以下、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
<第1の実施形態>
○撮像装置の構成
まず、本発明の第1の実施形態に係る撮像装置の構成について、図1〜4を用いて説明する。
図1は、撮像装置全体の構成を示すブロック図である。撮像素子101は、不図示の光学系で結像された光学像を受光し、光電変換により得られた画像信号を出力する。アナログフロントエンド(AFE)102は、撮像素子101から出力された画像信号に対して基準レベルの調整(クランプ処理)及びアナログデジタル変換処理を行う。デジタルフロントエンド(DFE)103は、AFE102からの各画素のデジタル出力を受けて、画像信号の補正や画素の並び替え等のデジタル処理を行う。デジタル信号処理部104は、DFE103からのデジタル出力に対して、現像処理や欠陥画素の補間処理等を行う。
記憶部105は、デジタル信号処理部104の作業用メモリとして、あるいは連続撮影等のバッファーメモリ等として使用される。また本実施形態では、記憶部105に、欠陥画素のアドレス、欠陥レベルなどの情報を示す欠陥画素データが保存される。制御部106は、周知のCPUなどを内蔵し、撮像装置全体を統括的に制御する。操作部107は、電子カメラなどにある操作部材に対する操作を電気的に受け付けるものである。表示部108は、撮像素子101により撮影して得られた画像や、撮影条件等を表示する。記録部109は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体である。タイミング発生回路(TG)110は、制御部106からの制御により、撮像素子101を駆動する各種タイミング信号を生成する。
図2は、撮像素子101の構成を示す図である。図2に示すように、撮像素子101は、画素部201、垂直走査回路202、読み出し部203、水平走査回路204を含む。画素部201は、複数の単位画素が行列状に配置されており、不図示の光学系により結像された光学像を受光する。垂直走査回路202が画素部201の複数の行を選択し、水平走査回路204が画素部201の複数の列を選択することによって、画素部201から読み出す画素を選択することができる。読み出し部203は、垂直走査回路202及び水平走査回路204によって選択された画素の信号を読み出し、読み出した信号をAFE102へ出力する。
図3は、画素部201を構成する単位画素301の概略構成を示す平面図であり、このような画素301が多数配置されて画素部201を構成する。図3に示すように、画素301は、マイクロレンズ302、フォトダイオード(PD)等の光電変換素子303(光電変換部)、第1転送スイッチ304、画素メモリ305(第1の保持部)を含む。画素301は、更に、第2転送スイッチ306、フローティングディフュージョン部(FD)307(第2の保持部)、出力部308、選択スイッチ309、リセットスイッチ310を含む。なお、単位画素301の各構成要素のレイアウトは、図3に示すものに限るものではなく、その機能を発揮する範囲で適切な位置に配置しても良い。
図4は、単位画素301と、1列分の読み出し部203の等価回路図である。なお、図3と同じ構成には同じ参照番号を付している。PD303は、入射した光を受光し、受光量に応じた電荷を生成して蓄積する。第1転送スイッチ304は、転送パルス信号φTX1によって駆動され、PD303で発生した電荷を、画素メモリ305に転送する。画素メモリ305は、PD303から転送された電荷を保持する。第2転送スイッチ306は、転送パルス信号φTX2によって駆動され、画素メモリ305に保持された電荷を、FD307に転送する。FD307は、画素メモリ305から転送された電荷を保持する。リセットスイッチ310は、リセットパルス信号φRESによって駆動され、FD307に基準電位SVDDを供給する。
出力部308は、MOSトランジスタと定電流源401とともにソースフォロワ回路を形成し、FD307に保持された電荷に基づく電圧信号を増幅して、画素の信号として出力する。ここでは例として、を示している。選択スイッチ309は、垂直選択パルス信号φSELによって駆動され、出力部308から出力された信号が、垂直信号線402に出力される。垂直信号線402に出力された信号は、列毎の読み出し部203でサンプリングされたのち、さらにAFE102へ出力される。
なお、単位画素301を駆動するために用いられる、上述した転送パルス信号φTX1及びφTX2、リセットパルス信号φRES、垂直選択パルス信号φSELは、垂直走査回路202から出力される。
読み出し部203は、各行毎に読み出しスイッチ403、404、405と、信号保持部406、407、408と、信号転送スイッチ409、410、411とを含む構成を有する。読み出しスイッチ403、404、405は、読み出しパルス信号φS2、φS1、φNによって各々駆動され、垂直信号線402に出力された信号が対応する信号保持部406、407、408にサンプリングされる。
信号転送スイッチ409、410、411は、水平選択パルス信号φHによって駆動され、信号保持部406、407、408にサンプリングされた信号を各々N信号、S1信号、S2信号として、AFE102へ列順次出力する。読み出し部203は、上記構成の他に、信号を増幅するためのバッファアンプを含む構成としてもよい。
なお、読み出し部203を駆動するために用いられる、上述した読み出しパルス信号φS2、φS1、φN及び水平選択パルス信号φHは、水平走査回路204から出力される。
ところで、CMOS型撮像素子において白キズと呼ばれる欠陥画素では、PD蓄積期間や、撮像素子の温度に依存する暗電流が多く発生している。この暗電流に伴う発生電荷は、PDで入射光量に応じて蓄積された信号電荷に混入する。従って、白キズの出力信号は、PD蓄積期間に依存して大きくなる傾向がある。白キズで、単位時間当たりに発生する暗電流の量は欠陥の程度により様々である。
これに対し、上述したように画素毎に画素メモリ305を含む構成を有する撮像素子101の場合、信号電荷の読み出しは、画素メモリ305に一時的に保持された後行われる。従って、欠陥画素内部の暗電流の発生箇所によっては、欠陥画素の出力信号は必ずしもPD蓄積期間のみに依存すると限らない。
撮像素子101をいわゆるグローバル電子シャッタ駆動した場合、PD303に信号電荷を蓄積するPD蓄積期間は、一括リセット状態の解除から、画素メモリ305に信号電荷を一括転送するまでの時間である。このPD蓄積期間は、全画面で同じ時間となる。一方で、画素メモリ305に一括転送された後、画素メモリ305に信号電荷が保持されている画素メモリ保持期間は、読み出しの順序によって行毎に異なり、1行目が最も短く、読み出しが後の行ほど長い。
ここで、撮像素子101の欠陥画素について、欠陥画素内の暗電流の発生箇所がPD303であった場合は、PD蓄積期間中に発生した暗電流に応じた電荷が、適正な信号電荷に加算される。従って、この欠陥画素の出力はPD蓄積期間に依存して大きくなる。同様に、欠陥画素内の暗電流の発生箇所が画素メモリ305であった場合では、画素メモリ保持期間中に発生した暗電流に応じた電荷が適正な信号に加算される。従って、この欠陥画素の出力は画素メモリ保持期間に依存して大きくなる。
以下の説明では、PD蓄積期間に依存して出力が大きくなる第1の種類の欠陥画素を特に「PDキズ」と称して説明する。また画素メモリ保持期間に依存して出力が大きくなる第2の種類の欠陥画素を「画素メモリキズ」と称して説明する。但し、欠陥画素内のPD303及び画素メモリ305が共に暗電流の発生箇所であることもあり得るため、ある1つの欠陥画素が、PDキズであり、且つ、画素メモリキズであることもあり得る。
○欠陥画素検出処理
次に、第1の実施形態において撮像装置に適用される欠陥画素検出処理について、図5及び図6を用いて説明する。欠陥画素検出処理では、撮像素子101に含まれるPDキズと画素メモリキズを検出し、検出した欠陥画素のアドレスと欠陥レベルとを含む欠陥画素データを記憶部105に記録する。
図5は、欠陥画素検出処理における撮像素子101の駆動方法を示すタイミングチャートである。ここでは説明のため、n行目から(n+2)行目までの信号パルスを示している。
期間501は一括リセット期間であり、画素部201内の全ての行に対して、信号パルスφTX1、φTX2、φRES、φSELが印加される。リセット期間501では、PD303及び画素メモリ305の電荷は排出され、FD307の電位は基準電位SVDDにリセットされる。
期間502はn行目の画素の電荷蓄積期間であり、一括リセット終了後、転送パルス信号φTX1が印加されて、PD303で発生し蓄積された電荷が画素メモリ305に転送されるまでの期間を示す。なお、欠陥画素検出処理時は、暗電流によって発生する電荷を検出するために、画素部201内の全ての行の電荷蓄積期間において撮像素子101を遮光状態とする。遮光状態にするには、不図示のシャッタなどの遮光部材などによって遮光するか、或いは、暗室や遮光された箱の中に撮像装置を配置してもよい。また、電荷蓄積期間502は、暗電流が発生しやすい条件として、1秒以上の長い時間が設定されることが望ましい。電荷蓄積期間502の間、PD303と画素メモリ305の内部では、暗電流によって発生する電荷が蓄積され続ける。
期間503は、n行目の垂直読み出し期間であり、垂直選択パルス信号φSELが印加され、選択されたn行目の信号の読み出し部203への読み出しを行う。期間503において、まず、期間504では、リセットパルス信号φRESが印加され、FD307の電位が基準電位SVDDにリセットされる。そして、期間505では、読み出しパルス信号φNが印加されて、リセットされた後のFD307の電圧に応じたノイズ信号が、N信号として読み出し部203の信号保持部408にサンプリングされる。
期間506では、転送パルス信号φTX2が印加され、一括リセット終了後に画素メモリ305で発生した電荷がFD307に転送されると同時に、読み出し部203には読み出しパルス信号φS1が印加される。これにより、N信号に画素メモリ305内部の発生電荷を加えた信号が、S1信号として信号保持部407にサンプリングされる。この際、期間506では、転送パルス信号φTX1はLowレベル(第1転送スイッチ304をオフ状態)であるので、PD303で発生した電荷は転送されずPD303に蓄積されたままである。
期間507では、転送パルス信号φTX1とφTX2が同時に印加され、電荷蓄積期間502にPD303で発生した電荷がFD307に転送される。同時に、読み出し部203には読み出しパルス信号φS2が印加される。これにより、S1信号にPD303内部の発生電荷を加えた信号が、S2信号として信号保持部406にサンプリングされる。
期間508は、n行目の水平読み出し期間であり、水平選択パルスφHが印加され、読み出し部203でサンプリングされた各信号が、順次AFE102へ出力される。
ここで、期間505にサンプリングされたN信号と、期間506にサンプリングされたS1信号の、差分(S1−N)信号は、画素メモリ305で電荷蓄積期間中に発生した暗電流の電荷に応じた信号である。従って、この(S1−N)信号の出力信号レベルによって、該当画素が画素メモリキズであるかどうかを判定する。また、期間506にサンプリングされたS1信号と、期間507にサンプリングされたS2信号の、差分(S2−S1)信号は、PD303で電荷蓄積期間中に発生した暗電流電荷に応じた信号である。従って、この(S2−S1)信号の出力信号レベルによって、該当画素がPDキズであるかどうかを判定する。なお、これらの差分処理は、例えば、AFE102、DFE103、デジタル信号処理部104などで行う構成としても、読み出し部203内部で差分処理を行ってAFE102に出力する構成としてもよい。
n行目の水平読み出し期間508が終わると、(n+1)行目、(n+2)行目と順に走査し、n行目と同様にして順次読み出しが行われる。期間509が(n+1)行目の電荷蓄積期間、期間510が(n+2)行目の電荷蓄積期間となる。
上述したように、期間501において、画素部201内の全ての行に対してリセット動作を行っているが、読み出しの走査は行順次行うため、n行目の電荷蓄積期間502よりも、n+1行目の電荷蓄積期間509の方が長い。また、n+1行目の電荷蓄積期間509よりもn+2行目の電荷蓄積期間510の方が長い。同様に、後に読み出される行ほど、1行の読み出しに要する時間の分だけ電荷蓄積期間が長い。
この行毎に異なる電荷蓄積期間の差は、例えば、1行の読み出しに要する時間に対して蓄積期間全体の長さを十分長く設定することで無視してもよい。また例えば、出力信号レベルを欠陥画素として検出する検出レベルと比較する時、出力信号レベルを電荷蓄積期間に応じて行毎に補正したり、あるいは、出力信号レベルと比較する検出レベルとして、行毎に異なる検出レベルを設定してもよい。
図6は、欠陥画素検出処理の流れを示すフローチャートである。欠陥画素検出処理を開始すると、S601において制御部106は、ISO感度、電荷蓄積期間等の欠陥画素検出用の検出条件を設定する。この欠陥画素検出処理では、主に暗電流によって増幅される欠陥画素の検出を目的とする。このため、ここで設定される検出条件は、より暗電流が発生しやすい条件として、電荷蓄積期間を1秒以上の長い時間とし、環境温度を40℃〜60℃等の高温とすることが望ましい。
S602で、制御部106はS601で設定された検出条件で、図5で説明したように撮像素子101を駆動するように各部を制御して、N信号、S1信号、S2信号の各信号を得る。
S603で、デジタル信号処理部104は、各画素の(S1−N)信号及び(S2−S1)信号に基づいて、各画素が、正常画素であるか、PDキズであるか、または、画素メモリキズであるかの判定を行う。(S1−N)信号及び(S2−S1)信号を取得する差分処理は、AFE102、またはDFE103、またはデジタル信号処理部104で行うことができる。欠陥画素の判定方法としては、例えば、対象画素と周辺画素と間の(S1−N)信号及び(S2−S1)信号の差を算出し、その差が所定値以上である場合に、対象画素をPDキズ及び/または画素メモリキズとして判定する。また例えば、検出条件に応じて予め設定された検出レベルと、(S1−N)信号及び(S2−S1)信号のレベルとを比較して判定してもよい。
PDキズとして判定された画素の(S2−S1)信号は、該当PDキズの欠陥レベルとしてS604で記憶部105に記録される。また、画素メモリキズとして判定された画素の(S1−N)信号は、該当画素メモリキズの欠陥レベルとしてS604で記憶部105に記録される。S604で、制御部106は、S603で検出されたPDキズと画素メモリキズ各々のアドレスと欠陥レベルを含む欠陥画素データを記憶部105に記録し、欠陥画素検出処理を終了する。
以上説明したように、欠陥画素検出処理では、撮像素子101に含まれるPDキズと画素メモリキズを検出し、これらのアドレスと欠陥レベルとを含む欠陥画素データを記憶部105に記録する。これにより、撮像装置では、撮影時に記憶部105に保存されたアドレスを参照することにより、撮影時のシャッタ速度や撮影モードに応じて、補正するべき欠陥画素を適切に抽出し、画像信号を補正することができる。
○欠陥画素補正処理
次に、第1の実施形態における欠陥画素補正処理について、図7〜図11を用いて説明する。
図7は、第1の実施形態における撮影処理の流れを示すフローチャートである。撮影処理を開始すると、S701において、制御部106は、ISO感度、シャッタ速度、等のユーザによって設定された撮影条件を設定する。S702で、制御部106はS701で設定された撮影条件で、撮像素子101を駆動させるように各部を制御して、画像信号を得る。
S703で、デジタル信号処理部104は、予め欠陥画素検出処理によって、記憶部105に保存されていた欠陥画素データを参照して、欠陥画素の画像信号に対して補間処理による補正を行う。なお、S703で行われる補正処理については、詳細に後述する。S704で、制御部106は、欠陥画素補正された撮影画像を、表示部108に表示し、記録部109に記録して、撮影処理を終了する。
図8は、S702で行われる本第1の実施形態におけるグローバル電子シャッタ駆動による静止画または動画撮影時の1フレームの駆動シーケンスを示している。横方向の1ラインは撮像素子の1行を示し、横軸は時間を示している。
図8に示すように、最初に撮像素子101の全画素に対して一括リセットを行う。一括リセット状態が解除されると同時に、PD蓄積期間が開始される。PD蓄積期間中、PD303では入射光量に応じた信号電荷の蓄積が行われる。PD蓄積期間終了と同時に、信号電荷を全画素一括に画素メモリ305へ転送(画素メモリ一括転送)することで、グローバル電子シャッタ駆動となる。
次に、PD303から転送されて画素メモリ305に保持されている信号電荷を読み出す。読み出しは順次各行が選択されて行われるが、画素メモリ一括転送後から、ある行が選択されるまで、信号電荷は画素メモリ305に保持され続けている(画素メモリ保持期間)。
上記のグローバル電子シャッタ駆動においては、PD303に信号電荷が蓄積されているPD蓄積期間は、一括リセット状態の解除から画素メモリ一括転送までの時間であり、全画素で同じ時間となる。一方で、画素メモリ一括転送された後、画素メモリ305に信号電荷が保持されている画素メモリ保持期間は、読み出しの順序によって行毎に異なり、第1行が最も短く、読み出しが後の行ほど長い。従って、PDキズでは、全画素で等しいPD蓄積期間に応じた暗電流の電荷が信号電荷に混入する。一方、画素メモリキズでは、行毎に異なる画素メモリ保持期間に応じた暗電流の電荷が信号電荷に混入することになる。
次に、図7のS703で行われる撮影画像に対する欠陥画素補正処理について、図9のフローチャートを参照して説明する。S901で、欠陥画素検出処理で検出されたPDキズ及び画素メモリキズのうち、実際に画像信号に対して補正処理を行う欠陥画素を選択して抽出する。なお、S901における欠陥画素抽出処理については、図10を参照して詳細に後述する。
S902で、デジタル信号処理部104は、S901で抽出された欠陥画素の欠陥画素データのうち、1画素分のアドレスを読み込む。このアドレスの参照により、記憶部105に書き込まれた撮影画像における該当画素のアドレスを特定することが可能である。S903で、デジタル信号処理部104は、S902で特定した該当画素に隣接する同色画素の画像信号を読み込む。
S904で、デジタル信号処理部104は、S903で得られた隣接画素の画像信号から、該当画素の補正量を算出する。S905で、デジタル信号処理部104は、S904で求められた補正量を、記憶部105における該当画素のアドレスに書き込む。これにより該当画素の補正処理は完了する。
S906で、S901で抽出された全てのPDキズ及び画素メモリキズについて、補正処理が完了したか否かを判定し、未完了の場合は、S902に戻って、上述した処理を繰り返す。S906で、抽出された全てのPDキズ及び画素メモリキズについて補正処理が完了したと判断した場合には、欠陥画素補正完了となる。
図10は、図9のS901で行われる、欠陥画素補正処理時の欠陥画素抽出処理の詳細なフローチャートである。S1001で、欠陥画素抽出処理で予め記憶部105に記録された欠陥画素データから、1画素分の欠陥画素のアドレス及び欠陥レベルを読み込む。
S1002で、補正するべき欠陥画素を抽出する時に、欠陥レベルと比較する閾値を取得する。閾値となる信号レベルは、撮影条件に応じて欠陥画素毎に抽出レベルテーブルから選択して取得する。PD303と画素メモリ305は、図3から分かるように領域の大きさが異なる為、暗電流に伴って発生する電荷の量も異なる。このため、抽出レベルテーブルは、PDキズ用と、画素メモリキズ用のものが各々記憶部105に記録されている。PDキズの欠陥レベルと比較する閾値を取得する抽出レベルテーブルをPDキズ抽出レベルテーブル、また、画素メモリキズと比較される閾値を取得する抽出レベルテーブルを画素メモリキズ抽出レベルテーブルと呼ぶ。さらに以下の説明では、PDキズ抽出レベルテーブルから取得された信号レベルをPDキズ抽出レベル、また、画素メモリキズ抽出レベルテーブルから取得された信号レベルを画素メモリキズ抽出レベルと呼ぶこととする。
ここで、抽出レベルテーブルについて、説明する。図11(a)は、PDキズ抽出レベルテーブルを示す。表はISO感度とPD蓄積期間毎のPDキズ抽出レベル(第1の判断基準)を示している。S1002では、撮影時にS701で設定された撮影条件と、記憶部105に予め記録されたPDキズのアドレスに従って、PD蓄積期間を求める。図8に示すグローバル電子シャッタ駆動で撮像素子101を駆動した場合、PD蓄積期間は、全画素において、ユーザによって設定されたシャッタ速度と等しい。求められたPD蓄積期間を用いて、PDキズ抽出レベルテーブルから、PDキズ毎に適切な抽出レベルを選択し、取得する。例えば、PD蓄積期間が50msecであり、ISO感度がISO400であった場合、図11(a)の表に従って、PDキズ抽出レベルとして50mVが選択される。
図11(b)は、画素メモリキズ抽出レベルテーブルを示す。表はISO感度と画素メモリ保持期間毎の画素メモリキズ抽出レベル(第2の判断基準)を示している。S1002では、撮影時にS701で設定された撮影条件と、記憶部105に予め記録された画素メモリキズのアドレスに従って、画素メモリ保持期間を算出する。図8に示すグローバル電子シャッタで撮像素子101を駆動した場合、画素メモリ保持期間は、画素メモリ一括転送後から、該当画素の行の読み出し開始までの時間であり、行毎に異なる。算出された画素メモリ保持期間を用いて、画素メモリキズ抽出レベルテーブルから、画素メモリキズ毎に適切な抽出レベルを選択する。例えば、画素メモリ保持期間が120mSであり、ISO感度がISO1600であった場合、図11(b)の表に従って、画素メモリキズ抽出レベルとして0mVが選択される。画素メモリキズ抽出レベルが0mVということは、画素メモリキズの欠陥レベルに関わらず、撮影画像の該当画素を補正する画素として抽出することを意味する。
なお、図11(a)では、PDキズ抽出レベルテーブルの例として、3つのPD蓄積期間と3つのISO感度で分類された3×3マトリクスでPDキズ抽出レベルテーブルを示した。また、図11(b)では、3つの画素メモリ保持期間と3つのISO感度で分類された3×3マトリクスで画素メモリキズ抽出レベルテーブルを示した。しかしながら、各抽出レベルテーブルの構成はこの限りでなく、例えば4×4マトリクスなど、さらに細分化された構成としてもよい。
また例えば、撮像素子101の温度に従って各抽出レベルを選択するように、各抽出レベルテーブルを構成してもよい。つまりデジタル信号処理部104は、撮像素子101のPD蓄積時間における温度と、画素メモリ保持期間における温度を各々取得して、温度に応じたPDキズ抽出レベルと、画素メモリキズ抽出レベルを選択するように、抽出レベルテーブルを構成してもよい。撮像素子101の温度の取得には、撮像素子101の内部に構成された温度計を用いても、また、撮像素子101の実装基板上に構成された温度計を用いてもよい。
S1002において上述したようにしてPDキズ抽出レベルまたは画素メモリキズ抽出レベルを取得すると、S1003で、PDキズの欠陥レベルとPDキズ抽出レベルとの比較を行う。S1003で、PDキズの欠陥レベルがS1002で取得したPDキズ抽出レベルよりも大きい場合は、ここで読み込んだPDキズは補正処理を行う必要がある画素と判断して、S1005で抽出される。一方、PDキズの欠陥レベルがPDキズ抽出レベルを超えない場合には、ここで読み込んだPDキズは補正処理を行う必要が無い画素と判断して、S1004に進む。
S1004では、画素メモリキズの欠陥レベルと画素メモリ抽出レベルとの比較を行う。S1004で、画素メモリキズの欠陥レベルがS1002で取得した画素メモリキズ抽出レベルよりも大きい場合は、ここで読み込んだ画素メモリキズは補正処理を行う必要がある画素と判断して、S1005で抽出される。一方、画素メモリキズの欠陥レベルが画素メモリキズ抽出レベルを超えない場合には、ここで読み込んだ画素メモリキズは補正処理を行う必要がない画素と判断して、S1006に進む。
S1006では、記憶部105に保存されている全ての欠陥画素データについて、処理が完了したか否かを判定し、未完了の場合は、S1002に戻って、記録された次の欠陥画素データのアドレスを読み出し、上述した処理を繰り返す。S1006で、全ての欠陥画素データについて処理が完了したと判断した場合には、欠陥画素抽出完了となる。
上記の通り本第1の実施形態によれば、撮影された画像信号から補正するべき欠陥画素を、撮影条件に応じて適切に抽出して補正を実行することで、過補正や補正残りによる画質低下を軽減することができる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について、図12及び図13を用いて説明する。本第2の実施形態では、撮像素子101の駆動方法、及び、画素301に、PD303の電荷の排出を制御するオーバーフロードレイン領域を設けていることが、上述した第1の実施形態と異なる。以下、第1の実施形態と異なる点について説明する。
図12は、第2の実施形態における単位画素301の等価回路図である。図12において、第1の実施形態で説明した単位画素301と同様の機能を有する部分には同じ符号を付し、説明は省略する。
1201は、パルス信号φOFDで駆動され、オーバーフロードレイン領域OFDとの導通を制御する電荷排出制御スイッチである。このオーバーフロードレイン領域OFDは縦型構造または横型構造を用いることができる。
図13は、第2の実施形態における撮像素子101のグローバル電子シャッタ駆動のシーケンスを示す図であり、静止画及び動画撮影に適用することができる。横方向の1ラインは撮像素子101の1行を示し、横軸は時間を示している。
図13に示すように、最初に撮像素子101の全画素に対して一括リセットを行う。一括リセット状態では、パルス信号φOFDをHiレベルにし、電荷排出制御スイッチ1201がオンされている。この時、PD303で発生する電荷はオーバーフロードレイン領域OFDに排出される。つまり、撮像素子101の全画素は、電子シャッタの遮光状態に制御される。
一括リセット状態が解除されると同時に、全画素同時にPD蓄積期間が開始される。PD蓄積期間中、φOFDはLowレベルであり、電荷排出制御スイッチ1201はオフされている。つまり、全画素は電子シャッタの露光状態に制御されている。PD蓄積期間中、PD303では入射光量に応じた信号電荷が発生する。但し、第2の実施形態の駆動方法では、信号電荷をPD303では蓄積しない。すなわち、PD蓄積期間中常に転送パルス信号φTX1をHiレベルとすることで、第1転送スイッチ304がオンされて、PD303で発生した電荷を画素メモリ305に転送し続けるように駆動されている。
PD蓄積期間終了のタイミングで、φTX1をLowレベル、φOFDをHiレベルとして、全画素一括に電荷排出制御スイッチ1201をオンすることで、全画素が再び遮光状態に制御される。このタイミング以降、PD303で発生する入射光量に応じた信号電荷及び暗電流により発生した電荷は、オーバーフロードレイン領域OFDに排出される。一方、設定されたPD蓄積期間中にPD303で発生した信号電荷は、既に画素メモリ305に転送されて、画素メモリ305に保持(蓄積)されている。上記駆動は信号電荷の蓄積時刻が全画素で揃ったグローバル電子シャッタの駆動となっている。
次に、画素メモリ305に保持されている信号電荷を読み出す。読み出しは順次各行が選択されて行われるが、一括リセット状態の解除後から、ある行が選択されるまで、信号電荷は画素メモリ305に保持され続けている。
図13に示すグローバル電子シャッタ駆動において、PD303で発生した信号電荷を画素メモリ305へ転送しているPD蓄積期間は、一括リセット状態の解除から、第1行目の読み出し開始までの時間である。すなわち、電荷排出制御スイッチオンから電荷排出制御スイッチオフまでの時間であり、全画素で同じ時間となる。一方で、一括リセット状態が解除された後、画素メモリ305に信号電荷が保持されている画素メモリ保持期間は、読み出しの順序によって行毎に異なり、第1行が最も短く、読み出しが後の行ほど長い。従って、PDキズでは、全画素で等しいPD蓄積期間に応じた暗電流の電荷が信号電荷に混入する。一方、画素メモリキズでは、行毎に異なる画素メモリ保持期間に応じた暗電流の電荷が信号電荷に混入することになる。
この第2の実施形態においても、第1実施形態と同様に、欠陥画素補正処理では、欠陥画素検出処理によって得られた欠陥画素データを用いて、撮影された画像信号から補正するべき欠陥画素を、撮影条件に応じて適切に抽出することができる。さらに、抽出した画像信号を、補間処理による補正をすることで、過補正や補正残りによる画質低下を軽減した撮影画像を取得することができる。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について、図14を用いて説明する。第3の実施形態では、撮像素子101の駆動方法が第1の実施形態と異なる。特に、第3の実施形態では、撮像素子101の露光と遮光を、不図示のメカニカルシャッタなどで制御することに特徴がある。この駆動方法は静止画撮影に適用することができる。以下、第1の実施形態と異なる点について説明する。
図14は、第3の実施形態における撮像素子101のグローバル電子シャッタ駆動のシーケンスを示す図である。横方向の1ラインは撮像素子101の1行を示し、横軸は時間を示している。
図14では、最初にPD303の残電荷を排除するために、一括リセットを行う。一括リセット後、PD303では入射光量に応じた信号電荷の蓄積(PD蓄積期間)が開始される。次に、所定のタイミングで不図示のシャッタが開き、撮像素子101が露光状態(露光期間)になる。その後、設定された露光期間終了のタイミングで、シャッタは閉じられる。さらに所定の時間を経過後、行毎に順次信号電荷の読み出しが行われる。
第3の実施形態においては、垂直走査回路202によって選択された該当行の読み出し動作の前に、行毎にPD303から画素メモリ305へ信号電荷の転送を行う(画素メモリ転送)。直後の読み出しでは、垂直走査回路202により選択された該当行の全画素の信号電荷に応じた信号が、画素毎の出力部から各列の読み出し部203へ出力される。その後、水平走査回路204により、選択された列毎の信号が順次読み出される。
第3の実施形態の駆動方法において、一括リセットの解除後から画素メモリ転送までの時間は、該当行のPD303は信号電荷を蓄積したままの状態にある。このPD蓄積期間は、画面内での垂直走査の順序によって異なり、第1行が最も短く、読み出しが後の行ほど長くなる。つまり、読み出しが後の行ほど、PDキズの出力に影響を与える。一方で、画素メモリ305では、PD303から信号電荷を転送された直後に、該当行の読み出しが開始され、信号電荷は画素301の出力部308に転送される。従って第3の実施形態の駆動においては、画素メモリ保持期間は非常に僅かな時間である。
この第3の実施形態においても、第1実施形態と同様に、欠陥画素補正処理では、欠陥画素検出処理によって得られた欠陥画素データを用いて、撮影された画像信号から補正するべき欠陥画素を、撮影条件に応じて適切に抽出することができる。さらに、抽出した画像信号を、補間処理による補正をすることで、過補正や補正残りによる画質低下を軽減した撮影画像を取得することができる。
<第4の実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態について、図15を用いて説明する。第4の実施形態では、撮像素子101の駆動方法が第1の実施形態と異なる。特に、第4の実施形態では、撮像素子101はCMOS型撮像素子をいわゆるローリングシャッタで駆動することに特徴がある。この駆動方法は、静止画及び動画撮影に適用することができる。以下、第1の実施形態と異なる点について説明する。
図15は、第4の実施形態における撮像素子101のローリングシャッタのシーケンスを示す図である。横方向の1ラインは撮像素子の1行を示し、横軸は時間を示している。
図15では、最初にPD303の残電荷を排除するために、1行毎に順次時間差をもってリセット動作を行う。リセット動作後、該当行のPD303では入射光量に応じた信号電荷の蓄積(PD蓄積期間)が開始される。次に、所定の露光時間が経過した後、PD303に蓄積された信号電荷を画素メモリ305に転送する。
第4の実施形態においては、垂直走査回路202によって選択された該当行の読み出し動作の前に、行毎にPD303から画素メモリ305へ信号電荷の転送を行う(画素メモリ転送)。直後の読み出しでは、垂直走査回路202により選択された該当行の全画素の信号電荷に応じた信号が、画素毎の出力部から各列の読み出し部へ出力される。その後、水平走査回路204により、選択された列毎の信号が順次読み出される。
第4の実施形態の駆動方法において、リセット動作の解除後から画素メモリ転送までの時間は、該当行のPD303は信号電荷を蓄積したままの状態にある。このPD蓄積期間は、画面内での垂直走査の順序によらず一定である。つまり、PDキズの出力に影響を与えるPD蓄積時間は画面内で一定である。また、画素メモリ305では、PD303から信号電荷を転送された直後に、該当行の読み出しが開始され、信号電荷は画素301の出力部308に転送される。従って第4の実施形態の駆動においては、画素メモリ保持期間は非常に僅かな時間である。
この第4の実施形態においても、第1実施形態と同様に、欠陥画素補正処理では、欠陥画素検出処理によって得られた欠陥画素データを用いて、撮影された画像信号から補正するべき欠陥画素を、撮影条件に応じて適切に抽出することができる。さらに、抽出した画像信号を、補間処理による補正をすることで、過補正や補正残りによる画質低下を軽減した撮影画像を取得することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。