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JP6315950B2 - 光パワーモニタ用回路、光モジュール、局側装置、光パワーモニタ方法及びプログラム - Google Patents
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光パワーモニタ用回路、光モジュール、局側装置、光パワーモニタ方法及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、受信する光信号の光パワーをモニタするための光パワーモニタ用回路、光モジュール、局側装置、光パワーモニタ方法及びプログラムに関する。
近年、マルチメディアサービス(Multimedia Service)を各家庭に提供するためのアクセス系ネットワーク(Access Network)では、光ファイバを用いた公衆回路網で実現するPON(Passive Optical Network)システムと呼ばれる光通信システムが広く用いられている。
PONシステムは、局側装置である1台のOLT(Optical Line Terminal:光加入者線終端装置)と、光スターカプラ(Star Coupler)を介して接続される複数の加入者側端末装置であるONU(Optical Network Unit:光ネットワーク装置)により構成される。OLTは、全ONUに対して連続信号を送信する。一方、各ONUから送信する光パケット信号は、時分割多重伝送されてOLTで受信される。このため、OLTに備える光受信器は、光パケット信号を瞬時に電気再生するバースト受信機能を必要とする。
OLTで使用される光送受信器は仕様が標準化されつつあり、XFP(10 Gigabit Small Form Factor Pluggable)、SFP+(Small Form Factor Pluggable Plus)等の仕様で定められた機能や外形を有する光モジュールが普及している。XFPやSFP+の光モジュールは、受信しているパケットの光強度を監視するためのモニタ用の信号を出力することが要求されている。例えば、MAC−IC(Media Access Control - Integrated Circuit:メディアアクセス制御集積回路)からのRSSI(Received Signal Strength Indication:受信信号強度指標)トリガ信号が入力されてから数100ns後にモニタ用の信号を出力する。
モニタ用の信号を出力する方法として、光を電流に変換するデバイスであるPD(Photodiode:フォトダイオード)の電源電圧供給部にカレントミラー回路を設ける方法が一般的である。カレントミラー回路は、2以上のバイポーラトランジスタが並列に接続された構成を有しており、PDを接続する入力部に流れる電流に比例した電流を出力部から出力することができる。この電流を電圧に変換して受光パワーを示すモニタ用の信号を出力することができる。
このようなカレントミラー回路は電流が流れていない状態から電流を流そうとしたとき、応答が遅くなることが知られている。OLTの光受信器は、時分割多重された光パケット信号を受信するため、光パケット信号が全く入力されないガードタイムと呼ばれる区間が存在する。この区間では全く光入力が無いため、PDに電流がほとんど流れないが、この区間の後に光パケット信号が入力したとき、PDに流れる電流より遅れて、カレントミラー回路の出力電流が流れ始める。パケット入力のタイミングに対して数100ns程度の遅れが生じる場合もある。OLTの光受信器が、数100ns程度のパケット長を有する光パケット信号を受信する際には、カレントミラー回路の応答の遅れにより正確なパワーモニタができないという問題がある。
これに対して、カレントミラー回路のPDを接続する入力部にオフセット電流を常時流しておくことにより、カレントミラー回路の応答を改善させる方法が知られている(例えば、特許文献1)。この方法において、オフセット電流を流すために入力部に負荷抵抗等を接続するが、温度による抵抗値の変動の影響を受けないようにする必要がある。また、PDがAPD(Avalanche Photodiode)であった場合、APDに印可する電源電圧を温度によって変化させているため、電源電圧の変化による影響も抑制する必要がある。また、オフセット電流自身も電流を制御するオペアンプや抵抗等の熱雑音の影響により、電流値自体が時間的に揺らいでしまうことがある。
特許文献1に記載の光受信器は、カレントミラー回路の入力部に、PDと並列に負荷抵抗を接続し、負荷抵抗を流れるオフセット電流を入力部に流すように構成している。また、カレントミラー回路の出力部におけるモニタ電流に比例したモニタ電位と、オフセット電流に比例したオフセット電位との電位差をモニタ信号として出力する。これにより、光パケット信号が入力される際のカレントミラー回路の出力応答を改善することができると共に、抵抗値の温度変動等によるオフセット電流の変動を差し引くことが可能となると説明されている。
特開2010−273221号公報
OLTに光ファイバやスターカプラを介して接続される各ONUはOLTから異なる距離に位置するため、各ONUが送信した光信号のOLTの光受信器における受光レベルは受信パケット毎に大きく異なる。受光レベルが小さい場合には、数uA程度のPDの出力電流をモニタする必要がある。
特許文献1に記載の光受信器は、オフセット電圧を差し引いた電圧をモニタ信号として出力するため、PDの出力電流が数uA程度である場合には、オフセット電圧を非常に小さく、かつ、オフセット電圧の変動を非常に小さくする必要がある。このため、温度や電源電圧に対して性能の変化が非常に小さい部品等が必要となる。
また、オフセット電流を流す負荷抵抗とモニタ電流を流す負荷抵抗は、抵抗値や温度変動が高い精度で等しいものを使用する必要がある。これらの要求から部品の選択肢が限られ、低コスト化の阻害要因となるという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、簡易な回路構成からなる、光パワーを高精度で表すモニタ信号を出力することが可能な光パワーモニタ用回路等を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の光パワーモニタ用回路は、受光パワーに応じた電流を出力するアバランシェフォトダイオードを入力部に接続し、入力部を流れる入力電流に比例するモニタ電流を出力するカレントミラー回路と、アバランシェフォトダイオードの電源電圧を温度に応じて変化させる電源電圧制御部と、カレントミラー回路の入力部にアバランシェフォトダイオードと並列に接続した第1負荷抵抗と、電源電圧制御部が温度に応じて電源電圧を変化させることによる第1負荷抵抗を流れる電流の変化分を補償する情報であって、電源電圧制御部に対して出力電圧を指示する指示値に対するモニタ値の補償関数である補償情報を記憶する記憶部と、カレントミラー回路の出力部に接続され、モニタ電流をモニタ電圧に変換するための第2負荷抵抗と、モニタ電圧をサンプルしホールドするサンプルアンドホールド部と、電源電圧制御部に対して指示値を出力する指示値出力部を備えた処理部と、を備え、処理部は、サンプルアンドホールド部でサンプルされホールドされたモニタ電圧をアナログ/デジタル変換し、変換されたモニタ電圧と、記憶部に記憶した補償情報である、指示値に対する補償関数と、を用いて補償したモニタ値を算出し出力する。
本発明によれば、簡易な回路構成で、光パワーを高精度で表すモニタ信号を出力することが可能となる。
実施の形態に係る光通信システムの構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る光受信器の構成を示す図である。 実施の形態1に係るモニタ信号出力処理を示すフローチャートである。 (a)は温度とADC値から求めた補正値の例を示す表であり、(b)は温度補償関数を示す図である。 実施の形態2に係る光受信器の構成を示す図である。 実施の形態2に係るモニタ信号出力処理を示すフローチャートである。 (a)はDAC値とADC値から求めた補正値の例を示す表であり、(b)はDAC値補償関数を示す図である。 モニタ値と光入力パワーの差についてのシミュレーション結果を示した図である。(a)は本発明の構成に基づくシミュレーション結果であり、(b)は従来の構成に基づくシミュレーション結果である。 シミュレーションに用いたパケット構成を示す図である。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1について、図面を参照して詳細に説明する。
実施の形態1に係る光通信システム1は、ポイント・トゥ・マルチポイント(Point to Multi-point)の形式を採ったPON(Passive Optical Network)システムである。
光通信システム1は、図1に示すように、局側装置である1台のOLT(Optical Line Terminal:光加入者線終端装置)10と、複数の加入者側端末装置であるONU(Optical Network Unit:光ネットワーク装置)20と、光信号を受動的に分岐・合流する光スターカプラ30と、を備えている。全てのONU20は、1以上の光スターカプラ30と、光ファイバ32を介して、OLT10に接続されている。
OLT10は、光受信器11、光送信器12、波長多重カプラ13、信号処理部14を備える。図1に示すように、1つの光モジュール100内に少なくとも光受信器11、光送信機12、波長多重カプラ13を含むように構成しても良い。波長多重カプラ13は、光波長の異なる上り信号と下り信号を所定の方向に出力するためのものである。ONU20から出力され光ファイバ32を伝送してきた光信号を光受信器11側に出力し、光送信器12から出力される光信号を、ONU20が接続されている光ファイバ32側に出力している。
信号処理部14は、送受信信号の処理を行うMAC−IC(Media Access Control - Integrated Circuit:メディアアクセス制御集積回路)を備える。信号処理部14のMAC−ICは、インターネットなどの外部ネットワーク40から入力されたベースバンド信号に基づいて送信信号を生成して光送信器12に対して出力する。また、光受信器11から入力された受信信号をベースバンド信号に変換し、外部ネットワーク40に出力する。
光送信器12は、半導体レーザなどの発光素子が発光する光を、信号処理部14から入力される送信信号で変調する。変調された光信号は下り信号として波長多重カプラ13を介して出力され、光ファイバ32を伝送し、各ONU20で受光される。
ONU20から送信されて光ファイバ32を伝送してきた上り信号の光信号は、波長多重カプラ13を介して光受信器11に入力される。光受信器11は、入力された光信号をAPD110で光電変換し、後段回路で電圧信号の受信信号に復調し、信号処理部14に出力する。
ここで、各ONU20から送信される光信号は、バースト(burst)状の光パケット信号であり、それらを時分割多重した光信号がOLT10に入力される。
各ONU20は、任意の長さの光ファイバ32と、任意の個数の光スターカプラ30を介してOLT10に接続されているため、OLT10の光受信器11が受光する光信号の強度は光パケット信号毎に大きく異なる。光受信器11が安定して光パケット信号を受信するためには、広幅なダイナミックレンジの光信号の光入力パワーを高速に取得可能なパワーモニタ機能を備える必要がある。
OLT10の光受信器11は、図2に示すように、受信した光信号を電流信号に変換するAPD(Avalanche Photodiode:アバランシェフォトダイオード)110と、APD110の電源であるAPD電源111と、APD電源111の電源電圧を制御する電源電圧制御部1111と、APD110を接続した入力部1121を流れる入力電流に比例するモニタ電流を出力するカレントミラー回路112を備える。
さらに、光受信器11は、カレントミラー回路112の入力部1121にAPD110と並列に接続された第1負荷抵抗(R1)113と、カレントミラー回路112の出力部1122に接続された第2負荷抵抗(R2)114と、カレントミラー回路112の出力部1122の電圧であるモニタ電圧をサンプルしホールドするサンプルアンドホールド回路(Sample and Hold Integrated Circuit:図中S/H ICと表示する)115と、サンプルアンドホールド回路115の出力電圧に基づいてモニタ信号を生成するMCU(Micro Controller Unit)116と、APD110の周辺温度を測定する温度センサ117と、を備える。MCU116の入力部には、ADコンバータ1161を備えている。
より詳細には、光受信器11のAPD110は、光入力パワーに応じた電流を出力する受光素子である。電源電圧制御部1111は、APD110が一定の増倍率で動作するように、温度によってAPD電源111の電源電圧を変化させている。
カレントミラー回路112は、2つのバイポーラトランジスタが並列に接続され、それぞれのベースとエミッタが接続されて等電位になっている。APD110を接続する入力側のバイポーラトランジスタのベースとコレクタが接続されていることで、2つのバイポーラトランジスタのコレクタ電流は同一になる。これにより、APD110を接続する入力部1121に流れる電流に比例したモニタ電流を出力部1122に流すことができる。
第1負荷抵抗113は、カレントミラー回路112の入力部1121に、APD110と並列して接続されている。第1負荷抵抗113には常に電流が流れるため、APD110にパケット入力がなく電流が流れないときでも、カレントミラー回路112の入力部1121にオフセット電流Ioffsetが常に流れることになる。これにより、光パケット信号が入力されたときのカレントミラー回路112の出力応答の遅れを解消している。
第2負荷抵抗114は、カレントミラー回路112の出力部1122とグランドの間に接続されている。第2負荷抵抗114には、カレントミラー回路112の入力部1121を流れる電流に比例した電流が流れることになる。つまり、APD110と第1負荷抵抗113を流れる電流の和に比例したモニタ電流が流れる。このモニタ電流が第2負荷抵抗114を流れることにより電流電圧変換され、カレントミラー回路112の出力部1122の電圧をモニタ電圧として出力する。
サンプルアンドホールド回路115は、カレントミラー回路112の出力部1122に接続される。サンプルアンドホールド回路115は、所定の周波数のサンプルアンドホールド信号(Sample and Hold Input signal:図中S/H Inputと表示する)に同期して、モニタ電圧をサンプルしてホールドする。
MCU116は、CPU、メモリ等を備えたマイクロプロセッサである。MCU116は、サンプルアンドホールド回路115でホールドされているモニタ電圧を、ADコンバータ1161でデジタル信号に変換し、変換したデジタル信号に基づいてモニタ信号を生成して出力する。
ここで、カレントミラー回路112の出力部1122をMCU116のADコンバータ1161に直接接続した場合、光受信器11が受信するパケット長が短く、ADコンバータ1161におけるサンプリング時間が十分でない可能性がある。これに対して、本実施形態のように、カレントミラー回路112の出力をサンプルアンドホールド回路に入力させてモニタ電圧をホールドすることで、ADコンバータ1161でサンプリングを行うのに十分な時間を確保することができる。
MCU116は、APD110の受光レベルに対する光電変換効率の非線形性を考慮して、ADコンバータ1161の出力信号からモニタ信号を生成する。具体的には、光トランシーバの規格の一つであるSFF−8872に規定されている式(1)に示す4次関数を用いてモニタ値を計算する。
Rx_PWR (uW) = Rx_PWR(4) * Rx_PWRAD4 +
Rx_PWR(3) * Rx_PWRAD3 +
Rx_PWR(2) * Rx_PWRAD2 +
Rx_PWR(1) * Rx_PWRAD + Rx_PWR(0) (1)
ここでRx_PWR(4〜0)は4次関数の係数であり、Rx_PWRADはADコンバータ1161の出力値に対して補償を行った値(以下、補償ADC値と呼ぶ)である。係数Rx_PWR(4〜0)は標準の評価条件(例えば、Tc=25℃、Vcc=3.3V)で評価された各光入力パワーでのADコンバータ1161の出力値を元に算出される。
また、APD110が一定の増倍率になるようにAPD電源111の電源電圧を温度によって変えているため、第1負荷抵抗113を流れるオフセット電流Ioffsetも温度によって変動する。また、第1負荷抵抗113等の熱雑音の影響によってもオフセット電流Ioffsetの電流値自体が時間的に変動することもある。MCU116は、オフセット電流Ioffsetの変動の影響も考慮してモニタ値を計算する。
温度センサ117は、APD110の近傍の温度を測るセンサであり、サーミスタ等から構成される。温度センサ117の出力はMCU116に入力され、モニタ値の算出に利用する。
以上のように構成された光受信器11においてMCU116が実行するモニタ信号出力処理について図3のフローチャートに沿って詳細に説明する。
まず、光受信器11が通常運転中であるか否かを判定し(ステップS101)、通常運転中でなく調整中である場合には(ステップS101:No)、ステップS102以下の温度補償関数を取得する処理を行う。調整中においては、光パケット信号はAPD110に入力させない。
まず、APD110の周囲温度を変化させる。例えば、調整中である光受信器11を、環境温度を変化することが可能な恒温槽に格納し、光受信器11の温度を変化させる。温度を変化させながら、光受信器11の温度センサ117の出力値及びADコンバータ1161の出力値を取得する(ステップS102)。この時、APD110には電流が流れないため、第1負荷抵抗113に流れるオフセット電流のみを流したときのADコンバータ1161の出力値(以下、ADC値と呼ぶ)を取得することができる。
温度センサ117の出力値が示す温度とADC値の関係から温度補償関数を取得する(ステップS103)。具体的には、予め決めた温度におけるADC値を基準値として、各温度のADC値と基準値との差を補正値として算出する。図4(a)に、光パケット信号を入力させずに温度を0〜70℃の範囲内で変化させたときの温度センサ117が示す温度とADC値を例示する。ここでは、40℃のときのADC値100を基準値として、各温度のADC値と基準値との差を補正値として算出する。
温度補償関数は、各温度の補正値に対してフィッティングして求める。温度補償関数は、n次関数やLog関数等、任意の関数を用いて良い。図4(b)は、図4(a)に示した各温度の補正値をプロットしており、これに対して1次関数でフィッティングして温度補償関数を求めた結果(実線)を示している。算出した温度補償関数は、MCU116のメモリに保存する(ステップS104)。ここまでを調整時に実施する。
MCU116は、通常動作時である場合には(ステップS101:Yes)、ADC値、温度補償関数に基づいてモニタ値を算出して出力する。通常動作時(光信号受信時)においては、カレントミラー回路112の入力部1121には、APD110で受光した光を光電変換した電流と、第1負荷抵抗113に流れるオフセット電流の和が流れる。カレントミラー回路112の出力部1122には、入力部1121に流れる電流に比例するモニタ電流が流れ、第2負荷抵抗114により電流電圧変換され、モニタ電圧がサンプルアンドホールド回路115に入力される。
サンプルアンドホールド回路115では、所定の周波数のサンプルアンドホールド信号に同期して、モニタ電圧をサンプルしてホールドする。MCU116は、ホールドされたモニタ電圧をADコンバータ1161でデジタル信号に変換してADC値を取得する(ステップS105)。MCU116は、温度センサ117が示す温度に対する補正値をメモリから呼出した温度補償関数を用いて算出する。そして、ADC値に補正値を加算して補償ADC値をもとめる(ステップS106)。そして、式(1)を用いて補償ADC値からモニタ値を算出し、モニタ値を含むモニタ信号を出力する(ステップS107)。MCU116はモニタ信号出力処理の終了操作がない限り(ステップS108:No)、ステップS101に戻って処理を継続する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、APD110をカレントミラー回路112の入力部1121に接続し、APD110と並列に第1負荷抵抗113を接続し、カレントミラー回路112の出力部1122に第2負荷抵抗114を接続し、出力部1122から出力してサンプルアンドホールド回路115でホールドしたモニタ電圧をADコンバータ1161でデジタル信号に変換して、そのデジタル信号に基づいてMCU116がモニタ値を算出する。MCU116のメモリには予め求めておいた温度補償関数を記憶しておき、MCU116は、ADコンバータ1161が出力するデジタル信号の値に対して、温度センサ117が示す温度に対応する補正値で補償したモニタ値を算出し、出力する。
これにより、電源電圧の温度変動やオフセット電流自身の変動分を補償した正確なモニタ値を出力することができる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明の実施の形態2における光通信システム1、OLT10の構成は、実施の形態1と同様である。実施の形態1に係るOLT10内の光受信器11に代えて光受信器15を備える。光受信器15の内部構成について、図5を用いて説明する。
図5に示すように、OLT10の光受信器15は、実施の形態1の光受信器11と同様の、APD110と、カレントミラー回路112と、第1負荷抵抗(R1)113と、第2負荷抵抗(R2)114と、サンプルアンドホールド回路115と、MCU116と、温度センサ117と、を備える。MCU116の入力部にはADコンバータ1161を備え、出力部にはDAコンバータ1162を備えている。
OLT10の光受信器15は、さらに、MCU116のDAコンバータ1162から出力される電圧信号に基づいて直流高電圧を発生させ、APD110に電源電圧を供給する高電圧発生回路118を備えている。
より詳細には、高電圧発生回路118は、MCU116のDAコンバータ1162から入力される電圧信号に基づいて、出力電圧を変化させる。つまり、DAコンバータ1162が出力する電圧信号は、高電圧発生回路118に対する指示値に相当する。高電圧発生回路118は、APD110が一定の増倍率になるように温度によってAPD110に供給する電圧を変化させる必要がある。よって、MCU116は、高電圧発生回路118が温度によって適切な電源電圧をAPD110に供給できるように、温度センサ117が示す温度に対応してDAコンバータ1162の出力電圧を変化させる。
また、MCU116は、実施の形態1と同様に、ADコンバータ1161の出力信号に対してMCU116のメモリに記憶する補償関数で補償を行った値に基づいて、モニタ信号を生成して出力する。
以上のように構成された光受信器15においてMCU116が実行するモニタ信号出力処理について図6のフローチャートに沿って詳細に説明する。
まず、光受信器11が通常運転中であるか否かを判定し(ステップS201)、通常運転中でなく調整中である場合には(ステップS201:No)、ステップS202以下のDAC値補償関数を取得する処理を行う。調整中においては、光パケット信号はAPD110に入力させない。
まず、MCU116は、DAコンバータ1162の出力電圧(以下、DAC値と呼ぶ)を変化させつつ、ADコンバータ1161の出力値を取得する(ステップS202)。この時、APD110には電流が流れないため、第1負荷抵抗113に流れるオフセット電流のみを流したときのADコンバータ1161の出力値(以下、ADC値と呼ぶ)を取得することができる。
DAC値とADC値の関係からDAC値補償関数を取得する(ステップS203)。具体的には、予め決めたDAC値におけるADC値を基準値として、各DAC値に対するADC値と基準値との差を補正値として算出する。ここで、DAC値の基準値は実施の形態1で基準とした温度(例えば図4の例において40℃)でのDAC値を用いる。図7(a)に、光パケット信号を入力させずにDAC値を1200〜1900の範囲内で変化させたときのADC値を例示する。ここでは、DAC値が1500のときのADC値100を基準値として、各DAC値に対してADC値と基準値との差を補正値として算出する。
DAC値補償関数は、DAC値に対する補正値に対してフィッティングして求める。DAC値補償関数は、n次関数やLog関数等、任意の関数を用いて良い。図7(b)は、図7(a)に示したDAC値と補正値の関係をプロットしており、これに対して1次関数でフィッティングしてDAC値補償関数を求めた結果(実線)を示している。算出したDAC値補償関数は、MCU116のメモリに保存する(ステップS204)。ここまでを調整時に実施する。
MCU116は、通常動作時である場合には(ステップS201:Yes)、ADC値、DAC値補償関数に基づいてモニタ値を算出して出力する。通常動作時(光信号受信時)においては、カレントミラー回路112の入力部1121には、APD110で受光した光を光電変換した電流と、第1負荷抵抗113に流れるオフセット電流の和が流れる。カレントミラー回路112の出力部1122には、入力部1121に流れる電流に比例するモニタ電流が流れ、第2負荷抵抗114により電流電圧変換され、モニタ電圧がサンプルアンドホールド回路115に入力される。
サンプルアンドホールド回路115では、所定の周波数のサンプルアンドホールド信号に同期して、モニタ電圧をサンプルしてホールドする。MCU116は、ホールドされたモニタ電圧をADコンバータ1161でデジタル信号に変換したADC値を取得する(ステップS205)。MCU116は、DAコンバータ1162が出力しているDAC値に対する補正値をメモリから呼出した補償関数を用いて算出する。そして、ADC値に補正値を加算して補償ADC値をもとめる(ステップS206)。そして、式(1)を用いて補償ADC値からモニタ値を算出し、モニタ値を含むモニタ信号を出力する(ステップS207)。
以上説明したように、本実施の形態によれば、APD110をカレントミラー回路112の入力部1121に接続し、APD110と並列に第1負荷抵抗113を接続し、カレントミラー回路112の出力部1122には第2負荷抵抗114を接続し、出力部1122から出力しサンプルアンドホールド回路115でホールドしたモニタ電圧をADコンバータ1161でデジタル信号に変換して、そのデジタル信号に基づいてMCU116がモニタ値を算出する。MCU116のメモリには予め求めておいたDAC値に対する補償関数を記憶しておき、MCU116は、ADコンバータ1161が出力するデジタル信号の値に対して、DAコンバータ1162の出力値に対応する補正値で補償したモニタ値を算出し、出力する。
これにより、温度に応じてAPD110の電源電圧を変動させることによるオフセット電流の変動やオフセット電流自身の変動を補償した正確なモニタ値を出力することができる。
<実施例>
本発明の構成と従来構成について、モニタ電圧のシミュレーションを行った。シミュレーションの結果を図8に示す。図8の黒丸のデータはモニタ値の複数回測定時の平均値、その他のデータ(白の菱形)はそれぞれの測定回のモニタ値である。本発明の構成(a)は、実施の形態1の構成を用いた。また、従来構成(b)は、カレントミラー回路112の出力に対して温度補償を行わない構成を用いた。APD110に入力する光信号は、図9に示すように、光入力パワーが−7dBmの光パケット信号の後に、−7dBm〜−28dBmの光パケット信号が入力するようにした。
図8から明らかなように、補償関数を適用しなかった従来構成(b)では、オフセット電流変動の影響により、入力光パワーが低い範囲において実際の光入力パワー(実測値)とモニタ値の差が大きく、また個々の測定での測定ばらつきが大きいため、モニタ精度が悪かった。一方、本発明の構成(a)はオフセット電流の変動分をMCU116で補償しているため、実際の光入力パワー(実測値)とモニタ値の差が小さくなりモニタ精度が改善した。
このように本発明は、カレントミラー回路の入力部にAPDと第1負荷抵抗を互いに並列に接続し、APDの電源電圧を温度に応じて変化させることによる第1負荷抵抗を流れるオフセット電流の変化分を補償する補償情報を予め記憶させておき、APDに光入力する際には、カレントミラー回路の出力部を流れるモニタ電流と補償情報に基づいてモニタ値を算出し出力することとした。これにより、簡易な回路構成で、光パワーを高精度で表すモニタ信号を出力することが可能となる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の変更は勿論可能である。
例えば、上記実施の形態において、温度又はDAC値に対する補償関数を求めてMCU116のメモリに記憶し、補償時には、補償関数から補正値を算出してモニタ値に加算するとしたが、各温度又はDAC値に対する補正値をメモリに記憶しておき、補償時には、各温度又はDAC値の補正値を読み出してモニタ値に加算するようにしてもよい。
また、モニタ信号出力処理を光受信器11内のMCU116が実行するとしたが、信号処理部14内の演算処理部で実行するようにしてもよい。
また、実施の形態1において、MCU116がAPD110の周囲の温度を変動させて、温度に対するADC値を取得してそれに基づいて温度補償関数を求めるとしたが、調整時に恒温槽等の温度変化装置を用いて、光受信器11全体の温度を変化させ、それぞれの温度においてADC値を取得した結果に基づいて温度補償関数を調整用のコンピュータで求め、得られた温度補償関数をMCU116のメモリに保存するようにしてもよい。
また、上記実施の形態のMCU116が実行したモニタ信号出力処理のプログラムを、既存の情報端末に適用することで、当該情報端末を本発明に係るMCU116に代替して機能させることも可能である。
このようなプログラムの配布方法は任意であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto Optical Disc)、メモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布してもよいし、携帯電話網やインターネット等の通信ネットワークを介して配布してもよい。
1 光通信システム、10 OLT、20 ONU、30 光スターカプラ、32 光ファイバ、40 外部ネットワーク、11,15 光受信器、100 光モジュール、110 APD、111 APD電源、1111 電源電圧制御部、112 カレントミラー回路、1121 入力部、1122 出力部、113 第1負荷抵抗、114 第2負荷抵抗、115 サンプルアンドホールド回路、116 MCU、1161 ADコンバータ、1162 DAコンバータ、117 温度センサ、118 高電圧発生回路、12 光送信器、13 波長多重カプラ、14 信号処理部

Claims (6)

  1. 受光パワーに応じた電流を出力するアバランシェフォトダイオードを入力部に接続し、前記入力部を流れる入力電流に比例するモニタ電流を出力するカレントミラー回路と、
    前記アバランシェフォトダイオードの電源電圧を温度に応じて変化させる電源電圧制御部と、
    前記カレントミラー回路の入力部に、前記アバランシェフォトダイオードと並列に接続した第1負荷抵抗と、
    前記電源電圧制御部が温度に応じて前記電源電圧を変化させることによる前記第1負荷抵抗を流れる電流の変化分を補償する情報であって、前記電源電圧制御部に対して出力電圧を指示する指示値に対するモニタ値の補償関数である補償情報を記憶する記憶部と、
    前記カレントミラー回路の出力部に接続され、前記モニタ電流をモニタ電圧に変換するための第2負荷抵抗と、
    前記モニタ電圧をサンプルしホールドするサンプルアンドホールド部と、
    前記電源電圧制御部に対して前記指示値を出力する指示値出力部を備えた処理部と、を備え、
    前記処理部は、前記サンプルアンドホールド部でサンプルされホールドされたモニタ電圧をアナログ/デジタル変換し、前記変換されたモニタ電圧と、前記記憶部に記憶した前記補償情報である、前記指示値に対する前記補償関数と、を用いて補償したモニタ値を算出し出力する、
    光パワーモニタ用回路。
  2. 前記補償関数は、前記指示値に対するn次関数又は対数関数である、
    請求項に記載の光パワーモニタ用回路。
  3. 請求項1又は2に記載の光パワーモニタ用回路を備える、
    光モジュール。
  4. 請求項1又は2に記載の光パワーモニタ用回路を備える、
    局側装置。
  5. 受光パワーに応じた電流を出力するアバランシェフォトダイオードを入力部に接続し、前記入力部を流れる入力電流に比例するモニタ電流を出力するカレントミラー回路と、前記アバランシェフォトダイオードの電源電圧を温度に応じて変化させる電源電圧制御部と、前記カレントミラー回路の入力部に、前記アバランシェフォトダイオードと並列に接続した第1負荷抵抗と、を備える光パワーモニタ用回路において、
    前記電源電圧制御部が温度に応じて前記電源電圧を変化させることによる前記第1負荷抵抗を流れる電流の変化分を補償する情報であって、前記電源電圧制御部に対して出力電圧を指示する指示値に対するモニタ値の補償関数である補償情報を予め取得する補償情報取得ステップと、
    前記電源電圧制御部に対して前記指示値を出力する指示値出力ステップと、
    前記モニタ電流をモニタ電圧に変換する電流電圧変換ステップと、
    前記モニタ電圧をサンプルしホールドするサンプルアンドホールドステップと、
    前記サンプルされホールドされたモニタ電圧をアナログ/デジタル変換するアナログデジタル変換ステップと、
    前記変換されたモニタ電圧と、前記予め取得された補償情報である、前記指示値に対するモニタ値の補償関数と、を用いて補償したモニタ値を算出し出力する処理ステップと、を有する、
    光パワーモニタ方法。
  6. 受光パワーに応じた電流を出力するアバランシェフォトダイオードを入力部に接続し、前記入力部を流れる入力電流に比例するモニタ電流を出力するカレントミラー回路と、前記アバランシェフォトダイオードの電源電圧を温度に応じて変化させる電源電圧制御部と、前記カレントミラー回路の入力部に、前記アバランシェフォトダイオードと並列に接続した第1負荷抵抗と、前記カレントミラー回路の出力部に接続され、前記モニタ電流をモニタ電圧に変換するための第2負荷抵抗と、前記モニタ電圧をサンプルしホールドするサンプルアンドホールド部と、を備える光パワーモニタ用回路を制御するコンピュータであって、前記サンプルアンドホールド部でサンプルされホールドされたモニタ電圧をアナログ/デジタル変換するアナログ/デジタル変換器を備える前記コンピュータを、
    前記電源電圧制御部が温度に応じて前記電源電圧を変化させることによる前記第1負荷抵抗を流れる電流の変化分を補償する情報であって、前記電源電圧制御部に対して出力電圧を指示する指示値に対するモニタ値の補償関数である補償情報を予め取得する補償情報取得部、
    前記電源電圧制御部に対して前記指示値を出力する指示値出力部、
    前記変換されたモニタ電圧と、前記予め取得された補償情報である、前記指示値に対するモニタ値の補償関数と、を用いて補償したモニタ値を算出し出力するモニタ値算出部として機能させる、
    プログラム。
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