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JP6313732B2 - 転圧機械 - Google Patents
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本発明は、路面を締め固めるための転圧機械に関し、特にHST(ハイドロスタティックパワートランスミッション)を備えた振動ローラ車両等の転圧機械に関する。
特許文献1に開示されたHST車両のブレーキ装置では、HSTモータを駆動源とする駆動機構のブレーキにブレーキ用油圧回路が接続され、ブレーキ用油圧回路に供給される作動油を遮断することでブレーキを作動させることができる。このブレーキ装置では、ブレーキ用油圧回路を開通、遮断するブレーキバルブの下流と、HST制御用油圧回路とが連通されている。
そして、ブレーキバルブによってブレーキ用油圧回路を遮断し、ブレーキを作動させたとき、ブレーキ用油圧回路とタンクとを連通させる。これにより、HST制御用油圧回路はブレーキ用油圧回路を介してタンクと連通され、HST制御用油圧回路を流れる作動油の油圧は開放され、ブレーキの作動を解除しない限りHSTによる駆動ができない。こうして、上記ブレーキ装置では安全な制動を行うことができ、ブレーキ装置の信頼性を高めている。
実開平6−23859号公報
上記特許文献1のブレーキ装置は、チャージ圧を解除圧として受圧してHSTモータの制動を解除するネガティブ式の駐車ブレーキにも適用可能である。しかし、ブレーキ用油圧回路とHST制御用油圧回路とを連通するための配管や、配管を遮断、連通するための電磁弁等が必要となる。このような油圧回路における配管や電磁弁等の追加は、駐車ブレーキ回路を含むHST回路のコスト及び占有スペースの増大を招くという問題がある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、駐車ブレーキ回路を含むHST回路の低コスト且つ省スペース化を実現しながら、駐車ブレーキによる制動の安全性及び信頼性を高めることができる転圧機械を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の転圧機械は、HSTポンプとHSTモータとが油路で閉回路接続され、チャージ圧となる作動油が供給されるHST回路と、HSTモータに接続され、チャージ圧を解除圧として受圧してHSTモータの制動を解除するネガティブ式の駐車ブレーキと、HSTモータに接続され、チャージ圧を受圧して速度段を高速段と低速段とに切り替える多段変速機とを備え、HST回路は、駐車ブレーキが作動してHSTモータが制動されているとき、多段変速機の速度段を高速段に電気的に切り替えて保持する高速段保持手段を有する。
好ましくは、HST回路は、駐車ブレーキへのチャージ圧の供給、遮断を切り替える駐車ブレーキ用電磁弁を含み、駐車ブレーキ用電磁弁が電気的に接続される駐車ブレーキ回路と、多段変速機へのチャージ圧の供給、遮断を切り替えることにより速度段を高速段、低速段に切り替える変速用電磁弁を含み、変速用電磁弁が電気的に接続される変速回路とをさらに備え、高速段保持手段は、駐車ブレーキ回路と変速回路とを電気的に接続する電力線である。
好ましくは、駐車ブレーキ回路は、オンにより駐車ブレーキを作動させてHSTモータを制動する一方、オフにより駐車ブレーキを非作動としてHSTモータの制動を解除する駐車ブレーキ用スイッチをさらに含み、駐車ブレーキ用電磁弁は、駐車ブレーキ用スイッチがオフのときに駐車ブレーキにチャージ圧が供給されてHSTモータの制動を解除する一方、駐車ブレーキ用スイッチがオンのときに駐車ブレーキへのチャージ圧が遮断されてHSTモータを制動する。
好ましくは、変速回路は、変速回路に給電するバッテリをさらに含み、変速用電磁弁は、バッテリからの給電が遮断されたとき、速度段を低速段に切り替え、高速段保持手段は、駐車ブレーキが作動してHSTモータが制動されているときには、速度段が低速段のとき、駐車ブレーキ回路から電力線を介して変速回路の変速用電磁弁に給電することにより、速度段を高速段に電気的に切り替えて保持する。
好ましくは、変速回路は、変速回路を流れる過電流によりバッテリからの給電を遮断する変速用ヒューズをさらに含み、高速段保持手段は、駐車ブレーキが作動してHSTモータが制動されているときには、変速用ヒューズの切断によりバッテリからの給電が遮断されたときであっても、駐車ブレーキ回路から電力線を介して変速回路の変速用電磁弁に給電することにより、速度段を高速段に電気的に切り替えて保持する。
好ましくは、駐車ブレーキ回路は、駐車ブレーキ用スイッチがオンのときに可動接点が開接点に接触してオンとなる一方、駐車ブレーキ用スイッチがオフのときに可動接点が閉接点のままでオフとなる駐車ブレーキ用リレーをさらに含み、駐車ブレーキ用電磁弁は、駐車ブレーキ用リレーの可動接点がオフのときに通電され、該通電により開弁することで駐車ブレーキにチャージ圧が供給されてHSTモータの制動を解除する一方、駐車ブレーキ用リレーの可動接点がオンのときに非通電となり、該非通電により閉弁することで駐車ブレーキへのチャージ圧が遮断されてHSTモータを制動する。
好ましくは、電力線は、駐車ブレーキ回路における駐車ブレーキ用リレーの開接点側と、変速回路における変速用電磁弁とに接続される。
好ましくは、HST回路は、駐車ブレーキが作動してHSTモータが制動されたとき、高速段保持手段により速度段を高速段に切り替えるのを遅延させる遅延手段を有する。
好ましくは、遅延手段は、電力線に設けられ、駐車ブレーキ回路から変速回路の変速用電磁弁への給電を遅延させるタイマーである。
好ましくは、遅延手段は、変速用電磁弁から多段変速機に接続された作動油の油路に設けられたオリフィスである。
本発明の転圧機械によれば、駐車ブレーキ回路を含むHST回路の低コスト且つ省スペース化を実現しながら、駐車ブレーキによる制動の安全性及び信頼性を高めることができる。
本発明の実施形態に係る転圧機械の一例である振動ローラの側面図である。 図1の振動ローラに設けられる本発明の第1実施形態に係るHST回路の一部を示す油圧回路図である。 図2のHST回路に設けられる駐車ブレーキ回路及び変速回路を示す電気回路図である。 図3の駐車ブレーキ回路及び変速回路で行われる高速段保持の流れを示すフローチャートである。 本発明の変形例に係る駐車ブレーキ回路及び変速回路を示す電気回路図である。 本発明の別の変形例に係るHST回路を示す油圧回路図である。 図5又は図6で行われる高速段保持の流れを示すフローチャートである。
以下、図面に基づき本発明の一実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る転圧機械は、例えば舗装作業を行う振動ローラ車両1である。振動ローラ車両1は、前部転圧ローラ2を備えた前部車体4と後部転圧ローラ6を備えた後部車体8とから概略構成されている。これら前部車体4と後部車体8とはセンタピン10を介して水平方向に屈曲可能なアーティキュレート式に連結されており、振動ローラ車両1は、前部車体4と後部車体8とを相互に屈曲することで車両の旋回を行うことが可能に構成されている。
前部転圧ローラ2は、ほぼ車幅と対応する長さを有する金属ドラムから構成され、前部車体4から下方に延設された左右一対の支持アーム12により回転可能に支持されている。一方、後部転圧ローラ6は2本一対のゴムタイヤ6a、6aの組が左右一対設けられて計4本のゴムタイヤ6aから構成され、後部車体8に設けられたモータ14により回転可能に支持されている。
後部車体8上の前側位置にはステアリング16を備えた操作台18が設置され、操作台18の後側には座席20が設置されている。操作台18には、後述する駐車ブレーキ22を作動させる駐車ブレーキ用スイッチ24等の各種操作スイッチが配置されている。また、座席20に着座した作業者はステアリング16及び図示しないアクセルレバーや前後進レバーを操作することにより振動ローラ車両1を走行させ、舗装作業時には前部転圧ローラ2及び後部転圧ローラ6により路面の転圧を行なう。
図2は、HST回路26における前部転圧ローラ2側の油圧回路のみを代表して示している。本実施形態の特徴部分については後部転圧ローラ6側の油圧回路も前部転圧ローラ2側の油圧回路とほぼ同じ構成となるため、後部転圧ローラ6側の油圧回路については説明を省略する。
前部転圧ローラ2はドライブプレート29の動力を伝達されて駆動されるようになっている。ドライブプレート29はHST回路26のHSTモータ28の動力を伝達されて駆動される。
HST回路26は、エンジン30と、このエンジン30により駆動される両傾転式の可変容量型油圧ポンプであるHSTポンプ32と、作動油が流れる配管である油路でHSTポンプ32とともに閉回路接続された走行用油圧モータである前述したHSTモータ28とを有する。
HST回路26には、油路の低圧側に作動油を供給するチャージ回路34が付設されている。このチャージ回路34はチャージポンプ36を有し、チャージポンプ36は作動油タンク38からチャージ圧に昇圧された作動油をHST回路26に供給する。
HSTモータ28には、駐車ブレーキ22と多段変速機40とが接続されている。
駐車ブレーキ22は、前述した駐車ブレーキ用スイッチ24の操作によりチャージポンプ36により昇圧された作動油のチャージ圧を解除圧として受圧してHSTモータ28の制動を解除するネガティブ式のブレーキである。駐車ブレーキ22は、何れも図示しないが、HSTモータ28の出力軸と一体に回転するフリクションプレート(内歯)、このフリクションプレート(内歯)に対し摺動又は離間するフリクションプレート(外歯)、このフリクションプレート(外歯)と一体のピストン、このピストンを介してフリクションプレート(外歯)をフリクションプレート(内歯)に押し付けられる皿バネ、この皿バネに抗してピストンを押圧する解除圧を導入のための解除圧室等から構成されている。
駐車ブレーキ22では、解除圧室に解除圧が導入されると、ピストンが皿バネに抗して移動し、これに伴ってフリクションプレート(外歯)がフリクションプレート(内歯)から離間し、HSTモータ28の制動が解除される。解除圧室の圧力が解除圧に満たなければ、皿バネによりピストンを介してフリクションプレート(外歯)がフリクションプレート(内歯)に押し付けられ、HSTモータ28は制動される。また、HSTポンプ32におけるチャージポンプ36の吐出側には駐車ブレーキ用電磁弁42が接続され、駐車ブレーキ用電磁弁42により駐車ブレーキ22へのチャージ圧の供給、遮断が切り替えられる。
一方、多段変速機40は、チャージポンプ36により昇圧された作動油のチャージ圧を受圧して速度段を高速段と低速段とに切り替える。チャージポンプ36の吐出側に変速用切換弁44が接続されている。この変速用切換弁44はHSTモータ28に設けられ、HSTポンプ32側に別途設けられた変速用電磁弁46によって多段変速機40へのチャージ圧の供給、遮断を切り替えることで、多段変速機40の速度段が高速段、低速段に切り替えられる。
ここで、本実施形態では、駐車ブレーキ用スイッチ24が操作され、駐車ブレーキ22が作動してHSTモータ28が制動されているとき、多段変速機40の速度段を高速段に電気的に切り替えて保持する高速保持手段がHST回路26に備えられている。
詳しくは、図3に示すように、HST回路26は、駐車ブレーキ用電磁弁42が電気的に接続された駐車ブレーキ回路48と、変速用電磁弁46が電気的に接続された変速回路50とを備えている。そして、駐車ブレーキ回路48と変速回路50とを後述する電力線(高速段保持手段)51で繋げて電気的に接続することにより多段変速機40における高速段保持を実現している。
以下、図3及び図4を参照し、HST回路26で行われる多段変速機40の速度段の高速段保持について詳しく説明する。駐車ブレーキ回路48は、駐車ブレーキ用電磁弁42、駐車ブレーキ用スイッチ24、駐車ブレーキ用リレー52等が閉回路接続されて形成されている。駐車ブレーキ回路48にはバッテリ60から給電され、バッテリ60からの給電は駐車ブレーキ回路48を流れる過電流により駐車ブレーキ用ヒューズ56によって遮断される。
駐車ブレーキ用スイッチ24は、オンにより駐車ブレーキ22を作動させてHSTモータ28を制動する。一方、駐車ブレーキ用スイッチ24は、オフにより駐車ブレーキ22を非作動としてHSTモータ28の制動を解除する。駐車ブレーキ用リレー52は、駐車ブレーキ用スイッチ24がオンのときに可動接点52aが開接点52cに接触してオンとなる。一方、駐車ブレーキ用リレー52は、駐車ブレーキ用スイッチ24がオフのときに可動接点52aが閉接点52bのままでオフとなる。
そして、駐車ブレーキ用電磁弁42は、駐車ブレーキ用リレー52の可動接点52aがオフのときに通電され、該通電により開弁することで駐車ブレーキ22にチャージ圧が供給されてHSTモータ28の制動を解除する。一方、駐車ブレーキ用電磁弁42は、駐車ブレーキ用リレー52の可動接点52aがオンのときに非通電となり、該非通電により閉弁することで駐車ブレーキ22へのチャージ圧が遮断されてHSTモータ28を制動する。
変速回路50には、HSTポンプ32側の変速用電磁弁46、変速用スイッチ58等が接続されて形成されている。変速回路50にはバッテリ60から給電され、バッテリ60からの給電は変速回路50を流れる過電流により変速用ヒューズ62によって遮断される。変速用電磁弁46はバッテリ60からの給電が変速用ヒューズ62の切断等の原因で遮断されたとき、多段変速機40の速度段を低速段に切り替える。
また、電力線51は、駐車ブレーキ回路48における駐車ブレーキ用リレー52の開接点52c側と、変速回路50における変速用電磁弁46側とに接続されている。
図4に示すように、先ず、駐車ブレーキ用スイッチ(P/B・SW)24が作動(オン)しているか否かを判定する(ステップS11)。P/B・SW24がオンのとき(Yes)、ステップS12に移行し、P/B・SW24がオンではないとき(No)、再びステップS11に移行する。
次に、ステップS12では、駐車ブレーキ用リレー(P/Bリレー)52を励磁(オフ)させてステップS13、S14に移行する。
ステップS13では、駐車ブレーキ用電磁弁(P/B電磁弁)42を非通電として閉弁してステップS15に移行する。ステップS15では駐車ブレーキ(P/B)22を作動させてHSTモータ28を制動し、本フローをリターンする。一方、ステップS14では、駐車ブレーキ用電磁弁42の非通電に伴い電力線51に通電され、ステップS16に移行する。
ステップS16では、駐車ブレーキ22が作動してHSTモータ28が制動されているときには、速度段が低速段のとき、駐車ブレーキ回路48から電力線51を介して変速回路50の変速用電磁弁46に給電することにより、多段変速機40の速度段を低速段から高速段に電気的に切り替えて保持し、本フローをリターンする。
また、駐車ブレーキ22が作動してHSTモータ28が制動されているときには、変速用ヒューズ62の切断等によりバッテリ60からの給電が遮断され、当該遮断により多段変速機40の速度段が低速段に切り替えられても、駐車ブレーキ回路48から電力線51を介して変速回路50の変速用電磁弁46に給電することにより、多段変速機40の速度段が高速段に電気的に切り替えられて保持される。
以上のように本実施形態の振動ローラ車両1では、HST回路26が多段変速機40の速度段の高速段保持手段として電力線51を有する。これにより、駐車ブレーキ22が作動してHSTモータ28が制動中には、多段変速機40の速度段が低速段であるときには速度段を高速段に電気的に切り替えて保持し、多段変速機40の速度段が高速段であるときには速度段を高速段のまま保持することができる。従って、HST回路26において油路である配管や配管を遮断、連通するための電磁弁等を別途設ける必要はない。すなわち、油圧回路の改造を行わなくとも、駐車ブレーキ回路48及び変速回路50を構成する電気回路に電力線51、すなわちハーネスを1本追加するだけで、上述した高速段保持手段を実現することができる。
また、駐車ブレーキ22の作動中に多段変速機40の速度段を高速段に保持することにより、坂道等で振動ローラ車両1が動いてしまう危険性を確実に排除することができ、駐車ブレーキ22による制動の安全性及び信頼性を高めることができる。具体的には、極端に急な坂道においては、駐車ブレーキ22の作動中に作業者が誤って前後進レバーを操作した際に、低速段の高トルクと振動ローラ車両1の車重とによって、駐車ブレーキ22の制動力よりも振動ローラ車両1の発進力が勝り、振動ローラ車両1が動いてしまう危険性は払拭できない。
しかし、上記高速段保持手段を備えることにより、こういった振動ローラ車両1の意図しない発進を確実に防止することができる。従って、駐車ブレーキ回路48を含むHST回路26の低コスト且つ省スペース化を実現しながら、駐車ブレーキ22による制動の安全性及び信頼性を高めることができる。
また、駐車ブレーキ回路48から電力線51を介して変速回路50の変速用電磁弁46に給電することにより、変速用ヒューズ62の切断によりバッテリ60からの給電が遮断され、変速回路50が無給電状態で速度段が低速段となったときであっても、多段変速機40の速度段を高速段に確実に切り替えて保持することができる。
また、電力線51は、駐車ブレーキ回路48における駐車ブレーキ用リレー52の開接点52c側と、変速回路50における変速用電磁弁46とに接続される。これにより、駐車ブレーキ用リレー52が固着等により動かなくなったとしても、駐車ブレーキ用電磁弁42が通電により開弁(オン)の状態、すなわち、駐車ブレーキ用スイッチ24がオンであるにも拘わらず、HSTモータ28の制動が解除されて振動ローラ車両1が走行可能な状態で、作業者の意に反して速度段が低速段から高速段にされて急加速するような事態を防止することができる。
以上で本発明の実施形態についての説明を終えるが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
例えば、図5に示すように、駐車ブレーキ22が作動してHSTモータ28が制動されたとき、高速段保持手段により速度段を高速段に切り替えるのを遅延させる遅延手段として、HST回路26の電力線51にタイマー64を設けても良い。このタイマー64によって、駐車ブレーキ回路48から変速回路50の変速用電磁弁46への給電が遅延される。
また、図6に示すように、上記遅延手段の別の例として、HSTポンプ32側の変速用電磁弁46と、HSTモータ28側の変速用切換弁44とを接続する油路66にオリフィス68を設けても良い。このオリフィス68によって油路66の流路が絞られるため、変速用切換弁44と変速用電磁弁46との間の作動油の流れが遅延される。
図7に示すように、このような遅延手段のステップS17を速度段の切り替え側のステップルートであるステップS14、S16間に設けたことにより、駐車ブレーキ22が確実に作動した後に、速度段が高速段に切り替えられる。従って、速度段が高速段に一瞬切り替わった後に駐車ブレーキ22による制動が行われることを防止することができる。従って、振動ローラ車両1が制動直前に一瞬加速して動くような状態が排除され、作業者のドライブフィーリングの違和感を確実に払拭することができる。
また、上記実施形態では、図2においてHST回路26における前部転圧ローラ2側の油圧回路を代表して示し、本発明の高圧段保持について説明した。しかし、前述したように、本実施形態の特徴部分については後部転圧ローラ6側の油圧回路も前部転圧ローラ2側の油圧回路とほぼ同じ構成となり、本発明の高圧段保持を後部転圧ローラ6の制動時にも行うのは勿論である。
また、上記実施形態では、振動ローラ車両1により本発明を具現化して説明したが、適用する転圧機械はこれに限定されるものではなく、前後輪をともに鉄輪(転圧輪)としたマカダムローラ、或いは、前後輪をゴムタイヤとしたタイヤローラ等の車両に適用しても良い。
1 振動ローラ車両(転圧機械)
22 駐車ブレーキ
24 駐車ブレーキ用スイッチ
26 HST回路
28 HSTモータ
32 HSTポンプ
40 多段変速機
42 駐車ブレーキ用電磁弁
44 変速用切換弁
46 変速用電磁弁
48 駐車ブレーキ回路
50 変速回路
51 電力線(高速段保持手段)
52 駐車ブレーキ用リレー
52a 可動接点
52b 閉接点
52c 開接点
60 バッテリ
62 変速用ヒューズ
64 タイマー(遅延手段)
66 油路
68 オリフィス(遅延手段)

Claims (10)

  1. HSTポンプとHSTモータとが油路で閉回路接続され、チャージ圧となる作動油が供給されるHST回路と、
    前記HSTモータに接続され、前記チャージ圧を解除圧として受圧して前記HSTモータの制動を解除するネガティブ式の駐車ブレーキと、
    前記HSTモータに接続され、前記チャージ圧を受圧して速度段を高速段と低速段とに切り替える多段変速機と
    を備え、
    前記HST回路は、前記駐車ブレーキが作動して前記HSTモータが制動されているとき、前記多段変速機の前記速度段を前記高速段に電気的に切り替えて保持する高速段保持手段を有する、転圧機械。
  2. 前記HST回路は、
    前記駐車ブレーキへの前記チャージ圧の供給、遮断を切り替える駐車ブレーキ用電磁弁を含み、前記駐車ブレーキ用電磁弁が電気的に接続される駐車ブレーキ回路と、
    前記多段変速機への前記チャージ圧の供給、遮断を切り替えることにより前記速度段を前記高速段、前記低速段に切り替える変速用電磁弁を含み、前記変速用電磁弁が電気的に接続される変速回路と
    をさらに備え、
    前記高速段保持手段は、前記駐車ブレーキ回路と前記変速回路とを電気的に接続する電力線である、請求項1に記載の転圧機械。
  3. 前記駐車ブレーキ回路は、オンにより前記駐車ブレーキを作動させて前記HSTモータを制動する一方、オフにより前記駐車ブレーキを非作動として前記HSTモータの制動を解除する駐車ブレーキ用スイッチをさらに含み、
    前記駐車ブレーキ用電磁弁は、前記駐車ブレーキ用スイッチがオフのときに前記駐車ブレーキに前記チャージ圧が供給されて前記HSTモータの制動を解除する一方、前記駐車ブレーキ用スイッチがオンのときに前記駐車ブレーキへの前記チャージ圧が遮断されて前記HSTモータを制動する、請求項2に記載の転圧機械。
  4. 前記変速回路は、前記変速回路に給電するバッテリをさらに含み、
    前記変速用電磁弁は、前記バッテリからの給電が遮断されたとき、前記速度段を前記低速段に切り替え、
    前記高速段保持手段は、前記駐車ブレーキが作動して前記HSTモータが制動されているときには、前記速度段が前記低速段のとき、前記駐車ブレーキ回路から前記電力線を介して前記変速回路の前記変速用電磁弁に給電することにより、前記速度段を前記高速段に電気的に切り替えて保持する、請求項3に記載の転圧機械。
  5. 前記変速回路は、前記変速回路を流れる過電流により前記バッテリからの給電を遮断する変速用ヒューズをさらに含み、
    前記高速段保持手段は、前記駐車ブレーキが作動して前記HSTモータが制動されているときには、前記変速用ヒューズの切断により前記バッテリからの給電が遮断されたときであっても、前記駐車ブレーキ回路から前記電力線を介して前記変速回路の前記変速用電磁弁に給電することにより、前記速度段を前記高速段に電気的に切り替えて保持する、請求項4に記載の転圧機械。
  6. 前記駐車ブレーキ回路は、前記駐車ブレーキ用スイッチがオンのときに可動接点が開接点に接触してオンとなる一方、前記駐車ブレーキ用スイッチがオフのときに前記可動接点が閉接点のままでオフとなる駐車ブレーキ用リレーをさらに含み、
    前記駐車ブレーキ用電磁弁は、前記駐車ブレーキ用リレーの前記可動接点がオフのときに通電され、該通電により開弁することで前記駐車ブレーキに前記チャージ圧が供給されて前記HSTモータの制動を解除する一方、前記駐車ブレーキ用リレーの前記可動接点がオンのときに非通電となり、該非通電により閉弁することで前記駐車ブレーキへの前記チャージ圧が遮断されて前記HSTモータを制動する、請求項4又は5に記載の転圧機械。
  7. 前記電力線は、前記駐車ブレーキ回路における前記駐車ブレーキ用リレーの前記開接点側と、前記変速回路における前記変速用電磁弁とに接続される、請求項6に記載の転圧機械。
  8. 前記HST回路は、前記駐車ブレーキが作動して前記HSTモータが制動されたとき、前記高速段保持手段により前記速度段を前記高速段に切り替えるのを遅延させる遅延手段を有する、請求項3に記載の転圧機械。
  9. 前記遅延手段は、前記電力線に設けられ、前記駐車ブレーキ回路から前記変速回路の前記変速用電磁弁への給電を遅延させるタイマーである、請求項8に記載の転圧機械。
  10. 前記遅延手段は、前記変速用電磁弁から前記多段変速機に接続された前記作動油の前記油路に設けられたオリフィスである、請求項8に記載の転圧機械。
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