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JP6314014B2 - 耐風性に優れたネット - Google Patents
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JP6314014B2 - 耐風性に優れたネット - Google Patents

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Description

本発明は、住宅、店舗あるいは農場等で、半遮光または半隠蔽用途で用いられるネットに関する。更に詳しくは、繊度が同一の鞘芯型熱接着性複合繊維のみで織編され、且つ該鞘芯型熱接着性複合繊維の相互の交点が熱融着されたネットであって、繊維の密度を調整することで、目的の遮光率または隠蔽効果を備えた、半遮光または半隠蔽用途で用いられる、耐風性に優れたネットに関する。
住宅や店舗では、一般に遮光または隠蔽目的にカーテンが用いられている。厚生地のカーテンは、繊維の目が最密に詰まるよう織られた布地が使用され、さらに複数の布地を組み合わせて、ある程度の厚みを持たせた構成となるため、ほぼ完全遮光または完全隠蔽効果が得られる。また、完全遮光または完全隠蔽効果が要求されない場合では、例えばレース生地のカーテンが広く利用されている。このカーテンは、厚生地のカーテンよりも繊維の目合(繊維間の距離)が広いため、カーテン越しに向かいの様子を薄っすらと窺い知ることが出来る。
しかしながら、布地を利用したカーテンは、一般に布地の厚さと繊維の目の詰まりから通気性は著しく低い。レース生地のような薄手の布地を用いた場合でも、紡績糸特有の毛羽立ちや布地の柔らかさに由来する通気性の低さがあり、風により巻き上がったり、形状が崩れたりして遮光や隠蔽効果を損なうことがある。さらに、例えば浴室の窓のような、湿気が高く、濡れるような場所での使用は困難である。
また、住宅や店舗では、カーテンのほかブラインドも広く利用されている。ブラインドは、羽の隙間を任意に調整することで遮光や隠蔽の具合を調整できる反面、カーテンと同様、風圧により羽が変形し、遮光や隠蔽効果を損なうことがある。
遮光ネットは、住宅や店舗での使用は殆どなく、農業用途において広く使用されている。そのため、先行技術としては、農業用の遮光ネットが主である。農業用の遮光ネットは、一般にネットの経糸間または緯糸間にフィルムやフラットヤーン等を挿入した形態のものが広く利用されている。例えば、特許文献1には、熱融着性繊維とテープヤーンで構成され、熱融着性繊維同士の経糸と緯糸の交点が熱融着されたネットが開示されている。また、特許文献2には、遮光性を有する素材でテープ状に形成した多数本の各フラットヤーンと、伸縮性を有する素材で形成した多数本の各糸条とを交差してネット状に編成した遮光ネットが開示されている。さらに、特許文献3には、不織布を細幅にスリットしたテープ状糸条を、合成樹脂のフラットヤーン又はフィラメントからなるネット基布の少なくとも片面に間隔をおいて熱融着させた遮光ネットが開示されている。
特許文献1〜3に開示されたネットのように、従来技術では遮光効果を持たせるために、フィルムやフラットヤーン等の使用が必須であった。また、フィルムやフラットヤーンは、薄いために耐光性が弱く、経時的劣化によりネットの開口部が増加し、遮光や隠蔽効果が低下することがあった。
熱接着性複合繊維で織編され、繊維交点を熱接着させたネット材は公知であるが、該ネット材は経糸および緯糸が密に織編されたものではなく、遮光や隠蔽効果は高くなかった。また、交点熱接着の効果を期待しているため、鞘部分の面積割合が芯部分に対して50%を超えるものであり、鞘部分の面積が非常に大きい場合は交点熱接着力が大きい反面、鞘部分の樹脂成分が接着時に溶融して拡がってしまうために目合が場所によって異なったり、塞がったりしてしまうことがあった。また、交点が熱接着されていないネットでは、張力等により繊維の位置がずれてしまうことがある。このため、風圧等の外圧により目合が変化してしまうことがあった。
さらに、従来のネットでは、張力がかかった状態で風などの外力を受けた場合、ネット底部に負荷がかかり、底部またはこの近傍を構成する繊維が切断してしまうことがあった。また、ネットの巻上げや展張の繰り返し等により、ネットを構成する見掛けの経糸が重力方向に対して角度を持つ場合、即ち、ネットが傾いた状態も、外力を受けて繊維の任意の交点に応力が集中し、解れや破れが起こることがあった。これらの問題は、経糸と緯糸の繊度が大きく異なる場合や、繊度が小さい場合に比較的起こりやすい。
繊度を大きくすれば、繊維自体の強度が増すものの、ネット自体の自重が大きくなるため、この場合はネットの上部に継続的な負荷がかかることとなり、上部またはこの近傍を構成する繊維を切断してしまう。また、ネットの剛性(硬さ)も大きくなるため、扱いにくくなってしまう。
従来のネットは、経糸と緯糸の打ち込み本数が同じ(ネットの開口部が正方形)である。この場合、ネットが傾いた状態で応力がかかると、ネットの大きな平面歪み変形が起こる。これは、開口部を構成する正方形において、受けた外力は一方の対角線方向に応力分散されるが、この応力分散は唯一一方方向に集約されるため、ネット全体としてみれば、対角線方向に一本の大きな隆起した筋が発生することとなる。この現象も、ネットの交点や繊維自体にダメージを与えるため、破れや解れの原因になることがある。
特開平10−44273号公報 特開平6−153710号公報 特開平10−327684号公報
本発明は、フィルムやフラットヤーン等を使用することがなく、風圧等の外圧による目合の変化や解れ、破れ、平面歪み変形がなく、さらには経時的に遮光や隠蔽効果の変化がない、適切な遮光や隠蔽効果を有するネットの提供を課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、経糸および緯糸に繊度が同一の鞘芯型熱接着性複合モノフィラメントを用い、且つ該複合モノフィラメントをある範囲で密に織編することで上記の課題が解決されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
1.繊度300〜800dtexの鞘芯型熱接着性複合モノフィラメントを経糸および緯糸として密に織編されたネットであって、経糸と緯糸の繊度は同一であり、経糸および緯糸の打ち込み本数比は一定の範囲になるよう織編されており、且つ経糸と緯糸の交点が熱接着されているネット。
2.鞘芯型熱接着性複合モノフィラメントが、融点差15℃以上の低融点熱可塑性樹脂と高融点熱可塑性樹脂からなり、鞘芯比が重量比で鞘:芯=20:80〜60:40の範囲である、項1に記載のネット。
3.1インチあたりの経糸および緯糸の打ち込み本数比が、少ない方の打ち込み本数基準で1.6〜2.6の範囲で密に織編された、項1または2に記載のネット。
4.遮光率が60%以上85%以下である、項1〜3の何れか1項に記載のネット。
5.引裂強度が70N以上である、項1〜4の何れか1項に記載のネット。
6.引張強度が140N以上であり、且つ45°引張強度が70N以上である、項1〜5の何れか1項に記載のネット。
7.項1〜6の何れか1項に記載のネットを使用した物品。
本発明によれば、従来必須であったフィルムやフラットヤーン等を使用することがない。厚みの薄いフィルムやフラットヤーンは耐光劣化が早いが、本発明のネットは熱接着性複合モノフィラメントのみで構成されるため、ネット材としての耐光性が高い。また、交点が熱接着されており、風圧等の外圧による目合の変化や遮光や隠蔽効果の変化がない。
さらに本発明のネットは、密に織編されていること、および繊維交点が熱接着されていることから、遮熱効果も高い。さらに、開口部は正方形ではないため、受けた外力が一方の対角線方向に応力分散されたとしても、各開口部における対角線長が長いため、1つの開口部あたりの荷重分散量が少なくて済む。即ち、応力分散のベクトル量(エネルギー量)が正方形の場合よりも小さくなる。そのため、ネット全体としてみれば、対角線方向に一本の大きな隆起した筋が著しく発生しにくいので、大きなネットの平面歪み変形も起こりにくい。
実施例1に開示のネットの写真(一眼レフカメラ・マクロレンズ使用)である。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、鞘芯型熱接着性複合モノフィラメントのことを単に複合モノフィラメントまたは繊維と記すことがある。本発明の遮光に適したネットを、遮光ネット、或いは単にネットと記載することがある。繊維を用いてネットの形状に成形する行為を織編と表現する。本発明において、目合1mm以下のネットにおいて、打ち込み比が1.5以上である場合を密と定義する。
本発明の遮光ネットは、繊度が同一の鞘芯型熱接着性複合モノフィラメントを経糸および緯糸として密に織編されたネットである。ここで、繊度が同一とは、完全同一ではなくてもよく、製造上発生する常識的な違いは許容される。一般的には、±10dtex程度の違いは、同一の概念に含まれるものとして許容される。
複合モノフィラメントは、ネットに織編した際の繊維交点の接着性や、ネット自体の強度を考慮すれば、300dtex以上の繊度のものを用いる。好ましくは、400dtex以上であり、更に好ましくは550dtex以上である。
また、ネット自体の過大な剛直性や、大重量化を防止するためには、繊度800dtex以下の複合モノフィラメントを使用する。好ましくは750dtex以下、更に好ましくは700dtex以下である。
本発明は、経糸と緯糸の繊度が同一であることで、相対的に細繊度の繊維がなくなるため、外部の荷重を受けた場合に、細繊度の繊維にのみ応力集中が起きることが無いので、ネットが破れにくくなる。
本発明の遮光ネットを構成する複合モノフィラメントは、鞘芯型の熱接着性複合モノフィラメントである。複合モノフィラメントの構造は、鉛筆断面のような略同心円状となる鞘芯型、三日月のような偏芯型、海に浮かぶ島々のように見える海島型などが挙げられるが、繊維長手方向の張力による捲縮(クリンプ;カール状の繊維の巻き)を防ぐためには、略同心円状となる鞘芯型の複合モノフィラメントが選択される。クリンプは織編時の装置トラブルや、ネットの歪み等といった現象を起こすことがあるのでない方がよい。
鞘芯型は、上記の通り繊維の断面が略同心円状となる。繊維の断面とは、繊維の長手方向に対して直角に切り出した断面のことである。略同心円状とは、鞘成分で描かれる円(外円)のほぼ中央に芯成分で描かれる円(内円)が出現することを意味するが、外円の中心と内円の中心が完全に一致することまでは要求されない。外観上、略同心円であれば良い。
複合モノフィラメントの鞘芯比は、鞘成分:芯成分=20:80〜60:40(重量比)の範囲であることが好ましい。鞘成分の下限値20wt%は、繊維交点の接着強度を考慮したものであり、上限値の60wt%は織編時の繊維ダメージ(フィルム化)を考慮したものである。より好ましい範囲は、鞘成分:芯成分=30:70〜50:50(重量比)である。
本発明の遮光ネットを構成する複合モノフィラメントは、低融点熱可塑性樹脂と高融点熱可塑性樹脂からなることが好ましく、融点差15℃以上であることが好ましい。繊維交点の熱接着が必須であるため、鞘成分が低融点熱可塑性樹脂であり、芯成分が高融点熱可塑性樹脂となる。
融点差が小さいと、熱接着時の温度調整が難しいため、15℃以上の融点差があるのが好ましい。より好ましい融点差は25℃以上であり、更に好ましくは30℃以上である。融点差の上限は特に規定なく、著しい融点差による鞘成分樹脂の熱劣化等が起きないよう考慮して鞘成分や芯成分となる材料を選定すればよい。
本発明の遮光ネットを構成する複合モノフィラメントの材料としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレンと他のα−オレフィンとの二〜三元共重合体等のポリオレフィン、ナイロン−6、ナイロン−66等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、酸成分としてテレフタル酸とイソフタル酸が共重合された低融点共重合ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリフェニレンサルファイド等の熱可塑性樹脂及びその混合物等が使用できる。
本発明で使用する繊維は複合モノフィラメントであるため、鞘成分と芯成分は前記熱可塑性樹脂の様々な組合せの物が例示できる。例えば高密度ポリエチレン/ポリプロピレン、プロピレン・エチレン・二元共重合体/ポリプロピレン、プロピレン・エチレン・ブテン−1三元共重合体/ポリプロピレン、高密度ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン/ポリエチレンテレフタレート、低融点共重合ポリエステル/ポリエチレンテレフタレート等の組合せが例示できる。
これらの組み合わせのうち、好ましい組み合わせは高密度ポリエチレン/ポリプロピレン、プロピレン・エチレン・ブテン−1三元共重合体/ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリエチレンテレフタレートである。
本発明で用いる複合モノフィラメントは、公知の方法で紡糸して得ることができる。特に紡糸方法に限定はなく、鞘芯型の複合モノフィラメントが得られればよい。
本発明の遮光ネットは、所定の隠蔽効果や遮光率となるよう、1インチあたりの経糸および緯糸の打ち込み本数の比を調整することができる。打ち込み本数比は、少ない方の打ち込み本数基準で1.6〜2.6の範囲になるよう、密に織編されているのが好ましい。例えば、1インチあたりの経糸の打ち込み本数が20本で、1インチあたりの緯糸の打ち込み本数が40本の場合は、打ち込み本数比は2.0となる。隠蔽効果や遮光率は、打ち込み本数比で調整するため、特に好ましい範囲というものは無く、目的によって決定される。
通常ネットにおいて、目合とは繊維間の距離をいう。農業用ネットにおいて目合は4mm程度のものが一番広い部類になる。本発明においては、目合は4mm程度にすることも実施可能であるが、一般に住宅や店舗では4mmの目合は広すぎるため、1mm以下とすることが好ましい。下限値に制限はなく、工業的に織編可能な範囲が下限値となる。
本発明においては、打ち込み本数比との関係で、目合1mm以下のネットにおいて、打ち込み比が1.5以上である場合を密という。打ち込み本数比は、1.6〜2.6の範囲になるよう織編されているのが好ましいから、この場合には密に織編されているものである。
繊維の色によっても隠蔽効果や遮光率は変わることがある。打ち込み比が同じであっても、一般にナチュラル系(顔料を使用せず、樹脂に由来する色系)の繊維や、金属系顔料を添加した光沢のある繊維の方が、黒色系の顔料を添加した繊維よりも遮光率が低くなる傾向がある。経糸および緯糸の組み合わせはいずれの色の組み合わせでもよい。織編方法によっても遮光率は若干変化することがある。しかしながら、本発明の好ましい打ち込み比1.6〜2.6の範囲であれば、概ね遮光率を60%以上85%以下に調整することが可能であり、隠蔽効果も得られる。
本発明のネットの引裂強度は、70N以上である。引裂強度は、繊維交点の接着強度、或いは単糸強度のいずれか弱い物性に相関すると考えられ、外力を受けた際のネットの破れや解れを理解する上で重要な要素の1つとなる。特に本発明では、経糸および緯糸が密に織編されているため、通常のネットよりも風の影響を受けやすいと考えられる。
ネットの破れと風圧の関係は明確なものが無いが、一般的な住宅に必要なサッシ・ドアの耐風圧性能(目安)は、JIS等級によれば1階の窓で800MPa(風速36m/s程度)、2階の窓で1200MPa(風速44m/s程度)、3階の窓で1600MPa(風速50m/s程度)とされている。このJIS等級目安に記載の風速と応力の関係、一般に台風時の風速が17m/s(風力8)以上であること、ネットは開口部が多数あることを考慮し、70MPa程度の応力(概ね70Nの引裂強度相当)に耐えられれば過酷な環境下でも支障なく使用に耐えうるため好ましい。
本発明のネットの、45°引裂強度は、70N以上である。なお、45°引裂試験は特定の工業規格に規定されたものではないが、ネットにより負荷がかかった条件を想定したものである。なおこの試験は、試験片中の繊維が、評価装置の掴みチャック水平面に対して45°傾斜した状態の試験片を用いて測定する。
45°引裂強度は、個の繊維の物性を理解するという点では通常の引裂試験と同じ考え方である。したがって、繊維交点の接着強度、或いは単糸強度のいずれか弱い物性に相関すると考えられ、通常の引裂試験と同様、45°引裂強度は70N以上であることが好ましい。
本発明のネットの引張強度は、140N以上である。引張強度も、繊維交点の接着強度、或いは単糸強度のいずれか弱い物性に相関すると考えられるが、引裂強度が個の繊維の影響を反映するに対し、引張強度は面(集合)での強度を反映する。やはり外力を受けた際のネットの破れや解れを理解する上で重要な要素の1つである。
ネット展張時は、少なくとも向かい合う2辺(上下または左右)で張力が働いている。また、上下で固定された場合は、ネットの自重も張力として関与する。ネット面で外力(応力)を受けた場合は、あらゆる方向に応力分散がなされるが、波面の干渉作用により応力の増幅も考えられる。このため、引張強度を引裂強度の2倍値の140N以上とすることが好ましい。
本発明のネットの、45°引張強度は、70N以上である。なお、45°引張試験は特定の工業規格に規定されたものではないが、面で受けた外力(応力)が、個の繊維に対してどのように影響するかを考える上で重要な要素の1つである。なおこの試験は、試験片中の繊維が、評価装置の掴みチャック水平面に対して45°傾斜した状態の試験片を用いて測定する。
45°引張強度は、個の繊維の物性を理解するという点では引裂試験と同じ考え方であるので、やはり繊維交点の接着強度、或いは単糸強度のいずれか弱い物性に相関すると考えられる。このため、引裂試験と同様、45°引張強度は70N以上であることが好ましい。
本発明で使用する複合モノフィラメントは、必要に応じて上記顔料のほか、耐光剤や難燃剤等の各種添加剤を有効量添加しても構わない。なお添加剤は、複合モノフィラメントの原料となる樹脂に予め練りこんでおいてもよく、紡糸時に後添加または追添加しても構わない。
耐光剤として、例えば以下のものが使用できる。
ビス(2,2’,6,6’−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物等のヒンダードアミン系の化合物。2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系の化合物。2(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系、2,4−ジ−t−ブチル−フェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系等の各種紫外線吸収剤やラジカル捕捉剤等の耐光剤。
難燃剤としては、例えば以下のものが使用できる。
塩素系または臭素系のハロゲン化合物、酸化アンチモンのような無機系難燃剤、1,1,3,3,5,5−ヘキサ(メトキシ)シクロトリホスファゼンのような環状ホスファゼン化合物、または1,1,3,3,5,5−ヘキサ(メトキシ)トリホスファゼンのような鎖状ホスファゼン化合物。
上記耐光剤や難燃剤の使用や種類は、目的に応じて選択すればよく、またその組み合わせも任意である。ただし、難燃剤に関しては、環境や人体への負荷を考慮すれば、各種ホスファゼン化合物の使用が好ましい。この他、使用環境や目的に応じて、上記以外の添加剤も有効量添加することができる。
本発明の遮光ネットを得るための織編方法は、従来から知られている織編方法が利用でき、本発明の効果を阻害しない方法であれば特に限定されるものではない。公知の遮光ネットは平織で得られたものが殆どであるが、意匠性の付与や繊維間での光反射・拡散効果を考慮し、斜紋織り、破れ斜紋織りまたは綾織などの織法を選択してもよい。
織編後、繊維の交点が熱処理装置により熱接着される。加熱温度は、本発明のネットに使用された繊維同士の経緯の交点が融着する温度以上とすればよい。具体的には、低融点熱可塑性樹脂の軟化点以上または融点以上、高融点熱可塑性樹脂の融点以下とすればよい。
熱処理装置は各種の装置が使用出来る。例えば熱風型加熱機、赤外線加熱機、遠赤外線加熱機、高圧蒸気加熱機、超音波型加熱機、熱ロール型加熱機、熱圧着ロール型加熱機等、および前記装置を複数組み合わせた装置等が使用できる。熱風型加熱機と熱ロール型加熱機を組み合わせた装置、熱風型加熱機と熱圧着ロール型加熱機を組み合わせた装置等を使用すると、繊維交点の接着強度が高いネットが得られる。
このように、本発明の遮光ネットは交点が熱接着されているので、例えばブラインドの羽に切り出しても風圧で崩壊することがない。また、プリーツ加工のような二次加工も容易に実施できる。
本発明の遮光ネットは、そのまま使用してもよいが、様々な物品に組み込まれて使用することができる。
本発明の遮光ネットを使用した物品としては、例えば遮光スクリーンや透け防止用隠蔽スクリーン、網戸、暖簾、空間仕切り材のような各種建築資材、産業資材、さらには光量調整用のネットなどの農業資材が挙げられる。また、使用する用途は、これらに限定されるものではない。
本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例によって限定されない。
<隠蔽効果の評価方法>
20cm×30cmの大きさのネットを用意した。これを窓ガラスにテープで固定した。窓から2m離れた位置から室内および室外の様子を観察し、隠蔽効果を評価した。評価は下記5段階の目視による官能法で行い、5人の評価結果の平均値で表した。なお評価は春季の晴天時に行なった。また、室内灯を点灯し、外からでも室内がよく見えることを事前に確認した。全てのサンプルは同日に評価した。
(官能評価点数区分)
1点:ネット越しの様子がよく見える
2点:ネット越しの様子がやや見え、何があるかもうっすら分かる
3点:ネット越しの様子がやや見えるが、注視しないと分からない
4点:ネット越しの様子がやや見えるが、何があるかまでは分からない
5点:ネット越しの様子が全く見えない
(隠蔽効果の評価)
(室外から室内を観察した結果の点数)−(室内から室外を観察した結果の点数)が、
1以上のとき:隠蔽効果あり
1未満のとき:隠蔽効果なし
と判定した。
<全光線透過率の評価方法>
JIS K 7375に従って実施した。遮光率を全光透過率から下記の式より求めた。
遮光率(%)=100−全光線透過率(%)
<引裂強度>
引裂試験は、JIS L 1096のシングルタング法A−1に準拠し、試験速度は100mm/minで行なった。試験片は、幅50mm×長さ250mmである。本発明のネットは、経糸および緯糸の繊度が同一のため、引き裂かれる方向はいずれでもよいが、繊度の異なる場合では、細い繊度の繊維が引き裂かれる方向になるよう試験片を作製する。
<45°引裂強度>
工業規格に規定されたものではないが、試験片中の繊維が試験機の掴みチャック水平面に対して45°傾斜した状態の試験片を使う以外は、通常の引裂強度の測定方法と同じである。
<引張強度>
JIS L 1096に準拠した。チャック間の距離は100mm、試験速度は100mm/minで行なった。試験片は、幅約10mm×長さ300mmである。なお、引張試験で使用する試験片の幅長は、繊維10本分が長さ方向に配列するように作製されるため、繊度や繊維(織り)の密度により異なる。
<45°引張強度>
工業規格に規定されたものではないが、試験片中の繊維が試験機の掴みチャック水平面に対して45°傾斜した状態の試験片を使う以外は、上述した引張強度の測定方法と同じである。なお、この試験に用いる試験片の幅長は、繊維が傾斜した状態にあるため、繊維10本分とするのが困難であるため、上述した、通常の引張強度の測定で用いる試験片の幅長と同じになるように作製する。
なお、全ての引裂強度、引張強度の測定は、株式会社上島製作所製のTS−2632型ユニコーンII汎用試験機を用いて測定した。試験片は各試験で5枚ずつ用意し、結果は測定5回の平均とした。
以下に本発明で使用した複合モノフィラメントの構成を記す。なお、顔料を用いたものもあるが、具体的な色については表1にて後述する。紡糸は、公知の溶融紡糸法により行なった。
<複合モノフィラメントの紡糸1>
鞘成分が融点138℃のエチレン・プロピレン・ブテン−1コポリマ−、芯成分が融点171℃のポリプロピレンを用い、鞘芯比が鞘:芯=35:65、繊度が320dtexの複合モノフィラメント(繊維A)、繊度が560dtexの複合モノフィラメント(繊維B)を得た。鞘芯比は共通とした。
[実施例1および比較例1]
得られた繊維AおよびBを用いて、表1に示す構成のネットを織編し、各々繊維交点が熱接着できる温度で熱処理して評価用のネットを得た。
実施例1で得られたネットを用いて、隠蔽効果の評価を行なった。評価結果を表2に示す。
本発明のネットで隠蔽効果を確認できた。
実施例1で得られたネットを用いて、全光線透過率の評価を行なった。評価結果を表3に示す。
本発明のネットは、適切な遮光率を得ることができた。
実施例1および比較例1で得られたネットを用いて、引裂強度、45°引裂強度、引張強度および45°引張強度の測定を行なった。結果を表4に示す。
本発明の遮光ネットは、適切な遮光率と隠蔽効果を有するネットであり、例えば遮光スクリーンや透け防止用隠蔽スクリーンなどに好適に使用することが出来る。
1…経糸、2…緯糸

Claims (5)

  1. 繊度300〜800dtexの鞘芯型熱接着性複合モノフィラメントを経糸および緯糸として密に織編されたネットであって、経糸と緯糸の繊度は同一であり、1インチあたりの経糸および緯糸の打ち込み本数比が、少ない方の打ち込み本数基準で1.6〜2.6の範囲で密に織編されており、且つ経糸と緯糸の交点が熱接着されている、引裂強度が70N以上であるネット。
  2. 鞘芯型熱接着性複合モノフィラメントが、融点差15℃以上の低融点熱可塑性樹脂と高融点熱可塑性樹脂からなり、鞘芯比が重量比で鞘:芯=20:80〜60:40の範囲である、請求項1に記載のネット。
  3. 遮光率が60%以上85%以下である、請求項1又は2に記載のネット。
  4. 引張強度が140N以上であり、且つ45°引張強度が70N以上である、請求項1〜の何れか1項に記載のネット。
  5. 請求項1〜の何れか1項に記載のネットを使用した物品。
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