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JP6309344B2 - 固体電解質及び電池 - Google Patents
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JP6309344B2 - 固体電解質及び電池 - Google Patents

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Description

本発明は、全固体二次電池等に用いられる固体電解質に関するものである。
リチウムイオン伝導性の固体電解質は、全固体二次電池の電解質として有用である。硫化リチウムと五硫化二リンを原料とする硫化物固体電解質は高イオン伝導性を有するが、さらなる向上が期待されている。
非特許文献1、特許文献1の比較例には、硫化リチウムと五硫化二リンに換算すると80:20となる固体電解質が記載されている。
一方、特許文献2に、硫化リチウム100質量%に対して水酸化リチウムを1.2〜20質量%添加することで、ガラス化の進行が速くなることやガラス転移温度以上で焼成することでガラスセラミックスが得られることが記載されているが、高イオン伝導度のものは得られていない。
特開2005−228570号公報 特開2004−348973号公報
Solid State Ionics 154−155(2002)
本発明の目的は、新規な固体電解質を提供することである。
本発明によれば、以下の固体電解質等が提供される。
1.Li、P、S、O、Hを含み、各元素のモル比が下記式(1)〜(5)を満たす固体電解質。
Li:P:S:O:H=(160+2k+L):(40−2k):(180−4k):M:N (1)
−1.5≦k≦1.5 (2)
0≦L≦M+N (3)
0<M≦100 (4)
0<N≦100 (5)
2.Li、P、S、O、Hを、LiS、P、LiOHで換算すると、LiS、P、LiOHのモル比が、下記式(6)、(2)、(4)を満たす1記載の固体電解質。
LiS:P:LiOH=(80+k):(20−k):M (6)
−1.5≦k≦1.5 (2)
0<M≦100 (4)
3.さらに、ハロゲン元素を含む1又は2記載の固体電解質。
4.Li、P、S、O、Hの元素のみからなる1又は2記載の固体電解質。
5.非結晶固体電解質である1〜4のいずれか記載の固体電解質。
6.結晶固体電解質である1〜4のいずれか記載の固体電解質。
7.結晶がチオリシコンII型結晶である6記載の固体電解質。
8.結晶率が30%〜99%である6又は7記載の固体電解質。
9.式(2)が、−1.0≦k≦1.0である1〜8のいずれか記載の固体電解質。
10.式(2)が、−0.8≦k≦0.8である9記載の固体電解質。
11.式(3)が、0≦L≦M及び/又は0≦L≦Nを満たす1〜10のいずれか記載の固体電解質。
12.式(4)が、0<M≦60である1〜11のいずれか記載の固体電解質。
13.式(4)が、1.5<M≦60である12記載の固体電解質。
14.式(4)が、2≦M≦50である13記載の固体電解質。
15.式(5)が、0<N≦60である1〜14のいずれか記載の固体電解質。
16.式(5)が、1.5<N≦60である15記載の固体電解質。
17.式(5)が、2≦N≦50である16記載の固体電解質。
18.M=Nである1〜17のいずれか記載の固体電解質。
19.イオン伝導度が、1.0×10−4〜5.0×10−3S/cmである1〜18のいずれか記載の固体電解質。
20.体積基準平均粒径が、0.01μm以上100μm以下の粒子である1〜19のいずれか記載の固体電解質。
21.結晶化温度が100℃〜300℃である1〜20のいずれか記載の固体電解質。
22.硫化リチウムを含まない1〜21のいずれか記載の固体電解質。
23.LiS及びリン化合物を反応させ、1記載の固体電解質を製造する、固体電解質の製造方法。
24.LiS、リン化合物及びLiOHを反応させる23記載の固体電解質の製造方法。
25.前記リン化合物が、Pである23又は24記載の固体電解質の製造方法。
26.1〜22のいずれか記載の固体電解質を含む固体電解質層。
27.正極活物質と、1〜22のいずれか記載の固体電解質とを含む正極合材。
28.27記載の正極合材を含む正極。
29.負極活物質と1〜22のいずれか記載の固体電解質とを含む負極合材。
30.29記載の負極合材を含む負極。
31.26記載の固体電解質層、28記載の正極、30記載の負極のうち少なくとも1つを含む電池。
本発明によれば、新規な固体電解質を提供できる。
本発明の固体電解質は、元素Li、P、S、O及びHを含み、各元素のモル比が下記式(1)〜(5)を満たす。
Li:P:S:O:H=(160+2k+L):(40−2k):(180−4k):M:N (1)
−1.5≦k≦1.5 (2)
0≦L≦M+N (3)
0<M≦100 (4)
0<N≦100 (5)
式(2)において、好ましくは−1.0≦k≦1.0であり、より好ましくは−0.8≦k≦0.8である。
式(3)において、好ましくは、さらに0≦L≦M及び0≦L≦Nの1以上を満たす。
式(4)において、好ましくは0<M≦60であり、例えば0.5<M≦60である。より好ましくは1.5<M≦60であり、さらに好ましくは2≦M≦60であり、例えば3≦M≦50、4≦M≦40、5≦M≦30である。
式(5)において、好ましくは0<N≦60であり、例えば0.5<N≦60である。より好ましくは1.5<N≦60であり、さらに好ましくは2≦N≦60であり、例えば3≦N≦50、4≦N≦40、5≦N≦30である。
好ましくはM=Nである。
固体電解質に含まれる全ての元素Li、P、S、O及びHを、LiS、P、LiOHで換算すると、LiS、P、LiOHのモル比が、下記式(6)を満たすことが好ましい。
LiS:P:LiOH=(80+k):(20−k):M (6)
本発明の第2の固体電解質は、元素Li、P、S、O及びHを含み、各元素のモル比が下記式(7)、(8)及び(9)を満たす:
Li:P:S:O:H=(155+2p+Q):(45−2p):(190−4p):Q:Q (7)
−4.0≦p≦4.0 (8)
(3−0.1p)<Q≦100 (9)
上記式(9)は、好ましくは(4−0.1p)<Q≦100であり、さらに好ましくは(5−0.1p)<Q≦100であり、より好ましくは(6−0.1p)<Q≦100である。
また、上記式(9)は、例えば(4−0.1p)<Q≦50、(4−0.1p)<Q≦30、(4−0.1p)<Q≦20、(5−0.1p)<Q≦30、(5−0.1p)<Q≦20、(6−0.1p)<Q≦30、(6−0.1p)<Q≦20、(7−0.1p)<Q≦30、又は(7−0.1p)<Q≦20である。
第2の固体電解質に含まれる全ての元素Li、P、S、O及びHを、LiS、P、LiOHで換算すると、LiS、P、LiOHのモル比が、下記式(10)を満たすことが好ましい。
LiS:P:LiOH=(77.5+p):(22.5−p):Q (10)
以下、「本発明の固体電解質」や単に「固体電解質」という場合、上述した本発明の第1の固体電解質と第2の固体電解質の両方を含む。
本発明の固体電解質は、さらに、I,Br,Cl等のハロゲン元素を含んでもよい。具体的には、Li、P、S及びIを含む硫化物系固体電解質、Li、P、S及びBrを含む硫化物系固体電解質、Li、P、S及びClを含む硫化物系固体電解質が挙げられる。
LiS、P、LiOHで換算したとき、LiS及びPのモル量の合計に対するハロゲン化物のモル量の比は、好ましくは[LiS+P]:ハロゲン化物=50:50〜99:1であり、より好ましくは[LiS+P]:ハロゲン化物=60:40〜98:2であり、さらに好ましくは[LiS+P]:ハロゲン化物=70:30〜98:2であり、特に好ましくは[LiS+P]:ハロゲン化物=72:28〜98:2であり、例えば[LiS+P]:ハロゲン化物=72:28〜90:10、[LiS+P]:ハロゲン化物=75:25〜88:12である。
また、固体電解質は、B、Al、Si、Ge等の元素を含むことができる。
固体電解質は、Li、P、S、O、Hの元素のみから構成されてもよい。また、固体電解質は、後述する反応を十分に進行させることにより、硫化リチウムを含まないようにしてもよい。硫化リチウムを含まないことにより耐水性が向上する。
固体電解質は、非結晶でも結晶でもよい。硫化物固体電解質ガラス(非結晶)は、ガラス転移温度以上の温度で結晶化させてガラスセラミック(結晶)とすることができる。
このガラスセラミックスに含まれる結晶構造としては、LiPS結晶構造、Li結晶構造、LiPS結晶構造、Li11結晶構造、Li4−xGe1−x系チオリシコンII型及びIII型の結晶構造(Kannoら、Journal of The Electrochemical Society,148(7)A742−746(2001)参照)等が挙げられる。しかしながら、このガラスセラミックスに含まれる結晶構造は、これらに限られるものではない。


結晶率は通常20%以上99%以下であり、例えば25%以上90%以下、30%以上80%以下である。
本発明の硫化物固体電解質ガラスセラミックは、粉末状態においても、室温で高いイオン伝導性を示すLi4−xGe1−x系チオリシコンII型の結晶構造を有するものが好ましい。この結晶構造を有することで、高いイオン伝導性、例えば0.5mS/cm以上のイオン伝導性が達成できる。
本発明の固体電解質は、上記元素とモル比を有することにより、所望のイオン伝導度が得られる。上記好適例によれば1.0×10−4〜5.0×10−3S/cmのイオン伝導度を有することも可能である。例えば、5.0×10−4〜5.0×10−3S/cm、8.0×10−4〜5.0×10−3S/cmである。
固体電解質が粒子状である場合には、体積基準平均粒径が0.01μm以上100μm以下であることが好ましい。より好ましくは、0.01〜50μm、特に0.1〜20μmがよい。0.01μm未満では、凝集しやすく、取扱いが難しく、100μmを超えると塗工等で不良現象が生じる。
体積基準平均粒径(Mean Volume Diameter、以下「粒径」という。)の測定方法は、レーザー回折式粒度分布測定方法により行うことが好ましい。
レーザー回折式粒度分布測定方法は、固体電解質を乾燥せずに粒度分布を測定することができ、固体電解質の粒子群にレーザーを照射してその散乱光を解析することで粒度分布を測定することができる。
レーザー回折式粒度分布測定装置がMalvern Instruments Ltd社製マスターサイザー2000である場合の測定例として、装置の分散槽に脱水処理されたトルエン110mlを入れ、さらに脱水処理された分散剤を6%添加した条件で測定するのがよい。
[固体電解質の製造方法]
固体電解質は、MM(メカニカルミリング)法、溶融法、炭化水素系溶媒中で原料を接触させる方法(WO2009/047977)、炭化水素系溶媒中で原料を接触させる手段と粉砕合成手段とを交互に行う方法(特開2010−140893)、溶媒中で原料を接触させる工程の後に粉砕合成工程を行う方法(PCT/JP2012/005992)、その他の方法で製造できる。
本発明の固体電解質は、上述の元素比を満たす限り原料は何でもよい。
原料として、少なくともLiSを用いることが好ましく、LiSと硫化リンを用いることがより好ましく、LiSとPを用いることがさらに好ましい。
また、LiS、リン化合物、及び水酸化物を原料とすることも好ましい。水酸化物としては、LiOHが挙げられる。LiOH等の水酸化物は安価である。
上記原料にハロゲン化リチウムをはじめとするハロゲン化合物を添加してもよい。例えば、ヨウ化リチウム、臭化リチウム、塩化リチウム、フッ化リチウム等がある。
原料は、上記の原料の他、SiS(硫化珪素)、LiSiO(オルト珪酸リチウム)、Al(硫化アルミニウム)、単体リン(P)、単体の硫黄(S)、シリコン(Si)、GeS(硫化ゲルマニウム)、B(三硫化二砒素)、LiPO(燐酸リチウム)、LiGeO(ゲルマン酸リチウム)、LiBO(メタホウ酸リチウム)、LiAlO(リチウムアルミネート)、LiSH等から選択して用いることができる。
具体的には、原料の組合せの例として、LiOH−LiS−P,LiOH−LiI−LiS−P,LiOH−LiBr−LiS−P,LiOH−LiCl−LiS−Pが挙げられる。
下記式(1)〜(5)を満たすこと、例えば原料として用いるLiS:Pを79〜81:19〜21にすることにより、架橋硫黄を有するP構造が実質的になくなり、水分に対する安定性が高まり、硫化水素の発生しにくい傾向がある。
硫化リチウムは、特に制限なく使用できるが、高純度のものが好ましい。硫化リチウムは、例えば、特開平7−330312号、特開平9−283156号、特開2010−163356、特願2009−238952に記載の方法により製造することができる。
硫化リチウムは、硫黄酸化物のリチウム塩の総含有量が0.15質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1質量%以下であり、かつN−メチルアミノ酪酸リチウムの含有量が0.15質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1質量%以下である。硫黄酸化物のリチウム塩の総含有量が0.15質量%以下であると、溶融急冷法やメカニカルミリング法で得られる固体電解質は、ガラス状電解質(完全非晶質)となる。一方、硫黄酸化物のリチウム塩の総含有量が0.15質量%を越えると、得られる電解質は、最初から結晶化物となるおそれがある。熱処理前から結晶化物である固体電解質はイオン伝導度が低いおそれがある他、熱処理によるイオン伝導度の向上も見込めないおそれがある
また、N−メチルアミノ酪酸リチウムの含有量が0.15質量%以下であると、N−メチルアミノ酪酸リチウムの劣化物がリチウムイオン電池のサイクル性能を低下させることがない。このように不純物が低減された硫化リチウムを用いると、高イオン伝導性電解質が得られる。
上述した特開平7−330312号及び特開平9−283156号に基づいて硫化リチウムを製造した場合、硫化リチウムが硫黄酸化物のリチウム塩等を含むため、精製することが好ましい。
一方、特開2010−163356に記載の硫化リチウムの製法で製造した硫化リチウムは、硫黄酸化物のリチウム塩等の含有量が非常に少ないため、精製せずに用いてもよい。
好ましい精製法としては、例えば、国際公開WO2005/40039号に記載された精製法等が挙げられる。具体的には、上記のようにして得られた硫化リチウムを、有機溶媒を用い、100℃以上の温度で洗浄する。
五硫化二リンは、工業的に製造され、販売されているものであれば、特に限定なく使用することができる。
LiOHは、工業的に製造され、販売されているものであれば、特に限定なく使用することができる。
具体的な製造方法としては、溶融急冷法、メカニカルミリング法(MM法)、有機溶媒中で原料を反応させるスラリー法、溶液法について以下説明する。原料として、LiS及びPを用いた硫化物系固体電解質について説明する。
(a)溶融急冷法
溶融急冷法は、例えば、特開平6−279049、WO2005/119706に記載されている。具体的には、PとLiSを所定量乳鉢にて混合しペレット状にしたものを、カーボンコートした石英管中に入れ真空封入する。所定の反応温度で反応させた後、氷中に投入し急冷することにより、硫化物系ガラス固体電解質が得られる。
反応温度は、好ましくは400℃〜1000℃、より好ましくは、800℃〜900℃である。また、反応時間は、好ましくは0.1時間〜12時間、より好ましくは、1〜12時間である。
上記反応物の急冷温度は、通常10℃以下、好ましくは0℃以下であり、その冷却速度は、通常1〜10000K/sec程度、好ましくは10〜10000K/secである。
(b)メカニカルミリング法(MM法)
MM法は、例えば、特開平11−134937、特開2004−348972、特開2004−348973に記載されている。
具体的には、PとLiSを所定量乳鉢にて混合し、例えば、各種ボールミル等を使用して所定時間反応させることにより、硫化物系ガラス固体電解質が得られる。
上記原料を用いたMM法は、室温で反応を行うことができる。そのため、原料の熱分解が起らず、仕込み組成のガラス固体電解質を得ることができるという利点がある。
また、MM法では、ガラス固体電解質の製造と同時に、ガラス固体電解質を微粉末化できるという利点もある。
MM法は回転ボールミル、転動ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミル等種々の形式を用いることができる。
MM法の条件としては、例えば、遊星型ボールミル機を使用した場合、回転速度を数十〜数百回転/分とし、0.5時間〜100時間処理すればよい。
また、特開2010−90003に記載されているように、ボールミルのボールは異なる径のボールを混合して使用してもよい。この他、特開2009−110920や特開2009−211950に記載されているように、原料に有機溶媒を添加してスラリー状にし、このスラリーをMM処理してもよい。特開2010−30889に記載のようにMM処理の際のミル内の温度を調整してもよい。
MM処理時の原料温度が60℃以上160℃以下になるようにすることが好ましい。
(c)スラリー法
スラリー法は、WO2004/093099、WO2009/047977に記載されている。
具体的には、所定量のP粒子とLiS粒子を有機溶媒中で所定時間反応させることにより、硫化物系ガラス固体電解質が得られる。
ここで、特開2010−140893に記載されているように、反応を進行させるため、原料を含むスラリーをビーズミルと反応容器との間で循環させながら反応させてもよい。また、WO2009/047977に記載されているように、原料の硫化リチウムを予め粉砕しておくと効率的に反応を進行させることができる。この他、特願2010−270191に記載されているように、原料の硫化リチウムの比表面積を大きくするために溶解パラメーターが9.0以上の極性溶媒(例えば、メタノール、ジエチルカーネート、アセトニトリル)に所定時間浸漬してもよい。
反応温度は、好ましくは20℃以上80℃以下、より好ましくは、20℃以上60℃以下である。
反応時間は、好ましくは1時間以上16時間以下、より好ましくは、2時間以上14時間以下である。
原料である硫化リチウムと五硫化二リンが、有機溶媒の添加により溶液又はスラリー状になる程度であることが好ましい。通常、有機溶媒1リットルに対する原料(合計量)の添加量は0.001kg以上1kg以下程度となる。好ましくは0.005kg以上0.5kg以下、特に好ましくは0.01kg以上0.3kg以下である。
有機溶媒としては特に制限はないが、非プロトン性有機溶媒が特に好ましい。
非プロトン性有機溶媒としては、非プロトンの非極性有機溶媒(例えば、炭化水素系有機溶媒)、非プロトン性の極性有機化合物(たとえば、アミド化合物,ラクタム化合物,尿素化合物,有機イオウ化合物,環式有機リン化合物等)を、単独溶媒として、又は、混合溶媒として、好適に使用することができる。
炭化水素系有機溶媒としては、溶媒である炭化水素系溶媒としては、飽和炭化水素、不飽和炭化水素又は芳香族炭化水素が使用できる。
飽和炭化水素としては、ヘキサン、ペンタン、2−エチルヘキサン、ヘプタン、デカン、シクロヘキサン等が挙げられる。
不飽和炭化水素しては、ヘキセン、ヘプテン、シクロヘキセン等が挙げられる。
芳香族炭化水素としては、トルエン、キシレン、デカリン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン等が挙げられる。
これらのうち、特にトルエン、キシレンが好ましい。
有機溶媒として炭化水素系溶媒を用いる場合、当該炭化水素系溶媒は、あらかじめ脱水されていることが好ましい。具体的には、水分含有量として100重量ppm以下が好ましく、特に30重量ppm以下であることが好ましい。
尚、必要に応じて炭化水素系溶媒に他の溶媒を添加してもよい。具体的には、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、エタノール、ブタノール等のアルコール類、酢酸エチル等のエステル類等、ジクロロメタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。
(d)溶液法
スラリー法より、極性の高い溶媒を用いて、原料がかなり溶解した状態で反応させる方法であり、米国公開特許公報US2013/0295469に記載されている。
溶媒としては、テトラヒドロフラン等を用いる。
上記溶融急冷法、MM法及びスラリー法の温度条件、処理時間、仕込み料等の製造条件は、使用設備等に合わせて適宜調整することができる。
結晶固体電解質(ガラスセラミックス)の製造方法は、特開2005−228570、WO2007/066539、特開2002−109955に準拠すればよい。
具体的には、上記で得られた硫化物系固体電解質(ガラス)を所定の温度で熱処理し、硫化物系結晶化ガラス(ガラスセラミックス)を生成させる。
熱処理は、露点−40℃以下の環境下で行うことが好ましく、より好ましくは露点−60℃以下の環境下で行うことが好ましい。加熱時の圧力は、常圧であってもよく、減圧下であってもよい。雰囲気は、空気であってもよく、不活性雰囲気下であってもよい。
上記の他、特開2010−186744に記載されているように溶媒中で加熱してもよい。
熱処理温度は、ガラス転移温度以上、好ましくは結晶化温度以上で行う。結晶化温度は通常100℃〜300℃である。
熱処理時間は、0.1時間以上、240時間以下が好ましい。より好ましくは、1〜10時間、さらに好ましくは、1〜5時間である。
熱処理時間が0.1時間より短いと、結晶化度の高い結晶化ガラスが得られにくい場合があり、240時間より長いと、結晶化度の低い結晶化ガラスが生じるおそれがある。
熱処理時は、硫化物固体電解質が粉体である場合は、撹拌しながら行ってもよい。また、加圧しながら行ってもよい。
本発明の固体電解質は、全固体リチウム二次電池の固体電解質層、電極(正極層及び/又は負極層)に用いることができる。また、電極材と混合して、合材を製造することができる。正極材(正極活物質)と混合すれば、正極合材となり、負極材(負極活物質)と混合すれば、負極合材となる。
正極材としては、公知のものが使用でき、例えば、V、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiMn、Li(NiCoMn)O(ここで、0<a<1、0<b<1、0<c<1、a+b+c=1)、LiNi1−YCo、LiCo1−YMn、LiNi1−YMn(ここで、0≦Y<1)、Li(NiCoMn)O(0<a<2、0<b<2、0<c<2、a+b+c=2)、LiMn2−ZNi、LiMn2−ZCo(ここで、0<Z<2)、LiCoPO、LiFePOが挙げられる。
さらに、例えば、硫化物系として、硫化チタン(TiS)、硫化モリブデン(MoS)、硫化鉄(FeS、FeS)、硫化銅(CuS)及び硫化ニッケル(Ni)等、酸化物系として、酸化ビスマス(Bi)、鉛酸ビスマス(BiPb)、酸化銅(CuO)、酸化バナジウム(V13)、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMnO)等が使用できる。
上記の他にはセレン化ニオブ(NbSe)、有機ジスルフィド化合物、カーボンスルフィド化合物、硫黄、金属インジウム等が使用できる。
負極材としては、公知のものが使用でき、例えば、炭素材料、具体的には、人造黒鉛、黒鉛炭素繊維、樹脂焼成炭素、熱分解気相成長炭素、コークス、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、フルフリルアルコール樹脂焼成炭素、ポリアセン、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維、天然黒鉛及び難黒鉛化性炭素等が挙げられる。また、金属リチウム、金属インジウム、金属アルミ、金属ケイ素等の金属自体や他の元素、化合物と組合わせた合金を、負極材として用いることができる。
製造例1(高純度硫化リチウムの製造)
高純度硫化リチウムの製造は、国際公開公報WO2005/040039A1の実施例と同様に行った。具体的には、下記のように行った。
(1)硫化リチウム(LiS)の製造
硫化リチウムは、特開平7−330312号公報の第1の態様(2工程法)の方法に従って製造した。具体的には、撹拌翼のついた10リットルオートクレーブにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)3326.4g(33.6モル)及び水酸化リチウム287.4g(12モル)を仕込み、300rpm、130℃に昇温した。昇温後、液中に硫化水素を3リットル/分の供給速度で2時間吹き込んだ。
続いて、この反応液を窒素気流下(200cc/分)昇温し、反応した硫化水素の一部を脱硫化水素化した。昇温するにつれ、上記硫化水素と水酸化リチウムの反応により副生した水が蒸発を始めたが、この水はコンデンサにより凝縮し系外に抜き出した。水を系外に留去すると共に反応液の温度は上昇するが、180℃に達した時点で昇温を停止し、一定温度に保持した。脱硫化水素反応が終了後(約80分)反応を終了し、硫化リチウムを得た。
(2)硫化リチウムの精製
上記(1)で得られた500mLのスラリー反応溶液(NMP−硫化リチウムスラリー)中のNMPをデカンテーションした後、脱水したNMP100mLを加え、105℃で約1時間撹拌した。その温度のままNMPをデカンテーションした。さらにNMP100mLを加え、105℃で約1時間撹拌し、その温度のままNMPをデカンテーションし、同様の操作を合計4回繰り返した。デカンテーション終了後、窒素気流下230℃(NMPの沸点以上の温度)で硫化リチウムを常圧下で3時間乾燥した。得られた硫化リチウム中の不純物含有量を測定した。
尚、亜硫酸リチウム(LiSO)、硫酸リチウム(LiSO)並びにチオ硫酸リチウム(Li)の各硫黄酸化物、及びN−メチルアミノ酪酸リチウム(LMAB)の含有量は、イオンクロマトグラフ法により定量した。その結果、硫黄酸化物の総含有量は0.13質量%であり、LMABは0.07質量%であった。
実施例1
[92.6(0.794LiS/0.206P)・7.4LiOH]
[LiS:P:LiOH=79.4:20.6:7.99]
製造例1で製造した高純度硫化リチウム0.4322g(9.406mmol)と五硫化二燐(サーモフォス社製)0.5451g(2.452mmol)とLiOH0.0227g(0.9479mmol)をよく混合した。この混合した粉末と直径10mmのジルコニア製ボール10ケを遊星型ボールミル(フリッチュ社製:型番P−7)アルミナ製ポットに投入し完全密閉するとともにこのアルミナ製ポット内に窒素を充填し、窒素雰囲気にした。
はじめの10分間は、遊星型ボールミルの回転を低速回転(100rpm)にして硫化リチウムと五硫化二燐とLiOHを十分混合した。その後、徐々に遊星型ボールミルの回転数を上げ370rpmまで回転数を上げた。遊星型ボールミルの回転数を370rpmで40時間メカニカルミリングを行い、白黄色の粉体である硫化物ガラスを得た。
メカニカルミリング処理して得られた白黄色の粉体のガラス化(硫化物ガラス)は、X線測定(XRD測定)により確認した。この硫化物ガラスの結晶化温度をTG−DTA測定により測定したところ、222℃であった。また、得られた硫化物ガラスのイオン伝導度は、2.5×10−4S/cmであった。
得られた硫化物ガラス1.0gをシュレンク管の中に入れ、232℃のオイルバスにつけ2時間真空熱処理を行い、ガラスセラミックスを得た。得られた粉末の結晶化は、X線測定(XRD測定)により確認し、高イオン伝導性結晶(チオリシコンII型結晶)を有していることを確認した。得られたガラスセラミックスのイオン伝導度は1.0×10−3S/cmであった。
イオン伝導度は以下の方法で測定した。
固体電解質を錠剤成形機に充填し、22MPaの圧力を加え成形体を得た。さらに、電極としてカーボンを成形体の両面に乗せ、再度錠剤成形機にて圧力を加えることで、伝導度測定用の成形体(直径約10mm、厚み約1mm)を作製した。この成形体について交流インピーダンス測定によりイオン伝導度測定を実施した。伝導度の値は25℃における数値を採用した。
実施例2
[95.5(0.797LiS/0.203P)・4.5LiOH]
[LiS:P:LiOH=79.7:20.3:4.71]
製造例1で製造した高純度硫化リチウムを0.4413g(9.603mmol)、五硫化二燐(サーモフォス社製)を0.5451g(2.452mmol)、LiOHを0.0137g(0.5700mmol)使用したこと以外は、実施例1と同様にして、硫化物ガラスを得た。
メカニカルミリング処理して得られた白黄色の粉体のガラス化(硫化物ガラス)は、X線測定(XRD測定)により確認した。この硫化物ガラスの結晶化温度をTG−DTA測定により測定したところ、231℃であった。また、得られた硫化物ガラスのイオン伝導度は、3.1×10−4S/cmであった。
得られた硫化物ガラス1.0gをシュレンク管の中に入れ、241℃のオイルバスにつけ2時間真空熱処理を行い、ガラスセラミックスを得た。得られた粉末の結晶化は、X線測定(XRD測定)により確認し、低イオン伝導性結晶(チオリシコンIII型結晶)のみ、及び高イオン伝導性結晶(チオリシコンII型結晶)のみとは異なる結晶構造を有していることを確認した。得られたガラスセラミックスのイオン伝導度は1.0×10−3S/cmであった。
実施例3
[98.5(0.8LiS/0.2P)・1.5LiOH]
[LiS:P:LiOH=80.0:20.0:1.52]
製造例1で製造した高純度硫化リチウムを0.4504g(9.803mmol)、五硫化二燐(サーモフォス社製)を0.5451g(2.452mmol)、LiOHを0.0045g(0.1879mmol)使用したこと以外は、実施例1と同様にして、硫化物ガラスを得た。
メカニカルミリング処理して得られた白黄色の粉体のガラス化(硫化物ガラス)は、X線測定(XRD測定)により確認した。この硫化物ガラスの結晶化温度をTG−DTA測定により測定したところ、238℃であった。また、得られた硫化物ガラスのイオン伝導度は、4.1×10−4S/cmであった。
得られた硫化物ガラス1.0gをシュレンク管の中に入れ、248℃のオイルバスにつけ2時間真空熱処理を行い、ガラスセラミックスを得た。得られた粉末の結晶化は、X線測定(XRD測定)により確認し、低イオン伝導性結晶(チオリシコンIII型結晶)を有していることを確認した。得られたガラスセラミックスのイオン伝導度は3.2×10−4S/cmであった。
参考例1
[95(0.75LiS/0.25P)・5LiOH]
[LiS:P:LiOH=75.0:25.0:5.26]
製造例1で製造した高純度硫化リチウム0.3796g(8.203mmol)と五硫化二燐(サーモフォス社製)0.6066g(2.729mmol)とLiOH0.0137g(0.572mmol)をよく混合した。この混合した粉末と直径10mmのジルコニア製ボール10ケを遊星型ボールミル(フリッチュ社製:型番P−7)アルミナ製ポットに投入し完全密閉するとともにこのアルミナ製ポット内に窒素を充填し、窒素雰囲気にした。
はじめの10分間は、遊星型ボールミルの回転を低速回転(100rpm)にして硫化リチウムと五硫化二燐とLiOHを十分混合した。その後、徐々に遊星型ボールミルの回転数を上げ370rpmまで回転数を上げた。遊星型ボールミルの回転数を370rpmで40時間メカニカルミリングを行い、白黄色の粉体である硫化物ガラスを得た。
メカニカルミリング処理して得られた白黄色の粉体のガラス化(硫化物ガラス)は、X線測定(XRD測定)により確認した。この硫化物ガラスの結晶化温度をTG−DTA測定により測定したところ、234℃であった。また、得られた硫化物ガラスのイオン伝導度は、4.6×10−4S/cmであった。
得られた硫化物ガラス1.0gをシュレンク管の中に入れ、234℃のオイルバスにつけ2時間真空熱処理を行い、ガラスセラミックスを得た。得られた粉末の結晶化は、X線測定(XRD測定)により確認した。低イオン伝導性結晶(チオリシコンIII型結晶)のみ、及び高イオン伝導性結晶(チオリシコンII型結晶)のみとは異なる結晶構造を有していることを確認した。得られたガラスセラミックスのイオン伝導度は6.5×10−4S/cmであった。
参考例2
[93(0.75LiS/0.25P)・7LiOH]
[LiS:P:LiOH=75.0:25.0:7.53]
製造例1で製造した高純度硫化リチウムを0.3774g(8.214mmol)、五硫化二燐(サーモフォス社製)を0.6031g(2.713mmol)、LiOHを0.0195g(0.814mmol)使用したこと以外は、参考例1と同様にして、硫化物ガラスを得た。
メカニカルミリング処理して得られた白黄色の粉体のガラス化(硫化物ガラス)は、X線測定(XRD測定)により確認した。この硫化物ガラスの結晶化温度をTG−DTA測定により測定したところ、227℃であった。また、得られた硫化物ガラスのイオン伝導度は、3.9×10−4S/cmであった。
得られた硫化物ガラス1.0gをシュレンク管の中に入れ、227℃のオイルバスにつけ2時間真空熱処理を行い、ガラスセラミックスを得た。得られた粉末の結晶化は、X線測定(XRD測定)により確認し、高イオン伝導性結晶(チオリシコンII型結晶)を有していることを確認した。得られたガラスセラミックスのイオン伝導度は1.3×10−3S/cmであった。
参考例3
[90(0.75LiS/0.25P)・10LiOH]
[LiS:P:LiOH=75.0:25.0:11.1]
製造例1で製造した高純度硫化リチウムを0.3739g(8.138mmol)、五硫化二燐(サーモフォス社製)を0.5975g(2.688mmol)、LiOHを0.0286(1.194mmol)使用したこと以外は、参考例1と同様にして、硫化物ガラスを得た。
メカニカルミリング処理して得られた白黄色の粉体のガラス化(硫化物ガラス)は、X線測定(XRD測定)により確認した。この硫化物ガラスの結晶化温度をTG−DTA測定により測定したところ、219℃であった。また、得られた硫化物ガラスのイオン伝導度は、2.8×10−4S/cmであった。
得られた硫化物ガラス1.0gをシュレンク管の中に入れ、219℃のオイルバスにつけ2時間真空熱処理を行い、ガラスセラミックスを得た。得られた粉末の結晶化は、X線測定(XRD測定)により確認し、高イオン伝導性結晶(チオリシコンII型結晶)を有していることを確認した。得られたガラスセラミックスのイオン伝導度は9.6×10−4S/cmであった。
参考例4
[85(0.75LiS/0.25P)・15LiOH]
[LiS:P:LiOH=75.0:25.0:17.6]
製造例1で製造した高純度硫化リチウムを0.3677g(8.003mmol)、五硫化二燐(サーモフォス社製)を0.5876g(2.644mmol)、LiOHを0.0446g(1.862mmol)使用したこと以外は、参考例1と同様にして、硫化物ガラスを得た。
メカニカルミリング処理して得られた白黄色の粉体のガラス化(硫化物ガラス)は、X線測定(XRD測定)により確認した。この硫化物ガラスの結晶化温度をTG−DTA測定により測定したところ、208℃であった。また、得られた硫化物ガラスのイオン伝導度は、2.0×10−4S/cmであった。
得られた硫化物ガラス1.0gをシュレンク管の中に入れ、208℃のオイルバスにつけ2時間真空熱処理を行い、ガラスセラミックスを得た。得られた粉末の結晶化は、X線測定(XRD測定)により確認し、高イオン伝導性結晶(チオリシコンII型結晶)を有していることを確認した。得られたガラスセラミックスのイオン伝導度は3.9×10−4S/cmであった。
参考例5
[96.9(0.75LiS/0.25P)・3.1LiOH]
[LiS:P:LiOH=75.0:25.0:3.20]
製造例1で製造した高純度硫化リチウムを0.3817g(8.307mmol)、五硫化二燐(サーモフォス社製)を0.6099g(2.744mmol)、LiOHを0.0084g(0.3507mmol)使用したこと以外は、参考例1と同様にして、硫化物ガラスを得た。
メカニカルミリング処理して得られた白黄色の粉体のガラス化(硫化物ガラス)は、X線測定(XRD測定)により確認した。この硫化物ガラスの結晶化温度をTG−DTA測定により測定したところ、231℃であった。また、得られた硫化物ガラスのイオン伝導度は、5.1×10−4S/cmであった。
得られた硫化物ガラス1.0gをシュレンク管の中に入れ、231℃のオイルバスにつけ2時間真空熱処理を行い、ガラスセラミックスを得た。得られた粉末の結晶化は、X線測定(XRD測定)により確認し、低イオン伝導性結晶(チオリシコンIII型結晶)を有していることを確認した。得られたガラスセラミックスのイオン伝導度は5.7×10−4S/cmであった。
実施例4
[97(0.80LiS/0.20P)・3LiOH]
[LiS:P:LiOH=80.0:20.0:3.09]
製造例1で製造した高純度硫化リチウム0.4508g(9.811mmol)と五硫化二燐(サーモフォス社製)0.5402g(2.430mmol)とLiOH0.0090g(0.3758mmol)をよく混合した。この混合した粉末と直径10mmのジルコニア製ボール10ケを遊星型ボールミル(フリッチュ社製:型番P−7)アルミナ製ポットに投入し完全密閉するとともにこのアルミナ製ポット内に窒素を充填し、窒素雰囲気にした。
はじめの10分間は、遊星型ボールミルの回転を低速回転(100rpm)にして硫化リチウムと五硫化二燐とLiOHを十分混合した。その後、徐々に遊星型ボールミルの回転数を上げ370rpmまで回転数を上げた。遊星型ボールミルの回転数を370rpmで40時間メカニカルミリングを行い、白黄色の粉体である硫化物ガラスを得た。
メカニカルミリング処理して得られた白黄色の粉体のガラス化(硫化物ガラス)は、X線測定(XRD測定)により確認した。この硫化物ガラスの結晶化温度をTG−DTA測定により測定したところ、234℃であった。また、得られた硫化物ガラスのイオン伝導度は、3.7×10−4S/cmであった。
得られた硫化物ガラス1.0gをシュレンク管の中に入れ、234℃のオイルバスにつけ2時間真空熱処理を行い、ガラスセラミックスを得た。得られた粉末の結晶化は、X線測定(XRD測定)により確認した。低イオン伝導性結晶(チオリシコンIII型結晶)のみ、及び高イオン伝導性結晶(チオリシコンII型結晶)のみとは異なる結晶構造を有していることを確認した。得られたガラスセラミックスのイオン伝導度は7.5×10−4S/cmであった。
実施例5
[95(0.80LiS/0.20P)・5LiOH]
[LiS:P:LiOH=80.0:20.0:5.26]
製造例1で製造した高純度硫化リチウムを0.4479g(9.748mmol)、五硫化二燐(サーモフォス社製)を0.5369g(2.415mmol)、LiOHを0.0152g(0.6347mmol)使用したこと以外は、実施例4と同様にして、硫化物ガラスを得た。
メカニカルミリング処理して得られた白黄色の粉体のガラス化(硫化物ガラス)は、X線測定(XRD測定)により確認した。この硫化物ガラスの結晶化温度をTG−DTA測定により測定したところ、230℃であった。また、得られた硫化物ガラスのイオン伝導度は、3.1×10−4S/cmであった。
得られた硫化物ガラス1.0gをシュレンク管の中に入れ、230℃のオイルバスにつけ2時間真空熱処理を行い、ガラスセラミックスを得た。得られた粉末の結晶化は、X線測定(XRD測定)により確認した。低イオン伝導性結晶(チオリシコンIII型結晶)のみ、及び高イオン伝導性結晶(チオリシコンII型結晶)のみとは異なる結晶構造を有していることを確認した。得られたガラスセラミックスのイオン伝導度は9.3×10−4S/cmであった。
実施例6
[93(0.80LiS/0.20P)・7LiOH]
[LiS:P:LiOH=80.0:20.0:7.53]
製造例1で製造した高純度硫化リチウムを0.4450g(9.685mmol)、五硫化二燐(サーモフォス社製)を0.5334g(2.400mmol)、LiOHを0.0216(0.9019mmol)使用したこと以外は、実施例4と同様にして、硫化物ガラスを得た。
メカニカルミリング処理して得られた白黄色の粉体のガラス化(硫化物ガラス)は、X線測定(XRD測定)により確認した。この硫化物ガラスの結晶化温度をTG−DTA測定により測定したところ、222℃であった。また、得られた硫化物ガラスのイオン伝導度は、2.4×10−4S/cmであった。
得られた硫化物ガラス1.0gをシュレンク管の中に入れ、222℃のオイルバスにつけ2時間真空熱処理を行い、ガラスセラミックスを得た。得られた粉末の結晶化は、X線測定(XRD測定)により確認し、高イオン伝導性結晶(チオリシコンII型結晶)を有していることを確認した。得られたガラスセラミックスのイオン伝導度は7.9×10−4S/cmであった。
実施例7
[90(0.80LiS/0.20P)・10LiOH]
[LiS:P:LiOH=80.0:20.0:11.1]
製造例1で製造した高純度硫化リチウムを0.4405g(9.587mmol)、五硫化二燐(サーモフォス社製)を0.5279g(2.375mmol)、LiOHを0.0316(1.319mmol)使用したこと以外は、実施例4と同様にして、硫化物ガラスを得た。
メカニカルミリング処理して得られた白黄色の粉体のガラス化(硫化物ガラス)は、X線測定(XRD測定)により確認した。この硫化物ガラスの結晶化温度をTG−DTA測定により測定したところ、214℃であった。また、得られた硫化物ガラスのイオン伝導度は、1.7×10−4S/cmであった。
得られた硫化物ガラス1.0gをシュレンク管の中に入れ、214℃のオイルバスにつけ2時間真空熱処理を行い、ガラスセラミックスを得た。得られた粉末の結晶化は、X線測定(XRD測定)により確認し、高イオン伝導性結晶(チオリシコンII型結晶)を有していることを確認した。得られたガラスセラミックスのイオン伝導度は5.6×10−4S/cmであった。
本発明の固体電解質を用いた電池は、携帯情報端末、携帯電子機器、家庭用小型電力貯蔵装置、モーターを電力源とする自動二輪車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等の電池として用いることができる。

Claims (19)

  1. Li、P、S、O、Hを含み、各元素のモル比が下記式(1)〜(5)を満たし、前記O及びHがLiOH由来のものである、固体電解質。
    Li:P:S:O:H=(160+2k+L):(40−2k):(180−4k):M:N (1)
    −1.5≦k≦1.5 (2)
    0≦L≦M+N (3)
    2≦M≦60 (4)
    2≦N≦60 (5)
  2. Li、P、S、O、Hを含み、各元素のモル比が下記式(1)〜(5)を満たし、前記O及びHがLiOH由来のものであり、
    前記Li、P、S、O、Hを、Li S、P 、LiOHで換算すると、Li S、P 、LiOHのモル比が、下記式(6)、(2)、(4)を満たす固体電解質。
    Li:P:S:O:H=(160+2k+L):(40−2k):(180−4k):M:N (1)
    −1.5≦k≦1.5 (2)
    0≦L≦M+N (3)
    0<M≦100 (4)
    0<N≦100 (5)
    Li S:P :LiOH=(80+k):(20−k):M (6)
  3. さらに、ハロゲン元素を含む請求項1又は2記載の固体電解質。
  4. Li、P、S、O、Hの元素のみからなる請求項1又は2記載の固体電解質。
  5. 非結晶固体電解質である請求項1〜4のいずれか記載の固体電解質。
  6. 結晶固体電解質である請求項1〜4のいずれか記載の固体電解質。
  7. 結晶がチオリシコンII型結晶である請求項6記載の固体電解質。
  8. 結晶率が30%〜99%である請求項6又は7記載の固体電解質。
  9. 式(2)が、−1.0≦k≦1.0である請求項1〜8のいずれか記載の固体電解質。
  10. 式(3)が、0≦L≦M及び0≦L≦Nを満たす請求項1〜9のいずれか記載の固体電解質。
  11. 式(4)が、0<M≦60である請求項〜10のいずれか記載の固体電解質。
  12. 式(4)が、2≦M≦60である請求項11記載の固体電解質。
  13. 式(5)が、0<N≦60である請求項〜12のいずれか記載の固体電解質。
  14. 式(5)が、2≦N≦60である請求項13記載の固体電解質。
  15. 体積基準平均粒径が、0.01μm以上100μm以下の粒子である請求項1〜14のいずれか記載の固体電解質。
  16. Li、リン化合物及びLiOHを反応させ、請求項1〜15のいずれか記載の固体電解質を製造する、固体電解質の製造方法。
  17. 前記リン化合物が、Pである請求項16記載の固体電解質の製造方法。
  18. 請求項1〜15のいずれか記載の固体電解質を含む固体電解質層。
  19. 正極層、固体電解質層、及び負極層を含み、
    前記正極層、前記固体電解質層、及び前記負極層のうち少なくとも1つの層が請求項1〜15のいずれか記載の固体電解質を含む電池。
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