以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下、図1の紙面手前側を正面とし、その他、各図に示す方向を基準に説明する。なお、以下の説明では、「搬送方向」との用語は、シートSの搬送方向を指し、「幅方向」との用語は、搬送方向に直交するシートSの幅方向を指す。また、「上流」および「下流」並びにこれらに類する用語は、搬送方向の「上流」および「下流」並びにこれらに類する概念を指す。
図1ないし図4を参照して、第1実施形態に係るインクジェット式画像形成装置としてのプリンター1の全体構成について説明する。図1はプリンター1の構造を示す断面図である。図2は昇降ユニット22を示す斜視図である。図3は第1搬送ユニット20および昇降ユニット22を示す断面図である。図4はヘッドユニット51を示す平面図である。
図1に示すように、プリンター1は、装置本体2と、給紙カセット3と、排紙トレイ4と、操作パネル5と、を備えている。装置本体2は、略矩形箱状に形成されている。給紙カセット3は、装置本体2の下部に着脱可能に設けられている。排紙トレイ4は、装置本体2の左側面上部に設けられている。操作パネル5は、装置本体2の上面に設けられている。
給紙カセット3の内部には、枚葉のシートS(の束)が収容される。なお、シートSは、紙製に限らず、樹脂フィルム等であってもよい。操作パネル5は、ユーザーや点検等を行う作業員によって操作される。操作パネル5は、プリンター1の画像形成動作(印刷動作)や点検動作等に関するユーザー等からの指示を受け付ける。
また、プリンター1は、給紙部10と、搬送装置11と、記録部12と、保守装置13と、制御装置14と、を装置本体2の内部に備えている。給紙部10は、給紙カセット3から延びる搬送路15の上流側に設けられている。搬送装置11および記録部12は、装置本体2の略中央部に設けられている。保守装置13は、搬送装置11の左側に設けられている。制御装置14は、予め記憶されたプログラム等に基づいてプリンター1の動作を統括制御する。
搬送路15は、供給路15aと、排出路15bと、を含んで構成されている。供給路15aは、給紙カセット3と搬送装置11との間で略U字状に形成されている。供給路15aの下流側には、シートSを一時的に塞き止めて先端位置を揃えるレジストローラー対16が設けられている。排出路15bは、搬送装置11と排紙トレイ4との間に形成されている。供給路15aおよび排出路15bには、シートSを挟持しつつ回転して搬送する複数の搬送ローラー対17,18が適所に配設されている。
接離装置としての搬送装置11は、第1搬送ユニット20と、第2搬送ユニット21と、昇降ユニット22と、を有している。第1搬送ユニット20は、装置本体2の略中央部に配設されている。第2搬送ユニット21は、第1搬送ユニット20の左側に配設されている。昇降ユニット22は、第1搬送ユニット20の下側に配設されている。
第1搬送ユニット20は、搬送フレーム23と、第1駆動ローラー24と、第1従動ローラー25と、複数のテンションローラー26と、第1搬送ベルト27と、吸気部28と、を有している。
搬送フレーム23は、装置本体2に昇降可能に支持されている。搬送フレーム23は、各ローラー24,25,26の前後方向(幅方向)両端部を回転可能に支持している。第1駆動ローラー24は、搬送フレーム23の左側に配置され、搬送モーター30に接続されている。第1従動ローラー25は、搬送フレーム23の右側に配置されている。各テンションローラー26は、搬送フレーム23の適所に配置されている。第1搬送ベルト27は、無端状に形成され、各ローラー24,25,26に巻き掛けられている。第1搬送ベルト27は、搬送モーター30を稼働させて第1駆動ローラー24を回転させることで、図1の矢印方向に走行する。第1搬送ベルト27には、複数の吸気孔(図示せず)が形成されている。第1搬送ベルト27の上面は、略水平な搬送面27aを構成している。
吸気部28は、第1搬送ベルト27に囲まれる位置に設けられている。吸気部28には、真空ポンプ等の吸引装置(図示せず)が接続されている。吸気部28の内部は、吸引装置の稼働によって負圧になる。このため、搬送面27a側の空気は、複数の吸気孔を介して吸気部28に向けて吸い込まれる。これにより、第1搬送ベルト27は、搬送面27aにシートSを吸着しつつ搬送することができる。
第2搬送ユニット21は、第2駆動ローラー31と第2従動ローラー32とに第2搬送ベルト33を巻き掛けて構成されている。第2搬送ベルト33は、搬送モーター30を稼働させて第2駆動ローラー31を回転させることで、図1の矢印方向に走行する。なお、第2搬送ベルト33の上方には、シートS上のインクを乾燥させるための乾燥装置34が設けられている。
図2および図3に示すように、昇降ユニット22は、ユニットフレーム40と、ユニット載置部41と、巻上駆動部42と、前後一対のワイヤー支持部43と、前後一対のワイヤー44と、を有している。(図2および図3では後側の構成のみを示す。)
ユニットフレーム40は、上面および左面を開放する箱状に形成されている。ユニットフレーム40の内側面には、4つのワイヤーガイド部45が前後左右に離間して設けられている。各ワイヤーガイド部45は、回転可能に支持される複数の本体側プーリー45aを有している。
ユニット載置部41は、複数の本体側プーリー45aよりも下側に設けられている。ユニット載置部41は、4つのワイヤーガイド部45に架け渡されるように設けられている。上記した第1搬送ユニット20は、ユニットフレーム40の内部に収納され、ユニット載置部41上に載置される(図3参照)。ユニット載置部41には、各ワイヤーガイド部45に対応するように4つの載置部側プーリー41aが回転可能に支持されている。
巻上駆動部42は、巻上軸46と、巻上モーター47と、を有している。巻上軸46は、ユニットフレーム40の右側上部で回転可能に支持されている。巻上モーター47は、ユニットフレーム40の右後部に固定され、巻上軸46の後端部に接続されている。前後一対のワイヤー支持部43は、ユニットフレーム40内の左下部に設けられている。
前後一対のワイヤー44は、それぞれ、各プーリー41a,45aに巻き掛けられている。各ワイヤー44の左右両端部は、巻上軸46とワイヤー支持部43とに接続されている。
例えば、巻上軸46は、巻上モーター47を稼働させることで一方に回転し、各ワイヤー44を巻き上げる。各ワイヤー44の巻き上げに伴ってユニット載置部41は、引き上げられる。これにより、ユニット載置部41に載置された第1搬送ユニット20は、記録位置P1に上昇する(図3参照)。一方、他方に回転駆動される巻上軸46は、各ワイヤー44を巻き戻す。各ワイヤー44の巻き戻しに伴って、ユニット載置部41に載置された第1搬送ユニット20は、退避位置P2に下降する(図3参照)。
なお、装置本体2の正面(前面)には、昇降ユニット22に対応する位置に正面開口部2aが形成されている(図1参照)。正面開口部2aには、開閉可能なカバー(図示せず)が取り付けられている。正面開口部2aを開放することで、第1搬送ユニット20および昇降ユニット22を着脱することができる。
図1に示すように、記録部12は、4つのインクタンク50と、ヘッドユニット51と、を有している。4つのインクタンク50は、4色(イエロー,マゼンタ,シアン,ブラック)のインク(液体)を収容し、装置本体2の上側で左右方向に並設されている。ヘッドユニット51は、第1搬送ユニット20の上方に設けられている。
図4に示すように、ヘッドユニット51は、ヘッドハウジング52と、4つのラインヘッド53と、を有している。ヘッドハウジング52は、平面視で略矩形状に形成されている。4つのラインヘッド53は、ヘッドハウジング52に固定されている。
4つのラインヘッド53は、4色のインクに対応して設けられている。4つのラインヘッド53は、搬送方向に略等間隔で並設されている。各ラインヘッド53は、幅方向に沿って千鳥状に配置される3つのインクジェットヘッド54によって構成されている。つまり、12個のインクジェットヘッド54は、平面視で千鳥格子状に配置されている。
各インクジェットヘッド54は、第1搬送ベルト27(搬送面27a)との間に所定のギャップ(例えば、約1mm)を挟んで対向するノズル面54aを有している(図1参照)。ノズル面54aは、第1搬送ベルト27と平行に設けられている。各インクジェットヘッド54のノズル面54aには、搬送面27a上のシートSに対してインクを吐出する複数の吐出ノズル54bが形成されている。各インクジェットヘッド54は、複数の吐出ノズル54bに対応する複数の圧電素子(図示せず)を有している(所謂ピエゾ方式)。各圧電素子は、電圧の印加によって変形し、各吐出ノズル54b内のインクに圧力を伝達する。これにより、インクタンク50から供給されたインクが、各吐出ノズル54bから吐出される。なお、各ラインヘッド53は、シートSの幅方向長さよりも幅広い(長い)記録領域(インク吐出領域)を有している。
ここで、図1を参照して、プリンター1の動作について説明する。制御装置14は、入力された画像データに基づいて、以下のように画像形成処理(印字処理)を実行する。なお、以下、第1搬送ユニット20は、記録位置P1に変位していることとして説明する。
給紙部10は、給紙カセット3内のシートSを1枚ずつ分離して供給路15aに送り出す。シートSは、供給路15aを通ってレジストローラー対16に到達する。レジストローラー対16は、シートSの斜行補正を行った後に、インクの吐出動作に合せて第1搬送ベルト27(搬送面27a)にシートSを送り出す。第1搬送ベルト27は、各ノズル面54aに対向する位置にシートSを搬送する。各インクジェットヘッド13bは、画像データに基づいて制御装置14に制御され、各吐出ノズル54bからインクを吐出する。これにより、搬送面27a上に吸着されつつ搬送されるシートSにインク画像が形成される。
画像形成されたシートSは、第1搬送ベルト27から第2搬送ベルト33に送られる。乾燥装置34は、第2搬送ベルト12bを通過するシートS上のインクを乾燥させる。そして、シートSは、第2搬送ベルト33から排出路15bを通って排紙トレイ4に排出される。
次に、図5ないし図9を参照して、保守装置13について説明する。図5はキャップユニット55を示す平面図である。図6はインクジェットヘッド54およびキャップ61を示す断面図である。図7はワイプユニット56を示す平面図である。図8はインクジェットヘッド54およびワイパー64等を示す断面図である。図9は保守装置13等を示す側面図である。
保守装置13は、インクの乾燥による各吐出ノズル54bの目詰まりの予防やノズル面54aの清掃を行うために設けられている。保守装置13は、第1搬送ユニット20の左側に設けられている。保守装置13は、キャップユニット55と、ワイプユニット56と、スライドユニット57と、を有している(図1参照)。
図5に示すように、キャップユニット55は、キャップフレーム60と、複数のキャップ61と、を有している。キャップフレーム60は、平面視で略矩形状に形成されている。複数のキャップ61は、インクジェットヘッド54の配列に対応するようにキャップフレーム60に固定されている。つまり、12個のキャップ61は、平面視で千鳥格子状に配置されている。なお、複数のキャップ61は、同一構造であるため、以下、1つのキャップ61に着目して説明する。
図6に示すように、キャップ61は、上面を開放する略矩形箱状に形成されている。詳細には、キャップ61は、底板61aの周囲に立設される壁部61bを有している。底板61aは、例えば、ステンレス等の金属材料から構成され、平面視で矩形板状に形成されている。壁部61bは、例えば、ブチルゴムやEPDM等の弾性材料から構成され、平面視で矩形環状に形成されている(図5参照)。壁部61bがノズル面54aに密着することで、キャップ61の内部には、封止空間S1が構成される。なお、図示は省略するが、各キャップ61は、封止空間S1を大気開放するための連通孔を含む大気連通機構を有している。なお、底板61aと壁部61bとは一体形成されていてもよい。
図7および図8に示すように、ワイプユニット56は、支持フレーム62と、可動フレーム63と、複数のワイパー64と、を有している。
図7に示すように、支持フレーム62は、上面を開放する略矩形箱状に形成されている。支持フレーム62の左右両側には、一対のレール部62aが形成されている。支持フレーム62の前後方向略中央には、左右一対の入力ギア62bが設けられている。各入力ギア62bは、支持フレーム62に軸支される回転軸(図示せず)に固定されている。回転軸は、ギア列等(図示せず)を介してワイプモーター65に接続されている。
可動フレーム63は、左右一対の第1ステー63aの間に架設される3本の第2ステー63bを有し、平面視で矩形枠状に形成されている。3本の第2ステー63bは、各第1ステー63aの前後両端部と前後方向略中央部とに設けられている。つまり、3本の第2ステー63bは、略等間隔に設けられている。
各第1ステー63aの前後両端部には、摺動コロ63cが設けられている。各第1ステー63aには、支持フレーム62の入力ギア62bに噛み合うラックギア63dが設けられている。可動フレーム63は、支持フレーム62の内部に収納され、4つの摺動コロ63cは、前後一対のレール部62aに当接する。可動フレーム63は、ワイプモーター65を稼働させて各入力ギア62bを正逆回転させることで、各レール部62aに沿って往復移動する。
各ワイパー64は、ゴム等の弾性材料から構成され、矩形板状に形成されている。複数のワイパー64は、インクジェットヘッド54の配列に対応するように可動フレーム63に固定されている。つまり、12個のワイパー64は、平面視で千鳥格子状に配置されている。詳細には、1つの第2ステー63bにつき、4つのワイパー64が略等間隔に固定されている。
図8に示すように、各ワイパー64は、ノズル面54aに密着しつつノズル面54aに沿って往復移動可能に設けられている。各ワイパー64は、例えば、各インクジェットヘッド54のノズル面54aの前後方向一端部に圧接され、可動フレーム63を他端部に向けて移動させることで、ノズル面54aに付着したインクを拭き取る。なお、拭き取られたインクは、支持フレーム62上に落下し、支持フレーム62に設けられるインク排出孔(図示せず)から回収タンク(図示せず)に回収される。
図9に示すように、スライドユニット57は、キャップキャリッジ66と、ワイプキャリッジ67と、を有している。
キャップキャリッジ66の下面から前面にかけて、開口部66aが形成されている。開口部66a(の下側)は、第1搬送ユニット20の通過を許容する大きさに形成されている。開口部66aの周縁部には、キャップフレーム60の前後両縁部を載置するための載置部66bが形成されている。キャップキャリッジ66は、キャップユニット55を前後両側から抱え込むように支持する。
キャップキャリッジ66の上部には、前後一対のスライド部66cが設けられている。前後一対のスライド部66cは、装置本体2の内部で左右方向に延びる前後一対のキャップガイドレール2bに摺動可能に係合している。各キャップガイドレール2bは、搬送装置11とヘッドユニット51との間にて、第2搬送ユニット21からヘッドユニット51に亘って延設されている(図10参照)。スライド部66cは、スライドモーター68に接続されている。キャップキャリッジ66は、スライドモーター68を稼働させることで、各キャップガイドレール2bに沿って往復移動する。詳細には、キャップキャリッジ66は、ヘッドユニット51の左方向に離れた初期位置P11(図10参照)と、ヘッドユニット51の下側に対向する使用位置P12(図11参照)と、の間で移動する。
ワイプキャリッジ67は、キャップキャリッジ66を下側から覆うように設けられている。ワイプキャリッジ67は、キャップキャリッジ66を内包可能な大きさに形成されている。ワイプキャリッジ67は、ワイプユニット56を前後両側から抱え込むように支持する。つまり、ワイプユニット56は、キャップユニット55の下方に配置される。ワイプキャリッジ67には、開口部67aおよび載置部67bが形成されている。なお、ワイプキャリッジ67は、キャップキャリッジ66と略同一構造であるため、その詳細な説明は省略する。
ワイプキャリッジ67の上部には、前後一対のスライド部67cが設けられている。前後一対のスライド部67cは、装置本体2の内部で左右方向に延びる前後一対のワイプガイドレール2cに摺動可能に係合している。各ワイプガイドレール2cは、各キャップガイドレール2bの前後方向外側に設けられている。ワイプキャリッジ67は、スライド部67cに接続されたスライドモーター68を稼働させることで、初期位置P11(図10参照)と使用位置P12(図13参照)との間で移動する。
ここで、図10ないし図14を参照して、各インクジェットヘッド54の保守動作について説明する。図10は退避位置P2に移動した第1搬送ユニット20および初期位置P11に移動した保守装置13等を示す断面図である。図11は使用位置P12に移動したキャップユニット55等を示す断面図である。図12はキャップユニット55をインクジェットヘッド54に装着した状態を示す断面図である。図13は使用位置P12に移動したワイプユニット56等を示す断面図である。図14はワイプユニット56をインクジェットヘッド54に接触させた状態を示す断面図である。なお、キャップキャリッジ66(キャップユニット55)およびワイプキャリッジ67(ワイプユニット56)は、初期位置P11で待機しているものとする。
まず、図10ないし図12を参照して、インクジェットヘッド54にキャップ61を装着するキャッピング動作について説明する。キャッピング動作は、印字処理の停止中に制御装置14によって自動的に(またはユーザーの指示に基づいて)開始される。
図10に示すように、昇降ユニット22(巻上モーター47)は、制御装置14に制御され、第1搬送ユニット20を記録位置P1から退避位置P2に下降させる。続いて、図11に示すように、スライドモーター68は、制御装置14に制御され、キャップキャリッジ66(キャップユニット55)を初期位置P11から使用位置P12に移動させる。
その後、図12に示すように、昇降ユニット22(巻上モーター47)は、制御装置14に制御され、第1搬送ユニット20を上昇させる。第1搬送ユニット20は、キャップキャリッジ66の開口部66aに進入し、キャップキャリッジ66に載置されたキャップユニット55を押し上げる。キャップユニット55は、各載置部66bから上方に離間し、第1搬送ユニット20の搬送フレーム23に積載される。昇降ユニット22は、インクジェットヘッド54のノズル面54aにキャップ61(壁部61b)を密着させるまで、第1搬送ユニット20を上昇させる。これにより、複数の吐出ノズル54bが封止空間S1内に封止される(図6参照)ため、各吐出ノズル54b内のインクを保湿することができる。続いて、スライドモーター68は、制御装置14に制御され、キャップキャリッジ66のみを使用位置P12から初期位置P11に移動させる。
以上によって、キャッピング動作が完了する。なお、吐出ノズル54bが封止された状態を解除するには、大気連通機構によって封止空間S1を大気開放した後に、上記したキャッピング動作とは逆の手順を実行する。
次に、図10、図13および図14を参照して、各インクジェットヘッド54のノズル面54aを拭き取る回復動作について説明する。回復動作は、印字処理の停止中に制御装置14によって自動的に(またはユーザーの指示に基づいて)開始される。
図10に示すように、昇降ユニット22(巻上モーター47)は、制御装置14に制御され、第1搬送ユニット20を記録位置P1から退避位置P2に下降させる。続いて、図13に示すように、スライドモーター68は、制御装置14に制御され、ワイプキャリッジ67(ワイプユニット56)を初期位置P11から使用位置P12に移動させる。
次に、各インクジェットヘッド54は、制御装置14に制御されて、各吐出ノズル54bから強制的にインクを吐出する(パージ動作(図8参照))。パージ動作によって、粘度が上昇したインクや気泡等の異物が排出される。
その後、図14に示すように、昇降ユニット22(巻上モーター47)は、制御装置14に制御され、第1搬送ユニット20を上昇させる。第1搬送ユニット20は、ワイプキャリッジ67の開口部67aに進入し、ワイプキャリッジ67に載置されたワイプユニット56を押し上げる。ワイプユニット56は、各載置部67bから上方に離間し、第1搬送ユニット20の搬送フレーム23に積載される。昇降ユニット22は、インクジェットヘッド54のノズル面54aにワイパー64の先端部を圧接させるまで、第1搬送ユニット20を上昇させる。続いて、スライドモーター68は、制御装置14に制御され、ワイプキャリッジ67のみを使用位置P12から初期位置P11に移動させる。
次に、各吐出ノズル54bから吐出されたインクを拭き取るワイピング動作を実行する。例えば、ワイプモーター65(図7参照)は、制御装置14に制御されて正逆回転し、支持フレーム62に対して可動フレーム63を往復移動させる(図7の矢印参照)。これにより、各ワイパー64の先端部は、各ノズル面54aの前端部と後端部との間を往復し、各ノズル面54a上のインクを拭き取る(図8参照)。なお、各ワイパー64は、一方向にのみ移動させてもよい。
ワイピング動作が完了すると、ワイプユニット56は、再びワイプキャリッジ67に載置されて使用位置P12から初期位置P11に移動される。以上によって、回復動作が完了する。
なお、キャップユニット55およびワイプユニット56は、第1搬送ユニット20の搬送フレーム23に積載されていたが、これに限らず、第1搬送ベルト27上に積載されてもよい。
ところで、各ノズル面54aに付着した汚れ(紙粉やインクミスト等)は、上記した回復動作によって除去することができる。しかしながら、印字処理が繰り返されると、各ノズル面54aに汚れが蓄積され、上記した回復動作では当該汚れを除去することができないこともあった。そこで、本実施形態に係るプリンター1は、ノズル面54aに蓄積した汚れを除去するためのクリーニング装置70を備えている。
図15ないし図17を参照して、クリーニング装置70について説明する。図15はクリーニング装置70の洗浄ユニット71を示す平面図である。図16は洗浄ユニット71を第1搬送ベルト27上に載置した状態を示す断面図である。図17洗浄ユニット71の多孔質体72をインクジェットヘッド54に接触させた状態を示す断面図である。
図15および図16に示すように、クリーニング装置70は、洗浄ユニット71と、上記した搬送装置11と、を備えている。洗浄ユニット71は、搬送装置11の第1搬送ユニット20に支持される。上記した搬送装置11(昇降ユニット22)は、洗浄ユニット71を上下方向(ノズル面54aの法線方向)に移動(昇降)させると共に洗浄ユニット71をノズル面54aに沿って往復移動させる。
図15に示すように、洗浄ユニット71は、多孔質体72と、洗浄トレイ73と、ヒーター74と、を有している。
多孔質体72は、例えば、スポンジ等のように合成樹脂を発泡成形することで構成されている。多孔質体72は、インクジェットヘッド54のノズル面54aを洗浄する洗浄液を吸収する。
洗浄トレイ73は、上面を開放する略矩形箱状に形成されている。洗浄トレイ73は、ヘッドユニット51(複数のインクジェットヘッド54)を収容可能な大きさに形成されている。洗浄トレイ73は、多孔質体72を収容している。なお、多孔質体72は、洗浄トレイ73内で移動しないように固定されていることが好ましい。
ヒーター74は、洗浄トレイ73の底部(または/および側壁)に組み込まれている。ヒーター74は、洗浄トレイ73に保持された多孔質体72に含まれる洗浄液を加温するために設けられている。洗浄トレイ73には、ヒーター74に電力を供給するバッテリー75が搭載されている。なお、ヒーター74およびバッテリー75は、省略されていてもよい。
上記したように、搬送装置11は、第1搬送ユニット20と、第2搬送ユニット21と、昇降ユニット22と、を有している。なお、第1搬送ユニット20および昇降ユニット22が、洗浄ユニット71を昇降させる接離装置として機能する。
次に、図16および図17に示すように、クリーニング装置70の作用(クリーニング動作)について説明する。なお、第1搬送ユニット20は、退避位置P2で待機しているものとする(図16参照)。
クリーニング動作は、点検等を行う作業員(サービスマン)によって実施される。まず、作業員は、多孔質体72を収容した洗浄トレイ73に洗浄液を注入する。続いて、図16に示すように、作業員は、装置本体2の正面開口部2aを開放し、正面開口部2aから装置本体2内に洗浄ユニット71を挿入する。洗浄ユニット71は、第1搬送ユニット20の第1搬送ベルト27(搬送面27a)上に載置される。
続いて、作業員は、操作パネル5を操作してクリーニング動作の開始を指示する。制御装置14は、操作パネル5から入力された指示に基づいて昇降ユニット22を制御する。具体的には、昇降ユニット22(巻上モーター47)は、制御装置14に制御され、洗浄ユニット71を支持させた第1搬送ユニット20を退避位置P2から上昇させる。昇降ユニット22は、インクジェットヘッド54のノズル面54aに洗浄トレイ73内の多孔質体72を密着させるまで、第1搬送ユニット20を上昇させる。
続いて、第1搬送ユニット20(搬送モーター30)は、制御装置14に制御され、第1駆動ローラー24を揺動させる。つまり、搬送モーター30は、正転と逆転とを短時間で切り換えるように動作する。なお、搬送モーター30は、正転と逆転とを所定の回転角度で切り換えるように動作してもよい。第1搬送ベルト27は、洗浄ユニット71に保持された多孔質体72をノズル面54aに接触させた状態で、左右方向に小刻みに往復走行する(図17の黒塗り矢印参照)。すなわち、第1搬送ユニット20は、第1搬送ベルト27を往復走行させることで洗浄ユニット71を各ノズル面54aに沿って往復移動させる駆動装置として機能する。
なお、制御装置14は、所定時間の経過後(または往復回数が所定回数に達した後)に、クリーニング動作を停止させる、他にも、作業員が操作パネル5を操作してクリーニング動作の停止を指示してもよい。
以上説明した第1実施形態に係るクリーニング装置70によれば、洗浄ユニット71は、多孔質体72を保持している。多孔質体72は、インクジェットヘッド54のノズル面54aを拭くように移動(振動)する。これにより、ノズル面54aに付着した汚れ(乾燥したインク等)が多孔質体72によって拭き取られるため、ノズル面54aの洗浄を効率良く行うことができる。また、ノズル面54aの洗浄に用いる洗浄液は、多孔質体72に吸収される程度の量で足りる。このため、洗浄ユニット71に洗浄液を満たす必要がないため、洗浄液の使用量を少なくすることができる。さらに、ノズル面54aの洗浄後の処理は、多孔質体72を交換するだけで足りる。これにより、洗浄液の排出や交換を行うための構造を省略することができるため、クリーニング装置70を低コストで且つコンパクトに構成することができる。
また、第1実施形態に係るクリーニング装置70によれば、シートSの搬送やインクジェットヘッド54の保守動作に用いる第1搬送ユニット20が、洗浄ユニット71を昇降させる接離装置として機能する。すなわち、既存の昇降ユニット22を利用して、第1搬送ベルト27上に設置した洗浄ユニット71内の多孔質体72をノズル面54aに接触させることができる。これにより、プリンター1の構成部材の追加や設計変更を省略することができる。
また、第1実施形態に係るクリーニング装置70によれば、往復走行する第1搬送ベルト27が、ノズル面54aに対して洗浄ユニット71を往復移動させる駆動装置として機能する。すなわち、駆動装置を別途追加することなく、洗浄ユニット71を第1搬送ベルト27上に設置するだけで洗浄ユニット71を往復移動させることができる。これにより、簡単且つ有効にノズル面54aの汚れを払拭することができる。
さらに、第1実施形態に係るクリーニング装置70によれば、洗浄液は、ヒーター74によって温められることで洗浄力を増加させる。これにより、ノズル面54aに付着した汚れを更に効率良く除去することができる。
次に、図18を参照して、第2実施形態に係るクリーニング装置80について説明する。図18はクリーニング装置80であって、洗浄ユニット81(キャップ61)の多孔質体82をインクジェットヘッド54に接触させた状態を示す断面図である。なお、以下の説明では、上記した第1実施形態に係るクリーニング装置70と同様の構成については、その説明を省略し、同一の符号を付す。
クリーニング装置80の洗浄ユニット81は、ノズル面54aに装着されて複数の吐出ノズル54bを保護するキャップ61を兼ねている。すなわち、上記したキャップユニット55の複数のキャップ61が、多孔質体82を保持する洗浄トレイとして機能する。この場合、多孔質体82の上面は、キャップ61の上端面よりも僅かに上方に突出していることが好ましい。
次に、クリーニング装置80の作用(クリーニング動作)について簡単に説明する。
まず、作業員が操作パネル5を操作してクリーニング動作の開始を指示すると、キャップユニット55が退避位置P2に移動した第1搬送ユニット20の第1搬送ベルト27上に載置される。作業員は、各キャップ61に多孔質体82を収容し、各キャップ61に洗浄液を注入する。続いて、作業員が操作パネル5を操作してクリーニング動作の継続を指示すると、キャップユニット55は、昇降ユニット22の作用によって上昇する。このとき、昇降ユニット22は、インクジェットヘッド54のノズル面54aにキャップ61内に保持された多孔質体82を密着させるまで、第1搬送ユニット20を上昇させる。
続いて、第1実施形態のクリーニング動作と同様に、第1搬送ベルト27は、多孔質体82をノズル面54aに接触させた状態で、左右方向に小刻みに往復走行する。これにより、ノズル面54aに付着した汚れを多孔質体82によって拭き取ることができる。
以上説明した第2実施形態に係るクリーニング装置80によれば、各吐出ノズル54b内のインクの乾燥を防止する既存のキャップ61が、洗浄ユニット81として兼用される。これにより、洗浄ユニット81を別部材とする場合に比して、クリーニング装置80の構成を簡単にすることができる。なお、各キャップ61には、ヒーター74を設けてもよい。
次に、図19を参照して、第3実施形態に係るクリーニング装置85について説明する。図19はクリーニング装置85であって、洗浄ユニット71の多孔質体72をインクジェットヘッド54に接触させた状態を示す断面図である。なお、以下の説明では、上記した第1実施形態に係るクリーニング装置70と同様の構成については、その説明を省略し、同一の符号を付す。
第1実施形態に係るクリーニング装置70は、洗浄ユニット71を第1搬送ベルト27上に載置していたが、第3実施形態に係るクリーニング装置85は、洗浄ユニット71をワイプユニット56に支持させている。詳細には、洗浄ユニット71は、複数のワイパー64上に載置される。
次に、クリーニング装置85の作用(クリーニング動作)について簡単に説明する。
まず、作業員が操作パネル5を操作してクリーニング動作の開始を指示すると、第1搬送ユニット20が退避位置P2に移動する。そして、ワイプユニット56が第1搬送ユニット20(搬送フレーム23または第1搬送ベルト27)上に載置される。作業員は、洗浄液を注入した洗浄ユニット71を複数のワイパー64上に載置する。次に、作業員が操作パネル5を操作してクリーニング動作の継続を指示すると、昇降ユニット22は、インクジェットヘッド54のノズル面54aに洗浄ユニット71内の多孔質体72を密着させるまで、第1搬送ユニット20を上昇させる。
続いて、ワイプユニット56は、多孔質体72をノズル面54aに接触させた状態で、上記したワイピング動作と同様の動作を行う。すなわち、ワイプユニット56は、各ワイパー64(可動フレーム63)を往復移動させることで洗浄ユニット71をノズル面54aに沿って往復移動させる駆動装置として機能する。
以上説明した第3実施形態に係るクリーニング装置85によれば、ノズル面54aに付着したインクを拭き取る既存のワイプユニット56が、洗浄ユニット71を往復移動させる駆動装置として兼用される。これにより、駆動装置を別途追加する場合に比して、クリーニング装置85の構成を簡単にすることができる。また、洗浄ユニット71を複数のワイパー64上に設置するだけで、洗浄ユニット71を往復移動させることができる。これにより、簡単且つ有効にノズル面54aの汚れを払拭することができる。
次に、図20および図21を参照して、第4実施形態に係るクリーニング装置90について説明する。図20はクリーニング装置90の洗浄ユニット91を示す平面図である。図21は洗浄ユニット91の多孔質体72をインクジェットヘッド54に接触させた状態を示す断面図である。なお、以下の説明では、上記した第1実施形態に係るクリーニング装置70と同様の構成については、その説明を省略し、同一の符号を付す。
図20に示すように、クリーニング装置90の洗浄ユニット91は、上記した洗浄トレイ73と、支持トレイ92と、を有している。洗浄トレイ73は、多孔質体72を収容している。支持トレイ92は、洗浄トレイ73をノズル面54aに沿って往復移動可能に支持している。
支持トレイ92は、上面を開放する略矩形箱状に形成されている。支持トレイ92は、洗浄トレイ73を収容可能な大きさに形成されている。支持トレイ92の底面には、左右方向に延びる摺動レール(図示せず)が設けられている。洗浄トレイ73は、摺動レール上に摺動可能に載置される。
また、洗浄ユニット91には、支持トレイ92に対して洗浄トレイ73を往復移動させる駆動装置93が組み込まれている。駆動装置93は、複数(例えば、2本)のコイルバネ94と、押圧機構95と、を有している。各コイルバネ94は支持トレイ92の左側に配置され、押圧機構95は支持トレイ92の右側に配置されている。
付勢部材としての各コイルバネ94は、洗浄トレイ73の左壁と支持トレイ92の左壁との間に配置されている。各コイルバネ94は、支持トレイ92に対して洗浄トレイ73を右方向(一方)に付勢する。
押圧機構95は、洗浄トレイ73の右壁と支持トレイ92の右壁との間に配置されている。押圧機構95は、複数(例えば、2つ)の偏心カム96と、カムモーター97と、を有している。
各偏心カム96は、前後方向に延びるカム軸96aに固定されている。各偏心カム96の外周面(カム面)は、洗浄トレイ73の右側面に当接している。カム軸96aは、支持トレイ92に軸支されている。カムモーター97は、ギア列(図示せず)を介してカム軸96aに接続されている。なお、カムモーター97は、バッテリー75から電力の供給を受ける。
次に、図21を参照して、クリーニング装置90の作用(クリーニング動作)について簡単に説明する。
まず、作業員が操作パネル5を操作してクリーニング動作の開始を指示すると、第1搬送ユニット20が退避位置P2に移動する。作業員は、洗浄液を注入した洗浄ユニット91を搬送フレーム23(または第1搬送ベルト27)上に載置する。次に、作業員が操作パネル5を操作してクリーニング動作の継続を指示すると、昇降ユニット22は、インクジェットヘッド54のノズル面54aに洗浄ユニット91内の多孔質体72を密着させるまで、第1搬送ユニット20を上昇させる。
続いて、作業員は、洗浄ユニット91の押圧機構95(カムモーター97)を作動させる。カムモーター97が稼働すると、各偏心カム96は、カム軸96aを中心として一方に回転する。各偏心カム96は、回転することで洗浄トレイ73に対する押圧と押圧解除とを繰り返す。これにより、多孔質体72が各ノズル面54aに接触した状態で左右方向(水平)に往復移動する。
以上説明した第4実施形態に係るクリーニング装置90によれば、駆動装置93は、洗浄ユニット91に組み込まれている。押圧機構95は、コイルバネ94の付勢力に抗して洗浄トレイ73を左方向(他方)に押圧可能に構成されている。すなわち、コイルバネ94の付勢力と押圧機構95(偏心カム96)の押圧力とによって洗浄トレイ73を往復移動させる。このため、インクジェットヘッド54のノズル面54aに対向する位置に洗浄ユニット91を配置するだけでノズル面54aの洗浄が実行可能になる。これにより、洗浄ユニット91や駆動装置93を備えていない既存のインクジェット式画像形成装置に対し、ノズル面54aの洗浄機能を容易に後付けすることができる。
なお、上記した第4実施形態に係るクリーニング装置90は、洗浄ユニット91をノズル面54aに沿って往復移動させていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図22に示すように、洗浄ユニット100は、洗浄トレイ73と、駆動装置101と、を有している。駆動装置101は、洗浄ユニット100(洗浄トレイ73)を振動させる振動発生ユニット102を含んで構成されている。振動発生ユニット102は、超音波振動を発生させる超音波振動子を内蔵していることが好ましい。この構成によれば、振動発生ユニット102は、洗浄トレイ73を介して多孔質体72を振動させる。これにより、各ノズル面54aに付着した汚れ(乾燥したインク等)を効率良く除去することができる。
なお、クリーニング装置90は、昇降ユニット22の他に、洗浄ユニット91を昇降(ノズル面54aの法線方向に移動)させる接離装置を別途設けてもよい。
なお、上記した第1〜第4実施形態に係るクリーニング装置70,80,85,90の洗浄ユニット71,81,91に、更に振動発生ユニット102を追加してもよい。
なお、上記実施形態の説明は、本発明に係るインクジェットヘッドのクリーニング装置およびこれを備えるインクジェット式画像形成装置における一態様を示すものであって、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態における構成要素は、適宜、既存の構成要素等との置き換えや組み合わせが可能であって、上記実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。