JP6301794B2 - オートマトン変形装置、オートマトン変形方法およびプログラム - Google Patents
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Description
第1の実施形態にかかるオートマトン変形装置は、WFSAの変形処理前に、変形処理によって取り除かれる不要な経路が増えるように重みを変換する。これにより、従来よりも遷移の数が少ないWFSAを得ることができる。
変換部101は、浮動小数点数に対して小数点以下の切り捨て、切り上げ、および、四捨五入などを行うことで、浮動小数点形式の数を整数形式の数に変換する。重みが割り当てられている遷移のうち、小数点以下の数が異なっている重みが割り当てられている遷移が2つ以上あれば、この変換によってVの要素が減る。仮にV={1,1.2,2.1}である場合は、小数点以下を切り捨てると、変換後の重みの集合V’は{1,2}となり、要素の数が減ることがわかる。さらに、1と1.2は1に変換され、2.1は2に変換されており、重みの順序も維持されていることがわかる。
変換部101は、浮動小数点数(浮動小数点形式の数)を固定小数点数(固定小数点形式の数)へと変換する。固定小数点数では小数点以下の桁数が限られているため、保持できる桁数未満の値は整数化の場合と同様に切り捨て、切り上げ、および、四捨五入などを行う。
変換部101は、1つの重みを保持するために用いる記憶域のビット数を減らす。すなわち変換部101は、変換後の重みを表現するビット数を、変換前の重みを表現するビット数より小さくするように、重みを変換する。記憶域のビット数を減らす方法の例を以下に挙げる。
変換部101は、重みを定数倍し、その後、変換前の重みの表現形式と異なる表現形式である整数や固定小数点数に変換する。定数をαとするとき、αは0以外の実数であればよい。αが0より大きく1未満であれば、値が零に近づくため、整数や固定小数点に変換したときに、α倍をしない場合に比べてVの要素の数が少なくなる。一方、αが1より大きければ、整数や固定小数点に変換したときに、α倍をしない場合に比べてVの要素の数が多くなる。αを負の値としても効果は同じである。この方法を用いると、αによって、ステップS101の変換処理後の重みの精度と、Vの要素の数を制御することができる。α倍することで重みがとりうる値の範囲が変わるため、ステップS102の変形処理の後に、重みを1/α倍することで、重みをステップS101の値の範囲に戻すように構成することもできる。別の異なるモデルから生成されたWFSAと組み合わせて使用する場合に、重みをβ倍して使用するのであれば、β/α倍するように構成することもできる。
変換部101は、変換処理4でステップS102の後に重みを1/α倍する代わりに、ステップS101の時点で重みを1/α倍する方法である。
具体例1−1は、ステップS101の変換処理が、浮動小数点数から小数点以下を切り捨てることで整数化する重みの変換処理(上記の(変換処理1))であり、ステップS102の処理が決定化処理であり、さらに、決定化処理における重みの計算にトロピカル半環を用いた例である。
具体例1−2は、具体例1−1の重みの計算を、対数半環を用いる計算に変えた例である。この場合、1(+)2.1≒0.7127、1.1(+)2.3≒0.8367等となる。従って、ステップS101のような変換処理を行わずに決定化した結果は、図4の重みを次のように変えたものとなる。
・状態1から状態2への遷移の重み:0.7127
・状態1から状態3への遷移の重み:0.8367
・状態2から状態4への遷移のうち入力記号がCの遷移の重み
:0.2873
・状態2から状態4への遷移のうち入力記号がDの遷移の重み
:2.3873
・状態3から状態4への遷移のうち入力記号がCの遷移の重み
:0.2633
・状態3から状態4への遷移のうち入力記号がDの遷移の重み
:2.4633
・状態1から状態2への2つの遷移の重み:(いずれも)0.6867
・状態2から状態3への遷移のうち入力記号がCの遷移の重み
:0.3133
・状態2から状態3への遷移のうち入力記号がDの遷移の重み
:2.3133
x(+)y=FLOOR(−logb(b−x+b−y))・・・(1)
具体例1−3は、ステップS101で上記の変換処理5を用いるように構成する例である。より具体的には、ステップS101の変換処理で整数値をいくつかまとめることで、Vの要素の数を減らす例である。ステップS102の変形処理は、pushing処理を行った後、オートマトンの最小化処理を行う処理とする。さらに、pushing処理における重みの計算にトロピカル半環を用いるものとする。この例ではステップS101の重みの変換処理で、α=2、すなわち、重みの変換をFLOOR(x/2)×2で計算する方法を用いる。ここで、xは重みである。
具体例1−4は、ステップS102の処理内容を増やした例である。この例では、単語のつながりを表す言語モデルを表すWFST(以下Gとする)と、単語の音素の並びを表すWFST(以下Lとする)を用いる。
WFSAとして取り扱いたいモデルがWFSAの形式で表現されていないことがある。このような場合は、そのモデルをWFSAへと変換する必要がある。このとき、WFSAへ変換した後に第1の実施形態で述べた重みの変換を行うこともできるが、変換後にWFSAの重みとなる値をモデルの段階で変換しておく方法も考えられる。第2の実施形態にかかるオートマトン変形装置は、このようにモデルの段階で重みを変換する。
具体例2−1では、モデルがNグラム言語モデルである場合について説明する。説明を簡単にするため、Nグラム言語モデルはバイグラムであるとする。なお、NグラムのNが2以外の場合でも同様に行うことができる。また、単語w1の後に続く単語w2の出現確率をP(w2|w1)とするとき、ステップS202の処理によってWFSAの重みに割り当てられる値は、−log(P(w2|w1))であるとする。
具体例2−2では、モデルが隠れマルコフモデル(Hidden Markov Model、HMM)である場合について説明する。HMMをWFSAへ変換する場合、HMMの遷移確率をWFSAの重みに割り当てることができる。従って、ステップS201で行われる値の変換は、HMMの遷移確率に対して行われる。Nグラム言語モデルの場合と同じく、対数をとった値に対してステップS201の変換処理を実施し、変換処理で得られた値を重みに割り当てるようにしてもよい。
具体例2−3では、モデルが単語の発音モデルである場合について説明する。例えば、「water」の発音は、辞書によると3種類存在する。従って各発音に対して、それぞれの発音のされやすさに応じた値を割り当てることができる。この値を、WFSAの重みに割り当てるように、ステップS202で変換が行われる。この場合、ステップS201の変換は、発音のされやすさに応じた値に対して行われる。
具体例2−4では、モデルが発音の変形を表すモデル(発音変形モデル)である場合について説明する。例えば、具体例2−3では「water」の発音が3つ存在すると記載したが、これらのうちの1つの発音を別の発音へと変形するためのモデルを考えることができる。このモデルは、変形のされやすさを表す値を含むことができる。この値をWFSAの重みに割り当てるように、ステップS202で変換が行われる。この場合、ステップS201の変換は、変形のされやすさを表す値に対して行われる。
OCRや手書き文字認識では、文字を構成する各部分を認識し、それらを組み合わせることで得られる文字のうち、最も尤もらしい文字を選ぶことがある。それらの組み合わせの尤もらしさを表すモデルを文字モデルと呼ぶこととする。具体例2−5では、文字モデルがWFSAとして取り扱いたいモデルである場合について説明する。文字を構成する各部分の組み合わせの尤もらしさは数値で表される。この値をWFSAの重みに割り当てるように、ステップS202で変換が行われる。この場合、ステップS201で行われる値の変換は、尤もらしさを表す数値に対して行われる。
第3の実施形態にかかるオートマトン変形装置は、第1の実施形態のオートマトン変形処理(例えば図2のステップS101、S102)の後に、再度重みの形式を変換し、さらにWFSAの重みの値を変更する処理を加える。重みの値を変更することで、ステップS101の処理によって重みが同じとなった複数の経路を、重みが異なる経路にすることができる。
(P1−1)入力記号列がAC、重みが1
(P1−2)入力記号列がBC、重みが1.1
(P1−3)入力記号列がAD、重みが3.1
(P1−4)入力記号列がBD、重みが3.3
(P2−1)入力記号列がAC、重みが1
(P2−2)入力記号列がBC、重みが1
(P2−3)入力記号列がAD、重みが3
(P2−4)入力記号列がBD、重みが3
具体例3−1は、ランダムな変動を重みに与える方法である。変換部301は、WFSAに含まれる各遷移eについて、各遷移の重みw(e)をw(e)+random(δ)で置き換える。ここで、δは微小な値であり、上記の許容値に相当する。例えばδは、遷移に割り当てられている重みに比べて十分に零に近い値であるとする。random(δ)は遷移ごとに生成される値であり、[−δ,+δ]の範囲のランダムな値が生成される関数であるとする。
具体例3−2は、WFSAの遷移の入力記号に基づいて重みに変動を与える方法である。入力記号は数字に対応付けることができる。そこで変換部301は、その数字の大きい順や小さい順に変動値を決め、その値を、その入力記号があった重みに加える。例えば、入力記号がaからzまでの英字の小文字で表されている場合、変換部301は、a=13δ、b=12δ、c=11δ、・・・、m=δ、n=−δ、o=−2δ、・・・、x=−11δ、y=−12δ、z=−13δのように変動値を決定する。なお例えば「a=13δ」は、入力記号「a」に対する変動値を「13δ」に決定することを意味する。
具体例3−3は、WFSAに変換される前のモデルに基づいた方法である。ここではNグラム言語モデルを用いた例で説明するが、第2の実施形態で例示したモデルや、それ以外のモデルでも同様に処理することができる。Nグラムがバイグラムである場合を考える。単語w1の後に単語w2が出現する確率をP(w2|w1)とするとき、変換部301は、単語w2が入力記号として割り当てられている遷移eの重みに、−δlog(P(w2|w1))を加える。w1は遷移eに到達する経路の入力記号列の最後の単語である。w1となる単語が複数ある場合は、それらの出現確率の平均値をP(w2|w1)として、変動値を計算することができる。ユニグラムP(w2)をP(w2|w1)の代わりに用いるようにしてもよい。NグラムのNが3以上の場合も、遷移eに到達する経路の入力記号列の最後からN−1個の単語を使用すれば、バイグラムの場合と同様に処理することができる。
決定方法1:WFSAの遷移の重みのうち、0以外で最も0に近い値よりも小さい値とする方法。
決定方法2:WFSAの遷移の重みに関して互いに差分値を求め、差分値のうち0以外で最も0に近い値をδとする方法。
決定方法3:ステップS301を実施する前の重みと後の重みの差分値を各遷移に対して計算し、差分値のうち0以外で最も0に近い値をδとする方法。δの値が正の値になるよう、絶対値をとってもよいし、さらに、予め定めた固定値を掛けてもよい。
決定方法4:決定方法1〜3などの方法で得られたδの値を遷移の数に基づく値で割り、その値をδとする方法。遷移の数に基づく値とは、例えば、遷移の総数である。遷移の数に基づく値を、初期状態から終了状態までの経路のうち、遷移の数が最も少ない経路の遷移の数とすることもできる。さらに、WFSAに循環経路がなければ、初期状態から終了状態までの経路のうち、遷移の数が最も多い経路の遷移の数を、遷移の数に基づく値とすることもできる。
以上で説明した方法は、WFSAを用いる様々な分野で利用することができる。
2 操作部
3 表示部
4 ROM
5 RAM
6 記憶部
7 バス
100、200、300 オートマトン変形装置
101、201、301 変換部
102 変形部
Claims (21)
- 重み付き有限状態オートマトンの遷移に割り当てられた重み、および、重み付き有限状態オートマトンの遷移に割り当てられる重みに変換される値のいずれかである第1値の集合の要素数が減るように、かつ、前記第1値の順序が維持されるように、前記第1値を変換した第2値を生成する変換部と、
前記第2値に応じた重みが遷移に割り当てられた重み付き有限状態オートマトンを変形する変形部と、
を備えるオートマトン変形装置。 - 前記第1値は、重み付き有限状態オートマトンの遷移に割り当てられた重みであり、
前記変形部は、前記第2値が重みとして遷移に割り当てられた重み付き有限状態オートマトンを変形する、
請求項1に記載のオートマトン変形装置。 - 前記第1値は、重み付き有限状態オートマトンへ変換されるモデルで設定される値、かつ、前記モデルを重み付き有限状態オートマトンに変換するときに重み付き有限状態オートマトンの遷移に重みとして割り当てられる値であり、
前記変換部は、さらに、前記第1値を変換した前記第2値が設定された前記モデルを、前記第2値に応じた第3値が遷移の重みとして割り当てられるように重み付き有限状態オートマトンに変換し、
前記変形部は、前記第3値が重みとして遷移に割り当てられた重み付き有限状態オートマトンを変形する、
請求項1に記載のオートマトン変形装置。 - 前記モデルは、言語モデル、発音モデル、発音変形モデル、文字モデル、および、隠れマルコフモデルのいずれかである、
請求項3に記載のオートマトン変形装置。 - 前記第2値の表現形式は、前記第1値の表現形式と異なる、
請求項1に記載のオートマトン変形装置。 - 前記第2値の表現形式は、前記変形部による変形処理に応じて定められる表現形式である、
請求項5に記載のオートマトン変形装置。 - 前記変形部は、変形後の重みの表現形式が、前記第2値の表現形式と同じ表現形式となるように、前記重み付き有限状態オートマトンを変形する、
請求項5に記載のオートマトン変形装置。 - 前記変形部は、CONV(−logb(b−x+b−y))を含む変形処理により、前記重み付き有限状態オートマトンを変形する、
請求項5に記載のオートマトン変形装置。
ここで、x、yは重み、bは1以外の正の実数、CONVは遷移の重みを所定の表現形式に変換する関数である。 - 前記第2値を表現するビット数は、前記第1値を表現するビット数より小さい、
請求項5に記載のオートマトン変形装置。 - 前記第1値の表現形式は浮動小数点形式であり、
前記第2値の表現形式は整数形式である、
請求項5に記載のオートマトン変形装置。 - 前記第1値の表現形式は浮動小数点形式であり、
前記第2値の表現形式は固定小数点形式である、
請求項5に記載のオートマトン変形装置。 - 前記変換部は、前記第1値を定数倍した後に、表現形式の異なる前記第2値に変換する、
請求項5に記載のオートマトン変形装置。 - 前記変換部は、さらに、前記変形部により変形された前記重み付き有限状態オートマトンの遷移に割り当てられた重みの表現形式を変換する、
請求項1に記載のオートマトン変形装置。 - 前記変換部は、さらに、表現形式を変換した重みのうち1つ以上の重みを、補正後の値との差分が許容値以内となるように補正する、
請求項13に記載のオートマトン変形装置。 - 前記変換部は、表現形式を変換した重みのうち1つ以上の重みを、補正後の値との差分が許容値以内となるようにランダムに選択された値に補正する、
請求項14に記載のオートマトン変形装置。 - 前記重み付き有限状態オートマトンは、単語の出現確率が設定される言語モデルに基づいて生成され、
前記変換部は、表現形式を変換した重みのうち1つ以上の重みを、対応する遷移に割り当てられた単語の出現確率に基づく値であって、補正後の値との差分が許容値以内となる値に補正する、
請求項14に記載のオートマトン変形装置。 - 前記変形部は、少なくとも1つの遷移に割り当てられた重みを変更する処理を含む変形処理により、前記第2値に応じた重みが遷移に割り当てられた重み付き有限状態オートマトンを変形する、
請求項1に記載のオートマトン変形装置。 - 前記変形部は、決定化処理、pushing処理、合成処理、および、ε除去処理のいずれか1つを含む変形処理により、前記第2値に応じた重みが遷移に割り当てられた重み付き有限状態オートマトンを変形する、
請求項1に記載のオートマトン変形装置。 - 前記変形部は、前記第2値に応じた重みが遷移に割り当てられた複数の重み付き有限状態オートマトンを前記合成処理によって合成した重み付き有限状態オートマトンに対して、決定化処理、pushing処理、および、最小化処理を順に行う、
請求項18に記載のオートマトン変形装置。 - 変換部が、重み付き有限状態オートマトンの遷移に割り当てられた重み、および、重み付き有限状態オートマトンの遷移に割り当てられる重みに変換される値のいずれかである第1値の集合の要素数が減るように、かつ、前記第1値の順序が維持されるように、前記第1値を変換した第2値を生成する変換ステップと、
変形部が、前記第2値に応じた重みが遷移に割り当てられた重み付き有限状態オートマトンを変形する変形ステップと、
を含むオートマトン変形方法。 - コンピュータを、
重み付き有限状態オートマトンの遷移に割り当てられた重み、および、重み付き有限状態オートマトンの遷移に割り当てられる重みに変換される値のいずれかである第1値の集合の要素数が減るように、かつ、前記第1値の順序が維持されるように、前記第1値を変換した第2値を生成する変換部と、
前記第2値に応じた重みが遷移に割り当てられた重み付き有限状態オートマトンを変形する変形部、
として機能させるためのプログラム。
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