以下、本発明の一実施形態を、添付図1ないし図9に従って説明する。
(基本的内容)
まず、本発明の基本的な内容について説明する。
図1において、リピータ通信システム100は、複数台のリピータ通信装置20a,20b,20c,…(総称してリピータ通信装置20という)と、各リピータ通信装置との間で情報の送受信を行う集中管理装置10とが接続されて構成されている。ここで、各リピータ通信装置20は、集中管理装置および他の装置との間の物理的な接続端子であって各々異なる物理ポート番号を有する複数の送受信物理ポート21a〜21dと、送受信物理ポートに物理ポート番号との間で一対一に対応する各々異なる論理ポート番号を対応させ、当該論理ポート番号によって他の装置との通信を行うポート変換制御部31iとを有する。
即ち、このリピータ通信システム100は、リピータ通信装置20で送受信物理ポートに論理ポート番号を対応させるように構成したので、物理ポート番号に縛られることなく接続を行うことができ、かつ情報の伝達経路に不具合が発生した場合にこれが早期に検出されるので、システム全体を低コストで構築でき、さらに操作者(管理者)がこの不具合を迅速に復旧することが可能であるという利点を有する。
これら各手段のより詳細な構成は、次の実施形態として説明する。
(具体的内容)
本実施形態において、リピータ通信システム100は、上述したように、複数台のリピータ通信装置20と、各リピータ通信装置との間で情報の送受信を行う集中管理装置10とが接続されて構成されている。各リピータ通信装置20は、集中管理装置および他の装置との間の物理的な接続端子であって各々異なる物理ポート番号を有する複数の送受信物理ポート31a〜31dと、送受信物理ポートに物理ポート番号との間で一対一に対応する各々異なる論理ポート番号を対応させて、当該論理ポート番号によって他の装置との通信を行うポート変換制御部31iとを有する。
また、集中管理装置10は、全てのリピータ通信装置に対してアドレスの照会をする制御フレームを送出するアドレス管理部13aを有し、リピータ通信装置20が、送受信物理ポートを介して制御フレームを受信した場合に、当該制御フレームを受信した送受信物理ポートに集中管理装置側であることを示す論理ポート番号を対応させるようポート変換制御部に指令すると共に、制御フレームに当該他の装置への論理ポート番号を付加した上で他のリピータ通信装置に転送する転送処理制御部22を備え、この転送処理制御部が、制御フレームが通ってきた他のリピータ通信装置の論理ポート番号を連接したアドレス情報を集中管理装置に返送する機能を有する。
さらに、集中管理装置20のアドレス管理部13aが、各リピータ通信装置から返送されてきたアドレス情報をアドレステーブル14aとして保存すると共に、制御フレームを定期的に送出してこれに対する返信をアドレステーブルの記録内容と比較し、これによって各リピータ通信装置の中に不具合が発生したか否かを検出する機能を有する。そして集中管理装置20は、各リピータ通信装置の中に不具合が発生した場合に当該不具合を異常検出ログ14bに記録すると共に警報を発する異常状態対応部13bを有する。
これによって、このリピータ通信システム100は、前述したように、低コストで構築でき、不具合が発生した場合にこれを早期に検出して迅速に復旧することが可能なものとなる。
以下、これをより詳細に説明する。
図2は、本発明の実施形態に係るリピータ通信システム100の基本的な構成について示す説明図である。このリピータ通信システム100は、有線または無線で構成されたネットワークにおいて警報情報や機器制御情報の検出と中継を行うリピータ機能を有する多数の通信装置であるリピータ通信装置20a、20b、20c…(これらは全て共通した構成を有するので、総称してリピータ通信装置20という)と、これらリピータ通信装置20との間で情報の送受信を行う集中管理装置10とが、相互に接続されて構成される。
図2に示した例では、リピータ通信システム100は部分ネットワーク100aおよび1bに分かれており、部分ネットワーク100aにはリピータ通信装置20a,20b,20cが属し、部分ネットワーク100bにはリピータ通信装置20d,20e,20fが属している。集中管理装置10はリピータ通信装置20aに直接接続され、リピータ通信装置20a,20b,20cは部分ネットワーク100a内で相互に接続されている。
またリピータ通信装置20bからは回線2aによって部分ネットワーク100bのリピータ通信装置20dに接続されており、リピータ通信装置20d,20f,20fは部分ネットワーク100b内で相互に接続されている。この構成によって、集中管理装置10は全てのリピータ通信装置20a〜20fとの間で通信を行う。
ここで、たとえば集中管理装置10が部分ネットワーク100bのリピータ通信装置20fに対して何らかの情報を送出する場合、集中管理装置10が送出する出力パケットには、当該パケットがリピータ通信装置20fに到達するまでに経由すべき通信経路について示す経路情報が含まれる。
ここでいう経路情報とは、集中管理装置10で管理されるものであり、当該通信パケットが通過すべきリピータ通信装置と当該通信装置における出力ポート番号とを連接して構成したものである。各リピータ通信装置は、受け取った通信パケットを次にどのポートに出力すべきかを、この経路情報に従って判断する。これについて、詳細は後述する。
集中管理装置10がリピータ通信装置20fに対して送出した通信パケットは、リピータ通信装置20a→リピータ通信装置20b→回線2a→リピータ通信装置20dを順に経由して、リピータ通信装置20fに到達する。逆に、部分ネットワーク100bに属するリピータ通信装置20eから集中管理装置10に情報を伝達するために送出される通信パケットは、リピータ通信装置20d→回線2a→リピータ通信装置20b→リピータ通信装置20aを順に経由して、集中管理装置10に到達する。
ここで、この回線2aに断線などの障害が生じて通信不能となった場合を考える。この障害が生じると、部分ネットワーク100aおよび100bが分断され、集中管理装置10とリピータ通信装置20d〜20fとの間は相互に通信不能な状態に陥る。しかし、部分ネットワーク100aのリピータ通信装置20cと、部分ネットワーク100bのリピータ通信装置20dとの間で別の回線2bが構築できれば、集中管理装置10とリピータ通信装置20d〜20fとの間は再び相互に通信可能となる。
本願発明は、このような情報伝達経路の再構築を容易に実現することを目的とする。回線2aに断線などの障害が生じた場合だけでなく、リピータ通信装置20bもしくは20dが故障して通信不能となった場合についても、同様に情報伝達経路の再構築が実現可能である。そのための具体的な構成および動作について、次段から説明していく。
図3は、図2に示したリピータ通信システム100について、より簡易化して平面的に示す説明図である。図3では、集中管理装置10と6台のリピータ通信装置20a〜20fが示されている。さらに、そのうちの1台であるリピータ通信装置20aについて拡大して示している。図3は、リピータ通信システム100のネットワーク構成例を平易かつ概念的に示すものであるので、図2に記載した構成とは一致しない。
即ち、集中管理装置10はリピータ通信装置20aと接続され、リピータ通信装置20aはリピータ通信装置20bおよび20cと接続されている。さらに、リピータ通信装置20aと20d、20bと20e、20cと20fとが相互に接続され、情報伝達経路が存在している。この接続は無線でも有線でもよく、任意のプロトコルを利用できる。
ただし、集中管理装置10から見た場合、各リピータ通信装置への経路は基本的にそれぞれ1種類である。即ち、たとえばリピータ通信装置20dから20e、20dから20fなどのようなループ経路は存在していない。
各リピータ通信装置20において、情報伝達方向は2通りある。集中管理装置10から発せられた制御フレームなどが各リピータ通信装置20に伝わる方向をルーティング方向といい、図3では破線矢印、もしくは白のブロック矢印で示している。逆に、各リピータ通信装置20から発せられたフレーム(警報フレーム、または制御フレームに対する返信フレーム)が集中管理装置10に伝わる方向を集約方向といい、図3では実線矢印、もしくは黒のブロック矢印で示している。
図4は、図3に示したリピータ通信装置20のより詳しい構成について示す説明図である。リピータ通信装置20は、4組の入出力ポート21a〜21dを備える。入出力ポート21aはポート番号「00」、入出力ポート21bはポート番号「01」、入出力ポート21cはポート番号「10」、入出力ポート21dはポート番号「11」である。リピータ通信装置20はまた、これらの入出力ポート21a〜21dによるデータ転送処理を制御する転送処理制御部22と、後述するポート変換制御部31iとを備える。
ポート番号「11」は、「集約方向」への通信フレーム出力を表す。即ち、入出力ポート21a〜21cから入力された通信フレームが「集約方向」のものであれば、転送処理制御部22はこれを必ずポート番号「11」である入出力ポート21dに出力する。逆に、入出力ポート21dから入力された「ルーティング方向」の通信フレームは、転送処理制御部22が、当該通信フレームに含まれる経路情報に応じて、入出力ポート21a〜21cのいずれか、あるいはそれら全てに対して出力する。
即ち、ポート番号「11」の入出力ポート21dは、集中管理装置10側への集約方向及び集中管理装置10側からのルーティング方向の情報にとって、メインポートとなる役割を持つものである。
転送処理制御部22は、集約方向への通信フレームについては、当該通信フレームを受け取ったポート番号「00」「01」「10」のいずれかをパケットの経路情報に付与して更新した通信フレームを、ポート番号「11」の出力側へ転送する。逆に、ルーティング方向への通信フレームについては、経路情報からポート番号「00」「01」「10」のうちのいずれのポートに出力するかを判断して、かつその経路情報からそのポート番号を削除して、当該ポートに出力する。
なお、リピータ通信装置20には、火災や犯罪などのような検知対象とされている現象を検知するための手段も当然備えられているが、これについては公知であるので、図4ではこれを図示していない。以後の各図においても同様である。
図5は、図3に示した集中管理装置10のより詳しい構成について示す説明図である。集中管理装置10は、リピータ通信装置20と同じく4組の入出力ポート11a〜11dを備える。入出力ポート11aはポート番号「00」、入出力ポート11bはポート番号「01」、入出力ポート11cはポート番号「10」、入出力ポート11dはポート番号「11」である。
集中管理装置10はまた、各リピータ通信装置20の転送処理制御部22と同一の動作でデータ転送処理を制御する転送処理制御部12と、これに加えて集中管理部13と管理データ記憶部14を備える。集中管理部13は、アドレス管理部13aと、異常状態対応部13bとで構成される。管理データ記憶部14は、アドレステーブル14aと、異常検出ログ14bとを記憶している。
アドレス管理部13aは、各リピータ通信装置20に対してアドレス情報を返信させる為の制御フレームを定期的に送出し、これに反応した各リピータ通信装置20から返信されてきたアドレス情報をアドレステーブル14aとして管理し、情報更新を行う。また、アドレステーブル14aに記録されている全てのリピータ通信装置20からアドレス情報が返送されていない場合にはこの状態を検出して、異常状態対応部13bに「異常発生」を通知する。
異常状態対応部13bは、アドレス管理部13aから「異常発生」の通知があった場合に、この情報を異常検出ログ14bとして記録して蓄積する。また、異常が発生した場合に、警報を発して管理者に通知する機能も持つ。それを受けた管理者は、管理用端末などを介して異常検出ログ14bをチェックして、その上で後述するポート変換命令を載せた制御フレームを異常状態対応部13bから各リピータ通信装置20に対して送出させる(詳細は後述)。
なお、集中管理装置10には、管理者に異常検出ログ14bなどの情報を提示し、管理者からの操作を受け付けるための入出力手段も当然備えられているが、これについても公知であるので、図5ではこれを図示していない。以後の各図においても同様である。
図6は、図3に示すリピータ通信システム100での、集約方向におけるフレーム転送を示す説明図である。ここでは、リピータ通信装置20gから、集中管理装置10に対してデータ転送を行う場合について考える。リピータ通信装置20gのポート番号「11」から送出された通信フレームは、リピータ通信装置20eのポート番号「00」から入力され、ポート番号「11」からリピータ通信装置20dに出力される。なお、図6以降の各図では、視認性のため、ポート番号「11」の入出力ポートを黒塗りで表示することがある。
リピータ通信装置20dでは、これをポート番号「10」で受信し、ポート番号「11」からリピータ通信装置20aに出力する。そしてリピータ通信装置20aでは、これをポート番号「01」で受信し、ポート番号「11」から集中管理装置10に出力する。
このような、集中管理装置10から特定のリピータ通信装置に至る経路において、通過したリピータ通信装置を連接したものが、集中管理装置10から見た場合のアドレス情報となり、これをアドレス管理部13aがアドレステーブル14aとして管理する。この例の場合だと、リピータ通信装置20gのアドレス情報は「011000」、リピータ通信装置20eのアドレス情報は「0110」、リピータ通信装置20dのアドレス情報は「01」となる。ちなみにリピータ通信装置20aは集中管理装置10と直接接続されているので、アドレス情報は必要ではなく、従ってリピータ通信装置20aのアドレス情報は無い。
この、集中管理装置10が各リピータ通信装置のアドレスを収集する処理は、たとえば「1時間ごと」などのように、予め与えられた周期でアドレス管理部13aが定期的に行う。また、管理者の操作などに応じて行うこともできる。これに応じてアドレス管理部13aはアドレステーブル14aを更新する。その際の動作については後述する。
図7は、図3に示すリピータ通信システム100での、ルーティング方向におけるフレーム転送を示す説明図である。ここでは、集中管理装置10から、リピータ通信装置20gに対してデータ転送を行う場合について考える。この場合では、図6に示した動作によって、リピータ通信装置20gのアドレス「011000」がアドレステーブル14aに記録されている。
アドレス管理部13aは、この記録に基づいて、アドレス情報「011000」に対して通信フレームを送出する。この通信フレームは、リピータ通信装置20aのポート番号「11」から入力される。リピータ通信装置20aでは、このアドレス情報の先頭2ビット「01」から、出力ポート番号は「01」であることを判断し、このポート番号「01」に当該通信フレームを出力する。その際、その通信フレームに含まれるアドレス情報を、先頭2ビットを削除して更新した「1000」として出力する。
この通信フレームを、リピータ通信装置20dがポート番号「11」で受信し、同様にアドレス情報の先頭2ビット「10」から、出力ポート番号は「10」であることを判断し、このポート番号「10」に当該通信フレームを出力する。その際、その通信フレームに含まれるアドレス情報を、先頭2ビットを削除して更新した「00」として出力する。
この通信フレームを、リピータ通信装置20eがポート番号「11」で受信し、同様にアドレス情報の先頭2ビット「00」から、出力ポート番号は「10」であることを判断し、このポート番号「00」に当該通信フレームを出力する。その際、その通信フレームに含まれるアドレス情報を、先頭2ビットを削除して更新し、アドレス情報「無し」で出力する。
これを受信したリピータ通信装置20gは、アドレス情報「無し」で当該通信フレームを受信するので、自らがこの通信フレームの宛先であると判断して、それに対応する処理を行うことができる。
図8は、図4に示したリピータ通信装置20について、より詳しい構成を示す説明図である。リピータ通信装置20は、大きく分けて送受信終端部31、集約方向処理部32、およびルーティング方向処理部33という3つのブロックで構成される。
送受信終端部31は、入出力ポート21a〜21dのうちのいずれか一つである送受信物理ポート31a〜31dと、論理ポート31e〜31hと、ポート変換制御部31iとを備える。送受信物理ポート31a〜31dは各々、ポート番号「00」「01」「10」「11」の送受信物理ポートである。論理ポート31e〜31hは、各々ポート番号「00」「01」「10」「11」の論理ポートである。
そしてポート変換制御部31iは、各送受信物理ポート31a〜31dと、論理ポート31e〜31hとを一対一で対応させる。通常、即ち特に障害などの発生していない時には、送受信物理ポートと論理ポートのポート番号は一致する。即ち、送受信物理ポート31aが論理ポート31eに、送受信物理ポート31bが論理ポート31fに、送受信物理ポート31cが論理ポート31gに、送受信物理ポート31dが論理ポート31hに、各々対応する。図4でいう転送処理制御部22は、集約方向処理部32およびルーティング方向処理部33である。図4では、紙面の都合で論理ポート31e〜31hを図示していない。
集約方向、即ち送受信物理ポート31a〜31cにおいて別のリピータ通信装置から受信した通信フレームは、通常は論理ポート31e〜31gを介して、集約方向処理部32に備えられているフレームバッファ32aに一時記憶される。また、ルーティング方向、即ち送受信物理ポート31dにおいて別のリピータ通信装置から受信した通信フレームは、通常は論理ポート31hを介して、ルーティング方向処理部32に備えられているフレームバッファ33aに一時記憶される。
ここで、異常状態、即ちリピータ通信システム100のうちのいずれかの経路の断線など、もしくはいずれかのリピータ通信装置の故障などが発生した場合には、集中管理装置10がこれを検出して警報を出し、これを受けた管理者の操作によって各リピータ通信装置20に対してポート変換命令を載せた制御フレームを送出する。この制御フレームを受信したリピータ通信装置20の転送処理制御部22は、この命令に応じてポート変換制御部31iを制御し、送受信物理ポート31a〜31dと論理ポート31e〜31hとの間の対応関係を変更する。
たとえば、ポート変換制御部31iは、ポート番号「00」の送受信物理ポート31aをポート番号「10」の論理ポート31gに、かわりにポート番号「10」を持つ送受信物理ポート31cをポート番号「00」の論理ポート31eに各々対応させることもできる。また、ポート番号「01」の送受信物理ポート31bをポート番号「11」の論理ポート31hに対応させて、ポート番号「11」の送受信物理ポート31dを不使用とすることもできる。
即ち、この構成を備えることによって、「集約方向のフレームはポート番号『00』『01』『10』のいずれかから入力されて『11』から出力」「ルーティング方向からのフレームはポート番号『11』から入力され『00』『01』『10』のいずれかもしくは全部へ出力」といった物理的な制約に縛られない運用が可能となる。
ただし、この送受信物理ポートと論理ポートとの間の対応関係の変更を行うと、各リピータ通信装置20のアドレスも同時に全て変更されるので、アドレス管理部13aは、これと同時に図6〜図7で示したような全機器に対するアドレス情報の収集を同時に行い、アドレステーブル14aに各機器のアドレス情報を記録する。
通常状態の動作の説明に戻ると、集約方向処理部32は、集約方向の(ポート番号「00」「01」「10」のいずれかの)通信フレームを一時記憶するフレームバッファ32aと、フレームバッファ32aから出力を選択する出力選択スイッチ32bと、フレームバッファ32aから出力された通信フレームの内容を解釈するフレーム終端部32cと、解釈された内容に応じて新たな通信フレームを生成するフレーム生成部32dとで構成される。
この際、フレーム生成部32dは、フレームバッファ32aから転送先ポート番号を同時に受け取り、アドレス情報の更新を行って新たな通信フレームを生成し、これを送受信終端部31のポート番号「11」の論理ポート31h、即ちポート変換制御部31iによってこれと対応づけられている送受信物理ポート31d(通常状態の場合)に出力し、これを介して当該通信フレームを別のリピータ通信装置20、または集中管理装置10に送信する。
ルーティング方向処理部33も、集約方向処理部32と同様に、ルーティング方向の(ポート番号「11」の)通信フレームを一時記憶するフレームバッファ33aと、フレームバッファ33aから出力された通信フレームの内容を解釈するフレーム終端部33bと、解釈された内容に応じて新たな通信フレームを生成するフレーム生成部33cと、生成された通信フレームをポート番号「00」「01」「10」の(即ち論理ポート31e〜31gの)いずれに出力するか、またはそれら全てに出力するかを選択する出力選択スイッチ33dと、で構成される。
この際、フレーム生成部33cおよび出力選択スイッチ33dは、フレーム終端部33bで抽出された転送先ポート番号を、アドレス情報の更新を行って新たな通信フレームを生成することと、出力先ポートを切り替えることの両方に活用される。論理ポート31e〜31gに出力された新たな通信フレームは、ポート変換制御部31iによってこれらと対応づけられている送受信物理ポート31a〜31c(通常状態の場合)に出力され、これを介して当該通信フレームは別のリピータ通信装置20に送信される。
また、フレーム終端部32cおよび33bが、受信した通信フレームが制御フレームであることを解釈した場合には、その内容に応じてポート変換制御部31iの動作を制御する。
図9は、図5に示した集中管理装置10について、より詳しい構成を示す説明図である。転送処理制御部12は、リピータ通信装置20の転送処理制御部22に加えて、集中管理部13と管理データ記憶部14とが接続されている点以外は、リピータ通信装置20と同一の構成を備え、同一の動作を行うので、その内部については図8と同一の名称および参照番号で呼ぶことにし、詳細な説明は割愛する。
集中管理部13と管理データ記憶部14については、図5でも説明したように、集中管理部13はアドレス管理部13aと異常状態対応部13bとで構成され、管理データ記憶部14はアドレステーブル14aと異常検出ログ14bとを記憶している。集中管理部13は電子回路としてハードウェア的に構成されてもよいし、コンピュータプログラムを実行するプロセッサとしてソフトウェア的に構成されてもよい。管理データ記憶部14は、一般的な記憶素子によって構成することができる。動作の詳細は、この後説明する。
図10は、図2〜図3に示したリピータ通信システム100を初めて構築する場合の動作について示す説明図である。ここでは、集中管理装置10と、12台のリピータ通信装置20a〜20lとを接続し、初期設定する例を示している。各リピータ通信装置20の配置、およびそれら各々の間の結線については、初期設定の段階では特に気にする必要はない。よって、この図10では、図2〜図3とは違った配置および結線の例を示している。
この結線をする際、集中管理装置10から各リピータ通信装置20に通じる経路はそれぞれ一通りしかなく、複数経路を持つループ経路ができないように接続することだけは必要である。その条件を満たしてさえいれば、ポート番号については特に気にする必要はない。前述の特許文献1および同2に記載の既存技術においては、必ずポート番号「11」が集中管理装置側になるように接続する必要があるが、本実施形態においてはその必要は無い。
図11は、図10に示した初めて構築する状態のリピータ通信システム100の動作について示すフローチャートである。結線ができ、集中管理装置10および各リピータ通信装置20a〜20lの電源を投入したら、まず集中管理装置10のアドレス管理部13aが、全リピータ通信装置20に対してアドレスの照会をする制御フレームを送出する(図11:ステップS101)。
この制御フレームを最初に受けたリピータ通信装置20aの転送処理制御部22は、まずこの制御フレームが自身の物理ポートと論理ポートとの間での変換を要するものであるか否かについて判断する(図11:ステップS102)。ここでは、物理ポート「11」を介して制御フレームを受信したので、物理ポートと論理ポートとの間での変換は特に必要ではないので、他の3ポート「00」「01」「10」全てに対して同一の制御フレームを送出し(図11:ステップS103)する。ここで、他の装置にこの制御フレームを転送する際には、各装置に通じている論理ポート番号をアドレス情報に追加した上で転送する(詳しくは後述)。
その上で、リピータ通信装置20aは集中管理装置10に対して自らのアドレス情報を返送する(図11:ステップS105)が、ここではリピータ通信装置20aは集中管理装置10に直接接続されているので、アドレス情報は空欄である。あるいは、この場合はアドレス情報を返送する工程自体を省略することもできる。
次にその制御フレームを受けたリピータ通信装置20bの転送処理制御部22も、その制御フレームが自身の物理ポートと論理ポートとの間での変換を要するものであるか否かについて判断する(図11:ステップS102)。ここでは、物理ポート「10」を介して制御フレームを受信したので、物理ポートと論理ポートとの間での変換が必要であると判断し、送受信終端部31のポート変換制御部31iが、物理ポート「10」を論理ポート「11」に設定する(図11:ステップS104)。他の3つの物理ポートも、これと同時に論理ポート「00」「01」「10」として設定される。
その後、他の3ポート「00」「01」「10」全てに対して、各装置に通じている論理ポート番号をアドレス情報に追加した同一の制御フレームを送出し(図11:ステップS103)、さらに集中管理装置10に対して自らのアドレス情報を応答フレームとして返送する(図11:ステップS105)。ここでいうアドレス情報とは、自らに制御フレームが届くまでにその制御フレームが通ってきたポート番号を連接したものである。
以後、全てのリピータ通信装置20で、ステップS102〜105の処理を繰り返す。最後に、集中管理装置10のアドレス管理部13aが、各リピータ通信装置20から受信したアドレス情報を、アドレステーブル14aとして保存する(図11:ステップS106)。
この動作は、リピータ通信システム100を初めて構築する際に行われ、各リピータ通信装置20がステップS104で設定された論理ポートは、以後の当該装置の動作においても(アドレス情報の再構築が行われるまでは)継続的に有効である。たとえば論理ポート番号「11」として設定された物理ポートは、その後引き続きポート番号「11」として振る舞う。他のポート番号においても同様である。
図12は、図10に示したリピータ通信システム100で、図11に示した動作が行われ、ポート番号の対応が完了した状態を示す説明図である。ここで示した例では、リピータ通信装置20b、20e、20iの3台(装置群41)と、リピータ通信装置20c、20d、20h、20lの4台(装置群42)が、物理ポートと論理ポートとの間での変換が行われた装置である。
図11のステップS105で各リピータ通信装置20が返信するアドレス情報は、図6〜図7で説明したように、当該装置に通信パケットが到達するまでに各装置で経由するポート番号を連接したものである。たとえばリピータ通信装置20lのアドレス情報は「10000110」となる。集中管理装置10は、この情報を利用してリピータ通信装置20との間で通信パケットの交換を行うことができる。
図13は、図10に示したリピータ通信システム100の運用中の各装置の動作について示すフローチャートである。集中管理装置10のアドレス管理部13aは、予め設定された時間間隔が経過すると(図13:ステップS201)、全リピータ通信装置20に対してステップS101と同様のアドレスの照会をする制御フレームを送出する(図13:ステップS202)。
各リピータ通信装置20の転送処理制御部22は、これに反応して、ステップS103と同様に他のポートに対して同一の制御フレームを送出し(図13:ステップS203)、ステップS105と同様に集中管理装置10に対して自らのアドレス情報を返送する(図13:ステップS204)。
集中管理装置10では、アドレス管理部13aが、各リピータ通信装置20から受信したアドレス情報を、アドレステーブル14aの記録と比較し、そこに記録された全てのリピータ通信装置20からアドレス情報の返信があったか否かを判断する(図13:ステップS205)。全てのリピータ通信装置20から返信があればそこで動作が終了し、なければ異常状態対応部13bが異常検出ログ14bにその旨を記録してから管理者に警報を発して(図13:ステップS206)終了する。
図14は、図10に示したリピータ通信システム100の運用中に故障が発生した状態を示す説明図である。ここでは、リピータ通信装置20lからの返信が無かったことが検出されたので、管理者に警報が発せられた。しかしながら、この段階ではリピータ通信装置20l自体が故障したのか、それともリピータ通信装置20kと20lとの間の回線に障害が発生したのかについては特定されていない。
そこで管理者は、空きポートを利用して、リピータ通信装置20h(ポート00)と20l(ポート10)との間を新たな回線で結び、図10〜図11で説明したリピータ通信システム100を初めて構築する状態の動作と同様に、全リピータ通信装置20のアドレス情報の収集(アドレステーブル14aの更新)を行う。これでリピータ通信装置20lからの返信があれば回線の障害、なければリピータ通信装置20l自体の故障と判断できる。
回線の障害であれば、更新されたアドレステーブル14aでリピータ通信システム100をそのまま引き続き運用することができる。リピータ通信装置20lの故障であれば当該通信装置を交換するなどして、改めてアドレス情報の収集(アドレステーブル14aの更新)を行った上でリピータ通信システム100の運用を再開すればよい。図14では、リピータ通信装置20l自体が故障した例を示している。
また図14には、リピータ通信装置20fと20jの間の回線に障害が発生した例についても示されている。これについても、リピータ通信装置20iおよび20jからの返信が無かったことが検出されたので、管理者に警報が発せられた。しかしながら、この段階では当該リピータ通信装置自体が故障したのか、それとも当該リピータ通信装置の回線に障害が発生したのかについては特定されていない。
そこで管理者は、空きポートを利用して、リピータ通信装置20i(ポート00)と20e(ポート10)との間を新たな回線で結び、図10〜図11で説明したリピータ通信システム100を初めて構築する状態の動作と同様に、全リピータ通信装置20のアドレス情報の収集(アドレステーブル14aの更新)を行う。これでリピータ通信装置20iおよび20jからの返信があれば回線の障害、なければ当該リピータ通信装置自体の故障と判断できる。
ここでは回線の障害であったので、まずリピータ通信装置20iからの返信があった。この際、図11のステップS104で説明した物理ポートと論理ポートとの間の変換が行われ、リピータ通信装置20iの物理ポート「00」は論理ポート「11」に変換される。この変換により、まず集中管理装置10とリピータ通信装置20iとの間の通信が復活し、リピータ通信装置20iのアドレス情報も収集されてアドレステーブル14aに記録される。
それからさらに、図11のステップS103で示す制御フレームがリピータ通信装置20iから送出されると、今度はリピータ通信装置20jの物理ポート「00」は論理ポート「11」に変換され、リピータ通信装置20jのアドレス情報も収集されてアドレステーブル14aに記録される。これで全装置との通信が復活する。回線の接続関係の変更に伴って変更された各装置のアドレス情報も、全て収集されてアドレステーブル14aに記録されている。
図15は、図10に示したリピータ通信システム100で、各装置間で交換される通信フレーム101〜104のフォーマット例について示す説明図である。通信フレーム101は、集中管理装置10から全てのリピータ通信装置20に対して発せられる制御フレーム(アドレス要求フレーム)である。
この通信フレーム101は、先頭から、8ビットで構成され、「0x7e」の値を持つフレーム先頭識別子101aと、2ビットで構成され、集中管理装置から送出するブロードキャストで全リピータへのアドレス要求を行う制御フレームであることを示す「0x3」の値を持つフレーム種別識別子101bと、3ビットで構成され、ネットワークを構成するリピータ1つあたりの搭載ポート数が4ポートであることを示す「0x3」の値を持つポート数情報101c(このフィールドは3ビットなので最大8ポートまで対応可能)と、巡回冗長検査(CRC)値101dと、8ビットで構成され、フレーム先頭識別子101aと同一の「0x7e」の値を持つフレーム最後尾識別子101eとで構成される。
通信フレーム102は、先頭から、通信フレーム101(アドレス要求フレーム)を受けた各リピータ通信装置20が集中管理装置10に向けて返信するアドレス応答フレームである。この通信フレーム102は、通信フレーム101(アドレス要求フレーム)と同様に「0x7e」の値を持つフレーム先頭識別子102aと、2ビットで構成され、アドレス要求に対する応答であることを示す「0x1」の値を持つフレーム種別識別子102bと、3ビットで構成され、通信フレーム101(アドレス要求フレーム)と同様にリピータ1つあたりの搭載ポート数が4ポートであることを示す「0x3」の値を持つポート数情報102cとをまず持つ。
ポート数情報102cの後には、各通信フレームが通過したリピータ通信装置の数を表すリピータ数情報102dが続く。リピータ数情報102dは、本実施形態では10ビットで構成されているので、最大1024個のリピータ通信装置20でリピータ通信システムを構成可能である。
リピータ数情報102dの後には、通信フレーム102が通過してきた経路上のリピータ通信装置のポート番号が連接されたアドレス情報102eが続く。ポート数情報102cの値に応じて1つのリピータ通信装置が付与するポート番号の桁数が変わるのでアドレス情報102eの区切りも変わり、またリピータ数情報102dの値に応じてアドレス情報102eの桁数も変わる。
図15に示された例では、ポート数情報102c=「0x3」、即ち4ポートであるので、2ビットずつがアドレス情報102eの区切りとなる。また、リピータ数情報102d=「0000000100」、即ち4である。アドレス情報102e=「10000110」、即ち集中管理装置10側から見て「10」→「00」→「01」→「10」と辿った先の5つ目のリピータ通信装置からの応答であることが示されている。
アドレス情報102eの後に続く装置識別子102fは、各リピータ通信装置に固有の装置番号等を示す固有長の識別子であり、これは当該リピータ通信装置が予め持っている。この値を、集中管理装置10のアドレス管理部13aがアドレステーブル14aに記録して管理する。装置識別子102fの後には、通信フレーム101の巡回冗長検査(CRC)値101dおよびフレーム最後尾識別子101eと同様の、巡回冗長検査(CRC)値102gおよびフレーム最後尾識別子102hが続き、これで通信フレーム102は終端となる。
通信フレーム103は、集中管理装置10が特定のリピータ通信装置20に対して発する制御フレームである。通信フレーム103は、先頭から、通信フレーム101のフレーム先頭識別子101a、フレーム種別識別子101b(値はルーティング方向への制御フレーム転送であることを示す「0x2」)、ポート数情報101cと各々同じ先頭識別子103a、フレーム種別識別子103b、ポート数情報103cとをまず持つ。ポート数情報103cの後には、通信フレーム102のリピータ数情報102dおよびアドレス情報102eと同様のリピータ数情報103dおよびアドレス情報103eが続く。
このアドレス情報103eが、対象とするリピータ通信装置20のアドレスであり、これは通信フレーム101(アドレス要求フレーム)に応じて当該リピータ通信装置20が返信した通信フレーム102(アドレス応答フレーム)に含まれていたアドレス情報102eであり、集中管理装置10のアドレステーブル14aに記録されていたものでもある。
アドレス情報103eの後に続く装置識別子103fは、通信フレーム102の装置識別子102fと同一である。さらにその後には、集中管理装置10がその対象となるリピータ通信装置20に対して発するコマンドを現す固定長データである制御コマンド103gが続く。この制御コマンド103gの中に、前述したポート変換制御部31iに特定の物理ポートと論理ポートとの間の対応付けを開始、変更、もしくは終了させる変換制御コマンドが含まれている。
制御コマンド103gの後には、当該コマンドに対する要求値を現す固定長データである要求値103hが続く。たとえば制御コマンド103gが「ポート変換」を促すコマンドであれば、要求値103hは「具体的にどの物理ポート番号と論理ポート番号を対応させるかを示す設定値」である。これによって、特定の物理ポートと論理ポートとの間の対応付けを制御することが可能となる。
要求値103hの後には、通信フレーム101の巡回冗長検査(CRC)値101dおよびフレーム最後尾識別子101eと同様の、巡回冗長検査(CRC)値103iおよびフレーム最後尾識別子103jが続き、これで通信フレーム103は終端となる。
通信フレーム104は、特定のリピータ通信装置20から集中管理装置10に対して発する警報などの情報フレームである。通信フレーム104は、先頭から、通信フレーム102のフレーム先頭識別子102a、フレーム種別識別子102b(値は集約方向への情報フレーム転送であることを示す「0x0」)、ポート数情報101cと各々同じ先頭識別子104a、フレーム種別識別子104b、ポート数情報104cとをまず持つ。ポート数情報104cの後には、通信フレーム102のリピータ数情報102dおよびアドレス情報102eと同様のリピータ数情報104dおよびアドレス情報104eが続く。
図15に示された例では、リピータ数情報104d=「0000000100」、即ち4であり、アドレス情報104e=「10000110」、即ち集中管理装置10側から見て「10」→「00」→「01」→「10」と辿った先のリピータ通信装置からの通知であることが示されている。アドレス情報104eの後に続く装置識別子104fは、各リピータ通信装置に固有の装置番号等を示す固有長の識別子である。
装置識別子104fの後には、当該リピータ通信装置が集中管理装置10に通知する警報などの情報を示す固定長データである通知内容情報104gが続く。さらにその後には、通信フレーム101の巡回冗長検査(CRC)値101dおよびフレーム最後尾識別子101eと同様の、巡回冗長検査(CRC)値104hおよびフレーム最後尾識別子104iが続き、これで通信フレーム104は終端となる。
図16は、図10に示したリピータ通信システム100で、図11に示す動作が行われた結果として各リピータ通信装置20に割り当てられたアドレス情報について示す説明図である。このアドレス情報の割当の動作に、図15に示す通信フレーム101および102が利用される。
集中管理装置10のアドレス管理部13aは、図11のステップS101で、全てのリピータ通信装置20a〜20lに対して図15に示す通信フレーム101を送信する。この通信フレーム101を受け取った各リピータ通信装置20a〜20lは、図11のステップS105で、図15に示す通信フレーム102を集中管理装置10に対して返送する。
図17は、図11のステップS106に示された動作で集中管理装置10のアドレス管理部13aが保存するアドレステーブル14aの記録内容について示す説明図である。このアドレステーブル14aには、各リピータ通信装置20から受信した通信フレーム102の中の、装置識別子102f、リピータ数情報102d、アドレス情報102eが、受信日時105と共に記録される。
例えば、リピータ通信装置20lから集中管理装置10に返送される通信フレーム102においては、リピータ数情報102d=「0000000100」、アドレス情報102e=「10000110」、装置識別子102fにはリピータ通信装置20lに固有の識別子が、受信日時105と共にアドレステーブル14aに記録される。
また、リピータ通信装置20iから集中管理装置10に返送される通信フレーム102においては、リピータ数情報102d=「0000000011」、アドレス情報102e=「010100」、装置識別子102fにはリピータ通信装置20lに固有の識別子が、受信日時105と共にアドレステーブル14aに記録される。
集中管理装置10のアドレス管理部13aは、このアドレステーブル14aを利用して、各リピータ通信装置20に対して通信フレーム103(特定のリピータ通信装置20に対して発する制御フレーム)を送信して制御を行うことができる。また、図13に示したように、定期的に全リピータ通信装置20a〜20lに対して通信フレーム101を送信し、アドレステーブル14aの記録と比較し、そこに記録された全てのリピータ通信装置20からアドレス情報を含む通信フレーム102の返信があったか否かを判断する(図13のステップS205)ことができる。
ネットワーク管理者は、図13のステップS206で、異常状態対応部13bが発した警報に反応して異常検出ログ14bをチェックして、故障個所の特定や故障に対する修理・交換等の対応を行うことが可能である。
(実施形態の全体的な動作と効果)
次に、本実施形態の異常発生時における全体的な動作について説明する。
まず、本実施形態におけるリピータ通信システムは、上述したように、他の装置との間の物理的な接続端子であって各々異なる物理ポート番号を有する複数の送受信物理ポートを備えた複数台のリピータ通信装置20と、各リピータ通信装置との間で情報の送受信を行う集中管理装置10とが接続されて構成されている。そして、集中管理装置10が、全てのリピータ通信装置に対してアドレスの照会をする制御フレームを送出し(図11:ステップS101)、この制御フレームを受信したリピータ通信装置20の転送処理制御部22が、当該制御フレームを受信した送受信物理ポートに集中管理装置側であることを示す論理ポート番号を対応させるよう当該リピータ通信装置のポート変換制御部31iに指令する(図11:ステップS102、104)。次に、リピータ通信装置の転送処理制御部22が、制御フレームに当該他の装置への論理ポート番号を付加した上で他のリピータ通信装置20に転送する(図11:ステップS103)と共に、制御フレームが通ってきた他の各リピータ通信装置の論理ポート番号を連接したアドレス情報を集中管理装置10に返送する(図11:ステップS105)。集中管理装置10は、各リピータ通信装置20から返送されてきたアドレス情報をアドレステーブル14aとして保存する(図11:ステップS106)。
そして集中管理装置10は、制御フレームを定期的に送出してこれに対する返信をアドレステーブルの記録内容と比較し(図13:ステップS201〜204)、これによって各リピータ通信装置の中に不具合が発生したか否かを検出する(図13:ステップS205)。
ここで、上記各動作ステップについては、これをコンピュータで実行可能にプログラム化し、これらを前記各ステップを直接実行する集中管理装置10が備えるプロセッサに実行させるようにしてもよい。本プログラムは、非一時的な記録媒体、例えば、DVD、CD、フラッシュメモリ等に記録されてもよい。その場合、本プログラムは、記録媒体からコンピュータによって読み出され、実行される。
この動作により、本実施形態は以下のような効果を奏する。
本実施形態によれば、まずリピータ通信システム100の構築の段階で、集中管理装置10から発せられる通信フレーム101に反応して各リピータ通信装置20から返送される通信フレーム102をアドレステーブル14aとして記録することによって、各リピータ通信装置20に対して個別にアドレス設定を行うことが不要となる。
前述の既存技術では、必ずポート番号「11」が集中管理装置10側となるように各リピータ通信装置20を接続する必要があり、特にその装置台数が多くなればなるほどその接続は煩雑なものとなるが、本実施形態によればポート番号を気にせずに接続することができ、また接続間違いも発生し得ない。また、リピータ通信システム100に新たなリピータ通信装置20を追加する場合や、その通信経路を変更する場合にも、構築時と同じ動作によってすぐに再設定が完了する。
さらに、集中管理装置10と各リピータ通信装置20との間の通信フレーム101および102の定期的な交換により、リピータ通信システム100内のいずれかに不具合が発生した場合にこれを容易に検出することができるばかりか、管理者が、その不具合が各リピータ通信装置20自体に生じた不具合であるか、それともそれらの間の経路に生じた不具合であるかをすぐに判別して、迅速かつ的確にこの不具合に対処することを可能としている。
そして、通信フレームのデータの形式を単純かつ明確に定義することにより、各通信装置には高度な処理を必要とされない構成としているので、リピータ通信システム100の構築に必要な装置を低コストで提供することが可能となる。またその構築および運用にかかるコストも大幅に削減することが可能となる。
(本実施形態の拡張)
本実施形態は、その趣旨を改変しない範囲で、種々の拡張が可能である。以下、この拡張について説明する。
本実施形態では、不具合が発生した場合にその原因を特定するための動作、特に新たな回線による再接続を管理者が手動で行っている。
しかしながら、たとえば異なる階や建屋をまたぐリピータ通信装置間を再接続する場合などのように、物理的に全く不可能ということではないが、再接続に多大な労力を要する場合も存在しうる。また、多数のリピータ通信装置によって構成されたリピータ通信システムの場合、その中で特定の装置あるいは経路に不具合が発生すると、その後続のリピータ通信装置が全て通信不能となる。以下、この点を解決しうる本実施形態の拡張の一例について説明する。
図18は、本実施形態の拡張に係るリピータ通信システム201の構成について示す説明図である。リピータ通信システム201は、本実施形態から一部機能を拡張した集中管理装置210および本実施形態と同一のリピータ通信装置20で構成されている。
これに加えて、リピータ通信装置20の中の一部の空いている入出力ポートの間を接続する予備経路231が、予め構築されている。予備経路231の中間にはスイッチ232が挿入されており、通常はこの予備経路231は使用されないのでスイッチ232は切状態とされている。
図19は、図18に示した集中管理装置210のより詳しい構成について示す説明図である。集中管理装置210は、本実施形態と同一のアドレス管理部13aと、本実施形態から機能拡張された異常状態対応部213bとを備える。異常状態対応部213bは、本実施形態の異常状態対応部13bに加えて、管理者の操作入力によってスイッチ232を開閉するコマンドを発する機能が追加されている。なお、スイッチ232は、管理者が手動で開閉可能なものとしてもよい。その場合の集中管理装置は、本実施形態と同一の集中管理装置10をそのまま使用できる。
図18に戻って、リピータ通信装置20gに不具合が発生すると、これに続くリピータ通信装置20h,20k,20lが通信不能となる。アドレス管理部13aがこの不具合の発生を検出した場合、管理者は異常状態対応部213bを介して、スイッチ232を入状態とするコマンドを発し、リピータ通信装置20jと20kとの間に予め築かれていた予備経路231を有効とする。その上で、アドレス管理部13aは本実施形態と同一の(図13に記載した)動作を行う。
これによって、リピータ通信装置20kおよび20lは、各々集中管理装置10との間の通信を暫定的に復旧させることは可能である。図20は、図18に示したリピータ通信システム201で、予備経路231を有効とする前と後の状態について示す説明図である。リピータ通信装置20kは、予備経路231が有効となって論理ポートの再割当が行われることにより、物理ポート「00」が論理ポート「11」、物理ポート「11」が「未使用」となる。
しかしながらリピータ通信装置20gおよび20hは、依然として通信不能である。これらについては、リピータ通信装置20kおよび20lの暫定的な運用を行いつつ、本実施形態で説明したようなリピータ通信装置20gの修正や交換などのような恒久的対策を取ることができる。この恒久的対策が完了して全てのリピータ通信装置20が復旧したら、再びスイッチ232を切状態として再設定を行い、ネットワークを元の状態に戻すことも可能である。もちろん予備経路231のままで運用を継続してもよい。
これ以外にも、たとえば本実施形態では管理者が手動操作で行っていた不具合の原因特定を自動化するための構成を追加してもよいし、また予備経路を複数系統設けて、どの予備系統を使用するかを自動的に選択するようにしてもよい。
これまで本発明について図面に示した特定の実施形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られたいかなる構成であっても採用することができる。
上述した実施形態について、その新規な技術内容の要点をまとめると、以下のようになる。なお、上記実施形態の一部または全部は、新規な技術として以下のようにまとめられるが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではない。
(付記1) 複数台のリピータ通信装置と、前記各リピータ通信装置との間で情報の送受信を行う集中管理装置とが接続されて構成されて成るリピータ通信システムであって、
前記各リピータ通信装置が、
他の装置との間の物理的な接続端子であって各々異なる物理ポート番号を有する複数の送受信物理ポートと、
前記送受信物理ポートに前記物理ポート番号との間で一対一に対応する各々異なる論理ポート番号を対応させて、当該論理ポート番号によって他の装置との通信を行うポート変換制御部とを有すること、を特徴とするリピータ通信システム。
(付記2) 前記集中管理装置が、
全ての前記リピータ通信装置に対してアドレスの照会をする制御フレームを送出するアドレス管理部を有し、
前記各リピータ通信装置が、
前記送受信物理ポートを介して前記制御フレームを受信した場合に、当該制御フレームを受信した送受信物理ポートに前記集中管理装置側であることを示す前記論理ポート番号を対応させるよう前記ポート変換制御部に指令すると共に、前記制御フレームに当該他の装置への前記論理ポート番号を付加した上で他のリピータ通信装置に転送する転送処理制御部を備え、
この転送処理制御部が、前記制御フレームが通ってきた他の各リピータ通信装置の前記論理ポート番号を連接したアドレス情報を前記集中管理装置に返送する機能を有すること、を特徴とする付記1に記載のリピータ通信システム。
(付記3) 前記集中管理装置のアドレス管理部が、前記各リピータ通信装置から返送されてきた前記アドレス情報をアドレステーブルとして保存すると共に、前記制御フレームを定期的に送出してこれに対する返信を前記アドレステーブルの記録内容と比較し、これによって前記各リピータ通信装置の中に不具合が発生したか否かを検出する機能を有すること、を特徴とする付記2に記載のリピータ通信システム。
(付記4) 前記集中管理装置が、前記各リピータ通信装置の中に不具合が発生した場合に当該不具合を異常検出ログに記録すると共に警報を発する異常状態対応部を有すること、を特徴とする付記3に記載のリピータ通信システム。
(付記5) 前記リピータ通信装置の中で空いている前記送受信物理ポートを相互に接続する予備経路と、当該予備経路の中間に挿入された通常は切状態であるスイッチとを有し、
前記集中管理装置の前記異常状態対応部が、操作入力に応じて前記スイッチを開閉させるコマンドを発する機能を有すること、を特徴とする付記4に記載のリピータ通信システム。
(付記6) 集中管理装置および他の装置と接続されて情報の送受信を行うリピータ通信装置であって、
前記集中管理装置および前記他の装置との間の物理的な接続端子であって各々異なる物理ポート番号を有する複数の送受信物理ポートと、
前記送受信物理ポートに前記物理ポート番号との間で一対一に対応する各々異なる論理ポート番号を対応させ、当該論理ポート番号によって他の装置との通信を行うポート変換制御部とを有すること、を特徴とするリピータ通信装置。
(付記7) 前記送受信物理ポートを介して前記制御フレームを受信した場合に、当該制御フレームを受信した送受信物理ポートに前記集中管理装置側であることを示す前記論理ポート番号を対応させるよう前記ポート変換制御部に指令すると共に、前記制御フレームに当該他の装置への前記論理ポート番号を付加した上で他のリピータ通信装置に転送する転送処理制御部を備え、
この転送処理制御部が、前記制御フレームが通ってきた他の各リピータ通信装置の前記論理ポート番号を連接したアドレス情報を前記集中管理装置に返送する機能を有すること、を特徴とする付記6に記載のリピータ通信装置。
(付記8) 複数台のリピータ通信装置と接続されて情報の送受信を行う集中管理装置であって、
全ての前記リピータ通信装置に対してアドレスの照会をする制御フレームを送出し、前記各リピータ通信装置から返送されてきた前記アドレス情報をアドレステーブルとして保存すると共に、前記制御フレームを定期的に送出してこれに対する返信を前記アドレステーブルの記録内容と比較し、これによって前記各リピータ通信装置の中に不具合が発生したか否かを検出するアドレス管理部と、
前記各リピータ通信装置の中に不具合が発生した場合に当該不具合を異常検出ログに記録すると共に警報を発する異常状態対応部と
を有すること、を特徴とする集中管理装置。
(付記9) 他の装置との間の物理的な接続端子であって各々異なる物理ポート番号を有する複数の送受信物理ポートを備えた複数台のリピータ通信装置と、前記各リピータ通信装置との間で情報の送受信を行う集中管理装置とが接続されて構成されているリピータ通信システムにあって、
前記集中管理装置のアドレス管理部が、全ての前記リピータ通信装置に対してアドレスの照会をする制御フレームを送出し、
この制御フレームを受信した前記各リピータ通信装置の転送処理制御部が、当該制御フレームを受信した前記送受信物理ポートに前記集中管理装置側であることを示す前記論理ポート番号を対応させるよう当該リピータ通信装置のポート変換制御部に指令し、
次に、前記リピータ通信装置の前記転送処理制御部が、前記制御フレームに当該他の装置への前記論理ポート番号を付加した上で他のリピータ通信装置に転送すると共に、前記制御フレームが通ってきた他の各リピータ通信装置の前記論理ポート番号を連接したアドレス情報を前記集中管理装置に返送し、
前記集中管理装置のアドレス管理部が、前記各リピータ通信装置から返送されてきた前記アドレス情報をアドレステーブルとして保存すること、を特徴とする異常検出方法。
(付記10) 前記集中管理装置が、前記制御フレームを定期的に送出してこれに対する返信を前記アドレステーブルの記録内容と比較し、これによって前記各リピータ通信装置の中に不具合が発生したか否かを検出すること、特徴とする付記9に記載の異常検出方法。
(付記11) 複数台のリピータ通信装置と、前記各リピータ通信装置との間で情報の送受信を行う集中管理装置とが接続されて構成されているリピータ通信システムにあって、
前記集中管理装置が備えるプロセッサに、
全ての前記リピータ通信装置に対してアドレスの照会をする制御フレームを送出する手順、
前記各リピータ通信装置から返送されてきた前記アドレス情報をアドレステーブルとして保存する手順、
および前記制御フレームを定期的に送出してこれに対する返信を前記アドレステーブルの記録内容と比較し、これによって前記各リピータ通信装置の中に不具合が発生したか否かを検出する手順を実行させること、を特徴とする異常検出プログラム。