JP6291243B2 - 水系顔料分散体の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、予備分散工程の処理効率を高めることで製造時間を短縮すると共に、得られる顔料分散体の保存安定性に優れた、水系顔料分散体の製造方法を提供することを課題とする。
工程(1):塩生成基を有するポリマー、水100質量部に対する溶解度が20℃において50質量部以下の有機溶媒、水及び顔料を含む混合物を、該有機溶媒と水が相分離状態で分散し、分散体を得る工程
工程(2):工程(1)で得られた分散体を、該有機溶媒と水が相分離しない均一相で分散する工程
工程(1):塩生成基を有するポリマー、水100質量部に対する溶解度が20℃において50質量部以下の有機溶媒、水及び顔料を含む混合物を、該有機溶媒と水が相分離状態で分散し、分散体を得る工程
工程(2):工程(1)で得られた分散体を、該有機溶媒と水が相分離しない均一相で分散する工程
本発明の水系顔料分散体の製造方法によれば、工程(1)の予備分散工程の処理効率を高め、得られる顔料分散体の保存安定性に優れた、水系顔料分散体の製造方法を提供することができる理由は定かではないが以下のように推定できる。
工程(1)では、塩生成基を有するポリマー、水100質量部に対する溶解度が20℃において50質量部以下の有機溶媒、水及び顔料を含む混合物を、該有機溶媒と水が相分離状態で分散し、分散体を得る。当該工程では、分散安定性の観点から、混合物中に中和剤が含まれていることが好適である。
以下、本工程で用いられる各成分及び当該工程の処理条件について詳細に説明する。
塩生成基を有するポリマー(以下、「ポリマーA」ともいう)は、顔料表面への吸着性が高く、水系顔料分散体における分散安定性が高いことから用いられる。
ポリマーAは、顔料の分散性を高めて、保存時の粒径安定性を高める観点から、好ましくは塩生成基を有する水不溶性ポリマーである。
ポリマーAとしては、例えば、ビニル系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリウレタン系ポリマー等が挙げられる。これらの中では、好ましくはビニル系ポリマーである。
ビニル系ポリマーとしては、例えば、塩生成基含有モノマー、疎水性モノマー、マクロマー、ノニオン性の親水性モノマー等を含有するモノマー混合物(以下、単にモノマー混合物という)を重合させることによって得られたビニル系ポリマーが挙げられる。
塩生成基含有モノマーとしては、例えば、アニオン性モノマー、カチオン性モノマーが挙げられ、好ましくはアニオン性モノマーである。アニオン性モノマーの例としては、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー、不飽和リン酸モノマー等が挙げられる。
不飽和カルボン酸モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、スチレンカルボン酸、マレイン酸系モノマー〔無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸モノエステル及びマレイン酸モノアミドから選ばれた1種以上〕、イタコン酸等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリ」とは、「アクリ」及び「メタクリ」から選ばれる少なくとも1種を意味する。
不飽和リン酸モノマーとしては、例えば、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
疎水性モノマーは、得られる水系顔料分散体の耐水性、耐擦過性、印字濃度及び得られる水系顔料分散体の分散安定性を高めて、保存時の粒径安定性を高める等を向上させるために用いられる。
疎水性モノマーとしては、例えば、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の炭素数1以上18以下の炭化水素基を有する(メタ)アクリレート;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン等の芳香環含有モノマー等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
マクロマーとしては、ヒーター面の焦げ付きを抑制、分散安定性を高めて、保存時の粒径安定性等の観点から用いられ、例えば、スチレン系マクロマー、シリコーンマクロマー等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
スチレン系マクロマーとしては、例えば、片末端に重合性官能基を有するスチレン単独重合体又はスチレンと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。
マクロマーの数平均分子量は、好ましくは500以上、より好ましくは1,000以上であり、また、好ましくは100,000以下、より好ましくは10,000以下である。なお、マクロマーの数平均分子量は、溶媒として1ミリmol/Lのドデシルメチルアミン含有クロロホルムを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、標準物質としてポリスチレンを用いて測定される。
ノニオン性の親水性モノマーとしては、吐出安定性及び印字濃度等の観点から用いられ、例えば、ポリオキシアルキレン基を構成単位として有するポリオキシアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、好ましくはポリオキシアルキレングリコールモノメタクリレートである。
ポリオキシアルキレン基のオキシアルキレンの平均付加モル数は、好ましくは1以上、より好ましくは6以上、更に好ましくは10以上であり、また、好ましくは30以下、より好ましくは25以下、更に好ましくは20以下である。
オキシアルキレン基としては、好ましくは、オキシエチレン基及びオキシプロピレン基から選ばれる少なくとも一種である。
ポリオキシアルキレン基の末端としては、水素原子、メチル基、ヘキシル基、ラウリル基等の炭素数1以上20以下の脂肪族炭化水素基、フェニル基等の炭素数6以上10以下のアリール基が挙げられる。
ポリマーAは、例えば、ラジカル重合開始剤等の重合開始剤の存在下で、メチルエチルケトン等の有機溶媒を用いた溶液重合法等の重合法でモノマー混合物を重合させることにより、容易に調製することができる。
なお、水に対する水不溶性ポリマーの25℃における溶解度は、水不溶性ポリマーを有機溶媒に溶解させたり均一分散させる観点から、所望の中和度での中和した後において、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である。
中和剤として、塩生成基の種類に応じて酸又は塩基を用いることができる。塩生成基モノマーがアニオン性モノマーの場合、好ましくは塩基が用いられる。酸としては、例えば、塩酸、硫酸等の無機酸、及び酢酸、プロピオン酸、乳酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、グリセリン酸、ポリエチレングリコール酸等の有機酸が挙げられる。塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、及びアンモニア、及びトリメチルアミン、トリエチルアミン等の3級アミン類等が挙げられる。これらの中でも、好ましくはアルカリ金属水酸化物又はアンモニア、より好ましくはアルカリ金属水酸化物及びアンモニアの併用、更に好ましくは水酸化ナトリウム及びアンモニアの併用である。アンモニアに対するアルカリ金属水酸化物の量(アルカリ金属水酸化物の質量/アンモニアの質量)は、好ましくは30/70〜80/20,より好ましくは40/60〜70/30である。
中和度には、特に限定がないが、通常、水系顔料分散体の液性が中性、例えば、pHが4.5〜10となるように調整することが好ましい。
本発明に用いられる有機溶媒は、工程(1)において水と相分離させた状態で分散する観点、粗大粒子を低減しろ過速度を速める観点、及び保存安定性を高める観点から、水100質量部に対する溶解度が20℃において、50質量部以下である。
上記の観点から、有機溶媒の水100質量部に対する溶解度が、20℃において、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは20質量部以上であり、また、好ましくは45質量部以下、より好ましくは40質量部以下、より好ましくは30質量部以下である。
ケトン系溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン(20℃における水への溶解量:29質量部(対水100質量部))等が挙げられる。
アルコール系溶媒としては、例えば、1‐ブタノール(20℃における水への溶解量:6.3質量部(対水100質量部))、2‐ブタノール(20℃における水への溶解量:12.5質量部(対水100質量部))等が挙げられる。これらの有機溶媒は、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
これらの有機溶媒の中では、その安全性や、後処理において溶媒を除去する際の操作性を考慮すれば、好ましくはメチルエチルケトンである。
顔料としては、有機顔料、無機顔料のいずれを使用することも可能である。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、ジスアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アントラキノン顔料、キノフタロン顔料等が挙げられる。
体質顔料としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられる。
「相分離状態で」とは、有機溶媒と水とが相分離状態となる、有機溶媒/水の混合質量比、及び温度条件であることを意味する。工程(1)が相分離状態であるかの判断手法は、実施例に記載の方法による。
混合物中、有機溶媒の含有量は、顔料の濡れ性を高め、工程(1)の時間を短縮する観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上であり、また、相分離する観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下、より更に好ましくは25質量%以下である。
混合物中、水の含有量は、相分離させる観点から、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上であり、また、同様の観点から、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは60質量%以下である。
混合物中、顔料の含有量は、顔料を分散する観点から、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは7質量%以上、更により好ましくは10質量%以上であり、また、粗大粒子を低減し、工程(1)の時間を短縮する観点から、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下、更により好ましくは15質量%以下である。
ポリマーAに対する顔料の量(顔料/ポリマー)は、顔料の分散効率を高める観点から、好ましくは0.5以上、より好ましくは1以上、更に好ましくは1.5以上であり、また、得られる水系顔料分散体の分散安定性を高めて、保存時の粒径安定性を高める観点から、好ましくは5以下、より好ましくは4以下、更に好ましくは3以下である。
中和剤の量は、得られる水系顔料分散体の分散安定性を高めて、保存時の粒径安定性を高める観点から、ポリマー100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上、更に好ましくは4質量部以上であり、また、同様の観点から、好ましくは30質量部以下、より好ましくは15質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。
当該乳化組成物中のポリマー、有機溶媒、水の量は、混合する顔料の量を考慮して得られる混合物が上記の量となるように調整される。
これらの中でも、温度により工程(1)の相分離と工程(2)の均一相とを調整する観点から、工程(1)の温度は、好ましくは20℃以上、より好ましくは25℃以上であり、また、好ましくは60℃以下、より好ましくは50℃以下、更に好ましくは40℃以下である。
工程(1)の終点は、粗大粒子が低減されて、実施例に記載の方法において通液量が40gに達した時とすることができる。なお、粗大粒子が多く含まれたまま、工程(2)を行った場合、工程(2)で用いる分散機の詰まりの原因となるため、工程(2)に多大な時間を要する。
工程(1)の終了時、顔料の体積平均中位粒径(D50)が、粗大粒子を低減する観点から、好ましくは200nm以上、より好ましくは220nm以上であり、また、好ましくは400nm以下、より好ましくは300nm以下である。
工程(2)は、工程(1)で得られた分散体を、該有機溶媒と水が相分離しない均一相で分散する。
「相分離状態しない均一相で」とは、有機溶媒と水とが均一相となる、有機溶媒/水の混合質量比、及び温度条件であることを意味する。工程(2)が均一相であるかの判断手法は、実施例に記載の方法による。
工程(2)では、ポリマーAの顔料への吸着を促進するために、均一相で分散する。これにより、保存時の粒径安定性が高くなる。
工程(1)で得られた分散体を均一相にする方法としては、例えば、温度を調整する方法(2a)、水に対する有機溶媒の質量比(有機溶媒の質量/水の質量)を調整する方法(2b)が挙げられ、生産性の観点から好ましくは、温度を調整する方法(2a)である。
上記方法(2b)としては、具体的には、有機溶媒を除去する、又は水を添加する等により、水に対する有機溶媒の質量比(有機溶媒の質量/水の質量)を低くする方法が挙げられる。
これらの中でも、温度により工程(1)の相分離と工程(2)の均一相とを調整する(上記方法(2a))観点から、工程(2)の温度は、好ましくは40℃以下、より好ましくは30℃以下、更に好ましくは25℃以下、更により好ましくは20℃以下である。
また、工程(1)の温度に対する工程(2)の温度の差(工程(1)の温度−工程(2)の温度)は、温度により工程(1)の相分離と工程(2)の均一相とを調整する(上記方法(2a))観点から、好ましくは5℃以上、より好ましくは7℃以上、更に好ましくは10℃以上であり、また、好ましくは40℃以下、より好ましくは30℃以下、更に好ましくは20℃以下である。
本発明の製造方法により得られる水系顔料分散体は、顔料の体積平均中位粒径(D50)が、分散安定性の観点から、好ましくは10nm以上、より好ましくは30nm以上、更に好ましくは60nm以上、より更に好ましくは80nm以上であり、また、好ましくは170nm以下、より好ましくは150nm以下である。
本発明の製造法によって得られた水系顔料分散体は、インクジェット記録用水系インクに好適に使用しうるものである。インクジェット記録用水系インクにおける水系顔料分散体の含有量(固形分量)は、インク性能保持の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上であり、また、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%である。
インクジェット記録用水系インクにおける水の含有量は、インク性能保持の観点から、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上であり、また、好ましくは95質量%以下、より好ましくは85質量%以下である。
インクジェット記録用水系インクには、必要に応じて、湿潤剤、分散剤、消泡剤、キレート剤、防黴剤等の添加剤が含有されていてもよい。
ポリマーの重量平均分子量は、下記の方法により測定した。
ゲルクロマトグラフィー法
装置:東ソー株式会社製GPC装置(HLC−8220GPC)
溶離液:60mmol/Lのリン酸と50mmol/Lのリチウムブロマイドを含有するN,N−ジメチルホルムアミド
カラム:東ソー株式会社製カラム(TSK-GEL、α-M×2本)
流速:1mL/min
カラム温度:240℃
標準物質:ポリスチレン
得られた予備分散体を常圧、常温下で200メッシュ金網(面積2cm2)を下部に取り付けた容器に300g充填し、金網が閉塞し通液しなくなるまで静地した。通液した液を回収し、質量を測定し通液量とした。なお、処理効率を評価する観点から、工程(1)の終点は、通液量が40gに達した時とした。
各工程の仕込み比率で有機溶媒とイオン交換水のみを合計10gとなるように混合し、分散処理の温度で、10分間撹拌混合後、常圧下で、目視により相状態を観察し、相分離しているか、均一な一相の状態であるかを判定した。
大塚電子株式会社製、レーザー粒子解析システムELS−8000(20℃)を用いて、高圧ホモジナイザー処理後の顔料分散体の体積平均中位粒径(D50)を測定した。
工程(2)の終了後、20℃で1日保存した後の粒径を上記の方法で測定し、分散直後の粒径からの増大率を計算した。
反応容器内に、メチルエチルケトン20質量部及び重合連鎖移動剤(2−メルカプトエタノール)0.03質量部を入れ、モノマーとして、ベンジルメタクリレート、メタクリル酸、スチレンマクロマー〔東亜合成株式会社製、商品名:AS−6S、数平均分子量:6000、重合性官能基:メタクロイルオキシ基〕、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート〔エチレンオキシド12モル付加、日本油脂株式会社製、商品名:ブレンマーPP−800〕、フェノキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノメタクリレート〔エチレンオキシド6モル付加、プロピレンオキシド6モル付加、末端:フェニル基、日本油脂株式会社製、商品名:ブレンマー43PAPE−600B〕、及びスチレンモノマーのそれぞれを表1に示す分量の10質量%ずつ、合計10質量部を入れて混合し、十分に窒素ガス置換を行って混合溶液を得た。
一方、滴下ロートに、前記各モノマーの残りの90質量%の量(合計90質量部)を仕込み、重合連鎖移動剤2−メルカプトエタノール0.27質量部、メチルエチルケトン60質量部及び2,2’‐アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.2質量部を入れて混合し、十分に窒素ガス置換を行い、混合溶液を得た。
窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を攪拌しながら65℃まで昇温し、滴下ロート中の混合溶液を3時間かけて徐々に滴下した。滴下終了から65℃で2時間経過後、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.3質量部をメチルエチルケトン5質量部に溶解した溶液を加え、更に65℃で2時間、70℃で2時間熟成させた後、溶媒を除去してポリマーAの固形分を得た。得られたポリマーAの重量平均分子量は55,000であった。
製造例1のポリマーA107.7g(7.3質量%)をメチルエチルケトン301.9g(20.5質量%)に溶かし、その中に5N水酸化ナトリウム水溶液20.1g(1.4質量%)及びイオン交換水832.7g(56.4質量%)及び25%アンモニア水溶液13.2g(0.8質量%)加えて乳化組成物を得た。
そしてイエロー顔料(ファストイエロー74、大日精化工業株式会社製、商品名:FY840)200g(13.6質量%)を加え、ディスパー翼で25℃で1時間混合して予備分散体を得た(工程(1))。なお、上記カッコ内の質量%の値は予備分散体原料の組成割合である。
通液量が40gになった地点で、分散を終了した。予備分散時間は5.3hであった。
次に、予備分散体1000gをマイクロフルイダイザー(Microfluidics社製、高圧ホモジナイザー、商品名)を用いて、150MPaの圧力で10パスの連続方式による分散処理を行った(工程(2))。この際の処理温度は15℃であった。大塚電子株式会社製の粒径測定器(ELS−6100)で粒径を測定したところ144nmであった。また、処理温度で1日保存した際の粒径増大率は2%であった。
さらに、減圧下、温水加熱媒体を用いてメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去し、5μmのフィルター(アセチルセルロース膜、外径:2.5cm、富士フイルム株式会社製)を取り付けた容量25mLの針なしシリンジ(テルモ株式会社製)で濾過し、粗大粒子を除去することにより、固形分濃度20%の水系顔料分散体を得た。
実施例1において、工程(1)の温度を35℃に変更した他は実施例1と同様にして水系顔料分散体を得た。
実施例1において、工程(1)の温度を15℃に変更した他は実施例1と同様にして水系顔料分散体を得た。
実施例2において、メチルエチルケトンの量を105.9g、イオン交換水を1029gに変更した他は実施例2と同様にして水系顔料分散体を得た。
実施例2において、メチルエチルケトンをアセトンに変更した他は実施例2と同様にして水系顔料分散体を得た。
比較例3において、工程(1)の温度を15℃に変更した他は比較例2と同様にして水系顔料分散体を得た。
工程2の処理温度を35℃に変更した他は実施例2と同様にして水系顔料分散体を得た。
Claims (8)
- 下記工程(1)及び(2)を含む、水系顔料分散体の製造方法。
工程(1):塩生成基を有するポリマー、メチルエチルケトン、水及び顔料を含む混合物を、該メチルエチルケトンと水が相分離状態で撹拌型分散機で分散し、分散体を得る工程
工程(2):温度による調整により、工程(1)で得られた分散体を、該メチルエチルケトンと水が相分離しない均一相で分散する工程 - 前記ポリマーがアニオン性モノマー由来の構成単位を有する水不溶性ポリマーである、請求項1に記載の水系顔料分散体の製造方法。
- 工程(1)の水に対するメチルエチルケトンの質量比(メチルエチルケトンの質量/水の質量)が0.19以上1以下である、請求項1又は2に記載の水系顔料分散体の製造方法。
- 工程(1)の温度に対する工程(2)の温度の差(工程(1)の温度−工程(2)の温度)が、5℃以上40℃以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の水系顔料分散体の製造方法。
- 工程(1)の温度が20℃以上60℃以下であり、工程(2)の温度が20℃未満である、請求項1〜4のいずれかに記載の水系顔料分散体の製造方法。
- 工程(1)の混合物が中和剤を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の水系顔料分散体の製造方法。
- 工程(1)において、水に対するメチルエチルケトンの質量比(メチルエチルケトンの質量/水の質量:混合物の分散時における値)が0.19以上0.4以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の水系顔料分散体の製造方法。
- 工程(2)の分散を高圧ホモジナイザーで行なう、請求項1〜7のいずれかに記載の水系顔料分散体の製造方法。
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