図1(a)は、画像形成装置500の正面図である。ただし、内部構成の一部を透明化して示している。画像形成装置500は装置本体200を有する。この装置本体200の内部には、シートに画像を形成する画像形成部Gと、実施例1に係るシート位置調整装置700(後述)と、が配置されている。用紙はカセット100に収容され、給送ローラ201によって画像形成部Gの方へと搬送されるようになっている。なお、感光体ドラムその他の内部機器、後述ギア列を動作するモータ等の駆動は、コントローラ600により制御される。
図1(b)は、カセット100の一部切欠き斜視図である。図2は、カセット100の斜視図である。図3は、カセット100の一部切欠き斜視図であり、図1(b)の反対側から見た図に相当する。図1(b)に示されるように、カセット100は、カセット100に収納されるシートの幅方向の位置を規制する幅規制板1、2、及び、シートの後端を規制する後端規制板3を有する。
『給送方向規制板』としての後端規制板3は、中板20の上に積載されるシートの給送方向Mの先端及び後端の位置を規制する。この後端規制板3は、中板20を装置本体200に挿入又は抜出す挿抜方向Lに延びる後端規制面部3J(図2参照)を有する。
『直交方向規制板』としての幅規制板1、2は、給送方向Mと直交する方向(挿抜方向L)のシートの端部の位置を規制する。幅規制板1はシートPの一端部(シートの一辺)の位置を規制し、幅規制板2はシートPの他端部(シートの一辺と反対側の他辺)の位置を規制する。この幅規制板1、2は、挿抜方向Lと直交する給送方向Mに沿う幅規制面部1J、2J(図2参照)を有する。
幅規制板1(第1直交方向規制板)にはラックギア部1bが形成され、幅規制板2(第2直交方向規制板)にはラックギア部2bが形成される。ピニオンギア4aは、ラックギア部1b、ラックギア部2bと噛合っている。そのため、ピニオンギア4aが回転すると、ラックギア部1b、ラックギア部2bが移動して、幅規制板1、2が同時に同一距離で移動し、幅規制板1、2の引き寄せ、引き離しを可能とする。
前述のピニオンギア4aは、アイドラギア4bと一体で形成され、同軸上で回転する。差動ギア5は、内部に一定値以上のトルクが発生した場合に空転して駆動伝達を抑制するトルクリミッタを有する。この差動ギア5には段ギア6が係合する。この段ギア6にはベースギア7が係合する。このベースギア7には揺動ギア8(図3参照)が噛合い、この揺動ギア8はベースギア7を中心に揺動可能に保持されている。
ラックギア9は、装置本体200に固定され、揺動ギア8と噛み合う。揺動板15(図3参照)は、ベースギア7を中心として揺動ギア8を保持しつつ揺動させる。揺動バネ16(図3参照)は、揺動ギア8及び揺動板15をラックギア9の歯面側に付勢する。アイドラギア10はベースギア7と係合する。
差動ギア11は、アイドラギア10と係合し、内部に一定値以上のトルクが発生した場合に空転し駆動伝達を抑制するトルクリミッタを有する。アイドラギア12は、差動ギア11と噛み合い駆動伝達を行う。アイドラギア13は、アイドラギア12と噛み合い、駆動伝達を行う。扇ギア14は、アイドラギア13からの駆動を回転支点14cを中心に回転し伝達するピニオンギア14aを有する。レバー部14bの揺動により後端規制板3を移動させるカバー18(図4参照)は、装置本体200に固定されたラックギア9を除く駆動列をカセット100の底部に保持する。
また、図2に示されるように、装置本体200に対して引出し及び挿入が可能でシートを積載するための『積載手段』としての中板20が設けられる。前述の『規制手段』としての後端規制板3、幅規制板1、2は、中板20の上でシートの位置を規制する。
図4に示されるように、装置本体200及びカセット100にはシート位置調整装置700が設けられる。このシート位置調整装置700には『駆動手段』としての駆動機構300が設けられる。この駆動機構300には、前述してきたギア列が相当する。このギア列により、カセット100(中板20を含む)が装置本体200に挿入される動作に連動して、後端規制板3、幅規制板1、2をシートに接近する方向へと駆動可能となっている。また、そのギア列により、駆動機構300は、カセット100(中板20を含む)が装置本体200から引出される動作に連動して、後端規制板3、幅規制板1、2をシートから離間する方向へも駆動可能となっている。
駆動機構300は、後端規制板3、幅規制板1、2の各々に設けられるラックギア9と、ラックギア9に噛合って連動するピニオンギア14aと、を有する。カセット100(中板20を含む)が装置本体200に挿入される。そうすると、ピニオンギア14aがラックギア9に沿って移動しつつ回転し、ピニオンギア14aの駆動力が伝達されて後端規制板3、幅規制板1、2がシートに接近する方向へと駆動する。
駆動機構300は、中板20が装置本体200に挿入又は引出される動作で得られる駆動力を分岐し、後端規制面部3Jの移動、及び、幅規制面部1J、2Jの移動を、共にする。
図4は、カセット100が装置本体200の内部に納められた状態を底部より示す斜視図である。なお、前述の図1〜図3は、カセット100を装置本体200より引き出され、ユーザが用紙を補給可能な状態を示す図に相当する。
ユーザがシートを補給するためにカセット100を図4の状態から図3の状態に引き出す。このときに、揺動バネ16の作用により付勢された揺動ギア8は、装置本体200に固定されるラックギア9に噛合いながら移動する。揺動ギア8が回転すると、ベースギア7が回転して駆動力が分岐され、ベースギア7の大円部が段ギア6を回転させ、ベースギア7の小円部がアイドラギア10を回転させる。段ギア6が回転すると、差動ギア5が回転し、アイドラギア4bが回転する。
アイドラギア4bと同軸上に一体化されたピニオンギア4aが図1(b)中で時計方向に回転する。そうすると、これと噛合う幅規制板1のラックギア部1bと幅規制板2のラックギア部2bとが互いに離間する方向に移動する。そのために、幅規制板1、2は、カセット100内をそれぞれの壁面に向けて最大幅まで広がる方向に移動する。そして、幅規制板1、2は、カセット100内に設けられた各々に対応するストッパ(図示せず)に当接して停止する。この後も、揺動ギア8からの回転力が伝達され続ける場合は、差動ギア5に一定以上のトルクが発生し、差動ギア5が空回転することで駆動の伝達を遮断する。
一方、図3に示されるように、ベースギア7が回転すると、その回転力が分岐されてアイドラギア10、差動ギア11、アイドラギア12、アイドラギア13へと伝達され、扇ギア14が回転支点14cを中心に揺動する。扇ギア14に一体化されたレバー部14bは、カセット100に設けられた溝100b上を移動可能に取り付けられた後端規制板3をカセット100の壁面側に移動させ、溝100bの端部に当接して停止する。この後も揺動ギア8からの回転力が伝達され続ける場合は、差動ギア11に一定以上のトルクが発生し、差動ギア11が空回転することで駆動の伝達を遮断する。
駆動機構300は、中板20が装置本体200から引出されたときに、後端規制面部3J及び幅規制面部1J、2Jを最大シートサイズ以上に退避させる。幅規制板1、2、後端規制板3のそれぞれが最大状態まで広がった位置で停止する。こうしたことから、ユーザが中板20を装置本体200から引出す場合に、ユーザが規制板の位置を広げなくても規制板が最大サイズシートよりも広い位置まで移動する。その結果、ユーザは、シートを容易に補給することができる。
ここで、図5に示されるように、ユーザは自分の使用したいシートPをカセット100内に投入する。ユーザが図5の状態からカセット100を装置本体200内に押し込む動作をすると、カセット100の装置本体200からの引き出し操作と逆の回転方向に揺動ギア8が回転することで一連の駆動列に逆方向の回転力が伝達される。この結果、幅規制板1、2、後端規制板3のそれぞれがカセット100の引き出し時とは逆にカセット100内を狭まる方向に移動を始める。
図3において前述のように駆動列の構成はベースギア7より分岐される構成であるが、この2系統の駆動列の減速比の違いから、どの用紙サイズにおいても、以下のように動作するように駆動する。すなわち、図6に示すように、先にシートPを給送方向Mで位置決めし、後にシートPを挿抜方向Lで位置決めするように予め設定されている。言い換えれば、本実施例では、後端規制板3が先に用紙端部に当接しシートPをカセット100内を移動させカセット100内の給送口側の内壁100aに当接、整列させて停止する(図6)。
先に後端規制面部3Jが駆動して給送方向Mでシートの位置が設定され、後に幅規制面部1J、2Jが駆動して挿抜方向Lでシートの位置が設定される。これにより、給送方向Mでシートの規制が先に完了し、シートと、シートと給送方向Mで対向する壁や後端規制板3、幅規制板1、2との間に隙間が開いて、給送不良や印字精度が悪化する現象が抑制される。
カセット100が挿入されるときのみならず、引出されるときにも同様である。そのため、中板20が装置本体200から引出されるとき、又は、中板20が装置本体200に挿入されるときに、後端規制面部3Jの駆動を先にし、幅規制面部1J、2Jの駆動を後にする。
前述のシートPの給送方向Mでの規制状態より更にカセット100は装置本体200内に押し込まれるが、前述のように用紙端部は整列され後端規制板3およびカセット100内の給送口側の内壁100aに当接している。そのため、差動ギア11には規定以上のトルクが発生し空転を始めることでシートPの給送方向の位置決めおよび規制が完了する。
一方、幅規制板1、2は、後端規制板3と比較して緩やかに移動し、カセット100が図6の状態から更に装置本体200に押し込まれることで、互いの幅を狭める。やがて、シートPの置かれた位置により幅規制板1、2のどちらかにシートPの端部が当接し、中央部に引き寄せられながら移動する。その後、幅規制板1、2の両方にシートPの端部が当接することでシートの幅方向(挿抜方向L)の位置決めの規制が完了する。この後も更にカセット100の装置本体200への押し込みが行われる場合は、前述のように差動ギア5に一定以上のトルクが発生し、差動ギア5内の設けられたトルクリミッタ5cが空回転することで駆動の伝達を遮断する。
以上の動作により図7に示すようにカセット100の装置本体200への装着が完了した時点ではシートPは規定の位置に整列され位置決めされる。幅規制板1、2、後端規制板3により自動的に用紙サイズに合わせた位置に位置決め及び規制されたシートPは駆動装置(図示ぜず)からの駆動力により駆動される給送ローラ201により1枚づつ給送される。
なお、実施例1では、『駆動手段』には、所定の軸トルクのみ伝達可能なトルクリミッタを含むギアが含まれる。すなわち、差動ギア5および差動ギア11に一定以上のトルクが加えられた場合に空転して駆動伝達を遮断する目的でトルクリミッタを用いている。このように、トルクリミッタがあるために、所定圧以上の負荷が加わることなくシートは固定される。その結果、中板20は、シートのサイズに依らずにシートを所定の位置まで移動させ、どのサイズのシートでも一定の負荷で位置規制することができる。
また、トルクリミッタの構成に限定されなくても良い。『駆動手段』には、所定の回転トルクのみ伝達可能なオイルダンパーを含むギアが含まれても良い。すなわち、トルクリミッタに変わり、たとえば内部にオイル等の粘性の高い流体を封止したオイルダンパー等を用いても同様の効果が確認されている。
また、実施例1ではシートの給送方向Mとカセット100の挿抜方向Lが直交する関係にあるが、これに限定するものではない。すなわち、シートの給送方向とカセット100の挿抜方向が同一方向の関係に構成しても良い。この場合には、装置本体に給送カセットの挿抜方向にラックギアを設置し、用紙の長辺側および短辺側のそれぞれの規制部材にトルクリミッタ等を介して駆動伝達を行うことも可能である。こうすることで実施例1と同様の効果のある画像形成装置の提供が可能である。
図8及び図9は、実施例2のカセット100の斜視図である。図8と図9は互いに異なる方向からカセット100を見た図に相当する。図10及び図11は、実施例2のカセット100の裏面図である。実施例1と同様の構成に関しては、実施例1の説明が援用されるものとし、ここでは説明を適宜省略する。なお、実施例2の特徴は、特にレバー部材17にある。
すなわち、実施例2では、駆動機構300の駆動力の伝達を解除する『解除手段』としてのレバー部材17を備える。駆動機構300は、中板20の上に所定重量以上の力が作用するときに駆動力を伝達し、レバー部材17は、中板20の上に所定重量未満の力が作用するときに駆動機構300の駆動力の伝達を解除する。
レバー部材17は、先端に先端部17a(図8参照)、基端にレバー部17c(図9参照)、先端部17aとレバー部17cとの間に支点17b(図8参照)、を有する。『検知部』としての先端部17aは、中板20のシートの積載量を検知する。『連結解除手段』としてのレバー部17cは、先端部17aの動作と共に動作してギアの連結を解除する。レバー部材17は、カセット100に支点17bを中心に揺動可能に保持され、積載された用紙(図示せず)の積載量を先端部17aで検知する。この先端部17aは、支点17bに設けられるバネ19(図8)によって上方に付勢されている。
図10に示される揺動板15は、揺動ギア8を保持して揺動させるための板である。揺動板15には、レバー部材17の一部であるレバー部17cが係合しつつ移動可能な長穴形状のガイド溝15a(図10、図11)が形成される。中板20は、用紙(図示せず)を積載するための板であり、これにレバー部材17の先端の先端部17aを突出可能とする穴部20a(図8)を有する。そして、レバー部材17の先端部17aは、中板20の穴部20aを通して、中板20の面から突出状態になっている。図9に示すように、レバー部材17のレバー部17cは揺動板15のガイド溝15aに係合している。
このように、中板20上に積載されているシートの重量が所定重量未満の場合には、先端部17aが浮き上がっており(図9参照)、レバー部17cが揺動板15に刺さり込む力が強い(図10参照)。この場合には、レバー部17cの力がガイド溝15aにあまりかからない。したがって、図10に示すように、カセット100の底部の揺動板15は、揺動バネ16の付勢力に勝り回転軸7aを中心に反時計回りに回転する。
揺動板15が回転すると、揺動板15に取付けられた揺動ギア8はラックギア9との噛合い状態から離間状態へと移行し、駆動伝達が解除される。このため、この状態においてはカセット100の装置本体200からの挿抜によって幅規制板1、2と後端規制板3の移動は無く、位置を保ったままとなる。
一方、中板20上に積載されているシートの重量が所定重量以上(図示せず)の場合、バネ19の付勢力に勝り中板20に設けられた穴部20aより突出したレバー部材17を押し込むことでレバー部材17は支点17bを中心に回転する。
このように、中板20上にシートが多い場合には、先端部17aが沈んでおり(図9参照)、レバー部17cが揺動板15に刺さり込む力が弱い(図11参照)。この場合には、レバー部17cの力がガイド溝15aに大きくかかる(この力は図11中で右斜め下方向にかかる)。したがって、図11に示すように、レバー部材17のレバー部17cが揺動板15のガイド溝15a内を移動すると、揺動板15はベースギア7の回転軸7aを中心に時計回りに回転可能となる。その結果、揺動バネ16の作用により揺動ギア8はラックギア9との噛み合い、駆動伝達が可能となる。このとき、カセット100の装置本体200からの挿抜に連動して幅規制板1、2と後端規制板3が移動可能な状態となる。
実施例1と同様に、カセット100内に積重ねられた用紙を投入した場合にカセット100の装置本体200への押し込みによって幅規制板1、2と後端規制板3の移動し位置決めおよび規制を行う。このとき、差動ギア5および差動ギア11内のトルクリミッタには、少なくともカセット100の仕様における最大積載枚数を積み重ねた用紙が移動可能であるトルクにあらかじめ設定がされている。一方、この様なトルクをたとえば数枚の用紙に加えた場合、この力は用紙のこしに勝り用紙の座屈が発生する。
このため、差動ギア5および差動ギア11内のトルクリミッタにより伝達される最大トルクによっても用紙の座屈が発生しない用紙の積載量をあらかじめ設定する。バネ19の設定圧を前述の積載量以上の用紙が積載された場合のみに揺動ギア8がラックギア9との噛み合う値に設定している。
このことから、座屈が発生する用紙積載量の場合はカセット100の装置本体200からの挿抜によって幅規制板1、2と後端規制板3の移動は無い。反対に、座屈の発生が無い通常の積載量においては前記実施例1において記載する構成と同様にカセット100の装置本体200からの挿抜によって幅規制板1および2と後端規制板3が移動する。そして、用紙サイズによらず用紙を規定の位置に移動し位置を規制する事を可能な構成にしている。
図12は、実施例3に係るカセット100の斜視図である。図13及び図14は、実施例3に係るカセット100の一部拡大裏面図である。前述した実施例1〜2と同様の構成に関しては、実施例1〜2の説明が援用されるものとし、ここでは説明を適宜省略する。なお、実施例3の特徴は、規制板の自動的な移動をさせたくない場合に、ギアの連結を解除可能な切替レバー21にある。
すなわち、実施例3では、駆動機構300の駆動力の伝達を解除する『解除手段』としての切替レバー21を備える。切替レバー21は、ユーザによって操作されて駆動伝達の連結を解除するための部材である。
切替レバー21は、ユーザがカセット100の2か所の位置を選択的に移動可能となるようにカセット100に設置される。切替レバー21のフック部21bと揺動板15に設けられた連結部15bとは係合している。切替レバー21にはラッチ部21cが設けられ、カセット100に設けられた溝100bと溝100c間を選択的に移動可能な構成である。
実施例1と同様に、カセット100内に積重ねられた用紙を投入した場合にカセット100の装置本体200への押し込みによって幅規制板1、2と後端規制板3の移動し位置決めおよび規制を行う。このとき、差動ギア5および差動ギア11内のトルクリミッタには、少なくともカセット100の仕様における最大積載枚数を積み重ねた用紙が移動可能であるトルクに予め設定されている。一方、この様なトルクをたとえば数枚の用紙に加えた場合、この力は用紙のこしに勝り用紙の座屈が発生する。
このため、差動ギア5および差動ギア11内のトルクリミッタにより伝達される最大トルクによって用紙に座屈が発生する積載量の用紙を給送する場合には、以下のようにする。すなわち、ユーザはカセット100に設定された切替レバー21を図14の矢印B方向にスライドさせてラッチ部21cをカセット100に設けられた溝100bに落とし込ませて固定する。
これにより揺動板15はベースギア7の回転軸7aを中心に回転し図14に示すように揺動ギア8とラックギア9が離間した状態で固定される。このため、装置本体200とカセット100の間での駆動伝達が遮断され、カセット100の装置本体200からの挿抜によって幅規制板1、2と後端規制板3の移動は無く、結果、用紙の座屈も発生しない。
一方、通常の積載量をカセット100内に投入する場合、ユーザは切替レバー21を図12及び図13に示す矢印A方向に移動させる。図13に示すようにラッチ部21cをカセット100に設けられた溝100cに落とし込ませて固定する。切替レバー21のフック部21bと揺動板15に設けられた連結部15bの連結は解放され、揺動ばね16の作用により揺動ギア8とラックギア9が噛み合い駆動が伝達される。
このことから、ユーザは使用する用紙の種類や積載量によりカセット100の挿抜に連動した用紙の自動設定機構の作動と従来と同様な手動による用紙の補給方法を選択的に設定可能にした。
図15及び図16は、実施例4に係るカセット100の斜視図である。図17は、実施例4に係るカセット100の一部拡大裏面図である。前述した実施例1〜2と同様の構成に関しては、実施例1〜2の説明が援用されるものとし、ここでは説明を適宜省略する。実施例4で特徴的なのは、中板20を装置本体200に挿入する挿入動作を補助して中板20を装置本体200に引き込む『引込手段』としての引込装置26が設けられることである。引込装置26が中板20を装置本体200に引き込む動作に連動して、後端規制板3、幅規制板1、2をシートPに接近する方向へと駆動する。
カセット100は、装置本体200に対してカセット100を画像形成する正規位置まで引き込む引込装置26を備える。引込装置26には、カセット100をくわえ込んで、回転支点24aを中心に回転しながらカセット100を引き寄せるアーム24が設けられる。
引込装置26は、ピン保持アーム22、アーム24、トグルバネ25を有する。ピン保持アーム22は、基端側がカセット100に取付けられ、先端側に係止ピン23を保持する。ピン保持アーム22の先端側にはアーム24が回動可能に取付けられる。ピン保持アーム22の係止ピン23は、アーム24に形成される係止溝27に係止している。このアーム24は側面視でコ字状に成形され、回転支点24a(ボス)が引込装置26の台座に回転可能に固定される。そして、アーム24のコ字状の間には、係止ピン23側で一端が固定され、アーム留具28側で他端が固定されるトグルバネ25が配置される。このトグルバネ25は、縮む方向に力を保持している。
トグルバネ25のこの縮む方向の引込力は、カセット100が装置本体200に挿入されるときに、図15の状態では、カセット100を装置本体200の内部へと引き込む力となる。そして、トグルバネ25の延びる方向が給送方向Mに沿う方向となると、一旦は、トグルバネ25の延びる力は緩まる。ただ、更に、カセット100が装置本体200に挿入されると、図16の状態となり、このときには、トグルバネ25の縮む方向の引込力は、カセット100を装置本体200の内部に引き込む力となる。
実施例1〜3と同様に、ユーザは、装置本体200からカセット100を引出し、通紙したいシートをカセット100に投入し、カセット100を装置本体200に挿入する。このときに、ラックギア9と揺動ギア8との噛合いによって駆動力が伝達され、幅規制板1、2と後端規制板3に伝達された駆動力は、シートPを、図15の正規の位置まで移動させて整列させながら規制する。
この位置から更にカセット100を装置本体200に押し込むことで、シートPの補給が完了する。ただし、シートPがカセット100の内部で正規の位置に移動してセットされた後は、差動ギア5及び差動ギア11のオイルダンパーの空回転により駆動力の伝達は遮断される。もし、この状態から更にカセット100を装置本体200に押し込むためには、図17の差動ギア5及び差動ギア11の内部のオイルダンパーに設定値以上のトルクを付与する必要がある。このことから、ユーザにとっては、図15の位置を境に、カセット100の押し込み負荷が増加することになる。
しかしながら、一方で、図15に示されるように、カセット100の係止ピン23が装置本体200の引込装置26の係止溝27と噛合い、トグルバネ25の作用によって、アーム24が回転支点24aを中心に回転する。このアーム24の回転により、カセット100が装置本体200に引き込まれていく。このため、前述の押し込み負荷の増加に対して、トグルバネ25の弾性力はその負荷の増加を打ち消す方向に力を加える。
同時に、駆動列内に設置された差動ギア5及び差動ギア11の内部のオイルダンパーによって、トグルバネ25が引き込む勢いを減衰させながら徐々に引き込む効果が得られる。
このため、カセット100を装置本体200へと押し込みときに、押し込み力の変動が抑制されつつ、カセット100を正規位置まで移動的に緩やかに引き込まれる構成が可能となる。
実施例4の構成によれば、引込装置26が中板20を装置本体200に引込むときの駆動力を利用して、後端規制板3、幅規制板1、2をシートに接近する方向に駆動することができる。また、カセット100を装置本体200に引き込む、引き込み装置と併設する。このことで、押し込み時の操作力を安定させると共に所定の位置まで確実にカセット100を装着することを可能にし、合わせて緩やかな引き込み動作を可能にすることで、より確実な精度で、安全かつ品位ある装着動作が可能となった。
図18は、実施例5に係る画像形成装置が有するカセット100を斜め上方から見た斜視図である。図19は、カセット100を斜め下方から見た斜視図である。図20は、カセット100を斜め上方から見た一部切欠き斜視図である。前述した実施例1〜4と同様の構成に関しては、実施例1〜4の説明が援用されるものとし、ここでは説明を適宜省略する。
実施例5で特徴的なのは、カセット100を装置本体200に挿入される前に後端規制板3の位置を設定する『位置設定手段』を備える点である。実施例5によれば、位置設定手段により、カセット100の挿抜動作に連動して移動する後端規制板3が停止する停止位置を設定することができる。また、カセット100を装置本体200に挿入される動作に従って後端規制板3、幅規制板1、2の移動範囲を設定する『範囲設定手段』を備える点である。実施例5によれば、範囲設定手段により、カセット100の挿抜動作に連動して移動する後端規制板3、幅規制板1、2の移動範囲を設定することができる。
ここで、シート位置調整装置700を説明する前にギア列についての説明を図19を参照しつつ補足する。差動ギア5は、内部に一定値以上のトルクが発生した場合に空転して駆動伝達を抑制するトルクリミッタ5cを有する。固定ギア80は、他の実施例とは異なりカセット100に設けられた軸上で回転可能に固定され、ベースギア7と噛み合う。ラックギア9は、装置本体200に固定され、固定ギア80と噛み合う。
差動ギア11は、アイドラギア10と係合し、内部に一定値以上のトルクが発生した場合に空転し駆動伝達を抑制するトルクリミッタ11cを有する。扇ギア14は、アイドラギア13と噛み合うピニオンギア14aを有し、アイドラギア13からの駆動により回転支点14cを中心に回転し、レバー部14bを揺動させることで後端規制板3を移動させる。
シート位置調整装置700は、カセット100が装置本体200に挿入される前に後端規制板3の位置をシートPのサイズに対応して設定する『位置設定手段』としての移動ロック51(図20参照)、サイズ設定板30(図19参照)、底板100k(図18参照)、サイズ設定溝100e(図18参照)を備える。
図19に示される『連結部材』としてのサイズ設定板30は、幅規制板2と後端規制板3とを連結させる板である。図19中では、サイズ設定板30が幅規制板2の軸2aと後端規制板3の軸3aとを連結している。
図20に示される移動ロック51は、ロックノブ31、ロックバネ32、ロック支点30cを有する。『係合部』としてのロックノブ31は、サイズ設定板30に設けられ、サイズ設定板30の位置をシートPの給送方向Mに移動させることで後端規制板3の位置をシートPの給送方向Mに移動させる。図18に示されるロックノブ31は、サイズ設定板30の位置をカセット100に対し固定する。図20に示されるロックバネ32は、ロックノブ31をカセット100に設けられたサイズ設定溝100eに向けて付勢する。ロックノブ31はロック支点30cを中心に回動自在に構成される。
底板100kは、図19に示されるように、カセット100の底面を形成し、これに対して、前述のサイズ設定板30や、複数のギア等が取付けられる。なお、図18に示されるように、中板20は、シートPを積載する板であり、カセット100の底板100k上で支点20kを中心に揺動可能に構成される。
図18に示されるように、『被係合部』としてのサイズ設定溝100eは、カセット100に設けられ、ロックノブ31に係合されるように構成される。
また、シート位置調整装置700は、カセット100が装置本体200に挿入される動作に従って『駆動手段』としての駆動機構300(図19参照)が後端規制板3、幅規制板2の位置をシートPに接近する方向へと移動させるときの移動範囲を設定する『範囲設定手段』としての切欠部30a、切欠部30bを備える。ここでは、切欠部30aが幅規制板2の移動範囲を設定し、切欠部30bが後端規制板3の移動範囲を設定するようになっている。
『第1孔』としての切欠部20Jは、幅規制板2に形成される『第1突起部』としての軸2aを受け入れ、底板100kに形成されて挿抜方向Lに延びる。図19中では、切欠部10Jは、サイズ設定板30の切欠部30aから見えている。軸2aは、切欠部30aの一端部から他端部まで移動可能になっている。
『第2孔』としての切欠部30aは、軸2aを受け入れ、幅規制板2と後端規制板3とを連結させるサイズ設定板30に形成されており、挿抜方向Lの幅が給送方向Mで異なるように形成される。この幅規制板用の切欠部30aの挿抜方向Lの幅が給送方向Mで異なることで、切欠部30aが給送方向Mに移動するに従って切欠部20Jから突出する軸2aの移動範囲が異なってくる。その結果、幅規制板2の可動範囲が規制される。
『第3孔』としての切欠部30bは、後端規制板3に形成される『第2突起部』としての軸3aを受け入れ、サイズ設定板30に形成されて給送方向Mに延びる。後端規制板用の切欠部30bは、後端規制板3の可動範囲を規制する。
ユーザは、図20に示すロックバネ32を圧縮しながらロック支点30cを中心にロックノブ31を回転させる。これにより、ロックノブ31は、カセット100に設けられたサイズ設定溝100e(図18参照)より離間し、給送方向Mと平行な方向に移動できる。ロックノブ31が移動されると、補給するシートPのサイズに合わせて所定に位置までサイズ設定板30が移動され、ユーザがロックノブ31を離すと、ロックノブ31が元の姿勢に戻りつつサイズ設定溝100eに係合してカセット100上で固定される。
この時、図19に示すように、サイズ設定板30の移動に伴い、サイズ設定板30に設けられた後端規制板用の切欠部30bに収まる後端規制板3の底部の軸3aに力が伝達される。このため、この作用により後端規制板3もカセット100上に設けられた溝100b上を同時に移動する。
また、軸3aは扇ギア14に一体化されたレバー部14bにも作用し、扇ギア14が回転支点14cを中心に回転する。この駆動力はアイドラギア13からアイドラギア12に伝わり差動ギア11に伝達されるが、その先に連結されているアイドラギア10、 ベースギア7、 固定ギア80は装置本体200に固定されたラックギア9と連結している。そのため、差動ギア11の内部に設けられたトルクリミッタ11cの作用により駆動力は遮断される。
この時、図18に示すようにシートPの大きさより広く広げられた幅規制板1および幅規制板2と後端規制板3との間にシートPを投入する。この状態で、カセット100を装置本体200に押し込む動作を行うと、図19に示されるように、装置本体200に固定されたラックギア9に連結する固定ギア80は回転しながらラックギア9の歯面上を移動する。固定ギア80の回転はベースギア7に伝わり、更に段ギア6とアイドラギア10に分岐される。段ギア6の回転は差動ギア5に伝達され、アイドラギア4bと伝わる。
図20において、アイドラギア4bと同軸上に一体化されたピニオンギア4aが反時計方向に回転することで幅規制板1および幅規制板2に設けられたラックギア部1b、2bに駆動力が伝達され幅規制板1および幅規制板2は互いに近づく方向に移動する。図19において幅規制板2の底部に設けられた軸2aは、カセット100の裏面で、底板100kと、中板20のサイズ設定板30に設けられた幅規制板用の切欠部30aと、から外方に向けて突出している。
図19のように、幅規制板2の軸2aが幅規制板用の切欠部30a、切欠部20Jに挿入された状態のままサイズ設定板30が給送方向Mと平行な方向に移動する。これと同時に、後端規制板3の軸3aが後端規制板用の切欠部30bに挿入された状態のまま後端規制板3が給送方向Mと平行な方向に移動する。
図22は、小さいサイズのシートPをセットしたときのカセット100を上方から見た斜視図である。シートPのサイズが小さい場合には、ユーザは、ロックノブ31を給送方向Mの第1方向M1に移動させてサイズ設定板30を第1方向M1に移動させて、後端規制板3を第1方向M1に移動させることができる。
この動作と共に、図18の後端規制板3の図19の軸3aが第1方向M1に移動して、扇ギア14から差動ギア11までを矢印方向に回転させる。そして、クラッチ11cによりその先の動力伝達は遮断される。
図23は、大きいサイズのシートPをセットしたときのカセット100を上方から見た斜視図である。シートPのサイズが大きい場合には、ユーザは、ロックノブ31を給送方向Mの第2方向M2に移動させてサイズ設定板30を第2方向M2に移動させて、後端規制板3を第2方向M2に移動させることができる。
この動作と共に、図18の後端規制板3の図19の軸3aが第2方向M2に移動して、扇ギア14から差動ギア11までを矢印方向に回転させる。そして、クラッチ11cによりその先の動力伝達は遮断される。
なお、例えば、図20中で、ロックノブ31が給送方向Mの第1方向M1に移動することで、サイズ設定板30が第1方向M1に移動して切欠部30aの傾斜部が幅規制板2の軸2aに当接して幅規制板2が図中の右下方向に移動することはあり得る。
前述の図22又は図23の状態から、ユーザがカセット100を装置本体200に挿入していく。そうすると、図19に示されるように、ラックギア9が固定ギア80に対して矢印方向に入って来ることになるので、図20に示されるように、ピニオンギア4aが矢印方向に回転して幅規制板1、2が互いに接近する方向に移動する。同時に、図20に示されるように、扇ギア14が矢印方向に回転して後端規制板3が第1方向M1に移動する。
図19の状態から図21の状態となるカセット100の装置本体200への押し込み動作により、固定ギア80は回転しながらラックギア9の歯面上を移動する。固定ギア80の回転は、ベースギア7に伝わり、更に段ギア6、差動ギア5、アイドラギア4bへと伝達されるが、差動ギア5に一定以上のトルクが発生し差動ギア5が空回転するときにはアイドラギア4bへの伝達が遮断される。
これと同時に、固定ギア80の回転は、ベースギア7に伝わってからアイドラギア10にも伝達され、差動ギア11、アイドラギア12、アイドラギア13へと伝達され、扇ギア14に伝わる。扇ギア14が回転支点14cを中心に回転し、扇ギア14に一体化されたレバー部14bがカセット100に設けられた溝100b上を移動可能に取り付けられた後端規制板3を第1方向M1に移動させる。なお、前述のように、後端規制板3の軸3aは、扇ギア14に一体化されたレバー部14bの孔14b1と、サイズ設定板30の後端規制板用の切欠部30bと、の両方に挿入された状態で突出している。
このため、図21に示すように後端規制板3に設けられた軸3aは、サイズ設定板30に設けられた後端規制板用の切欠部30bを第1方向M1に移動して切欠部30bの端部に当接して停止する。
この後もカセット100の装置本体200への押し込み動作により、アイドラギア10は回転するが後端規制板3が固定されていることから、差動ギア11内に設けられたトルクリミッタ11cの作用により空回転することで駆動の伝達を遮断する。
この一連の動作により、図22に示されるように、幅規制板1、幅規制板2及び後端規制板3は、シートPを移動させながら整列させて所定の位置に停止し、装置本体200が給送可能な状態とさせる。
また、以上の動作は、他のシートPのサイズにおいても同様である。図23、図24に一例を示すようにシートPのサイズによりサイズ設定板30を移動させることで後端規制板3の固定位置と移動範囲を設定可能としている。同時にその位置における幅規制板用の切欠部30aの形状により幅規制板1および幅規制板2の固定位置と移動範囲の設定を可能としている。
なお、ここでは、『位置設定手段』は、後端規制板3の位置を設定する構成としたが、この構成に限定されないで、幅規制板1、2の位置を設定する構成としても良い。また、後端規制板3と幅規制板1、2の両方の位置を設定する構成としても良い。
実施例1〜5の構成で、ユーザが中板20にシートを積載して装置本体200にセットする場合、ユーザが後端規制板3、幅規制板1、2の位置を予め設定しなくても異なる種類のサイズのシートに対応して後端規制板3、幅規制板1、2がシートの位置決めできる。
また、従来では、ユーザが中板20にシートをセットする場合に、装置本体200から中板20を引出した後に、「シートサイズを確認する/シートサイズに合わせて給送方向Mの後端規制板3を位置決めする/シートサイズに合わせて挿抜方向Lの幅規制板1、2を位置決めする/後端規制板3、幅規制板1、2の間にシートを入れ込む」といった一連の動作が必要であった。本発明によれば、こうした工程が「中板20にシートを積載して装置本体200に挿入する」のみとなり、ユーザにとって大幅に工数が減ると共に操作性が向上する。さらに、ユーザによる後端規制板3、幅規制板1、2の設定ミスやシート自体のセットミス等が抑制され、給送不良や印字精度のバラツキ等の不良が抑制される。
なお、実施例1〜5の構成では、後端規制板3(給送方向規制板)がカセット100の挿抜方向L(挿入方向)と直交する方向かつシートPに接近する方向へと駆動される構成であったが、上記構成に限定されなくても良い。例えば、後端規制板3が移動する方向が挿抜方向Lに設定され、幅規制板1、2が移動する方向が給送方向Mに設定される構成も想定される。この場合は、幅規制板1、2(直交方向規制板)がカセット100の挿抜方向L(挿入方向)と直交する方向かつシートPに接近する方向へと駆動される構成が想定され、このような構成であっても良い。