以下、図1乃至図7Dを参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
(カバーガラス付き表示装置)
はじめに図1を参照して、カバーガラス付き表示装置10について説明する。図1に示すように、カバーガラス付き表示装置10は、表示装置15とカバーガラス20とを組み合わせることによって構成されている。図示された表示装置15は、フラットパネルディスプレイとして構成されている。表示装置15は、表示面16aを有した表示パネル16と、表示パネル16に接続された表示制御部(図示せず)と、を有している。表示パネル16は、映像を表示することができるアクティブエリアA1と、アクティブエリアA1を取り囲むようにしてアクティブエリアA1の外側に配置された非アクティブエリア(額縁領域とも呼ばれる)A2と、を含んでいる。表示制御部は、表示されるべき映像に関する情報を処理し、映像情報に基づいて表示パネル16を駆動する。表示パネル16は、表示制御部の制御信号に基づいて、所定の映像を表示面16aに表示する。すなわち、表示装置15は、文字や図等の情報を映像として出力する出力装置としての役割を担っている。
図1に示すように、カバーガラス20は、表示装置15の観察者側において表示パネル16の表示面16a上に配置されている。このカバーガラス20は例えば、表示装置15の表示面16a上に接着層(図示せず)を介して接着されている。図1において、カバーガラス20の表示装置側の面(第1面)が符号20aで表され、観察者側の面(第2面)が符号20bで表されている。
なお本実施の形態において、カバーガラス20は、表示装置15を保護するという機能だけでなく、タッチパネル機能をも提供するように構成されている。具体的には、カバーガラス20の表示装置15側の第1面20aには、外部導体の接近や接触を検知するためのセンサ電極を含むタッチパネルセンサ部40が設けられている。またカバーガラス20の第1面20aの非アクティブエリアAa2には、所望の色を呈するための第1加飾部60がさらに設けられている。
(タッチパネルセンサ)
次に図2を参照して、カバーガラス20の第1面20aに設けられたタッチパネルセンサ部40について説明する。図2は、カバーガラス20を第1面20a側から見た場合を示す平面図である。なお図2においては、説明の便宜上、第1加飾部60が省略されている。
図2に示すように、カバーガラス20の第1面20aは、表示パネル16のアクティブエリアA1および非アクティブエリアA2に対応して、タッチ位置を検出され得る領域に対応するアクティブエリアAa1と、アクティブエリアAa1の周辺に位置する非アクティブエリアAa2と、に区画される。またタッチパネルセンサ部40は、アクティブエリアAa1に配置された複数のセンサ電極41,42と、対応するセンサ電極41,42に接続されるとともに、カバーガラス20の非アクティブエリアAa2に配置された複数の取出配線43と、対応する取出配線43に接続された複数の端子部44と、を備えている。
センサ電極41,42は、図2に示すように、第1方向D1に沿って延びる複数の第1センサ電極41と、第1方向D1に直交する第2方向D2に沿って延びる複数の第2センサ電極42と、を有している。各センサ電極41,42はそれぞれ、直線状に延びるライン部41a,42aと、ライン部41a,42aから膨出した膨出部41b,42bと、を有していてもよい。
取出配線43は、対応するセンサ電極41,42によって検出された信号を端子部44まで伝達するために非アクティブエリアAa2に設けられたものである。取出配線43によって端子部44まで伝達された信号は、端子部44に取り付けられたフレキシブル基板(図示せず)などを介して検出制御部へ伝達される。
(カバーガラス、タッチパネルセンサ部および加飾部の層構成)
次に図3および図4を参照して、カバーガラス20およびカバーガラス20の第1面20aに設けられたタッチパネルセンサ部40および第1加飾部60の層構成について説明する。図3および図4はそれぞれ、図2に示すカバーガラス20の線IIIおよび線IVに沿った断面図である。
はじめにカバーガラス20のアクティブエリアAa1に配置される構成要素の層構成について説明する。図3および図4に示すように、タッチパネルセンサ部40の第1ライン部41a、第1膨出部41bおよび第2膨出部42bは、同一平面上に形成されたものであってもよい。この場合、酸化インジウムスズ(ITO)などの透明導電性材料からなる透明導電層51をパターニングすることによって、第1ライン部41a、第1膨出部41bおよび第2膨出部42bを同時に形成することが可能である。第1ライン部41aおよび第2ライン部42aは、カバーガラス20の法線方向から見た場合に互いに部分的に重なるよう形成されており、第1ライン部41aと第2ライン部42aとの間には絶縁層47が介在されている。
次にカバーガラス20の非アクティブエリアAa2に配置される構成要素の層構成について説明する。図3および図4に示すように、非アクティブエリアAa2には、第1加飾部60が、上述の取出配線43よりも観察者側に位置するよう配置されている。この場合、第1加飾部60が、観察者側からカバーガラス20を介して視認されることになる。すなわち、カバーガラス付き表示装置10において、非アクティブエリアAa2の見え方は、第1加飾部60およびその周辺の構成要素によって決定されることになる。
第1加飾部60の色は、カバーガラス付き表示装置10に対して求められる意匠性に応じて選択される。例えば第1加飾部60の色の例として、黒色、白色、水色、桃色、緑色などを挙げることができる。第1加飾部60を構成する材料は、選択された色に応じて決定されるが、例えば白色が求められる場合、第1加飾部60は、樹脂材料からなるバインダーと、バインダー内に分散された酸化チタンなどの着色顔料と、を含んでいる。バインダーとしては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂などの樹脂や、それらの樹脂の混合物が適宜用いられ得る。
ところで、カバーガラス20の製造工程において、はじめに単位基材22または後述する基材30上に第1加飾部60を設け、次に、単位基材22の側面22cに補強部26を設ける場合、図3および図4に示すように、第1加飾部60は、カバーガラス20の側面20cまでは、すなわち補強部26の側面26cまでは広がることができない。このため、第1加飾部60による意匠上の効果が、カバーガラス20の側面20cにまでは、例えば補強部26の部分にまでは及ばなくなる。この点を考慮し、図3および図4に示すように、単位基材22の第1面22a側または補強部26の第1面26a側であって第1加飾部60の外側の位置に、第2加飾部62を設けてもよい。第2加飾部62は、所定の色を呈するよう構成されたものである。このような第2加飾部62をさらに設けることによって、所望の色を呈することができる非アクティブエリアAa2の範囲をより外側に広げ、外周部からの光漏れの防止などの意匠性の向上を図ることができる。好ましくは、第2加飾部62は、カバーガラス20の第1面20aの法線方向に沿って見た場合に補強部26と重なるよう構成されている。さらに好ましくは、第2加飾部62は、カバーガラス20の第1面20aの法線方向に沿って見た場合にカバーガラス20の側面20cにまで達するように構成されている。
第2加飾部62が呈する色が特に限られることはなく、求められる意匠上の効果に応じて適宜設定される。例えば第2加飾部62は、第1加飾部60と同色を呈するよう、第1加飾部60と同一の材料によって構成されていてもよく、若しくは、第1加飾部60とは異なる色を呈するよう構成されていてもよい。第2加飾部62を設ける方法としては、様々な公知の方法が採用され得るが、例えば、補強部26を形成した後に、第2加飾部62を構成する材料を含む塗布液をスクリーン印刷法などの印刷法によって補強部26の第1面26a上などに塗布する方法が採用される。印刷法が用いられる場合、塗布液を構成するための溶媒としては、例えばエーテル類、ケトン類、エステル類、アルコール類、多価アルコール類、芳香族炭化水素類等を用いることができる。また、塗布液の表面張力は、例えば20〜40mN/mの範囲内に調整される。
次にカバーガラス20の構成について説明する。図3および図4に示すように、カバーガラス20は、単位基材22および補強部26を備えている。単位基材22は、表示装置側の第1面22a、第1面22aと反対側の第2面22b、および、第1面22aと第2面22bとの間に広がる側面22c、を含んでいる。そして補強部26は、単位基材22の側面22c上に設けられている。
後述するように、単位基材22は、大型の強化ガラスからなる基材30を分割して個片化することによって得られたものである。この単位基材22は、図5に示すように、第1面22aおよび第2面22bに形成された圧縮応力層24aと、第1面22a側の圧縮応力層24aと第2面22b側の圧縮応力層24aとの間に位置する引張応力層24bと、を含んでいる。圧縮応力層24aとは、圧縮応力が生じている層のことであり、引張応力層24bとは、引張応力が生じている層のことである。これら圧縮応力層24aおよび引張応力層24bを生じさせる方法としては、物理強化(風冷強化)や化学強化が知られている。例えば化学強化においては、歪点以下の温度で、ガラス中に含まれるアルカリイオンを、よりイオン半径の大きな他のアルカリイオンに交換するという化学的な処理が実施される。これによって、イオンが交換された表層付近に圧縮応力を発生させることができる。圧縮応力層24aを形成することにより、第1面22aまたは第2面22bに何らかの衝撃が加えられ、これによって第1面22aまたは第2面22bにクラックなどの傷が形成された場合であっても、傷が拡大することを防ぐことができる。このため、単位基材22の第1面22aおよび第2面22bは、衝撃に対する高い耐性を有している。単位基材22を構成する材料としては、例えばアルミノシリケートガラスが用いられ得る。圧縮応力層24aの厚みは、一般には10〜100μmの範囲内になっている。
一方、図5に示すように、単位基材22の引張応力層24bは、単位基材22の側面22cにまで達している。すなわち単位基材22の側面22cでは引張応力層24bが露出している。このため単位基材22の側面22cは、単位基材22の第1面22aおよび第2面22bと比較して、クラックなどの損傷に対して弱くなっている。上述の補強部26は、このような単位基材22の側面22cを保護するために設けられたものである。
補強部26を構成する材料としては例えば、加熱または紫外線照射などによって重合反応が進行し、これによって硬化する硬化性樹脂が用いられる。この場合、硬化前の成形時には補強部26は所望の流動性を有しており、そして硬化後には補強部26は所望の硬度や強度を有するようになる。このことにより、成形性と硬度や強度とを両立させることができる。
ところで本実施の形態において、補強部26は、大気などの外部環境に対して少なくとも部分的に露出するものである。このため、補強部26が硬化する際の重合反応は、大気などの外部環境に対して補強部26が露出した環境下で進行することになる。このため、アクリル系樹脂のように一般に高い反応性を有する樹脂材料を用いると、重合反応が酸素によって阻害され、この結果、重合反応が十分に進行できず、従って、十分な硬度を有する補強部26を得ることができないと考えられる。
また、エポキシ系樹脂のように過剰に高い硬度を有する樹脂材料を用いると、補強部26が脆くなり、この結果、補強部26に欠けなどが頻繁に現れるようになってしまうと考えられる。すなわち、補強部26の靱性が低くなってしまうと考えられる。
また上述のように、単位基材22の側面22cに補強部26を設けた後に補強部26上に第2加飾部62を形成する場合、第2加飾部62は、スクリーン印刷法などの印刷法などによって形成される。このため、第2加飾部62が補強部26上に安定に保持されるようにするためには、補強部26が、第2加飾部62を構成する材料に対する所定の濡れ性すなわち印刷適性を有していることが求められる。
本件発明者らが鋭意実験を重ねた結果、後述する実施例によって支持されるように、補強部26に含まれる樹脂材料として、ポリエン−ポリチオール系樹脂、より好ましくはポリエン−ポリチオール系光硬化性樹脂が適していることを見出した。なおポリエン−ポリチオール系光硬化性樹脂とは、光照射に起因して重合反応が進行するよう構成されたポリエン−ポリチオール系樹脂のことである。以下、ポリエン−ポリチオール系光硬化性樹脂の特徴について説明する。ポリエン−ポリチオール系光硬化性樹脂は、エン化合物、チオール化合物および光重合開始剤を含んでいる。このようなポリエン−ポリチオール系光硬化性樹脂は、アクリル系光硬化性樹脂に比べて酸素に起因する重合阻害を受けないという長所を有している。またポリエン−ポリチオール系光硬化性樹脂は、衝撃から単位基材22を保護することができ、かつ脆くならない程度の適切な硬度を有している。例えば、適切な重合反応を経たポリエン−ポリチオール系光硬化性樹脂は、D50〜D75の範囲内の硬度を有している。なお本願において、「適切な重合反応を経た」とは、樹脂材料を提供する材料メーカーが推奨する条件下で重合反応を実施したことを意味している。
ポリエン−ポリチオール系光硬化性樹脂におけるエン化合物およびチオール化合物の構成比率は、求められる特性に応じて適宜定められるが、例えばポリエン−ポリチオール系光硬化性樹脂は、20〜80重量%のエン化合物と、20〜80重量%のチオール化合物と、を有している。エン化合物の重量%とチオール化合物の重量%との和が100になっていてもよい。
またポリエン−ポリチオール系光硬化性樹脂は、アクリル系光硬化性樹脂に比べて、硬化収縮が少ないという長所も有している。以下、本実施の形態によるカバーガラス20と、硬化収縮との関係について説明する。
後述するように、補強部26は、塗布液27を硬化させることにより形成される。このため、塗布液27が硬化する際に大きな収縮が生じると、補強部26の寸法の精度が低下してしまうことになる。また大きな収縮が生じると、補強部26と単位基材22との間の密着性も低下してしまう。また、単位基材22の厚み方向(単位基材22の第1面22aおよび第2面22bの法線方向)において大きな収縮が生じると、補強部26の面26a,26bと単位基材22の面22a,22bとの間に大きな段差が生じ、この結果、補強部26と単位基材22と間の境界が観察者から視認され易くなってしまう。従って、補強部26を構成する樹脂材料としては、硬化する際の収縮が可能な限り小さい材料が好ましい。本実施の形態によれば、ポリエン−ポリチオール系光硬化性樹脂を用いて補強部26を構成することにより、硬化する際に収縮が生じた場合であっても、単位基材22の厚みが700μmである場合に補強部26の面26a,26bと単位基材22の面22a,22bとの間に生じる段差を例えば1〜10μmの範囲内に抑制することができる。
なお後述するように、圧縮応力層24aの厚みは一般には10〜100μmの範囲内になっている。従って、硬化する際の収縮が小さい材料を選択し、これによって単位基材22と補強部26との段差をそれぞれ1〜10μmの範囲内に抑制することは、収縮の程度が圧縮応力層24aの厚みよりも小さくなることを導く。このため、硬化する際に補強部26が収縮したとしても、カバーガラス20の側面20cや後述する貫通孔23の壁面23cに引張応力層24bが露出してしまうことを防ぐことができる。
以下、ポリエン−ポリチオール系光硬化性樹脂の組成について詳細に説明する。
エン化合物は、1分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を有する多官能性の化合物であり、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、アリルエーテル類、アリルアルコール誘導体、アリルイソシアヌル酸誘導体、スチレン類、アクリル酸誘導体、メタクルル酸誘導体、ジビニルベンゼン等が挙げられる。上記エン化合物の一部を、チオール化合物との反応性が高い順に並べると、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、アリルエーテル類、アリルイソシアヌル酸誘導体、アクリル酸誘導体、スチレン類という順になる。
チオール化合物は、1分子中に2個以上のチオール基を有する化合物であり、メルカプトカルボン酸と多価アルコールとのエステル類、脂肪族ポリチオール類及び芳香族ポリチオール類、その他ポリチオール類が挙げられる。これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記メルカプトカルボン酸と多価アルコールとのエステル類におけるメルカプトカルボン酸としては、チオグリコール酸、α−メルカプトプロピオン酸及びβ−メルカプトプロピオン酸等が挙げられる。
上記エン化合物(a)及びチオール化合物(b)の配合比は、エン化合物(a)の不飽和結合数とチオール化合物(b)のチオール基数との比が、2:1〜1:2となる範囲であることが好ましい。1:2を超えてチオール基が多量になると、未反応のチオール基が硬化反応後の組成物中に多量に残存するため、好ましくない、2:1よりもチオール基が少ないと、その効果である、高い密着性や、酸素に起因する重合阻害を受けないという長所が少なくなるという点で、好ましくない。
光重合開始剤は、特に限定されず、公知の光重合開始剤を使用することができる。具体的には例えば、光重合開始剤としては、ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合は、アセトフェノン類(例えば、商品名イルガキュア184(チバスペシャリティーケミカルズ社製)として市販されている1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、プロピオフェノン類、ベンジル類、アシルホスフィンオキシド類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等を単独又は混合して用いることができる。
上記光重合開始剤(c)は、上記エン化合物(a)及びチオール化合物(b)の合計量に対して、0.001〜10質量%の割合で添加することが好ましい。0.001質量%未満であると、光重合反応を充分に生じさせることができない、という問題を生じるおそれがある。また10質量%を超えて添加しても、効果の向上がみられない。
次に図5を参照して、単位基材22の側面22cおよび補強部26の形状についてより詳細に説明する。図5は、図3のカバーガラス20の側面20cを拡大して示す断面図である。
はじめに補強部26の形状について説明する。図5に示すように、補強部26は、単位基材22の第1面22aと同一平面上で第1面22aの端部22aeの近傍から側方へ延びる第1面26a、単位基材22の第2面22bと同一平面上で第2面22bの端部22beの近傍から側方へ延びる第2面26b、および、補強部26の第1面26aと第2面26bとの間に広がる側面26c、を含んでいる。以下、このような第1面26aおよび第2面26bを含む補強部26によってもたらされる利点について説明する。
はじめに比較のため、上述の特許文献2において考えられる課題について説明する。特許文献2のように基材の外周面を縁取ることによって基材の側面を補強する補強部を設ける場合、補強部の面と基材の面との間に段差が形成されることになる。従って、補強部と基材との間の境界において、光が散乱されることや、光の透過率および反射率が大きく変化することが生じやすくなる。この結果、補強部と基材との間の境界が観察者から視認され易くなってしまう。すなわち、カバーガラスの意匠性が低下してしまうことが考えられる。また、カバーガラスの補強部が外部に露出している場合、タッチパネルの操作感が段差によって阻害されてしまう。
これに対して本実施の形態によれば、単位基材22の第1面22aと補強部26の第1面26aとが同一平面上に位置している。同様に、単位基材22の第2面22bと補強部26の第2面26bとが同一平面上に位置している。すなわち、単位基材22と補強部26との間に段差が全くまたはほとんど存在していない。具体的には、単位基材22の第1面22aおよび第2面22bと補強部26の第1面26aおよび第2面26bとの間の段差がそれぞれ10μm以下になっている。このため、単位基材22と補強部26との間の境界が観察者から視認されてしまうことを抑制することができる。従って本実施の形態の補強部26によれば、カバーガラス20の側面20cの強度の確保と、カバーガラス20の意匠性の確保とを両立させることができる。また、タッチパネルの操作感が段差によって阻害されてしまうこともない。また上述のように、圧縮応力層24aの厚みは一般には10〜100μmの範囲内になっている。従って、単位基材22の第1面22aおよび第2面22bと補強部26の第1面26aおよび第2面26bとの間の段差が10μm以下である場合、すなわち段差が圧縮応力層24aの厚みよりも小さい場合、単位基材22の側面22cにおいて、単位基材22の圧縮応力層24aと補強部26とが少なくとも部分的に重なることになる。従って、単位基材22の側面22cに露出している引張応力層24bを、補強部26によって隙間無く覆うことができる。このため、カバーガラス20の耐衝撃性をより確実に高くすることができる。
好ましくは、補強部26の第1面26aおよび第2面26bはそれぞれ、単位基材22の第1面22aおよび第2面22bと同一平面上で少なくとも300μmにわたって端部22aeおよび端部22beから側方へ延びている。これによって、カバーガラス20の側面20cの強度と、カバーガラス20の意匠性とをより確実に確保することができる。なお「同一平面上」とは、上述の段差の場合と同様に、補強部26の第1面26aおよび第2面26bのうち少なくとも300μmにわたって端部22aeおよび端部22beから側方へ延びている部分と、単位基材22の第1面22aおよび第2面22bとの間の、単位基材22の厚み方向における間隔が、10μm以下になっていることを意味している。
次に補強部26の側面26cについて説明する。図5において、補強部26の第1面26aの端部が符号26aeで表されており、補強部26の第2面26bの端部が符号26beで表されている。図5に示すように、側面26cは、端部26aeと端部26beとの間をほぼ平坦に広がる平坦面として構成されている。そして、第1面26aと側面26cとはほぼ直角に交わっており、同様に第2面26bと側面26cとはほぼ直角に交わっている。すなわち本実施の形態においては、図5の左右方向(第1面26aや第2面26bが延びる方向)における端部26aeの位置と端部26beの位置とが一致している。
次に、単位基材22の側面22cの形状について説明する。図5に示すように、単位基材22の側面22cは、第1側面22dおよび第2側面22eを含んでいる。第1側面22dは、単位基材22の第1面22aの端部22aeに交わるとともに、単位基材22の第2面22b側へ向かうにつれて外側へ広がっている。また第2側面22eは、単位基材22の第2面22bの端部22beに交わるとともに、単位基材22の第1面22a側へ向かうにつれて外側へ広がり、そして第1側面22dに合流している。このため、第1側面22dと第2側面22eとの合流部分が外側に突出することになる。この場合、補強部26が単位基材22の側面22cを挟み込む形になるため、補強部26を単位基材22の側面22cに強固に密着させることができる。
このような形状を有する第1側面22dおよび第2側面22eは、例えば後述するように、基材30を分割して単位基材22を得る際に、基材30の第1面側および第2面側の両方から基材30をウェットエッチングすることによって形成される。
(カバーガラスの寸法)
次にカバーガラス20の寸法について説明する。はじめに、単位基材22の側面22c上に設けられた補強部26の被覆寸法について説明する。ここで被覆寸法とは、補強部26の側面26cの法線方向に沿った方向における補強部26の長さのことである。補強部26の側面26cの法線方向は、図5における左右方向に平行である。
図5において、補強部26の被覆寸法の最小値が符号Tminで表されている。なお本実施の形態においては、上述のように、単位基材22の第1側面22dは、第2面22b側へ向かうにつれて外側へ広がっている。また単位基材22の第2側面22eは、第1面22a側へ向かうにつれて外側へ広がっている。また上述のように、補強部26の側面26cは、第1面26aおよび第2面26bに直角に交わる平坦面となっている。このため図5に示すように、第1側面22dと第2側面22eとが合流する位置において、補強部26の被覆寸法が最小値Tminになる。
補強部26の被覆寸法の最小値Tminは、カバーガラス20の側面20cなどに衝撃が加えられた場合であっても単位基材22の側面22cを保護することができるよう、適切に設定されている。例えば補強部26の被覆寸法の最小値Tminは、20μm以上に設定されている。
また本実施の形態においては、第1面26aの位置または第2面26bの位置において、補強部26の被覆寸法が最大値になる。ところで補強部26の被覆寸法の最大値が大きくなりすぎると、カバーガラス20に衝撃が加えられた場合に補強部26が単位基材22から剥離しやすくなることが考えられる。また、カバーガラス20におけるガラスの割合が減少し、樹脂の割合が増加するので、カバーガラス20の強度が低下することも考えられる。この点を考慮し、補強部26の被覆寸法の最大値は、被覆が最も薄い部分(図5において符号Tminで表されている部分)では250μm以下に設定され、被覆が最も厚い部分(図5において符号Tmaxで表されている部分)では500μm以下に設定されることが好ましい。
一例としては、図5に示す例において、被覆が最も薄い部分における補強部26の被覆寸法Tminを100μmに設定し、被覆が最も厚い部分における補強部26の被覆寸法Tmaxを300μmに設定することが考えられる。
カバーガラス20の厚み(すなわち単位基材22の厚みおよび補強部26の厚み)は、求められる強度や、カバーガラス20の面積などに応じて適切に設定されるが、例えば0.1mm〜1mmの範囲内になっている。
(カバーガラスの製造方法)
次に、以上のような構成からなるカバーガラス20を製造する方法について、図6A〜図7Dを参照して説明する。
はじめに図6A〜図6E(a)(b)を参照して、大型の強化ガラスからなる基材30を用いて、単位基材22および保護膜81,82を有する単位積層体35を形成する工程について説明する。なお図6A、図6B(a)、図6C、図6D(a)および図6E(a)は、本工程における基材30を示す断面図である。また図6E(b)は、図6E(a)に示す単位積層体35を拡大して示す断面図である。また図6B(b)および図6D(b)は、本工程における基材30を示す平面図である。
まず図6Aに示すように、大型の強化ガラスからなる基材30を準備する。基材30は、第1面30a、第1面30aの反対側にある第2面30b、および、第1面30aと第2面30bとの間に広がる側面30c、を含んでいる。図6Aに示すように、基材30の第1面30a、第2面30bおよび側面30cには圧縮応力層24aが形成されており、そして圧縮応力層24aの内側には引張応力層24bが存在している。このように基材30の表面は全て圧縮応力層24aによって形成されている。
次に図6B(a)(b)に示すように、基材30の第1面30a上において、所定の複数の区画に第1加飾部60およびタッチパネルセンサ部40を形成する(要素部形成工程)。例えば図6B(b)においては、基材30の第1面30aを紙面の上下方向で2行に区画し紙面の左右方向で3列に区画することによって得られる6区画のそれぞれに、第1加飾部60およびタッチパネルセンサ部40が形成される。なお基材30の区画数が特に限られることはない。第1面30a側に第1加飾部60およびタッチパネルセンサ部40を形成する方法としては、公知の方法が適宜用いられ、例えばフォトリソグラフィー法が用いられる。なお以下の説明において、タッチパネルセンサ部40および第1加飾部60を要素部70と総称することもある。
その後、基材30の第1面30a上および第2面30b上において所定の複数の区画に第1保護膜81および第2保護膜82を設ける保護膜形成工程を実施する。まず図6Cに示すように、基材30の第1面30a上に、複数の区画にそれぞれ設けられた要素部70を連続的に覆う第1保護膜81を設ける。また基材30の第2面30b上に第2保護膜82を設ける。図6Cに示す例において、第1保護膜81および第2保護膜82はそれぞれ、基材30の第1面30aおよび第2面30bの全域を覆うよう設けられている。
保護膜81,82は、フッ酸などを用いた後述するウェットエッチングによって基材30を分割する際に要素部70を保護するレジストとして機能するものである。基材30を分割するために用いられるエッチング液に対する耐性を有する限りにおいて、保護膜81,82を構成する材料が特に限られることはない。例えば保護膜81,82を構成する材料として、50〜100μm程度の厚みを有する二軸延伸ポリプロピレンや無延伸ポリプロピレンなどを用いることができる。この場合、20μm程度の厚みを有する粘着層を介して二軸延伸ポリプロピレンや無延伸ポリプロピレンのシートを基材30の第1面30a上および第2面30b上に貼り付けることにより、保護膜81,82が構成される。
その後、図6D(a)(b)に示すように、第1面30aおよび第2面30bの全域にわたって設けられていた第1保護膜81および第2保護膜82を、第1面30aおよび第2面30bの区画毎に分断する。これによって、各要素部70を覆う第1保護膜81、およびそれに対応する第2保護膜82に、各区画の境界に沿った間隙が形成される。
第1保護膜81および第2保護膜82を分断する具体的な方法が特に限られることはなく、様々な方法が採用され得る。例えば、図6D(b)に示す第1保護膜81の形状に対応した形状を有する金型を用いて、第1保護膜81の不要部分(間隙になる部分)を除去してもよい。第2面30b側においても、第1保護膜81用の金型に対応した形状を有する金型を用いることにより、第2保護膜82の不要部分(間隙になる部分)が除去され得る。その他にも、レーザー加工を利用して、第1保護膜81および第2保護膜82の不要部分を除去してもよい。
その後、図6E(a)に示すように、基材30の各区画に設けられた第1保護膜81および第2保護膜82の間隙に沿って基材30を切断する切断工程を実施する。具体的には、基材30の第1面30a側および第2面30b側から、第1保護膜81および第2保護膜82をレジストとして基材30をウェットエッチングすることによって、基材30を切断する。エッチング液としては、上述のようにフッ酸などが用いられる。これによって、図6E(a)に示すように、ガラスからなる単位基材22と、単位基材22の第1面22a側に設けられた要素部70と、単位基材22の第1面22a上に設けられ、要素部70を覆う第1保護膜81と、単位基材22の第2面22b上に設けられた第2保護膜82と、を有する単位積層体35を得ることができる。
図6E(b)は、図6E(a)に示す単位積層体35を拡大して示す断面図である。図6E(b)に示すように、第1保護膜81は、単位基材22の第1面22aよりも側方に突出するよう構成されている。同様に第2保護膜82は、単位基材22の第2面22bよりも側方に突出するよう構成されている。単位基材22と第1保護膜81および第2保護膜82との間のこのような関係は、エッチング液を用いた上述の切断工程の際に、単位基材22の第1面22aおよび第2面22b双方からのエッチングにより単位基材22が貫通される程度の時間にわたってエッチング工程を継続することによって実現される。なおエッチング工程においては通常、単位基材22の側面22cのうち第1面22aおよび第2面22b近傍の位置において深さ方向および水平方向のいずれにおいても等方的にエッチングが進む。このため図6E(b)に示すように、単位基材22の側面22cのうち第1面22aおよび第2面22b近傍においては、第1面22aと第2面22bとの間の中間部分に比べて、エッチングが深く進む。この結果、端部22aeに交わるとともに第2面22b側へ向かうにつれて外側へ広がる第1側面22dと、端部22beに交わるとともに第1面22a側へ向かうにつれて外側へ広がる第2側面22eと、が得られる。
次に図7A〜図7Dを参照して、単位積層体35の単位基材22の側面22cに補強部(樹脂等)を設けることによって、側面が補強されたカバーガラス20を得るための工程について説明する。
はじめに図7Aに示すように、紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂などの硬化性材料を含む塗布液27を単位基材22の側面22c上に塗布する塗布工程を実施する。ここでは、アクリル系樹脂と、光重合開始剤とを含む塗布液が用いられる場合について説明する。
塗布工程において、塗布液27は図7Aに示すように、単位基材22の側面22c、第1保護膜81および第2保護膜82によって囲われた空間内に充填される。なお塗布液27は、図7Aに示すように、第1保護膜81の端面81c上および第2保護膜82の端面82c上にも溢れ出る程度に塗布されてもよい。
次に、第1保護膜81の端面81c上および第2保護膜82の端面82c上に溢れ出ている塗布液27を、スキージなどを用いて掻きとる。これによって図7Bに示すように、塗布液27の表面が、第1保護膜81の端面81cおよび第2保護膜82の端面82cに一致するようになる。
その後、単位基材22の側面22c上に設けられた塗布液27を硬化させる硬化工程を実施する。ここでは、塗布液27に紫外線などの光を照射することによって、塗布液27を硬化させる。これによって、単位基材22の側面22c上に補強部26が形成される。
次に、単位基材22の第1面22a上の第1保護膜81および単位基材22の第2面22b上の第2保護膜82を除去する。これによって、図7Cに示すように、単位基材22と、単位基材22の側面22c上に設けられた補強部26と、を備えたカバーガラス20を得ることができる。その後、図7Dに示すように、単位基材22の第1面22a側または補強部26の第1面26a側であって第1加飾部60の外側の位置に第2加飾部62を設けてもよい。第2加飾部62は例えば、第1加飾部60と同色を呈するよう構成されている。このような第2加飾部62をさらに設けることによって、所望の色を呈することができる非アクティブエリアAa2の範囲をより外側に広げ、外周部からの光漏れの防止などの意匠性の向上を図ることができる。また第2加飾部62は、カバーガラス20の第1面20aの法線方向に沿って見た場合に補強部26と重なるよう構成されていることが好ましい。
本実施の形態によれば、単位基材22の側面22c上に、硬化性樹脂からなる補強部26が設けられている。このため、カバーガラス20の側面20cに衝撃が加えられた場合に単位基材22の側面22cに伝わる力が、補強部26によって緩和され、単位基材22の側面22cにクラックなどの損傷が生じることを抑制することができる。このことにより、仮に単位基材22の側面22cに圧縮応力層が形成されていない場合であっても、カバーガラス20の耐衝撃性を十分に高くすることができる。また、単位基材22の側面22cに引張応力層24bが露出している場合であっても、露出している引張応力層24bを補強部26によって覆うことができるので、カバーガラス20の耐衝撃性を十分に高くすることができる。
また本実施の形態によれば、補強部26を構成する樹脂材料が、ポリエン−ポリチオール系樹脂を含んでいる。このため、補強部26が大気などの外部環境に対して露出している場合であっても、重合反応が酸素によって阻害されてしまうことを抑制することができる。これによって、十分に重合反応を経た、所望の硬度を有する補強部26を得ることができる。またポリエン−ポリチオール系樹脂を用いることにより、補強部26の硬度が過剰に高くなってしまうことを防ぐことができる。従って、硬度と靱性とのバランスが良好に保たれた補強部26を得ることができる。またポリエン−ポリチオール系樹脂を用いることにより、補強部26の表面の濡れ性を適切に確保することができる。このため、補強部26が形成された後に補強部26の第1面26a上に塗布される塗布液、例えば第2加飾部62用の塗布液が、第1面26a上に安定に留まることができる。すなわち、補強部26の第1面26aの印刷適性を十分に確保することができる。このことにより、第2加飾部62などの構成要素を補強部26の第1面26a上に均一に形成することが可能になる。
また本実施の形態において、補強部26は上述のように、単位基材22の第1面22aから側方に突出した第1保護膜81および単位基材22の第2面22bから側方に突出した第2保護膜82によって位置決めされた空間内に形成されたものである。このため図7Cおよび図7Dに示すように、単位基材22の第1面22aと補強部26の第1面26aとは同一平面上に位置している。同様に、単位基材22の第2面22bと26の第2面26bとは同一平面上に位置している。すなわち、単位基材22と補強部26との間に段差が全くまたはほとんど存在していない。このため、単位基材22と補強部26との間の境界が観察者から視認されてしまうことを抑制することができる。従って本実施の形態の補強部26によれば、カバーガラス20の側面20cの強度の確保と、カバーガラス20の意匠性の確保とを両立させることができる。また、タッチパネルの操作感が段差によって阻害されてしまうこともない。
また本実施の形態において、補強部26においては上述のように、第1保護膜81の端面81c上および第2保護膜82の端面82c上に溢れ出ている塗布液27を、スキージなどを用いて掻きとることによって、補強部26の側面26cが整面されている。このため、塗布液27を硬化させることによって得られる補強部26において、その第1面26aの端部26aeの位置は、第1保護膜81の端面81cの位置に一致することになる。同様に、補強部26の第2面26bの端部26beの位置は、第2保護膜82の端面82cの位置に一致することになる。このように本実施の形態によれば、補強部26の第1面26aの端部26aeの位置および第2面26bの端部26beの位置を、保護膜81,82の端面81c,82cの位置に基づいて定めることができる。
上述のように補強部26は、所定の流動性を有する塗布液27に基づいて形成される。従って、仮に保護膜81,82のような枠を用いることなく塗布液27を塗布する場合、塗布液27の厚みや形状などの寸法を精密に制御することは困難である。一方、保護膜81,82の端面81c,82cは上述のように、金型やレーザーを利用した加工によって高精度にその位置が定められる。従って本実施の形態によれば、塗布液27の厚みや形状などの寸法の精度として、金型やレーザーを利用した加工における精度に準じる精度を実現することができる。このため本実施の形態によれば、補強部26の端部26ae,26beの位置、すなわちカバーガラス20の端部の位置を精度良く定めることができる。このことにより、カバーガラス20と表示装置15、ケースとの組立ての際に、工程の容易さや歩留りを高めることができる。また本実施の形態のようにカバーガラス20に第1加飾部60やタッチパネルセンサ部40が設けられている場合、表示装置15に対する第1加飾部60やタッチパネルセンサ部40の加工精度も高めることができる。このことにより、カバーガラス付き表示装置10の高い意匠性や操作性を実現することができる。
また、補強部26の側面26cが、端部26aeと端部26beとの間をほぼ平坦に広がる平坦面として構成されている場合、補強部26の端部26ae,26beの位置だけでなく補強部26の側面26c全域の位置も、保護膜81,82の端面81c,82cの位置に応じて定まることになる。すなわち、カバーガラス20の端部だけでなくカバーガラス20の側面20c全域の加工精度を高めることができる。
また本実施の形態によれば、カバーガラス20の側面20cが、樹脂からなる補強部26によって構成されていることから、カバーガラス20の側面20cがガラスで構成されている場合に比べて、カバーガラス20の側面20cのエッジ部について、面取りなどによる裂傷防止加工をする必要がない。
なおカバーガラス20の補強部26は、カバーガラス20の第1面20a側に設けられる第1加飾部60や第2加飾部62と同色を呈するよう構成されていてもよい。例えば補強部26は、第1加飾部60や第2加飾部62に含まれている着色顔料と同色の着色顔料を含んでいても良い。この場合、非アクティブエリアAa2の外縁周辺の領域が、それよりも内側に位置する第1加飾部60や第2加飾部62の領域と同色の領域として視認されることになる。このため、第1加飾部60や第2加飾部62が非アクティブエリアAa2の外縁にまで延びている場合と同様の意匠上の効果を得ることができる。
一般に第1加飾部60や第2加飾部62は、樹脂材料および顔料を含む塗布液をカバーガラス20上(単位基材22上または補強部26上)に塗布することによって形成される。一方、非アクティブエリアAa2の外縁周辺の領域に塗布液を正確に塗布することは容易ではない。
ここで、補強部26が上述のように着色されている場合、第1加飾部60や第2加飾部62を非アクティブエリアAa2の外縁周辺の領域にまで設けることなく、非アクティブエリアAa2の外縁周辺の領域が所望の色で視認されるようになる。このため、第1加飾部60や第2加飾部62を設ける工程をより容易なものとすることができる。
なお「同色」とは、肉眼では色の違いを判別できない程度に2つの色の色度が近接していることを意味している。より具体的には、「同色」とは、2つの色の色差ΔE* abが10以下、好ましくは3以下であることを意味している。また「異色」とは、2つの色の色差ΔE* abが10よりも大きいことを意味している。ここで色差ΔE* abとは、L*a*b*表色系におけるL*、a*およびb*に基づいて算出される値であり、肉眼で観察された場合の色の相違に関する指標となる値である。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、いくつかの変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
(第1の変形例)
上述の本実施の形態においては、基材30の第1面30a上に第1加飾部60やタッチパネルセンサ部40などの要素部70を形成する要素部形成工程が、基材30に第1保護膜81および第2保護膜82を設ける保護膜形成工程に先行して実施される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、要素部70が設けられていない状態の基材30に対して第1保護膜81および第2保護膜82を設け、その後、基材30を切断する工程および単位基材22の側面22c上に補強部26を設ける工程を実施してもよい。これによって、図8に示すように、単位基材22と、単位基材22の側面22c上に設けられた補強部26と、を備えたカバーガラス20を得ることができる。
図8に示す本変形例において、補強部26は、所定の色を呈するよう構成されていてもよい。例えば補強部26は、所定の色を呈する着色顔料を含んでいてもよい。この場合、第1加飾部60や第2加飾部62を設けることなく、外周部からの光漏れ防止などの意匠性の向上を実現することができる。また図示はしないが、図8に示す本変形例において、カバーガラス20は、補強部26を形成した後に補強部26の第1面26a上に設けられる加飾部をさらに備えていてもよい。
(第2の変形例)
上述の第1の変形例においては、第1加飾部60およびタッチパネルセンサ部40のいずれも設けられていない状態の基材30に対して第1保護膜81および第2保護膜82が設けられる例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、タッチパネルセンサ部40は設けられてないが第1加飾部60は設けられている状態の基材30に対して第1保護膜81および第2保護膜82を設け、その後、基材30を切断する工程および単位基材22の側面22c上に補強部26を設ける工程を実施してもよい。これによって、図9に示すように、単位基材22と、単位基材22の第1面22a上に設けられた第1加飾部60と、単位基材22の側面22c上に設けられた補強部26と、を備えたカバーガラス20を得ることができる。また図9に示すように、カバーガラス20は、補強部26が形成された後に第1加飾部60の外側の位置に設けられる第2加飾部62をさらに備えていてもよい。
(第3の変形例)
塗布液27を硬化させることによって補強部26を得た後、補強部26の側面26cを加工することにより、側面26cの形状を、すなわちカバーガラス20の側面20cの形状を整えてもよい。補強部26は上述のように樹脂材料によって構成されているので、カバーガラス20の側面20cが強化ガラスによって構成されている場合に比べて、カバーガラス20の側面20cを加工して所望の形状を得ることがより容易である。また、加工に起因する強度の低下やマイクロクラックの発生が生じにくい。加工方法としては例えば、研磨機を用いた加工を採用することができる。
例えば図10に示すように、補強部26の第1面26a側の端部26aeおよび第2面26b側の端部26beの両方を削り落とすよう、補強部26の側面26cを加工してもよい。図10に示す例においては、補強部26の側面26cのうち第1面26aと交わる部分および第2面26bと交わる部分の両方が、丸面に加工されている。この場合であっても、加工されない部分(未加工部分26d)が側面22cに一部でも残っていれば、保護膜81,82を利用した上述の塗布方法に基づいて、カバーガラス20における高い外形寸法精度を確保することができる。なお図10においては、側面26cが丸面となるよう側面26cが加工される例が示されているが、これに限られることはなく、図示はしないが、側面26cが角面となるよう側面26cが加工されてもよい。また図示はしないが、補強部26の第1面26a側の端部26aeおよび第2面26b側の端部26beのうちの一方、例えば第1面26a側の端部26aeを少なくとも削り落とすよう、補強部26の側面26cを加工してもよい。
(第4の変形例)
上述の本実施の形態においては、単位基材22の側面22c、第1保護膜81および第2保護膜82によって囲われた空間内に塗布液27を塗布することによって補強部26が形成される例を示したが、これに限られることはない。その他の方法によって補強部26が形成される場合であっても、補強部26を構成する樹脂材料がポリエン−ポリチオール系樹脂を含むことにより、十分に重合反応を経た、所望の硬度および靱性を有する補強部26を得ることができる。また、補強部26の印刷適性を十分に確保することができる。補強部26の形成方法の例としては、射出成形法、ディスペンシング法、噴霧塗装法、ローラー塗装法やディッピング法などを挙げることができる。図11は、ディッピング法によって形成された補強部26を備えたカバーガラス20の一例を示す断面図である。
(第5の変形例)
上述の本実施の形態においては、側面22cが、単位基材22の第1面22aの端部22aeに交わるとともに、単位基材22の第2面22b側へ向かうにつれて外側へ広がる第1側面22dと、単位基材22の第2面22bの端部22beに交わるとともに、単位基材22の第1面22a側へ向かうにつれて外側へ広がる第2面22eと、を含む例を示した。しかしながら、補強部26を設けることができる限りにおいて、側面22cの形状が特に限定されることはない。例えば図12に示すように、側面22cは、第1面22aおよび第2面22bに対して直交するように広がっていてもよい。このような形状を有する側面22cは、例えば、レーザーを利用して基材30を切断することによって形成され得る。また、カッターやレーザーを利用して基材30の表面にスクライブラインを形成し、その後、基材30に打撃力や曲げ応力を加えることにより、スクライブラインを起点として基材30を切断することによっても、図12に示す側面22cが形成され得る。
(第6の変形例)
上述の本実施の形態においては、単位基材22の側面22cで引張応力層24bが露出している例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図13に示すように、単位基材22の第1面22aおよび第2面22bだけでなく側面22cにも圧縮応力層24aが形成されていてもよい。この場合であっても、単位基材22の側面22c上に補強部26を設けることにより、カバーガラス20の側面20cに衝撃が加えられた場合に単位基材22の側面22cに伝わる力を緩和することができる。
上述の第5および第6の変形例において、側面22c上に補強部26を形成する方法が特に限られることはなく、上述の本実施の形態および各変形例で挙げた方法などが適宜採用される。なお第1保護膜81および第2保護膜82を利用して塗布液27を塗布することによって補強部26を形成する場合、第1保護膜81および第2保護膜82は、基材30を切断して単位基材22を得た後に単位基材22の第1面22a上および第2面22b上に設けられたものであってもよい。
(第7の変形例)
上述の実施の形態や各変形例においては、単位基材22の側面のうち単位基材22の外形を構成する側面22c上に補強部26が形成される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図14に示すように単位基材22に貫通孔23が形成されている場合、貫通孔23の壁面23a上に補強部26を設けてもよい。すなわち本願において、「単位基材22の側面」は、単位基材22に形成されている貫通孔23の壁面23aをも含む概念である。貫通孔23は例えば、カメラやスピーカーなどを表示装置に搭載するために設けられるものである。
図15は、図14に示す貫通孔23の壁面23a上に補強部26を形成する工程を示す断面図である。なお図15においては、貫通孔23の壁面23a上だけでなく、単位基材22の外形を構成する側面22c上にも補強部26が形成されている様子を示している。図15に示す例において、第1保護膜81および第2保護膜82は、単位基材22の貫通孔23の壁面23aよりも内側に突出するように設けられている。このため、単位基材22の貫通孔23の壁面23a、第1保護膜81および第2保護膜82によって囲われた空間内に塗布液27を塗布することにより、図15に示すように、高い寸法精度で壁面23a上に補強部26を形成することができる。
本変形例においても、単位基材22の貫通孔23の壁面23a上に設けられる補強部26は、ポリエン−ポリチオール系樹脂を含んでいる。このため、十分に重合反応を経た、所望の硬度を有する補強部26を貫通孔23の壁面23a上に設けることができる。また、補強部26の印刷適性を十分に確保することができる。
(その他の変形例)
また上述の本実施の形態においては、補強部26および塗布液27が、加熱または紫外線照射などによって重合反応が進行し、これによって硬化する硬化性樹脂を含む例を示したが、これに限られることはない。単位基材22の側面22c上に塗布される際には所定の流動性を有するが、その後に硬化することができる限りにおいて、補強部26を形成するための塗布液27として様々な流動体を用いることができる。例えば塗布液27として、熱によって溶融した状態の樹脂材料からなる流動体を用いてもよい。この場合、単位基材22の側面22c上に塗布液27が塗布された後、塗布液27が冷えて固化することにより、塗布液27が硬くなる。これによって、樹脂材料を含む補強部26を得ることができる。このように本実施の形態において、「硬化」とは、加熱または紫外線照射などによって樹脂材料が硬化する現象だけでなく、冷えて固化することによって樹脂材料が硬化する現象をも含む概念である。なお自然冷却によって樹脂材料が冷えて固化してもよく、若しくは、強制冷却によって樹脂材料が冷えて固化してもよい。また「固化」とは、物質が、気体または液体の状態から固体の状態に変化することを意味している。
なお、上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
(実施例1)
上述の図7A乃至図7Dに示す方法を用いて、単位基材22の側面22c上に補強部26を形成した。補強部26を構成するための材料としては、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂およびポリエン−ポリチオール系樹脂の3種類を用いた。アクリル系樹脂としては、東亞合成株式会社製のUV−3300を用いた。エポキシ系樹脂としては、株式会社スリーボンド製のTB3114を用いた。またポリエン−ポリチオール系樹脂としては、積水化学工業株式会社製のフォトレックA−784を用いた。
はじめに、第1保護膜81および第2保護膜82が設けられた単位基材22を3つ準備した。単位基材22としては、板厚0.7mmのアルミノシリケートガラスの表面に、化学強化により厚み24μmの圧縮応力層を付与したものを用いた。次に、上述の図7Aに示すようにして、単位基材22の側面22c上に、上述の3種類の樹脂のいずれかを含む塗布液27をそれぞれ塗布した。その後、塗布液27に対して光を照射することにより塗布液27を硬化させ、これによって補強部26を得た。なお、塗布液27の粘度、および塗布液27を硬化させる条件としては、塗布液27に含まれる樹脂材料を提供する材料メーカーが推奨する条件を採用した。
得られた補強部26の側面26cを手で触って、べたつきを感じるかどうかを評価した。結果、エポキシ系樹脂およびポリエン−ポリチオール系樹脂から構成された補強部26に関しては、べたつきが感じられなかった。一方、アクリル系樹脂から構成された補強部26に関しては、べたつきが感じられた。
補強部26の側面26cは、硬化する際に大気などの外部環境に対して露出している部分である。従って、アクリル系樹脂を用いた場合は、重合反応が酸素によって阻害され、この結果、補強部26の側面26cが未硬化のままで残っていたと考えられる。一方、ポリエン−ポリチオール系樹脂の重合反応が酸素によって阻害される程度は、アクリル系樹脂の場合に比べて小さい。このため、ポリエン−ポリチオール系樹脂から構成された補強部26においては、その側面26cがべたつくことを防ぐことができたと考えられる。
(実施例2)
実施例1で用いた上述の3種類の樹脂の印刷適性を評価した。具体的には、はじめに、図16(a)に示すように、ガラス板90を準備した。次に図16(b)に示すように、ガラス板90上に、上述の3種類の樹脂のいずれかを含む塗布液を塗布し、その後、塗布液を硬化させ、これによってガラス板90上に樹脂層91を形成した。次に図16(c)に示すように、異なる表面張力を有するように設定された複数種類のインキを樹脂層91上に印刷することによって、樹脂層91上に印刷パターン92a〜92fを設けた。ここでは、印刷パターン92a〜92fを、32,34,36,38,40,42mN/mの表面張力を有するインキによってそれぞれ構成した。このようなインキを樹脂層91に印刷するための手段としては、Corona Supplies Ltd.製の「JUMBO SURFACE TENSION TEST PENS」の、#32,34,36,38,40,42のセットを用いた。#の後の数字は、ペンに含まれるインキの表面張力(単位はmN/m)を表している。
その後、1時間が経過するのを待ってから、印刷パターン92a〜92fの状態を観察した。図16(d)に、一時間経過後の印刷パターン92a〜92fの状態の一例を示す。なお一般に、表面張力が高い方が、インキが下地(ここでは樹脂層91)からはじかれ、この結果、印刷パターンが乱れやすい。すなわち図16に示す印刷パターン92a〜92fにおいては、右側に位置するパターン、すなわち印刷パターン92f側のパターンほど、樹脂層91からはじかれて乱れやすくなっている。従って、樹脂層91の印刷適性が不十分な場合、印刷パターン92a〜92fのうちのいずれか1つを境界として、それよりも左側のパターンには乱れが生じず、それよりも右側のパターンには乱れが生じることになる。図16(d)に示す例は、樹脂層91が、印刷パターン92a〜92d(表面張力が32〜38mN/mのパターン)に対しては印刷適性を有するが、印刷パターン92e,92f(表面張力が40,42mN/mのパターン)に対しては印刷適性を有さないことを意味している。このような試験を実施することにより、32,34,36,38,40,42mN/mの表面張力を有するインキに対する、上述の3種類の樹脂の印刷適性をそれぞれ評価することができる。
印刷適性の評価結果を表1に示す。表1において、「○」は、インキからなる印刷パターンの乱れ(インキのはじき)が生じなかったことを意味し、「×」は、インキのはじきが生じたことを意味している。表1に示すように、アクリル系樹脂およびポリエン−ポリチオール系樹脂から構成された樹脂層91は、32〜42mN/mの表面張力を有するインキに対する印刷適性を有していた。一方、エポキシ系樹脂から構成された樹脂層91は、32mN/mの表面張力を有するインキに対する印刷適性は有していたが、34〜42mN/mの表面張力を有するインキに対する印刷適性は有していなかった。
上述のように、ポリエン−ポリチオール系樹脂は、その上に塗布されるインキなどの塗布液の表面張力が大きい場合であっても、塗布液がはじかれてパターンが乱れてしまうことを抑制することができる。従って、補強部26の第1面26a上に第2加飾部62などの構成要素が設けられる場合、ポリエン−ポリチオール系樹脂を用いて補強部26を構成することが好ましいと言える。
追加の評価として、スクリーン印刷法によってエポキシ系樹脂からなる層の上にインキを印刷したところ、エポキシ系樹脂によってインキがはじかれることに起因する印刷不良が確認された。インキとしては、セイコーアドバンス社製の1690Nを用いた。
(実施例3)
エポキシ系樹脂およびポリエン−ポリチオール系樹脂の耐衝撃性を評価した。具体的には、はじめに、実施例1の場合と同様にして、エポキシ系樹脂およびポリエン−ポリチオール系樹脂から構成された補強部26を備えたカバーガラス20をそれぞれ作製した。また比較のため、補強部26を備えないカバーガラス20を作製した。次に図17に示すように、打撃手段94を用いてカバーガラス20の側面20cに衝撃を加えた。なお補強部26が設けられている場合、カバーガラス20の側面20cは、補強部26の側面26cによって構成されている。
打撃手段94としては、長さが35cmのステンレス鋼(SUS)製の、所定の直径を有する丸棒を用いた。ここでは、直径が0.50,0,75,1.00,1.25cmのSUS製の丸棒をそれぞれ用いて試験を行った。以下、具体的な試験方法について説明する。
はじめに、載置台97の上に、カバーガラス20と、支持手段95によって支持された打撃手段94と、を載置する。カバーガラス20は、側面20cが上方を向くように載置される。支持手段95は、打撃手段94の一端94aが真上を向く状態から真横を向く状態になるまで打撃手段94が他端94bを軸として90°にわたって回転し、これによって打撃手段94の一端94aがカバーガラス20の側面20cに衝突するように、打撃手段94の他端94bを支持する。この場合、打撃手段94の長さおよび直径によって定まる衝突エネルギーをカバーガラス20の側面20cに正確に加えることができる。なおカバーガラス20の周囲には、カバーガラス20の第1面20aや第2面20bを保持し、カバーガラス20に衝撃が加えられた際にカバーガラス20が倒れてしまうことを防ぐための保持手段96が設けられていてもよい。
打撃手段94を用いてカバーガラス20の側面20cに衝撃を加えた後、4点曲げ試験を実施してカバーガラス20の曲げ強度を測定した。
耐衝撃性の評価結果を表2に示す。表2において、「○」は、測定された曲げ強度が500MPa以上であったことを意味し、「×」は、測定された曲げ強度が500MPa未満であったことを意味している。表2に示すように、ポリエン−ポリチオール系樹脂から構成された補強部26を備えたカバーガラス20においては、直径が1.00cmの打撃手段94を用いてカバーガラス20の側面20cに衝撃を加えた後であっても、十分な曲げ強度を維持することができていた。一方、エポキシ系樹脂から構成された補強部26を備えたカバーガラス20においては、1.00cmの打撃手段94を用いてカバーガラス20の側面20cに衝撃を加えた後には、十分な曲げ強度を維持することができなかった。
上述のように、エポキシ系樹脂の硬度は、カバーガラス20の補強部26を構成するための材料の硬度としては過剰に高く、従って脆い。このため、打撃手段94を用いてカバーガラス20の側面20cに衝撃が加えられたとき、補強部26が少なくとも部分的に破壊され、この結果、カバーガラス20の十分な曲げ強度を維持することができなかったと考えられる。これに対して、ポリエン−ポリチオール系樹脂の硬度は適切な範囲内となっており、例えば上述のようにD50〜D75の範囲内になっている。このため、ポリエン−ポリチオール系樹脂から構成された補強部26は、打撃手段94から加えられる衝撃を、弾性変形することによって吸収することができる。このため、衝撃が加えられた後であっても、カバーガラス20の十分な曲げ強度を維持することができたと考えられる。
(実施例4)
実施例1で用いた上述の3種類の樹脂の耐湿性を評価した。具体的には、はじめに、実施例1の場合と同様にして、上述の3種類の樹脂から構成された補強部26を備えたカバーガラス20をそれぞれ作製した。次に、各カバーガラス20を、温度85℃および相対湿度85%の高温高湿環境下に240時間置いた。その後、各カバーガラス20の外観に変色などの変化が生じてないかどうかを、目視によって評価した。また、補強部26が単位基材22の側面22cに十分に密着しているかどうかを、補強部26を手で持つことにより、または補強部26に対して上述の実施例4で用いた打撃手段94を用いて衝撃を加えることにより、評価した。結果、3種類の樹脂から構成された補強部26を備えたカバーガラス20のいずれに関しても、補強部26の外観および補強部26の密着性が十分に維持されていることを確認した。
(実施例5)
実施例1で用いた上述の3種類の樹脂の耐光性を評価した。具体的には、はじめに、実施例1の場合と同様にして、上述の3種類の樹脂から構成された補強部26を備えたカバーガラス20をそれぞれ作製した。次に、Atlas Material Testing Technology社製のSUNTEST CPS+を用いて、各カバーガラス20に光を照射した。その後、各カバーガラス20の外観に変色などの変化が生じてないかどうかを、目視によって評価した。また、補強部26が単位基材22の側面22cに十分に密着しているかどうかを、補強部26を手で持つことにより、または補強部26に対して上述の実施例4で用いた打撃手段94を用いて衝撃を加えることにより、評価した。結果、3種類の樹脂から構成された補強部26を備えたカバーガラス20のいずれに関しても、補強部26の外観および補強部26の密着性が十分に維持されていることを確認した。