本発明は、単純に反射率を高めることのみではなく、拡散反射率を高めることを目的とする。また、強度に優れ、過酷な用途においても耐久性を保持でき、かつ、簡便に製造することが可能な資材の提供を目的とする。又、本発明は拡散反射率が高く外部から飛来する病害虫の侵入を阻止する防虫ネット及びその資材の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明により、
農業用反射シートを構成し、光源からの光を周囲に反射するテープであって、
前記反射テープは多数のフィラーを含有する単層のオレフィン系樹脂フィルムをスリットした後に長さ方向に延伸した織編成用テープであり、
前記フィラーは前記オレフィン系樹脂より比重が大きく、かつ剛性が高い物質であり、前記フィラーの平均粒径は2.5ないし6.0μmであり、前記フィラーの前記オレフィン系樹脂フィルムに対する配合比率が10ないし35重量%であり、前記延伸に基づいて、前記フィラー周囲にボイドが形成され、かつ、前記延伸に基づく前記フィルムの薄肉化に伴って前記テープの両表面に前記フィラー及び前記ボイドをコアとした多数の突起部が形成されたことを特徴とする延伸反射テープが提供される。
オレフィン系樹脂フィルムを延伸することによって、オレフィン系樹脂が流動しフィルムが薄肉化する。包含されるフィラーはオレフィン系樹脂より比重が大きく剛性の高いので、オレフィン系樹脂の流動にそのまま追随せず、又、変形しにくい。このため、フィラーの周囲にはオレフィン系樹脂とフィラーの流動性の差に基づくボイド(空隙)が発生すると共にフィラーの位置する延伸テープの表面部は延伸による流動力によって膨らんで突起部を形成することとなる。オレフィン系樹脂は合成樹脂の中でも比重が小さく(0.9程度)、射出流動性に優れている。ここで、オレフィン系樹脂に包含されるフィラーは充填材であり、主に粉末状の無機物であるが、それに限定されない。又、ボイドとは、空隙をいう。又、「剛性」とは、物体が曲げ・ねじれなどに対して破壊に耐える能力をいい、変形のしにくさを表す。又、「比重」とは真性比重をいい、例えば炭酸カルシウムの場合は約2.7であり、酸化チタンの場合は約4.2である。
また、前記延伸テープの厚みが5.0ないし30.0μmであることを特徴とする延伸反射テープが提供される。
延伸テープの厚みに対するフィラーの粒径の比率により反射テープ表面の突起部の形成及び突起部の大きさが規定される。フィラーの粒径が一定である場合、テープ厚みが薄いほど突起部が大きくなる。一般の延伸テープの厚みは20ないし30μmであるが、本件発明は、テープ強度を保持しつつ薄肉化による突起部形成を促進するため、延伸テープ厚みの範囲を5.0ないし30.0μmとした。また、フィラーは、小さすぎるとボイドが発生しにくく表面の突起部が形成されにくい。その一方、大きすぎると均等分散が困難となり、製膜が保てず未延伸フィルムに穴あき(フィッシュアイ)現象が生ずることとなる。このため、フィラーの粒径(平均粒径)2.5ないし6.0μmとした。なお、延伸テープの厚みに対するフィラーの平均粒径の比率は特に限定されず、各々の寸法範囲の中で適宜設定される。
また、前記フィラーの前記オレフィン系樹脂フィルムに対する配合比率が10ないし35重量%であることを特徴とする延伸反射テープが提供される。
従来のフィラー含有延伸反射テープでは、テープ表面に突起部を形成するという観点はなかった。そのため、強度への配慮から一般的には、フィラーの配合比率は10重量%程度までとしており、その結果、突起部は形成されていなかった。したがって、本発明ではフィラーの配合比率を10重量%以上とした。一方、フィルム状態のときにフィラーの配合比率が40重量%以上の場合にはフィルムが破れる等の不具合が発生したので、オレフィン系樹脂フィルムに対するフィラーの配合比率のMAXを35重量%とした。なお、オレフィン系樹脂フィルムに対する配合比率10ないし35重量%とは、オレフィン系樹脂の重量及びフィラーの重量の合計に対するフィラーの重量比率をいう。
また、前記フィラーの吸収スペクトルに基づいて、一定範囲の波長領域における反射光の照射強度を確保することを特徴とする延伸反射テープが提供される。
含有するフィラー特有の吸収スペクトルに基づいて当該フィラーに到達した当該波長領域の入射光は吸収され、その結果、当該波長領域の反射光強度は低下することとなる。フィラーの選定においてそのフィラー特有の吸収スペクトルを考慮することにより、反射光強度を確保すべき波長領域を選択することができる。
また、前記フィラーの粒径分布における標準偏差が大きいことを特徴とする延伸反射テープが提供される。
入射光が表面突起部やコアとなっているフィラーによって反射する場合に、粒径の大きなフィラーの場合は、入射光が当たる表面突起部の面やフィラーの面が入射光の波長に対して相対的に平坦な面となり、鏡面反射の比率が高まる。一方、粒径の小さなフィラーの場合は拡散反射の比率が高まる。表面突起部の形成のためフィラーの平均粒径をあまり小さくすることはできないが、粒径の標準偏差を大きくすれば、粒径の小さなフィラーの分布比率が高くなり、短波長領域の拡散反射の比率を高めることができる。
また、前記フィラーが炭酸カルシウムであることを特徴とする延伸反射テープが提供される。炭酸カルシウムの吸収スペクトルは紫外光及び赤外光領域に分散しており、可視光領域を中心として広範囲な波長領域において高い拡散反射率を確保できる。
また、前記フィラーが炭酸カルシウム及び酸化チタンであることを特徴とする延伸反射テープが提供される。
また、前記フィラーが複数の物質から構成され、前記複数の物質における各々の物質は、少なくとも吸収スペクトル、平均粒径、又は粒径分布における標準偏差のいずれかが異なるものであることを特徴とする延伸反射テープが提供される。
上述のフィラーの粒径や特有の吸収スペクトルを考慮し、性質の異なる複数のフィラーを組み合わせることにより、波長領域を考慮しつつ拡散反射比率を高めることができる。
前記フィルムを断面視凹凸形状としたことを特徴とする延伸反射テープが提供される。
断面視凹凸形状のフィルムをスリットし、延伸することにより、延伸テープ断面の一部に厚肉部を形成することができる。
前記フィルム2枚を前記フィラーを包含していないオレフィン系樹脂フィルムの両面に配した多層構造のフィルムを延伸したことを特徴とする延伸反射テープが提供される。
係る延伸反射テープは、フィラー及びボイドを包含しない一層以上の中心層とフィラー及びボイドを包含する両側の層の多層により構成される。通常は、共押出により多層構造が形成されるがそれに限定されるものではない。
また、上述の延伸反射テープを織編成したことを特徴とする農業用反射シートが提供される。
延伸反射テープを織り、又は、編んで反射シートが作成される。フィラーの吸収スペクトル、平均粒径、又は粒径分布における標準偏差、重量%やテープの厚みのうち少なくとも1つが異なる経糸と緯糸を組み合わせることも可能である。
前記延伸反射テープを一部にのみ使用したことを特徴とする反射シートが提供される。
延伸テープの強度を保持するために、フィラーの平均粒径・テープ厚み・フィラーの重量%の規制や、テープの形状・構造の変更に加え、反射シートにおける延伸テープの用い方を調整する方法がある。例えば、経糸又は緯糸のみ本発明に係る延伸反射テープを採用し、他の糸は通常の反射テープとすることができる。また、経糸或いは緯糸の一部のみ、又は、経糸と緯糸の一部のみを本発明に係る延伸反射テープとし、他の糸は通常の反射テープとすることもできる。
オレフィン系樹脂と前記オレフィン系樹脂より比重が大きく、かつ、剛性が高い多数のフィラーとを混合するステップと、前記混合された組成物を成膜してフィルムにするステップと、前記フィルムを延伸して延伸反射テープを作成するステップと、を含み、前記フィルムを延伸することにより、前記フィラー周囲にボイドが形成され、かつ、前記延伸に基づく前記フィルムの薄肉化に伴って前記延伸反射テープの表面に前記フィラー及び前記ボイドをコアとする多数の突起部が形成されたことを特徴とする、光源からの光を周囲に反射する延伸反射テープの製造方法が提供される。
本発明に係るフィルム延伸により、テープの表面に前記フィラー及び前記ボイドをコアとした多数の突起部が形成された延伸反射テープを製造することができる。
又、上記課題を解決するため、本発明により、
光源からの光を周囲に拡散反射する断面形状が略円形又は略多角形であるポリオレフィン系樹脂のモノフィラメントにより構成される防虫ネットであって、前記モノフィラメントは多数の炭酸カルシウムをフィラーとして含有するオレフィン系樹脂素材を延伸したモノフィラメントであり、前記フィラーの平均粒径は2.5ないし6.0μmであり、前記フィラーの前記モノフィラメントに対する配合比率が10ないし35重量%であり、前記延伸したモノフィラメントは繊度が110ないし550dtexであり、前記延伸に基づいて、前記フィラー周囲にボイドが形成されると共に前記モノフィラメントの細径化に伴って当該モノフィラメントの表面に前記フィラー及び前記ボイドをコアとした多数の突起部が形成され、前記防虫ネットの目合いは0.5ないし1.0mmであり、かつ、前記防虫ネットの開口率は60%以上であること
を特徴とする防虫ネット
が提供される。
ポリオレフィン系樹脂素材を延伸することによって、ポリオレフィン系樹脂素材が流動し細径化して、防虫ネット用のモノフィラメントとなる。
断面形状が略円形又は略多角形とは、円形・楕円形・多角形・異形多角形を含む断面形状であり、一定方向から照射する外部光を様々な方向に反射する性質を有する形状を意味する。したがって、帯状のような扁平なものは含まれない。
モノフィラメントとは、紡糸の課程でノズルから出てきた1本の繊維をそのまま単繊維として糸にしたものを指し、単繊維を多数収束させて糸にしたマルチフィラメントに対立する概念である。マルチフィラメントには、単繊維に撚りをかけて糸に収束させるものが多い。「フィラー」、「ボイド」、「剛性」、「比重」は既述の通りである。
前記フィラーの平均粒径が2.5ないし6.0μmであり、かつ、前記フィラーの前記モノフィラメントに対する配合比率が10ないし35重量%であることを特徴とする前記防虫ネット用モノフィラメントが提供される。
フィラーは、小さすぎるとボイドが発生しにくく表面の突起部が形成されにくいこと、及び、大きすぎると均等分散が困難になることから2.5ないし6.0μmとした。又、フィラーの配合比率が少なければ表面突起部の形成が不足し、多すぎればモノフィラメントの強度が低下することから10ないし35重量%とした。なお、10ないし35重量%とは、モノフィラメントの重量及びフィラーの重量の合計に対するフィラーの重量比率をいう。
前記モノフィラメントが芯鞘構造を有する複合モノフィラメントであり、前記フィラーは鞘部分にのみ含まれていることを特徴とする前記防虫ネット用モノフィラメントが提供される。
芯鞘構造とは、1本の繊維(モノフィラメント)が芯部と鞘部の二層からなるものを指す。芯部にはフィラーを配合せずに、鞘部にのみフィラーを配合する。
前記断面形状が略Y字形状であることを特徴とする前記防虫ネット用モノフィラメントが提供される。
異型のダイスにより表面突起を有する断面が略Y字形状のモノフィラメントとなる。
前記モノフィラメントを用いた防虫ネットであって、目合いが0.5ないし1.0mmであることを特徴とする防虫ネットが提供される。
防虫ネットは通常目合い1ないし4mmであるが、微細病害虫による被害が増えている。微細病害虫の侵入を阻止するには、例えばアブラムシ類では0.8mm、ハモグリバエ類、アザミウマ類、オンシツコナジラミでは0.6mm、タバココナジラミ(シルバーリーフコナジラミ)では0.4mmの目合いの防虫ネットが必要とされている。
このため、0.4mmの微小目合いの防虫ネットが普及しつつある。本発明に係るモノフィラメントは拡散反射による防虫効果を有するため、通常のフィラメントにおける目合いを大きくしても同等の効果を有することができる。したがって、目合いを0.5ないし1.0mmとすることによって、微細病害虫の種類に応じた選択をすることが可能であり、どのような微細病害虫であっても侵入を阻止することができる。
前記防虫ネットであって、前記延伸したモノフィラメントが110ないし550dtexであり、かつ、開口率が60%以上であることを特徴とする防虫ネットが提供される。
単純に目合いを小さくするとネット面積に占める開口部の比率が低下して通気性が悪化する。このため、モノフィラメントの糸径をできるだけ細くして開口部比率の維持を図ったり、ハウス内部に空気循環設備の設置を行ったり等の対策が講じられている。ここで、「dtex (デシテックス)」は10,000m当たり1グラムに相当する糸の太さを表わす単位であり、繊維の糸の太さは、金属等と異なりいずれの位置であっても一定の直径を保持するというようなものではないため、糸の太さはdtex 等で表す。比重1とした場合の110ないし550dtex の糸の太さは、糸直径に置き換えれば概ね0.12ないし0.26mmである。
一般に、通気性を確保するためには開口率は60%以上であることが必要とされるところ、微細病害虫を通過させないために目合い(糸間の距離)0.4mmとした場合、糸直径は理論的に0.12mm以下であることが必要である(算定根拠後述)。しかし、本発明に係るモノフィラメントは拡散反射光の照射による病害虫の侵入防止効果があるので、目合い0.4mmであっても0.15mm程度の糸直径があれば足り、微細病害虫通過阻止のためには糸直径0.15mmを換算した180dtex 以上としても良い。しかし、上記のように、繊維の糸の太さはいずれの位置であっても一定の直径を保持するというようなものではないこと、比重によって同じdtex 値であっても直径値が変わること、今後の微細病害虫対策上からのより厳しい要求の可能性も加味して、微細病害虫の侵入を阻止しつつ通気性を確保するための糸の太さを110ないし550dtexとした。
また、前記防虫ネットの目合いについて、経方向の目合いが0.6mmであり、かつ、緯方向の目合いが0.6ないし1.0mmであることを特徴とする防虫ネットが提供される。
前記防虫ネット用モノフィラメントを経糸及び緯糸の一部又は全部に用いて織編成してなることを特徴とする防虫ネットが提供される。
本発明に係るモノフィラメントは防虫ネットの一部にのみ使用して本発明に係る防虫ネットと通常の防虫ネットを混在させても良い。「一部のみ」の使用とは、経糸のみの使用、緯糸のみの使用、経糸又は緯糸の少なくともいずれかについて部分的に使用をすることをいう。
本発明により、表面に多数の突起部が形成されると共にオレフィン系樹脂中に多数のフィラーが存在することとなる。表面突起部は、フィラーの粒径やフィラーの表面からの距離の相違に基づく突起部高さの相違、ボイドの存在による表面突起形状の非対称性、複数のフィラーが近接している場合のそれらを反映した表面突起部形状の複雑化等により複雑な形状を呈する。したがって、本発明に係る建築用、農業用分野における反射シートにおいて入射光を反射する比率を向上させ、夏季の高温化防止、反射シートの蓄熱防止を図ることができる。さらに、表面の複雑な突起部形状に基づいて、反射光中の拡散反射光の比率を高くすることできる。又、いったん内部に進入した入射光も、その一部はフィラー表面における反射やボイドにおける屈折を経由した反射によりテープ表面から拡散反射光として出光し周囲を照射することとなる。なお、拡散反射光とは、反射光のうち鏡面反射光を除いたものをいう。
これらにより、全体の拡散反射の比率はより高まり、農業分野等において入光角度に影響されることなく、周囲に略均等に反射光を照射することができる。このことにより、建築物の形状等の条件により一方向からのみ太陽光が入光する場合や天候により特定の時間のみ太陽光が入光する場合でも満遍なく周囲に反射光を供給することができる。さらに、背の低い植物や植物の下側にも反射光を照射することができる。
延伸テープを極力薄くすることによって、フィラー及びボイドをコアとしたテープ表面の突起部の発生、突起部の大きさの増大を促進することができる。また、フィラーの粒径をテープの穴あきが発生しない限度でできるだけ大きくすることにより、ボイドをより大きく発生させることとなり、オレフィン系樹脂テープ表面の突起部をさらに大きく、高くすることができる。したがって、テープ表面における拡散反射比率及びいったん内部に進入した入射光のフィラーによる拡散反射率が高くなり、全体としての拡散反射率が高まる。
オレフィン系樹脂中のフィラーの重量%をできるだけ大きくすることによって、オレフィン系樹脂中に存在するフィラーの密度が高まる。このことにより、テープ表面に発生する突起部の数が増え、拡散反射率が高まる。さらに、フィラー密度が高まることによって、テープ表面に近いフィラーのさらに内部に別のフィラーが存在する可能性が高まり、オレフィン系樹脂の表面と表面付近のフィラー及びボイドに当たらずに内部に進入した入射光も内部のフィラーによって拡散反射する可能性が高くなる。これらにより、全体の拡散反射率はさらに高くなる。
フィラーが有する特定波長域の光吸収(吸収スペクトル)を利用して、周囲の作物等に必要な波長域の拡散反射光を供給することができる。可視光領域全体の拡散反射光を供給したい場合は、可視光領域において吸収スペクトルを有さないか有していたとしても影響の少ないフィラーを選択し、防虫効果等を目的に紫外光領域に拡散反射光を供給したい場合は、紫外光領域において吸収スペクトルを有さないか有していたとしても影響の少ないフィラーを選択すれば良い。又、対象作物における必要性等により、一定領域の拡散反射光の供給を排除したい場合は、その領域に吸収スペクトルを有するフィラーを選択すれば良い。
フィラーの粒径分布の標準偏差が大きく、短波長領域の粒径のフィラーの数が多くなれば、紫外光領域の拡散反射率を高めることができる。これにより、紫外光も周囲に均等に照射されることとなり、防虫効果が増大する。
炭酸カルシウムをフィラーとすることにより、紫外光領域から赤外線領域の広い範囲にわたり高い拡散反射率を有することとなる。
吸収スペクトル、平均粒径、粒径分布における標準偏差が異なる複数のフィラーを採用することによって、広い領域の拡散反射率を確保したり、一定領域の拡散反射率をより高いレベルに保持することができる。また、広い領域の一部の拡散反射率を低くすることも可能である。
本発明に係る反射テープはできるだけテープ厚みを薄くすることによって拡散反射率を高めるものである。係るフィルムを断面視凹凸形状とすることにより、スリット後に延伸した反射テープは断面視で厚い部分と薄い部分が混在することとなる。厚い部分の存在により、延伸によるテープの強度の低減を防止することができる。なお、この場合、表面の突起部は主に厚みの薄い部分に発生することとなる。
多層構造を採用することによって延伸によるテープの強度の低減を防止することができる。中央部のオレフィン系樹脂層はフィラーを包含しておらず、ボイドの発生もないので、全体の強度維持に、より有用である。
上述の延伸反射テープを織編成したことにより、拡散反射性を向上させた反射シートを提供することができる。織編成によるシートなので、不織布等に対して丈夫であり長期間の使用に耐えることができる。
経糸或いは緯糸の全体又は経糸又は緯糸の一部にのみ本発明に係る延伸反射テープを用いて反射シートを作成することによって、フィラー及びボイドのない糸又は部分で全体の強度を担保することができる。
本発明に係る製造方法により、光反射性、拡散光反射性に優れ、かつ耐久性の高い延伸反射テープを簡易な方法で製造することができる。
本発明に係るモノフィラメントではモノフィラメント表面に効率よく突起が形成され、入射光を拡散反射する比率が高まり、周囲に略均等に、紫外光領域の光を含む反射光を照射することができる。
一般的に虫は習性として、太陽光(紫外光)を背にして飛来することが知られている。農業用ハウス等施設の側面に展張される防虫ネットから拡散反射光、特に紫外光が照射されると、飛来する病害虫は太陽光等の外光に加えて様々な角度からの拡散反射光(紫外光)を受光することとなり、方向感覚を失って飛行が困難となる。その結果、病害虫の施設内への侵入が妨げられることとなり、施設への侵入防止・忌避効果が得られることとなる。
単繊維をそのまま収束させたり、単繊維を撚って収束させるマルチフィラメントでは、突起が形成された表面部分の相当部分が他の単繊維と重なってしまい外光を拡散反射させることができず、全体として外光を効率良く拡散反射させることができない。
又、帯状の扁平な断面形状ではなく、略円形・略多角形断面形状とすることによって、一定の開口率を確保しつつ外光を広く受光し、より様々な方向に拡散反射することができる。
例えば、農作物の生育が活発で害虫の飛来が多い夏場においては、太陽は高い位置に昇り、日中ピークでは80度弱に達する。この場合、帯状モノフィラメントの表面角度(ほぼ垂直)と太陽光の入光角度が平行に近くなることによって入光量そのものが少なくなるため、拡散反射光の光量も少なくなって防虫効果が不十分になる。又、帯状モノフィラメントと略円形モノフィラメントの糸径を対比すると、一般的に、帯状モノフィラメントの糸径(帯状モノフィラメントの幅)は略円形モノフィラメントの糸径(直径)より大きい。上述の通り、開口率を高く維持するには開口部を囲むモノフィラメントの糸径を小さくする必要があり、この点でも略円形(又は略多角形)モノフィラメントが好ましい。
以上により、モノフィラメントであること、帯状の扁平な断面形状ではなく、略円形・略多角形断面形状であることが本発明に係る防虫ネット材の条件となる。
フィラーの平均粒径が2.5ないし6.0μmであり、かつ、フィラーの配合比率が10ないし35重量%であることにより、適度に表面突起を形成させ、モノフィラメントの一定の強度も保持できる。
芯鞘構造で、フィラーが外側の鞘の部分にのみ含まれている場合は、内側の芯部分にはフィラーが含まれていないので単一構造よりも強度が向上する。地面等に敷設するシートと異なり、本発明に係るモノフィラメントは織編成されて防虫ネットを形成するので、防虫ネットの重量、強風等の外力の負荷が長期間蓄積することによる材料疲労が問題となる。芯鞘構造にすることにより単一構造のものより強度を高めることができる。又、鞘部分にのみフィラーを配合するので、より少ないフィラーで同様の表面突起を形成させることができる。
断面形状を略Y字形状とすると、Y字形状の先端間の距離を同じ面積の略円形モノフィラメントの距離より大きく取ることができる。したがって、外光を受光可能な範囲は広がり、受光量が増やすことができる。又、Y字形状の凹部について、深い谷形状とすれば同じ面積の略円形モノフィラメントよりも外光を受光する面積を広くすることができる。略Y字形状にするには適合するダイスを作成すれば良く、製造面における負担増もほとんどない。
トマト黄化葉巻病では従来問題とした害虫よりも微小なシルバーリーフコナジラミが媒介するため従来よりも目合いの細かなネットが求められるようになった。本発明に係るモノフィラメントを用いた防虫ネットは、通常の防虫ネットよりも目合いの大きな防虫ネットで同等の効果を持つことができる。
一般に、目合いの細かな防虫ネットは通気性が劣り、ハウス内が異常高温となりがちである。このため、空気攪拌用の循環扇を設置しているケースも多い。
通気性を確保するためには、一般に、防虫ネットの開口率が60%以上であれば良いとされる。したがって、必要な目合いを割り出し開口率を60%とすれば、前記延伸したモノフィラメントの基本的な糸径(糸幅)を算出することができ、微小害虫の侵入を阻止しつつ通気性を確保できる。
本発明に係るモノフィラメントは目合いの細かさのみによる防虫効果に留まらず、拡散反射による防虫効果と目合いの細かさによる防虫効果を組み合わせることによる相乗効果を図るものであり、通常の防虫ネットよりも広い目合いで同等の防虫効果をもたらす。
本発明に係るモノフィラメントを防虫ネットの一部にのみ使用することにより、さらに強度の高い防虫ネットとすることができる。
本発明を実施するための延伸反射テープについて図を参照して説明する。
図1は、本発明に係る延伸反射テープの模式図である。図1Aは斜面図、図1Bは延伸方向を横軸とした断面図、図1Cは平面図である。1は本発明に係る延伸反射テープ、11は延伸反射テープの素材であるポリエチレン、12aはフィラーである炭酸カルシウム、13はボイド(空隙)、14は表面突起部である。
未延伸フィルムが延伸された際に、炭酸カルシウム(フィラー)の周囲に延伸方向に長いボイド13が発生する。また、薄肉化された延伸テープの表面には内部の炭酸カルシウム(フィラー)12a及びボイド13をコアとした表面突起部14が形成される。表面突起部14の形状はフィラー12aの分布状況により表面突起部14どうしが重なりあうため、全体として複雑な凸形状を呈する。
次に、図2に基づいて入射光2と反射光3の説明をする。なお、入射光2には太陽光以外の光を含み、間接光も含む。図2において、太陽から本発明に係る延伸反射テープへの入射光は、21、22、23である。入射光21、22,23は、延伸反射テープ表面でその一部が反射するが、表面の複雑な形状の突起のために31a、32a、33aと異なる方向に反射し、拡散反射光となる。延伸反射テープ表面で反射せずに内部に進入する入射光21,22は、相当部分がフィラー12aにより反射して再びテープ表面(入射面)から出光するが、反射するフィラーが略粒状であるため、31b、32bと異なる方向に反射し、やはり拡散反射光となる。フィラーとフィラーの間に進入する入射光23も、その一部はフィラー周囲のボイドで屈折して別のフィラーで反射して再びテープ表面(入射面)から拡散反射光として出光する(33b)。したがって、テープ表面と内部を併せて、高い比率の拡散反射光を得ることができる。
本発明に係る延伸反射テープの実施について詳細に説明する。
本発明において、ポリオレフィン製延伸テープに用いられるポリオレフィン樹脂としては高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレンー酢酸ビニル共重合体、エチレンーアクリル酸エステル共重合体、ポリプロピレン等が上げられる。ポリプロピレンとしては、プロピレン単独重合体、エチレンープロピレンブロック共重合体、あるいはエチレンープロピレンランダム共重合体、またはそれらの混合物を使用することが出来る。
これらの中で、延伸テープの強度等の機械的物性や、製造時の押出成形性、延伸性等を勘案すると高密度ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましく、メルトフローレートが高密度ポリエチレンで0.6〜1.0g/10分、ポリプロピレンで0.8〜6g/10分のものが好ましい。
本発明の組成物において、前記ポリオレフィン樹脂と混合する無機充填剤は、従来から反射用フィルムの製造において使用される公知のものが使用される。
例えば、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、燐酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水和珪酸、無水珪酸、ソーダ灰、硫酸バリウム、タルク、酸化チタン、その他無機物または無機物を主体とする有機金属塩等を挙げることができる。これらの例示のうち、硫酸バリウム、酸化チタン、炭酸カルシウム等が好ましく、特に粒径が比較的小さく表面積の大きい炭酸カルシウムが好ましい。
本発明において前記無機充填剤、特に炭酸カルシウムの粒径は得られるポリオレフィン製薄肉テープの形成、及び反射に大きく影響することから0.1〜15μmであり、平均粒径が2.5ないし6.0μmであることが好ましい。前述の通り、粒径が小さいとボイドの発生が難しく、またテープ表面のミクロな突起部の形成ができない。また粒径が大きいものやフィラーの含有率が高い場合は、均等分散が難しく、製膜が保てず未延伸フィルムに穴あき(フィッシュアイ)現象を発生させ、延伸ができずテープ化が困難となる。
本発明の組成には必要に応じて、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、界面活性剤、発泡剤、難燃剤、分散剤等の公知の各種添加剤が本発明の効果を阻害しない範囲で配合されてよい。
また、前記ポリオレフィン樹脂と前記無機充填剤とを混合する方法は特に限定されず、公知の方法が採用できる。
次いで、本発明のポリオレフィン製反射テープの製造方法について説明する。
先ず、製膜方法については公知の方法、例えばTダイ水冷方式、Tダイチルロール方式、水冷、及び空冷インフレーション方式等が挙げられる。本発明の特徴の1つは製膜の厚みを薄肉にすることであり、その観点から空冷インフレーション方式が好ましい。
織編成したクロスに剛性、機械的物性を加える必要がある場合には、本発明の特徴を維持する目的で前記製膜方法に多層ダイスを使用して共押出することも出来る。その場合、表層を前記組成、及び厚みとすることが必要である。内部の層は、クロスを補強することがその役割なので、フィラーを包含する必要はなく、薄肉化の必要もない。要求される補強レベルに合わせて、任意に設定される。
また、剛性、機械的物性を加える別の方法として、フィルムの流れ方向(断面視)に凹凸(スジ入り)状とすることができる。この場合、その凹の部分を前記組成、及び厚みとすることが必要である。凸の部分は、クロスを補強することがその主な役割であり、薄肉化の必要もなく、表面に多数の突起部を形成することも要求されない。その厚みは要求される補強レベルに合わせて、任意に設定される。
次いで得られた未延伸フィルムを延伸後の繊度に応じた幅にスリットする。スリットは公知の方法、例えばスリットする幅に組まれたレザー刃、あるいはロータリーカッター(丸刃)等が挙げられる。次いでスリットされた未延伸テープを所定の倍率で熱を加えながら流れ方向に引き伸ばすことで織編布に適した、繊度(テープの太さ)、幅、厚み形状、更には機械的物性を付与するものである。
一般に未延伸フィルムを延伸することでポリオレフィン樹脂と無機充填剤との界面において剥離が起こり空隙(ボイド)が出来ることが知られている。しかし、ボイドを有する一般的な延伸フィルムは、表面に突起部を持たず、広い領域で高い拡散反射率を有するものはない。特に紫外光領域において拡散反射率が低いものが多い。本発明に係る前記未延伸フィルムを延伸して薄くすることによってフィラーの周囲にボイドが発生するのと同時に内在したフィラーをコアとした突起部を延伸テープ表面に形成することによって効果を得るものである。最終厚みが確保できれば延伸倍率は特に限定されないが好ましくは4〜9倍の範囲である。
次いで織編成してなる織編布の寸法安定性等の為に延伸によって発生した歪を加熱緩和して除去する。なお、加熱による歪取りは、本発明において必ずしも必須な工程ではない。
延伸テープの繊度(太さ)は特に限定されるものではないが織編布としての成形性から100〜3000dtex(デシテックス)であり、好ましくは200〜2000dtexの範囲である。
上記延伸テープを用いて織編成し、織編布を形成する織編布の織組織としては、平織り、綾織、絡み織、模紗織など種々の組織が使用され、一方編組織としては、経編、緯編など適宜使用される。
[実施例]
以下、実施例、及び比較例を示すが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
尚、実施例、及び比較例に掲載した物性測定値は以下に示す方法によって行ったものである。
1)未延伸フィルム、延伸テープ厚み(μm)
TECLOCK製マイクロメーター SMD−565を使用した。
2)無機物粒径、分布
(株)島津製作所製SALD−2200を使用した。
3)定長機
浅野機械製 検尺器(10m)
4)繊度測定(電子天秤:10mの重さ)
(株)島津製作所製 ELECTRONIC BALANCE TYPE UX2200H
5)強度測定
浅野機械(株)製 引張試験機
6)拡散反射率
(株)島津製作所製 SolidSpec 3700DUV
高密度ポリエチレン(MI=0.8g/10分、密度=0.959、融点=134℃)76重量%と平均粒径5μmの炭酸カルシウム24重量%を含んでなる組成物を100重量部に対して、HALS系耐候剤を0.5重量部を加え、重量式の自動原料混合装置を使用して混合した。
その後、75mmφの空冷インフレーション押出機を用いて、ダイス径300mmφ、シリンダー温度230℃、ダイ温度220℃、ブローアップ比1.0、フロスト高さ300mm、引取り速度20m/minの条件にて厚み20μmの筒状未延伸フィルムを成形した。
続いて未延伸フィルムを幅方向に25mm間隔に並べたカミソリ刃でスリットし100℃で縦方向に7倍で縦延伸して、幅10mm、厚み10μm、繊度1000dtexの延伸テープを得た。得られた延伸テープをシャットル織機(スルテック製)にて経密度15本/2.54cm、緯密度15本/2.54cmの平織りのクロスとした。
得られた延伸テープ、及びクロスの諸特性を前記方法で測定した。
高密度ポリエチレン84重量%と平均粒径5μmの炭酸カルシウム16重量%を含んでなる組成物とした以外実施例1と同様にし、得られた延伸テープ、及びクロスの諸特性を前記方法で測定した。
ポリプロピレン(MI=1.2g/10分、密度=0.9、融点=163℃)76重量%と平均粒径5μmの炭酸カルシウム24重量%を含んでなる組成物を100重量部に対して、HALS系耐候剤を0.5重量部を加え、重量式の自動原料混合装置を使用して混合した。
その後、75mmφの空冷インフレーション押出機を用いて、ダイス径300mmφ、シリンダー温度240℃、ダイ温度240℃、ブローアップ比1.0、フロスト高さ300mm、引取り速度20m/minの条件にて厚み20μmの筒状未延伸フィルムを成形した。
続いて未延伸フィルムを幅方向に25mm間隔に並べたカミソリ刃でスリットし110℃で縦方向に7倍で縦延伸して、幅10mm、厚み10μm、繊度1000dtexの延伸テープを得た。得られた延伸テープをシャットル織機(スルテック製)にて経密度15本/2.54cm、緯密度15本/2.54cmの平織りのクロスとした。
得られた延伸テープ、及びクロスの諸特性を前記方法で測定した。
ポリプロピレン84重量%と平均粒径5μmの炭酸カルシウム16重量%を含んでなる組成物とした以外、実施例2と同様にし、得られた延伸テープ、及びクロスの諸特性を前記方法で測定した。
実施例1ないし4に係る測定結果を表1に示す。表中の波長/拡散反射率は、波長領域(nm)における拡散反射率(%)を表す。
フィラーである平均粒径5μmの炭酸カルシウムを16重量%を含む組成物に基づく実施例2の場合、紫外光領域(波長280〜398nm)の拡散反射率は74.0%、可視光領域(400〜798nm)の拡散反射率は76.5%、赤外光領域(800〜1700nm)の拡散反射率は74.2%と紫外光領域から赤外光領域まで広範囲に高い拡散反射率を示している。
フィラーである平均粒径5μmの炭酸カルシウムを24重量%を含む組成物に基づく実施例1の場合、紫外光領域で78.5%、可視光領域で82.0%、赤外光領域で78.9%と、フィラーの密度を上げることによって、全範囲で実施例2の場合に比べさらに高い拡散反射率を示している。
上記1,2の実施例による拡散反射率を公知の例と対比するため、市販の反射シートを表2に示す。波長/拡散反射率は、表1同様に波長領域(nm)における拡散反射率(%)を表す。
なお、実施例3,4は実施例1,2の樹脂材質(高密度PE)をPPに置き換えたものである。測定結果からは、いずれの波長領域においても実施例1,2の拡散反射率が実施例3,4の場合を数%上回った。市販の反射シートとの対比は実施例1,2を基に行う。
ラミ処方はラミネートタイプの市販の反射シートである。ミクロボイドによる反射を図っている。フィラーの材料は不明。シート素材はPPで、テープ厚みは20μm程度と想定される。
ラミ処方の拡散反射率は、紫外光領域で9.6%、可視光領域で79.4%、赤外光領域で73.2%となっており、可視光領域では実施例2の場合を上回る拡散反射率を示すものの、他では実施例1、2を下回っている。特に、紫外光領域の拡散反射率は著しく低い。
フィルムは、PE又はPPフィルムを経方向及び緯方向に二軸延伸した市販の反射シートであり、延伸することにより、ミクロボイドを発生させ、光合成促進(可視光中心)を目的に拡散反射を図ったものである。フィラーを含有するタイプと発泡剤を添加するタイプがある。
フィルムの拡散反射率は、紫外光領域で14.0%、可視光領域で63.6%、赤外光領域で42.8%となっており、全体的に実施例1及び2の場合をかなり下回る。特に紫外光領域の拡散反射率は著しく下回る。
アルミテープは、小泉製麻(株)製「ビーナスメタル」を用いた。アルミ箔(6.5μm)をPE製一軸延伸フィルム(23μm)で挟み込む形で貼り合わせた50μmのフィルムを経糸として使用し、緯糸はPEテープを使用したものである。
アルミテープの拡散反射率は、紫外光領域で61.7%、可視光領域で74.1%、赤外光領域で77.4%となっており、赤外光領域では実施例2の場合を上回る拡散反射率を示すものの、他では実施例1、2を下回っている。
アルミ蒸着は、小泉製麻(株)製「バロンスクリーンBアンドS」を用いた。フィルムは2枚貼り合わせたものとなっており、1枚はPE製一軸延伸フィルムにアルミ蒸着したもの、他の1枚はPE製一軸延伸フィルムに黒色印刷したものである。貼り合わせたフィルムはスリット後、経糸として使用、緯糸にはPE製モノフィラメントを使用している。
アルミ蒸着の拡散反射率は、紫外光領域で2.6%、可視光領域で1.5%、赤外光領域で1.1%となっておりいずれも著しく低い。アルミ蒸着の場合は鏡面反射率が高いためであると考えられる。本発明の目的である、周囲に均等に反射光を供給するとの観点からはアルミ蒸着は適していない。
不織布は、デュポン社製反射シート「タイベック(登録商標)」を用いた。これは、0.5〜10μmのポリエチレンの極細長繊維に高熱を加えて結合させたシート(不織布)である。
不織布の拡散反射率は、紫外光領域で82.7%、可視光領域で91.5%、赤外光領域で85.9%となっており、いずれも極めて高い。
市販の反射シートとの対比により本発明に係る実施例1及び2の延伸反射シートの拡散反射率の高さが裏付けられた。不織布との対比では不織布の拡散反射率が上回ったが、その差はそれほど大きなものではない。又、織編成したシートは不織布よりも耐久性に勝ることから、過酷な使用に好適である。
表3に示された本発明に係る比較例1,2の測定結果を実施例1,2と対比する。表1と同様、表中の波長/拡散反射率は、波長領域(nm)における拡散反射率(%)を表す。
比較例1、2は、実施例3、4と同様にオレフィン系樹脂をPPとしている。したがって測定結果を実施例3,4と対比する。比較例2は実施例4(炭酸カルシウム16重量%)の組成物を100重量部に対して、さらにフィラーとして酸化チタン6重量部を追加した物質に基づくものである。
比較例2の拡散反射率は、紫外光領域で17.2%、可視光領域で90.8%、赤外光領域で85.6%となっている。可視光領域、赤外光領域では実施例4よりも約20%上回る極めて高い数値となっている。比較例の不織布に遜色のない数値である。一方、紫外光領域の拡散反射率は極めて低い。
炭酸カルシウムにさらに酸化チタンを加えることにより、フィラーの密度は高まり、表面の突起部は増加し、内部のフィラー密度も高まる。したがって、他の条件が同じであれば拡散反射率はより高くなるものと考えられる。事実、可視光領域及び赤外光領域では、酸化チタンを加えることによって、明確に拡散反射率は上がっている。その一方、紫外光領域の拡散反射率が、かえって、著しく(約50%)下がっている。
比較例1は実施例3(炭酸カルシウム24重量%)の組成物を100重量部に対して、さらにフィラーとして酸化チタン6重量部を追加した物質に基づくものである。
比較例1の拡散反射率は、紫外光領域で17.4%、可視光領域で92.6%、赤外光領域で87.9%となっており、実施例3より15%程度上回り、比較例の不織布の拡散反射率を超える。すなわち、可視光領域及び赤外光領域において最も高い拡散反射光を有する。その一方、紫外光領域の拡散反射率が、かえって、著しく(約60%)下がり、比較例1とほとんど同じ数値となっている。
比較例1と2を対比すると、可視光領域及び赤外光領域ではフィラーの1つである炭酸カルシウムの含有量によって拡散反射率が異なるのに対して、紫外光領域では炭酸カルシウムの含有量に関わらずほとんど同じ数値の、極めて低い拡散反射率となっている。これは、酸化チタンが紫外光領域のスペクトルを強く吸収することによるものと考えられる。
図3は、炭酸カルシウムのみをフィラーとした場合と炭酸カルシウムに酸化チタンを加えた場合の、波長ごとの拡散反射率のグラフである。横軸は波長(nm)、縦軸は拡散反射率(%)を表す。cc24(PE)は、樹脂(PE)76重量%と炭酸カルシウム24重量%の組成物に基づく延伸反射テープの拡散反射率を、cc16(PE)は、樹脂(PE)84重量%と炭酸カルシウム16重量%の組成物に基づく延伸反射テープの拡散反射率を、cc24+to6.0(PE)は、樹脂(PE)76重量%と炭酸カルシウム24重量%の組成物に、さらに酸化チタン6.0重量部を加えた延伸反射テープの拡散反射率を、cc24+to6.0(PP)は樹脂(PP)76重量%と炭酸カルシウム24重量%の組成物に、さらに酸化チタン6.0重量部を加えた延伸反射テープの拡散反射率を示す。
酸化チタンを加えた場合は、紫外光領域で拡散反射率が一気に下がることが示されている。
図4は、炭酸カルシウムのみをフィラーとした場合と炭酸カルシウムに酸化チタンを加えた場合の、波長ごとの拡散反射率及び透過率のグラフである。横軸は波長(nm)、縦軸は拡散反射率又は透過率(%)を表す。cc24(thru)(PE)は、樹脂(PE)76重量%と炭酸カルシウム24重量%の組成物に基づく延伸反射テープの透過率を、cc24+to6.0(thru)は、樹脂(PE)76重量%と炭酸カルシウム24重量%の組成物に、さらに酸化チタン6.0重量部を加えた延伸反射テープの透過率を示す。酸化チタンを加えた場合は、紫外光領域で拡散反射率が一挙に下がるばかりでなく、透過率も下がってほとんどゼロになる。このことから、酸化チタンが紫外光を吸収して、その結果、紫外光領域の拡散反射率が一気に下がったものと考えられる。
紫外光領域のスペクトル吸収の少ない別の物質をフィラーとすることにより、紫外光領域から赤外光領域にわたって、高い拡散反射率を保持することが可能となると考えられる。又、紫外光の照射を排除したい場合に酸化チタンをフィラーとして採用することが有効と考えられる。このように、スペクトル吸収を考慮したフィラーの選択に基づいて拡散反射の波長領域をコントロールすることができると考えられる。
次に、本発明を実施するためのモノフィラメントについて図を参照して説明する。図5は、本発明に係る延伸反射モノフィラメントの模式図、図6は、防虫ネット及び一部を拡大した模式図、図7Aは、防虫ネットを構成する1マスの平面模式図、図7Bは図7Aを横から見た側面模式図、図8は、図7Bと同様に側面から見た外光反射の模式図、図9Aは突起部を有さないモノフィラメントの外光反射の模式図、部9Bは本発明に係る突起部を有するモノフィラメントの外光反射の模式図、図10は、芯鞘型延伸反射モノフィラメントの模式図、図11は、Y字型延伸反射モノフィラメントである。
図5に基づいて、本発明に係る延伸反射モノフィラメントの基本構造を説明する。5は延伸反射モノフィラメント、14は表面突起部、12aは炭酸カルシウムによるフィラーである。フィラー形状は、モノフィラメント断面視のため円形に近いものとなっている。
図6は防虫ネットである。ビニールハウス等の農作物栽培施設では、通気を確保しつつ病害虫の侵入を阻止するために、施設側面に防虫ネットを展張することが一般的に行われている。本発明に係る延伸反射モノフィラメントを経糸及び緯糸に採用し平織りで防虫ネットを形成している。本発明に係る延伸反射モノフィラメントは経糸と緯糸のいずれかに採用しても、経糸と緯糸のいずれかの一部のみに採用しても良い。又、平織りに限定されず、ネット形成のために他の織り方や編み方を採用しても良い。
本発明において、ポリオレフィン製モノフィラメントに用いられるポリオレフィン樹脂としては、機械的物性、紡糸性、延伸性等から既述の延伸テープと同じ樹脂、及び混合物を使用することができる。ポリオレフィン樹脂に含有する無機充填材としては、紫外光領域の拡散反射性の観点から炭酸カルシウムが好ましい。又、未延伸の樹脂素材からモノフィラメントへの延伸倍率は、表面突起の形成の観点から5ないし9倍が好ましい。ただし、無機充填材、延伸倍率共にそれらに限定されるものではない。メルトフローレートは特に限定されるものではないが、高密度ポリエチレンで0.6〜1.0g/10分、ポリプロピレンで0.8〜10g/10分のものが好ましい。
図7Aは、防虫ネットの拡大図であり、経糸と緯糸で囲まれた防虫ネットの1マス(目)を示している。53は経糸、54は緯糸であり、いずれも繊度(糸の太さ)は220dtex である。上述の通り、「dtex」は繊維の糸の太さを表す単位であり、220dtex は、10,000m当たり220gに相当する糸の太さを示す。この場合の糸の直径は、比重1の糸の場合、約0.17mmとなる。61は、開口部である。「目合い」とは、ネットの目の経、緯の寸法(開口部の縦、横の長さ)をいう。本実施形態では「L」が該当する。病害虫が防虫ネットをかいくぐって侵入するか否かは、通常、病害虫の大きさと目合いの大きさで決定する。侵入を防げる目合いは上述の通りであり、タバココナジラミ(シルバーリーフコナジラミ)では0.4mmとされている。
近年、タバココナジラミによる施設トマトの黄化葉巻病を防止するため、0.4mm目合いの防虫ネットが普及しつつあるが、目合いを細かくすることによって通気性が悪化し施設内が異常高温となるという問題があった。十分な通気性を担保するための開口率の基準は60%以上といわれている。
開口率は防虫ネット面積に対する開口部の面積比で表される。図7Aの場合は中央の開口部に属する糸(モノフィラメント)は開口部を囲む経糸及び緯糸の中央から開口部側1/2(すなわち1/2W)と考えることにより、防虫ネット全体の開口率を概ね算出することができる。そうすると、中央の開口部に係る防虫ネット面積は(L+1/2W+1/2W)2、開口部面積はL2となり、L2/(L+W)2で開口率を算出することができる。
縦目合い、横目合いをいずれも0.4mmとした場合、開口率60%を確保するためには、モノフィラメントの経糸及び緯糸の直径は0.12mm以下であることが必要である。
本発明に係る防虫ネットに基づく紫外光を中心とした拡散反射光の照射により、病害虫の侵入が阻止されるので、0.4mmより大きな目合いの防虫ネットでもタバココナジラミ(シルバーリーフコナジラミ)のような微細害虫の侵入を阻止することができる。より大きな目合いの防虫ネットを採用することができれば、開口率を上げることができ、通気性を向上させることができる。
前記の通り害虫侵入防止の物理的防御としてはネットの目の経糸間の距離、緯糸間の距離(目合い)で設定される。目合いは経糸間の距離と緯糸間の距離が同一、すなわち正方形形状のものが多いが、長方形等他の形状のものもあり、正方形に限定されない。
目合い、通気性いずれの設計要素もモノフィラメントの繊度と密度によって決定されるものである。一般的なネットとしての目合い、繊度、密度(本/吋)、開口率の関係について表4に示す。
また、本発明に係る紫外光領域を中心とした拡散反射光の効果を考慮して、表4の経目合い及び緯目合い0.6、繊度220dtex のケースについて、緯目合いのみを拡大する方向に変動させたことによる密度(本/吋)、開口率の関係を表5に示す。このように、拡散反射光による効果を考慮しながら緯目合いを変動させることによって開口率を上げ、通気性を向上させることができる。
なお、経目合いを変動させることによって開口率を上げることも可能である。しかし、防虫ネットの製造プロセスは、通常、経糸の列に対して緯糸を織り込んでいくため、緯糸の本数を減らす(緯目合いを拡大する)ことによる目合いの変動が製造効率の向上に結びつくのに対して経糸の本数を減らす(経目合いを拡大する)ことによる目合いの変動は製造効率の向上に影響がない。したがって、本発明による効果によって目合いを変動(拡大)する場合は、緯目合いを変動させることが好ましい。
開口率をアップさせる方法として糸の繊度を小さくする方法がある。目合いが同じであっても繊度を小さくすることにより、開口率を上げることができる。目合いを0.4mmとし、極細糸(110dtex )とした例(広島県立総合技術研究所農業技術センター)や超極細糸(0.05mm)を採用した例(群馬県農技センター)がある。ただし、糸の繊度を小さくすると、同じ面積における糸の必要数が増える(糸の密度が大きくなる)こととなる。したがって、超極細糸等を用いた防虫ネットは細い糸の生産によるコスト増に加え、糸の本数増となることから全体の生産効率が落ちるという問題が生じる。この点、本発明に係る防虫ネットは、延伸反射モノフィラメントを使用することで目合いをあまり小さくせずに、特にネット生産性改善の為に横目合いを大きく(緯密度を小さく)して、かつ、通気性も保持又は向上させることを可能にするものである。
次に、本発明に係る防虫ネットの紫外光等の拡散反射光による病害虫阻止について説明する。
図8は、本発明に係る防虫ネットの延伸反射モノフィラメントが病害虫に外光の拡散反射光を照射している状態を示している。太陽光が延伸反射モノフィラメントに入射している。受光した太陽光の反射について説明する。先ず、延伸反射モノフィラメントの基本形状に基づく反射では、基本形状が扁平な形状であれば反射光は概ね一定方向に照射される。縦長の扁平形状であれば太陽光は下部方向に反射され横方向や上部方向には反射されない。その点、本発明に係る延伸反射モノフィラメントは略円形又は略多角形なので、その基本的な形状に基づいて広い範囲に反射光を照射することとなり、横方向や上部方向に対しても反射光は照射される。
一方、略円形の延伸反射モノフィラメントの場合は、太陽光を受光する部分が入光角度に直交する角度となっている場合は強い反射光を照射できるが、入光角度と斜交する場合、特に入光角度と平行に近い場合は弱い反射光しか照射できないこととなる。したがって、病害虫が飛来する角度によっては照射する反射光が弱くなるという問題がある。本発明に係る延伸反射モノフィラメントは表面に多数の突起部を形成しているため、突起部の複雑な形状によって反射光の照射角度が分散することとなる。したがい、入光角度に直交する角度となっている部分の強い反射光も、入光角度と斜交する場合の弱い反射光も、いずれも多数の突起部から広く分散されて照射されるので、各方向への反射光の強さが平均化されることとなる。したがって、病害虫が飛来する方向によって反射光の強さに差が生じ、防虫効果が減殺される可能性が少ない。
図9Aと図9Bに基づいて突起部の有無による反射光の分布を対比して説明する。図9Aでは太陽光は受光する部分によって反射光の方向が概ね定まる。右上部に入光する太陽光(入射光2a)はほぼ同じ方向に、右中央やや上部に入光する太陽光(入射光2b)は横やや下方向に、右下部に入光する太陽光(入射光2c)は下方に反射する。それぞれの反射光の強度はほぼ真上から入光する入射光2aの反射光3aが最も強く、平行に近い斜め方向から入光する入射光2cの反射光3cが最も弱い。すなわち、反射光の方向によって、強度の差が大きい。
一方、図9Bでは、突起部のどの部分に入光するかによって反射光の方向が異なる。受光する部分がほぼ同一であっても反射光の方向は広い範囲に分散することとなる。入射光2aの場合でも、その拡散反射光31aの一部は横方向に反射し、入射光2bの場合でも、その拡散反射光31bの一部は下方に反射し、入射光2cの場合でも、その拡散反射光31cの一部は横方向に反射する。突起部の形状によっては、右下部の突起部に直交する角度で入光した入射光2cに基づく強い拡散反射光31cが上方に反射する場合もある。したがって、反射光の方向による強度の差が平均化され、反射光が比較的均等な強度で広い方向に照射される。
別の実施形態について説明する。
図10は芯鞘構造による延伸反射モノフィラメントである。芯部にはフィラーは含まれていないが、中心部分のフィラーは拡散反射にはほとんど影響しない。
又、芯部はフィラーが含まれていないことにより強度が向上し、ネットの長期使用に資することとなる。
さらに別の実施形態について説明する。
図11は、略Y字状の延伸反射モノフィラメントである。凹部の表面積が大きく、かつ、凹部の中の角度の相違が大きいので反射光が広い範囲に照射される。加えて、延伸反射モノフィラメントの表面突起部の存在により、さらに広範囲に照射され、また、各方向への反射光の強さが平均化されることとなる。
[実施例]
以下、本発明に係るモノフィラメントを用いた防虫ネットについて実施例、及び防虫ネットについての比較例を示すが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
尚、実施例、及び比較例に掲載した物性測定値は以下に示す方法によって行ったものである。
1)無機物粒径、分布
(株)島津製作所製SALD−2200を使用した。
2)定長機
浅野機械(株)製 検尺器(10m)
3)繊度測定(電子天秤:10mの重さ)
(株)島津製作所製 ELECTRONIC BALANCE TYPE UX2200H
4)強度測定
浅野機械(株)製 引張試験機
5)拡散反射率
(株)島津製作所製 SolidSpec 3700DUV
6)通気性試験
独自に作成した試験機で筒状に一定の風速の風を送り、筒の先端に風速計を設置し、オープンの時(v1)とネットで覆ったときの風速(v2)を測定しv2/v1×100で評価する。
ポリプロピレン(MFR=5.3g/10分、密度=0.90、融点=162℃)84重量%と平均粒径5μmの炭酸カルシウム16重量%を含んでなる組成物を100重量部に対して、HALS系耐候剤0.6重量部を加え、重量式の自動原料混合装置を使用して混合した後、30mmφの押出機を使用し、シリンダー温度を235℃、ダイス温度を230℃に設定、16ホールダイス(ノズル径0.8φ)から冷却水槽を通して引出し、引取り速度16m/min、延伸速度100m/minで6.25倍の延伸を掛けた。次いで最終ロール速度98m/minの間に100℃の熱風でアニールし、ワインダーで巻き取った。得られた延伸モノフィラメントの諸物性を前記方法で測定し表3に示す。
実施例5の原料構成比のみを変更したポリプロピレン(MFR=5.3g/10分、密度=0.90、融点=162℃)76重量%と平均粒径5μmの炭酸カルシウム24重量%を含んでなる組成物を100重量物に対して、HALS系耐候剤0.6重量%を加え、重量式の自動原料混合装置を使用して混合した以外は実施例1と同じ条件のもとで延伸モノフィラメントを得た。得られた延伸モノフィラメントの諸物性を前記方法で測定し表6に示す。なお、炭酸カルシウムの高添加でも紡糸性に問題はなかった。添加量が多くなるに伴って原糸強度の低下が見られるが加工上、製品上耐えられるものであった。
実施例5、及び実施例6で得られたモノフィラメントをそれぞれ整経し経密度40本/2.54cm(目合い0.6mm)のビームをシャットル織機(スルテック製)にて緯密度26本/2.54cm(目合い0.8mm)の平織りのネットとした。
実施例5及び実施例6で得られたモノフィラメントを、実施例7に対し緯密度のみ21本/2.54cm(経目合い0.6mm、緯目合い1.0mm)としてその他は同様にして平織りのネットとした。
実施例5及び実施例6で得られたモノフィラメントを経密度を32本/2.54cm(目合い0.45mm)、緯密度を26本/2.54cm(目合い0.8mm)として、その他は実施例7と同様にして平織りのネットとした。
実施例5及び実施例6で得られたモノフィラメントを経密度を32本/2.54cm(目合い0.45mm)、緯密度を21本/2.54cm(経目合い0.45mm、緯目合い1.0mm)として、その他は実施例7と同様にして平織りのネットとした。
実施例7から実施例10までのネットの性能(通気性、光拡散反射率)を表7に示す。
表7に記載する紫外光領域における拡散反射率は、可視光領域、赤外光領域とあまり変わらない拡散反射率を示しており、本発明による効果を表している。なお、防虫ネットの拡散反射率の絶対値は、シート状のものに対して1/2以下となっているが、これは、シートとネットの形態の相違に基づくものである。
実施例の拡散反射率については炭酸カルシウムの添加量の多い方が目合いに関係なく効果が見られる。目合いの関係においては細かく開口率の小さい方がモノフィラメントの面積が大きい分高い反射率を示している。一方通気性では明らかに目合い、実施例の場合繊度を一定にしていることから目合いの大きい方が開口率も大きいことになりその関係から高い通気性が確認された。
比較例
比較として現在使用されている防虫ネットを実施例と同じ拡散反射率、及び通気性について測定した。比較例3〜比較例7を表8に示す。
比較例3は、高密度ポリエチレン製モノフィラメントで製織された目合い経0.3mm、緯0.4mmの市販の防虫ネットである。
比較例4は、高密度ポリエチレン製モノフィラメントで製織された目合い経0.4mm、緯0.4mmの市販の防虫ネットである。
比較例5は、高密度ポリエチレン製モノフィラメントで製織された目合い経0.6mm、緯0.6mmの市販の防虫ネットで害虫忌避対策用としてアルミ蒸着テープが経方向に1本/5cm間隔に織り込まれたネットである。
比較例6は、高密度ポリエチレン製モノフィラメントで製織された目合い経0.8mm、緯0.8mmの市販の防虫ネットで害虫忌避対策用としてアルミ蒸着テープが経方向に1本/5cm間隔に織り込まれたネットである。
比較例7は、高密度ポリエチレン製モノフィラメントで製織された目合い経0.8mm、緯0.8mmの市販の防虫ネットで害虫忌避対策用としてアルミ蒸着テープが経方向に1本/5cm間隔に織り込まれたネットである。
比較例5、比較例6、比較例7の拡散反射においてはアルミ蒸着テープ挿入部を照準に試験を行ったデータである。
比較例においては細かな繊度で目合いの小さい(高密度)なものから太い繊度で目合いの大きなものまでを評価した。
比較例全てが使用されているモノフィラメントが高密度ポリエチレンを原料としており添加物としては耐候性のみと想定される。試験結果の表8の通り拡散反射率としては全波長に亘って低い値を示している。但し、アルミ蒸着テープ部分の値は約15%高くなっているが本発明に係る実施例に比較すると非常に低い。なお、鏡面反射率については計測していないが、仮にアルミ蒸着テープ部分の鏡面反射率が高かったとしても、既述の通り、周囲に略均等に反射光を供給するとの観点から、本発明の目的に合致するものではない。