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JP6340248B2 - 山留め壁、山留め壁の構築方法 - Google Patents
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JP6340248B2 - 山留め壁、山留め壁の構築方法 - Google Patents

山留め壁、山留め壁の構築方法 Download PDF

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本発明は、山留め壁およびその構築方法に関する。
地下構造物の構築時などでは、山留め壁を構築したうえで、その前方の掘削予定箇所の掘削が行われる。地下水位よりも深く地盤を掘削する場合には、山留め壁として、止水機能を有するソイルセメント壁などが用いられる。
ソイルセメント壁は複数のソイルセメントの柱状体からなり、隣り合う柱状体同士をラップさせることで止水機能を有する連続壁を構築したものである。ソイルセメントの柱状体は、地盤をオーガヘッドなどの掘削刃で掘削して柱状体に対応する径の掘削穴を形成し、掘削穴内で地盤の土とセメントミルク等をスクリュー等で混合、撹拌した後、H型鋼等の芯材を掘削穴内に挿入することで構築される。
特許文献1、2には、ソイルセメント壁を構築する際に、止水が必要な部分のみでソイルセメントの柱状体をラップさせることが記載されており、これにより材料面のコストを低減できる。
その他の山留め壁の例として、特許文献3には、親杭と横矢板からなる山留め壁の背後において、地盤内の地下水の流れを遮断する位置に止水部を設けることが記載されている。
特開2012−107444号公報 特開平9−279569号公報 特開2009−68203号公報
上記の特許文献1〜3は、いずれも必要な箇所のみに止水機能を持たせるものであるが、特許文献1、2のようなソイルセメント壁では芯材の全長に渡ってセメントミルク等が充填されるので、上記の手法によっても材料面のコストは依然大きく、またセメントミルク等の硬化前に芯材を打設する必要があり施工が困難であった。また特許文献3の方法では土圧を支持する横矢板と止水部を併用することからコストの点で問題があった。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、所定箇所での止水が可能で、かつ簡易に構築できコストも抑えることができる山留め壁等を提供することである。
前述した目的を達成するための第1の発明は、地盤に打設された複数の杭材と、前記杭材の高さ方向の一部のみで止水材を充填することで、隣り合う前記杭材に接触するように形成された止水部と、を具備し、前記止水材が、隣り合う前記杭材の間から充填されたことを特徴とする山留め壁である。
第2の発明は、地盤に打設された複数の杭材と、前記杭材の高さ方向の一部のみで止水材を充填することで、隣り合う前記杭材に接触するように形成された止水部と、前記杭材の高さ方向の前記止水材の充填箇所を除く一部で、隣り合う前記杭材の間に設けられた板材と、を具備することを特徴とする山留め壁である。
記止水材が、前記杭材の前方にはみださないように充填されることが望ましい
の発明は、地盤に複数の杭材を打設する工程と、前記杭材の高さ方向の一部のみで止水材を充填することで、隣り合う前記杭材に接触するように止水部を形成する工程と、を有し、前記止水材を、隣り合う前記杭材の間から充填することを特徴とする山留め壁の構築方法である。
第4の発明は、地盤に複数の杭材を打設する工程と、前記杭材の高さ方向の一部のみで止水材を充填することで、隣り合う前記杭材に接触するように止水部を形成する工程と、前記杭材の高さ方向の前記止水材の充填箇所を除く一部で、隣り合う前記杭材の間に板材を設ける工程と、を有することを特徴とする山留め壁の構築方法である。
記止水材が、地盤に直接挿入したロッドから高圧噴射を行うことにより充填されることが望ましい。また、前記止水材が、前記杭材の前方にはみださないように充填されることが望ましい
本発明によれば、杭材の高さ方向の一部のみに止水材を充填して止水部を形成するので、従来のソイルセメント壁に比べ止水材の量が減り、止水部を簡易に構築し材料面のコストも抑えることができ、環境面でも好適である。また、杭材を打設した後、止水材を隣り合う杭材の間から充填して止水部を形成できるので、止水材の硬化前に杭材を打設する必要がなく施工が容易である。さらに、止水部は杭材に接触するように形成されるので、これにより土圧を好適に負担させることができ横矢板等も省略できる。また、止水材の充填箇所以外の部分、例えば全層のうち砂質土、砂れき土の割合が小さい層などで出水した場合は、別途板材を設け、想定できなかった出水に対して漏水による被害を防止できる。また、板材により土圧を負担させることもできる。
さらに、地盤に直接挿入したロッドから高圧噴射を行い止水材を充填することで、止水材と地盤の土を混合、撹拌し、地盤と置き換えて容易に止水部を形成できる。また止水部に対応する径の掘削穴を掘削する必要もないので、地盤掘削時に掘削刃が杭材に干渉するといったこともない。さらに、止水材を杭材の前方にはみださないように充填することで、地盤の掘削時に止水部を除去する必要もなくなる。
本発明によれば、所定箇所での止水が可能で、かつ簡易に構築できコストも抑えることができる山留め壁等を提供することができる。
山留め壁1を示す図 山留め壁1の斜視図 山留め壁1の水平方向断面を示す図 山留め壁1の構築方法を示す図 山留め壁1の構築方法を示す図 セメントミルクの充填を示す図 山留め壁1aとその構築方法を説明する図
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態について説明する。
[第1の実施形態]
(1.山留め壁1)
まず、本発明の実施形態に係る山留め壁について、図1〜図3を参照して説明する。図1は山留め壁1を示す図であり、山留め壁1を高さ方向に沿って見たものである。図2は山留め壁1の斜視図であり、図3は山留め壁1の水平方向断面を示す図である。図3(a)はソイルセメント13の位置での水平方向断面、図3(b)は鋼板15の位置での水平方向断面を示す。
山留め壁1は地盤100に設けられる。地盤100は、砂質土などの透水層101と、粘性土などの不透水層102を有する。山留め壁1の前方の地盤100を掘削することで、掘削箇所200が形成される。以降、山留め壁1において前方とは掘削箇所200の方向を指し、後方とは地盤100の方向を指すものとする。
山留め壁1は、H型鋼11、ソイルセメント13、鋼板15等を有し、地盤100の透水層101および不透水層102に設けられる。
H型鋼11は、山留め壁1の高さ方向に設けられる杭材であり、平面上間隔を空けて複数設けられる。
ソイルセメント13は、H型鋼11の高さ方向の一部で、透水層101など止水したい区間である止水対象区間に設けられる止水部である。ソイルセメント13は、セメントミルク(止水材)をH型鋼11の間から充填し、地盤100の土と混合、撹拌することで形成され、図3(a)に示すように隣り合うH型鋼11のウェブ等に接するように設けられる。
鋼板15は、H型鋼11の高さ方向のソイルセメント13(セメントミルクの充填箇所)以外の一部で、図3(b)に示すように地盤100の亀裂103等から出水した部分あるいは出水の恐れのある部分に設けられる板材である。鋼板15は例えば鉄板であり、隣り合うH型鋼11の間の前方を覆うように、H型鋼11のフランジに溶接等により固定する。
なお、本実施形態では、不透水層102が非常に強固である等の理由により不透水層102で山留め壁1に土圧が生じないものとし、出水部分等に鋼板15を取り付けるのみとしたが、山留め壁1に土圧が生じる箇所では、横矢板等の板材をH型鋼11の間に取り付けて土圧を支持させるのがよい。
(2.山留め壁1の構築方法)
次に、山留め壁1の構築方法について説明する。山留め壁1を構築する際は、まず図4(a)に示すように、地盤100にH型鋼11を挿入する。H型鋼11は振動工法やプレボーリング工法、強制圧入工法などの従来工法により挿入され、前記したように平面上間隔を空けて複数並べて設けられる。
本実施形態では、前記のソイルセメント13が、地盤改良で多用される高圧噴射撹拌工法を利用して形成される。すなわち、図4(b)に示すように、H型鋼11の間の地盤100に1本のロッド20を直接挿入し、前記の止水対象区間にて、ロッド端部のノズル(不図示)からセメントミルクを高圧噴射して充填する。
ロッド20を引き上げつつ、図6(a)に示すようにロッド端部のノズルから周囲の地盤100に向かって矢印に示すようにセメントミルクを高圧噴射することで、セメントミルクが地盤100の土と混合、撹拌され、図6(b)に示すようにソイルセメント13が地盤100と置き換えて形成される。
なお、図6の例では、H型鋼11のウェブの中心付近に対応する位置にロッド20が挿入されており、セメントミルクがH型鋼11の前方にはみ出して充填され、ソイルセメント13がH型鋼11の前方に突出している。また、この例ではソイルセメント13が略円形断面になるようにセメントミルクを高圧噴射するが、ソイルセメント13の形成時には、ソイルセメント13が非円形断面となるようにセメントミルクを高圧噴射することも可能である。ソイルセメント13の幅もH型鋼11の間隔に合わせて変更できる。さらに、セメントミルクは水平方向に噴射するだけでなく、ロッド先端のノズル(不図示)から下方に噴射することも可能であり、この場合には止水対象区間の下端部でも十分にセメントミルクが充填でき、ソイルセメント13とH型鋼11との密着性が高まり止水性が向上する。
山留め壁1の構築方法の説明に戻る。次に、図5(a)に示すように、H型鋼11の前方の地盤100を掘削する。ソイルセメント13の位置では、H型鋼11の前方に突出したソイルセメント13を除去しつつ、掘削を行う。
この後、ソイルセメント13の位置から下方へとさらに掘削を続ける。図5(b)に示すように、出水部分等の必要な箇所では、前記したように隣り合うH型鋼11の間に鋼板15を設ける。こうして必要な深さまで掘削を行うと、図1等で説明した山留め壁1が構築される。
以上説明したように、本実施形態によれば、H型鋼11の高さ方向の一部のみにセメントミルクを充填してソイルセメント13を形成するので、従来のソイルセメント壁に比べセメントミルクの量が減り、ソイルセメント13を簡易に構築し材料面のコストも抑えることができ、環境面でも好適である。また、先にH型鋼11を打設した後、セメントミルクを隣り合うH型鋼11の間から充填してソイルセメント13を形成できるので、セメントミルクの硬化前にH型鋼11を打設する必要がなく施工が容易である。さらに、ソイルセメント13はH型鋼11に接触するように形成されるので、これにより土圧を好適に負担させることができ横矢板等も省略できる。ただし、ソイルセメント13を設けた箇所で、さらにH型鋼11間に横矢板等を設けることは可能である。
また、ソイルセメント13以外の部分では、例えば砂質土、砂れき土の割合が小さい層などで出水した場合に、出水部分等で上記のように鋼板15を設け、想定できなかった出水に対して簡易に漏水による被害を防止できる。また横矢板等により土圧を負担させることも可能である。
さらに、地盤100に直接挿入したロッド20から高圧噴射を行いセメントミルクを充填することで、セメントミルクと地盤100の土を混合、撹拌し、地盤100と置き換えて容易にソイルセメント13が形成できる。またソイルセメント13に対応する径の掘削穴を掘削する必要もないので、地盤掘削時に掘削刃がH型鋼11に干渉するといったこともない。
しかしながら、本発明はこれに限ることはない。例えば杭材としてはH型鋼11に限らず、山型鋼やC型鋼、鋼管、木製杭なども用いることが可能である。また、止水材としてはセメントミルクの他水ガラス、薬液の高圧噴射によるもの等も考えられる。
また、止水対象区間は、止水したい区間であればよく、透水層101に限らない。例えば粘性土などの不透水層102でも、若干砂が混じっているので計画上止水したい場合や、水を完全に止めたい場合はこれを止水対象区間とする。あるいは逆に、透水層101でも水を通したい場合は計画上止水対象区間としない。
また、図1の例では山留め壁1の下端部が不透水層102に達しているが、地盤100の層と山留め壁1の深さの関係はこれに限らない。例えば山留め壁1の下端部が透水層101内にある場合もある。また、地下水レベルがより低い位置にある等の理由により、常時は地下水のない透水層101等の区間でも、降水時の対策等の観点からこれを止水対象区間とすることもある。さらに、止水対象区間は1つに限らず、高さ方向に離れて複数設定してもよい。この場合は、複数の止水対象区間のそれぞれでソイルセメント13等の止水部を形成し止水を行えばよい。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態はソイルセメント13の形成位置が異なる例であり、その他については同様であるので説明を省略する。
図7(a)は山留め壁1aのソイルセメント13の位置での水平方向断面を示す図である。図7(a)に示すように、本実施形態では、セメントミルクがH型鋼11の前方にはみ出さないように充填され、ソイルセメント13がH型鋼11の前方に突出しないように形成される。
山留め壁1aを構築する際は、図7(b)に示すように、地盤100にロッド20を挿入する位置をH型鋼11のウェブの中心付近よりも後方にずらし、ロッド端部のノズルから矢印に示すようにセメントミルクを高圧噴射する。これにより、セメントミルクをH型鋼11の前方にはみ出さないように充填できる。
この場合、地盤100を掘削する際に前記の図5(a)で説明したようにソイルセメント13を除去する必要がない。従って掘削作業が容易になり、ソイルセメント13の処分コストが低減でき環境面でも好ましい。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1、1a………山留め壁
11………H型鋼
13………ソイルセメント
15………鋼板
100………地盤
200………掘削箇所

Claims (7)

  1. 地盤に打設された複数の杭材と、
    前記杭材の高さ方向の一部のみで止水材を充填することで、隣り合う前記杭材に接触するように形成された止水部と、
    を具備し、
    前記止水材が、隣り合う前記杭材の間から充填されたことを特徴とする山留め壁。
  2. 地盤に打設された複数の杭材と、
    前記杭材の高さ方向の一部のみで止水材を充填することで、隣り合う前記杭材に接触するように形成された止水部と、
    前記杭材の高さ方向の前記止水材の充填箇所を除く一部で、隣り合う前記杭材の間に設けられた板材と、
    を具備することを特徴とする山留め壁。
  3. 前記止水材が、前記杭材の前方にはみださないように充填されたことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の山留め壁。
  4. 地盤に複数の杭材を打設する工程と、
    前記杭材の高さ方向の一部のみで止水材を充填することで、隣り合う前記杭材に接触するように止水部を形成する工程と、
    を有し、
    前記止水材を、隣り合う前記杭材の間から充填することを特徴とする山留め壁の構築方法。
  5. 地盤に複数の杭材を打設する工程と、
    前記杭材の高さ方向の一部のみで止水材を充填することで、隣り合う前記杭材に接触するように止水部を形成する工程と、
    前記杭材の高さ方向の前記止水材の充填箇所を除く一部で、隣り合う前記杭材の間に板材を設ける工程と、
    を有することを特徴とする山留め壁の構築方法。
  6. 前記止水材が、地盤に直接挿入したロッドから高圧噴射を行うことにより充填されることを特徴とする請求項または請求項記載の山留め壁の構築方法。
  7. 前記止水材が、前記杭材の前方にはみださないように充填されることを特徴とする請求項から請求項のいずれかに記載の山留め壁の構築方法。
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