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JP6309474B2 - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents
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JP6309474B2 - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、内燃機関の空燃比制御装置に関し、特に内燃機関の排気系に配された三元触媒の浄化率を向上するように内燃機関に供給される混合気の空燃比を制御する内燃機関の空燃比制御装置に関する。
自動車用の内燃機関においては、排気系に排気ガス浄化用の三元触媒を配置して排気ガスの浄化を行う排気浄化システムが実用化されている。この排気ガス浄化システムは三元触媒を充填した触媒コンバータの上流に酸素濃度を測定する空燃比センサ(空燃比に対して比例した出力電圧を発生する)、或いはO2センサ(理論空燃比でスイッチ的に出力信号を発生する)を設け、排気ガス中の酸素濃度が所定値に収束するように燃料供給量をフィードバック制御している。このように三元触媒が効率よく機能するように排気ガスの酸素濃度を制御することで排気ガス中の有害成分を低減することが可能となる。
ところで、このような排気ガス浄化システムにおいては燃料供給系の劣化、空燃比センサの劣化、燃料供給部から空燃比センサまでの時間的な輸送遅れ等の原因によって三元触媒の触媒能力が充分に発揮されないという問題があった。このような問題を対策する方法として、内燃機関に供給される混合気の空燃比を強制振動させることにより三元触媒の浄化率を向上することが行われている。この方法はパータベーション制御と呼ばれ、触媒コンバータの下流側に理論空燃比でスイッチ的に出力が変化するO2センサを設け、供給される混合気の空燃比を強制的に振動させた場合に、その時のO2センサの出力によって空燃比振動(例えば、平均空燃比)による空燃比の強制変動状態を補正して、三元触媒の浄化効率が向上するように空燃比を補正するものである。(以下、この制御をパータベーション制御という。)
このような空燃比を強制的に振動させるパータベーション制御を実行する空燃比制御装置としては、例えば、特開平07−151002号公報(特許文献1)が知られている。三元触媒の浄化率は排気ガス量に代表される内燃機関の運転状態や三元触媒の温度、劣化状態などによって変化するにも拘らず、取り得る強制振動の周波数、振動の組み合わせにおける比例項ゲイン、リーンリッチ反転ディレイ時間等の組み合わせが固定されているために、内燃機関の運転状態や触媒コンバータの状態が変更されたときに、必ずしも浄化率を高い状態に維持するように制御することができないといった問題があった。そこで、特許文献1においては、内燃機関の運転状態や触媒コンバータの状態に応じたパータベーション制御を行なうことにより、三元触媒の浄化率を高く確保して排気ガスのエミッション特性を向上することができる内燃機関の空燃比制御装置を提案している。詳細は特許文献1を参照されたい。
特開平07−151002号公報
特許文献1において、例えば三元触媒の劣化時に触媒内の酸素蓄積量が所定範囲外になるのでパータベーション制御の振幅と周波数を変更することが有利である。通常の運転状態であれば、パータベーション制御を用いることで排気ガス中の有害成分の低減効果が期待できるので、可能な限りパータベーション制御を実行させておくことが必要である。一方、パータベーション制御は三元触媒内に流入する空燃比(燃料濃度)を強制的に変更するので、λ=1(理論空燃比)近傍の目標空燃比を中心としてパータベーション制御を実行させることが望ましい。
ところで、このパータベーション制御は強制的に空燃比を振動させることで三元触媒の劣化等による排気浄化機能の悪化を補償するものである。しかしながら、このパータベーション制御は内燃機関の運転状態によって制御状態が左右されることがある。例えば、内燃機関の失火によって生じた排気ガス性状の変化に対して過剰に反応して、連続して失火を誘発する可能性が大きくなる。また、高負荷時にパータベーション制御を行うと空燃比変動に基づく運転性の悪化が生じる。例えば、ノッキングが発生する、或いはトルクサージを生じることがある。特に、パータベーション制御の周期とトルクサージの周期が同期すると、トルクサージが増幅されるようになる。
このように、パータベーション制御を行なうことによって異常な燃焼を行うようになり、パータベーション制御が燃焼状態に悪影響を与える現象が生じる。
本発明の目的は、燃焼状態に悪影響を与えない適切なパータベーション制御を実行することができる新規な内燃機関の空燃比制御装置を提供することにある。
本発明の特徴は、パータベーション制御を実行すると燃焼状態に悪影響を及ぼすことを燃焼状態や内燃機関の動作状態から判断し、これに基づいて燃焼状態が悪化しない方向に、パータベーション制御による空燃比振動の振幅、或いは周期、或いは周期と振幅を変更する、ところにある。
本発明によれば、燃焼状態に悪影響を与えない適切なパータベーション制御を実行することができる。
本発明が適用される内燃機関の排気浄化システムの構成を示す構成図である。 本発明が適用されるパータベーション制御の制御フローを示す制御フローチャート図である。 図2に示すパータベーション制御の振幅と周波数を説明する説明図である。 パータベーション制御の振幅と周波数を変更する制御フローを示す説明する制御フローチャート図である。 パータベーション制御の振幅と周波数、及びその影響度の相関を説明する説明図である。 ノッキング状態を検出する方法を説明する説明図である。 トルクサージ状態を検出する方法を説明する説明図である。 失火状態を検出する方法を説明する説明図である。 パータベーション制御の振幅を変更する方法を説明する説明図である。 パータベーション制御の周期を変更する方法を説明する説明図である。 本発明の第1の実施形態になるノッキングを生じた時のパータベーション制御の制御フローの前半部を示す制御フローチャート図である。 本発明の第1の実施形態になるノッキングを生じた時のパータベーション制御の制御フローの後半部を示す制御フローチャート図である。 本発明の第2の実施形態になるトルクサージを生じた時のパータベーション制御の制御フローの前半部を示す制御フローチャート図である。 本発明の第2の実施形態になるトルクサージを生じた時のパータベーション制御の制御フローの後半部を示す制御フローチャート図である。 本発明の第3の実施形態になる失火を生じた時のパータベーション制御の制御フローを示す制御フローチャート図である。
以下、本発明の実施形態について図を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
図1は本発明が適用される内燃機関の制御システムを示している。多気筒(ここでは4気筒)で構成される内燃機関1において、外部からの空気はエアクリーナ2を通過し、吸気管3、コレクタ4を経てシリンダー内に流入する。流入空気量はスロットル弁5により調節され、この調節された流入空気量が流量センサ6において検出される。また、図示しない吸気温センサで吸気温が検出される。スロットル弁5は電動機で駆動される電子スロットル弁でも良いものであり、最近ではこの電子スロットル弁が主流である。
クランク角センサ7ではリングギア8によってクランク軸の所定回転角、例えば10゜毎の信号と燃焼周期毎の信号が出力される。水温センサ30は内燃機関の冷却水温度を検出し、また、図示しないアクセル踏み込み量センサはアクセルの踏み込み量を検出し、それによって運転者の要求トルクを検出する。このアクセル踏み込み量センサの出力は制御装置18によって電子スロットル弁5の開度に変換され、これに基づいて電子スロットル弁5が制御される。
本実施例ではアクセル踏み込み量センサの信号を用いて加速運転の判断を行なうように構成されている。アクセル踏み込み量センサは運転者の運転操作の意図を最も早く反映させることができるので、加速運転の判断に用いるのが望ましいものである。
燃料タンク9内の燃料は、燃料ポンプ10によって、吸引、加圧された後、プレッシャーレギュレータ11を備えた燃料配管12を通って燃料噴射弁13の燃料入口に導かれると共に、余分な燃料は燃料タンク9に戻される。
内燃機関の燃焼状態を直接或いは間接的に把握(これは検知する概念も含む)するため、内燃機関の機械的振動を計測する振動検出型のノックセンサ14が内燃機関1の適宜位置(通常はシリンダブロック)に備えられている。このノックセンサ14は非共振型のノックセンサであり、広い周波数帯域にわたって振動を検出することができるものである。
排気系には三元触媒コンバータ15が取り付けられており、排気ガスは三元触媒コンバータ15で浄化された後に大気に排出される。三元触媒コンバータ15の上流には上流側空燃比センサ16が設けられており、本実施例では上流側空燃比センサ16として空燃比に応じて連続的な検出信号を出力する空燃比センザ16が使用されている。また、三元触媒コンバータ15の下流には下流側空燃比センサ17が設けられており、本実施例では下流側空燃比センサ17として理論空燃比近傍でスイッチ的な検出信号を出力するO2センサ17が設けられている。
スロットル弁5に取り付けられたスロットル開度センサ、流量センサ6、クランク角センサ7、アクセル踏み込み量センサ、吸気温センサ、水温センサ30、ノックセンサ14、空燃比センサ16、O2センサ17等のそれぞれの信号は後述の制御装置18に送られ、これらセンサ出力から内燃機関の運転状態を検出し、空気量、燃料噴射量、点火時期等の内燃機関の主要な操作量が適切に演算されるものである。
制御装置18内で演算された目標空気量は、目標スロットル開度から電子スロットル駆動信号に変換され、スロットル弁5を駆動する電動機に送られる。また、制御装置18内で演算された燃料噴射量は、開弁パルス信号に変換され、燃料噴射弁(インジェクタ)13に送られる。更に、制御装置18で演算された点火時期は、通電開始角と通電角に変換された点火信号として点火コイル19に送られ点火プラグ20で発火される。
そして、燃料噴射弁13から噴射された燃料は吸気マニホールドからの空気と混合され内燃機関1のシリンダー内に流入して混合気を形成する。混合気は点火プラグ20によって所定の点火時期で発生される火花により燃焼、爆発し、その燃焼圧によりピストンを押し下げて内燃機関の動力となる。爆発後の排気ガスは排気管21を経て三元触媒が充填された三元触媒コンバータ15に送り込まれる。
三元触媒コンバータ15の上流に設けた空燃比センサ16は触媒に流入する前の排気ガスの空燃比を検出し、三元触媒コンバータ15の下流に設けたO2センサ17は三元触媒で浄化された後の排気ガスの空燃比を検出するものである。空燃比センサ16によって検出された空燃比は燃料噴射弁13から噴射される燃料の量を補正するのに使用され、いわゆる空燃比フィードバック制御が実行される。ここで、O2センサ17は三元触媒コンバータ15内の三元触媒の酸素蓄積量を求めるために使用されるもので、酸素蓄積量を最適に制御することで三元触媒の浄化率を最も効率の良い状態に制御するものである。
制御装置18には、空気流量センサ6、三元触媒コンバータ15の上流側の空燃比センサ16及び下流側のO2センサ17、アクセル踏み込み量センサ、水温センサ30、スロットル開度センサ、吸気温センサ、ノックセンサ14等の各センサ出力値がアナログ入力部22に入力されている。また、クランク角センサ7の角度信号等のディスクリート信号はデジタル入力部23に入力されている。
アナログ入力部22に入力されたセンサ信号はノイズ除去等の信号処理を行った後、A/D変換器24でA/D変換されてRAM25に保管される。同様にデジタル入力部23に入力された角度信号は入出力ポート26を介してこれもRAM25に保管される。RAM25に保管された検出信号はMPU27内で演算処理される。MPU27は各種の制御信号を生成するための演算を実行するものである。
演算処理の内容を記述した制御プログラムはROM28に予め書き込まれており、制御プログラムに従ってMPU27で演算された各アクチュエータの作動量を表す制御値はRAM25に保管された後、入出力ポート26に送られる。
点火プラグ20の作動信号は出力回路29内の点火制御部に送られ、一次側コイルの通流時はONとなり、非通流時はOFFとなるON-OFF信号がセットされる。点火制御部にセットされた点火信号は点火コイル19で点火プラグ20を発火させるのに必要なエネルギーに増幅され点火プラグ20に供給される。
また、燃料噴射弁13の駆動信号は出力回路29内の燃料制御部に送られ、開弁時ON、閉弁時OFFとなるON-OFF信号がセットされる。燃料制御部にセットされた噴射信号は燃料噴射弁13に送られる。その他の制御機器も同様にして駆動される。
以上のような制御システムは基本的には良く知られているシステムであるのでこれ以上の説明は省略する。但し、図1で示した制御装置18が実行する制御機能の内で、燃料制御機能として、混合気の空燃比を強制振動(パータベーション制御)させることにより触媒コンバータの浄化率を向上する機能が組み込まれている。パータベーション制御についての詳細は特許文献1に記載されているが、以下簡単に説明する。
酸素利用率を用いた空燃比(A/F)の強制振動(パータベーション)処理について説明する。(尚、酸素利用率については特許文献1に詳細に説明されているので参照されたい。)図2はパータベーション制御の処理を示すフローチャートであり、図3は空燃比の強制振動の振幅、周期を示すタイミングチャートである。ここで、パータベーション制御は、基本的には燃料噴射時間T(OUT)のパータベーション係数Kp値の振幅、周期を変更して行うことができる。燃料噴射時間T(OUT)は、基本噴射時間Tp、或いは最終燃料噴射時間Tiにパータベーション係数Kpを反映して求められる。そして、このパータベーション係数KPが周期的に増減され、これによって燃料噴射量は周期的に増減されることになる。
まず、図2のステップS50で空燃比をリッチからリーンに切り替えるためのダウンタイマtPRの値が「0」になったかどうかを判別し、値「0」になっていなければ本ルーチンを終了する。次に値「0」になっているときには、ステップS51でリーンからリッチに切り替えるためのダウンタイマtPLの値が「0」になったかどうかを判別し、値「0」になっていなければ本ルーチンを終了する。
値「0」になっていれば、ステップS52でフラグFpertが値「0」であるかどうかを判別する。フラグFpertが値「0」であるときには、ステップS53で周期tpertRをダウンタイマtPRにセットし、ステップS54でパータベーション係数Kpに値「1+Kpert」を設定して空燃比をリッチ側に振動させる。そして、ステップ55でフラグFpertを値「1」にセットして本ルーチンを終了する。
一方、ステップS52においてフラグFpertが値「1」であるときは、ステップS56で周期tpertLをダウンカウンタtPLにセットし、ステップS57でパータベーション係数Kpに値「1−Kpert」を設定して空燃比をリーン側に振動させる。そして、ステップS58でフラグFpertを値「0」にリセットして本ルーチンを終了する。したがって、本ルーチンの実行によりパータベーション係数Kpは図3にある通り、値「1.0」を中心に振幅Kpert、周期tpertR+tpertLで振動する波形となる
次にパータベーション制御で用いられる振幅Kpert、周期tpertR、tpertLを酸素利用率で変更する処理について説明する。図4は振幅Kpert、周期tpertR、tpertLの変更ルーチンを示すフローチャートである。まず、ステップ60で吸気管圧力Pb、エンジン回転数Ne、車速Vなどが安定し、パータベーション制御を実行する運転領域にあるかどうかを判別する。この運転領域にないときは、ステップ61でそのときの振幅Kpert、周期tpertR、tpertLを学習値として記憶して本ルーチンを終了する。
ステップS60でパータベーション制御を実行する運転領域にあるときには、ステップS62で三元触媒コンバータ15の下流側にあるO2センサ17による空燃比フィードバック制御(O2フィードバック)を実行中であるかどうかを判別する。空燃比フィードバック制御を実行していないときには前述のステップS61で振幅Kpert、周期tpertR、tpertLを学習値として記憶して本ルーチンを終了する。
空燃比フィードバック制御を実行しているときには、ステップS63で酸素利用率O2USERの変化量ΔO2USERの値が「0」より大きいかどうか、即ち酸素利用率O2USERが増加方向にあるかあるいは減少方向にあるか否かを判別する。酸素利用率O2USERの値が増加方向にあるときには、ステップS64、S65で周期tpertR、tpertLをそれぞれ△tPR、△tPLだけ増加し、ステップS66で振幅Kpertを△Kpだけ増加する。
また、ステップS63において酸素利用率O2USERの値が減少方向にあるときには、ステップS67、S68で周期tpertR、tpertLをそれぞれ△tPR、△tPLだけ減少させ、ステップS69で振幅Kpertを△Kpだけ減少させる。次に、増減された振幅Kpert及び周期tpertR、tpertLがそれぞれのリミット値を越えたかどうかを判別し、越えている場合にはステップS70でリミット処理を行い、更にステップS71で振幅Kpertおよび周期tpertR、tpertLを学習して記憶して本ルーチンを終了する。
上述したようにパータベーション制御による空燃比の強制振動においては、空燃比振動の振幅と周期は図5に示すような特性を備えている。図5に示すように、パータベーション制御による空燃比振動の振幅が大きいとパータベーション作用が大きくなり、逆に空燃比振動の振幅が小さいとパータベーション作用が小さくなる。
また、図5に示すように、パータベーション制御による空燃比振動の周期が短い(=周波数が高い)とパータベーション作用が小さくなり、逆に空燃比振動の周期が長い(=周波数が低い)とパータベーション作用が大きくなる。
以上のような制御を実行するパータベーション制御においては、上述したように、内燃機関の動作状態によって制御状態が左右されることがある。例えば、内燃機関の失火によって生じた排気ガス性状の変化に対して過剰に反応して、連続して失火を誘発する可能性が大きくなる。また、高負荷時にパータベーションを行うと空燃比変動に基づく運転性の悪化が生じる。例えば、ノッキングが発生する、或いはトルクサージを生じることがある。特に、パータベーションの周期とトルクサージの周期が同期すると、トルクサージが増幅されるようになる。
このように、パータベーション制御を行なうことによって異常な燃焼を行うようになり、パータベーション制御が燃焼状態に悪影響を与える現象が生じる。
そこで本実施例では、パータベーション制御を実行すると燃焼状態に悪影響を及ぼすことを燃焼状態や内燃機関の動作状態から判断し、これに基づいて燃焼状態が悪化しない方向に、パータベーション制御による空燃比振動の振幅、或いは周期、或いは周期と振幅を変更することで、燃焼状態に悪影響を与えない適切なパータベーション制御を実行することができるようにしている。以下、本実施例を詳細に説明する。
まず、パータベーション制御を実行すると燃焼状態に悪影響を及ぼすことを燃焼状態や内燃機関の動作状態から判断する方法を説明する。本実施例では、代表的な異常燃焼状態として、失火を発生する燃焼状態、ノッキングを発生する燃焼状態、トルクサージを発生する燃焼状態を例にとって説明する。尚、本実施例では、これらの3つの異常燃焼状態を検出するために燃焼圧センサを単独で使用して異常燃焼状態を検出するようにしている。
燃焼圧センサを使用すると、燃焼圧のピークや燃焼圧の変動周期等を検出できるので失火、ノッキング、トルクサージを検出できるものである。
例えば、失火を生じると燃焼圧が下降するので、この燃焼圧の下降状態を検出すれば失火を検出でき、また、燃焼圧の下降状態の量から重大な失火、或いは中程度の失火を判断することができる。また、ノッキングを生じると燃焼圧が上昇するので、この燃焼圧の上昇状態を検出すればノッキングを検出でき、更に、この燃焼圧の上昇状態から重大なノック、中程度のノック、小程度のノックを判断することができる。また、トルクサージを生じると所定値以上の燃焼圧の変動が周期的に表れるので、この所定値以上の燃焼圧変動や周期を検出すれば、重大なトルクサージ、中程度のトルクサージ、軽微なトルクサージの判断をすることができる。
図6は、いずれかの気筒でノッキングが発生した時の燃焼圧の変化を示している。ノッキングは平均空燃比がリーンの状態で発生しやすく、ノッキングが発生すると異常燃焼によって燃焼圧が大きく上昇する。そして、この燃焼圧の大きさを所定の閾値と比較することでノッキングを検出できる。本実施例では重大なノック、中程度のノック、小程度のノックを検出している。
尚、本実施例では重大なノックの場合は閾値Khを設定し、中程度のノック、小程度のノックの場合は前回と今回の燃焼圧力の変動量Ks1、Ks2から求めるようにしている。この所定のKh、Ks1、Ks2の閾値は後述する制御フローの制御ステップで使用される。ただ、図6に示すように、中程度のノックの場合は閾値Kl、小程度のノックの場合は閾値Ktを設定することもでき、これらはKh>Kl>Ktの関係を備えている。よって、これらを使用して重大なノック、中程度のノック、小程度のノックを検出することもできる。
図7は、トルクサージが発生した時の燃焼圧の変化を示している。トルクサージは空燃比の変動で生じやすく、トルクサージが発生すると燃焼圧が周期的に変動する。この燃焼圧の変動幅を所定の変動量の閾値Sb1、Sb2と比較し、更にこの変動が周期的に発生することを周期F1〜F2と比較して重大なトルクサージ、中程度のトルクサージ、主尾程度のトルクサージを検出できる。この所定の変動量の閾値Sb1、Sb2、周期F1〜F2は後述する制御フローの制御ステップで使用される。
図8は、いずれかの気筒で失火が発生した時の燃焼圧の変化を示している。失火は空燃比の過剰リッチ、或いは過剰リーンによって生じやすく、失火が発生すると異常燃焼によって燃焼圧が大きく下降する。本実施例では重大な失火と中程度の失火を検出しており、夫々に対応して前回と今回の燃焼圧力の変動量から夫々の失火を求めるようにしている。つまり、この燃焼圧の変動量の大きさを所定の閾値Ms1、Ms2と比較することで失火を検出できる。この所定の閾値Ms1、Ms2は後述する制御フローの制御ステップで使用される。また、図8に示すように重大な失火の場合は閾値Mh、中程度の失火の場合は閾値Mtという絶対値を設定し、検出された燃焼圧の大きさと比較することで失火を検出することもできる。これらはMh>Mtの関係を備えており、これらを使用して重大な失火、或いは中程度の失火を検出することができる。
次にパータベーション制御を変更する変更例を説明する。図9はパータベーション制御の振幅を変更する例を示しており、左側は振幅が大きいパータベーション制御であり、右側は振幅が小さいパータベーション制御を示している。このように、振幅が小さいほどパータベーション制御に基づく燃焼への影響度は小さくなるものである。
図10はパータベーション制御の周波数(周期)を変更する例を示しており、右側は周波数が低いパータベーション制御であり、左側は周波数が高いパータベーション制御を示している。このように、周波数が高いほどパータベーション制御に基づく燃焼への影響度は小さくなるものである。
したがって、本実施例ではノッキング、トルクサージ、失火等の異常燃焼が生じた時、或いは異常燃焼を生じようとしている時に、パータベーション制御による燃焼への影響度を小さくするため、上述したパータベーション制御の振幅、或いは周波数、或いは振幅と周波数を変更することを特徴としている。
以下、本発明の実施形態を制御フローチャートを用いて詳細に説明する。ここで、図11A、図11Bはノッキングが生じた時の制御フローチャートであり、図12A、図12Bはトルクサージが生じた時の制御フローチャートであり、図13は失火が生じた時の制御フローチャートである。
図11A、11Bはノッキングが生じた時の制御フローであり、以下、制御ステップ毎に詳細に説明する。ここで、この制御フローはノッキングを検出するため機関回転に同期した角度割り込みで起動されているが、時間的に可能であれば時間割り込みで実行することも可能である。いずれにしても、適用されるシステムに対応して角度割り込みか、時間割り込みによって起動されるものである。
≪ステップS10≫
ステップS10においては、内燃機関の冷却水温度が所定温度以上に上昇したかどうかを判断している。冷却水温度が所定温度以上であれば次のステップに移行し、所定温度以下であれが次のステップに移行しないで、冷却水温度が所定温度に達するまで待機する。つまり、パータベーション制御は基本的には三元触媒の浄化率を向上するために行う制御なので、内燃機関が暖機してO2フィードバック制御が可能となった時点から行われるものである。暖機が終了するとステップS11に移行する。
≪ステップS11≫
ステップS11においては、暖機が終了しているためO2フィードバック制御の実行が開始され、これに伴ってパータベーション制御の実行も開始される。パータベーション制御は図2及び図4に示されているものであり、ここではその説明は省略する。パータベーション制御が実行されると次にステップS12に移行する。
≪ステップS12≫
ステップS12においては、各気筒に設けた燃焼圧センサによって各気筒の燃焼圧が順次検出されている。特に圧縮行程から膨張行程の間での燃焼圧が燃焼の異常状態を表しているので、少なくとも各気筒に設けた燃焼圧センサは、圧縮行程から膨張行程の間の燃焼圧を検出している。各気筒の作動順序は決まっているので、クランク角センサ等によって気筒毎の圧縮行程から膨張行程の間の燃焼圧を簡単に検出することができる。この燃焼圧の検出が開始されると以下のステップに移行する。
尚、重大なノックが発生していると機関が損傷する恐れが大きく緊急性が高いので、以下に述べるステップS13、S14、S15、S16は優先して実行されている。
≪ステップS13≫
ステップS13においては、パータベーション制御を実行している条件下で重大なノックが生じているかどうかを判断している。この判断は図6に示した閾値Khと検出された燃焼圧の値を比較することによって行うことができる。この判断は上述したように各気筒の作動順序にしたがって実行されるものである。このステップS13で重大なノックが生じていると判断されるとステップS14に移行し、重大なノックが生じていないと判断されるステップS17に移行する。
≪ステップS14≫
ステップS13で重大なノックが生じていると判断されると、ステップS14では現時点で実行しているパータベーション制御を停止する処理を実行する。つまり、このパータベーション制御を停止する理由は、パータベーション制御を実行した結果によって重大なノックが生じたものであるので、パータベーション制御による燃焼制御を停止すればノッキングが生じない燃焼状態に戻せるという理由からである。したがって、ステップS14でパータベーション制御を停止することによって重大なノックは消滅する。
≪ステップS15≫
一方、ステップS13で重大なノックが生じていないと判断されると、ステップS15ではパータベーション制御が停止中かどうかを判断している。これは、先のステップS14の実行をクリアするためのものである。この判断は、ステップS14の処理を実行するとフラグを立て、このフラグを監視することで判断することができる。したがって、ステップS14でパータベーション制御が停止されているとステップS16に移行するものである。尚、パータベーション制御が停止されていないと判断されるとステップS17に移行する。
≪ステップS16≫
ステップS16においては、ステップS14によって停止されていたパータベーション制御の停止動作を解除し、パータベーション制御を再開するものである。これは、既に重大なノックが消滅したものとして、本来のパータベーション制御を実行するものである。パータベーション制御が再開されるとステップS17に移行する。
≪ステップS17≫
ステップS17においては、現在の内燃機関の状態が定常状態かどうかを判定している。この定常状態の判定は、車速変化幅が所定値以下で、かつ機関回転数変化幅が所定値以下の場合は定常状態と判定されている。このステップS15で定常状態と判定されればステップS18に移行し、過渡状態と判定されれば再びステップS13に移行する。
≪ステップS18≫
ステップS18においては、内燃機関の回転が所定区間に亘って回転したかどうかを判定している。本実施例では、この所定区間は回転角度が2回転の角度に相当するだけ回転したかどうかで判断している。所定区間に亘って回転したと判定するとステップS19に移行し、そうでないと判定すると再びステップS13に移行する。
≪ステップS19≫
ステップS18で所定区間に亘って回転したと判定されると、ステップS19では前回の燃焼圧と今回の燃焼圧の上昇量(差分)が所定の閾値Ksl以上かどうかを判断する。尚、閾値Kslは変動量であるので燃焼圧の絶対値ではない。このステップS19は中程度のノックの状態を判断するもので、中程度のノックが生じてといると判断されるとステップS20に移行し、中程度のノックが生じていないと判断されるとステップS21に移行する。
≪ステップS20≫
ステップS19で中程度のノックが生じていると判断されると、ステップS20では現時点で実行しているパータベーション制御の振幅を、図9に示すように小さくする処理を実行する。つまり、このパータベーション制御の振幅を小さくする理由は、パータベーション制御を実行した結果によって中程度のノックが生じたものであるので、パータベーション制御による燃焼制御の影響を小さくすれば、中程度のノックを生じない燃焼状態に近づけることができるという理由からである。したがって、ステップS20でパータベーション制御の振幅を小さくすると中程度のノックは消滅する。尚、この振幅を小さくする量は後述する小程度のノックの場合に比べて大きいものである。例えば、通常のパータベーション制御の振幅に比べて60%程度の振幅に変更されるものである。また、リッチ側とリーン側では同じ振幅量に設定している。このパータベーション制御の振幅を小さくする処理を実行すると、エンドに抜けてこの制御フローを終了するものである。
≪ステップS21≫
ステップS19で中程度のノックが生じていないと判断されると、ステップS21に移行する。ステップS21では前回の燃焼圧と今回の燃焼圧の上昇量(差分)が所定の閾値Kst以上かどうかを判断する。尚、閾値Kstは変動量であるので燃焼圧の絶対値ではない。このステップS21は小程度のノック状態を判断するもので、小程度のノックが生じてといると判断されるとステップS22に移行し、小程度のノックが生じていないと判断されるとステップS23に移行する。
≪ステップS22≫
ステップS21で小程度のノックが生じていると判断されると、ステップS22では現時点で実行しているパータベーション制御の振幅を小さくする処理を実行する。つまり、このパータベーション制御の振幅を小さくする理由は、パータベーション制御を実行した結果によって小程度のノックが生じたものであるので、パータベーション制御による燃焼制御の影響を小さくすれば、小程度のノックを生じない燃焼状態に近づけることができるという理由からである。したがって、ステップS22でパータベーション制御の振幅を小さくすると小程度のノックは消滅する。尚、この振幅を小さくする量は中程度のノックの場合に比べて小さいものである。例えば、通常のパータベーション制御の振幅に比べて80%程度の振幅に変更されるものである。また、リッチ側とリーン側では同じ振幅量に設定している。このパータベーション制御の振幅を小さくする処理を実行すると、エンドに抜けてこの制御フローを終了するものである。
≪ステップS23≫
ステップS21で小程度のノックがないと判断されるステップS23の処理が実行される。ステップS23においては、ステップS19、S20によってパータベーション制御の振幅の縮小があったか、或いはステップS21、S22によってパータベーション制御の振幅の縮小があったかを判断している。この場合、ステップS20、S22で振幅の縮小を行ったフラグを立てておけばこの判断が可能となる。振幅を縮小したと判断されるとステップS24に移行し、振幅を縮小していないと判断されるとエンドに抜けてこの制御フローを終了するものである。
≪ステップS24≫
ステップS23で振幅を縮小したと判断されるとステップS24に移行するが、このステップS24では、前回の振幅に対して所定量の振幅量を加算して振幅を元に戻していくものである。ここで、リッチ側とリーン側では同じ振幅量に設定しているが、通常時の振幅量を上限としている。このパータベーション制御の振幅を元に戻す処理を実行すると、エンドに抜けてこの制御フローを終了するものである。
以上の通り、パータベーション制御を実行している状態下でノッキングを発生すると、ノッキングを抑制する方向にパータベーション制御による空燃比振動の振幅を変更するようにした。これによって、ノッキングが生じない適切なパータベーション制御を実行することができるようになる。
次に、トルクサージが生じた時の制御フローチャートについて説明する。図12A、12Bはトルクサージが生じた時の制御フローであり、以下、制御ステップ毎に詳細に説明する。
≪ステップS10≫、≪ステップS11≫、≪ステップS12≫、≪ステップS17≫、≪ステップS18≫
これらのステップは図11Aに示した制御ステップと同じなので説明は省略する。
≪ステップS30≫
ステップS30では各気筒の圧力変動幅が所定の変動幅Sb1以上かどうかを判断する。尚、閾値Sb1は変動幅であるので燃焼圧の絶対値ではない。このステップS30は大きなトルクサージが生じている状態を判断するもので、大きなトルクサージが生じてといると判断されるとステップS31に移行し、大きなトルクサージが生じていないと判断されるとステップS32に移行する。
≪ステップS31≫
ステップS30で大きなトルクサージが生じていると判断されると、ステップS31では現時点で実行しているパータベーション制御の振幅を、図9に示すように小さくする処理を実行する。つまり、このパータベーション制御の振幅を小さくする理由は、パータベーション制御を実行した結果によって大きなトルクサージが生じたものであるので、パータベーション制御による燃焼制御の影響を小さくすれば大きなトルクサージを生じない燃焼状態に近づけることができるという理由からである。したがって、ステップS31でパータベーション制御の振幅を小さくすると、大きなトルクサージは消滅する。尚、この振幅を小さくする量は後述する中程度のトルクサージの場合に比べて大きいものである。例えば、通常のパータベーション制御の振幅に比べて60%程度の振幅に変更されるものである。また、リッチ側とリーン側では同じ振幅量に設定している。このパータベーション制御の振幅を小さくする処理を実行すると、次のステップS36に移行するものである。
≪ステップS32≫
ステップS30で大きなトルクサージが生じていないと判断されると、ステップS32に移行する。ステップS32では各気筒の圧力変動幅が所定の変動幅Sb2以上かどうかを判断する。このステップS32は中程度トルクサージが生じている状態を判断するもので、中程度のトルクサージが生じてといると判断されるとステップS33に移行し、中程度のトルクサージが生じていないと判断されるとステップS34に移行する。
≪ステップS33≫
ステップS32で中程度のトルクサージが生じていると判断されると、ステップS33では現時点で実行しているパータベーション制御の振幅を小さくする処理を実行する。つまり、このパータベーション制御の振幅を小さくする理由は、パータベーション制御を実行した結果によって中程度のトルクサージが生じたものであるので、パータベーション制御による燃焼制御の影響を小さくすれば、中程度のトルクサージを生じない燃焼状態に近づけることができるという理由からである。したがって、ステップS33でパータベーション制御の振幅を小さくすると中程度のトルクサージは消滅する。尚、この振幅を小さくする量は大きなトルクサージの場合に比べて小さいものである。例えば、通常のパータベーション制御の振幅に比べて80%程度の振幅に変更されるものである。また、リッチ側とリーン側では同じ振幅量に設定している。このパータベーション制御の振幅を小さくする処理を実行すると、次のステップS36に移行するものである。
≪ステップS34≫
ステップS32で中程度のトルクサージがないと判断されると、ステップS34の処理が実行される。ステップ34においては、ステップS30、S31によってパータベーション制御の振幅の縮小があったか、或いはステップS32、S33によってパータベーション制御の振幅の縮小があったかを判断している。この場合、ステップS31、S33で振幅の縮小を行ったフラグを立てておけばこの判断が可能となる。振幅を縮小したと判断されるとステップS35に移行し、振幅を縮小していないと判断されると次のステップS36に移行するものである。
≪ステップS35≫
ステップS34で振幅を縮小したと判断されるとステップS35に移行するが、このステップS35では、前回の振幅に対して所定量の振幅量を加算して振幅を元に戻していくものである。ここで、リッチ側とリーン側では同じ振幅量に設定しているが、通常時の振幅量を上限としている。このパータベーション制御の振幅を元に戻す処理を実行すると、次のステップS36に移行するものである。
≪ステップS36≫
以下に述べる、ステップS36以降の処理はトルクサージが更に小さい場合の処理である。よって、ステップS31、S33、S35の処理が終了すると、ステップ36では圧力変動周期が閾値F1〜F2の範囲内にあるかどうかを判断する。圧力変動周期が短いとトルクサージが生じていると判断し、逆に変動周期が長いと周期的なトルクサージではないと判断している。本実施例では圧力変動周期の閾値F1〜F2は3Hz〜7Hz程度に設定してある。そして、圧力変動周期が閾値F1〜F2の範囲内にあると判断されるとステップS37に移行し、圧力変動周期が閾値F1〜F2の範囲外にあると判断されるとステップS38に移行する。
≪ステップS37≫
ステップS36で圧力変動周期が閾値F1〜F2の範囲内にあると判断されると、ステップS37では現在のパータベーション制御の周期を、図10に示すように長い周期に変更する。現在のパータベーション制御を実行した結果によって小程度のトルクサージが生じたものであるので、パータベーション制御による燃焼制御の影響を変えてやれば小程度のトルクサージを消滅することができるという理由からである。したがって、ステップS37でパータベーション制御の周期を長くすると、小程度のトルクサージは消滅する。尚、この制御ステップではリッチ側とリーン側の周期は同じに設定されている。このパータベーション制御の周期を長くする処理を実行すると、エンドに抜けてこの制御フローを終了するものである。
≪ステップS38≫
ステップS36で圧力変動周期が閾値F1〜F2の範囲外と判断されるとステップS38の処理が実行される。ステップS38においては、ステップS37によってパータベーション制御の周期の延長があったかを判断している。この場合、ステップS37で周期の延長を行ったフラグを立てておけばこの判断が可能となる。周期を延長したと判断されるとステップS39に移行し、周期を延長していないと判断されるとエンドに抜けてこの制御フローを終了するものである。
≪ステップS39≫
ステップS38で周期を延長したと判断されるとステップS39に移行するが、このステップS39では、前回の周期に対して所定の時間を減算して周期を短くしていくものである。ここで、リッチ側とリーン側では同じ周期に設定しているが、通常時の周期を上限としている。このパータベーション制御の周期を元に戻す処理を実行すると、エンドに抜けてこの制御フローを終了するものである。
以上の通り、パータベーション制御を実行している状態下でトルクサージを発生すると、トルクサージを抑制する方向にパータベーション制御による空燃比振動の振幅、及び周期を変更するようにした。これによって、トルクサージが生じない適切なパータベーション制御を実行することができるようになる。
次に、失火が生じた時の制御フローチャートについて説明する。図13は失火が生じた時の制御フローであり、以下、制御ステップ毎に詳細に説明する。
≪ステップS10≫、≪ステップS11≫、≪ステップS12≫、≪ステップS17≫、≪ステップS18≫
これらのステップは図11Aに示した制御ステップと同じなので説明は省略する。
≪ステップS40≫
ステップS18で所定区間に亘って回転したと判定されると、ステップS40では前回の燃焼圧と今回の燃焼圧の下降量(差分)が所定の閾値Ms1以上かどうかを判断する。尚、閾値Ms1は変動量であるので燃焼圧の絶対値ではない。このステップS40は重大な失火の状態を判断するもので、重大な失火が生じてといると判断されるとステップS41に移行し、重大な失火が生じていないと判断されるとステップS42に移行する。
≪ステップS41≫
ステップS40で重大な失火が生じていると判断されると、ステップS41では現時点で実行しているパータベーション制御の振幅を、図9に示すように小さくする処理を実行する。つまり、このパータベーション制御の振幅を小さくする理由は、パータベーション制御を実行した結果によって重大な失火が生じたものであるので、パータベーション制御による燃焼制御の影響を小さくすれば失火を生じない燃焼状態に近づけることができるという理由からである。したがって、ステップS41でパータベーション制御の振幅を小さくすると重大な失火は消滅する。尚、この振幅を小さくする量は後述する中程度の失火の場合に比べて大きいものである。例えば、通常のパータベーション制御の振幅に比べて60%程度の振幅に変更されるものである。また、リッチ側とリーン側では同じ振幅量に設定している。このパータベーション制御の振幅を小さくする処理を実行すると、エンドに抜けてこの制御フローを終了するものである。
≪ステップS42≫
ステップS40で重大な失火が生じていないと判断されるとステップS42に移行する。ステップS42では前回の燃焼圧と今回の燃焼圧の下降量(差分)が所定の閾値Ms2以上かどうかを判断する。このステップS42は中程度の失火の状態を判断するもので、中程度の失火が生じてといると判断されるとステップS43に移行し、中程度の失火が生じていないと判断されるとステップS44に移行する。
≪ステップS43≫
ステップS42で中程度の失火が生じていると判断されると、ステップS42では現時点で実行しているパータベーション制御の振幅を小さくする処理を実行する。つまり、このパータベーション制御の振幅を小さくする理由は、パータベーション制御を実行した結果によって中程度の失火が生じたものであるので、パータベーション制御による燃焼制御の影響を小さくすれば中程度の失火を生じない燃焼状態に近づけることができるという理由からである。したがって、ステップS42でパータベーション制御の振幅を小さくすると中程度の失火は消滅する。尚、この振幅を小さくする量は重大な失火の場合に比べて小さいものである。例えば、通常のパータベーション制御の振幅に比べて80%程度の振幅に変更されるものである。また、リッチ側とリーン側では同じ振幅量に設定している。このパータベーション制御の振幅を小さくする処理を実行すると、エンドに抜けてこの制御フローを終了するものである。
≪ステップS44≫
ステップS42で中程度の失火がないと判断されると、ステップS44の処理が実行される。ステップS44においては、ステップS40、S41によってパータベーション制御の振幅の縮小があったか、或いはステップS42、S43によってパータベーション制御の振幅の縮小があったかを判断している。この場合、ステップS41、S43で振幅の縮小を行ったフラグを立てておけばこの判断が可能となる。振幅を縮小したと判断されるとステップS45に移行し、振幅を縮小していないと判断されるとエンドに抜けてこの制御フローを終了するものである。
≪ステップS45≫
ステップS44で振幅を縮小したと判断されるとステップS45に移行するが、このステップS45では、前回の振幅に対して所定量の振幅量を加算して振幅を元に戻していくものである。ここで、リッチ側とリーン側では同じ振幅量に設定しているが、通常時の振幅量を上限としている。このパータベーション制御の振幅を元に戻す処理を実行すると、エンドに抜けてこの制御フローを終了するものである。
以上の通り、パータベーション制御を実行している状態下で失火を発生すると、失火を抑制する方向にパータベーション制御による空燃比振動の振幅を変更するようにした。これによって、失火が生じない適切なパータベーション制御を実行することができるようになる。
上記した実施例においては、燃焼圧センサを用いてノッキング、トルクサージ、失火を検出しているが、ノッキングについてはノックセンサを用いて検出することもできる。また、トルクサージや失火についてはクランク角センサによって回転変動を求め、この回転変動から検出することができる。
更に、ノッキングやトルクサージは、回転数と負荷のマップによってノッキングが生じやすい運転領域や、トルクサージが生じやすい領域を予め実機で求めておき、この運転領域に達するとノッキングやトルクサージが発生しやすいと判断させることも可能である。
更に、本実施例では、ノッキング状態、トルクサージ状態、失火状態で夫々個別の制御フローを実行しているが、ステップS18の後段に、ノッキング状態、トルクサージ状態、失火状態を順次割り振る割り振り判断ステップ、或いは優先度を付加する優先実行判断ステップを追加して、1つの制御フローとして実行することも可能である。
更に、ステップS11で示すパータベーション制御については、各実施例に示す制御フローとは別の時間割り込みで実行することも可能である。この場合、各実施例でのパータベーション制御の変更指令は、時間割り込みで実行されるパータベーション制御の制御フローで反映されることになる。
以上述べた通り、本発明によれば、パータベーション制御を実行すると燃焼状態に悪影響を及ぼすことを燃焼状態や内燃機関の動作状態から判断し、これに基づいて燃焼状態が悪化しない方向に、パータベーション制御による空燃比振動の振幅、或いは周期、或いは周期と振幅を変更する構成を採用した。これによれば、燃焼状態に悪影響を与えない適切なパータベーション制御を実行することができるようになるものである。
尚、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
2…エアクリーナ、5…スロットル弁、6…流量検出装置、7…回転数検出手段、8…プレートまたはリングギア、9…燃料タンク、10…燃料ポンプ、11…プレッシャーレギュレータ、12…燃料管、13…燃料噴射装置、15…三元触媒、16…空燃比センサ、17…O2センサ、18…内燃機関の制御装置、19…点火装置。

Claims (5)

  1. 内燃機関の排気系に設けた三元触媒コンバータの下流に配置されたO2センサの出力によって燃料供給手段から供給される混合気の空燃比を制御する空燃比制御手段と、前記燃料供給手段から供給される混合気の空燃比を所定の周期及び振幅で振動させる空燃比振動手段を備えてなる内燃機関の空燃比制御装置において、
    前記空燃比振動手段によって混合気の空燃比を所定の周期及び振幅で振動させる制御を実行すると燃焼状態に悪影響を及ぼすことを燃焼状態や内燃機関の動作状態から判断し、これに基づいて燃焼状態が悪化しない方向に、前記空燃比振動手段による空燃比振動の振幅、或いは周期、或いは周期と振幅を変更すると共に、
    ノッキングを検出するセンサによってノッキングが検出されると、そのノッキングの大きさに応じて前記空燃比振動手段による空燃比振動を停止するか、或いは空燃比振動の振幅を小さくする方向に変更する
    ことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置において、
    ノッキングを検出する前記センサは、前記内燃機関の各気筒に設けられた燃焼圧センサである
    ことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
  3. 請求項2に記載の内燃機関の空燃比制御装置において、
    前記燃焼圧センサは重大なノッキング、中程度のノッキング、小程度のノッキングを検出し、
    前記空燃比振動手段は、重大なノッキング、中程度のノッキング、小程度のノッキングに対応して空燃比振動の振幅を変更し、その振幅の大きさは、重大なノッキング>中程度のノッキング>小程度のノッキングの関係を有している
    ことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
  4. 内燃機関の排気系に設けた三元触媒コンバータの下流に配置されたO2センサの出力によって燃料供給手段から供給される混合気の空燃比を制御する空燃比制御手段と、前記燃料供給手段から供給される混合気の空燃比を所定の周期及び振幅で振動させる空燃比振動手段を備えてなる内燃機関の空燃比制御装置において、
    前記空燃比振動手段によって混合気の空燃比を所定の周期及び振幅で振動させる制御を実行すると燃焼状態に悪影響を及ぼすことを燃焼状態や内燃機関の動作状態から判断し、これに基づいて燃焼状態が悪化しない方向に、前記空燃比振動手段による空燃比振動の振幅、或いは周期、或いは周期と振幅を変更すると共に、
    トルクサージを検出するセンサによってトルクサージが検出されると、前記空燃比振動手段による空燃比振動の振幅を小さくする方向に変更すると共に、
    トルクサージを検出する前記センサは、前記内燃機関の各気筒に設けられた燃焼圧センサであり、前記燃焼圧センサは重大なトルクサージ、中程度のトルクサージ、小程度のトルクサージを検出し、
    前記空燃比振動手段は、重大なトルクサージ、中程度のトルクサージに対応して空燃比振動の振幅を変更し、その振幅の大きさは、重大なトルクサージ>中程度のトルクサージ>の関係を有し、更に小程度のトルクサージに対応して空燃比振動の周期を長くする
    ことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
  5. 内燃機関の排気系に設けた三元触媒コンバータの下流に配置されたO2センサの出力によって燃料供給手段から供給される混合気の空燃比を制御する空燃比制御手段と、前記燃料供給手段から供給される混合気の空燃比を所定の周期及び振幅で振動させる空燃比振動手段を備えてなる内燃機関の空燃比制御装置において、
    前記空燃比振動手段によって混合気の空燃比を所定の周期及び振幅で振動させる制御を実行すると燃焼状態に悪影響を及ぼすことを燃焼状態や内燃機関の動作状態から判断し、これに基づいて燃焼状態が悪化しない方向に、前記空燃比振動手段による空燃比振動の振幅、或いは周期、或いは周期と振幅を変更すると共に、
    失火を検出するセンサによって失火が検出されると、前記空燃比振動手段による空燃比振動の振幅を小さくする方向に変更すると共に、
    失火を検出する前記センサは、前記内燃機関の各気筒に設けられた燃焼圧センサであり、前記燃焼圧センサは重大な失火、中程度の失火を検出し、
    前記空燃比振動手段は、重大な失火、中程度の失火に対応して空燃比振動の振幅を変更し、その振幅の大きさは、重大な失火>中程度の失火の関係を有している
    ことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
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