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JP6314836B2 - 有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法及び製造装置 - Google Patents
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JP6314836B2 - 有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法及び製造装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法及び製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンスパネル(以下、「有機ELパネル」とも記載する。)の製造方法及び製造装置に関する。
有機ELパネルの発光層を構成する材料及び発光ユニットは、吸湿すると、その発光輝度は著しく損なわれる。そのため、有機ELパネルの内部を低湿度環境に保つことが必要であり、外気から遮断・保護するための手段を設けて封止構造としている。
有機ELパネルの製造方法としては、例えば、ガラスキャップや金属製缶と接着材とを使用して気密性空間を作り、その中に有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」とも記載する。)及び乾燥剤を入れて封止するケーシングタイプの方法が開示されている。
近年は、プラスチック基板上やガラス基板上に薄い有機発光層を形成し、可撓性のあるハイバリアフィルムや金属箔等を用いて、接着材で面接着して封止する固体封止タイプの有機ELパネルの製造方法が開発されている。この製造方法は、耐湿性に優れた薄型・軽量の有機ELパネルの製造方法として実用化が進められている。
一方、樹脂フィルム等の可撓性の基板を用いて、ロールツーロール方式によって有機ELパネルを製造する方法も盛んに検討されるようになってきた。ロールツーロール方式による製造方法は、連続生産が可能なので、生産効率を向上させるというメリットを有している。
さらに、電極取出部を封止基板上の任意の位置に高精度でかつ容易に形成することが可能な、位置情報による調整機構を具備した貼合方法が開示されている。また、面接着構造の封止方法においては、封止性能すなわち貼り合せ品質を向上させるため、真空下で貼り合せる等の方法が提案されている。
特許文献1には、ロールツーロール方式によって長尺の素子基板と長尺の封止基板とを貼り合せて封止構造体を形成する方法が開示されている。ここでは、素子基板の電極位置情報としてアライメントマークが使用されている。特許文献2には、連続基材同士の真空ラミネーションにおいて、チャンバ内にストレージ手段を設けることによって効率よくラミネートすることが開示されている。
特表2012−22783号公報 特開2002−52610号公報
ところが、貼り合せ後の封止済み長尺基板は、製造工程における搬送によって位置ずれが発生するおそれがある。高精度に位置合わせを行って貼り合せを行ったにもかかわらず、貼合工程以降の各工程を搬送する間に位置ずれや剥がれが生じるといった問題点が存在する。特に、ロールツーロール方式の場合、基材が連続的に繋がっており、前後の処理工程との関係から、中断せずに連続して搬送する必要がある。そのため、位置ずれがわずかでも生じると、その位置を起点に位置ずれが連続し、修正されることなく、拡大していく懸念がある。
特許文献1では、貼合工程から硬化工程までの搬送方法について特に記載がない。貼合工程から硬化工程まで直線的に搬送した場合は、工程は長大なものとなり、装置が大型化してしまう。さらに、直線的な搬送のみであった場合は、熱硬化後の温度変化(冷却)や硬化収縮によってカールが発生し易くなる。
また、特許文献2では、チャンバ容積を小さくするために、パスロールを介した屈曲搬送が多用されている。この場合は、貼合後の屈曲搬送によって位置ずれや剥がれが発生し易くなるといった問題点が存在する。
本発明はかかる状況に鑑みてなされたものである。本発明の課題は、長尺基材を用いた連続生産が可能であり、長尺基材の貼合後の位置ずれや剥がれを防止し、製造装置の大型化を抑制することができる有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法とその製造装置を提供することである。
本発明者らは、貼合後の多層基板が、搬送によって位置ずれが発生する原因を検討したところ、貼合後の工程中で、層間に剥がれが生じたり、せん断力が働くことによって層間にずれや歪みが生じたりすることによるものと判断した。
そこで、本発明者らは、こうした問題点の解決策について検討を重ねた。その結果、長尺の素子基板と長尺の封止基板とを貼合後に、直線的な搬送工程を維持しつつ、両基板を接着する硬化性樹脂を半硬化させ、その後、屈曲する工程を搬送させつつ、硬化性樹脂を完全に硬化させるという製造方法を採用することによって、上記課題を解消し得ることを見出した。即ち、本発明は下記の構成を有するものである。
1.第1電極と発光層を含む有機機能層と第2電極とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子が表面に形成された長尺の素子基板と、硬化性樹脂から構成される接着層が表面に形成された長尺の封止基板とを、当該素子基板の有機エレクトロルミネッセンス素子が形成された面と当該封止基板の接着層が形成された面において貼合して、多層基板を形成する貼合工程と、前記多層基板を直線搬送する直線搬送工程と、前記多層基板を直線搬送しつつ前記接着層を硬化させる第1硬化工程と、前記多層基板を屈曲搬送しつつ前記接着層を硬化させる第2硬化工程とを有し、これらの工程をこの順に行うことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
2.前記接着層を構成する硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂であり、前記接着層の硬化手段が加熱であることを特徴とする前記1に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
3.前記接着層を構成する硬化性樹脂は、光硬化性樹脂であり、前記接着層の硬化手段が光照射であることを特徴とする前記1に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
4.前記第1硬化工程後で、前記第2硬化工程前における前記接着層を構成する硬化性樹脂の硬化率は、30%以上であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
5.前記第1硬化工程後で、前記第2硬化工程前における前記接着層を構成する硬化性樹脂の粘度は、3000Pa・s以上であることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
6.前記貼合工程において、前記素子基板と前記封止基板の貼合位置を位置情報による調整機構によって調整することを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
.第1電極と発光層を含む有機機能層と第2電極とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子が表面に形成された長尺の素子基板と、硬化性樹脂から構成される接着層が表面に形成された長尺の封止基板とを貼合して、多層基板を形成する貼合部と、前記多層基板を直線搬送する直線搬送部と、前記多層基板を直線搬送しつつ前記接着層を硬化させる第1硬化部と、前記多層基板を屈曲搬送しつつ前記接着層を硬化させる第2硬化部とを備えることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造装置。
.前記接着層を構成する硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂であり、前記第1硬化部及び前記第2硬化部における前記接着層の硬化手段が加熱であることを特徴とする前記に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造装置。
.前記接着層を構成する硬化性樹脂は、光硬化性樹脂であり、前記第1硬化部及び前記第2硬化部における前記接着層の硬化手段が光照射であることを特徴とする前記に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造装置。
10.前記貼合部は、前記素子基板と前記封止基板の貼合位置の位置情報による調整機構を備えていることを特徴とする前記のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造装置。
本発明の有機ELパネルの製造方法によると、長尺基材を用いた連続生産が可能であり、長尺基材の貼合後の位置ずれや剥がれを防止し、製造装置の大型化を抑制することができる。本発明の有機ELパネルの製造装置によると、長尺基材を用いた連続生産が可能であり、長尺基材の貼合後の位置ずれや剥がれを防止し、製造装置の大型化を抑制することができる。
本実施形態の有機ELパネルの製造工程及び製造装置を示す模式図である。
以下、本発明を実施するための形態を説明するが、本発明は、以下に説明する実施形態に何ら制限されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で実施形態を任意に変更して実施することが可能である。
(有機ELパネルの製造方法)
本実施形態の有機ELパネルの製造は、第1電極と発光層を含む有機機能層と第2電極とを有する有機EL素子が表面に形成された長尺の素子基板と、硬化性樹脂から構成される接着層が表面に形成された長尺の封止基板とを、当該素子基板の有機EL素子が形成された面と当該封止基板の接着層が形成された面において貼合して、封止構造を形成する方法によって行われる。
(有機ELパネル)
本実施形態において、有機ELパネルは、有機EL素子が表面に形成された素子基板と、接着層が表面に形成された封止基板とを、それぞれ当該素子基板の有機EL素子が形成された面と当該封止基板の接着層が形成された面において、貼合することによって形成される多層構造を有している。
ここで、有機EL素子は少なくとも、素子基板上に形成された第1電極、当該第1電極上に形成されかつ発光層を含む有機機能層及び当該有機機能層上に形成された第2電極を有しており、薄膜状である。この有機EL素子の両電極間に電圧が印加されることによって発光層が発光する。
本実施形態の有機ELパネルにおいては、有機ELパネル内の有機EL素子を低湿度環境に保ち、外部環境から遮断・保護するために、有機EL素子は、素子基板と封止基板上の接着層とによって挟まれて密閉・封止されている。
本実施形態の素子基板及び封止基板は、いずれも可撓性で長尺のシートである。そして、素子基板上には、通常は有機EL素子が間隔をおいて間欠的に存在する。当該素子基板及び当該封止基板は、接着層を介して連続的に貼合されて、多層構造を有する長尺の多層基板となる。そのため、製造された長尺の多層基板を有機EL素子の前後で切断することによって、多数の有機ELパネルを得ることができる。
(素子基板)
ここで、本実施形態の素子基板について説明する。
素子基板は、有機EL素子を形成するときのベースとなる基板である。素子基板は、可撓性であり、機械的強度、素子基板上に有機EL素子を製造する際の耐熱性、水蒸気や酸素に対するガスバリヤ性等を有していることが好ましい。また、素子基板は、発光した光を透過させるため、透明樹脂により構成されることが好ましい。
素子基板を構成する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロハン(登録商標)、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル酸エステル、ポリアリレート、アートン(登録商標、JSR社製)あるいはアペル(登録商標、三井化学社製)等のシクロオレフィン系樹脂、等が挙げられる。また、発光した光を封止基板から透過させる場合は、素子基板を構成する材料としては、透明樹脂以外の材料も選択可能であり、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、金、ニッケル、チタン、ステンレス、スズ等の金属が挙げられる。これらは1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を混合したり、多層化したりして用いてもよい。
素子基板の厚さは、特に制限されないものの、成形加工性、取扱性等を考慮すると、50μm〜500μmが好ましい。なお、素子基板の厚さは、マイクロメータを使用して測定することが可能である。
有機EL素子は、素子基板の表面に形成されている。有機EL素子は、素子基板の少なくとも片側の表面に形成されてあればよい。そして、素子基板の有機EL素子が形成された面と封止基板の接着層が形成された面において貼合することによって、有機EL素子を封止・密閉することができる。また、有機EL素子を素子基板の両側の表面に形成して、2枚の封止基板を当該素子基板の両側から貼合して、両側の面の有機EL素子を封止・密閉することもできる。
素子基板上に形成される有機EL素子の構成の詳細については、後述する。
(封止基板)
次に、本実施形態の封止基板について説明する。
封止基板は、外部環境から有機EL素子等を遮断・保護するためのものである。封止基板は、可撓性であり、機械的強度、水蒸気や酸素に対するガスバリヤ性等を有していることが好ましい。
封止基板を構成する材料としては、例えば、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルスルホン等の熱可塑性樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂等の硬化性樹脂、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、金、ニッケル、チタン、ステンレス、スズ等の金属が挙げられる。
これらの材料は、1種類を単独で用いてもよく、必要に応じて、複数種類の材料を混合したり、貼り合せ、押出しラミネート、共押出し等によって組み合わせた多層シートとして使用することも可能である。さらに、所望の物性を得るために、使用するシートの厚さ、密度、分子量等を種々組み合わせて作製することも可能である。
封止基板の厚さは、特に制限されないものの、成形加工性、取扱性等やガスバリア層の耐ストレスクラッキング性等を考慮すると、10μm以上300μm以下が好ましい。なお、封止基板の厚さは、マイクロメータを使用して測定することが可能である。
封止基板として上記の熱可塑性樹脂や硬化性樹脂を用いる場合は、封止基板上に蒸着法やコーティング法でガスバリア層を形成することが好ましい。ガスバリア層としては、例えば、金属蒸着膜、無機蒸着膜、金属箔が挙げられる。金属蒸着膜、無機蒸着膜としては、薄膜ハンドブックp879〜p901(日本学術振興会)、真空技術ハンドブックp502〜p509、p612、p810(日刊工業新聞社)、真空ハンドブック増訂版p132〜p134(ULVAC 日本真空技術K.K)に記載されている如き蒸着膜が挙げられる。例えば、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni、W等の金属、MgO、SiO、SiO、Al、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe、Y、TiO、Cr、Si(x=1、y=1.5〜2.0)、Ta等の金属酸化物、ZrN、SiC、TiC、PSG、Si、SiN、単結晶Si、アモルファスSi等が挙げられる。又、金属箔の材料としては、例えば、アルミニウム、銅、ニッケルなどの金属材料や、ステンレス、アルミニウム合金などの合金材料等が挙げられるが、加工性やコストの面でアルミニウムが好ましい。これらは1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の組み合わせと比率で用いてもよい。
金属蒸着膜、無機蒸着膜の膜厚は、蒸着膜の形成のし易さの観点から、通常5nm以上、好ましくは10nm以上、また、通常1000nm以下、好ましくは300nm以下である。金属箔の膜厚は、製造時の取り扱い性及びパネルの薄板化の観点から、1〜100μm、好ましくは10μm〜50μmである。又、製造時の取り扱いを容易にするために、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンなどの樹脂フィルムを予めラミネートしておいてもよい。更に、ガスバリア層の上に熱可塑性樹脂からなる保護層を設けてもよい。
本実施形態の封止基板の水蒸気透過度は、有機ELパネルとして製品化する際に必要とされるガスバリア性等を考慮し、0.01g/m・day以下であることが好ましく、且つ酸素透過度は、0.1ml/m・day・MPa以下であることが好ましい。水分透過度はJIS K7129B法(1992年)に準拠した方法で主としてMOCON法により測定した値であり、酸素透過度はJIS K7126B法(1987年)に準拠した方法で主としてMOCON法により測定した値である。
(接着層)
本実施形態において、接着層は、素子基板と封止基板とを接着して固定し、有機EL素子を外部環境から隔離して密閉し保護する層である。
接着層は、封止基板の表面に形成されている。接着層は、封止基板の少なくとも片側の表面に形成されてあればよい。そして、封止基板の接着層が形成された面と素子基板の有機EL素子が形成された面において貼合することによって、有機EL素子を封止・密閉することができる。また、接着層を封止基板の両側の表面に形成して、2枚の素子基板を当該封止基板の両側から貼合して、両側の面の有機EL素子を封止・密閉することもできる。
本実施形態において、接着層を構成する樹脂は、硬化性樹脂である。硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂と光硬化性樹脂のいずれか、あるいは両者を使用することができる。耐湿性、耐水性に優れ、揮発成分が少なく、硬化時の収縮が少ない樹脂を用いることが好ましい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、シリコーン樹脂系、ユリア樹脂系、メラミン樹脂系、フェノール樹脂系、レゾルシノール樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系、ポリウレタン樹脂系等の熱硬化性樹脂が挙げられる。
光硬化性樹脂としては、例えば、エステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、メラミンアクリレート、アクリル樹脂アクリレート等の各種アクリレート、又はウレタンポリエステル等の樹脂を用いたラジカル系光硬化性樹脂、エポキシ、ビニルエーテル等の樹脂を用いたカチオン系光硬化性樹脂、等が挙げられる。
硬化性樹脂による接着層の形成方法としては、硬化性樹脂の種類や粘度に応じて、グラビアコート、ロールコート、バーコート、ダイコート、ナイフコート、ホットメルトコート、ディッピング、スピンコート、スプレーコートなどのコーティング法、スクリーン印刷などの印刷法を用いることができる。接着層の形成時の硬化性樹脂は、低粘度の液体状であってもよいし、高粘度のペースト状であってもよい。
接着層の厚さは、封止性能及びパネルの薄板化の観点から、1μm〜100μmが好ましい。また、接着層内部の含有水分を除去するために、接着層中には、酸化バリウムや酸化カルシウムなどの乾燥剤を混入してもよい。
接着層を構成する硬化性樹脂には必要に応じてフィラーを添加することが好ましい。フィラーの添加量としては、接着力を考慮し、5〜70体積%が好ましい。又、添加するフィラーの大きさは、接着力、貼合後の接着層の厚さ等を考慮し、1μm〜100μmが好ましい。添加するフィラーの種類としては特に限定はなく、例えばソーダガラス、無アルカリガラス或いはシリカ、酸化アンチモン、チタニア、アルミナ、ジルコニアや酸化タングステン等の金属酸化物等が挙げられる。
(有機ELパネルの製造方法)
本実施形態の有機ELパネルの製造方法は、有機EL素子が表面に形成された長尺の素子基板と、硬化性樹脂から構成される接着層が表面に形成された長尺の封止基板とを、当該素子基板の有機EL素子が形成された面と当該封止基板の接着層が形成された面において貼合して、多層基板を形成する貼合工程と、前記多層基板を直線搬送する直線搬送工程と、前記多層基板を直線搬送しつつ前記接着層を硬化させる第1硬化工程と、前記多層基板を屈曲搬送しつつ前記接着層を硬化させる第2硬化工程とを有し、これらの工程をこの順に行うことを特徴としている。
(有機ELパネルの製造装置)
本実施形態の有機ELパネルの製造装置は、第1電極と発光層を含む有機機能層と第2電極とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子が表面に形成された長尺の素子基板と、硬化性樹脂から構成される接着層が表面に形成された長尺の封止基板とを貼合して、多層基板を形成する貼合部と、多層基板を直線搬送する直線搬送部と、多層基板を直線搬送しつつ接着層を硬化させる第1硬化部と、多層基板を屈曲搬送しつつ接着層を硬化させる第2硬化部とを備えることを特徴としている。
以下、本実施形態の有機ELパネルの製造工程及び製造装置について説明する。製造工程に沿って、請求項に記載した工程だけでなく、その前後の工程・設備も含めて、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態の有機ELパネルの製造工程及び製造装置を示す模式図であり、本実施形態の有機ELパネルの製造装置1の断面図として表わされている。
(繰り出し工程)
繰り出し工程は、長尺の素子基板が巻かれたロールから素子基板を繰り出し、長尺の封止基板が巻かれたロールから封止基板を繰り出す工程である。
図1の有機ELパネルの製造装置1には、有機EL素子が片面に形成された長尺の素子基板が巻かれたロール4とロール4から繰り出される素子基板2をガイドするためのガイドロールとを備える素子基板の繰り出し部が設置されている。素子基板2は、ロール4からガイドロールを経て繰り出される。このとき、有機EL素子は素子基板2の下側の表面に形成されている。
図1の有機ELパネルの製造装置1には、同様に、長尺の封止基板が巻かれたロール5を備える封止基板3の繰り出し部が設置されている。封止基板3は、ロール5から繰り出される。
(接着層塗布工程)
次に、接着層塗布工程において、ロール5から繰り出された封止基板3の表面上には、ペースト状の硬化性樹脂が充填された塗布装置6から硬化性樹脂が塗布されて、封止基板3の上側の表面に接着層7が形成される。硬化性樹脂を塗布したあと、必要に応じて、乾燥機(不図示)を設けて、接着層が表面に形成された封止基板8を適宜乾燥させることができる。
(貼合工程)
貼合工程は、素子基板と封止基板とを、該素子基板の有機EL素子が形成された面と該封止基板の接着層が形成された面において貼合して、多層基板を形成する工程である。貼合する方式は、貼合ロールによる圧着方式であるが、貼合する手段は、特に限定されるわけではない。ロールラミネート、平板貼り合せ、ダイヤフラム貼り合せ、等種々の手段を用いることができる。本実施形態においては、代表的な貼合手段として、貼合ロールを用いている。
図1において、貼合部10は、素子基板2と封止基板3とを貼合する貼合ロール9と、必要に応じて貼合する前に接着層が表面に形成された封止基板8を加熱するためのヒータ(不図示)とを備えている。ロール4から繰り出された素子基板2と接着層が表面に形成された封止基板8は、貼合ロール9によって圧着されて貼合される。
貼合ロール9による貼合によって、素子基板2と封止基板3とは接着層7を介して隙間なく密着し、有機EL素子を内部に封止することが可能となる。優れた封止性能を得るために、封止基板3の表面に形成された接着層7が流動化された状態で、貼合ロール9によって貼合されることが好ましい。ここで、接着層7の流動化とは、接着層7を構成する樹脂の粘度を10Pa・s以上5000Pa・s未満とすることである。接着層7を構成する樹脂の流動化時の粘度は、好ましくは、50〜200Pa・sである。
貼合ロール9は、ロール表面を加熱する機能を有したものであっても、有していないものであってもよい。接着層7を構成する硬化性樹脂が、貼合前において流動化状態にあれば、貼合ロール9あるいは貼合ロール9の前に設置されたヒータ(不図示)によって加熱することは不要である。また、熱硬化性樹脂を加熱するときは、加熱温度が熱硬化性樹脂の硬化開始温度を超えないように留意する。
ここで、熱硬化性樹脂の硬化開始温度とは、DSCを用いて、窒素雰囲気下、昇温速度5℃/分で熱硬化性樹脂を加熱していったときの、硬化による発熱ピークの立ち上がりの温度でもって定義される。
また、繰り出し工程、接着層塗布工程、貼合工程においては、素子基板と封止基板の貼合位置を位置情報による調整機構によって調整することが好ましい。具体的には、有機EL素子の取出電極位置を示す情報として、素子基板上にアライメントマークを施し、該アライメントマークをセンサを用いて検出することによって、素子基板上の取出電極位置を特定する。一方、その取出電極位置情報に従って、封止基板上に電極取出用開口部を形成する。その後、両基板の各位置情報に基づいて、両基板の相互の位置を制御しつつ貼合することによって、素子基板上の取出電極と封止基板上の電極取出用開口部とが高精度に適合した多層基板を得ることができる。素子基板と封止基板の貼合位置の位置情報による調整機構の詳細は、特許文献1に記載されている。
図1において、貼合ロール9は、上下対のロールから構成される、いわゆるニップロールである。素子基板2と封止基板3とが貼合され、接着層7によって有機EL素子が密閉・封止された多層基板11が形成される。ロールの数は1対の2本であってもよいし、必要に応じてさらに2対の4本等と増やしても構わない。またニップ圧やロールの回転速度は、素子基板2と封止基板3とを貼合でき、有機EL素子を損傷しないような条件に適宜設定する。また、貼合部10は、上記の素子基板2と封止基板3の貼合位置の位置情報による調整機構(不図示)を備えていることが好ましい。
(直線搬送工程)
直線搬送工程は、多層基板を貼合工程後、第1硬化工程に至るまでの間、直線搬送する工程である。貼合工程を経た直後の素子基板と封止基板とが接着層によって貼合された多層基板は、接着層が硬化していないため、屈曲工程等を通過させると、層間に剥がれが生じたり、接着層にせん断力が働くことになって、層間に位置ずれや歪みが生じたりする可能性がある。そのため、接着層が硬化する前の多層基板は、直線搬送することが必要である。
ここで、直線搬送とは、搬送ロール上で、基板の抱き角が基本的に0°となる搬送経路を意味する。但し、基板の自重や張力の関係で撓む場合は、基板の抱き角が20°未満であってもよい。基板の抱き角とは、ロール軸方向に対する垂直断面において、基板が巻回されたロールに対して、基板が接線となっている部分からロールの回転中心点に下ろした2つの垂線同士の間においてなす角をいう。また、ロール間のフリースパンにおいては、基板の撓みの曲率がR1000mm以上であることを意味する。
図1において、直線搬送部12は、貼合部10を通過した多層基板11が第1硬化部14に搬送されるまでの部分である。
(第1硬化工程)
第1硬化工程は、多層基板を直線搬送しつつ、多層基板中の接着層を硬化させる工程である。この第1硬化工程においては、多層基板を直線搬送させつつ、接着層に位置ずれや歪みが生じていない状態で硬化させる。但し、接着層を完全硬化させることはせず、一部硬化に留めるようにする。多層基板の接着層を部分的に硬化させることによって、その後、後述する屈曲搬送する際に、層間に位置ずれや剥がれが生じたりすることを抑制することができる。
また、第1硬化工程後であって、次の第2硬化工程前における接着層を構成する硬化性樹脂の硬化率は、30%以上であるように制御することが好ましい。より好ましくは40%以上であり、さらに好ましくは50%以上である。また、70%以下であるように制御することが好ましい。
ここで、硬化性樹脂の硬化率は、硬化性樹脂中に存在している架橋性モノマー等に由来する特徴的なIRピークの強度を測定することによって、硬化反応の進行の度合いとして測定することができる。硬化反応前の初期状態のモノマー由来の特徴的なIRピーク強度を0%とし、硬化反応が進行してモノマーがほぼ完全に消費されてモノマー由来の特徴的なIRピーク強度が0になった状態を100%として、相対的な硬化度を評価することができる。モノマー由来のピーク強度は、通常のFT−IR(フーリエ変換赤外線分光光度計)を用いて、リアルタイムFT−IRの測定によって、非破壊状態にて測定することができる。例えば、サーモフィシャー社製FT−IR(品番:Nicolet FT−IR)を用い、スペクトル分解能2cm−1、15秒(積算8回)間隔で測定を行う。検出器にはDTGSを用い、リアルタイムデータの測定および時分割データセットの解析には、サーモフィッシャー社製リアルタイム解析ソフトウェア(品番:OMNIC Series)を用いることができる。測定対象である接着層を構成する硬化性樹脂と同一の樹脂サンプルを用いて、第1硬化工程に相当する条件に置いたときのFT−IRスペクトルを測定することによって、第1硬化工程後の硬化度を測定することができる。
第1硬化工程後であって、次の第2硬化工程前における接着層を構成する硬化性樹脂の硬化率は、30%以上であるように制御することによって、後述する第2硬化工程以降で屈曲搬送する際に、層間に位置ずれや歪みが生じたりすることを抑制することができる。また、部分的に硬化された状態で多層基板が屈曲されることによって、多層基板中に内在している歪みを解放し、残留応力を緩和することが可能となる。
さらに、第1硬化工程後であって、次の第2硬化工程前における接着層を構成する硬化性樹脂の粘度は、3000Pa・s以上であるように制御することが好ましい。より好ましくは4000Pa・s以上であり、さらに好ましくは5000Pa・s以上である。また、500000Pa・s以下であるように制御することが好ましい。
ここで、接着層を構成する硬化性樹脂の粘度は、通常の高分子用粘度計であれば測定可能である。例えば、REOLOGICA社製レオメータDAR−100を用いて測定することができる。測定対象である接着層を構成する硬化性樹脂と同一の樹脂サンプルを用いて、第1硬化工程に相当する条件に置いたときの粘度を測定することによって、第1硬化工程後の粘度を測定することができる。
第1硬化工程後であって、次の第2硬化工程前における接着層を構成する硬化性樹脂の粘度は、3000Pa・s以上であるように制御することによって、後述する第2硬化工程以降で屈曲搬送する際に、層間に位置ずれや歪みが生じたりすることを抑制することができる。また、部分的に硬化された状態で多層基板が屈曲されることによって、多層基板中に内在している歪みを解放し、残留応力を緩和することが可能となる。この場合、その後の第2硬化工程で加熱等されたときに粘度が低下しないレベルにまで粘度を高めておくことが好ましい。
接着層を構成する硬化性樹脂が、熱硬化性樹脂であるときは、第1硬化工程及び第2硬化工程における接着層の硬化手段は加熱であることが好ましい。接着層を構成する硬化性樹脂が、光硬化性樹脂であるときは、第1硬化工程及び第2硬化工程における接着層の硬化手段は光照射であることが好ましい。
図1において、第1硬化部14は、多層基板11中の接着層を硬化させるための硬化装置13を備えている。多層基板11中の接着層が熱硬化性樹脂であるときは、硬化装置13はヒータであり、多層基板11中の接着層が光硬化性樹脂であるときは、硬化装置13は光照射装置である。ヒータ又は光照射装置は、公知の種々の方式の装置から適切なものを選択して用いることができる。
(第2硬化工程)
第2硬化工程は、第1硬化部において接着層が部分的に硬化された多層基板が搬入され、該多層基板を屈曲搬送しつつ、該多層基板中の接着層を硬化させる工程である。この第2硬化工程においては、多層基板を屈曲搬送させつつ、接着層を完全に硬化させる。多層基板の接着層を完全に硬化させることによって、有機EL素子は、素子基板と封止基板上の接着層とによって挟まれて密閉・封止されることとなる。
ここで、屈曲搬送とは、搬送ロール上で基板の自重や張力の関係で撓む場合に、基板の抱き角が20°以上となることである。また、ロール間のフリースパンにおいては、基板の撓みの曲率がR1000mm未満となることも含まれる。
このように屈曲搬送させつつ接着層を硬化させることによって、貼合時に生成した歪みや接着層の硬化時に生じる収縮応力が分散・解放され、硬化後の応力の残留が低減される。そのため、長尺基材の貼合後の位置ずれや剥がれが防止される。有機ELパネルとなった時点においても、剥がれやカール等が経時的に発生することを抑制することが可能となり、封止性能の向上を図ることができる。
多層基板を屈曲搬送させる方法は、特に限定される訳ではない。ロールの組み合わせ、ベルトの組み合わせ、ロールとベルトの組み合わせ、ロールと巻き取りロールとの組み合わせ、ベルトと巻き取りロールとの組み合わせ等、種々の方法を用いることができる。また、ロールやベルトの数、大きさ、相互の距離、搬送速度、搬送張力、経過時間も適宜選択して使用することができる。
また、多層基板を屈曲搬送させつつ接着層を硬化させるために、接着層を構成する硬化性樹脂が熱硬化性樹脂であるときは加熱手段を、接着層を構成する硬化性樹脂が光硬化性樹脂であるときは光照射手段を備えている。
図1において、第2硬化部17は、多層基板11を屈曲搬送することができるように、屈曲搬送することが可能な5本のロール15の組み合わせを備えている。多層基板11はこれら複数のロール15間を交互に20°以上の抱き角をもって屈曲搬送される。
また、図1において、多層基板11中の接着層を硬化させるために、第2硬化部17は、多層基板11中の接着層を硬化させるための硬化装置16を備えている。多層基板11中の接着層が熱硬化性樹脂であるときは、硬化装置16はヒータであり、多層基板11中の接着層が光硬化性樹脂であるときは、硬化装置16は光照射装置である。ヒータ又は光照射装置は、公知の種々の方式の装置から適切なものを選択して用いることができる。
このように、本実施形態の第2硬化工程は、多層基板をロール等の間で屈曲搬送させるため、第2硬化工程の設備寸法を短縮できることから、有機ELパネルの製造装置の大型化を抑制することができる。
(巻き取り工程、切断工程)
図1において、上述の第2硬化工程を経た多層基板11は、その後、長尺の有機ELパネルとしてロール18として巻き取られたり、所定の寸法に切断されて、多数の有機ELパネルとすることができる。
(チャンバ)
本実施形態の有機ELパネルの製造装置1では、繰り出し工程、接着層塗布工程、貼合工程、直線搬送工程、第1硬化工程、第2硬化工程、巻き取り工程、切断工程等の各工程は、外部環境から保護するために、チャンバ内に設置されてあってもよい。個々の工程毎にチャンバを設置してもよいし、複数の工程を含めたチャンバとして設置してもよい。例えば、貼合工程を大気圧未満の減圧雰囲気下で行うときは、貼合部10を、大気圧未満の減圧雰囲気下に管理できる機能を有したチャンバ内に設置することが可能である。他の工程についても同様である。
以上、説明してきたように、本発明の有機ELパネルの製造方法によると、ロールツーロール方式によって長尺基材を用いた連続生産が可能であり、長尺基材の貼合後の位置ずれや剥がれを防止することができる。その結果、有機ELパネルの封止性能の向上と生産性の向上を図ることができる。また、有機ELパネルが経時的にカールすることを抑制することができる。
また、本発明の有機ELパネルの製造装置によると、長尺基材を用いた有機エレクトロルミネッセンスパネルの連続生産が可能であり、長尺基材の貼合後の位置ずれや剥がれを防止し、製造装置の大型化を抑制してコンパクトな製造装置とすることができる。
[有機EL素子の構造]
以下に、本実施形態の有機EL素子の構成について、より詳細に説明する(不図示)。
有機EL素子の有機機能層としては、発光層という発光に直接関与する基本的な有機機能層のほかに、例えば、キャリア(正孔及び電子)の注入層、阻止層及び輸送層等の各種機能を有する有機機能層を備えていてもよい。そして、有機EL素子は、通常は、素子基板、電極や発光層に加えて、これらの各種有機機能層等を積層して構成される。
有機EL素子において、有機機能層の好ましい積層例は以下の通りである。なお、以下の(1)〜(6)において、通常は、先に記載された層が第1電極(陽極)側に設けられ、以下、記載の順番で第2電極(陰極)側に至るように積層される。
(1)発光層/電子輸送層
(2)正孔輸送層/発光層/電子輸送層
(3)正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層
(4)正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層(陰極バッファー層)
(5)正孔注入層(陽極バッファー層)/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層
(6)正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層
以下、有機EL素子を構成する各部を説明する。ただし、有機EL素子の構成は、以下の内容に何ら限定されるものではない。
素子基板は、上記したように、樹脂等の可撓性のある基材で構成されることが好ましい。なお、素子基板として樹脂を用いる場合、樹脂シートの表面には、次に記載するガスバリア層が形成されることが好ましい。
(ガスバリア層)
素子基板と有機機能層との間には、防湿の観点から、1層又は2層以上のガスバリア層が形成されることが好ましい。
ガスバリア層を形成する材料としては、特に制限はされないものの、例えば、無機物、有機物の被膜又はその両者のハイブリッド被膜が挙げられる。水分や酸素等素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料が好ましく、例えば、酸化珪素、二酸化珪素等の金属酸化物、窒化珪素等の金属窒化物等を用いることができる。さらに、ガスバリア層の強度をより向上させるために、無機層と有機層とからなる層の積層構造とすることが好ましい。無機層と有機層との積層順は特に制限されないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。
(第1電極)
第1電極(陽極)は、有機機能層(具体的には発光層)に正孔を供給(注入)する電極膜である。第1電極の材料の種類や物性は特に制限されず、任意に設定できる。例えば、第1電極は、仕事関数の大きい(4eV以上)材料、例えば、金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物等の電極材料で形成可能である。また、第1電極は、酸化インジウム錫(ITO)や酸化インジウム亜鉛等の光透過性を有する材料(透明電極)により構成されていてもよい。
第1電極(陽極)としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。更に膜厚は材料にもよるが、通常10〜1000nm、好ましくは10〜200nmの範囲で選ばれる。
(有機機能層)
有機機能層を構成する各種有機機能層について以下に説明するが、これらの有機機能層の各有機機能層の具体的な材料等は公知の材料等を適用することが可能であるため、その説明を省略する。また、有機機能層を形成する方法についても、蒸着法、塗布法等、公知の方法を適用することが可能であるため、その説明を省略する。
《発光層》
発光層は、第1電極から直接、又は第1電極から正孔輸送層等を介して注入される正孔と、第2電極(陰極)から直接、又は第2電極から電子輸送層等を介して注入される電子とが再結合することにより、発光する層である。なお、発光する部分は、発光層の内部であってもよいし、発光層とそれに隣接する層との間の界面であってもよい。
発光層は、ホスト化合物(ホスト材料)と、発光材料(発光ドーパント化合物)とを含む有機発光性材料で形成することが好ましい。発光層をこのように構成すると、発光材料の発光波長や含有させる発光材料の種類等を適宜調整することにより、任意の発光色を得ることができる。また、発光層をこのように構成することにより、発光層中の発光材料において発光させることができる。
発光層の膜厚の総和は、所望の発光特性等に応じて適宜設定することができる。例えば、発光層の均質性、発光時における不必要な高電圧の印加の防止、及び駆動電流に対する発光色の安定性向上等の観点から、発光層の膜厚の総和は、1nm以上200nm以下とすることが好ましい。特に、低駆動電圧の観点からは、発光層の膜厚の総和は、30nm以下とすることが好ましい。
発光層に含まれるホスト化合物としては、室温(25℃)における燐光発光の燐光量子収率として、0.1以下である化合物が好ましく、0.01以下の化合物がより好ましい。また、発光層中のホスト化合物の体積比は、発光層に含まれる各種化合物うち、50%以上とすることが好ましい。
発光層に含まれる発光材料としては、例えば、燐光発光材料(燐光性化合物、燐光発光性化合物)、蛍光発光材料等を用いることができる。なお、一つの発光層には、一種類の発光材料を含有させてもよいし、発光極大波長が互いに異なる複数種の発光材料を含有させてもよい。複数種の発光材料を用いることにより、発光波長の異なる複数の光を混合させて発光させることができ、これにより、任意の発光色の光を得ることができる。具体的には例えば、青色発光材料、緑色発光材料及び赤色発光材料(3種類の発光材料)を発光層に含有させることにより、白色光を得ることができる。
《注入層(正孔注入層、電子注入層)》
注入層は、駆動電圧の低下や発光輝度の向上を図るための層である。注入層は、通常は、電極及び発光層の間に設けられる。注入層は、通常は2つに大別される。即ち、注入層は、正孔(キャリア)を注入する正孔注入層、及び電子(キャリア)を注入する電子注入層に大別される。正孔注入層(陽極バッファー層)は、第1電極と、発光層又は正孔輸送層との間に設けられる。また、電子注入層(陰極バッファー層)は、第2電極と、発光層又は電子輸送層との間に設けられる。
《阻止層(正孔阻止層、電子阻止層)》
阻止層は、キャリア(正孔、電子)の輸送を阻止するための層である。阻止層は、通常は2つに大別される。即ち、阻止層は、正孔(キャリア)の輸送を阻止する正孔阻止層と、電子(キャリア)の輸送を阻止する電子阻止層とに大別される。
正孔阻止層は、広い意味で、後記する電子輸送層の機能(電子輸送機能)を有する層である。正孔阻止層は、電子輸送機能を有しつつ、正孔の輸送能力が小さい材料で形成される。このような正孔阻止層が設けられることにより、発光層に対する正孔及び電子間の注入バランスを好適なものにすることができる。また、これにより、電子と正孔との再結合確率を向上させることができる。
なお、正孔阻止層としては、必要に応じて、後記する電子輸送層の構成が同様に適用可能である。さらに、正孔阻止層が設けられる場合、正孔阻止層は、発光層に隣接して設けられることが好ましい。
一方、電子阻止層は、広い意味で、後記する正孔輸送層の機能(正孔輸送機能)を有する層である。電子阻止層は、正孔輸送機能を有しつつ、電子の輸送能力が小さい材料で形成される。このような電子阻止層が設けられることにより、発光層に対する正孔及び電子間の注入バランスを好適なものにすることができる。また、これにより、電子と正孔との再結合確率を向上させることができる。なお、電子阻止層としては、必要に応じて、後記する正孔輸送層の構成が同様に適用可能である。
阻止層の膜厚は特に制限されないが、好ましくは3nm以上、より好ましくは5nm以上であり、また好ましくは100nm以下、より好ましくは30nm以下である。
《輸送層(正孔輸送層、電子輸送層)》
輸送層は、キャリア(正孔及び電子)を輸送する層である。輸送層は、通常は2つに大別される。即ち、輸送層は、正孔(キャリア)を輸送する正孔輸送層と、電子(キャリア)を輸送する電子輸送層とに大別される。
正孔輸送層は、第1電極から供給された正孔を発光層に輸送(注入)する層である。正孔輸送層は、第1電極又は正孔注入層と発光層との間に設けられる。また、正孔輸送層は、第2電極側からの電子の流入を阻止する障壁としても作用する。それゆえ、正孔輸送層という用語は、広い意味で、正孔注入層及び/又は電子阻止層を含む意味で用いられることもある。なお、正孔輸送層は、一層だけ設けてもよいし、複数層設けてもよい。
電子輸送層は、第2電極から供給された電子を発光層に輸送(注入)する層である。電子輸送層は、第2電極又は電子注入層と発光層との間に設けられる。また、電子輸送層は、第1電極側からの正孔の流入を阻止する障壁としても作用する。それゆえ、電子輸送層という用語は、広い意味で、電子注入層及び/又は正孔阻止層を含む意味で用いられることもある。なお、電子輸送層は、一層だけ設けてもよいし、複数層設けてもよい。
電子輸送層(電子輸送層を一層構造とする場合には当該電子輸送層、電子輸送層を複数設ける場合には最も発光層側に位置する電子輸送層)に用いられる電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねることがある)は、特に制限されない。ただし、電子輸送層に用いられる電子材料は、通常は、第2電極より注入された電子を発光層に伝達(輸送)する機能を有する材料を適用可能である。
(第2電極)
第2電極(陰極)は、発光層に電子を供給(注入)する電極膜である。第2電極を構成する材料は特に制限されないが、通常は、仕事関数の小さい(4eV以下)材料、例えば、金属(電子注入性金属)、合金、電気伝導性化合物、及びこれらの混合物等の電極材料で形成される。
有機EL素子において、第2電極側から光を取り出す場合、第2電極は、第1電極と同様に、光透過性を有する電極材料で形成可能である。この場合、例えば1nm以上20nm以下の膜厚になるように陰極形成用電極材料からなる金属膜を形成した後、この金属膜上に、第1電極で説明した導電性透明材料からなる膜を形成することにより、透明又は半透明の第2電極を形成することができる。
1 有機ELパネルの製造装置
2 素子基板
3 封止基板
4、5、15、18 ロール
6 塗布装置
7 接着層
8 接着層が表面に形成された封止基板
9 貼合ロール
10 貼合部
11 多層基板
12 直線搬送部
13、16 硬化装置
14 第1硬化部
17 第2硬化部

Claims (10)

  1. 第1電極と発光層を含む有機機能層と第2電極とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子が表面に形成された長尺の素子基板と、硬化性樹脂から構成される接着層が表面に形成された長尺の封止基板とを、当該素子基板の有機エレクトロルミネッセンス素子が形成された面と当該封止基板の接着層が形成された面において貼合して、多層基板を形成する貼合工程と、
    前記多層基板を直線搬送する直線搬送工程と、
    前記多層基板を直線搬送しつつ前記接着層を硬化させる第1硬化工程と、
    前記多層基板を屈曲搬送しつつ前記接着層を硬化させる第2硬化工程とを有し、これらの工程をこの順に行うことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
  2. 前記接着層を構成する硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂であり、前記接着層の硬化手段が加熱であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
  3. 前記接着層を構成する硬化性樹脂は、光硬化性樹脂であり、前記接着層の硬化手段が光照射であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
  4. 前記第1硬化工程後で、前記第2硬化工程前における前記接着層を構成する硬化性樹脂の硬化率は、30%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
  5. 前記第1硬化工程後で、前記第2硬化工程前における前記接着層を構成する硬化性樹脂の粘度は、3000Pa・s以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
  6. 前記貼合工程において、前記素子基板と前記封止基板の貼合位置を位置情報による調整機構によって調整することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
  7. 第1電極と発光層を含む有機機能層と第2電極とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子が表面に形成された長尺の素子基板と、硬化性樹脂から構成される接着層が表面に形成された長尺の封止基板とを貼合して、多層基板を形成する貼合部と、
    前記多層基板を直線搬送する直線搬送部と、
    前記多層基板を直線搬送しつつ前記接着層を硬化させる第1硬化部と、
    前記多層基板を屈曲搬送しつつ前記接着層を硬化させる第2硬化部とを備えることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造装置。
  8. 前記接着層を構成する硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂であり、前記第1硬化部及び前記第2硬化部における前記接着層の硬化手段が加熱であることを特徴とする請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造装置。
  9. 前記接着層を構成する硬化性樹脂は、光硬化性樹脂であり、前記第1硬化部及び前記第2硬化部における前記接着層の硬化手段が光照射であることを特徴とする請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造装置。
  10. 前記貼合部は、前記素子基板と前記封止基板の貼合位置の位置情報による調整機構を備えていることを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造装置。
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