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JP6323945B2 - 蓄光性表示板の製造方法 - Google Patents
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JP6323945B2 - 蓄光性表示板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、蓄光性表示板の製造方法に関する。
災害用避難口の案内などの目的で用いられる蓄光性表示板の製造方法として、盆状の表示板本体の凹部に蓄光材を含む溶液(以下「蓄光材溶液」という)を流し込み、乾燥させて蓄光層を形成し、その上層の一部に案内等の内容を表すためのマークである案内マークを不透光性のシートなどによって形成する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、表示板本体の全面に形成された凹部に蓄光材溶液を流し込むのではなく、表示板本体に案内マークの模様に合わせた凹凸を設け、凹部にだけ蓄光材溶液を流し込むという方法も考えられる。この場合には、案内マークを形成するための不透光性のシートは凸部にだけ配置すればよいので、不透光性シートによって覆い隠されて蓄光・発光に利用されない蓄光層が生じることがなく、蓄光材の無駄を避けることができるという利点がある。
特開2013−228509号公報
表示板本体に案内マークの模様に合わせた凹凸を設けて凹部にだけ蓄光材溶液を流し込む方法の場合、案内マークの模様によっては、蓄光材溶液を流し込むべき凹部が複数の箇所に分かれていたり、複雑に入り組んでいたりする場合が考えられる。例えば、図9は、蓄光性表示板における案内マークの模様の一例を示す図であって、蓄光材溶液を流し込むべき凹部が複数の箇所0901、0902、0903、0904、0905に分かれており、また、模様が複雑に入り組んだ箇所0905aを有する蓄光性表示板本体0900の案内マークの模様の一例を示す。このような場合、蓄光材溶液を流し込む作業はそれぞれの箇所ごとに行う必要があり、しかも流し込む際に蓄光材溶液が凸部にかからないように慎重に行う必要がある。このため、作業に時間がかかるという問題がある。また、誤って凸部に蓄光材溶液がかかってしまった場合の除去作業にも時間がかかり、仮にこれを放置して蓄光を凸部に付着させたままにすると、製造された蓄光性表示板の案内マークが案内内容を的確に表示できなかったり見栄えが悪くなったりするという不都合も生じ得る。
本発明は、以上の点に鑑みたものであり、その解決すべき課題は、蓄光性案内板の凹部に蓄光材溶液を流し込む際に、凹凸を気にすることなく表示板本体の全面にわたって一気に流し込んでも自動的に凸部にかかった蓄光材溶液が除去されて凹部に溜まるようにすることで、短時間に、しかも確実に的確な案内内容を表示することができる蓄光性表示板の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明のうち、第一の発明は、金属製の平板を準備する平板準備工程と、準備された平板の一面に後記蓄光材溶液をはじく離型材を配する離型材配置工程と、離型材の配された平板を所定模様の型で押圧加工することで前記模様を凹凸部によって構成する溶液だまりを形成するとともに、凹部と凸部の離型材を分断する溶液だまり形成工程と、溶液だまりが形成された前記平板の前記凹部の離型材のみを除去する第一離型材除去工程と、溶液だまりに蓄光材を構成するための蓄光材溶液を前記離型材の除去された平板の一面全体に流すことで離型材が除去された前記凹部にのみ蓄光材溶液が残るように流入する蓄光材溶液流入工程と、蓄光材溶液を乾燥させて前記蓄光材溶液が残っていた凹部に蓄光材を構成する乾燥工程とを含む蓄光性表示板の製造方法を提供する。
また、第二の発明は、第一の発明を基礎として、前記凸部に残っていた離型材を除去する第二離型材除去工程と、前記模様のなかで凸部によって構成される模様の着色シートを準備する着色シート準備工程と、準備された着色シートの模様が前記第二離型材除去工程にて離型材が除去された前記凸部と重なるように着色シートを前記溶液だまりが構成された平板に貼り付ける着色シート貼付工程とをさらに含む蓄光性表示板の製造方法を提供する。
また、第三の発明は、金属製の平板を準備する平板準備工程と、平板を所定模様の型で押圧加工することで前記模様を凹凸部によって構成する溶液だまりを形成する溶液だまり形成工程と、溶液だまりに蓄光材を構成するための蓄光材溶液を前記平板の一面全体に流す蓄光材溶液流入工程と、前記凹凸部が構成された平板の凸部上に残った余分な蓄光材溶液をこの平板に超音波振動を与えて除去する余分除去工程と、蓄光材溶液を乾燥させて前記蓄光材溶液が残っていた凹部に蓄光材を構成する乾燥工程とを含む蓄光性表示板の製造方法を提供する。
また、第四の発明は、第三の発明を基礎として、前記余分除去工程は、前記凹凸部が構成された平板の凹部に所定の量の蓄光材溶液が残留する程度に傾斜させる傾斜サブ工程を含む蓄光性表示板の製造方法を提供する。
本発明により、蓄光性案内板の凹部に蓄光材溶液を流し込む際に、凹凸を気にすることなく表示板本体の全面にわたって一気に流し込んでも自動的に凸部にかかった蓄光材溶液が除去されて凹部に溜まるようにすることで、短時間に、しかも確実に的確な案内内容を表示することができる蓄光性表示板の製造方法を提供することが可能となる。
実施例1の蓄光性表示板の製造方法における処理の流れの一例を示す図 溶液だまり形成工程によって溶液だまりが形成された状態の平板の外観の一例を示す図 実施例1における平板の形状の一例を示す図 平板に設けられる溝について説明するための図 実施例2の蓄光性表示板の製造方法における処理の流れの一例を示す図 所定模様の型で押圧加工する方法の一例について説明するための図 実施例3の蓄光性表示板の製造方法における処理の流れの一例を示す図 実施例4の蓄光性表示板の製造方法における処理の流れの一例を示す図 蓄光性表示板における案内マークの模様の一例を示す図
0200 平板
0201 凹部(溶液だまり)
0202 凸部
以下に、本発明の実施例を説明する。実施例と請求項の相互の関係は以下のとおりである。実施例3は主に請求項1などに関し、実施例4は主に請求項2などに関する。また、実施例1及び実施例2は本発明に関連する発明に関する。なお、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。

<概要>
本実施例の蓄光性表示板の製造方法は、蓄光材溶液をはじく離型材を配した金属製平板を押圧加工して凹凸を形成し、このうち凹部の離型材のみを除去した後に平板の一面全体に蓄光材溶液を流し込むことで、溶液が凸部でははじかれて凹部に溜まるようにすることで、凹部だけに蓄光層が形成されるようにしたものである。
<処理の流れ>
(全般)
図1は、本実施例の蓄光性表示板の製造方法における処理の流れの一例を示す図である。本図に示すように、本実施例の製造方法における処理の流れは、平板準備工程S0101と、離型材配置工程S0102と、溶液だまり形成工程S0103と、第一離型材除去工程S0104と、蓄光材溶液流入工程S0105と、乾燥工程S0106とを含む。
(平板準備工程)
平板準備工程は、金属製の平板を準備する工程である。平板の寸法は、蓄光性表示板の設置目的や設置場所に応じて適切に設計される。例えば、避難口の位置などを示す避難誘導用のものとして、縦80〜120mm程度、横240〜360mm程度、厚さ0.8〜1.2mm程度のもの、特に、縦約100mm、横約300mm、厚さ約1mmのものが考えられる。平板の素材は金属であれば特に限定はないが、押圧加工がしやすく、かつ剛性の高い金属であるアルミニウム、銅、ステンレス、真鍮などが好適である。
また、平板は、蓄光層(又は後述のように蓄光層の下層に反射層が形成される場合には反射層)をしっかりと固着させることができる程度の表面粗度(表面粗さ)を有することが望ましい。表面粗度は例えば中心線表面粗度(粗さ曲線を中心線から折り返し、その粗さ曲線と中心線によって得られた面積を測定した長さで割った値)で表されるところ、本実施例における表面粗度の値としては例えば中心線表面粗度で2ミクロン〜12ミクロン程度であることが考えられ、好適には3ミクロン〜10ミクロン程度、さらに好適には4〜8ミクロン程度であることが考えられる。
(離型材配置工程)
離型材配置工程は、準備された平板の一面全体に後記蓄光材溶液をはじく離型材を配する工程である。この工程を設ける目的は、後述するように、押圧加工の後、凹部の離型材を除去し凸部の離型材を残したまま蓄光材溶液を平板の一面全体に流し込んだ時に、溶液が凸部からはじかれるようにするためである。
離型材としては、金属との離型に優れた効果を有するシリコン離型材やフッ素コート離型材などが好適である。
(溶液だまり形成工程)
溶液だまり形成工程は、離型材の配された平板を所定模様の型で押圧加工することで前記模様を凹凸部によって構成する溶液だまりを形成するとともに、凹部と凸部の離型材を分断する工程である。
所定模様とは、蓄光性表示板が伝えようとしている情報内容に応じてデザインされた図形、ピクトグラム、文字やその組み合わせとそれ以外の部分とから形成される全体をいう。また、溶液だまりとは、蓄光材溶液を平板の一面全体に流し込んだ時に、凸部からはじかれた溶液を含む溶液全体をためるための凹部をいう。なお、後述のように、蓄光材溶液流入工程において蓄光材溶液を溶液だまりに流し込む際に、平板の周囲に受け皿を設けて、平板の周囲にこぼれた蓄光材溶液を回収することが考えられるが、この場合には、本工程においては、溶液だまりには、流入された蓄光材溶液全体のうち、平板の周囲にこぼれなかった部分がためられることになる(周囲にこぼれた部分は後に再利用可能である)。
図2は、溶液だまり形成工程によって溶液だまりが形成された状態の平板0200の外観の一例を示す図である。このうち(a)は、凹部(溶液だまり)0201と避難口を表すピクトグラム及び平板周縁部の壁を形成する凸部0202とが形成された状態を示す。
なお、本図(a)の例では、ピクトグラムを形成する避難口や矢印を表す部分が凸部となり、これ以外の部分に蓄光材が配置されることとなるが、これとは逆に、ピクトグラムを形成する部分が凹部となるように凹凸が設けられるものであってもよい。図2(b)は、このような例であって、ピクトグラムを形成する部分が凹部である溶液だまり0201であり、それ以外のピクトグラムを形成しない部分が凸部0202であるものを示す。この場合、蓄光材はピクトグラムを形成する部分に配置されることとなる。
所定模様の型で押圧加工する方法としては、例えば、図6に示すような方法を用いればよい。本図の例では、(c)に示すように、予め所定模様の型と同一の型が備えられた下金型0610の上に(b)に示す平板0600を載置し、(a)に示すように当該平板の上に下金型の凹凸に対応する凹凸を有する(凹部分に対応する凸部分と、凸部分に対応する凹部分を有する)上金型0620を載置して、当該平板を上下の金型で挟んだ状態で押圧する方法が用いられる。これにより、(d)に示すような金型と同一の所定模様に押圧加工された平板0630が得られる。このような方法を用いれば、同じ金型を用いて同一形状の凹凸を有する蓄光性表示板の本体を大量生産することができる。また、平板に凹凸が形成されることで、同じ板厚であれば凹凸がないものよりも剛性を高めることができるという効果も生じる。従って、本実施例の製造方法を用いた製造に用いる平板の厚みを、上述の例のように厚さ約1mmといったものとしても十分な剛性を保つことができる。さらに、これに伴い、押圧加工後の蓄光性表示板の高さ全体を低くすることもできるため、歩行者がつまずいたりするおそれをより少なくすることができるという効果もある。
この溶液だまり形成工程において、凹部と凸部の離型材が凹部と凸部のほぼ境界において自動的に分断される。これは、離型材の展性が金属製の平板の展性よりも小さいため、押圧加工による平板の延伸に離型材の延伸が応じきれないためである。この分断の目的は、次工程である第一離型材除去工程における凹部の離型材のみの除去を容易にすることにある。
(第一離型材除去工程)
第一離型材除去工程は、溶液だまりが形成された前記平板の前記凹部の離型材のみを除去する工程である。除去の目的は、次工程である蓄光材溶液流入工程において蓄光材を平板の一面全体に流し込んだときに、凹部が溶液をはじかないようにして、凸部ではじかれた溶液を含めた溶液が凹部である溶液だまりにたまるようにするためである。
具体的な除去方法としては、アルカリ洗浄剤等を用いて除去してもよいし、へら等を用いて除去してもよい。上述のように、すでに溶液だまり形成工程において凹部と凸部の離型材が分断されているため、いずれの方法によった場合であっても凹部の離型材のみを簡単に除去することができる。
(蓄光材溶液流入工程)
蓄光材溶液流入工程は、溶液だまりに蓄光材を構成するための蓄光材溶液を前記離型材の除去された平板の一面全体に流すことで離型材が除去された前記凹部にのみ蓄光材溶液が残るように流入する工程である。
その際に、平板をこれより一回り大きい盆に載置するなどにより、蓄光材溶液の流入の際に平板の周囲にこぼれた蓄光材溶液を収容するための受け皿を用意しておくことが望ましい。こうすることにより、周囲にこぼれた蓄光材溶液を回収して再利用することができる。また、このため蓄光材溶液が流入の際に平板の周囲にこぼれることを気にすることなく一気に流し入れることができる。
蓄光材溶液は、蓄光材料をフェニルシリコーン液などの溶媒に溶解させた溶液である。蓄光材料の好適な材料としては、アルミン酸ストロンチウム系の蓄光粉末が挙げられる。アルミン酸ストロンチウムは、SrAl、SrAl1425などのようなストロンチウム(Sr)、アルミニウム(Al)及び酸素(O)を主要構成元素とする物質をいい、アルミン酸ストロンチウム系蓄光粉末は、アルミン酸ストロンチウム塩を母結晶として少量のユーロピウム(Eu)、ディスプロシウム(Dy)、ホウ素(B)などを添加したものである。アルミン酸ストロンチウム系蓄光粉末を用いた蓄光材料は、従来の硫化亜鉛を母結晶とする蓄光材料などに比べて発光輝度が高く、残光時間も長いことが知られている。
離型材配置工程から第一離型材除去工程までの工程における処理の結果、本工程の開始時において既に平板に押圧加工による凹部(溶液だまり)が形成され、かつ凸部だけに離型材が配置された状態となっている。そこで、本工程において蓄光材溶液を流し込む場合、凸部にかかった蓄光材溶液は離型材にはじかれて自然に凹部の溶液だまりに流れ込むこととなる。また、平板の周囲に受け皿を設ける場合には、凸部にかかり離型材にはじかれた蓄光材溶液は、一部が凹部の溶液だまりに流れ込み、一部は平板からこぼれ出て受け皿に収容されて回収されることになる。これにより、流し込む際に凹凸を気にすることなく平板全体に一気に溶液を流し込むことができる。従って、例えば、溶液だまりが複数箇所ある場合に、はじめから各溶液だまりだけを対象として一箇所ずつ蓄光材溶液を流し込んでいくといった煩雑な方法と取る必要がなく、簡単な作業で蓄光性表示板を製造することが可能となる。
(乾燥工程)
乾燥工程は、蓄光材溶液を乾燥させて前記蓄光材溶液が残っていた凹部に蓄光材を構成する工程である。乾燥は自然乾燥でもよいし、熱を加えて強制的に乾燥させてもよい。
(その他)
(蓄光材の脱落防止用の溝を形成する工程)
平板には、押圧加工によって凹部である溶液だまりの内壁を形成することとなる位置に溝が形成されていてもよい。溝を形成する目的は、溶液だまりが形成された際にこの溝が内壁の位置にくるため、溶液だまりに流し込まれた蓄光材溶液が当該溝に入り込むことで、蓄光材が表示板から脱落することを防止することにある。溝の形成は、準備工程のサブ工程(溝形成サブ工程)において行なってもよく、この場合には、かかる溝が形成された後の平板に対して、離型材配置工程において離型材が配されることになる。あるいは、溝の形成は、離型材配置工程の後であって溶液だまり形成工程の前の工程において行なってもよい。
図3は、本実施例における平板0300の形状の一例を示す図であって、平板に上述のような溝0303が設けられている例である。本図の例は、その後の溶液だまり形成工程において図2に示したような形状の溶液だまりが形成される場合の例であって、形成される溶液だまりの内壁になる位置に溝が形成されている例である。なお、溝の形状には特に限定はなく、例えば垂直断面が略四角形、略逆三角形、略半円形のものなどが考えられる。また、溝の寸法は、例えば平板の厚さが約1mmである場合に、幅、深さとも約0.5mmといったものが考えられる。
図4は、平板に設けられる溝について説明するための図である。このうち(a)は、溝が設けられる位置と溶液だまりが形成される位置の関係を説明するための図である。本図に示されている溝0403は、図3において概ね破線円0304で囲まれた範囲を拡大して示したものである。ここで溝0403の周囲に描かれている二点鎖線0405は当該平板が押圧加工される際に凹部の最上位をなす線(凸部との境界となる線)を示す仮想線である。(b)は、(a)のA−A線断面図である。そして、(c)は(b)の状態から押圧加工によって平板に凹凸が形成された状態を示しており、溝0403が押圧加工によって形成される凹部の内壁0405の位置にある状態を示す。本図に示すように、押圧加工によって折り曲げられる部分は若干丸みを帯びた形状となる。また、折り曲げられる部分及びその近傍は平板が若干引き伸ばされることになるため、これに伴い溝も押圧加工前に比べて若干開口部が広がった状態になる(本図(c)にも溝が(b)の状態より若干広がった状態が示されている)。これによって蓄光材溶液がダマになりにくく、溝の内部にも均一に行き渡るようにすることが可能となる。
押圧加工によって凹凸が形成される位置は予め一定の位置に決めておくことができるため、溝を設ける位置も予め知ることができ、このような平板状態での溝の配置が可能となる。なお、溝を設ける場合に、どの折り曲げ位置に対応して設けるかは、蓄光材の脱落のおそれの程度を勘案して適宜設計されればよく、本図のように平板の周縁部に沿った溝だけを設けてもよいし、本図の例とは異なり、例えば溶液だまりの内壁のすべてに溝が配置されるように央部に設けられる案内マークを表す部分に対応する位置にも溝を設けてもよい。
(反射材溶液流入工程)
本実施例における処理の流れは、蓄光材溶液流入工程の前に反射材溶液流入工程を有していてもよい。反射材溶液流入工程は、溶液だまりに反射材を構成するための反射材溶液を前記離型材の除去された平板の一面全体に流すことで離型材が除去された前記凹部にのみ反射材溶液が残るように流入する工程である。反射材は蓄光材の下側(平板側)に配置され、蓄光材から凹部の底面方向に発せられる光を反射させて蓄光性表示板の発光輝度を高める役割を果たすものである。反射材の材料としては、例えば酸化チタン(TiO2)粉末が用いられる。酸化チタンは代表的な白色顔料の一つであり、反射特性に優れており、反射材の材料としては最も好適なものである。
(着色シートの配置にかかる工程)
さらに凸部の離型材を除去してそこに着色シートを配置してもよいが、かかる構成については次実施例にて後述する。
(透明保護層配置工程)
本実施例における処理の流れは、乾燥工程の後に透明保護層配置工程を有していてもよい。透明保護層は、主に、蓄光層を含む蓄光性表示板の損傷・劣化や汚れを防止するためのものである。透明保護層を形成するための透明保護材料としては、透明アクリル樹脂、透明シリコーン樹脂などの透明樹脂や、透明ガラスなどが用いられる。
透明保護層配置工程は、少なくとも蓄光材の上層に透明保護層を配置する工程であり、これに加えて凸部にも透明保護層を配置してもよい。凸部に透明保護層を配置する場合には、凸部の離型材を除去する工程を設けて当該工程の後に行なってもよいし、あるいは凸部の離型材を除去せずに離型材の上に透明保護層を配置してもよい。なお、着色シートを配置する場合は、凹部に配置されている蓄光材の上層のみに透明保護層を配置するとともに、凸部に着色シートを配置してもよい(この場合、どちらの配置を先に行なってもよい)し、凸部に着色シートを配置した後に着色シートを含む蓄光性表示板全体に透明保護層を配置してもよい。
(本実施例の製造方法を用いて製造された蓄光性表示板)
本実施例の製造方法を用いて製造された蓄光性表示板も、本実施例にかかる発明の技術的範囲に属する。他の実施例についても同様である。
<効果>
本実施例の発明により、蓄光性案内板の凹部に蓄光材溶液を流し込む際に、凹凸を気にすることなく表示板本体の全面にわたって一気に流し込んでも自動的に凸部にかかった蓄光材溶液が除去されて凹部に溜まるようにすることで、短時間に、しかも確実に的確な案内内容を表示することができる蓄光性表示板の製造方法を提供することが可能となる。
<概要>
本実施例の蓄光性表示板の製造方法は、実施例1と基本的に共通するが、さらに、凸部の離型材を除去し、当該凸部に着色シートを貼り付ける工程を含むものである。
<処理の流れ>
(全般)
図5は、本実施例の蓄光性表示板の製造方法における処理の流れの一例を示す図である。本実施例における蓄光性表示板の製造方法は実施例1で述べた蓄光性表示板の製造方法と基本的に共通する。ただし、本実施例の製造方法は、実施例1で説明した各工程に加えて、第二離型材除去工程S0507と、着色シート準備工程S0508と、着色シート貼付工程S0509とを有する。なお、本図の例では、第二離型材除去工程が乾燥工程S0506の後に処理されるように記載されているが、第二離型材除去工程は、蓄光材溶液流入工程の後であれば乾燥工程より前に、あるいは乾燥工程と同時並行的に処理されてもよい。同様に、着色シート準備工程及び着色シート貼付工程と乾燥工程との時間的順序も問わない。以下、第二離型材除去工程、着色シート準備工程、及び着色シート貼付工程について順次説明する。その余の工程は実施例1で説明したところと同様であるので、説明を省略する。
(第二離型材除去工程)
第二離型材除去工程は、前記凸部に残っていた離型材を除去する工程である。後述の着色シート貼付工程での着色シートの貼付けを容易に行えるようにするために、その準備工程として行うものである。具体的な離型材の除去方法は、既述の第一離型材除去工程における除去方法と同様でよい。
(着色シート準備工程)
着色シート準備工程は、前記模様のなかで凸部によって構成される模様の着色シートを準備する工程である。着色シートは、着色された不透光性のシート状ないしフィルム状の部材である。
着色シートの材料に特に限定はなく、アクリル等の樹脂、ビニール、布、紙等を用いることができる。
着色シートの着色(色彩)にも特に限定はないが、昼間時における蓄光性表示板の視認性を高めるため、蓄光材の体色(通例淡黄色)との対比がはっきりした濃色系の色であることが望ましく、例えば、緑色(深緑色を含む)などが考えられる。なお、本発明にかかる蓄光性表示板が消防法上の誘導標識(避難口である旨または避難の方向を明示した標識)である場合、出願時現在の法令(「誘導灯及び誘導標識の基準」平成11年3月17日消防庁告示第2号)によれば、誘導標識の表示面(地の部分)の色彩は緑色としなければならない旨定められているため(同告示第六.三.(三)参照)、地の部分に相当する凸部は緑色にする必要がある。このため、現行法令下では誘導標識である本発明の蓄光性表示板に設けられる着色シートは緑色となる。
また、着色シートの形状は、予め凸部によって構成される模様と同じ形状に形成されている。これにより、作業の現場で凸部の模様に合わせて着色シートの形状を切断などによって加工する必要がなくなり、簡単な作業での蓄光性表示板の製造に資することができる。
なお、本工程は次の着色シート貼付工程より前であればよく、それ以外の工程との時間的順序を問わない。
(着色シート貼付工程)
着色シート貼付工程は、準備された着色シートの模様が前記第二離型材除去工程にて離型材が除去された前記凸部と重なるように着色シートを前記溶液だまりが構成された平板に貼り付ける工程である。貼付けは接着剤を用いて行えばよい。接着剤は着色シートに配置してもよいし、蓄光性表示板の凸部に配置してもよい。着色シートに接着剤を配置する場合には、着色シートの裏面に予め接着剤が備えられたものであってもよく、かかるシートの一例として、金属などに接着可能な住友スリーエム社製の両面シート(品番PKH−10、PKH−15、PKH−20)が挙げられる。
<効果>
本実施例の発明により、蓄光性案内板の凹部に蓄光材溶液を流し込む際に、凹凸を気にすることなく表示板本体の全面にわたって一気に流し込んでも自動的に凸部にかかった蓄光材溶液が除去されて凹部に溜まるようにすることで、短時間に、しかも確実に的確な案内内容を表示することができる蓄光性表示板の製造方法を提供することが可能となる。特に、緑色の彩色が法令により義務付けられているような場合にも、簡単な作業でこれに対応することが可能となる。
<概要>
本実施例の蓄光性表示板の製造方法は、金属製平板を押圧加工して凹凸を形成し、平板の一面全体に蓄光材溶液を流し込んだ後、平板に超音波振動を与えて凸部上に残った余分な蓄光材溶液が除去され、すべて凹部に溜まるようにすることで、凹部だけに蓄光層が形成されるようにしたものである。
<処理の流れ>
(全般)
図7は、本実施例の蓄光性表示板の製造方法における処理の流れの一例を示す図である。本図に示すように、本実施例の製造方法における処理の流れは、平板準備工程S0701と、溶液だまり形成工程S0702と、蓄光材溶液流入工程S0703と、余分除去工程S0704と、乾燥工程S0705とを含む。このうち、平板準備工程及び乾燥工程における処理内容は実施例1で説明したところと同様であるので説明を省略し、以下ではその余の工程について説明する。
(溶液だまり形成工程)
溶液だまり形成工程は、平板を所定模様の型で押圧加工することで前記模様を凹凸部によって構成する溶液だまりを形成する工程である。実施例1における溶液だまり形成工程との違いは、実施例1では離型材の配された平板に対して押圧加工するものであるのに対し、本実施例では離型材は配されていない平板に対して押圧加工する点にある。これは、本実施例では、超音波振動で蓄光材溶液を除去するため、予め離型材によって平板が蓄光材溶液をはじくようにしておく必要がないためである。
(蓄光材溶液流入工程)
蓄光材溶液流入工程は、溶液だまりに蓄光材を形成するための蓄光材溶液を前記平板の一面全体に流す工程である。実施例1の場合と異なり、平板に離型材が配されないため、本工程の前に凹部の離型材を除去する工程を設ける必要はなく、溶液だまり形成工程の後に直ちに本工程における処理を行うことができる。なお、平板の周囲にこぼれた蓄光材溶液を収容するための受け皿を用意しておくことが望ましく、これにより周囲にこぼれた蓄光材溶液を回収して再利用することができる点は、実施例1で述べたところと同様である。
(余分除去工程)
余分除去工程は、前記凹凸部が構成された平板の凸部上に残った余分な蓄光材溶液をこの平板に超音波振動を与えて除去する工程である。超音波振動を与える方法としては、公知の超音波発振器を用い、例えば当該発振器の上に平板を載置して超音波振動を平板に伝えるようにすればよい。
超音波は、正常な聴力を持つ人間の耳には聞こえない20kHz/秒以上の振動数を有する音波をいい、指向性が高く、いわば音の束として特定方向に集中して伝搬する性質を有する。本実施例では、この性質を利用して、平板に超音波振動を伝えることで蓄光材溶液を振動で動かして凹部に溜めるものである。すなわち、平板に超音波振動を与えると、凸部に水滴として付着している余分な蓄光材溶液がその振動によってわずかずつ移動し、やがて一部は凹部に落ちる(残りは平板の周囲にこぼれるが回収されて再利用可能となる)。一旦凹部に落ちた蓄光材溶液は再び凸部に移動することはなくそのまま凹部にとどまった状態となる。これは、超音波振動が、凸部の水滴を移動させる程度の衝撃力はあるものの、凹部に溜まっている溶液を移動させる程度の衝撃力は有していなためである。同様に、もともと凹部に溜まっている蓄光材溶液も他に移動することなくそのまま凹部にとどまった状態となる。かくして、超音波振動により、凸部上に残った蓄光材溶液をすべて除去して凹部に溜めるか、平板の周囲にこぼすことが可能となる。
<効果>
本実施例の発明により、蓄光性案内板の凹部に蓄光材溶液を流し込む際に、凹凸を気にすることなく表示板本体の全面にわたって一気に流し込んでも自動的に凸部にかかった蓄光材溶液が除去されるようにすることで、短時間に、しかも確実に的確な案内内容を表示することができる蓄光性表示板の製造方法を、実施例1とは別の方法により提供することが可能となる。
<概要>
本実施例の蓄光性表示板の製造方法は、実施例3と基本的に共通するが、余分除去工程に、凹凸部が構成された平板の凹部に所定の量の蓄光材溶液が残留する程度に傾斜させるサブ工程を含むものである。
<処理の流れ>
(全般)
図8は、本実施例の蓄光性表示板の製造方法における処理の流れの一例を示す図である。本実施例における蓄光性表示板の製造方法は実施例3で述べた蓄光性表示板の製造方法と基本的に共通する。ただし、本実施例の製造方法は、余分除去工程S0804に、傾斜サブ工程S0804aを含む。以下、傾斜サブ工程について順次説明する。その余の工程は実施例3で説明したところと同様であるので、説明を省略する。
(傾斜サブ工程)
傾斜サブ工程は、余分除去工程において、凹凸部が構成された平板の凹部に所定の量の蓄光材溶液が残留する程度に傾斜させる工程である。平板を傾斜させる目的は、凸部上に残った余分な蓄光材溶液の除去をよりスムーズに行うことにある。平板に超音波振動を与えて凸部上に残った余分な蓄光材溶液を除去する場合、平板が水平であっても、凸部上の余分な蓄光材溶液は振動による衝撃で凸部上をランダムに移動し、やがて凹部に落ちるので、最終的にすべての凸部上の蓄光材溶液を除去することができる。しかし、本実施例においては、平板を傾斜させることで、凸部上の蓄光材溶液が、凹部に流れ込みやすいようにすることができるので、より短時間にこの除去作業を行うことが可能となる。
凹部に所定の量の蓄光材溶液が残留する程度に傾斜させるのは、あまり傾けすぎると凹部の蓄光材溶液が大量に流れ出してしまうおそれがあるからである。従って、蓄光材の形成に支障がない程度のわずかな量の蓄光材溶液が流れ出す程度であれば差し支えなく、かかる程度のものは、本実施例にいう「凹部に所定の量の蓄光材溶液が残留する程度」に含まれる。この場合、いったん凹部から流れ出た蓄光材溶液は、他の凹部に流入して溜まるか、平板外に流出するかのいずれであるので、凸部上の余分な蓄光材溶液はすべて除去されることには変わりない。
凹部に所定の量の蓄光材溶液が残留する程度の傾斜として、好適な角度は、0°超5°以下である。
<効果>
本実施例の発明により、蓄光性案内板の凹部に蓄光材溶液を流し込む際に、凹凸を気にすることなく表示板本体の全面にわたって一気に流し込んでも自動的に凸部にかかった蓄光材溶液が除去されて凹部に溜まるようにすることで、短時間に、しかも確実に的確な案内内容を表示することができる蓄光性表示板の製造方法を提供することが可能となる。特に、凸部上の蓄光材溶液の除去をより短時間で行うことが可能となる。

Claims (2)

  1. 金属製の平板を準備する平板準備工程と、
    平板を所定模様の型で押圧加工することで前記模様を凹凸部によって構成する溶液だまりを形成する溶液だまり形成工程と、
    溶液だまりに蓄光材を構成するための蓄光材溶液を前記平板の一面全体に流す蓄光材溶液流入工程と、
    前記凹凸部が構成された平板の凸部上に残った余分な蓄光材溶液をこの平板に超音波振動を与えて除去する余分除去工程と、
    蓄光材溶液を乾燥させて前記蓄光材溶液が残っていた凹部に蓄光材を構成する乾燥工程と、
    を含む蓄光性表示板の製造方法。
  2. 前記余分除去工程は、前記凹凸部が構成された平板の凹部に所定の量の蓄光材溶液が残留する程度に傾斜させる傾斜サブ工程を含む請求項1に記載の蓄光性表示板の製造方法。
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