用基板1とは反対側)の電極104aは、導電性接着剤を用いて、ベースプレート102に電気的に接続されている。
一方、ピエゾ素子104の他方(サスペンション用基板1の側)の電極104aは、導電性接着剤108を用いて、素子接続領域3に機械的に接合されると共に素子接続部34に電気的に接続されている。すなわち、図6に示すように、開口部35の金属開口部21および絶縁開口部11に、導電性接着剤108が充填されてピエゾ素子104に接続されることにより、ピエゾ素子104が、導電性接着剤108を介して素子接続領域3に機械的に接合されると共に、ピエゾ素子104の電極104aが、導電性接着剤108を介して、素子接続部34に電気的に接続されるようになっている。
なお、素子接続部34は、図6に示すように、ピエゾ素子104の側に押圧されて変形されている。このようにして、素子接続部34の素子接続面34aとピエゾ素子104の一方の電極104aとの距離を短くして、素子接続部34とピエゾ素子104との電気的接続の信頼性を向上させている。
次に、図7により、本実施の形態におけるヘッド付サスペンション111について説明する。図7に示すヘッド付サスペンション111は、上述したサスペンション101と、サスペンション101に実装されたヘッドスライダ112と、を有している。このうちヘッドスライダ112は、サスペンション用基板1のヘッド端子53に電気的に接続されている。
続いて、図8により、本実施の形態におけるハードディスクドライブ121について説明する。図8に示すハードディスクドライブ121は、ケース122と、このケース122に回転自在に取り付けられ、データが記憶されるディスク123と、このディスク123を回転させるスピンドルモータ124と、ディスク123に所望のフライングハイトを保って近接するように設けられ、ディスク123に対してデータの書き込みおよび読み取りを行うヘッドスライダ112を含むヘッド付サスペンション111と、を有している。
このうちヘッド付サスペンション111は、ケース122に対して移動自在に取り付けられており、ケース122にはヘッド付サスペンション111のヘッドスライダ112をディスク123上に沿って移動させるボイスコイルモータ125が取り付けられている。また、ヘッド付サスペンション111は、ボイスコイルモータ125にアーム126を介して取り付けられると共に、ハードディスクドライブ121を制御する制御部(図示せず)に接続されたFPC基板131(図7参照)に接続されている。このようにして、電気信号が、サスペンション用基板1とFPC基板131を介して、制御部とヘッドスライダ112との間で伝送されるようになっている。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
まず、サスペンション用基板1の製造方法について説明する。ここでは、一例として、素子接続領域3の断面を示す図9および図10を用いて、サブトラクティブ法によりサスペンション用基板1を製造する方法について説明する。
まず、金属支持層20と、金属支持層20上に設けられた第1絶縁層10と、第1絶縁層10上に設けられた配線層12と、を有する積層体80を準備する(図9(a)参照)。この場合、まず、金属支持層20を準備し、この金属支持層20上に、非感光性ポリイミドを用いた塗工方法により第1絶縁層10が形成される。続いて、第1絶縁層10上に、ニッケル、クロムおよび銅がスパッタ工法により順次コーティングされ、第1金属薄膜層71が形成される。その後、この第1金属薄膜層71を導通媒体として、銅めっきにより第1配線層30が形成される。このようにして、第1絶縁層10と、金属支持層20と、第1配線層30と、を有する積層体80が得られる。
続いて、第1配線層30において素子接続部34が形成されると共に、金属支持層20において金属開口部21が形成される(図9(b)参照)。この場合、フォトファブリケーションの手法により、第1配線層30上および金属支持層20上にパターン状のレジスト(図示せず)が形成され、レジストの開口から、塩化第二鉄水溶液などの腐食液により第1金属薄膜層71、第1配線層30および金属支持層20がエッチングされる。このようにして、所望の形状を有する素子接続部34が形成されると共に、金属開口部21が形成される。この際、基板本体領域2では、図1に示すような素子配線31、第1信号配線32およびフライングリード33が、素子接続部34と同時に形成される。その後、レジストは除去される。
次に、基板本体領域2における第1絶縁層10上に、第2絶縁層40(図2参照)が形成される。なお、この場合、素子接続領域3および連結領域4には、レジストが形成され、第2絶縁層40を構成する部分は形成されないようになっている。このため、素子接続領域3の断面を示す図9および図10には、第2絶縁層40は示されていない。
続いて、素子接続領域3において、素子接続部34上および第1絶縁層10上に、第2金属薄膜層72が形成される(図9(c)参照)。この場合、第1金属薄膜層71と同様にして、ニッケル、クロムおよび銅がスパッタ工法により順次コーティングされて、第2金属薄膜層72が形成される。なお、基板本体領域2においては、第2絶縁層40上に第2金属薄膜層72が形成される(図2参照)。
次いで、第2金属薄膜層72上に、第2配線層50の接続補強部52が形成される(図9(d)参照)。具体的には、第2金属薄膜層72上に、パターン状のレジスト(図示せず)が形成され、レジストの開口に銅めっきにより接続補強部52が形成される。このことにより、第1配線層30の素子接続部34上に、第2金属薄膜層72を介して接続補強部52が形成される。この際、基板本体領域2では、図1に示すような第2信号配線51およびヘッド端子53が、接続補強部52と同時に形成される。その後、レジストは除去される。
その後、第2金属薄膜層72のうち、露出されている部分がエッチングされて、除去される(図9(e)参照)。この場合、第2信号配線51および接続補強部52上にパターン状のレジスト(図示せず)が形成され、レジストの開口から、塩化第二鉄水溶液などの腐食液により第2金属薄膜層72がエッチングされる。その後、レジストは除去される。
次に、保護開口部61を有する所望の形状の保護層60が形成される(図10(a)参照)。この場合、非感光性ポリイミドが、ダイコータを用いて、第1絶縁層10上(基板本体領域2においては第2絶縁層40上)にコーティングされ、これを乾燥させて、保護層60が形成される。続いて、形成された保護層60上に、パターン状のレジスト(図示せず)が形成され、保護層60のうち露出された部分がエッチングされ、保護層60を硬化させる。ここで、保護層60をエッチングする方法は、特に限定されるものではないが、ウェットエッチングを行うことが好ましい。とりわけ、エッチング液は、保護層60の材料の種類に応じて適宜選択することが好ましいが、例えば、保護層60がポリイミド樹脂により形成される場合には、有機アルカリエッチング液等のアルカリ系エッチング液を用いることができる。このようにして、所望の形状の保護層60が得られ、その後、レジストが除去される。
保護層60が得られた後、第1絶縁層10において、絶縁開口部11が形成されると共に、第1絶縁層10が所望の形状に外形加工される(図10(b)参照)。この場合、まず、パターン状のレジスト(図示せず)が形成され、第1絶縁層10の露出された部分がエッチングされて、絶縁開口部11が形成されると共に第1絶縁層10が外形加工される。このようにして、絶縁開口部11が得られて金属開口部21と絶縁開口部11とにより構成される開口部35が形成され、これにより、第1金属薄膜層71が露出する。ここで、第1絶縁層10をエッチングする方法は、保護層60と同様に、特に限定されるものではないが、ウェットエッチングを行うことが好ましい。とりわけ、エッチング液は、第1絶縁層10の材料の種類に応じて適宜選択することが好ましいが、例えば、第1絶縁層10がポリイミド樹脂により形成される場合には、有機アルカリエッチング液等のアルカリ系エッチング液を用いることができる。エッチングが行われた後、レジストは除去される。
続いて、第1金属薄膜層71のうち絶縁開口部11により露出された部分がエッチングにより除去される(図10(c)参照)。この場合、上述した第2金属薄膜層72のエッチングと同様の方法により第1金属薄膜層71がエッチングされる。このことにより、絶縁開口部11において、素子接続部34の素子接続面34aが露出される。
次に、素子接続部34の素子接続面34aに、めっきが施されて、ニッケルめっき層75および金めっき層76が形成される(図10(d)参照)。すなわち、素子接続面34aが、酸洗浄されて、電解めっき法によりニッケルめっきおよび金めっきが順次施される。この場合、ヘッドスライダ112に接続されるヘッド端子53と、フライングリード33(いずれも図1参照)にも、同様にしてめっきが施される。なお、めっきの種類としては、ニッケルめっき、金めっきに限定されるものではなく、銀(Ag)めっき、パラジウム(Pd)めっきを施すようにしても良い。
ニッケルめっき層75および金めっき層76が形成された後、金属支持層20が外形加工されて、金属開口部21を含む枠体部22が形成される(図10(e)参照)。この場合、上述したように、塩化鉄系エッチング液により、金属支持層20の所望の部分をエッチングすることにより、枠体部22を形成することができる。このようにして、本実施の形態によるサスペンション用基板1が得られる。
次に、得られたサスペンション用基板1を用いたサスペンションの製造方法について説明する。
まず、得られたサスペンション用基板1の素子接続部34が、接続補強部52と共に金属支持層20の側に押圧されて、変形させられる(図11(a)参照)。
続いて、サスペンション用基板1が、ロードビーム103を介して、ベースプレート102に、溶接により取り付けられる。
次に、サスペンション用基板1の開口部35を構成する金属開口部21および絶縁開口部11に、導電性接着剤108が充填される(図11(b)参照)。この場合、素子接続部34の素子接続面34aを上方に向けて、金属開口部21および絶縁開口部11に、盛り上がる程度に導電性接着剤108が充填されることが好ましい。
その後、ピエゾ素子104が、サスペンション用基板1の素子接続領域3に接続される(図11(c)参照)。
この場合、まず、素子接続部34の素子接続面34aを下方に向ける。続いて、ピエゾ素子104と素子接続部34とが位置合わせされて、ピエゾ素子104が素子接続部34に接続される。このことにより、素子接続部34が、ピエゾ素子104の一方の電極104aに電気的に接続される。この際、導電性接着剤108は、ピエゾ素子104と金属支持層20の枠体部22との間に形成される微小な隙間にも広がって、枠体部22の外方まで延び、ピエゾ素子104と枠体部22とが機械的に接合される。
また、ピエゾ素子104は、非導電性接着剤を用いてベースプレート102に機械的に接合されると共に、導電性接着剤を用いて、ピエゾ素子104の他方の電極104aが、ベースプレート102に電気的に接続される。このようにして、ピエゾ素子104が、サスペンション用基板1の素子接続領域3に機械的に接合されると共に電気的に接続され、図4に示すサスペンション101が得られる。
このサスペンション101のヘッド端子53に、ヘッドスライダ112が接続されて図7に示すヘッド付サスペンション111が得られる。さらに、このヘッド付サスペンション111がアーム126に取り付けられると共に、サスペンション用基板1のフライングリード33にFPC基板131が接続されて、図8に示すハードディスクドライブ121が得られる。
図8に示すハードディスクドライブ121においてデータの書き込みおよび読み取りを行う際、ボイスコイルモータ125によりヘッド付サスペンション111のヘッドスライダ112がディスク123上に沿って移動し、スピンドルモータ124により回転しているディスク123に所望のフライングハイトを保って近接する。このことにより、ヘッドスライダ112とディスク123との間で、データの受け渡しが行われる。この間、サスペンション用基板1とFPC基板131を介して、FPC基板131に接続されている制御部(図示せず)とヘッドスライダ112との間で電気信号が伝送される。このような電気信号は、サスペンション用基板1においては、各配線31、32、51によって、ヘッド端子53(図1参照)とフライングリード33との間で伝送される。
ヘッドスライダ112を移動させる際、ボイスコイルモータ125が、ヘッドスライダ112の位置を大まかに調整し、ピエゾ素子104が、ヘッドスライダ112の位置を微小調整する。すなわち、サスペンション用基板1の一対の素子接続領域3の側のピエゾ素子104の電極104aに所定の電圧を印加することにより、一方のピエゾ素子104が長手方向に収縮すると共に、他方のピエゾ素子104が伸長する。この場合、ベースプレート102とロードビーム103の一部が弾性変形し、ロードビーム103の先端側に位置するヘッドスライダ112がスウェイ方向(旋回方向)に移動することができる。このようにして、ヘッドスライダ112を、ディスク123の所望のトラックに、迅速に、かつ精度良く位置合わせすることができる。
このように本実施の形態によれば、ピエゾ素子104に電気的に接続される素子接続部34の素子接続面34aとは反対側の面に、素子接続部34と同一の厚さを有する接続補強部52が設けられている。このことにより、素子接続部34を接続補強部52により補強することができ、素子接続部34をピエゾ素子104に接続するためにピエゾ素子104側に押圧した場合であっても、素子接続部34が破損することを防止できる。このことにより、ピエゾ素子104と素子接続部34との接続信頼性を向上させることができる。
とりわけ、スタックド配線構造を有するサスペンション用基板1においては、サスペンション用基板1全体としての柔軟性を維持するために、第1配線層30および第2配線層50の厚さが薄くなっており、これにより素子接続部34の厚さも薄くなっているが、このようなサスペンション用基板1であっても、接続補強部52により素子接続部34が破損することを防止することができる。
また、本実施の形態によれば、接続補強部52は、金属材料、とりわけ素子配線31および第2信号配線51と同一の材料(好適には銅)により形成されている。このことにより、接続補強部52に柔軟性を付与することができ、素子接続部34を押圧する際、接続補強部52は、素子接続部34の変形に確実に追従することができる。また、変形後に素子接続部34に反発力が作用することを抑制し、素子接続部34が押圧前の状態に戻ることを抑制できる。
また、本実施の形態によれば、素子接続部34と接続補強部52との界面が保護層60により覆われ、この界面において、腐食(コロージョン)が発生することを抑制できる。
また、腐食の発生を抑制することにより、素子接続部34と接続補強部52との密着信頼性が低下することを防止できる。
また、本実施の形態によれば、素子接続部34を補強する接続補強部52は、第2配線層50の第2信号配線51を形成する工程において、第2信号配線51と同時に銅めっきにより形成することができる。このため、素子接続部34を補強するための接続補強部52を容易に形成することができ、素子接続部34を容易に補強することが可能となる。
さらに、本実施の形態によれば、接続補強部52は、素子接続部34に電気的に接続されている。このことにより、素子接続部34にピエゾ素子104を接続した後、接続補強部52の露出面52aから、素子接続部34とピエゾ素子104との導通状態を検査することができる。このため、素子接続部34とピエゾ素子104との接続信頼性を向上させることができる。
以下、第1の実施の形態の変形例について、図12乃至図20を用いて説明する。図12乃至図20においては、図1乃至図11に示す第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。
(変形例1)
サスペンション用基板1は、アディティブ法により製造されていてもよい。
この場合、図12に示すように、サスペンション用基板1においては、素子接続部34の一部が、絶縁開口部11内に形成されている。すなわち、図12に示すサスペンション用基板1においては、後述するように、予め絶縁開口部11が形成された第1絶縁層10上に第1配線層30が形成されるようになっており、この際、素子接続部34の一部が絶縁開口部11内に形成されるとともに、他の一部が、第1絶縁層10上に形成される。なお、この場合、導電性接着剤108は、絶縁開口部11内に充填されることはなく、金属開口部21に充填されるようになる。すなわち、導電性接着剤108は、金属開口部21および絶縁開口部11により構成される開口部35の一部(金属開口部21)に充填される。
続いて、図12に示すサスペンション用基板1の製造方法について、図13および図14を用いて説明する。なお、図13および図14は、素子接続領域3の断面を示している。
まず、金属支持層20を準備する(図13(a)参照)。
続いて、金属支持層20上に、絶縁開口部11を有する第1絶縁層10が形成される(図13(b)参照)。この場合、金属支持層20上に、非感光性ポリイミドがダイコータを用いてコーティングされ、パターン状のレジスト(図示せず)を用いてエッチングすることにより、絶縁開口部11が形成される。
次に、金属支持層20上および第1絶縁層10上に、第1金属薄膜層71が形成される(図13(c)参照)。
続いて、第1金属薄膜層71上に第1配線層30の素子接続部34が形成される(図13(d)参照)。この場合、パターン状のレジストを用いることにより、レジストの開口部から露出された部分に銅めっきが施されて素子接続部34が形成される。この際、素子接続部34の一部は、絶縁開口部11内に形成されると共に、他の一部が、第1絶縁層10上に形成される。また、この際、基板本体領域2では、図1に示すような素子配線31、第1信号配線32およびフライングリード33が、素子接続部34と同一工程で(同時に)形成される。
その後、第1金属薄膜層71のうち露出されている部分がエッチングにより除去される(図13(e)参照)。
次いで、金属支持層20上、第1絶縁層10上および第1配線層10上に、第2金属薄膜層72が形成される(図13(f)参照)。続いて、第2金属薄膜層72上に第2配線層50の素子補強部52が形成される(図13(g)参照)。この場合、パターン状のレジストを用いることにより、レジストの開口部から露出された部分に銅めっきが施されて接続補強部52が形成される。この際、基板本体領域2では、図1に示すような第2信号配線51およびヘッド端子53が、接続補強部52と同一工程で(同時に)形成される。
その後、第2金属薄膜層72のうち露出されている部分がエッチングにより除去される(図13(h)参照)。
続いて、保護開口部61を有する所望の形状の保護層60が形成される(図14(a)参照)。保護層60が形成された後、金属支持層20において金属開口部21および枠体部22が形成される(図14(b)参照)。このことにより、開口部35の金属開口部21において、第1金属薄膜層71が露出される。
次に、第1金属薄膜層71のうち金属開口部21によって露出されている部分が、エッチングされて除去される(図14(c)参照)。このことにより、金属開口部21および絶縁開口部11において、素子接続部34の素子接続面34aが露出される。
その後、素子接続部34の素子接続面34aおよび接続補強部52の露出面52aに、めっきが施されて、ニッケルめっき層75および金めっき層76が形成される(図14(d)参照)。
このように変形例1によれば、アディティブ法により本発明によるサスペンション用基板1を製造することができる。この場合においても、接続補強部52により素子接続部34を補強することができ、ピエゾ素子104と素子接続部34との接続信頼性を向上させることができる。
(変形例2)
図15に示すサスペンション用基板1においては、接続補強部52は、素子接続部34の側面を覆っている。この場合においても、素子接続部34と接続補強部52との界面において、腐食が発生することを抑制でき、素子接続部34と接続補強部52との密着信頼性が低下することを防止できる。
(変形例3)
図16乃至図18に示すサスペンション用基板1においては、素子接続部34および接続補強部52に、素子接続部34および接続補強部52を貫通する貫通孔90が設けられている。この貫通孔90には、ピエゾ素子104を接続するための導電性接着剤108が充填されるようになっている。また、素子接続部34および接続補強部52のうち貫通孔90により露出された部分に、ニッケルめっき層75および金めっき層76が形成されている。
貫通孔90の平面形状は、特に限定されることはないが、例えば、図17に示すような形状とすることができる。このうち図17(a)は、貫通孔90が円形状に形成された例を示し、図17(b)は、円形状の貫通孔90が4つ形成された例を示している。また、図17(c)は、貫通孔90が細長矩形状に形成された例を示しており、図17(d)は、互いに直交する2つの細長矩形状の貫通孔90が形成された例を示している。さらに、図17(e)は、矩形状の貫通孔90が4つ形成された例を示し、図17(f)は、矩形状の貫通孔90が3つ形成されると共に接続補強部52が2つに分割された例を示している。なお、図17においては図面を明瞭にするために、保護層60は省略されている。また、図17(e)および(f)に示すように、素子接続部34の周縁部に貫通孔90を形成する場合には、保護層60は、後述する変形例5のように、接続補強部52を覆わないように形成することが好適である。
このように変形例3によれば、図18に示すように、導電性接着剤108にアンカー効果が生じることにより、素子接続部34と導電性接着剤108との接合強度を向上させることができ、ピエゾ素子104と素子接続部34との接続信頼性を向上させることができる。また、素子接続部34をピエゾ素子104に接続させる際、導電性接着剤108内に気泡が存在していた場合には、この気泡を、貫通孔90を介して外方に逃がすことができ、さらに、この貫通孔90を介して、導電性接着剤108の充填状態を確認することもでき、ピエゾ素子104と素子接続部34との接続信頼性を向上させることができる。
(変形例4)
図19に示すサスペンション用基板1においては、素子接続領域3に第2絶縁層40が設けられ、第2絶縁層40が、素子接続部34の周縁部を覆うと共に、素子接続部34の素子接続面34aとは反対側の面の一部を露出させた第2の絶縁開口部41を有している。そして、接続補強部52の少なくとも一部が、第2の絶縁開口部41内に形成されている。すなわち、接続補強部52の一部が、第2の絶縁開口部41内に形成されていると共に、他の一部が、第2絶縁層40上に形成されている。この場合、素子接続部34の周縁部が第2絶縁層40により覆われるため、第2絶縁層40により素子接続部34を補強することができる。なお、この場合、第2の絶縁開口部41により素子接続部34の中央部分は第2絶縁層40によって覆われないため、素子接続部34の中央部分において柔軟性が喪失されることを抑制することができる。また、この変形例4においては、接続補強部52の全体が、第2の絶縁開口部41内に形成されていてもよい。
(変形例5)
図1乃至図11に示す本実施の形態においては、保護層60が、素子接続部34の周縁部と接続補強部52の周縁部とを覆っている例について説明したが、このことに限られることはない。例えば、図20に示す形態とすることもできる。すなわち、図20に示すサスペンション用基板1においては、保護層60は、素子接続部34の周縁部を覆っているが、接続補強部52は覆っておらず、接続補強部52の周縁部は、保護開口部61によって露出されている。この場合においても、素子接続部34を接続補強部52により補強することができ、ピエゾ素子104と素子接続部34との接続信頼性を向上させることができる。
上述した変形例1乃至5以外にも、さらに以下のような変形例が考えられる。
図1乃至図11に示す本実施の形態においては、スタックド配線構造を有するサスペンション用基板1に本発明を適用し、接続補強部52が第2配線層50として構成されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、第2絶縁層40および第2配線層50を有していないサスペンション用基板1にも、本発明を適用することができる。この場合、サスペンション用基板1は、金属支持層20と第1絶縁層10と第1配線層30と保護層60とにより主に構成され、接続補強部52は、素子配線31と同一の材料(好適には銅)、または、ニッケルにより形成されていることが好適である。
また、この場合、保護層60は、第1絶縁層10上に設けられて、素子配線31および第1信号配線32を覆うように形成される。
また、図1乃至図11に示す本実施の形態においては、接続補強部52が、素子接続部34と同一の厚さを有している例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、接続補強部52は、素子接続部34の厚さよりも厚い厚さを有していてもよい。この場合、素子接続部34をより一層補強することができる。
また、本実施の形態においては、図1に示すA−A線断面(図2参照)において、第1配線層30が素子配線31を有し、第2配線層50が第2信号配線51を有する例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、ヘッドスライダ112用の電源配線、接地配線など種々の配線を、第1配線層30または第2配線層50に追加することができる。
さらに、上述した本実施の形態においては、サスペンション用基板1が、図1に示すように、一対のピエゾ素子104に接続可能なように、基板本体領域2の両側方に配置された一対の素子接続領域3を有している例について説明したが、このことに限られることはなく、基板本体領域2の一側方に連結領域4を介して素子接続領域3が設けられたサスペンション用基板に本発明を適用することも可能である。さらに、連結領域4を設けることなく、基板本体領域2の内部に素子接続領域3が配置されたサスペンション用基板にも適用することができる。
(第2の実施の形態)
次に、図21乃至図23により、本発明の第2の実施の形態におけるサスペンション用基板について説明する。
図21乃至図23に示す第2の実施の形態においては、本発明をFPC基板との接続構造に適用した場合について説明する。なお、図21乃至図23において、図1乃至図11に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図21に示すように、サスペンション用基板1のテール領域2bには、外部接続部としてのフライングリード33が複数(図21においては6つ)設けられており、外部機器は、これらのフライングリード33に電気的に接続されるFPC基板(フレキシブルプリント基板、図23参照)131となっている。なお、FPC基板131は、絶縁板133と、絶縁板133上に設けられたFPC端子132と、FPC端子132の一部を覆うカバー層134と、を有している。
図22に示すように、第1配線層30のフライングリード33は、後述する金属開口部25および絶縁開口部15によって露出された、FPC基板131のFPC端子(外部端子)132に電気的に接続される外部接続面33aを有している。このようにして、各素子配線31、第1信号配線32は、フライングリード33を介してFPC基板131のFPC端子132に電気的に接続されるようになっている。このフライングリード33は、第1配線層30として構成されている。すなわち、フライングリード33は、第1信号配線32と共に素子配線31と同一工程で(同時に)形成されるものであり、第1信号配線32およびフライングリード33は、素子配線31と同一の材料により形成されて、素子配線31と同一の厚さを有している。また、本実施の形態におけるフライングリード33は、絶縁開口部15内に形成されることなく、絶縁開口部15上に設けられている。
図21に示すように、金属支持層20は、テール領域2bに設けられた金属開口部25を有している。また、第1絶縁層10は、テール領域2bに設けられた、金属開口部25上に配置された絶縁開口部15を有している。これらの金属開口部25および絶縁開口部15は、略矩形状に形成されており、複数のフライングリード33の外部接続面33aを一括して露出させるようになっている。また金属開口部25および絶縁開口部15は、6つのフライングリード33を一括して接続することが可能なボンディングツール135を挿入可能に構成されている。
フライングリード33の外部接続面33aとは反対側の面に、当該フライングリード33を補強する接続補強部55が設けられている。この接続補強部55は、フライングリード33に第2金属薄膜層72を介して形成されている。すなわち、フライングリード33上に第2絶縁層40を構成する部分は形成されていないため、フライングリード33の上面(外部接続面33aとは反対側の面)は第2絶縁層40によって覆われておらず、フライングリード33の上面に第2金属薄膜層72が形成されて、この第2金属薄膜層72上に接続補強部55が形成されるようになっている。また、このような接続補強部55は、フライングリード33に第2絶縁層40などの絶縁物を介在させることなく第2金属薄膜層72を介して形成されているため、接続補強部55は、フライングリード33に電気的に接続されている。また、接続補強部55は、フライングリード33の側とは反対側に設けられた露出面55aを有しており、この露出面55aの一部は、後述する保護開口部65により露出されている。この露出面55aには、図23に示すように、ボンディングツール135が当接するようになっている。
また、接続補強部55は、第1の実施の形態における接続補強部55と同様に、第2配線層50として構成され、第2信号配線51と同一の材料により形成されて、第2信号配線51と同一の厚さを有している。また、素子配線31と第2信号配線51とが同一の厚さを有していることから、接続補強部55は、フライングリード33と同一の厚さを有している。
このようなフライングリード33と接続補強部55は、図21に示すように、矩形状の平面形状を有している。
図22に示すように、保護層60は、保護開口部65を有しており、この保護開口部65は、接続補強部55の露出面55aの一部を露出させている。なお、テール領域2bにおいては、第2絶縁層40が形成されていないため、保護層60は、第1絶縁層10上に形成されている。
フライングリード33の外部接続面33aうち絶縁開口部15において露出された部分に、ニッケルめっき層75および金めっき層76がこの順に形成されている。このことにより、フライングリード33の外部接続面33aのうち露出された部分が腐食することを防止している。同様にして、接続補強部55の露出面55aに、ニッケルめっき層75および金めっき層76がこの順に形成されている。このようなニッケルめっき層75と金めっき層76との合計厚さは、0.1μm〜4.0μmであることが好ましい。
このようなフライングリード33と接続補強部55とは、図9および図10に示したサスペンション用基板1の製造方法と同様にして製造することができる。
次に、本実施の形態におけるサスペンション用基板1を、FPC基板131に接続する方法について説明する。
まず、サスペンション用基板1のフライングリード33の外部接続面33aに対向するように、FPC基板131のFPC端子132が位置合わせされる。続いて、図23(a)に示すように、ボンディングツール135が、超音波振動しながら、ニッケルめっき層75および金めっき層76を介して接続補強部55の露出面55aに当接し、フライングリード33を下方(FPC端子132の側)へ押圧する。この際、フライングリード33は、柔軟性を有しているため、ボンディングツール135から押圧力を受けてFPC端子132の側に押し込まれるように変形する。なお、ボンディングツール135は、図21に示すように、6つのフライングリード33を一度に超音波接合可能な矩形状の断面を有しており、その長手方向が、フライングリード33の並列方向(図21における左右方向)に沿うようにフライングリード33に押し当てられる。
次に、ボンディングツール135がフライングリード33を押圧することにより、図23(b)に示すように、フライングリード33がニッケルめっき層75および金めっき層76を介してFPC端子132に当接する。この後、金めっき層76とFPC端子132の金めっき層(図示せず)との界面に超音波振動が伝播され、フライングリード33とFPC端子132とが超音波接合される。
このようにして、サスペンション用基板1のフライングリード33に、FPC基板131のFPC端子132が電気的に接続される。
このように本実施の形態によれば、FPC基板131に電気的に接続されるフライングリード33の外部接続面33aとは反対側の面に、フライングリード33と同一の厚さを有する接続補強部55が設けられている。このことにより、フライングリード33を接続補強部55により補強することができ、フライングリード33をFPC基板131に接合するためにFPC基板131側に押圧した場合であっても、フライングリード33が破損または断線することを防止できる。このことにより、FPC基板131とフライングリード33との接続信頼性を向上させることができる。とりわけ、スタックド配線構造を有するサスペンション用基板1においては、サスペンション用基板1全体としての柔軟性を維持するために、第1配線層30および第2配線層50の厚さが薄くなっており、これによりフライングリード33の厚さも薄くなっているが、このようなサスペンション用基板1であっても、接続補強部55によりフライングリード33が破損または断線することを防止することができる。
また、本実施の形態によれば、接続補強部55は、金属材料、とりわけ素子配線31および第2信号配線51と同一の材料(好適には銅)により形成されている。このことにより、接続補強部55に柔軟性を付与することができ、フライングリード33を押圧する際、フライングリード33の変形に確実に追従することができる。また、変形後にフライングリード33に反発力が作用することを抑制し、フライングリード33が押圧前の状態に戻ることを抑制できる。
また、本実施の形態によれば、フライングリード33を補強する接続補強部55は、第2配線層50の第2信号配線51を形成する工程において、第2信号配線51と同時に銅めっきにより形成することができる。このため、フライングリード33を補強するための接続補強部55を容易に形成することができ、フライングリード33を容易に補強することが可能となる。
さらに、本実施の形態によれば、接続補強部55は、フライングリード33に電気的に接続されている。このことにより、フライングリード33にFPC基板131を接続した後、接続補強部55の露出面55aから、フライングリード33とFPC基板131との導通状態を検査することができる。このため、フライングリード33とFPC基板131との接続信頼性を向上させることができる。
なお、本発明をフライングリード33とFPC基板131との接続構造に適用する場合には、ピエゾ素子104に接続される素子接続領域3と連結領域4とが形成されていないサスペンション用基板に本発明を適用することができる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明してきたが、本発明によるサスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション、ハードディスクドライブおよびサスペンション用基板の製造方法は、上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であり、各実施の形態を部分的に組み合わせることも可能である。さらに、当然のことながら、第1の実施の形態と第2の実施の形態とを組み合わせることも可能である。