JP6296219B2 - 補聴装置 - Google Patents
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Description
しかし、音声の特徴によっては上述のダイコティック補聴による明瞭度改善効果が十分に得られないことがある。
(実施の形態1)
[1−1. 構成]
図1は本実施形態の補聴装置1(補聴装置の一例)を示す。この補聴装置1は、図1及び図2から理解されるように、使用者Aの右耳に装着される音入出力器2(第1の音入出力器の一例)と、左耳に装着される音入出力器3(第2の音入出力器の一例)と、音入出力器2、3にリード線4、5を介して電気的に接続された信号処理器6とを備える。
図3は、補聴装置1の電気的な制御ブロックを示しており、右耳に装着される音入出力器2のマイクロフォン8とスピーカ9との接続形態と、左耳に装着される音入出力器3のマイクロフォン10とスピーカ11の接続形態とを示している。
帯域分割部12は、音入出力器2のマイクロフォン8により収音した音を四つの周波数帯域に分割する。
ゲイン制御部13(13a、13b、13c、13d)は、帯域分割部12に接続され、帯域分割部12によって分割された各帯域のゲイン制御を行う。ゲイン制御部13は、後述するダイコティック設定部18の指令に応じて、スイッチ19を作動させて帯域分割部12で分割された高音帯域に対するゲインを低音帯域に対するゲインよりも高く設定する。これにより、第1の音入出力器3を高音域用補聴部とするダイコティック機能が有効となる。
信号処理器6はまた、左耳に装着される音入出力器3に接続される、帯域分割部15と、ゲイン制御部16と、帯域合成部17とを有する。
帯域分割部15は、マイクロフォン10により収音した音を四つの周波数帯域に分割する。
帯域合成部17は、ゲイン制御部16に接続され、ゲイン制御部16によりゲイン制御された音声をスピーカ11に出力する。
信号処理器6はさらに、ダイコティック設定部18(ダイコティック設定部の一例)と、スイッチ19とを有する。ダイコティック設定部18は、マイクロフォン8により収音した音を解析し、ダイコティック補聴機能を有効にするか無効にするかを判断し、その判断結果に応じてスイッチ19によるダイコティック補聴機能を有効か無効に設定する。スイッチ19は、ダイコティック設定部18からの指令に応じて、ダイコティック補聴機能を有効または無効に切り替える。
実施形態1においては、マイクロフォン8から入力された音声に含まれる、第1ホルマントに着目している。ホルマントとは、音声の周波数スペクトルに含まれるいくつかのピークであり、その中で周波数の低いほうから2番目のピークを第1ホルマントとしている。例えば、図4において太線で表示されているスペクトルは、音声信号の波形をフーリエ変換し、縦軸を振幅、横軸を周波数としたものであり、このスペクトルの中には4つのピークが存在することがわかる。これらピークの中で、低い周波数から2番目のピーク部分が第1ホルマントである。また、第1ホルマントの周波数帯域としては、諸説あるものの、本実施形態においては図4において斜線で網掛けをしたように300Hzから1kHzの範囲として扱っている。
具体的な構成を、図5のダイコティック設定部18のブロック図を用いて説明する。
ダイコティック設定部18は、第1ホルマント抽出部20(第1ホルマント抽出部の一例)と、音声パワ算出部21(音声パワ算出部の一例)、第1ホルマントパワ算出部22(第1ホルマントパワ算出部の一例)と、比率算出部23(比率算出部の一例)と、判定部24とを有する。第1ホルマント抽出部20、音声パワ算出部21、第1ホルマントパワ算出部22、比率算出部23、及び判定部24の全部又は一部の機能は、プロセッサがメモリ等から読み出した所定のプログラムに従って実行される。
比率算出部23は、音声パワ算出部21から入力された全周波数領域のパワ(面積)と、第1ホルマントパワ算出部22から入力された第1ホルマントのパワ(面積)を比較し、その比率を算出し判定部24に出力する。
このようにすることで、ダイコティック補聴により、聞こえが改善される効果の高い音声信号が入力された場合のみ、ダイコティック機能を有効にすることができる。
本実施形態の補聴装置1は、ダイコティック機能の効果が得られる場合と、充分な効果が得られない場合とを判別し、ダイコティック機能を有効もしくは無効に設定することが出来る。このため、補聴装置1においてダイコティック機能を効果的に利用することができ、結果として補聴装置1の使用者は会話を鮮明に聞き取ることができるようになり、補聴装置としての活用が広く期待できる。
実施形態2では、他の音声信号の特徴によるダイコティック機能の制御について説明する。なお、実施形態1と同じ構成要素に関しては、同一の符号を用いて説明し、実施形態1と異なる構成要素を含むダイコティック設定部18の内部の構成要素に関してのみ、新たな符号を付している。
そこで本実施形態2では、この話速を検出してダイコティック機能の有効、無効を制御する技術について説明する。
ダイコティック設定部218は、音声判定部25(音声信号判定部の一例)と、語速算出部26(語速算出部の一例)と、判定部27と、を有する。音声判定部25、語速算出部26、及び判定部27の全部又は一部の機能は、プロセッサがメモリ等から読み出した所定のプログラムに従って実行される。
判定部27は、音声判定部25から人の声という情報を入力すると、話速算出部26からの出力結果である話速が所定の速度より速い場合、スイッチ19を制御し、ダイコティック機能を有効に設定し、そうでなければ無効に設定する。
次に、語数のカウント方法について図7(c)を用いて説明する。図7(c)における点線は、波形をカウントするタイミングを示す閾値であり、この閾値と、波形が交差するポイントをカウントしていくこととなる。音の波形は、例えば“し”に対して一つの波形の山が形成され、その波形の上りと下りで閾値の通過をカウントしているため一語に対して2カウントとなる。
このような語数のカウント方法において、1秒間に付き20ポイント(10語)以上になると、話速が速いと判断できる。その場合に判定部27は、スイッチ19を制御し、ダイコティック機能を有効に設定することとなる。
このように話速に応じて、ダイコティック機能を有効、無効に制御することにより、聞こえが改善される。
本実施形態3では、実施形態1と実施形態2の組み合わせによるダイコティック機能の制御について説明する。実施形態3においても、実施形態1または実施形態2と同じ構成要素に関しては、同一の符号を用いて説明し、実施形態1または実施形態2と異なる構成要素を含むダイコティック設定部18の内部の構成要素に関してのみ、新たな符号を付している。
ダイコティック設定部318は、第1ホルマント抽出部20(第1ホルマント抽出部の一例)と、音声パワ算出部21(音声パワ算出部の一例)、第1ホルマントパワ算出部22(第1ホルマントパワ算出部の一例)と、比率算出部23(比率算出部の一例)と、音声判定部25(音声信号判定部の一例)と、語速算出部26(語速算出部の一例)と、判定部28と、を有する。第1ホルマント抽出部20、音声パワ算出部21、第1ホルマントパワ算出部22、比率算出部23、音声判定部25、語速算出部26、及び判定部28の全部又は一部の機能は、プロセッサがメモリ等から読み出した所定のプログラムに従って実行される。
図9は、第1ホルマントのパワ比と、話速とを基にダイコティック機能の有効、無効を判断するための基準の一例を示す表である。
この例では、話速を8語/秒未満、8〜12語/秒、12語/秒以上の3段階に分類し、パワ比を、1/3未満、1/3〜2/3、2/3以上の3段階に分類している。これらの分類をマトリクス状の表にまとめ、それぞれの組み合わせによって、マスキングが発生するリスクが高い物を「リスク高」、マスキングが発生するリスクが低い物を「リスク低」として記入している。
判定部28は、このような条件による違いを判定し、「リスク高」の状態ではダイコティック機能を有効に設定し、「リスク低」の状態ではダイコティック機能を無効に設定する。
2 音入出力器(右耳用)
3 音入出力器(左耳用)
4 リード線
5 リード線
6 信号処理器
7 表示部
8 マイクロフォン
9 スピーカ
10 マイクロフォン
11 スピーカ
12 帯域分割部
13 ゲイン制御部
14 帯域合成部
15 帯域分割部
16 ゲイン制御部
17 帯域合成部
18 ダイコティック設定部
19 スイッチ
20 第1ホルマント抽出部
21 音声パワ算出部
22 第1ホルマントパワ算出部
23 比率算出部
24 判定部
25 音声判定部
26 話速算出部
27 判定部
28 判定部
218 ダイコティック設定部
318 ダイコティック設定部
Claims (7)
- ダイコティック機能を有する補聴装置において、
一方の耳に装着される第1のマイクロフォンを有する第1の音入出力器と、
他方の耳に装着される第2のマイクロフォンを有する第2の音入出力器と、
前記第1もしくは第2のマイクロフォンから入力された音声信号に応じて時間マスキングの発生を判定し、判定結果に応じて前記ダイコティック機能を有効もしくは無効に設定するダイコティック設定部と、
を備え、
前記ダイコティック設定部は、
前記第1もしくは第2のマイクロフォンから入力された前記音声信号に人の声が含まれているか否かを判定する音声信号判定部と、
前記音声信号に含まれる人の声による話の速度を算出する話速算出部と、
を有し、
前記音声信号判定部によって前記音声信号に人の声が含まれていると判定された場合に、前記話速算出部によって算出した前記話の速度に応じて前記時間マスキングの発生を判定する、
補聴装置。 - 前記ダイコティック設定部は、
前記音声信号判定部によって前記音声信号に人の声が含まれていると判定され、且つ前記話速算出部によって算出された前記話の速度が所定の速度より速いと判定された場合に前記時間マスキングが発生していると判定し、
前記ダイコティック機能を有効とする、
請求項1に記載の補聴装置。 - ダイコティック機能を有する補聴装置において、
一方の耳に装着される第1のマイクロフォンを有する第1の音入出力器と、
他方の耳に装着される第2のマイクロフォンを有する第2の音入出力器と、
前記第1もしくは第2のマイクロフォンから入力された音声信号に応じて時間マスキングの発生を判定し、判定結果に応じて前記ダイコティック機能を有効もしくは無効に設定するダイコティック設定部と、
を備え、
前記ダイコティック設定部は、前記音声信号からその音声信号の包絡線を抽出し、所定時間内の前記包絡線の周期を算出して前記時間マスキングの発生を判定する、
補聴装置。 - ダイコティック機能を有する補聴装置において、
一方の耳に装着される第1のマイクロフォンを有する第1の音入出力器と、
他方の耳に装着される第2のマイクロフォンを有する第2の音入出力器と、
前記第1もしくは第2のマイクロフォンから入力された音声信号に応じて時間マスキングの発生を判定し、判定結果に応じて前記ダイコティック機能を有効もしくは無効に設定するダイコティック設定部と、
を備え、
前記ダイコティック設定部は、
前記音声信号のパワを算出する音声パワ算出部と、
前記音声信号から第1ホルマントを抽出する第1ホルマント抽出部と、
前記第1ホルマント抽出部で抽出された前記第1ホルマントのパワを算出する第1ホルマントパワ算出部と、
前記音声パワ算出部と前記第1ホルマントパワ算出部の結果から、前記音声信号に対して第1ホルマントが占有する比率を算出する比率算出部と、
を有し、
前記ダイコティック設定部は更に、
前記第1ホルマントの占有比率から周波数マスキングの発生を判定し、
前記時間マスキング及び前記周波数マスキングの発生の判定結果に基づき前記ダイコティック機能を有効もしくは無効に設定する、
補聴装置。 - ダイコティック機能を有する補聴装置において、
補聴装置の使用者の一方の耳に装着される第1のマイクロフォンを有する第1の音入出力器、
他方の耳に装着される第2のマイクロフォンを有する第2の音入出力器、及び
前記第1もしくは第2のマイクロフォンから入力された音声信号に基づき周波数マスキング及び時間マスキングのうちの少なくとも一つであるマスキングの発生を判定し、前記マスキングが発生すると判定した場合前記ダイコティック機能を有効にし、前記マスキングが発生しないと判定した場合前記ダイコティック機能を無効にする、ダイコティック設定部、
を備え、
前記ダイコティック設定部は、
前記第1もしくは第2のマイクロフォンから入力された音声信号に含まれる人の声による話の速度を算出し、
前記話の速度が所定の速度より速い場合、前記ダイコティック機能を有効にする、
補聴装置。 - ダイコティック機能を有する補聴装置において、
補聴装置の使用者の一方の耳に装着される第1のマイクロフォンを有する第1の音入出力器、
他方の耳に装着される第2のマイクロフォンを有する第2の音入出力器、及び
前記第1もしくは第2のマイクロフォンから入力された音声信号に基づき周波数マスキング及び時間マスキングのうちの少なくとも一つであるマスキングの発生を判定し、前記マスキングが発生すると判定した場合前記ダイコティック機能を有効にし、前記マスキングが発生しないと判定した場合前記ダイコティック機能を無効にする、ダイコティック設定部、
を備え、
前記ダイコティック設定部は、
前記第1もしくは第2のマイクロフォンから入力された音声信号における第1ホルマントが占める比率を算出し、
前記比率が所定値以上の場合、前記ダイコティック機能を有効にする、
補聴装置。 - ダイコティック機能を有する補聴装置において、
補聴装置の使用者の一方の耳に装着される第1のマイクロフォンを有する第1の音入出力器、
他方の耳に装着される第2のマイクロフォンを有する第2の音入出力器、及び
前記第1もしくは第2のマイクロフォンから入力された音声信号に基づき周波数マスキング及び時間マスキングのうちの少なくとも一つであるマスキングの発生を判定し、前記マスキングが発生すると判定した場合前記ダイコティック機能を有効にし、前記マスキングが発生しないと判定した場合前記ダイコティック機能を無効にする、ダイコティック設定部、
を備え、
前記ダイコティック設定部は、
前記第1もしくは第2のマイクロフォンから入力された音声信号に含まれる人の声による話の速度を算出し、
前記音声信号における第1ホルマントが占める比率を算出し、
前記話の速度が所定の速度より速い場合且つ前記比率が所定値以上の場合、前記ダイコティック機能を有効にする、
補聴装置。
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