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JP6324958B2 - 研磨パッド及びその製造方法 - Google Patents
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JP6324958B2 - 研磨パッド及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、研磨パッド及びその製造方法に関する。特に、シリコンウェハの裏面研磨のための研磨パッド及びその製造方法に関する。
半導体デバイスを製造するにあたっては、100ミクロン以下への薄化加工・ストレスリリーフ(ストレスリリーフとは、研削によるウェハ研削面に発生するダメージ除去を意味する)と共に、ゲッタリング層を形成する必要がある(ゲッタリングとは、環境中からコンタミネーションする金属イオンの捕集を意味する)。
従来、ゲッタリング層は、固定砥粒タイプの研磨パッドや研削砥石を用いた乾式研磨により形成されてきた。例えば、特許文献1には、固定砥粒を使用して半導体ウェハの裏面を研磨することにより、金属不純物のゲッタリングサイトとなる歪層を形成することが開示されている。また、特許文献2には、粒径4μm以下のダイヤモンド砥粒をボンド材で固めた研削砥石で半導体デバイスの裏面を研削することによりゲッタリング加工を行う方法が開示されている。特許文献3には、平均粒径が5μm以下の砥粒を分散させた研磨部材でウェハの裏面を研磨することによりゲッタリング層を好適に付与する加工方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1〜3において用いられる研削砥石等は、いずれもスラリーを用いることなく半導体ウェハを研磨(乾式研磨)するものであるため、これらの乾式研磨によるゲッタリング層形成では、研磨時に粉塵が発生してしまうという欠点があった。また、特許文献3の研磨部材を用いる場合には、ゲッタリング形成の前工程で研磨やエッチングを行って、薄化加工・ストレスリリーフをする必要があり、作業効率やコストの点でも問題があった。
一方、乾式研磨法ではなく湿式研磨法に用いる研磨パッドとしては、例えば、特許文献4に、砥粒とアルカリ粒子を発泡ポリウレタンに含有させた研磨パッドが開示されている。該研磨パッドは、研磨液として純水を用いてウェハ裏面にゲッタリング層を形成させている。
しかしながら、特許文献4に記載の研磨パッドは、発泡ポリウレタンからなるものであり、独立気泡を有するため、研磨くず等で目詰まりを起こしやすいという問題があった。また、発泡ポリウレタンに用いる樹脂硬度が高いため、薄化したウェハが割れやすいという欠点を有していた。
特開2005−72150号公報 特開2005−317846号公報 特開2007−242902号公報 特開2010−225987号公報
本発明は、従来技術の上記問題点に鑑みてなされたものであり、シリコンウェハ裏面の研磨(薄化加工、ストレスリリーフ)とゲッタリング層の形成とを行うことができる研磨パッドを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に対し、特に研磨布を利用した研磨パッドについて鋭意検討した結果、研磨布基体に樹脂とシリコンカーバイドを含浸させてなる樹脂含有研磨布を含む研磨パッドにおいて、特定の粒径のシリコンカーバイドを用いることにより、シリコンウェハの裏面を薄化加工・ストレスリリーフするとともに、ゲッタリング層を形成することもできる研磨パッドが得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下を提供する。
<1> 研磨布基体にポリウレタン樹脂及びシリコンカーバイドを含浸させてなる樹脂含有研磨布を含む研磨パッドであって、
前記シリコンカーバイドの粒径(以下、ここで言う粒径とはメジアン径を差す)が0.2〜3.0μmの範囲内であり、且つ
前記シリコンカーバイドが、樹脂含有研磨布中に、研磨布基体100質量部に対して、60〜500質量部の範囲内で含まれる、前記研磨パッド。
<2> 半導体ウェハの裏面を湿式研磨するための、上記<1>に記載の研磨パッド。
<3> ポリウレタン樹脂が、樹脂含有研磨布中に、研磨布基体100質量部に対して、10〜500質量部の範囲内で含まれる、上記<1>又は<2>に記載の研磨パッド。
<4> 研磨布基体が、不織布である、上記<1>〜<3>のいずれかに記載の研磨パッド。
<5> 樹脂含有研磨布における研磨面とは反対側の面に、クッション層が貼り合わされている、上記<1>〜<4>のいずれかに記載の研磨パッド。
<6> ポリウレタン樹脂及びシリコンカーバイドを含むポリウレタン樹脂溶液を調製する工程;
ポリウレタン樹脂溶液を研磨布基体に含浸させる工程、及び
ポリウレタン樹脂溶液を含浸させた研磨布基体を凝固液に浸漬して、ポリウレタン樹脂を凝固させる工程、
を含む、上記<1>〜<5>のいずれか1項に記載の研磨パッドの製造方法。
本発明によれば、シリコンウェハ裏面の研磨とゲッタリング層の形成とを行うことのできる研磨パッドを提供することが出来る。
<<研磨パッド>>
本発明の研磨パッドは、研磨布基体にポリウレタン樹脂及びシリコンカーバイド(SiC)を含浸させてなる樹脂含有研磨布(以下、研磨層と呼ぶことがある。)を含む研磨パッドであって、前記シリコンカーバイドの粒径が0.2〜3.0μmの範囲内であり、且つ、前記シリコンカーバイドが、樹脂含有研磨布中に、研磨布基体100質量部に対して、60〜500質量部の範囲内で含まれることを特徴とする。
(粒径)
本明細書及び特許請求の範囲において、シリコンカーバイドの「粒径」とは、メジアン径を意味する。
本発明の研磨パッドで使用されるシリコンカーバイドは、粒径が0.2〜3.0μmの範囲内である。シリコンカーバイドの粒径は、0.25〜1.5μmが好ましく、0.3〜1.0μmがより好ましく、0.3〜0.8μmがさらにより好ましい。
シリコンカーバイドの粒径が上記範囲内であると、ウェハにダメージを与えることなくシリコン結晶格子の欠陥を形成させ、ゲッタリング性能が十分に得られるゲッタリング層を形成させることができる。
(配合比)
本発明の研磨パッドは、樹脂含有研磨布中に、シリコンカーバイドが、研磨布基体100質量部に対して、60〜500質量部の範囲内で含まれる。シリコンカーバイドは、研磨布基体100質量部に対して、60〜500質量部の範囲内で含まれることが好ましく、80〜400質量部の範囲内で含まれることがより好ましく、90〜350質量部の範囲内で含まれることがさらにより好ましい。
シリコンカーバイドの質量比が上記範囲内であると、シリコン結晶格子の欠陥を十分な密度で形成させることができ、ゲッタリング性能が得られるゲッタリング層を形成させることができる。
本発明の研磨パッドは、樹脂含有研磨布中に、ポリウレタン樹脂が、研磨布基体100質量部に対して、10〜500質量部の範囲内で含まれることが好ましく、30〜300質量部の範囲内で含まれることがより好ましく、80〜250質量部の範囲内で含まれることがさらにより好ましい。
ポリウレタン樹脂の質量比が上記範囲内であると、シリコンカーバイト、繊維が樹脂に抱埋され研磨加工中での脱落が少なく、良好な研磨状態が得られる。
(研磨布基体)
本発明の研磨パッドの製造に用いられる研磨布基体としては、不織布、織物、編み物等が挙げられる。物性調整のしやすさの観点から、不織布であることが好ましい。
不織布としては、特に限定はなく、天然繊維(改質繊維を含む)、合成繊維等から製造される不織布であればよい。例えばポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ビニロン等の合成繊維や、綿、麻等の天然繊維、レーヨン、トリアセテート等の再生セルロール繊維を用いてもよいが、製造工程中でDMF等の有機溶媒や水等の洗浄液を吸収することによる原料繊維の膨潤を防止することや原料繊維の均一性、量産性を考慮すれば、吸水(液)性を有していないポリエステル繊維等の合成繊維を用いることが好ましい。
また、樹脂繊維の繊度は、0.1〜50d(デニール)であることが好ましく、1〜20dであることがより好ましい。樹脂繊維の繊維長は20〜100mmであることが好ましく、30〜80mmであることがより好ましい。
研磨布基体の密度は、0.05〜0.30g/cm3の範囲とすることが好ましく、0.1〜0.25g/cm3の範囲とすることがより好ましい。研磨布基体の密度が上記範囲内であると、ポリウレタン樹脂が繊維に付着しやすく、繊維成分が研磨特性に悪影響を与えることが少ない。
(ポリウレタン樹脂)
本発明の研磨パッドの材料となるポリウレタン樹脂の種類に特に制限はなく、種々のポリウレタン樹脂の中から使用目的に応じて選択することができる。例えば、ポリエステル系、ポリエーテル系、又はポリカーボネート系の樹脂を1種または2種以上用いることできる。
ポリエステル系の樹脂としては、エチレングリコールやブチレングリコール等とアジピン酸等とのポリエステルポリオールと、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート等のジイソシアネートとの重合物が挙げられる。ポリエーテル系の樹脂としては、ポリテトラメチレンエーテルグリコールやポリプロピレングリコール等のポリエーテルポリオールと、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート等のイソシアネートとの重合物が挙げられる。ポリカーボネート系の樹脂としては、ポリカーボネートポリオールと、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート等のイソシアネートとの重合物が挙げられる。これらの樹脂は、DIC(株)製の商品名「クリスボン」や、三洋化成工業(株)製の商品名「サンプレン」、大日精化工業(株)製の商品名「レザミン」など、市場で入手可能な樹脂を用いてもよく、所望の特性を有する樹脂を自ら製造してもよい。
これらの中でも、化学的安定性の高い、ポリエーテル系のポリウレタン樹脂が特に好ましい。
(モジュラス)
ポリウレタン樹脂は、3〜70MPaの樹脂モジュラスを有することが好ましく、25〜60MPaであることがより好ましい。樹脂モジュラスが上記範囲内であると、シリコンカーバイトの保持性に優れ、且つ、樹脂の自己崩壊性により研磨特性が安定する。
樹脂モジュラスとは、樹脂の硬さを表す指標であり、無発泡の樹脂シートを100%伸ばしたとき(元の長さの2倍に伸ばしたとき)に掛かる荷重を断面積で割った値である(以下、100%モジュラスと呼ぶことがある。)。この値が高い程、硬い樹脂である事を意味する。
(他の成分)
本発明の研磨パッドにおける樹脂含有研磨布は、本発明の効果を妨げない限り、上記成分以外の他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、高級アルコール、ポリエーテル系誘導体、脂肪酸、脂肪酸塩、セルロース誘導体、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、パラフィン、有機シリコーン、カーボン、有機顔料、無機顔料、酸化防止剤などが挙げられる。他の成分は、研磨布中に、研磨布基体100質量部に対して、20質量部以下の割合で含まれることが好ましく、5質量部以下の割合で含まれることがより好ましい。
<研磨パッドの物性>
(密度)
本発明の研磨パッドは、ポリウレタン樹脂及びシリコンカーバイドを含浸させてなる樹脂含有研磨布の密度が、0.20〜1.00g/cm3の範囲とすることが好ましく、0.30〜0.65g/cm3の範囲とすることがより好ましい。樹脂含有研磨布の密度が上記範囲内であると、好適な研磨材物性が得られ、研磨加工においてパッドの磨耗が抑えられ、良好な研磨特性が持続する。
(A硬度)
本明細書及び特許請求の範囲において、A硬度とは、JIS K7311に準じて測定した値を意味する。
本発明の研磨パッドは、樹脂含有研磨布のA硬度が、50〜85度であることが好ましく、60〜80度であることがより好ましい。A硬度が上記の範囲内であると、適度に硬質であるためキズがつきやすく、研磨ムラやチッピングの発生も低減することができる。
(圧縮率)
本明細書及び特許請求の範囲において、圧縮率とは、研磨パッドの軟らかさの指標である。
圧縮率は、日本工業規格(JIS L 1021)に従い、ショッパー型厚さ測定器(加圧面:直径1cmの円形)を使用して求めることが出来る。具体的には、以下の通りである。
無荷重状態から初荷重を30秒間かけた後の厚さt0を測定し、次に、厚さt0の状態から最終荷重を5分間かけた後の厚さt1を測定する。圧縮率は、圧縮率(%)=100×(t0−t1)/t0の式で算出することができる(なお、初荷重は100g/cm2、最終荷重は1120g/cm2である)。
本発明の研磨パッドは、圧縮率(%)が、0.5〜20%であることが好ましく、1.0〜11.0%であることがより好ましい。圧縮率が上記範囲内であると、ウェハへの研磨パッドの接触が安定し、良好な研磨特性が得られる。
(圧縮弾性率)
本明細書及び特許請求の範囲において、圧縮弾性率とは、研磨パッドの圧縮変形に対する戻りやすさの指標である。
圧縮弾性率は、日本工業規格(JIS L 1021)に従い、ショッパー型厚さ測定器(加圧面:直径1cmの円形)を使用して求めることが出来る。具体的には、以下の通りである。
無荷重状態から初荷重を30秒間かけた後の厚さt0を測定し、次に、厚さt0の状態から最終荷重を5分間かけた後の厚さt1を測定する。次に、厚さt1の状態から全ての荷重を除き、5分間放置(無荷重状態とした)後、再び初荷重を30秒間かけた後の厚さt0’を測定する。圧縮弾性率は、圧縮弾性率(%)=100×(t0’−t1)/(t0−t1)の式で算出することが出来る(なお、初荷重は100g/cm2、最終荷重は1120g/cm2である)。
本発明の研磨パッドは、圧縮弾性率(%)が、20〜100%であることが好ましく、40〜90%であることがより好ましい。圧縮弾性率が上記範囲内であると、研磨負荷によるパッドの変形を低減させ、研磨特性の安定した状態を保つことができる。
(厚み)
本発明の研磨パッドにおける樹脂含有研磨布の厚みに特に制限はなく、例えば、0.5〜10.0mm程度にすることができる。
<<その他の層>>
本発明の研磨パッドは、被研磨物を研磨する面(研磨面)とは反対側の面に他の層(下層、支持層)を貼り合わせてもよい。他の層の種類は特に限定されず、例えばクッション層を貼り合わせることができる。
本明細書及び特許請求の範囲において、クッション層とは、研磨層よりもA硬度が同等か若しくは小さい層を意味する。クッション層を設けることで、定盤の硬さや平坦性の影響が緩和され、ワークと研磨面の当たりムラを防止することができる。したがって、研磨パッドの耐用期間を延ばし、チッピング(ワーク周辺部の欠け)を防止することができる。
クッション層の材料としては、樹脂含浸不織布、合成ゴム、ポリエチレンフォーム、ポリウレタンフォーム等を用いることができる。
クッション層の厚みについては特に限定するものはないが、好ましくは、0.1〜10mmが好ましく、より好ましくは0.5〜3mm程度が研磨機構の機械的制約をうけず、且つ、研磨定盤の影響を十分に小さくできる。
研磨パッドが複層構造を形成する場合には、複数の層同士を両面テープや接着剤などを用いて、必要により加圧しながら接着・固定すればよい。この際用いられる両面テープや接着剤に特に制限はなく、当技術分野において公知の両面テープや接着剤の中から任意に選択して使用することが出来る。
(用途)
本発明の研磨パッドは、対象物(被研磨物)を湿式研磨するための研磨パッドとして好適に用いることができる。本明細書及び特許請求の範囲において、湿式研磨とは、スラリーや水等を用いて研磨加工を行う研磨方法であり、スラリーや水等を用いることなく研磨パッドを対象物(被研磨物)に直接接触させて研磨加工を行う乾式研磨とは明確に区別される。
本発明の研磨パッドは、シリコンウェハ、SiC、GaAs、GaNなどの半導体ウェハ、サファイヤなどの化合物系ウェハの裏面(ここで、裏面とは、ウェハにおける半導体素子が形成される面とは反対側の面を意味する。)を湿式研磨するための研磨パッドとして特に好適に用いることができる。
本発明で使用するシリコンカーバイドは、非常にハンドリング性が悪い(機械研磨性が高い、分散性が悪い、沈降速度が速い、廃液処理が困難である)。したがって、例えば、従来の研磨パッドにシリコンカーバイドを砥粒として含むスラリーを滴下して半導体ウェハ裏面にゲッタリングを形成する場合、機械負荷を高めてシリコンカーバイドの分散性を向上させる必要がある。しかしながら、機械負荷を高めると、スラリーが管などを通って研磨パッド表面に運ばれるまでの間にシリコンカーバイドが管などの機械表面を研磨してしまい、装置摩耗によるコンタミが生じる。また、シリコンカーバイド沈降速度が速いため、取扱い自体が困難という問題もある。
発泡ポリウレタンタイプの研磨パッドにシリコンカーバイドを内添させた場合にも、同様の問題が生じる。すなわち、発泡ポリウレタンタイプの研磨パッドでは、シリコンカーバイドを高粘度樹脂と混合しなければならないため、シリコンカーバイドの分散性が更に悪くなる。したがって、分散性を高めるために機械負荷を上げることになり、シリコンカーバイドによる機械摩耗が発生しやすくなる。その結果、研磨パッド中にコンタミが発生し、研磨及びゲッタリング形成に悪影響を及ぼす。
一方、本発明の研磨パッドでは、シリコンカーバイドが研磨布中に含まれているため、シリコンカーバイドをスラリー中で用いる場合の問題が生じない。すなわち、本発明の研磨パッドは、樹脂溶液中にシリコンカーバイドを分散させた上で研磨布基体に該樹脂溶液を含浸するため、機械負荷を上げなくとも均一に分散させることができる。その結果、装置摩耗によるコンタミも少ない。シリコンカーバイドの沈降速度を考慮する必要もない。さらには、自己崩壊性があるため、ドレッサーでコンディショニングすることにより、研磨面を再生することができ、本発明の効果を長期間持続させることができる。
本発明の研磨パッドは、好ましくは下記の方法により製造することができる。
<<研磨パッドの製造方法>>
本発明の研磨パッドの製造方法は、ポリウレタン樹脂及びシリコンカーバイドを含むポリウレタン樹脂溶液を調製する工程;ポリウレタン樹脂溶液を研磨布基体に含浸させる工程;及びポリウレタン樹脂溶液を含浸させた研磨布基体を凝固液に浸漬して、ポリウレタン樹脂を凝固させる工程を含むことを特徴とする。また、前記シリコンカーバイドの粒径は、好ましくは0.2〜3.0μmの範囲内である。
<樹脂溶液の調製工程>
本調製工程において、ポリウレタン樹脂及びシリコンカーバイドを含むポリウレタン樹脂溶液を調製する。原料となる樹脂としては、上記<<研磨パッド>>の項で記載した樹脂を使用することができる。また、樹脂を溶解させる溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトン、アセトニトリル、N−メチルピロリドン(NMP)等及びこれらの混合物が挙げられる。これらの中でも、DMFが好ましい。
シリコンカーバイドは、樹脂を溶媒に溶解させる前の溶媒に添加してもよく、樹脂を溶媒に溶解させた後に添加してもよい。このようにすることによりシリコンカーバイドは凝集することなく樹脂溶液中に均一に分散させることが出来る。
溶媒に添加するポリウレタン樹脂の量は、溶媒100質量部に対して10〜100質量部が好ましく、10〜30質量部がより好ましい。
溶媒に添加するシリコンカーバイドの量は、溶媒100質量部に対して10〜100質量部が好ましく、20〜70質量部がより好ましい。
<含浸工程>
次に、研磨布基体を用意し、該研磨布基体をポリウレタン樹脂溶液に浸漬する。研磨布基体にポリウレタン樹脂溶液が十分に染み込む限り、浸漬処理時の温度や時間に特に制限はなく、例えば、5〜40℃程度で1〜30分程度浸漬すればよい。
<凝固工程>
次に、湿式凝固法により、ポリウレタン樹脂を凝固させる。
湿式凝固法とは、不織布等の研磨布基体を樹脂溶液に含浸させ、含浸後の研磨布基体を樹脂に対して貧溶媒である水を主成分とする水系凝固液に浸漬することで樹脂を凝固再生させることにより行う方法である。凝固液中では、不織布の繊維に付着している樹脂溶液の表面で樹脂溶液の溶媒(例えばDMF)と凝固液との置換の進行により樹脂が繊維の表面に凝固再生される。
凝固液としては、水、水とDMF等の極性溶媒との混合溶液などが用いられる。中でも、水又は水とDMF等の極性溶媒との混合溶液が好ましい。極性溶媒としては、水混和性の有機溶媒、例えばDMF、DMAc、THF、DMSO、NMP、アセトン、IPA(イソプロピルアルコール)、エタノール、メタノールなどが挙げられる。また、混合溶媒中の極性溶媒の濃度は0.5〜60質量%が好ましい。
凝固液の温度や浸漬時間に特に制限はなく、例えば10〜50℃で30〜1440分間浸漬すればよい。
本発明の製造方法により得られる研磨パッドは、研磨布基体に樹脂を含浸させて、湿式凝固させているため、クッション性を具備しており、研磨時に半導体ウェハの破損を防止することができる。
<洗浄乾燥工程>
凝固浴処理により凝固させて得られた研磨布基体を、洗浄し、乾燥させる。
洗浄処理により、ポリウレタン樹脂溶液中に残留する溶媒が除去される。洗浄に用いられる洗浄液としては、水が挙げられる。
洗浄後、ポリウレタン樹脂を乾燥処理する。乾燥処理は従来行われている方法で行えばよく、例えば60〜120℃で10〜500分程度乾燥機内で乾燥させればよい。上記の工程を経て、樹脂含有研磨布(研磨層)を得ることができる。
また、前記乾燥後、樹脂含有研磨布の片面又は両面にバフ処理又はスライス処理工程を行ってもよい。
<<半導体ウェハの研磨(ゲッタリング層形成)>>
本発明の研磨パッドによる半導体ウェハの裏面研磨及びゲッタリング層形成は、例えば、研磨装置に本発明の研磨パッド及び半導体ウェハをそれぞれセットし、研磨剤を研磨パッドに滴下しつつ、半導体ウェハを研磨パッドに押し付けながら半導体ウェハを研磨することにより、1工程でまとめて行うことができる。研磨剤としては、コロイダルシリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、ダイヤモンド、窒化ホウ素、炭化ケイ素などの分散液を用いることができる。
また、上記の方法の他に、コロイダルシリカ、アルミナなどの研磨剤及び本発明の研磨パッドを用いて薄化及びストレスリリーフを行った後、研磨剤を水などに変更してゲッタリング層を形成させることもできる。この方法では、1種類の研磨パッドを用いて、半導体ウェハの裏面研磨及びゲッタリング層形成を連続的に行うことが出来る。
以下の工程により研磨パッドを製造した。
<<研磨パッドの製造>>
以下の工程により比較例1及び実施例1〜5及び比較例1〜3の研磨パッドを製造した。
<I.研磨層の製造>
(1) 不織布(繊維名:ポリエステル、繊度:3d、繊維長:51mm)(密度:0.104g/cm3)を準備した。
(2) DMFに熱可塑性ポリエーテル系ポリウレタン樹脂(100%モジュラス:47MPa)を溶解させた溶液に砥粒としてSiCを加えた砥粒含有ポリウレタン樹脂溶液を準備した。なお、実施例1〜5及び比較例1〜3において、使用した樹脂溶液のDMF、ポリウレタン樹脂、SiCの質量比は表1、2の通りである。
(3) 上記(1)の不織布に(2)の砥粒含有ポリウレタン樹脂溶液を25℃で3分間含浸した。その後、凝固液として水を用いて、18℃で60分間湿式凝固した後、洗浄・乾燥し、研磨層を得た。
Figure 0006324958
Figure 0006324958
<II.クッション層の製造>
(1) 不織布(繊維名:ポリエステル)(繊度:3d、繊維長:51mm、密度:0.217g/cm3)を準備した。
(2) DMFに熱可塑性ポリエーテル系ポリウレタン樹脂(100%モジュラス:9MPa)を溶解させた溶液を準備した。
(3) (1)の不織布に(2)のポリウレタン樹脂溶液を含浸し、湿式凝固させた後、洗浄・乾燥させた後、所望の厚さを得るためにバフィング処理を行ってクッション層を製造した。
得られたクッション層は、繊維量:樹脂量が67.8:32.2、厚さ1mm、密度0.320g/cm3、A硬度51度であった。
<III.研磨パッドの製造>
(1)クッション層なし研磨パッド(実施例1〜4及び比較例1〜3)
前記Iで得られた研磨層の片面に両面テープを貼付し、実施例1〜4及び比較例1〜3の研磨パッドとした。
(2)クッション層付き研磨パッド(実施例5)
前記I、IIで得られた研磨層とクッション層を積層して両面テープで固定し、クッション層の研磨層と接着している面とは反対側の面に両面テープを貼付し、実施例5の研磨パッドとした。
このようにして実施例1〜5及び比較例1〜3の研磨パッドを得た。各実施例及び比較例における研磨層のSiC砥粒の粒度及び粒径、各成分の質量割合、並びに厚さを、表5〜6に示す。
<<物性>>
実施例1〜5及び比較例1〜3の研磨パッドについて、密度、A硬度、圧縮率、圧縮弾性率、厚さを表5〜6に示す。なお、実施例5の圧縮率及び圧縮弾性率については、研磨層とクッション層とが貼り合わされた状態で測定した。それ以外については、研磨層単独の各物性値を測定した。
(密度g/cm3
所定サイズの大きさに切り出した資料の重量(g)を測定し、サイズから体積(cm3)を求めることにより算出した。
(A硬度)
A硬度は、JIS K7311に準じて測定した。
(圧縮率%)
JIS L1021に準じて測定算出した。
なお、初荷重は100g/cm2、最終荷重を1120g/cm2とした。
(圧縮弾性率%)
JIS L1021に準じて測定算出した。
なお、初荷重は100g/cm2、最終荷重を1120g/cm2とした。
(厚さ)
日本工業規格(JIS K6505)に記載された厚さ測定方法に準じて、研磨パッドの厚さを測定した。すなわち、研磨パッドに厚さ方向に初加重として480g/cm2の荷重をかけたときの研磨パッドの厚さを測定した。研磨パッドを縦10cm×横10cmの3ピースに切り分け、1ピースに付き四隅および中心部の厚みをダイヤルゲージを使用して計測し5点の平均値を1ピースの厚みとした。研磨パッドの平均厚みは、3ピースについてそれぞれ測定した厚みの平均値とした。
<<評価>>
実施例1〜5及び比較例1〜3の研磨パッドを用いて、以下の研磨方法にて研磨を用い、研磨レート、キズ密度及び欠陥キズの有無を評価した。その結果を表5〜6に示す。
(研磨方法)
研磨装置(不二越機械工業株式会社製:MCP−150X)にシリコンウェハ、研磨パッドをセットし、研磨剤を研磨パッドに滴下しながら研磨した。
研磨剤はCONPOL80(株式会社フジミインコーポレーテッド製)と水を3:7で混合したものを用い1分間に200mlを研磨パッドに滴下した。定盤の回転速度は80rpmとした。加圧ヘッドによりシリコンウェハを研磨パッドに押し付ける圧力は300g/cm2とした。なお、シリコンウェハは6インチ(直径152.4mm)を使用し、研磨時間は10分間であった。
次にパッド表面を♯200のダイヤモンドドレッサーにてパッド表面を軽くドレッシングし、純水を用い1分間に200ml研磨パッドに滴下した。上記と同条件にて処理しゲッタリング層の形成を行った。
なお、より均一なゲッタリング層を付与するために前記の通り純水での研磨を行ったが、要求されるゲッタリング層の程度により前記純水による研磨を省略しても良い。
(研磨レート)
分析用電子天秤(株式会社エーアンドディー製 GH−300)を使用し、研磨前後のシリコンウェハの質量の差を計測し、その値をSi密度(g/cm3)と表面積(cm2)の積で除して、さらに値をμmに直した後、研磨時間で除して研磨レート(μm/min)を算出し、下記表3の基準に従って評価した。
Figure 0006324958
(キズ密度及び欠陥キズの有無)
研磨後のシリコンウェハの表面を光学顕微鏡(暗視野検鏡 倍率200倍)で下記表4の基準に従って目視判定した。
なお、ゲッタリング層が付与されたウェハは、通常鏡面に見えるがウェハに光を当てることによってキズが確認されるが、欠陥キズは光を当てなくとも確認されるものである。したがって、キズ密度におけるキズは、光を当てることによって確認できるキズを意味しており、欠陥キズは、光を当てずに確認できるキズを意味している。
Figure 0006324958
Figure 0006324958
Figure 0006324958
表5及び表6から明らかなように、シリコンカーバイドを不織布100質量部に対して60〜500質量部の割合で含まない場合には、研磨レートが低く、ゲッタリング層に適するほどのキズ密度が認められなかった(比較例2〜3)。また、シリコンカーバイドを不織布100質量部に対して60〜500質量部の割合で含む場合でも、粒径0.2〜3.0μmの範囲外であると、欠陥キズが発生した(比較例1)。
一方、粒径0.2〜3.0μmのシリコンカーバイドを不織布100質量部に対して60〜500質量部の割合で含む本発明の研磨パッドは、研磨レートが高く、ゲッタリング層に適したキズ密度が認められた。また、欠陥キズも存在しなかった(実施例1〜5)。
本発明によれば、シリコンウェハ裏面の研磨とゲッタリング層の形成とを行うことのできる研磨パッドを提供することができる。したがって、産業上、極めて有用である。

Claims (7)

  1. 半導体ウェハの裏面にゲッタリング層を形成させるための研磨パッドであって、
    前記研磨パッドが、研磨布基体にポリウレタン樹脂及びシリコンカーバイドを含浸させてなる樹脂含有研磨布を含み、
    前記シリコンカーバイドの粒径が0.2〜3.0μmの範囲内であり、且つ
    前記シリコンカーバイドが、樹脂含有研磨布中に、研磨布基体100質量部に対して、60〜500質量部の範囲内で含まれる、前記研磨パッド。
  2. 前記シリコンカーバイドの粒径が、0.2〜2.0μmの範囲内である、請求項1に記載の研磨パッド。
  3. 半導体ウェハの裏面を湿式研磨することによりゲッタリング層を形成させる、請求項1又は2に記載の研磨パッド。
  4. ポリウレタン樹脂が、樹脂含有研磨布中に、研磨布基体100質量部に対して、10〜500質量部の範囲内で含まれる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の研磨パッド。
  5. 研磨布基体が、不織布である、請求項1〜のいずれか1項に記載の研磨パッド。
  6. 樹脂含有研磨布における研磨面とは反対側の面に、クッション層が貼り合わされている、請求項1〜のいずれか1項に記載の研磨パッド。
  7. ポリウレタン樹脂及びシリコンカーバイドを含むポリウレタン樹脂溶液を調製する工程;
    ポリウレタン樹脂溶液を研磨布基体に含浸させる工程、及び
    ポリウレタン樹脂溶液を含浸させた研磨布基体を凝固液に浸漬して、ポリウレタン樹脂を凝固させる工程、
    を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の研磨パッドの製造方法。
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