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JP6292579B2 - 電子部品及びその製造方法 - Google Patents
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Description

本発明は、三次元形状の配線パターンを有する電子部品及びその製造方法に関する。
近年、静電容量センサ等の電子部品に対して、立体化により、操作性の向上や目視での高級感の演出が図られている(例えば特許文献1)。
特許文献1には、立体的に三次元形成されるフィルム基材と、フィルム基材の裏面に一体化される加飾層と、フィルム基材と加飾層とに一体的に積層形成された導電性の回路パターン層とを備えた静電容量センサ及び製造方法が開示されている。
図14は、静電容量センサ100を模式的に示す斜視図である。
フィルム基材101に加飾層110と回路パターン層120とを一体化したら、フィルム基材101を金型にセットして立体的に成形し、金型を冷却して型開きするとともに、金型から三次元成形された静電容量センサ100を脱型する。
導電性の回路パターン層120は、三次元成形されるフィルム基材101の伸びに対する追従性を考慮して、導電インクによりスクリーン印刷された導電性高分子が使用された。このとき、透明な導電性高分子を用いれば、非透光性の加飾層110の形成されていない領域は透明にすることができる。
製造された静電容量センサ100は、回路基板の電気コネクタに回路パターン層120の末端部が挿着される。静電容量センサ100が可撓性を有する立体的な三次元形状を有するので、表面が曲面の取り付け箇所内に設置される場合でも、操作面の裏面に近接配置することができる。したがって、簡易な構成で静電容量センサ100のデザインの自由度を著しく向上させることができ、しかも、スムーズな操作感を得ることができる。また、静電容量センサ100の立体化により、高級感や上質感を容易に醸し出すことができる。
特開2010−267607号公報
しかしながら、導電性高分子は、吸湿によって抵抗値が上昇してしまうことが知られている。特許文献1には、配線パターンを機械的に保護するために保護層を積層することは記載されているが、導電性高分子が吸湿しないように保護するための防湿膜については何ら考慮されていなかった。三次元成形されるときに変形する導電性高分子の配線パターンに対して、保護層が機械的な保護効果を見かけ上保持している状態においても、防湿膜としては機能していないという問題が生じた。このため、三次元成形されるときに変形する電子部品に導電性高分子を適用する場合、透湿によって導電性高分子の経時変化を生じ、三次元成形で変形された三次元形状の配線パターンの抵抗値が上昇するという課題があった。
本発明は、上述した課題を解決するものであり、特に、抵抗値が安定しており、且つ、三次元形状の配線パターンを有する電子部品及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の電子部品は、三次元形状を有するフィルム基材と、前記フィルム基材の一方の面の側に形成された導電性高分子からなる配線パターンと、前記配線パターン上に形成された塩化ビニル系の防湿膜と、前記フィルム基材の他方の面の側に形成された成形樹脂と、を有することを特徴とする。
また、本発明の電子部品において、前記フィルム基材の他方の面の側に接着層が形成され、該接着層が前記塩化ビニル系の樹脂材料であることを特徴とする。
この構成によれば、導電性高分子からなる配線パターンを塩化ビニル系の防湿膜で保護することにより、配線パターン形成後に変形させても防湿性を保つことができる。したがって、三次元成形で変形された三次元形状の配線パターンにおいても、防湿効果が低下しないため、抵抗値を安定に維持できる。
また、空気に含まれる水分子が成形樹脂を透過したとしても、接着層によってフィルム基材を透過する水分子の量を減らすことができる。このため、成形樹脂及びフィルム基材が透湿性の高い材質であっても、導電性高分子に対する湿度の影響を抑制することができる。
また、本発明の電子部品において、前記フィルム基材及び前記防湿膜が目視で透明性を備えるとともに、前記導電性高分子が、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸とを含む混合物からなることを特徴とする。
この構成によれば、少なくとも配線パターンが透明性を備えているので、デザイン性の向上や照光機能の付与が可能である。
また、本発明の電子部品において、前記フィルム基材が柔軟性を有し変形可能とされたことを特徴とする。
この構成によれば、フィルム基材、導電性高分子からなる配線パターン、及び塩化ビニル系の防湿膜が柔軟性を有し、変形可能であるため、配線パターンに三次元形状を付与することが容易である。
また、本発明の電子部品において、前記配線パターンは、静電容量の変化を検出する容量電極部と、前記容量電極部に接続された引き出し配線部と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、三次元形状の配線パターンによって構成された容量電極部を形成することができる。これにより、三次元形状の容量電極部を有する電子部品、例えばデザイン性に優れた静電容量センサ、が実現できる。
本発明の電子部品の製造方法は、フィルム基材の一方の面の側に導電性高分子からなる配線パターンを形成する工程と、前記配線パターン上に塩化ビニル系の防湿膜を形成する工程と、前記防湿膜を形成する工程の後に加熱変形させて三次元形状を形成する工程と、を有し、前記三次元形状を形成する工程が、前記フィルム基材の他方の面の側に成形樹脂を形成する工程を含むことを特徴とする。
また、本発明の電子部品の製造方法において、前記防湿膜を形成する工程と前記三次元形状を形成する工程との間に、前記塩化ビニル系の樹脂材料である接着層を前記フィルム基材の前記他方の面の側に形成する工程を含むことを特徴とする。
この構成によれば、平坦なフィルム基材を熱プレス等の方法で加熱変形させて、三次元形状の配線パターンを有する電子部品を容易に製造できる。塩化ビニル系の防湿膜で保護することにより、配線パターン形成する工程及び防湿膜を形成する工程の後に変形させても防湿効果が低下しないため、配線パターンの抵抗値が安定に維持できる。
また、本発明の電子部品の製造方法において、前記成形樹脂を形成する工程は、インサート成形により前記成形樹脂を前記フィルム基材に一体化する工程を含むことを特徴とする。
この構成によれば、平坦なフィルム基材を熱プレス等の方法で加熱変形させて、インサート成形により成形樹脂を一体化することによって、三次元形状の配線パターンを有する電子部品を容易に製造できる。成形樹脂を一体化することによって、耐久性や美観を向上させることができる。
本発明によれば、導電性高分子からなる配線パターンを塩化ビニル系の防湿膜で保護することにより、三次元成形で変形されても、抵抗値が安定しており、且つ、三次元形状の配線パターンを有する電子部品を提供することができる。
また、本発明の製造方法によれば、配線パターン形成する工程及び防湿膜を形成する工程の後に変形させても防湿効果が低下しないため、抵抗値が安定しており、且つ、三次元形状の配線パターンを有する電子部品を製造することができる。
本発明の実施形態の電子部品を示す斜視図である。 本発明の実施形態の電子部品を斜め下方から見た模式図である。 本発明の実施形態の電子部品を示す平面図である。 本発明の実施形態の電子部品を示す正面図である。 図3のV−V線で切断した模式断面図である。 本発明の実施形態の電子部品の製造方法を説明する工程図であり、平坦なフィルム基材に導電性高分子を形成した状態を示す模式断面図である。 導電性高分子に所望のパターニングをおこなって配線パターンを形成する工程を示す模式断面図である。 配線パターン上に塩化ビニル系の防湿膜を形成する工程を示す模式断面図である。 フィルムセンサを加熱変形させて三次元形状を形成する工程を示す模式断面図である。 インサート成形により成形樹脂をフィルムセンサに一体化する工程を示す模式断面図である。 フィルム基材の他方の面側に成形樹脂が一体化されたインサート成形を示す模式断面図である。 フィルム基材の一方の面側に成形樹脂が一体化されたインサート成形を示す模式断面図である。 実施例1と比較例1の抵抗値の上昇率を比較したグラフである。 従来の静電容量センサを模式的に示す斜視図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、分かりやすいように、図面は寸法を適宜変更している。
図1は、本発明の実施形態の電子部品1を示す斜視図である。図2は、本発明の実施形態の電子部品1を斜め下方から見た模式図である。図3は、本発明の実施形態の電子部品1を示す平面図である。図4は、本発明の実施形態の電子部品1を示す正面図である。図5は、図3のV−V線で切断した断面図である。
本実施形態の電子部品1は、立体的な形状の静電容量検出部1Aを備えた静電容量センサであり、操作者が静電容量検出部1Aに指を接触させて操作する入力装置として使用される事例である。
図1〜図5に示すように、本実施形態の電子部品1は、成形樹脂40の中央部が上方(Z1方向)に突出した三次元形状を有している。成形樹脂40の三次元形状に倣うようにフィルムセンサ10が三次元形状を有しており、このフィルムセンサ10はフィルム基材11の一方の面11aの側に配線パターン12と防湿膜14とが積層されている。
フィルム基材11は、平坦なシート状の二軸延伸ポリエステルフィルムを、金型を用いて加熱変形させたものである。本実施形態のフィルム基材11は、柔軟性を有し、変形可能であるとともに目視で透明性を備えた材質であり、例えば、下方から上方に向かって可視光を透過させることによって、電子部品1に照光機能を付与することができる。また、例えば、立体的な形状の静電容量検出部1Aを除き、遮光性の樹脂材料を印刷しておいて、非透光領域とすることもできる。
配線パターン12は、フィルム基材11の一方の面11aに、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸とを含む混合物からなる導電性高分子20が形成されたものである。ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)の導電性高分子材料は、高い導電性を有する透明電極材料であることが知られている。また、柔軟性を有し、例えば延伸されるように変形することも可能である。導電性高分子20は、配線パターン12以外の領域が不導体化された不導体膜13になっている。不導体膜13は絶縁膜として機能し、配線パターン12を短絡させてしまうことはない。なお、導電性高分子20は、同様な物性を有する透明電極材料であれば、PEDOT/PSSに限定されるものではない。
図2に示すように、本実施形態の電子部品1における配線パターン12は、静電容量の変化を検出する容量電極部12Aと、容量電極部12Aに接続された引き出し配線部12Bと、を備える。容量電極部12Aは、立体的な形状の静電容量検出部1Aに対応して配置されている。なお、図2に示す配線パターン12は、パターニングされた状態を模式的に表わしたものである。
防湿膜14は、塩化ビニル系の樹脂材料が配線パターン12上に印刷形成されたものである。図2に示すように、本実施形態の電子部品1では、フィルム基材11の一方の面11aに配線パターン12の一端を露出させ、それ以外のほぼ全面に亘って防湿膜14が形成されている。本実施形態の防湿膜14は、目視で透明性を備える塩化ビニル系の樹脂材料が用いられており、柔軟性を有し、例えば延伸されるように変形することが可能である。
成形樹脂40は、熱可塑性樹脂のポリカーボネート(PC)を、金型を用いて成形したものである。本実施形態の成形樹脂40は、目視で透明性を備えた材質である。これにより、本実施形態の電子部品1は、成形樹脂40、フィルム基材11、配線パターン12、及び防湿膜14が透明性を備えているので、デザイン性の向上や照光機能の付与が可能である。
なお、防湿膜14が形成されていない配線パターン12の一端は、電子部品1と外部回路との電気的な接続時に、耐久性や信頼性を高めるために樹脂等で封止されることが好ましい。また、この露出部分の配線パターン12には、金属を含有する導体パターンを積層して、導電性高分子20を保護しておくことがより好ましい。
本実施形態の電子部品1は、平坦なシート状のフィルム基材11の一方の面11aに導電性高分子20からなる配線パターン12及び防湿膜14が形成され、三次元形状に成形されている。フィルム基材11、導電性高分子20からなる配線パターン12、及び防湿膜14がいずれも柔軟性を有し、変形可能であるので、三次元形状の配線パターン12にすることができる。
さらに、フィルム基材11の他方の面11bの側に成形樹脂40が成形されて一体化されている。なお、本実施形態の電子部品1は、成形樹脂40とフィルム基材11との密着性を向上させるため、接着層15を介している。接着層15は、バインダーと呼ばれる樹脂材料であり、本実施形態では、防湿膜14と同じ塩化ビニル系の樹脂材料で形成されている。このため、本実施形態の接着層15は、上述した電子部品1の特徴を損なうことがない。
本実施形態の電子部品1は、防湿膜14に塩化ビニル系の樹脂材料が用いられているので、透湿性が低く、導電性高分子20に対する湿度の影響を抑制することができる。塩化ビニル系の防湿膜14は、柔軟性を有し、変形可能であるとともに、三次元形状に変形されても低い透湿性を保持する。このため、空気に含まれる水分子が防湿膜14を透過して導電性高分子20に影響することが抑制される。
さらに、本実施形態の電子部品1は、接着層15に防湿膜14と同じ塩化ビニル系の樹脂材料が用いられているので、空気に含まれる水分子が成形樹脂40を透過したとしても、接着層15によってフィルム基材11を透過する水分子の量を減らすことができる。このため、成形樹脂40及びフィルム基材11が透湿性の高い材質であっても、導電性高分子20に対する湿度の影響を抑制することができる。
以下、本実施形態としたことによる効果について説明する。
本実施形態の電子部品1は、三次元形状を有するフィルム基材11と、フィルム基材11上に形成された導電性高分子20からなる配線パターン12と、配線パターン12上に形成された塩化ビニル系の防湿膜14とを有する。この構成によれば、導電性高分子20からなる配線パターン12を塩化ビニル系の防湿膜14で保護することにより、配線パターン形成後に変形させても防湿性を保つことができる。したがって、三次元成形で変形された三次元形状の配線パターン12においても、防湿効果が低下しないため、抵抗値を安定に維持できる。
また、本実施形態の電子部品1において、フィルム基材11及び防湿膜14が目視で透明性を備えるとともに、導電性高分子20が、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸とを含む混合物からなる。この構成によれば、少なくとも配線パターン12が透明性を備えているので、デザイン性の向上や照光機能の付与が可能である。
また、本実施形態の電子部品1において、フィルム基材11が柔軟性を有し変形可能とされる。この構成によれば、フィルム基材11、導電性高分子20からなる配線パターン12、及び塩化ビニル系の防湿膜14が柔軟性を有し、変形可能であるため、配線パターン12に三次元形状を付与することが容易である。
また、本実施形態の電子部品1において、配線パターン12は、静電容量の変化を検出する容量電極部12Aと、容量電極部12Aに接続された引き出し配線部12Bと、を備える。この構成によれば、三次元形状の配線パターン12によって構成された容量電極部12Aを形成することができる。これにより、デザイン性に優れた三次元形状の容量電極部12Aを有する静電容量センサが実現できる。
<製造方法>
本発明の実施形態における電子部品1の製造方法について説明する。図6は、平坦なフィルム基材11に導電性高分子20を形成した状態を示す模式断面図である。図7は、導電性高分子20に所望のパターニングをおこなって配線パターン12を形成する工程を示す模式断面図である。図8は、配線パターン12上に塩化ビニル系の防湿膜14を形成する工程を示す模式断面図である。図9は、防湿膜14を形成する工程の後にフィルムセンサ10を加熱変形させて三次元形状を形成する工程を示す模式断面図である。図10は、インサート成形により成形樹脂40をフィルムセンサ10に一体化する工程を示す模式断面図である。図11は、フィルム基材11の他方の面11bの側に成形樹脂40が一体化されたインサート成形を示す模式断面図である。図12は、フィルム基材11の一方の面11aの側に成形樹脂40が一体化されたインサート成形を示す模式断面図である。
二軸延伸ポリエステルフィルムからなるフィルム基材11が用意され、図6に示すように、フィルム基材11の一方の面11aに、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸とを含む混合物からなる導電性高分子20が形成される。導電性高分子20は、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)を分散させたインキを塗布することによって形成される。
続いて、レジストを印刷して、導電性高分子20の不導体化処理を行う。この不導体化処理によって、レジストで保護されていた導電性高分子20がパターニングされる。不導体化処理後にレジストを剥離して、図7に示すように、配線パターン12が形成される。なお、不導体化処理により不導体化された不導体膜13は、除去せずに配線パターン12間に存在させておくことが好ましい。配線パターン12と不導体膜13との光学的な特性に差異が小さく、境界を視認されにくくすることができる。本実施形態では不導体膜13を残す事例として、以下の工程を説明する。
続いて、塩化ビニル系の防湿膜14を印刷して、図8に示すように、塩化ビニル系の防湿膜14を形成する。なお、これらの工程は、平坦なフィルム基材11の一方の面11aに、順に積層するように行われる。
これらの工程の後、金型が装着した装置内にフィルムセンサ10を挿入して加熱し、真空成形法等によって、図9に示すように、フィルムセンサ10を下金型51の形状に倣って変形させて三次元形状に成形される。
引き続き、図10に示すように、上金型との隙間に成形樹脂40が充填され、成形樹脂40をフィルムセンサ10に一体化する。成形樹脂40は、熱可塑性樹脂のポリカーボネート(PC)である。熱可塑性樹脂材料であれば他の材料でもよく、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)やシクロオレフィンポリマー(COP)を用いることができる。図11に示す事例は、フィルム基材11の他方の面11bの側に成形樹脂40が一体化されたインサート成形である。なお、フィルム基材11の他方の面11bに密着性を向上させる接着層15を形成している。なお、フィルム基材11の他方の面11bに着色インキを印刷しておいて、フィルム基材11と成形樹脂40との間に着色インキの印刷面を有するインサート成形(フィルムインサート成形)としてもよい。成形樹脂40を一体化することによって、耐久性や美観を向上させることができる。また、図12に示す事例は、フィルム基材11の一方の面11aの側に成形樹脂40が一体化されたインサート成形である。この場合、配線パターン12上の防湿膜14が成形樹脂40に密着している。なお、フィルム基材11の他方の面11bにも防湿膜14を形成することが、耐湿性の観点からより好ましい。
フィルムセンサ10は、平坦なフィルム基材11の一方の面11aに配線パターン12及び防湿膜14が形成されるので、立体的なパターニングを行う等の難しい工程や特殊な製造装置を必要としない。本実施形態と異なり、はじめから立体的に形成しようとすると、印刷等の簡便な形成方法を適用することができず、品質低下要因やコストアップ要因になる。
さらに、本実施形態における導電性高分子20からなる配線パターン12と塩化ビニル系の防湿膜14とは、フィルム基材11を三次元形状に変形させたときに、変形に追随して変形させることができる。
塩化ビニル系の防湿膜14は、平坦なフィルム基材11の状態で配線パターン12上に形成された後、加熱変形して三次元形状に変形させても防湿効果が低下しない。このため、空気に含まれる水分子が防湿膜14を透過して導電性高分子20に影響することが抑制される。これにより、配線パターン12の抵抗値が安定に維持できる。
また、同じフィルムセンサ10に対して、異なる形状の金型を使用すれば異なる三次元形状に成形することができる。例えば、異なる三次元形状に成形してデザイン性を向上させることが容易である。
以下、本実施形態としたことによる効果について説明する。
本実施形態の電子部品1の製造方法は、フィルム基材11に導電性高分子20からなる配線パターン12を形成する工程と、配線パターン12上に塩化ビニル系の防湿膜14を形成する工程と、防湿膜14を形成する工程の後に加熱変形させて三次元形状を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
この構成によれば、平坦なフィルム基材11を熱プレス等の方法で加熱変形させて、三次元形状の配線パターン12を有する電子部品1を容易に製造できる。塩化ビニル系の防湿膜14で保護することにより、配線パターン形成する工程及び防湿膜を形成する工程の後に変形させても防湿効果が低下しないため、配線パターン12の抵抗値が安定に維持できる。
また、本実施形態の電子部品1の製造方法において、三次元形状を形成する工程は、インサート成形により成形樹脂40を一体化する工程を含むことを特徴とする。
この構成によれば、平坦なフィルム基材11を熱プレス等の方法で加熱変形させて、インサート成形により成形樹脂40を一体化することによって、三次元形状の配線パターン12を有する電子部品1を容易に製造できる。成形樹脂40を一体化することによって、耐久性や美観を向上させることができる。
本実施形態の電子部品1における配線パターン12の抵抗値を測定し、抵抗値が安定に維持できることを検証した。図13は、実施例1と比較例1の抵抗値の上昇率を比較したグラフである。
実施例1のフィルム基材11には、東洋紡製の加飾成型用・昜成型二軸延伸ポリエステルフィルム(商品名ソフトシャインTA0009)を用いた。
実施例1の配線パターン12は、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸とを含む混合物からなる導電性高分子20を使用し、配線パターン幅2.4mmにパターニングされた。
実施例1の防湿膜14には、セイコーアドバンス製のポリ塩化ビニル系樹脂(商品名JT27)を用いた。
なお、比較例1として、防湿膜14の代わりに、帝国インキ製の保護膜(商品名MIX−HF)を用いたテストサンプルを用意した。
図13に、実施例1の電子部品1を9体作製して測定した結果と、比較例1のテストサンプルを6体作製して測定した結果とをグラフで示す。図13のグラフ横軸は作成時からの経過時間を日数で表わし、グラフ縦軸は作成時に測定した個々の初期値を基準にした抵抗値の上昇率を表わしている。比較例は6体すべてが経過日数30日後に5%以上の抵抗値上昇が見られた。これに対して、実施例1は9体すべてにおいて、100日以上経過しても抵抗値が初期値を超えるような抵抗値上昇は見られなかった。なお、試験開始後に個々の抵抗値が初期値に比べて減少する挙動が見られたが、これは作製直後に導電性高分子20の特性を安定させるエージングを行っていないためであると思われ、実用上問題ない。
以上のように、本発明の実施形態の電子部品1及びその製造方法を具体的に説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することが可能である。例えば次のように変形して実施することができ、これらも本発明の技術的範囲に属する。
(1)本実施形態において、静電容量センサによる入力装置を事例として示したが、他の用途の電子部品に変更してもよい。
(2)本実施形態において、フィルムセンサ10を真空成形法等によって三次元形状を形成してから成形樹脂40を一体化したが、三次元形状を形成する工程は、成形樹脂40を金型で成形する工程で同時に行われる工法であってもよい。
(3)本実施形態において、成形樹脂40を一体化したが、成形樹脂40を一体化していない態様であってもよい。
(4)本実施形態において、目視で透明性を備えた材質を用いていたが、照光機能を備えていない用途の場合には、不透明な材質で構成してもよい。
1 電子部品
1A 静電容量検出部
10 フィルムセンサ
11 フィルム基材
11a 一方の面
11b 他方の面
12 配線パターン
12A 容量電極部
12B 引き出し配線部
13 不導体膜
14 防湿膜
15 接着層
20 導電性高分子
40 成形樹脂
51 下金型
52 上金型

Claims (8)

  1. 三次元形状を有するフィルム基材と、前記フィルム基材の一方の面の側に形成された導電性高分子からなる配線パターンと、前記配線パターン上に形成された塩化ビニル系の防湿膜と、前記フィルム基材の他方の面の側に形成された成形樹脂と、を有することを特徴とする電子部品。
  2. 前記フィルム基材の他方の面の側に接着層が形成され、
    該接着層が前記塩化ビニル系の樹脂材料であることを特徴とする請求項1に記載の電子部品。
  3. 前記フィルム基材及び前記防湿膜が目視で透明性を備えるとともに、
    前記導電性高分子が、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸とを含む混合物からなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子部品。
  4. 前記フィルム基材が柔軟性を有し変形可能とされたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電子部品。
  5. 前記配線パターンは、静電容量の変化を検出する容量電極部と、前記容量電極部に接続された引き出し配線部と、を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の電子部品。
  6. フィルム基材の一方の面の側に導電性高分子からなる配線パターンを形成する工程と、
    前記配線パターン上に塩化ビニル系の防湿膜を形成する工程と、
    前記防湿膜を形成する工程の後に加熱変形させて三次元形状を形成する工程と、を有し、
    前記三次元形状を形成する工程が、前記フィルム基材の他方の面の側に成形樹脂を形成する工程を含むことを特徴とする電子部品の製造方法。
  7. 前記防湿膜を形成する工程と前記三次元形状を形成する工程との間に、前記塩化ビニル系の樹脂材料である接着層を前記フィルム基材の前記他方の面の側に形成する工程を含むことを特徴とする請求項6に記載の電子部品の製造方法。
  8. 前記成形樹脂を形成する工程は、インサート成形により前記成形樹脂を前記フィルム基材に一体化する工程を含むことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の電子部品の製造方法。
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