JP6325776B2 - 電子部品加工用粘着シートおよび半導体装置の製造方法 - Google Patents
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〔1〕基材と、その片面に設けられた粘着剤層とからなる電子部品加工用粘着シートであって、
粘着剤層が、シリコーン系粘着剤からなり、
粘着剤層上に半導体ウエハまたはチップを保持した状態で、電子部品加工用粘着シートと半導体ウエハまたはチップとの積層物を有機溶剤に接触させる工程に用いる電子部品加工用粘着シート。
本発明における粘着剤層は、シリコーン系粘着剤からなる。シリコーン系粘着剤は、被着体であるウエハやチップを十分な粘着性で保持し、剥離時は粘着剤を被着体に残着することなく剥離することができ、しかも耐溶剤性が高い。このため、シリコーン系粘着剤層を備えた本発明の電子部品加工用粘着シートによれば、粘着剤層が有機溶剤に接触しても、粘着力が低下することなく、被着体を保持することができる。
基材は、特に限定はされず、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)フィルム、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム、高密度ポリエチレン(HDPE)フィルム等のポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、ポリイミドフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、フッ素樹脂フィルム、およびその水添加物または変性物等からなるフィルムが用いられる。またこれらの架橋フィルムも用いられる。上記の基材は1種単独でもよいし、さらにこれらを2種類以上組み合わせた積層フィルムであってもよい。
基材の厚みは、好ましくは280μm以下、より好ましくは25〜250μmである。特に、基材をポリエステル系フィルムのみで構成する場合、その厚みは好ましくは20〜200μm、より好ましくは25〜110μm、特に好ましくは50〜90μmの範囲にある。また、基材をポリプロピレンフィルムのみで構成する場合、その厚みは好ましくは120μm以上、より好ましくは130〜200μmの範囲にある。また、基材をポリメチルペンテンフィルムのみで構成する場合、その厚みは好ましくは35〜250μm、より好ましくは60〜200μmの範囲にある。また、基材をポリイミドフィルムのみで構成する場合、その厚みは好ましくは10〜100μm、より好ましくは15〜75μmの範囲にある。基材の厚みが大きいと、基材の曲げに対抗する力が大きくなり、ピックアップ時の剥離角度が大きくなりにくい。このため、ピックアップに要する力が増加し、ピックアップ性に劣る場合がある。基材の厚みが小さい場合には、材料によっては製膜が困難となる場合がある。
なお、基材として、耐有機溶剤性フィルムとそれ以外のフィルムとの積層フィルムを用いる場合には、耐有機溶剤性フィルムを最外層となるように構成し、耐有機溶剤性フィルムと反対側の基材面に粘着剤層を形成することが好ましい。このような構成とすることで、耐有機溶剤性の高い粘着剤層と基材の耐有機溶剤性フィルムが露出し、有機溶剤との接触に起因した粘着シートの粘着力の低下や粘着シートの変形を抑制できる。
ヤング率の変化率(%)=(A−B)/A×100
また、SP値が9(cal/cm3)1/2以上である有機溶剤およびSP値が9(cal/cm3)1/2未満である有機溶剤は、後述する半導体装置の製造方法において例示するものと同じである。
本発明に係る電子部品加工用粘着シートは、ウエハを個片化する際にウエハおよび生成するチップを保持するために用いられるダイシングシート、あるいは個片化されたチップ群が転写され、その後にチップをピックアップするために用いられるピックアップシートとして好ましく用いられる。チップはダイシングシートやピックアップシートから剥離された後、常法にしたがって、回路基板等に組み込まれ、半導体装置が得られる。
有機溶剤に浸漬後における基材のヤング率の変化率は、有機溶剤に浸漬前の基材のヤング率Aと、有機溶剤に浸漬後の基材のヤング率Bとから、下記式により算出した。なお、基材のヤング率は、万能引張試験機(オリエンテック社製テンシロンRTA−T−2M)を用いて、JIS K7161:1994に準拠して、23℃、湿度50%の環境下において引張速度200mm/分で測定した。なお、有機溶剤の種類及び浸漬条件は、表1に記載の通りである。
ヤング率の変化率(%)=(A−B)/A×100
実施例および比較例で作成した粘着シートの粘着剤層上に片面がミラー研磨(♯2000)されたシリコンウエハ(直径8インチ、厚み50μm)のミラー面を貼付(23℃、貼付圧0.3MPa、貼付速度5mm/秒)した。粘着シートの外周部にリングフレーム(RF)を同条件で貼付した。リングフレーム、シリコンウエハおよび粘着シートの積層体を、表1に記載の有機溶剤に、表1に記載の浸漬条件で浸漬した。なお、N−メチルピロリドンのSP値は、11.2(cal/cm3)1/2、d−リモネンのSP値は8.2(cal/cm3)1/2および1−ドデセンのSP値は7.9(cal/cm3)1/2である。
粘着シートを25mmの幅に裁断して試料とし、23℃、相対湿度50%の環境下で、0.3MPaの圧力でミラー研磨されたシリコンウエハのミラー面に貼付した。次いで、表1に記載の有機溶剤に、表1に記載の浸漬条件で浸漬した。浸漬の前後で、23℃、相対湿度50%の環境下にて、引張速度300mm/分で粘着力を測定した。シリコンウエハが脱落し、粘着力を測定できなかった場合は「測定不能」とした。
〔粘着シートの作製〕
基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム、50μm厚)に、シリコーン系粘着剤を、乾燥後の厚みが10μmとなるように塗布・乾燥(乾燥条件:100℃、1分間)して、粘着シートを得、各評価を行った。結果を表1に示す。なお、シリコーン系粘着剤としては、シリコーン系粘着剤(SD−4587L)40質量部に、プライマー(BY−24−712)1.5質量部及び触媒(CAT−SRX−212)0.65質量部を加えたものを用いた(すべて東レ・ダウコーニング社製)。
〔粘着剤組成物の作製〕
ブチルアクリレート/2−ヒドロキシエチルアクリレート=85/15(質量比)を反応させて得られたアクリル系重合体と、該アクリル系重合体100g当たり16.1g(アクリル系重合体の2−ヒドロキシエチルアクリレート単位100モル当たり80モル)のメタクリロイルオキシエチルイソシアネート(MOI)とを反応させて得られたエネルギー線硬化性重合体(重量平均分子量:60万)100質量部、光重合開始剤(α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製 イルガキュア184))3質量部、及び、架橋剤(TDI−TMP トルエンジイソシアネートとトリメチロールプロパントリアクリレートとの付加物)0.1質量部を溶媒中で混合し、粘着剤組成物を得た。なお、重量平均分子量は、市販の分子量測定機(本体製品名「HLC−8220GPC」、東ソー(株)製;カラム製品名「TSKGel SuperHZM-M」、東ソー(株)製;展開溶媒 テトラヒドロフラン)を用いて得た値である(以下、同様。)。また、質量部数は溶媒希釈された荷姿のものであっても、すべて固形分換算の値である(以下、同様。)。
剥離フィルム(リンテック社製 SP−PET3811)に、上記粘着剤層組成物を、乾燥後の厚みが10μmとなるように塗布・乾燥(乾燥条件:100℃、1分間)して、剥離フィルム上に形成された粘着剤層を得た。次いで、粘着剤層と基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム、50μm厚)とを貼り合わせて、粘着シートを得、各評価を行った。結果を表1に示す。
Claims (8)
- 基材と、その片面に設けられた粘着剤層とからなる電子部品加工用粘着シートであって、
粘着剤層が、シリコーン系粘着剤からなり、
粘着剤層上に半導体ウエハまたはチップを保持した状態で、電子部品加工用粘着シートと半導体ウエハまたはチップとの積層物を、N−メチルピロリドン、d−リモネンおよび1−ドデセンからなる群から選択される少なくとも1種の有機溶剤に接触させる工程に用いられ、
(i)SP値が9(cal/cm3)1/2以上であり、80℃の有機溶剤に1分間浸漬させた後における基材のヤング率の変化率が8%以下であるか、または(ii)SP値が9(cal/cm3)1/2未満であり、25℃の有機溶剤に24時間浸漬させた後における基材のヤング率の変化率が8%以下である、電子部品加工用粘着シート。 - 基材が、ポリエステル系フィルムである請求項1に記載の電子部品加工用粘着シート。
- 請求項1または2に記載の電子部品加工用粘着シート上に半導体ウエハを保持した状態で、該粘着シートとウエハとの積層物を、N−メチルピロリドン、d−リモネンおよび1−ドデセンからなる群から選択される少なくとも1種の有機溶剤に接触させる工程を含む、半導体装置の製造方法。
- 接触工程が接着剤、または接着剤および支持体の除去工程である請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
- 半導体ウエハが、突起状電極が設けられたウエハである請求項3または4に記載の半導体装置の製造方法。
- 請求項1または2に記載の電子部品加工用粘着シート上に半導体チップを保持した状態で、該粘着シートとチップとの積層物を、N−メチルピロリドン、d−リモネンおよび1−ドデセンからなる群から選択される少なくとも1種の有機溶剤に接触させる工程を含む、半導体装置の製造方法。
- 接触工程が接着剤、または接着剤および支持体の除去工程である請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
- 半導体チップが、突起状電極が設けられたチップである請求項6または7に記載の半導体装置の製造方法。
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