次に、図面を参照しながら本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明による受電装置10を含む給電システム1の概略構成図であり、図2は、受電装置10を示す部分断面図である。図1に示す給電システム1は、図示しないエンジンEGや電動機MG、バッテリ200を搭載したハイブリッド自動車である車両100に搭載される受電装置10に加えて、駐車場等の車両の停車スペースに設置される送電装置20を含むものである。
受電装置10は、図1に示すように、巻回型の受電コイル11や、コア部材110、受電コイル11に直列に接続されて当該受電コイル11と共に共振回路を構成するコンデンサ12、これらを収容する例えば樹脂製の筐体15等を有する。また、受電装置10は、通信アンテナ104と、図示しないCPU等を含むマイクロコンピュータとして構成されると共に通信アンテナ104を介して送電装置20側に指令信号を出力する充電制御装置(電子制御装置)105とを含む。通信アンテナ104および充電制御装置105は、筐体15の内部には配置されず、車両100の予め定められた搭載位置に配置される。
受電コイル11は、巻き線を同一平面上で例えば正方形状に巻回することにより形成された平板状の渦巻きコイルであり、巻き線により囲まれた空芯部11cを有する。ただし、受電コイル11は、巻き線を同一平面上で円形状あるいは長方形状に巻回することにより形成されたものであってもよく、比較的低背なものであれば、巻き線を螺旋状に巻回することにより形成された螺旋状コイルであってもよい。
コア部材110は、本実施形態ではフェライト等の強磁性体により形成された複数の部材により構成され、図2に示すように、例えば正方形状の平面形状(輪郭)を有するフランジ状の平板部111と、平板部111の略中央部から一側(図2における上側)に突出する中空の突出部112とを有する。本実施形態において、コア部材110の突出部112は、有蓋筒状に形成され、例えば角筒状かつ短尺(低背)の壁部113と、当該壁部113の先端を塞ぐ平板状の天板部114とを有する。また、コア部材110の平板部111は、突出部112(壁部113)の基端部から壁部113と垂直かつ外方(径方向外側)に延在する。更に、コア部材110の平板部111には、突出部112を包囲するように受電コイル11が固定される。
すなわち、コア部材110は、平板部111や天板部114が巻き線の巻回軸と直交(交差)するように受電コイル11に固定される。また、コア部材110の突出部112は、受電コイル11の空芯部11c内に挿入され、受電コイル11の巻き線は、突出部112(壁部113)の外周面に沿って延びる。更に、コア部材110の突出部112内には、コンデンサ12が配置され、当該コンデンサ12は、天板部114の裏面(図2における上面)に固定される。本実施形態において、受電コイル11、コア部材110、コンデンサ12は、1体のアセンブリとして組み立てられる。ただし、コンデンサ12は、当該アセンブリから別体化されて筐体15に固定されてもよい。
受電装置10の筐体15は、何れも樹脂により形成されたベース部材151およびカバー152を含む。ベース部材151は、平板状に形成されており、例えば正方形状の平面形状(輪郭)を有する。カバー152は、正方形状の平面形状(輪郭)を有する天板部153と、互いに対向するように天板部153の周縁部に沿って延びる一対の側壁部154xと、それぞれ側壁部154xと直交するように天板部153の周縁部に沿って延びる一対の側壁部154yとを有する(図3参照)。カバー152は、側壁部154xおよび154yの端面がベース部材151の表面(図2における上面)と当接するように当該ベース部材151に固定される。これにより、ベース部材151とカバー152とにより、受電コイル11やコア部材110、コンデンサ12等の収容空間が画成される。本実施形態において、受電コイル11およびコア部材110は、コア部材110の長手方向がベース部材151の長手方向と平行に延在するように筐体15内に収容される。なお、筐体15は、受電コイル11やコンデンサ12等に対してモールド成形されてもよい。
図3に示すように、カバー152の各側壁部154xからは、図示しないボルトを介して車両100の金属製のフロアパネル101に固定される取付フランジ部155が延出されている。本実施形態において、受電装置10は、受電コイル11(巻き線)の巻回軸(空芯部11cの中心軸)が車両100の上下方向に延在すると共に、筐体15(カバー152)の側壁部154xが車両100の前後方向と平行に延在するように、当該車両100のフロアパネル101に取り付けられる。また、筐体15のカバー152の天板部153は、ベース部材151よりもフロアパネル101に近接し、受電コイル11は、コア部材110の平板部111よりも路面に近接するように筐体15内に収容される。
また、受電装置10の筐体15の内部には、図4に示すように、受電コイル11の周囲に位置するように前側金属片14fおよび後側金属片14rが配置される。前側金属片14fおよび後側金属片14rは、例えばアルミニウムや銅といった高い導電率を有する非磁性金属により例えば10〜15mm角の正方形状の平面形状を有するように形成される。図4に示すように、前側金属片14fは、筐体15の車幅方向における中央部かつ車両100の前部側の側壁部154yとそれに対向するコア部材110の周縁部111yとの間に配置され、受電コイル11よりも車両100の前部側に位置する。本実施形態において、前側金属片14fは、車両100のフロアパネル101に近接するようにカバー152の天板部153の内面に固定(貼着)される。更に、筐体15には、前側金属片14fに対する受電コイル11の銅損や鉄損による熱の干渉を抑制するために、前側金属片14fとコア部材110の周縁部111y(受電コイル11)との間に位置するように隔壁157が設けられる。
後側金属片14rは、図4に示すように、筐体15の車幅方向における中央部かつ車両100の後部側の側壁部154yとそれに対向するコア部材110の周縁部111yとの間に配置され、受電コイルよりも車両100の後部側に位置する。本実施形態において、後側金属片14rも、車両100のフロアパネル101に近接するようにカバー152の天板部153の内面に固定(貼着)される。更に、筐体15には、受電コイル11の銅損や鉄損による熱の干渉を抑制するために、後側金属片14rとコア部材110の周縁部111y(受電コイル11)との間に位置するように隔壁157が設けられる。なお、隔壁157は、図2に示すようにカバー152から延出されてもよく、ベース部材151から延出されてもよい。
また、筐体15内には、前側温度センサ16fおよび後側温度センサ16rが設置される。前側温度センサ16fは、前側金属片14fの温度を検出し、後側温度センサ16rは、後側金属片14rの温度を検出する。前側温度センサ16fおよび後側温度センサ16rは、それぞれワイヤーハーネス19を介して充電制御装置105に接続され、両者の検出値は、充電制御装置105に与えられる。なお、筐体15が受電コイル11やコンデンサ12等に対してモールド成形される場合には、前側金属片14fおよび後側金属片14r並びに前側温度センサ16fおよび後側温度センサ16rは、筐体15内に埋設されてもよい。この場合、前側金属片14fと受電コイル11との間および後側金属片14rと受電コイル11との間に樹脂が充填されるのであれば、隔壁157は省略され得る。
更に、受電装置10は、図2および図3に示すように、筐体15と共に車両100に取り付けられるシールド部材17を含む。シールド部材17は、筐体15の取付フランジ部155と共に図示しないボルトを介して車両100のフロアパネル101に固定される。図3に示すように、シールド部材17は、筐体15と、フロアパネル101およびエンジンEGからの排ガスが流通する排気管102との車両100の上下方向における間に位置する。これにより、シールド部材17は、コア部材110に関して受電コイル11とは反対側に配置される。
本実施形態において、シールド部材17は、交流磁束を遮断可能なアルミニウム合金等の金属により車両100の底部、すなわちフロアパネル101に沿って延在すると共に排気管102と干渉(接触)しないように形成される。また、シールド部材17の車両100の前後方向における長さ、すなわち一対の周縁部17xの前後方向における長さは、筐体15(カバー152)の一対の側壁部154xの当該前後方向における長さよりも長く定められている。更に、シールド部材17の車両100の車幅方向における長さ、すなわち一対の周縁部17yの当該車幅方向における長さは、筐体15の一対の側壁部154yの当該車幅方向における長さよりも長く定められている。加えて、フロアパネル101には、図3に示すように、一対の保護部材18が固定される。各保護部材18は、筐体15の各側壁部154xを側方から覆うように車両100の前後方向に延在する。受電装置10すなわち筐体15内の受電コイル11およびコンデンサ12は、ワイヤーハーネス19、図示しないフィルタ、整流器、リレー等を介してバッテリ200に接続される。
図5は、給電システム1を構成する送電装置20を示す部分断面図である。同図に示すように、送電装置20は、送電コイル21や、コア部材210、送電コイル21に直列に接続されて当該送電コイル21と共に共振回路を構成するコンデンサ22、所定周波数の交流電力(高周波電力)を送電コイルに供給するための複数の電力機器23、通信アンテナ24、送電制御装置(電子制御装置)25、これらを収容する筐体30等を有する。
送電コイル21は、巻き線を図示しない樹脂製のボビンの周りに同一平面上で例えば長方形状に巻回することにより形成された平板状の渦巻きコイルであり、巻き線により囲まれた空芯部21cを有する。図6に示すように、送電コイル21の車両100の車幅方向における長さy21は、当該送電コイル21の車両100の前後方向における長さx21よりも長く定められている。更に、本実施形態において、送電コイル21の短辺および長辺の長さは、受電コイル11の一辺の長さよりも長く定められている。ただし、送電コイル21は、巻き線を同一平面上で円形状あるいは正方形状に巻回することにより形成されたものであってもよく、比較的低背なものであれば、巻き線を螺旋状に巻回することにより形成された螺旋状コイルであってもよい。
コア部材210は、本実施形態ではフェライト等の強磁性体により形成された複数の部材により構成される。図5に示すように、コア部材210は、例えば長方形状の平面形状(輪郭)を有するフランジ状の平板部211と、平板部211の略中央部から一側(図5における上側)に突出する中空の突出部212とを有する。上述のように、送電コイル21の車両100の車幅方向における長さy21は、車両100の前後方向における長さx21よりも長い。従って、平板部211(コア部材210)の当該車幅方向に延びる一対の周縁部211yの長さは、図6に示すように、平板部211(コア部材210)の当該前後方向に延びる一対の周縁部211xの長さよりも長く定められる。
本実施形態において、コア部材210の突出部212は、有蓋筒状に形成され、例えば短尺(低背)かつ角筒状の壁部213と、当該壁部213の先端を塞ぐ平板状の天板部214とを有する。また、コア部材210の平板部211は、突出部212(壁部213)の基端部から壁部213と垂直かつ外方(径方向外側)に延在する。更に、コア部材110の平板部211には、突出部212を包囲するように受電コイル11が固定される。すなわち、コア部材210は、平板部211や天板部214が巻き線の巻回軸と直交(交差)するように送電コイル21に固定される。また、コア部材210の突出部212は、送電コイル21の空芯部21c内に挿入され、送電コイル21の巻き線は、突出部212(壁部213)の外周面に沿って延びる。
電力機器23は、家庭用電源といった外部電源としての交流電源40からの電力を直流電力に変換する整流器や、整流器からの電力を交流電力(高周波電力)に変換するインバータ、高周波ノイズを除去するフィルタ等を含む。通信アンテナ24は、本実施形態において、受電装置10の通信アンテナ104との間で例えばWI−FI規格による無線通信を可能とするコイルアンテナとして構成され、送電制御装置25に電気的に接続される。送電制御装置25は、図示しないCPU等を含むマイクロコンピュータとして構成されており、通信アンテナ24を介して受電装置10の充電制御装置105と情報をやり取りしながら、整流器やインバータ等を制御する。
また、図5に示すように、送電装置20の筐体30は、ベース部材31およびカバー32を含む。ベース部材31は、例えばアルミニウム合金等の金属を鋳造することにより形成されており、長方形状の平面形状(輪郭)を有する。カバー32は、樹脂(非磁性材料)により形成されており、長方形状の平面形状(輪郭)を有する天板部と、当該天板部の周縁部に沿って延在する側壁部とを有する。カバー32は、図示しない複数のボルト等により当該ベース部材31に固定され、例えばベース部材31とカバー32の側壁部の端面との間には、図示しない無担状のシール部材が配置される。これにより、筐体30には、ベース部材31とカバー32とにより、送電コイル21やコア部材210、電力機器23、通信アンテナ24、送電制御装置25等の収容空間が画成される。そして、筐体30の収容空間内には、送電コイル21やコア部材210等と共に、ベース部材31により支持されるシールド部材33が配置される。
シールド部材33は、交流磁束を遮断可能な例えばアルミニウム合金等の金属(非磁性導電材料)を鋳造することにより形成される。図5に示すように、シールド部材33は、例えば長方形状の平面形状(輪郭)を有するフランジ状のコア支持部331と、コア支持部331の略中央部から一側(図5における上側)に突出する中空の突出支持部332と、コア支持部331の周縁部から突出支持部332の突出方向とは反対側(図5における下側)に延出された支持壁部335とを有する。
本実施形態において、シールド部材33の突出支持部332は、コア部材210の突出部212内に嵌合可能な有蓋筒状に形成され、例えば角筒状かつ短尺(低背)の壁部333と、当該壁部333の先端を塞ぐ平板状の天板部334とを有する。また、シールド部材33のコア支持部331は、平板状に形成されており、突出支持部332(壁部333)の基端部から壁部333と垂直かつ外方(径方向外側)に延在する。
シールド部材33には、ベース部材31への組み付けに先立って、送電コイル21を保持したコア部材210およびコンデンサ22が予め固定される。すなわち、送電コイル21、コア部材210、コンデンサ22およびシールド部材33は、ベース部材31への組み付けに先立って、1体のアセンブリとして組み立てられる。図5に示すように、コア部材210は、平板部211の裏面とコア支持部331の表面とが対向するようにシールド部材33に固定され、突出部212内には、シールド部材33の突出支持部332が配置される。本実施形態において、コア部材210の裏面(図5における下面)は、樹脂等の絶縁部材215により覆われており、コア部材210とシールド部材33との間には、図5に示すように、当該絶縁部材215が介設される。
これにより、コア部材210の平板部211がシールド部材33のコア支持部331により支持され、コア部材210の突出部212はシールド部材33の突出支持部332により支持される。また、図5からわかるように、送電コイル21の空芯部21cは、シールド部材33により図中下側から塞がれる(覆われる)。更に、コンデンサ22は、図5に示すように、シールド部材33の突出支持部332内に配置されると共に、天板部334の裏面(図5における下面)に固定され、更に送電コイル21と電気的に接続される。なお、コア部材210とシールド部材33との間に絶縁部材215を介設することで、コア部材210を流れる磁束がシールド部材33に流入しないようにして渦電流損が発生するのを抑制することができる。
送電コイル21やコア部材210と一体化されたシールド部材33は、支持壁部335の端面がベース部材31の表面と当接するように当該ベース部材31に固定され、コア部材210に関して送電コイル21とは反対側に位置する。また、複数の電力機器23や送電制御装置25等は、それぞれベース部材31の予め定められた位置に図示しないボルト等を介して固定され、シールド部材33により覆われる。更に、ベース部材31とシールド部材33との間に配置された各電力機器23は、ケーブル(ワイヤーハーネス)を介して、送電コイル21やコンデンサ22といった対応する要素に電気的に接続される。
送電コイル21、コア部材210、シールド部材33、電力機器23等がベース部材31に組み付けられた後、当該ベース部材31にカバー32が固定される。また、通信アンテナ24は、シールド部材33により覆われないように筐体30内に収容され、図示しないケーブルを介して送電制御装置25と電気的に接続される。これにより、通信アンテナ24からの電磁波は樹脂製のカバー32によって遮断されないことから、送電制御装置25と受電装置10側の充電制御装置105との間で通信アンテナ24を介して良好に情報をやり取り(無線通信)することが可能となる。
そして、送電装置20は、筐体30、送電コイル21およびコア部材210の長手方向が停車スペースにおける車両100の車幅方向と平行に延在すると共に、送電コイル21の巻回軸が鉛直方向すなわち車両100の上下方向に延在するように、当該停車スペースに設置される。また、筐体30内の送電コイル21は、コア部材210の平板部211よりも上方すなわち車両100側に位置する。
上述のような受電装置10および送電装置20を含む給電システム1により車両100に電力を供給するに際しては、受電装置10の受電コイル11と送電装置20の送電コイル21とが互いに対向する状態で電力機器23から送電コイルに電力を供給する。これにより、受電装置10の受電コイル11には、筐体30の樹脂製のカバー32を介して送電装置20からの磁束が車両100の上下方向に流入し、電磁誘導(磁気共鳴)により非接触で電力が供給される。この結果、受電装置10から整流器等を介してバッテリ200に電力を供給し、当該電力によりバッテリ200を充電することが可能となる。
また、給電システム1の送電装置20では、電力機器23がシールド部材33とベース部材31との間に配置されている。従って、シールド部材33(およびベース部材31)によって電力機器23に流入しようとする磁束を遮断してコア部材210(平板部211)への磁束(受電コイル11からの磁束)の流入を促進させると共に、当該磁束による渦電流が流れることで電力機器23が昇温するのを良好に抑制することが可能となる。加えて、電力機器23をシールド部材33とベース部材31との間に配置することで、電力機器23で発生するノイズ(高周波ノイズ)が筐体30の外部に漏洩するのを良好に抑制することも可能となる。加えて、給電システム1の送電装置20では、シールド部材33が送電コイル21の空芯部21cを下方から塞ぐ(覆う)ように配置されることから、送電コイル21の空芯部21cを通過しようとする磁束をシールド部材33により遮断することができる。
更に、給電システム1の受電装置10では、シールド部材17が受電コイル11の空芯部11cを上方から覆うように配置されることから、受電コイル11の空芯部11cを通過した磁束をシールド部材17により遮断することができる。この結果、受電コイル11の空芯部11cを通過した磁束による渦電流が流れることで当該受電コイル11の周辺に配置されるフロアパネル101や排気管102が高温化したり、フロアパネル101等の熱により例えば各種フロアカバーやワイヤーハーネスのクランプといった図示しない樹脂部材等が高温化したりするのを良好に抑制することが可能となる。
ただし、停車スペースの送電装置20に対する車両100の停車位置(受電装置10の対向位置)は、基本的に一定にはならない。従って、送電コイル21(送電装置20)に対する受電コイル11(受電装置10)の位置が予定された正常な位置からズレた状態で、送電装置20から受電装置10に電力が供給されることがある。また、送電装置20からの磁束は、上述のように車両100の上下方向に流れることから、受電装置10と送電装置20との位置ズレに起因して、車両100のフロアパネル101等にも送電装置20からの磁束が流入する。そして、このように送電装置20からの磁束による渦電流が流れることで、フロアパネル101のシールド部材17により覆われていない部分等が高温化することがある。また、当該フロアパネル101等の熱によりフロアカバーやワイヤーハーネスのクランプといった樹脂部材等が高温化するおそれもある。
更に、受電装置10の筐体15内に配置された複数の金属片14fおよび14rの何れかも、受電装置10と送電装置20との位置ズレに起因して送電装置20からの磁束による渦電流が流れることで昇温する。すなわち、前側金属片14fの温度Tfと、当該前側金属片14fの周辺におけるフロアパネル101等の温度(以下、適宜「車両側温度」という)との間には相関が認められ、前側金属片14fの周辺における車両側温度は、図7に示すように、前側金属片14fの温度Tfに概ね比例して変化する。同様に、後側金属片14rの温度Trと、当該後側金属片14rの周辺における車両側温度との間にも相関が認められ、後側金属片14rの周辺における車両側温度も、図7に示すように、後側金属片14rの温度Trに概ね比例して変化する。
言い換えれば、金属片14fまたは14rの温度が上昇した際には、送電装置20に対する受電装置10の位置が予定された正常な位置から当該金属片14fまたは14rが設けられた側にズレていることになる。そして、受電装置10と送電装置20との位置ズレに起因してフロアパネル101等が高温化するおそれがあると想定することができる。従って、給電システム1では、送電装置20から受電装置10に電力が非接触で供給される際に、温度センサ16f,16rにより検出される金属片14f,14rの温度Tf,Trに応じて送電装置20から送電される電力を調整することで、フロアパネル101やフロアカバー等の樹脂部材等の高温化を良好に抑制することが可能となる。
ここで、受電装置10と送電装置20との位置ズレは、一般に、車両100の前後方向よりも車幅方向において大きくなる。更に、車両100の前後方向において受電装置10と送電装置20とが正常に位置合わせされている場合、送電コイル21の巻き線の車両前側および後側に位置する部分は、受電コイル11の巻き線の車両前側または後側に位置する部分と磁気的に結合する。このため、本実施形態では、車両100の車幅方向における送電コイル21の長さ(寸法)が当該車両100の前後方向における送電コイル21の長さ(寸法)よりも長く(大きく)定められる。これにより、送電装置20に対する受電装置10の位置が車幅方向にズレたとしても、送電コイル21の巻き線の車両100の前側および後側に位置する部分と、受電コイル11の巻き線の車両100の前側または後側に位置する部分との磁気的な結合状態(平面視した際の車幅方向における受電コイル11と送電コイル21の重なり長さ)を良好に確保することが可能となる。
また、このように、送電コイル21の巻き線の車両前側および後側に位置する部分と、受電コイル11の巻き線の車両前側または後側に位置する部分とが主として結合する場合、送電装置20に対する受電装置10の位置が車両100の前後方向にズレた際、受電コイル11よりも車両の前側または後側に位置するフロアパネル101等に送電コイル21から多くの磁束が流入することになる。これを踏まえて、受電装置10の筐体15には、上述のような前側金属片14fおよび後側金属片14rが設けられる。すなわち、送電装置20に対する受電装置10の位置が車両100の前後方向にズレた際には、前側金属片14fと後側金属片14rとの何れか一方に多くの磁束が流入することになる。従って、前側および後側金属片14f,14rの温度Tf,Trに応じて送電装置20から送電される電力を調整することで、車両100のフロアパネル101といった構成部材の高温化を極めて良好に抑制することが可能となる。
図8は、受電装置10の充電制御装置105により実行される充電制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。充電制御装置105は、送電装置20が設置された停車スペースに車両100が停車され、例えば送電装置20側からの送電許可信号に応じて送電開始指令を送電装置20側に送信した後、図8の充電制御ルーチンの実行を開始し、当該ルーチンを所定時間おきに繰り返し実行する。
充電制御ルーチンの開始に際し、充電制御装置105(CPU)は、車両100のバッテリ200のSOC(充電割合)や、前側温度センサ16fからの前側金属片14fの温度Tf、後側温度センサ16rからの後側金属片14rの温度Trといった制御に必要なデータを入力する(ステップS100)。なお、バッテリ200のSOCは、例えば走行制御を始めとする車両100の全体の制御を実行する電子制御ユニットにより当該バッテリ200の端子間電圧や充放電電流等に基づいて別途算出される。
次いで、充電制御装置105は、ステップS100にて入力したSOCに基づいて、バッテリ200の充電が完了したか否かを判定する(ステップS110)。ステップS110にて、SOCが予め定められた目標値に達しておらずバッテリ200の充電が完了していないと判断した場合、充電制御装置105は、ステップS100にて入力した前側金属片14fの温度Tfと後側金属片14rの温度Trとの高い方を金属片温度Tに設定する(ステップS120)。更に、充電制御装置105は、フラグFが値0であるか否かを判定し(ステップS130)、フラグFが値0である場合には、ステップS120にて設定した金属片温度Tが予め定められた閾値としての送電停止温度Tstop以下であるか否かを判定する(ステップS140)。
送電停止温度Tstopは、受電装置10の受電コイル11の周辺に配置されるフロアパネル101や、フロアカバーやワイヤーハーネスのクランプといった樹脂部材の耐熱温度のうち、最も低い耐熱温度と、温度Tf,Trと車両側温度との相関とに基づいて予め定められ、充電制御装置105の図示しないROMに格納されている。本実施形態において、送電停止温度Tstopは、上記最も低い耐熱温度を金属片14f,14rの温度に換算した温度よりも低い値に定められる。
金属片温度Tが送電停止温度Tstop以下であると判断した場合、充電制御装置105は、バッテリ200のSOCと金属片温度Tとに基づいて、送電装置20に対する送電電力の要求値である要求送電電力Preqを設定する(ステップS150)。本実施形態では、SOCおよび金属片温度Tと、要求送電電力Preqとの関係を規定する図示しない要求送電電力設定マップが予め作成されて充電制御装置105の図示しないROMに格納されている。
要求送電電力設定マップは、例えばSOCが上記目標値よりも若干小さい所定値になるまで要求送電電力Preqを第1の値(一定値)に設定するように作成される。また、要求送電電力設定マップは、SOCが当該所定値を超えると、要求送電電力Preqを第1の値よりも小さい第2の値(一定値)に設定するように作成される。更に、要求送電電力設定マップは、金属片温度Tが当該所定温度を超えると、金属片温度Tが高いほど要求送電電力Preqを小さくするように作成される。
充電制御装置105は、ステップS150にて設定した要求送電電力Preqを設定すると、設定した要求送電電力Preqを送電装置20の送電制御装置25に送信し(ステップS160)、再度ステップS100以降の処理を実行する。受電装置10側から要求送電電力Preqを受信した送電制御装置25は、当該要求送電電力Preqに応じた高周波電力が送電コイル21に供給されるように電力機器23を制御する。これにより、送電装置20の送電コイル21から受電装置10の受電コイル11に非接触で電力が供給されることになる。
一方、ステップS100〜S130の処理を実行した後に、ステップS120にて設定した金属片温度Tが予め定められた送電停止温度Tstopを超えたと判断した場合(ステップS140)、充電制御装置105は、フラグFを値1に設定した上で(ステップS170)、送電装置20の送電制御装置25に送電停止指令を送信する(ステップS180)。充電制御装置105は、送電制御装置25に送電停止指令を送信した後、再度ステップS100以降の処理を実行する。受電装置10側から送電停止指令を受信した送電制御装置25は、電力機器23から送電コイル21への電力供給を停止させる。
また、金属片温度Tが送電停止温度Tstopを超えたことによりステップS170にてフラグFを値1に設定した場合、充電制御装置105は、次のステップS130にてフラグFが値1であると判断し、ステップS120にて設定した金属片温度Tが予め定められた送電再開温度Trst以下であるか否かを判定する(ステップS190)。送電再開温度Trstは、受電コイル11の周辺に配置されるフロアパネル101といった構成部材の温度変化特性等を考慮して送電停止温度Tstopよりも充分に低い値に定められる。充電制御装置105は、金属片温度Tが送電再開温度Trstを超えていると判断した場合、送電装置20からの送電を再開させることなく、再度ステップS100以降の処理を実行する。
これに対して、金属片温度Tが送電再開温度Trst以下であると判断した場合、充電制御装置105は、受電コイル11の周辺の部材が充分に降温したとみなし、フラグFを値0に設定すると共に、送電装置20の送電制御装置25に送電再開指令を送信する(ステップS200)。更に、充電制御装置105は、ステップS150にて要求送電電力Preqを設定すると共に、設定した要求送電電力Preqを送電制御装置25に送信し(ステップS160)、再度ステップS100以降の処理を実行する。受電装置10側から送電再開指令および要求送電電力Preqを受信した送電制御装置25は、受電装置10への送電を再開させると共に、要求送電電力Preqに応じた高周波電力が送電コイル21に供給されるように電力機器23を制御する。
上述のように、充電制御装置105は、送電装置20から受電装置10に電力が供給されている際に、金属片温度T、すなわち前側および後側温度センサ16f,16rにより検出される温度TfまたはTrが送電停止温度Tstopを超えた場合、送電装置20に送電停止指令を出力する(ステップS140,S170,S180)。これにより、昇温したフロアパネル101といった車両100の構成部材の温度を低下させることが可能となる。
また、充電制御装置105は、送電装置20に対して、金属片温度Tすなわち前側および後側温度センサ16f,16rにより検出される温度TfまたはTrに応じた要求送電電力Preqを出力し、金属片温度Tすなわち温度TfまたはTrが高いほど小さくなるように要求送電電力Preqを設定する(ステップS150、S160)。これにより、フロアパネル101といった構成部材の高温化を抑制しつつ、送電装置20からの送電をできるだけ停止させないようにすることが可能となる。
そして、充電制御装置105は、ステップS110にて、SOCが目標値に達してバッテリ200の充電が完了したと判断すると、送電装置20の送電制御装置25に送電停止指令を送信し(ステップS210)、本ルーチンを終了させる。
以上説明したように、給電システム1の受電装置10は、巻き線を巻回することにより形成された受電コイル11と、当該受電コイル11を収容すると共に、受電コイル11の巻回軸が車両100の上下方向に延在するように当該車両100のフロアパネル101に取り付けられる筐体15と、充電制御装置105とを含む。また、筐体15には、受電コイル11の周囲に位置するように前側および後側金属片14f,14rが取り付けられると共に、前側および後側金属片14f,14rの温度Tf,Trを検出する前側および後側温度センサ16f,16rが設けられる。更に、充電制御装置105は、前側および後側温度センサ16f,16rにより検出される前側および後側金属片14f,14rの温度Tf,Trに応じて送電装置20から送電される電力が調整されるように当該送電装置20に指令信号を出力する(図8のステップS160,S180,S200)。
このように、送電装置20から受電装置10に電力が非接触で供給される際に、金属片14f,14rの温度Tf,Trに応じて送電装置20から送電される電力を調整することで、車両100のフロアパネル101といった構成部材の高温化を良好に抑制することが可能となる。更に、筐体15に金属片14f,14rおよび温度センサ16f,16rを設けることで、車両100のフロアパネル101等の曝露環境に温度センサを複数設ける必要がなくなる。
なお、受電装置10の充電制御装置105は、ステップS150にて送電装置20への要求送電電力Preqを前側および後側温度センサ16f,16rにより検出される温度Tf,Trが高いほど小さくなるように設定するが、これに限られるものではない。すなわち、図8のステップS150では、バッテリ200のSOCのみに応じて要求送電電力Preqが設定されてもよい。
また、図4において二点鎖線で示すように、受電装置10の筐体15には、受電コイル11よりも車両100の車幅方向における左側(一側)に位置する左側金属片(一側金属片)14Lと、左側金属片14Lの温度を検出する左側温度センサ16Lと、受電コイル11よりも車幅方向における右側(他側)に位置するように筐体15に取り付けられる右側金属片(他側金属片)14Rと、右側金属片14Rの温度を検出する右側温度センサ16Rとが設けられてもよい。この場合、左側および右側金属片14L,14Rは、図4において二点鎖線で示すように、筐体15の前後方向における中央部かつ左側または右側の側壁部154xとそれに対向するコア部材110の周縁部111xとの間に配置されるとよい。これにより、送電装置20に対する車両100の停車位置が当該車両100の前後方向および車幅方向の双方にズレたとしても、筐体15の複数の金属片14f,14r,14L,14Rの温度に基づいて、フロアパネル101といった車両100の構成部材の高温化を極めて良好に抑制することが可能となる。更に、車両100の前後方向における送電コイル21の寸法が車両100の車幅方向における送電コイル21の寸法よりも大きく定められる場合、受電装置10の筐体15に左側金属片(一側金属片)14Lおよび右側金属片(他側金属片)14Rのみが設けられてもよい。そして、前側および後側金属片14f,14rは、それぞれ複数設けられてもよく、左側および右側金属片14L,14Rは、それぞれ複数設けられてもよい。
加えて、送電装置20には、複数の放熱フィンを有する放熱器が例えば筐体30と当接するように設けられてもよく、筐体30あるいはカバー32に複数の放熱フィンが配設されてもよい。これにより、送電装置20から受電装置10への送電に際して発熱する整流器やインバータ、フィルタといった電力機器23を良好に冷却することが可能となる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の外延の範囲内において様々な変更をなし得ることはいうまでもない。更に、上記発明を実施するための形態は、あくまで課題を解決するための手段の欄に記載された発明の具体的な一形態に過ぎず、課題を解決するための手段の欄に記載された発明の要素を限定するものではない。