JP6323945B2 - 蓄光性表示板の製造方法 - Google Patents
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また、表示板本体の全面に形成された凹部に蓄光材溶液を流し込むのではなく、表示板本体に案内マークの模様に合わせた凹凸を設け、凹部にだけ蓄光材溶液を流し込むという方法も考えられる。この場合には、案内マークを形成するための不透光性のシートは凸部にだけ配置すればよいので、不透光性シートによって覆い隠されて蓄光・発光に利用されない蓄光層が生じることがなく、蓄光材の無駄を避けることができるという利点がある。
0201 凹部(溶液だまり)
0202 凸部
本実施例の蓄光性表示板の製造方法は、蓄光材溶液をはじく離型材を配した金属製平板を押圧加工して凹凸を形成し、このうち凹部の離型材のみを除去した後に平板の一面全体に蓄光材溶液を流し込むことで、溶液が凸部でははじかれて凹部に溜まるようにすることで、凹部だけに蓄光層が形成されるようにしたものである。
(全般)
図1は、本実施例の蓄光性表示板の製造方法における処理の流れの一例を示す図である。本図に示すように、本実施例の製造方法における処理の流れは、平板準備工程S0101と、離型材配置工程S0102と、溶液だまり形成工程S0103と、第一離型材除去工程S0104と、蓄光材溶液流入工程S0105と、乾燥工程S0106とを含む。
平板準備工程は、金属製の平板を準備する工程である。平板の寸法は、蓄光性表示板の設置目的や設置場所に応じて適切に設計される。例えば、避難口の位置などを示す避難誘導用のものとして、縦80〜120mm程度、横240〜360mm程度、厚さ0.8〜1.2mm程度のもの、特に、縦約100mm、横約300mm、厚さ約1mmのものが考えられる。平板の素材は金属であれば特に限定はないが、押圧加工がしやすく、かつ剛性の高い金属であるアルミニウム、銅、ステンレス、真鍮などが好適である。
離型材配置工程は、準備された平板の一面全体に後記蓄光材溶液をはじく離型材を配する工程である。この工程を設ける目的は、後述するように、押圧加工の後、凹部の離型材を除去し凸部の離型材を残したまま蓄光材溶液を平板の一面全体に流し込んだ時に、溶液が凸部からはじかれるようにするためである。
溶液だまり形成工程は、離型材の配された平板を所定模様の型で押圧加工することで前記模様を凹凸部によって構成する溶液だまりを形成するとともに、凹部と凸部の離型材を分断する工程である。
第一離型材除去工程は、溶液だまりが形成された前記平板の前記凹部の離型材のみを除去する工程である。除去の目的は、次工程である蓄光材溶液流入工程において蓄光材を平板の一面全体に流し込んだときに、凹部が溶液をはじかないようにして、凸部ではじかれた溶液を含めた溶液が凹部である溶液だまりにたまるようにするためである。
(蓄光材溶液流入工程)
乾燥工程は、蓄光材溶液を乾燥させて前記蓄光材溶液が残っていた凹部に蓄光材を構成する工程である。乾燥は自然乾燥でもよいし、熱を加えて強制的に乾燥させてもよい。
(蓄光材の脱落防止用の溝を形成する工程)
平板には、押圧加工によって凹部である溶液だまりの内壁を形成することとなる位置に溝が形成されていてもよい。溝を形成する目的は、溶液だまりが形成された際にこの溝が内壁の位置にくるため、溶液だまりに流し込まれた蓄光材溶液が当該溝に入り込むことで、蓄光材が表示板から脱落することを防止することにある。溝の形成は、準備工程のサブ工程(溝形成サブ工程)において行なってもよく、この場合には、かかる溝が形成された後の平板に対して、離型材配置工程において離型材が配されることになる。あるいは、溝の形成は、離型材配置工程の後であって溶液だまり形成工程の前の工程において行なってもよい。
本実施例における処理の流れは、蓄光材溶液流入工程の前に反射材溶液流入工程を有していてもよい。反射材溶液流入工程は、溶液だまりに反射材を構成するための反射材溶液を前記離型材の除去された平板の一面全体に流すことで離型材が除去された前記凹部にのみ反射材溶液が残るように流入する工程である。反射材は蓄光材の下側(平板側)に配置され、蓄光材から凹部の底面方向に発せられる光を反射させて蓄光性表示板の発光輝度を高める役割を果たすものである。反射材の材料としては、例えば酸化チタン(TiO2)粉末が用いられる。酸化チタンは代表的な白色顔料の一つであり、反射特性に優れており、反射材の材料としては最も好適なものである。
さらに凸部の離型材を除去してそこに着色シートを配置してもよいが、かかる構成については次実施例にて後述する。
本実施例における処理の流れは、乾燥工程の後に透明保護層配置工程を有していてもよい。透明保護層は、主に、蓄光層を含む蓄光性表示板の損傷・劣化や汚れを防止するためのものである。透明保護層を形成するための透明保護材料としては、透明アクリル樹脂、透明シリコーン樹脂などの透明樹脂や、透明ガラスなどが用いられる。
透明保護層配置工程は、少なくとも蓄光材の上層に透明保護層を配置する工程であり、これに加えて凸部にも透明保護層を配置してもよい。凸部に透明保護層を配置する場合には、凸部の離型材を除去する工程を設けて当該工程の後に行なってもよいし、あるいは凸部の離型材を除去せずに離型材の上に透明保護層を配置してもよい。なお、着色シートを配置する場合は、凹部に配置されている蓄光材の上層のみに透明保護層を配置するとともに、凸部に着色シートを配置してもよい(この場合、どちらの配置を先に行なってもよい)し、凸部に着色シートを配置した後に着色シートを含む蓄光性表示板全体に透明保護層を配置してもよい。
本実施例の製造方法を用いて製造された蓄光性表示板も、本実施例にかかる発明の技術的範囲に属する。他の実施例についても同様である。
本実施例の発明により、蓄光性案内板の凹部に蓄光材溶液を流し込む際に、凹凸を気にすることなく表示板本体の全面にわたって一気に流し込んでも自動的に凸部にかかった蓄光材溶液が除去されて凹部に溜まるようにすることで、短時間に、しかも確実に的確な案内内容を表示することができる蓄光性表示板の製造方法を提供することが可能となる。
本実施例の蓄光性表示板の製造方法は、実施例1と基本的に共通するが、さらに、凸部の離型材を除去し、当該凸部に着色シートを貼り付ける工程を含むものである。
(全般)
図5は、本実施例の蓄光性表示板の製造方法における処理の流れの一例を示す図である。本実施例における蓄光性表示板の製造方法は実施例1で述べた蓄光性表示板の製造方法と基本的に共通する。ただし、本実施例の製造方法は、実施例1で説明した各工程に加えて、第二離型材除去工程S0507と、着色シート準備工程S0508と、着色シート貼付工程S0509とを有する。なお、本図の例では、第二離型材除去工程が乾燥工程S0506の後に処理されるように記載されているが、第二離型材除去工程は、蓄光材溶液流入工程の後であれば乾燥工程より前に、あるいは乾燥工程と同時並行的に処理されてもよい。同様に、着色シート準備工程及び着色シート貼付工程と乾燥工程との時間的順序も問わない。以下、第二離型材除去工程、着色シート準備工程、及び着色シート貼付工程について順次説明する。その余の工程は実施例1で説明したところと同様であるので、説明を省略する。
第二離型材除去工程は、前記凸部に残っていた離型材を除去する工程である。後述の着色シート貼付工程での着色シートの貼付けを容易に行えるようにするために、その準備工程として行うものである。具体的な離型材の除去方法は、既述の第一離型材除去工程における除去方法と同様でよい。
着色シート準備工程は、前記模様のなかで凸部によって構成される模様の着色シートを準備する工程である。着色シートは、着色された不透光性のシート状ないしフィルム状の部材である。
着色シート貼付工程は、準備された着色シートの模様が前記第二離型材除去工程にて離型材が除去された前記凸部と重なるように着色シートを前記溶液だまりが構成された平板に貼り付ける工程である。貼付けは接着剤を用いて行えばよい。接着剤は着色シートに配置してもよいし、蓄光性表示板の凸部に配置してもよい。着色シートに接着剤を配置する場合には、着色シートの裏面に予め接着剤が備えられたものであってもよく、かかるシートの一例として、金属などに接着可能な住友スリーエム社製の両面シート(品番PKH−10、PKH−15、PKH−20)が挙げられる。
本実施例の発明により、蓄光性案内板の凹部に蓄光材溶液を流し込む際に、凹凸を気にすることなく表示板本体の全面にわたって一気に流し込んでも自動的に凸部にかかった蓄光材溶液が除去されて凹部に溜まるようにすることで、短時間に、しかも確実に的確な案内内容を表示することができる蓄光性表示板の製造方法を提供することが可能となる。特に、緑色の彩色が法令により義務付けられているような場合にも、簡単な作業でこれに対応することが可能となる。
本実施例の蓄光性表示板の製造方法は、金属製平板を押圧加工して凹凸を形成し、平板の一面全体に蓄光材溶液を流し込んだ後、平板に超音波振動を与えて凸部上に残った余分な蓄光材溶液が除去され、すべて凹部に溜まるようにすることで、凹部だけに蓄光層が形成されるようにしたものである。
(全般)
図7は、本実施例の蓄光性表示板の製造方法における処理の流れの一例を示す図である。本図に示すように、本実施例の製造方法における処理の流れは、平板準備工程S0701と、溶液だまり形成工程S0702と、蓄光材溶液流入工程S0703と、余分除去工程S0704と、乾燥工程S0705とを含む。このうち、平板準備工程及び乾燥工程における処理内容は実施例1で説明したところと同様であるので説明を省略し、以下ではその余の工程について説明する。
溶液だまり形成工程は、平板を所定模様の型で押圧加工することで前記模様を凹凸部によって構成する溶液だまりを形成する工程である。実施例1における溶液だまり形成工程との違いは、実施例1では離型材の配された平板に対して押圧加工するものであるのに対し、本実施例では離型材は配されていない平板に対して押圧加工する点にある。これは、本実施例では、超音波振動で蓄光材溶液を除去するため、予め離型材によって平板が蓄光材溶液をはじくようにしておく必要がないためである。
蓄光材溶液流入工程は、溶液だまりに蓄光材を形成するための蓄光材溶液を前記平板の一面全体に流す工程である。実施例1の場合と異なり、平板に離型材が配されないため、本工程の前に凹部の離型材を除去する工程を設ける必要はなく、溶液だまり形成工程の後に直ちに本工程における処理を行うことができる。なお、平板の周囲にこぼれた蓄光材溶液を収容するための受け皿を用意しておくことが望ましく、これにより周囲にこぼれた蓄光材溶液を回収して再利用することができる点は、実施例1で述べたところと同様である。
余分除去工程は、前記凹凸部が構成された平板の凸部上に残った余分な蓄光材溶液をこの平板に超音波振動を与えて除去する工程である。超音波振動を与える方法としては、公知の超音波発振器を用い、例えば当該発振器の上に平板を載置して超音波振動を平板に伝えるようにすればよい。
本実施例の発明により、蓄光性案内板の凹部に蓄光材溶液を流し込む際に、凹凸を気にすることなく表示板本体の全面にわたって一気に流し込んでも自動的に凸部にかかった蓄光材溶液が除去されるようにすることで、短時間に、しかも確実に的確な案内内容を表示することができる蓄光性表示板の製造方法を、実施例1とは別の方法により提供することが可能となる。
本実施例の蓄光性表示板の製造方法は、実施例3と基本的に共通するが、余分除去工程に、凹凸部が構成された平板の凹部に所定の量の蓄光材溶液が残留する程度に傾斜させるサブ工程を含むものである。
(全般)
図8は、本実施例の蓄光性表示板の製造方法における処理の流れの一例を示す図である。本実施例における蓄光性表示板の製造方法は実施例3で述べた蓄光性表示板の製造方法と基本的に共通する。ただし、本実施例の製造方法は、余分除去工程S0804に、傾斜サブ工程S0804aを含む。以下、傾斜サブ工程について順次説明する。その余の工程は実施例3で説明したところと同様であるので、説明を省略する。
傾斜サブ工程は、余分除去工程において、凹凸部が構成された平板の凹部に所定の量の蓄光材溶液が残留する程度に傾斜させる工程である。平板を傾斜させる目的は、凸部上に残った余分な蓄光材溶液の除去をよりスムーズに行うことにある。平板に超音波振動を与えて凸部上に残った余分な蓄光材溶液を除去する場合、平板が水平であっても、凸部上の余分な蓄光材溶液は振動による衝撃で凸部上をランダムに移動し、やがて凹部に落ちるので、最終的にすべての凸部上の蓄光材溶液を除去することができる。しかし、本実施例においては、平板を傾斜させることで、凸部上の蓄光材溶液が、凹部に流れ込みやすいようにすることができるので、より短時間にこの除去作業を行うことが可能となる。
本実施例の発明により、蓄光性案内板の凹部に蓄光材溶液を流し込む際に、凹凸を気にすることなく表示板本体の全面にわたって一気に流し込んでも自動的に凸部にかかった蓄光材溶液が除去されて凹部に溜まるようにすることで、短時間に、しかも確実に的確な案内内容を表示することができる蓄光性表示板の製造方法を提供することが可能となる。特に、凸部上の蓄光材溶液の除去をより短時間で行うことが可能となる。
Claims (2)
- 金属製の平板を準備する平板準備工程と、
平板を所定模様の型で押圧加工することで前記模様を凹凸部によって構成する溶液だまりを形成する溶液だまり形成工程と、
溶液だまりに蓄光材を構成するための蓄光材溶液を前記平板の一面全体に流す蓄光材溶液流入工程と、
前記凹凸部が構成された平板の凸部上に残った余分な蓄光材溶液をこの平板に超音波振動を与えて除去する余分除去工程と、
蓄光材溶液を乾燥させて前記蓄光材溶液が残っていた凹部に蓄光材を構成する乾燥工程と、
を含む蓄光性表示板の製造方法。 - 前記余分除去工程は、前記凹凸部が構成された平板の凹部に所定の量の蓄光材溶液が残留する程度に傾斜させる傾斜サブ工程を含む請求項1に記載の蓄光性表示板の製造方法。
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