JP6338954B2 - タイヤの試験方法 - Google Patents
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Description
供試タイヤを昇温してこの状態を維持する昇温ステップと、
駆動ドラムを備えた試験装置に、上記供試タイヤを取り付けて回転させる走行ステップとを含んでおり、
上記駆動ドラムの外周面に、供試タイヤに当接しうる突起が設けられており、この突起の高さが、10mm以上30mm以下であり、
上記昇温ステップにおいて、上記供試タイヤの昇温環境温度が60℃以上100℃以下であり、供試タイヤの上記環境での保持期間が6日間以上12日間以下であり、
上記走行ステップにおいて、供試タイヤの内圧が、規格に規定された内圧の70%以上80%以下であり、供試タイヤに負荷される試験荷重が、規格に規定された荷重の80%以上100%以下である。
このベルトが、少なくとも、半径方向における最内側の第一層目のベルトプライとこの第一層目の外側に積層された第二層目のベルトプライとを有しており、
上記走行ステップにおいて、走行開始2時間後において、上記第二層目のベルトプライの端部又はそれらの近傍の温度の測定値が100℃を超えている場合、ドラム回転数の低下及び供試タイヤの冷却の少なくとも一方を実施する。
図1には、本発明の一実施形態に係る試験方法の対象となりうる空気入りタイヤ2の概要が示されている。図1において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面に垂直な方向がタイヤ2の周方向である。図1において、一点鎖線で示す中心線CLはタイヤ2の赤道面EQをも表わす。このタイヤ2の形状は、トレッドパターンを除き、赤道面EQに対して対称である。
以上に説明されたタイヤ2は、耐インナーライナークラック性評価のための走行試験に供せられるが、この走行試験に先立って、熱劣化処理が施される。この熱劣化処理により、タイヤ2の内面が劣化させられる。タイヤ2の実際の熱劣化の程度は、後述するように、熱劣化処理後のタイヤ2のインナーライナーの破壊エネルギーを測定することにより確認されうる。この内面の劣化により、供試タイヤ2の耐インナーライナークラック性能が低下する。次の走行試験において、タイヤ2のインナーライナークラックの発生が促進されうる。
サンプル1から8として、耐インナーライナークラック性能の評価試験に供される供試タイヤから試験片が採取された。各サンプルの熱劣化処理の条件が表1に示されている。すなわち、新品の供試タイヤを加熱するためのオーブンの内部温度(熱劣化温度)、及び、供試タイヤのオーブン内への保持期間(熱劣化期間)が示されている。これらのサンプルの内部温度及び保持期間はいずれも、前述した許容範囲(60℃以上100℃以下、6日間以上12日間以下)内にある。その他の条件は、サンプル1から8について同一である。また、熱劣化処理された供試タイヤのインナーライナーの破壊エネルギー(IL破壊E)が表1に指数で示されている。なお、破壊エネルギーの目標範囲は、指数値で75以上85以下である。破壊エネルギーの指数は、熱劣化処理が施されていないサンプル16(表2)の値を100としている。指数値が大きいほど破壊エネルギーが大きい。サンプル1から8のいずれも、その破壊エネルギーが上記目標の範囲に収まっている。また、熱劣化処理における熱エネルギー消費の評価が表1に示されている。熱劣化処理におけるエネルギー消費とは、同じ破壊エネルギー値を得るために、オーブンを通して消費される熱エネルギーである。この熱エネルギーには、加熱量と期間が影響する。消費エネルギーの比較的大きいサンプルには符号Cが付され、比較的少ないサンプルには符号Aが付され、中間のサンプルには符号Bが付されている。
サンプル9から15についての、新品の供試タイヤを加熱するためのオーブンの内部温度、及び、供試タイヤのオーブン内への保持期間が、表2に示されている。この内部温度及び保持期間の少なくとも一項目が、前述した許容範囲(60℃以上100℃以下、6日間以上12日間以下)から外れている。その他の条件は、サンプル1におけると同一である。熱劣化処理された供試タイヤのインナーライナーの破壊エネルギーが表2に指数で示されている。熱劣化処理における熱エネルギー消費の評価が表2に示されている。
サンプル16のタイヤには、熱劣化処理が施されていない。サンプル16の新品の供試タイヤのインナーライナーの破壊エネルギーの指数が表2に示されている。
内部温度及び保持期間のいずれもが許容範囲内(60℃以上100℃以下、6日間以上12日間以下)にあるサンプル1から8は、その破壊エネルギーが目的の範囲(指数75以上85以下)内にある。さらに、サンプル1から8は、オーブンの熱劣化処理で消費したエネルギー量も比較的少ない。一方、内部温度又は保持期間が許容下限値未満のサンプルは、その破壊エネルギーが目的の範囲より高い。また、内部温度及び保持期間がともに許容上限値を超えているサンプル15は、その破壊エネルギーが目的の範囲より低い。内部温度及び保持期間の一方が許容上限値を超えているサンプル12、14は、その破壊エネルギーは目的の範囲内ではあるが、消費エネルギーが大きい。すなわち、熱劣化処理を高温で行っても、長期間行ってもエネルギーを無駄にすることになる。
熱劣化処理された供試タイヤ2は、以下の、耐インナーライナークラック性能を評価する走行試験に供される。図2には、この走行試験に用いられる試験装置52が示されている。この試験装置52は、図1に示されるような供試タイヤ2が装着される試験用のリム54、このリム54を支持する支持装置56、及び、供試タイヤ2を回転駆動する駆動ドラム60を備えている。この駆動ドラム60の外径は1000mm以上3000mm以下の範囲から決定される。駆動ドラム60の外周面の幅は200mm以上1000mm以下の範囲から決定される。
以上に説明された試験装置52を用いて、熱劣化処理後の供試タイヤ2は、以下の耐インナーライナークラック性能を評価する走行試験に供される。この走行試験は台上試験とも呼ばれる。この試験は、タイヤ2の走行ステップである。タイヤ2は試験用のリム54に装着される。このリム54は正規リム又は許容リムである。タイヤ2は、空気が充填されて所定の試験内圧にされる。タイヤ2が装着されたリム54が、支持装置56の回転軸58に取り付けられる。支持装置56は、必要に応じ、タイヤ2を、そのショルダーリブ24がドラム60の突起62に当接しうる位置に位置調整される。タイヤ2は、支持装置56により、駆動ドラム60の外周面に、所定の試験荷重で押圧される。タイヤ2は、この状態で、40km/hの試験速度で走行させられる。
実施例1から4として、それぞれ、耐インナーライナークラック性能の評価試験に供された供試タイヤの熱劣化処理の条件(オーブンの内部温度、保持期間)が表3に示されている。供試タイヤのサイズは、全て、11R22.5 16PRが採用された。この走行試験は、熱劣化処理が施された供試タイヤ2に対し、図2に示された試験装置52と同一の基本構成を有する装置を用いて行われた。走行時のタイヤ内圧(試験内圧)及び試験荷重が表3に示されている。試験内圧は、内圧の割合として、正規内圧(800kPa)に対する100分率(%)で示され、試験荷重は、荷重の割合として、正規荷重(3000kg)に対する100分率(%)で示されている。ドラムの直径は1707.6mmである。ドラム上の突起の平面視形状は、円形又はドラム周方向に長い楕円形である。突起の高さH及びドラム周方向長さLが表3に示されている。この突起のドラム幅方向の幅は全実施例について同一であり、70mmである。突起は、ドラム外周面の幅方向に、タイヤの一対のトレッドエッジ部に対応する位置それぞれに形成されている。突起の個数は、ドラム幅方向に2個、周方向には1個である。走行開始から2時間後における第二層目ベルトプライの端部近傍の温度が100℃以下であったことが確認されている。その他の条件は、実施例1から8について同一である。表3には、走行試験の結果として、損傷が発生するまでの走行距離(km)、及び、損傷の部位が示されている。表中の「IL」とは、インナーライナーを示しており、損傷形態はインナーライナークラックである。
比較例1から4について、供試タイヤの熱劣化処理の条件(オーブンの内部温度、保持期間)が表3に示されている。走行時の試験内圧及び試験荷重が表3に示されている。ドラムの突起の高さH及びドラム周方向長さLが表3に示されている。その他の条件、及び、タイヤのサイズは、実施例1におけると同一である。表3には、走行試験の結果として、損傷が発生するまでの走行距離(km)、及び、損傷の部位が示されている。「未」は損傷未発生を意味する。
比較例5のタイヤには、熱劣化処理が施されていない。表3には、走行時の試験内圧及び試験荷重、並びに、ドラムの突起の高さH及びドラム周方向長さLが示されている。その他の条件、及び、タイヤのサイズは、実施例1におけると同一である。表3には、走行試験の結果として、損傷が発生するまでの走行距離(km)、及び、損傷の部位が示されている。
実施例5から13について、供試タイヤの熱劣化処理の条件(オーブンの内部温度、保持期間)が表4に示されている。走行時の試験内圧及び試験荷重も表4に示されている。ドラムの突起の高さH及びドラム周方向長さLも表4に示されている。その他の条件、及び、タイヤのサイズは、実施例1におけると同一である。表4には、走行試験の結果として、損傷が発生するまでの走行距離(km)、及び、損傷の部位が示されている。
比較例6から11について、供試タイヤの熱劣化処理の条件(オーブンの内部温度、保持期間)が表5に示されている。走行時の試験内圧及び試験荷重も表5に示されている。ドラムの突起の高さH及びドラム周方向長さLも表5に示されている。その他の条件、及び、タイヤのサイズは、実施例1におけると同一である。表5には、走行試験の結果として、損傷が発生するまでの走行距離(km)、及び、損傷の部位が示されている。
表3では、試験内圧及び試験荷重の相違による評価結果の相違が明らかになっている。表4及び表5では、突起のサイズの相違による評価結果の相違が明らかになっている。これらの結果から、実施例では、適当な走行距離の範囲でインナーライナークラックが発生している。すなわち、台上でインナーライナークラックの評価ができている。一方、ある比較例は、インナーライナークラックの発生前に、インナーライナー以外の部位に損傷が生じている。ある比較例は、30000kmの走行によっても損傷が発生しなかった。比較例4のタイヤは、非常に早くインナーライナークラックが発生したため、この条件ではタイヤ間に耐インナーライナークラック性能の優劣の差がつきにくい。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
8・・・クリンチ
10・・・ビード
12・・・カーカス
14・・・ベルト
16・・・インシュレーションゴム
18・・・インナーライナー
20・・・チェーファー
22・・・溝
24・・・ショルダーリブ
26・・・コア
28・・・エイペックス
30・・・カーカスプライ
32・・・補強フィラー
52・・・試験装置
54・・・リム
56・・・支持装置
58・・・(支持装置の)回転軸
60・・・駆動ドラム
62・・・突起
H・・・(突起の)高さ
L・・・(突起の)ドラム周方向長さ
R・・・(突起の)上端の曲率半径
Claims (5)
- 供試タイヤを昇温してこの状態を維持する昇温ステップと、
駆動ドラムを備えた試験装置に、上記供試タイヤを取り付けて回転させる走行ステップとを含んでおり、
上記駆動ドラムの外周面に、供試タイヤに当接しうる突起が設けられており、この突起の高さが、10mm以上30mm以下であり、
上記昇温ステップにおいて、上記供試タイヤの昇温環境温度が60℃以上100℃以下であり、供試タイヤの上記環境での保持期間が6日間以上12日間以下であり、
上記走行ステップにおいて、供試タイヤの内圧が、規格に規定された内圧の70%以上80%以下であり、供試タイヤに負荷される試験荷重が、規格に規定された荷重の80%以上100%以下であり、
耐インナーライナークラック性能を評価するタイヤの試験方法。 - 上記駆動ドラム上における突起が、ドラム幅方向において、供試タイヤのトレッドの両ショルダー部又はそれらの近傍に対応する位置に形成されている、請求項1に記載のタイヤの試験方法。
- 上記突起の、ドラム周方向の長さが40mm以上100mm以下である、請求項1又は2に記載のタイヤの試験方法。
- 上記突起の頂部の角が、その曲率半径が10mm以上60mm以下の曲面にされている、請求項1から3のいずれかに記載のタイヤの試験方法。
- 上記供試タイヤが、そのトレッドの半径方向内側にベルトを備えており、
このベルトが、少なくとも、半径方向における最内側の第一層目のベルトプライとこの第一層目の外側に積層された第二層目のベルトプライとを有しており、
上記走行ステップにおいて、走行開始2時間後において、上記第二層目のベルトプライの端部又はそれらの近傍の温度の測定値が100℃を超えている場合、ドラム回転数の低下及び供試タイヤの冷却の少なくとも一方を実施する、請求項1から4のいずれかに記載のタイヤの試験方法。
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