JP6310779B2 - 保持シール材の製造方法 - Google Patents
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Description
上記熱ニードル処理工程によって、ニードルと接触した有機バインダが劣化することとなる。そのため、本発明の保持シール材の製造方法により製造される保持シール材は、保持シール材を構成する有機バインダの引張強さが、熱ニードル処理工程を行わずに105℃で熱処理されたものと比較して、4〜80%低くなっている。すなわち、本発明の保持シール材の製造方法により製造される保持シール材を構成する有機バインダは、熱ニードル処理工程を行わずに105℃で熱処理されたものよりも引張強さが低く、有機バインダの一部が劣化しているといえる。
このような有機バインダが添着された無機繊維を保持シール材として用いることによって、600℃以下、例えば300℃程度の低温環境下に晒された場合であっても、熱衝撃によって有機バインダが無機繊維同士を拘束する力が弱まり、保持シール材が膨張する。そのため、600℃以下の低温域においても充分な面圧を発揮し、排ガス処理体を安定的に保持することができる。なお、本発明の保持シール材の製造方法により製造される保持シール材を300℃で10分間加熱した際には、保持シール材を構成するマットの厚さが2.2倍以上に変化する。
本発明の保持シール材の製造方法により製造される保持シール材は、300℃で10分間加熱した際に、保持シール材を構成するマットの厚さが2.2倍以上に変化する。そのため、600℃以下の低温域においても充分な面圧を発揮し、排ガス処理体を安定的に保持することができる。
表面温度が100〜250℃となるように加熱したニードルをマットに突き刺すことで、加熱したニードルと接触した有機バインダを劣化させることができ、有機バインダの一部が劣化したマットを製造することができる。ニードルの表面温度が100℃未満の場合、加熱されたニードルと接するバインダの熱収縮が小さく、ニードルを抜く際に有機バインダがニードルに付着してしまい、マット内の有機バインダ量が低下してしまうことがある。また、ニードルの表面温度が250℃を超える場合、有機バインダを劣化させる効果が高いため、有機バインダを変色させて外観を損ねることや、繊維間を結合させている有機バインダを焼失させてしまう可能性がある。
マットを100〜230℃で加熱することで、有機バインダの物理的強度が低下する。このような状態でマット対してニードルを突き刺すことで、物理的強度の低下した有機バインダを劣化させることができる。
また、上記ニードル処理工程においては、マットを100〜230℃で加熱しながら、表面温度が100〜250℃となるように加熱したニードルを突き刺してもよい。
ニードル密度が0.1個/cm2未満の場合、ニードル箇所が少なすぎるため、有機バインダの劣化による、マットが厚み方向に膨張するという効果が得られにくくなる。
抄造法で製造されたマット(以下、抄造マットともいう)に対して熱ニードル処理工程を行う場合、ニードル密度が30個/cm2を超えると、排ガス処理体へ巻回した際に、ニードル痕を起点としてマット表面に亀裂を生じやすくなる。
また、本発明の保持シール材の製造方法でニードリング処理により製造されたマット(以下、ニードルマットともいう)を製造する場合、ニードル密度が30個/cm2を超えると、マットを構成する無機繊維同士の交絡が強くなりすぎるためにマットが湾曲し難くなり、排ガス処理体への巻回が困難となることがある。
有機バインダの引張強さが0.7〜2.5MPaであると、600℃以下の低温域においても、保持シール材を拘束する力が弱まり、保持シール材を膨張させることができる。
有機バインダの含有量が0.1重量%未満である場合には、保持シール材を排ガス処理体に巻きつけた際に、保持シール材が割れてしまうことがあり、10重量%を超える場合には、保持シール材の面圧を発揮する効果は変わりないが、排ガスの熱によって発生する分解ガスの量が多くなり、周囲の環境に悪影響を与える可能性がある。
有機バインダのガラス転移温度が−5℃以下であると、有機バインダにより形成される有機バインダ皮膜の強度を高くしつつ、皮膜伸度が高くて可撓性に優れた保持シール材を製造することができる。そのため、保持シール材を排ガス処理体に巻きつける際等に保持シール材が折れにくくなる。また、有機バインダ皮膜が硬くなり過ぎないため、無機繊維が破断した際に、無機繊維同士を繋ぎ止める効果を発揮し、無機繊維の飛散を抑制することができる。
有機バインダを構成する高分子樹脂成分がアクリル系樹脂であると、有機バインダにより形成される有機バインダ皮膜の強度を向上させやすく、可撓性に優れた保持シール材を製造することができる。また、上記アクリル系樹脂からなる有機バインダは、熱ニードル処理工程により劣化させやすいため、本発明の保持シール材の製造方法に適している。
さらに、有機バインダがエマルジョンであると、エマルジョンが無機繊維の表面全体を被覆し易く、無機繊維の表面全体に有機バインダによる皮膜を形成させやすくなるため、可撓性に優れた保持シール材を製造する方法として優れている。
無機繊維が、アルミナ繊維、シリカ繊維、アルミナシリカ繊維、ムライト繊維、生体溶解性繊維及びガラス繊維からなる群から選択された少なくとも1種から構成されていると、耐熱性、耐風食性等の特性を充分に満足する保持シール材を製造することができる。
以下、本発明の保持シール材について具体的に説明する。しかしながら、本発明は、以下の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。
本発明の保持シール材の製造方法は、有機バインダが添着された無機繊維からなる保持シール材用のマットを準備するマット準備工程と、上記有機バインダが添着されたマットに対して、上記マット及び/又はニードルを加熱してニードルを突き刺す熱ニードル処理工程とからなる保持シール材の製造方法であって、得られる保持シール材は、JIS−K 6251に準拠する方法により測定した上記有機バインダの引張強さが、上記熱ニードル処理工程を行わずに105℃で熱処理された上記有機バインダと比較して4〜80%低いことを特徴とする。
本発明の保持シール材の製造方法では、まず、有機バインダが添着された無機繊維からなる保持シール材用のマットを準備するマット準備工程を行う。
ニードリング法の場合、例えば、以下の方法により製造することができる。すなわち、まず、例えば、塩基性塩化アルミニウム水溶液とシリカゾル等とを原料とする紡糸用混合物をブローイング法により紡糸して3〜10μmの平均繊維経を有する無機繊維前駆体を作製する。続いて、上記無機繊維前駆体を圧縮して所定の大きさの連続したシート状物を作製し、これにニードルパンチング処理を施し、その後、焼成処理を施すことによりアルミナ繊維からなる無機繊維集合体を準備する。
続いて、上記無機繊維集合体に有機バインダを含む溶液を添着し、必要に応じて溶液中の溶媒を脱溶媒処理することで、有機バインダが添着された無機繊維からなる保持シール材用のマットの準備が完了する。
有機バインダを含む溶液を添着する方法としては、例えば、有機バインダを含む溶液を保持シール材に噴霧する方法、有機バインダを含む溶液に保持シール材を浸漬する方法、カーテンコート等が挙げられる。
有機バインダを構成する高分子樹脂成分がアクリル系樹脂であると、有機バインダにより形成される有機バインダ皮膜の強度を後述する熱ニードル処理工程によって操作しやすく、本発明の保持シール材を構成する有機バインダとして適している。
さらに、有機バインダがエマルジョンであると、エマルジョンが無機繊維の表面全体を被覆し易く、無機繊維の表面全体に有機バインダによる皮膜を形成させやすくなるため、可撓性に優れた保持シール材を製造する方法として優れている。
なお、本発明の保持シール材の製造方法において、有機バインダのガラス転移温度は、後述する熱ニードル処理工程を施される前の有機バインダのガラス転移温度を示している。
続いて、保持シール材を構成する所定の厚さのマットに対して、上記マット及び/又はニードルを加熱してニードルを突き刺す熱ニードル処理工程を行う。
この後、熱したニードルをマットに対して抜き差しすることで、素地マットを構成する無機繊維を複雑に交絡させるとともに、有機バインダを一部劣化させる。
熱したニードルを用いることにより、マットの内部を均一に加熱することができ、広い範囲の有機バインダを一部劣化させることができる。
ニードルを抜き差しする際、ニードルが加熱され、加熱されたニードルがマットの内部を通過することにより、マットが厚み方向に対して均一に加熱される。
ニードル密度が0.1個/cm2未満の場合、ニードル箇所が少なすぎるため、有機バインダの劣化による、マットが厚み方向に膨張するという効果が得られにくくなる。
抄造マットに対して熱ニードル処理を行う場合、ニードル密度が30個/cm2を超えると、排ガス処理体へ巻回した際に、ニードル痕を起点としてマット表面に亀裂を生じやすくなる。
また、ニードルマットを製造する場合、ニードル密度が30個/cm2を超えると、マットを構成する無機繊維同士の交絡が強くなりすぎるためにマットが湾曲し難くなり、排ガス処理体への巻回が困難となることがある。
以上の工程を経ることにより、下記する特性を有する保持シール材を得ることができる。
有機バインダの引張強さが、熱ニードル処理工程を行わずに105℃で熱処理された有機バインダと比較して4%未満しか低下していない場合、有機バインダの無機繊維同士を結束する力が強すぎるため、低温時に保持シール材がほとんど膨張しない。また、有機バインダの引張強さが、熱ニードル処理工程を行わずに105℃で熱処理されたものと比較して80%を超えて低下している場合、保持シール材をハンドリングする際の少しの衝撃で、有機バインダが破壊されてしまい、室温でも保持シール材が大きく膨張してしまうことがある。
すなわち、本発明の保持シール材を構成する有機バインダは、上記した製造工程を経ることにより、熱ニードル処理工程を行わずに105℃で熱処理した有機バインダと比較して、その引張強さが4〜80%低くなっている。
なお、上記有機バインダの引張強さを測定する温度は、特に規定しない限り室温20℃である。
保持シール材は、300℃で10分間加熱した際にマットの厚さが3.5倍以下に変化することが好ましく、3.0倍以下に変化することがより好ましく、2.8倍以下に変化することがさらに好ましい。300℃で10分間加熱した際にマットの厚さが3.5倍を超えて変化する場合、低温域での保持性能が高くなりすぎるため、排ガス処理体を破壊してしまう可能性がある。
有機バインダの引張強さが0.7〜2.5MPaであると、600℃以下の低温域において、保持シール材を拘束する力が弱まり、保持シール材を膨張させることができる。
また、有機バインダをこのような引張強さとするためには、上述した熱ニードル処理工程を施すことが好ましい。
得られる保持シール材を構成する有機バインダの引張強さが0.7MPa未満の場合、有機バインダの無機繊維同士を結束する力が弱いため、保持シール材をハンドリングする際の少しの衝撃で、有機バインダが破壊されてしまい、室温でも保持シール材が大きく膨張してしまうことがある。また、有機バインダの引張強さが2.5MPaを超える場合、有機バインダの無機繊維同士を結束する力が強すぎるため低温時に保持シール材がほとんど膨張しない。
なお、本発明の保持シール材の製造方法において、有機バインダの引張強さは、熱ニードル処理工程を施した後の有機バインダの引張強さを示している。
有機バインダの含有量が0.1重量%未満の場合、保持シール材に充分な可撓性を付与することができないことがあり、保持シール材を排ガス処理体に巻きつける際に、クラックが発生することがある。一方、有機バインダの含有量が10重量%を超える場合、排ガスの熱によって発生する分解ガスの量が多くなり、周囲の環境に悪影響を与える可能性がある。
無機バインダとしては、特に限定されず、アルミナゾル、シリカゾル等が挙げられる。
凝集体を構成する有機バインダは、既に説明した上記有機バインダと同一であってもよく、異なっていてもよい。凝集体を構成する無機バインダは、既に説明した上記無機バインダと同一であってもよく、異なっていてもよい。
また、凝集体を形成するために、凝集剤をさらに含んでいてもよい。
無機繊維が、アルミナ繊維、シリカ繊維、アルミナシリカ繊維、及び、ムライト繊維の少なくとも1種である場合には、耐熱性に優れているので、排ガス処理体が充分な高温に晒された場合であっても、変質等が発生することはなく、保持シール材としての機能を充分に維持することができる。また、無機繊維が生体溶解性繊維である場合には、保持シール材を用いて排ガス浄化装置を作製する際に、飛散した無機繊維を吸入等しても、生体内で溶解するため、作業員の健康に害を及ぼすことがない。
これらの化合物からなる生体溶解性繊維は、人体に取り込まれても溶解しやすいので、これらの無機繊維を含んでなるマットは人体に対する安全性に優れている。
また、シリカの含有量が60重量%未満では、柔軟性を有するシリカの含有量が少ないため構造的にもろく、また、生理食塩水に溶けやすい、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、及び、ホウ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物の割合が相対的に高くなるので生体溶解性繊維が生理食塩水に溶けやすくなりすぎる傾向にある。
なお、シリカの含有量は、SiO及びSiO2の量をSiO2に換算して算出したものである。
無機繊維の平均繊維長が1mm未満であると、無機繊維の繊維長が短すぎるため、無機繊維同士の交絡が不充分となり、排ガス処理体への巻き付け性が低下し、保持シール材が割れやすくなる。また、無機繊維の平均繊維長が150mmを超えると、無機繊維の繊維長が長すぎるため、保持シール材を構成する繊維本数が減少するため、マットの緻密性が低下する。その結果、保持シール材のせん断強度が低くなる。
無機繊維の平均繊維長が0.1mm未満であると、無機繊維の繊維長が短すぎるため、もはや繊維としての特徴を実質上示さなくなり、マット状繊維集合体にしたときに繊維同士に好適な絡み合いが起こらず、充分な面圧を得ることが困難になる。また、無機繊維の平均繊維長が20mmを超えると、無機繊維の繊維長が長すぎるため、抄造工程で水に無機繊維を分散したスラリー溶液中の無機繊維同士の絡み合いが強くなりすぎるため、マット状繊維集合体としたときに無機繊維が不均一に集積しやすくなる。
繊維長の測定は、ニードリング法や抄造法ともにピンセットを使用して、マットから無機繊維が破断しないように抜き取り、光学顕微鏡を使用して繊維長を測定する。ここでは、無機繊維300本を抜き取り、繊維長を計測した平均を平均繊維長とした。マットから無機繊維を破断せずに抜き取れない場合、マットを脱脂処理して、脱脂済みマットを水の中へ投入し、無機繊維同士の絡みをほぐしながら無機繊維が破断しないように採取すると良い。
なお、上記平均繊維径は、1000倍に拡大して表示されたSEM画像における30本の無機繊維の繊維径を平均したものである。
図1に示すように、保持シール材110は、所定の長手方向の長さ(以下、図1中、矢印Lで示す)、幅(図1中、矢印Wで示す)及び厚さ(図1中、矢印Tで示す)を有する平面視略矩形の平板形状のマットから構成されていてもよい。
なお、「平面視略矩形」とは、凸部及び凹部を含む概念である。また、平面視略矩形には、角部が90°以外の角度を有する形状も含まれる。
保持シール材の厚さが2.0mm未満であると、保持シール材の面圧が排ガス処理体を保持するのに充分でなくなる。そのため、排ガス処理体が抜け落ちやすくなる。また、排ガス処理体に体積変化が生じた場合、保持シール材は排ガス処理体の体積変化を吸収しにくくなる。そのため、排ガス処理体にクラック等が発生しやすくなる。
また、保持シール材の嵩密度が0.30g/cm3を超えると、保持シール材が硬くなるため、排ガス処理体への巻き付け性が低下し、保持シール材が割れやすくなる。
図2に示すように、排ガス浄化装置100は、金属ケーシング130と、金属ケーシング130に収容された排ガス処理体120と、排ガス処理体120及び金属ケーシング130の間に配設された保持シール材110とを備えている。
排ガス処理体120は、多数のセル125がセル壁126を隔てて長手方向に並設された柱状のものである。なお、金属ケーシング130の端部には、必要に応じて、内燃機関から排出された排ガスを導入する導入管と、排ガス浄化装置を通過した排ガスが外部に排出される排出管とが接続されることとなる。
なお、排ガス浄化装置を構成する保持シール材の構成については、本発明の保持シール材としてすでに説明しているので省略する。
図3は、排ガス浄化装置を構成する排ガス処理体の一例を模式的に示す斜視図である。
これらの多孔質焼成体は、脆性材料であるので、機械的な衝撃等により破壊されやすい。しかし、図2に示す排ガス浄化装置100では、排ガス処理体120の側面の周囲に保持シール材110が介在し、衝撃を吸収するので、機械的な衝撃や熱衝撃により排ガス処理体120にクラック等が発生するのを防止することができる。
図2に示すように、内燃機関から排出され、排ガス浄化装置100に流入した排ガス(図2中、排ガスをGで示し、排ガスの流れを矢印で示す)は、排ガス処理体(ハニカムフィルタ)120の排ガス流入側端面120aに開口した一のセル125に流入し、セル125を隔てるセル壁126を通過する。この際、排ガス中のPMがセル壁126で捕集され、排ガスが浄化されることとなる。浄化された排ガスは、排ガス処理側端面120bに開口した他のセル125から流出し、外部に排出される。
図4は、排ガス浄化装置を製造する方法の一例を模式的に示した図である。
圧入方式によって巻付体を金属ケーシングに収容する場合、金属ケーシングの内径(排ガス処理体を収容する部分の内径)は、上記巻付体の外径より若干小さくなっていることが好ましい。
以下、本発明をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(a−1)紡糸工程
Al含有量が70g/Lであり、Al:Cl=1:1.8(原子比)となるように調製した塩基性塩化アルミニウム水溶液に対して、焼成後の無機繊維における組成比が、Al2O3:SiO2=72:28(重量比)となるようにシリカゾルを配合し、さらに、有機重合体(ポリビニルアルコール)を適量添加して混合液を調製する。
得られた混合液を濃縮して紡糸用混合物とし、この紡糸用混合物をブローイング法により紡糸して平均繊維径が5.6μmである無機繊維前駆体を作製する。続いてこの無機繊維前駆体を740℃で10分間加熱し、無機繊維を作製する。
次に、上記無機繊維168.3gを水75Lに投入し、60Hzで30分間、ミキサーを用いて撹拌し、開繊された上記無機繊維の溶液を得る。
上記(a−2)開繊工程により得た開繊された上記無機繊維の溶液に対して、アクリル系樹脂を水溶性溶媒に分散させたアクリルラテックス溶液(BSAF社製、AcronalA420S)を12.3g投入し、60Hzで1分間撹拌する。続いて、アルミナゾル(SASOL社製、DISPERAL)を6.8g投入し、60Hzで1分間撹拌する。さらに、高分子凝集剤として、非イオン性ポリアクリルアミド(BSAF社製、Percol47NS)の0.5重量%水溶液を336.6g投入し、60Hzで1分間撹拌する。上記の方法により、スラリーを調製する。
335mm×335mmのタッピ式抄造機を用いて、上記スラリーを抄造することにより、目付量(単位面積当たりの重量)が1500g/m2の無機繊維集合体を得る。
プレス式乾燥機を用いて、得られた無機繊維集合体を厚さ7.0mmに圧縮した状態で、105℃で40分間熱処理して乾燥させる。
(a−5)乾燥工程で得られるマットに対して、ニードルボードにヒータを取り付けて加熱したニードルを抜き差しすることにより、保持シール材を作製する。
熱ニードル処理工程を行った保持シール材を300℃で10分間加熱し、加熱前のマットの厚みに対する加熱後のマットの厚みの割合(加熱後マットの厚み(%))を求める。
本発明の保持シール材の製造方法により得られる保持シール材を構成する有機バインダ皮膜の引張強さを直接測定することは困難であるため、以下の手順により、熱ニードル処理工程を施された有機バインダ皮膜を模して引張強さを測定する。上記(a−3)スラリー調製工程で用いたアクリルラテックス溶液(BSAF社製、AcronalA420S)を100mm×100mmの型に流し込む。
続いて、型に流し込んだアクリルラテックス溶液を105℃で2.5時間かけて乾燥し、有機バインダシートを得る。続いて、有機バインダシートの両面に加熱した鉄板を接触させて、ニードルを差し込ませている時間と同様の時間だけ保持する。このような方法で有機バインダシートを加熱することで引張強さ試験シートを得る。
なお、各引張強さ試験シートの厚さが1mmとなるよう、型に流し込むアクリルラテックス溶液の量を調製する。
JIS−K 6251に規定される2号ダンベル形状となるよう各引張強さ試験シートを直径3mm以上の気泡を含まないように打ち抜き、引張強さ試験用の試験片を作製する。その際、試験片のダンベル形状のくびれた箇所に存在する直径1〜3mmの気泡の数は、5個以下であることが望ましく、0個だとさらに望ましい。試験片が気泡を含んでいると、断面積が低下して引張強さが低くなり、正確な値を測定することができない。型に流し込んだアクリルラテックス溶液を乾燥させる途中で、有機バインダが流動性を有している時に気泡を破壊したり、振動を加えて気泡を移動させたりすることによって、引張強さ試験シートを打ち抜く際に気泡を少なくする。続いて、インストロン型引張試験機で試験片を500mm/minの速度で引っ張り、破断した際の荷重から引張強さを求める。
110 保持シール材
120 排ガス処理体
130 金属ケーシング
Claims (10)
- 有機バインダが添着された無機繊維からなる保持シール材用のマットを準備するマット準備工程と、
前記有機バインダが添着されたマットに対して、前記マット及び/又はニードルを加熱してニードルを突き刺す熱ニードル処理工程とからなる保持シール材の製造方法であって、
得られる保持シール材は、JIS−K 6251に準拠する方法により測定した前記有機バインダの引張強さが、前記熱ニードル処理工程を行わずに105℃で熱処理された前記有機バインダと比較して4〜80%低いことを特徴とする保持シール材の製造方法。 - 有機バインダが添着された無機繊維からなる保持シール材用のマットを準備するマット準備工程と、
前記有機バインダが添着されたマットに対して、前記マット及び/又はニードルを加熱してニードルを突き刺す熱ニードル処理工程とからなる保持シール材の製造方法であって、
得られる保持シール材は、前記保持シール材を構成する所定の厚さのマットを300℃で10分間加熱した際に、前記マットの厚さが2.2倍以上に変化することを特徴とする保持シール材の製造方法。 - 前記熱ニードル処理工程において、表面温度が100〜250℃となるように加熱したニードルを前記マットに対して突き刺す請求項1又は2に記載の保持シール材の製造方法。
- 前記熱ニードル処理工程において、前記マットを100〜230℃で加熱しながらニードルを前記マットに対して突き刺す請求項1〜3のいずれかに記載の保持シール材の製造方法。
- 前記熱ニードル処理工程では、ニードルを前記マットに対して0.1〜30個/cm2の密度で突き刺す請求項1〜4のいずれかに記載の保持シール材の製造方法。
- 前記有機バインダはJIS−K 6251に準拠する方法により測定した引張強さが、0.7〜2.5MPaである請求項1〜5のいずれかに記載の保持シール材の製造方法。
- 前記有機バインダの含有量は、前記保持シール材の全量に対して固形分換算で0.1〜10重量%である請求項1〜6のいずれかに記載の保持シール材の製造方法。
- 前記有機バインダを構成する高分子樹脂成分のガラス転移温度(Tg)は、−5℃以下である請求項1〜7のいずれかに記載の保持シール材の製造方法。
- 前記有機バインダを構成する高分子樹脂成分は、アクリル系樹脂であり、さらにエマルジョンである請求項1〜8のいずれかに記載の保持シール材の製造方法。
- 前記無機繊維は、アルミナ繊維、シリカ繊維、アルミナシリカ繊維、ムライト繊維、生体溶解性繊維及びガラス繊維からなる群から選択された少なくとも1種から構成されている請求項1〜9のいずれかに記載の保持シール材の製造方法。
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