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JP6310766B2 - 吐出弁ユニット及び高圧燃料ポンプ - Google Patents
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JP6310766B2 - 吐出弁ユニット及び高圧燃料ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、吐出弁ユニットについて特に内燃機関の高圧燃料ポンプに用いられるものに関する。
従来技術として特許文献1に示すように、例えば直噴ガソリンエンジンに用いられるコモンレール式の燃料噴射システムでは、燃料を加圧してコモンレールに供給する高圧燃料ポンプを備えている。高圧燃料ポンプは、エンジンのクランクシャフトに接続されて回転するカムシャフトを備え、カムシャフトの回転運動は、例えばカムにより往復運動に変換して、シリンダ内に設置されたプランジャに伝達される。プランジャ往復運動することにより、加圧室に燃料が吸い込まれる、高圧燃料ポンプによって、加圧され、コモンレールへと送出される。
高圧燃料ポンプには、加圧室とコモンレールの間には、吐出弁ユニットが設けられている。吐出弁ユニットは、吐出弁と吐出弁受け部材とを備え、吐出弁には吐出弁受け部材が設けられ、吐出弁は、吐出弁受け部材方向に付勢ばねによって押付けられている。また、吐出弁受け部材には、吐出弁と同様、シート面が設けられている。吐出弁の外周側には吐出弁ホルダが設けられ、これにより吐出弁の傾きならびに変位量を規定している。
特開2002−48033号公報 特開2005−188379号公報
しかし、吐出弁と吐出弁ユニットの外周側に設けられた吐出弁ホルダとのクリアランスが大きい場合には、吐出弁は摺動長さと吐出弁と吐出弁ホルダのクリアランスにより、吐出弁に傾きが生ずる。傾斜した状態で吐出弁が吐出弁受け部材に衝突した場合、吐出弁と吐出弁受け部材間の接触面積が小さくなり、衝突応力が大きくなるという問題があった。これに起因して、シート面およびシート部の摩耗が進行し、燃料シール性能を悪化させるという問題があった。
摩耗を抑制するためには一般的に衝突箇所を曲面形状に形成することが有効であるが、高圧燃料ポンプの吐出弁のような小さい部品で構成されるものに対して、大きな曲面形状を付与することは幾何学的に困難である。仮に高信頼化のために十分に大きい曲面形状を付与した場合、吐出弁ユニットの大型化する。特に小型のポンプにおいては、吐出弁の大型化はポンプ本体の大型化に繋がるため、商品性の点で問題が生じる。
また、特許文献2に示すように体格の増大を増すことなくアール形状を衝突部に付与することで応力低減を試みる技術があるが、シート面に対して曲面形状を付与することはシール性能を悪化させる可能性もある。
そこで本発明は、流体を封止するシール性能を確保するとともに過大な応力を抑制することを目的とする。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、
「吐出弁シート部材と、該吐出弁シート部材から離れる、又は接触することで流路の開閉を行う吐出弁と、を備えた吐出弁ユニットにおいて、前記吐出弁シート部材は前記吐出弁が接触する吐出弁シート部と該吐出弁シート部の外径側の吐出弁シート傾斜部とが形成され、前記吐出弁のシート側接触部と前記吐出弁シート部材の前記吐出弁シート部とが軸方向において重なるように配置されるとともに、前記吐出弁の吐出弁角部が軸方向において前記吐出弁シート部材の前記吐出弁シート傾斜部に対応する位置になるように配置され
前記吐出弁シート部材の前記吐出弁シート傾斜部は、前記吐出弁シート部の外径側に形成され、外径側端部が前記吐出弁シート部よりも反吐出弁側に位置する第1傾斜部と、該第1傾斜部の外径側に形成され、外径側端部が前記第1傾斜部よりもさらに反吐出弁側に位置する第2傾斜部とで構成されること」を特徴とする。

本発明によれば、大型化を招くことなく、シール性能と吐出弁傾斜時の過大な応力を抑制し、摩耗の発生を防ぐことができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の第一実施例による高圧燃料ポンプおよび、燃料噴射弁を含む燃料供給システム図の一例である。 本発明の第一実施例による高圧燃料供給ポンプの縦断面図である。 本発明の第一実施例による高圧燃料供給ポンプの吸入弁ユニットの拡大縦断面図であり、吐出弁ユニットが開弁状態にある状態を示す。 本発明の第一実施例による高圧燃料供給ポンプの吐出弁ユニットの拡大縦断面図である。 本発明の第一実施例による高圧燃料供給ポンプの吐出弁受け部材の斜面角度と曲率比の関係を表したグラフを示す。 本発明の第一実施例による高圧燃料供給ポンプの吐出弁受け部材斜面角度と応力比の関係を表したグラフを示す。 本発明の第二実施例による高圧燃料供給ポンプの吐出弁の拡大縦断面図を示す。
以下、実施例について、図面を用いて説明する。
図1から図7を用いて、本発明の内燃機関用の高圧燃料ポンプの実施例について説明する。
<本実施例の構成>
図1、2を用いて本実施例の高圧燃料ポンプの構成について説明する。燃料タンク50の燃料はフィードポンプ57によって汲み上げられ、適切なフィード圧力に加圧されて吸入配管58を通して高圧燃料供給ポンプの低圧燃料吸入口9に送られる。
ポンプハウジング1の上流側(図面上部)にはダンパーカバー14が固定されている。ダンパーカバー14にはジョイント101が設けられており、低圧燃料吸入口9を形成している。ジョイント101の低圧吸入入口10aを介して低圧燃料吸入口9を通過した燃料は、吸入ジョイント101の内側に固定されたフィルタ100を通過し、さらに低圧燃料流路10b、圧力脈動低減機構11を介して吸入弁ユニット500の吸入ポート502に至る。吸入ジョイント101内の吸入フィルタ100は、燃料タンク50から低圧燃料吸入口9までの間に存在する異物を燃料の流れによって高圧燃料供給ポンプ内に吸収することを防ぐ役目がある。
ポンプハウジング1には中央付近に加圧室12が設けられており、この加圧室12の入口の吸入ポート502の下流側には吸入弁ユニット500が、吐出通路7には吐出弁ユニット800が設けられている。
コモンレール53には、インジェクタ54、圧力センサ56が装着されている。インジェクタ54は、内燃機関の気筒数に合わせて装着されており、ECU40の制御信号にしたがって開閉して、燃料をシリンダ内に噴射する。
プランジャ2の下端には、カム5の回転運動を上下運動に変換し、プランジャ2に伝達するリテーナ3が嵌合によってプランジャ2に固定されており、プランジャ2はリテーナ3を介してばね4にてタペット3の底部内面に押し付けられている。これによりカム5の回転運動に伴い、プランジャ2を上下に運動させることができる。吸入弁ユニット500の構成は、可動子501、吸入弁502、吸入弁ばね505、アンカーばね504から成り、コイル507へ通電が無い状態では、可動子501は、アンカーばね504の付勢力と吸入弁ばね505の付勢力の差により、加圧室側(図1、2の右側)に移動している。
図3を用いて吐出弁ユニットの構成を説明する。図3は吐出弁ユニット800の拡大図であり、開弁状態を示す。吐出弁ユニット800は、吐出弁シート部材801とこの吐出弁シート部材801の吐出弁シート部806から離れる、又は接触することで流路の開閉を行う吐出弁802とを備える。吐出弁802は筒状、又は柱状で構成され、吐出弁シート部806は吐出弁シート部材801の中心軸に対して外径側に配置される。また吐出弁ユニット800は、吐出弁801を吐出弁シート部材801に向かって付勢する吐出弁ばね803と、吐出弁802及び吐出弁シート部材801を収容する吐出弁ホルダ804とを備えて構成される。
吐出弁シート部材801の平面状の吐出弁シート部806に対して吐出弁802の平面状のシート側接触部816が接触することによって燃料を封止している。また平面状のシート側接触部816は吐出弁802の中心軸に対して外径側に形成される。
吐出弁受け部材802には、吐出弁シート部806よりも内径側に燃料通路813が設けられており、燃料は燃料通路813を通過した後、吐出弁シート部806とシート側接触部816との間を通り、吐出弁ホルダ804に設けられた燃料通路孔817を経て、コモンレール53へと送られる。吐出弁シート部材801と吐出弁ホルダ804とは、吐出弁シート部材801の吐出弁摺動部820で当接し、溶接により接合されて一体のユニットを形成している。
一般的に溶接によって接合する場合、炭素量の多い高炭素鋼の使用は避けられている。高炭素鋼は急熱急冷によって熱影響部が著しく硬化し、溶接部の伸びが少なることから、溶接割れなどの欠陥が生じ易く、溶接には不向きな鋼材である。このような理由から本実施例における吐出弁シート部材801および吐出弁ホルダ804は、低・中炭素鋼を用いて構成している。
一方、吐出弁802の材質は、溶接工程がないため吐出弁シート部材801よりも炭素量が多い材料を選定することができる。吐出弁802のシート側面部820は図面の左右方向にのみ運動するように、吐出弁ホルダ804の内周面にてガイドされている。以上のようにすることで、吐出弁ユニット800は燃料の流通方向を制限する逆止弁となる。
ここで、吐出弁802のシート側接触部816と吐出弁シート部材801の吐出弁シート部806は平面状に形成されている。従って、吐出弁802の変位量に対する燃料の通り道(開口面積)が、ボール弁や円錐弁に比べて大きくとりやすく、小型でも圧力損失が少なく小型で形成可能である。
<本実施例における高圧燃料ポンプの吸入行程動作>
図2を用いて燃料吸入状態を説明する。プランジャ2が図2の点線で示す上死点位置(上限位置)から下降(図面下方向)する吸入行程では、コイル507は非通電状態である。上述したように、コイル507への通電が無い状態では電磁吸入弁501は、アンカーばね504の付勢力と吸入弁ばね505の付勢力の差により、図3中の右方向に移動し、吸入弁502と吸入弁ホルダ510が接触している。そのため、低圧燃料通路10bと加圧室12が連通しているため、プランジャ2の下降に伴って、加圧室12に燃料が流入する。
このとき吐出弁802は、加圧室12と燃料吐出口17の燃料差圧により生ずる力よりも、吐出弁802に付勢される吐出弁ばね803による付勢力の方が大きくなるように構成されているため、吐出弁シート部材801に接触し閉弁状態となっている。
<本実施例における高圧燃料ポンプの吐出行程動作>
次に図2、3を用いて燃料の吐出行程を説明する。プランジャ2が下死点位置(下限位置)に達し上昇を開始している状態において、ECU40からコイル507に通電が開始されると、コイル507の周囲に発生した磁束が、固定鉄心511、ヨーク518、そして可動子501を通り磁気回路を形成する。この磁束により、可動子501と固定鉄心511の間に磁気吸引力が発生する。発生した磁気吸引力が開弁方向に付勢されるアンカーばね504と閉弁方向に付勢される吸入弁ばね505の付勢力の差を超えると可動子501が変位し、可動子501と固定鉄心511の間に設けられた隙間量だけ移動すると可動子501と固定鉄心511とが衝突し、移動量を規定する構成となっている。
磁気吸引力により可動子501が固定鉄心511側に引き寄せられると、吸入弁502を加圧室12側へ押し付けていた付勢力がなくなるため、吸入弁502は吸入弁ばね505の付勢力によって閉弁運動を開始し、やがて閉弁状態となる。この時、吸入弁502の加圧室12側(図面右側)の空隙と低圧燃料室10bに連通する吸入ポート508との圧力差は、加圧室12内の圧力上昇に伴って、低圧燃料室10b側の圧力よりも高くなり、吸入弁502の閉弁運動を助けている。
その後、プランジャ2は引き続き上昇するため、加圧室12の容積が減少し、加圧室12内の圧力が上昇する。そして、吐出弁ばね803よりも加圧室12と燃料吐出口17の燃料差圧により生ずる力の方が大きくなると、吐出弁ばね803の力に打ち勝ち、吐出弁802は吐出弁シート部材801から離れ、燃料がコモンレール53を通してインジェクタ54に供給される。
吸入弁502が完全に閉弁し加圧室12内の圧力が上昇して高圧吐出が開始された後、コイル507への通電を断つと、固定鉄心511と可動子501の間に発生していた磁気吸引力が消滅する。アンカーばね504の付勢力よりも磁気吸引力が小さくなると、可動子501は、アンカーばね504の付勢力によって吸入弁502側へ移動を開始し、可動子501が吸入弁502と接触し、可動子501の運動を止める。加圧室12内の圧力による閉弁力がアンカーばね504の付勢力よりも大きくなるように形成してあるため、可動子501が吸入弁502を押しても開弁しない。
エンジン制御装置ECU40からの指令に基づきコイル507に通電するタイミングを制御することにより、高圧で吐出される燃料の流量を調節することができる。プランジャ2が下死点から上死点へと上昇運動に転じた直後に吸入弁502が閉弁するよう通電タイミングを制御すれば、燃料の停留が少なく高圧吐出される燃料が多くすることができる。
以上のように高圧燃料ポンプは、コイル507への通電時間を制御することで、吸入弁502の閉弁時間を制御して、所望の流量に吐出できるようになっている。以上が電磁式の高圧燃料ポンプの基本的な動作を説明したものである。なお本実施例における磁気回路を構成する部材は、可動子501、固定鉄心511、ヨーク518であり、これらの材質は全て磁性材料とした構成されている。
<本実施例の課題>
上述したように、吸入行程および吐出行程時には、吐出弁802は開閉弁運動を繰り返す。その際、吐出弁802が外径側において吐出弁ホルダ804と摺動する長さL1と吐出弁802の摺動部外径L3と吐出弁ホルダ804の摺動部内径L2との差により、吐出弁802は傾斜した状態で吐出弁シート部材801に衝突する場合がある。傾斜して衝突した場合、吐出弁側面部822とシート側接触部816との交差位置である吐出弁角部818が吐出弁シート部806に衝突する。その際、吐出弁角部818と吐出弁シート部806との間の接触面積は小さくなり、衝突応力は傾斜がない平行状態で吐出弁802のシート側接触部816と吐出弁シート部806とが衝突した場合よりも過大となる。
そこで以下においては本実施例の課題である吐出弁ユニット800を大型化することなく過大な応力を抑制し、摩耗を抑制する構成について説明する。
<本実施例の構成・作用・効果>
図4を用いて、本実施例における吐出弁ユニット800の構成、作用および効果について説明する。図4に示すように本実施例の吐出弁802は平面状のシート側接触部816とシート側接触部816の外径側にシート側傾斜部822とが形成されて構成される。この平面状のシート側接触部816と外径側のシート側傾斜部822との交点を吐出弁角部818と呼ぶ。
これに対して本実施例の吐出弁シート部材801は平面状の吐出弁シート部806と吐出弁シート部806の外径側に吐出弁シート傾斜部(807、808)とが形成されて構成される。吐出弁802の移動方向を軸方向とすると、吐出弁802のシート側接触部816と吐出弁シート部材801の吐出弁シート部806とが軸方向において重なるように配置される。そして、吐出弁802の吐出弁角部818が軸方向において吐出弁シート部材801の吐出弁シート傾斜部(807、808)に対応する位置になるように配置される。
これにより、吐出弁802のシート側接触部816と吐出弁シート部材801の吐出弁シート部806との接触面を確保することができ、シール性能を維持することが可能となる。また、吐出弁802傾斜時の吐出弁シート部材801と吐出弁802との衝突位置は、吐出弁シート部材801の吐出弁シート傾斜部(807、808)とシート側接触部816とにすることで接触面積を大きくすることができ、傾斜時でも過大な応力を抑制できる。さらに吐出弁802と吐出弁シート部材801との衝突時に発生する回転モーメントが大きくなり、直動方向の運動エネルギが回転方向のエネルギに分散され、衝突時の応力を低減し、摩耗の抑制が可能である。
ここで図4において、吐出弁シート部材801の吐出弁シート傾斜部として、大きい曲率R0を持った曲面部809を形成することで傾斜時でも過大な応力を抑制することが考えられる。しかしこの場合、シート外径D1は小さくなり、有効なシート面積が減少するため、シール性能の低下を生じる虞がある。
一方で吐出弁シート部材801の外径D2を拡大することでシート外径D1を大きくし、有効なシート面積を確保することも考えられるが、この場合には吐出弁ユニット800の大型化を招く虞がある。
そこで吐出弁シート部材801の吐出弁シート傾斜部は、吐出弁シート部806の外径側に形成され、外径側端部が吐出弁シート部806よりも反吐出弁側に位置する第1傾斜部808と、この第1傾斜部808の外径側に形成され、外径側端部が第1傾斜部808よりもさらに反吐出弁側に位置する第2傾斜部807とで構成するようにしている。
これにより吐出弁802が傾斜した場合においても吐出弁802のシート側接触部816の吐出弁シート部材801との接触面を第1傾斜部808とすることができ傾斜時でも過大な応力を抑制することが可能となる。また、第2傾斜部807を有することで、シート外径D1を拡大しながら吐出弁シート部材801の外径D2は抑えることができ、吐出弁ユニット800の大型化の抑制が可能である。
なお、第1傾斜部808を所定の曲率の曲面部とするとともに、第2傾斜部807を略直線状の傾斜部とし、これらの第1傾斜部808(曲面部)と第2傾斜部807(略直線状傾斜部)とが滑らかに連続して繋がるようにして吐出弁シート傾斜部が形成されることが望ましい。これにより吐出弁802が傾斜した場合において吐出弁802のシート側接触部816が吐出弁シート部材801の第1傾斜部808(曲面部)と接触するようにできるので、特に過大な応力の抑制が可能となる。
また、吐出弁シート部806と第2傾斜部807(略直線状傾斜部)の成す角805を鋭角に形成することで、部品寸法に依存することなく、所望の曲率を持った曲面部808を形成できる。
次に図5、6を用いて、斜面部の角度と形成可能な曲率の関係を示す。図5のグラフは、シート部の最外径D1が7.0mm、吐出弁の外径D2が7.85mmとした場合の吐出弁ユニットにおいて、斜面部の角度805を設けた際の形成可能な曲率比(R/R0)の関係を示した図である。ここでR0は、斜面角度が90[deg]のときの形成可能な最大曲率である。つまり,斜面を設けることなく,R0より大きな曲率で側面部と平面部を一様な曲率で平滑に形成することは幾何学的にできない。
図6は、吐出弁802が傾斜して接触した状態において、吐出弁802と吐出弁シート部材801との接触部位における接触面圧σを計算し、斜面角度が90[deg]のときの発生する応力σ0で正規化した時のグラフである。
このグラフから、第2傾斜部807を設け、衝突部位を第1傾斜部808(曲面部)とすることで、発生する応力が低減されることがわかる。すなわち、第2傾斜部807を略直線状の傾斜部とし、吐出弁シート部806と第2傾斜部807の成す角を鋭角に形成することが望ましく、特に図5、6に示すように、10[deg]以下とすれば、大きな接触面圧の低減効果が得られることから、この斜面角度805は10[deg]以下が望ましい。
一方、本実施例では吐出弁802と吐出弁ホルダ804との幾何学的な関係(式(1))から決まる吐出弁傾き角度θより吐出弁シート部806と第2傾斜部807の成す斜面角度805を大きく形成することが望ましい。これにより、吐出弁802と吐出弁シート部材801の衝突部を第1傾斜部808(曲面部)とシート側接触部816とし、接触面積を大きくすることができ、傾斜時でも過大な応力を抑制できる。
以上をまとめると本実施例では、吐出弁ユニット801に大型化を招くことなく曲率の大きい第1傾斜部808(曲面部)を設けることが可能であり、吐出弁802が傾斜して衝突した際には、第1傾斜部808(曲面部)が衝突面となるため、衝突部の過大な応力が発生するのを防止することができる。
なお本実施例では、第2傾斜部807と吐出弁シート部806の間に、第1傾斜部808(曲面部)とシート角部810と曲率が異なる曲面部を設けた際の作用と効果について説明したが、これは、曲率が異なる曲面部が3つ以上存在しても同様の効果が得られる。
図7は、本発明の実施例2に係る吐出弁ユニット800の衝突部周りの断面図である。図7において、902は吐出弁、905は斜面角度、906はシート面、907は斜面部、908は曲面部をそれぞれ表している。
本実施例は実施例1と同様に吐出弁シート部材901と、吐出弁シート部材901から離れる、又は接触することで流路の開閉を行う吐出弁902と、を備える。吐出弁シート部材901は吐出弁902が接触する平面状の吐出弁シート部916と該吐出弁シート部916の外径側の吐出弁シート傾斜部918とが形成され、これらの交点を吐出弁シート部材角部918と呼ぶ。
そして、吐出弁902のシート側接触部906と吐出弁シート部材901の吐出弁シート部916とが軸方向において重なるように配置されるとともに、吐出弁シート部材901の吐出弁シート部材角部918が軸方向において吐出弁902の吐出弁シート傾斜部(907、908)に対応する位置になるように配置される。
吐出弁902の吐出弁シート傾斜部(907、908)は、吐出弁902のシート側接触部906の外径側に形成され、外径側端部がシート側接触部906よりも反吐出弁シート部材側に位置する第1傾斜部908と、第1傾斜部908の外径側に形成され、外径側端部が第1傾斜部908よりもさらに反吐出弁シート部材側に位置する第2傾斜部907とで構成される。また、第1傾斜部908を曲面部により形成するとともに、第2傾斜部907を略直線状に形成することが望ましい。
シート側接触部906よりもの外径側に第2傾斜部907を設けたことにより、小さいに部品に対して大きな曲率R2を持ちかつ円周方向に形成された第1傾斜部908を形成し、吐出弁902が傾斜して吐出弁受け部材901に衝突しても過大な応力の抑制が可能である。
曲面部の曲率R2に関しても実施例1と同様に、図9における破線部909に示すように、単純に曲面部を吐出弁902に付与し、曲率R0を拡大した場合、曲率R0の拡大に伴い、シート外径は小さくなり、有効なシート面積が減少していく。そのため、傾斜時の過大な応力の抑制とシール性能の両立が幾何学的に困難となる。吐出弁902の外径を拡大すれば、傾斜時の過大な衝突応力の抑制とシール性能の両立が可能となるが、吐出弁ユニットの体格増加を伴う。本実施例では、シート部の最外径部から斜面部を設けることで、体格増加を招くことなく、曲面形状を付与することができる。
以上をまとめると本実施例では、吐出弁ユニット800の大型化を招くことなく曲率の大きい曲面部908を吐出弁902に設けることが可能であり、吐出弁902が傾斜して衝突した際には、上記の曲面部908が衝突面となるため、衝突部の過大な応力の抑制が可能である。
なお本実施例では、第2傾斜部907とシート側接触部906の間に、第1傾斜部908(曲面部)と曲面部を設けた際の作用と効果について説明したが、これは曲率が異なる曲面部が2つ以上存在しても同様の効果が得られる。
1・・・ポンプハウジング、800・・・吐出弁ユニット、2・・・プランジャ、801・・・吐出弁受け部材、3・・・タペット、802・・・吐出弁、5・・・カム、803、・・・吐出弁ばね、7・・・吐出通路、804・・・吐出弁ホルダ、9・・・低圧燃料吸入口、805・・・斜面角度、10a・・・低圧吸入入口、806・・・吐出弁シート部、10b・・・低圧燃料路、807・・・第2傾斜部(略直線状斜面部)、11・・・圧力脈動低減機構、808・・・第1傾斜部(曲面部)12・・・加圧室、809・・・破線部、14・・・ダンパーカバー、17・・・吐出口、811・・・接触位置、40・・・ECU、50・・・燃料タンク、813・・・燃料通路、53・・・コモンレール、816・・・シート側接触部、54・・・インジェクタ、817・・・燃料通路孔、56・・・圧力センサ、818・・・吐出弁角部、57・・・フィードポンプ、820・・・吐出弁摺動部、58・・・吸入配管、821・・・シート側面部、100・・・フィルタ、822・・・弁体側面部、101・・・ジョイント、900・・・吐出弁ユニット、500・・・吸入弁ユニット、901・・・吐出弁シート部材、501・・・可動子、902・・・吐出弁、502・・・吸入弁、905・・・斜面部角度、504・・・アンカーばね、906・・・シート面、505・・・吸入弁ばね、907・・・斜面部、507・・・電磁コイル、908・・・曲面部、508・・・吸入弁ポート、909・・・破線部、509・・・吸入弁ばね、916・・・シート平面部、510・・・吸入弁ホルダ、918・・・シート角部、511・・・固定鉄心。

Claims (8)

  1. 吐出弁シート部材と、
    該吐出弁シート部材から離れる、又は接触することで流路の開閉を行う吐出弁と、を備えた吐出弁ユニットにおいて、
    前記吐出弁シート部材は前記吐出弁が接触する吐出弁シート部と該吐出弁シート部の外径側の吐出弁シート傾斜部とが形成され、
    前記吐出弁のシート側接触部と前記吐出弁シート部材の前記吐出弁シート部とが軸方向において重なるように配置されるとともに、前記吐出弁の吐出弁角部が軸方向において前記吐出弁シート部材の前記吐出弁シート傾斜部に対応する位置になるように配置され
    前記吐出弁シート部材の前記吐出弁シート傾斜部は、
    前記吐出弁シート部の外径側に形成され、外径側端部が前記吐出弁シート部よりも反吐出弁側に位置する第1傾斜部と、
    該第1傾斜部の外径側に形成され、外径側端部が前記第1傾斜部よりもさらに反吐出弁側に位置する第2傾斜部とで構成されることを特徴とする吐出弁ユニット
  2. 請求項に記載の吐出弁ユニットにおいて、
    前記第1傾斜部を曲面部により形成することを特徴とする吐出弁ユニット
  3. 請求項又はに記載の吐出弁ユニットにおいて、
    前記第2傾斜部を略直線状の傾斜部とし、前記第1傾斜部と前記第2傾斜部とが連続して繋がるように形成されることを特徴とする吐出弁ユニット
  4. 請求項又はに記載の吐出弁ユニットにおいて、
    前記第2傾斜部を略直線状の傾斜部とし、前記吐出弁シート部と前記第2傾斜部の成す角を鋭角に形成することを特徴とする吐出弁ユニット
  5. 請求項又はに記載の吐出弁ユニットにおいて、
    前記吐出弁シート部と前記第2傾斜部の成す角を前記吐出弁の駆動時の最大傾き角度よりも大きくすることを特徴とする吐出弁ユニット
  6. 吐出弁シート部材と、
    該吐出弁シート部材から離れる、又は接触することで流路の開閉を行う吐出弁と、を備えた吐出弁ユニットにおいて、
    前記吐出弁は前記吐出弁シート部材の吐出弁シート部が接触するシート側接触部と該シート側接触部の外径側の吐出弁シート傾斜部とが形成され、
    前記吐出弁の前記シート側接触部と前記吐出弁シート部材の前記吐出弁シート部とが軸方向において重なるように配置されるとともに、前記吐出弁シート部材の吐出弁シート部材角部が軸方向において前記吐出弁の前記吐出弁シート傾斜部に対応する位置になるように配置され
    前記吐出弁の前記吐出弁シート傾斜部は、
    前記吐出弁のシート側接触部の外径側に形成され、外径側端部が前記シート側接触部よりも反吐出弁シート部材側に位置する第1傾斜部と、
    該第1傾斜部の外径側に形成され、外径側端部が前記第1傾斜部よりもさらに反吐出弁シート部材側に位置する第2傾斜部とで構成されることを特徴とする吐出弁ユニット
  7. 請求項に記載の吐出弁ユニットにおいて、
    前記第1傾斜部を曲面部により形成することを特徴とする吐出弁ユニット
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の吐出弁ユニットを備えた高圧燃料ポンプ。
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