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JP6340779B2 - 汚染土壌浄化方法 - Google Patents
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JP6340779B2 - 汚染土壌浄化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、汚染土壌浄化方法に関するものであり、具体的には、重金属を含む掘削土を効率的かつ低コストで浄化可能とする技術に関する。
掘削工事の対象地盤に重金属が含まれている場合、重金属を含有した掘削土が発生することになる。その場合、掘削土に重金属の吸着材たる鉄粉を添加、撹拌して、掘削土中の重金属を鉄粉に吸着させ、この鉄粉を磁力選別機により回収することで、掘削土の浄化を図ることがある。そうした汚染土壌の浄化技術としては、例えば、重金属で汚染された土壌に対し、水と鉄粉と重金属の移動を促す薬剤を加えて攪拌し、土壌中の重金属を鉄粉に担持させる第1工程と、次いで第1工程で重金属を担持した鉄粉を磁力選別機により土壌から分離する第2工程からなる土壌の浄化方法(特許文献1参照)などが提案されている。
特開2000−51835号公報
ところが上述の磁力選別機は高価であるうえ、処理能力に限界があり、掘削工事で大量に発生する掘削土の処理に適用するためには、複数台を導入、設置して運用を行う必要が生じる。このため、磁力選別機の導入、運用のコストが更に増大するとともに、工事現場の限られた領域内に相応の設置スペースを確保する必要も生じ、実用的ではない。
そこで本発明では、重金属を含む掘削土を効率的かつ低コストで浄化可能とする技術の提供を目的とする。
上記課題を解決するための本発明の汚染土壌浄化方法は、掘削工事で生じた重金属を含む掘削土に重金属吸着用の鉄粉を添加する鉄粉添加工程と、前記鉄粉添加工程により前記重金属を吸着した重金属吸着鉄粉を含む掘削土を、遠心分離機に供給して、前記重金属吸着鉄粉を前記掘削土から分離する事前の鉄粉分離工程と、前記遠心分離機にて前記掘削土から分離させた、掘削土混じりの前記重金属吸着鉄粉を水中での比重選別を行う水中比重選別機に供給し、当該水中比重選別機によって、前記重金属吸着鉄粉を前記掘削土から分離する鉄粉分離工程と、を含む汚染土壌浄化方法であって、前記事前の鉄粉分離工程において、前記遠心分離機の分離により得た掘削土混じりの前記重金属吸着鉄粉を再利用して、前記鉄粉添加工程および前記事前の鉄粉分離工程の一連の手順を1または複数回実行した後、前記鉄粉分離工程において、前記遠心分離機にて前記掘削土から分離させた、掘削土混じりの前記重金属吸着鉄粉を前記水中比重選別機に供給し、該重金属吸着鉄粉を前記掘削土から分離することを特徴とする。
また、上述の汚染土壌浄化方法において、前記鉄粉分離工程では、前記水中比重選別機に対をなす水槽を備え、該水槽の一方を、掘削土混じりの前記重金属吸着鉄粉で満たした後、前記重金属吸着鉄粉を前記掘削土から分離する分離処理を進行させつつ、前記水槽の他方に、掘削土混じりの前記重金属吸着鉄粉を供給することを特徴とする。
これによれば、重金属吸着後の鉄粉(重金属吸着鉄粉)と掘削土との比重の差異に基づいた、確実な鉄粉分別処理が可能となる。しかも、こうした処理は、高価な磁力選別機を用いる場合と比較して低コストで行うことが出来る。また、水中比重選別機は磁力選別機と比べて処理能力が高く、大量の掘削土が発生した場合でも、その処理に際して多数台の導入が必要となる事態も生じない。そのため、そうした水中比重選別機を採用することで、掘削工事現場の限られたスペースを大きく占有せずに、効率的な汚染土壌浄化を行うことができる。したがって、重金属を含む掘削土を効率的かつ低コストで浄化可能となる。
また、水中比重選別を精度良く行うために泥水の性状を所定程度の低粘度とし、水中における鉄粉(重金属吸着鉄粉)と掘削土とを物理的に分離しやすくすることが可能であり、ひいては水中比重選別の処理精度を良好なものと出来る。例えば、掘削土が多量の粘土分を含むなど、そのままでは水中比重選別機で処理する泥水の流体粘度が大きくなる状況にも対応し、良好な鉄粉分別処理が可能となる。
さらに、遠心分離機によって、より高速な鉄粉分別処理を行うと共に、この遠心分離機によって得た分離物(若干の土砂が混入した重金属吸着鉄粉)に関しては水中比重選別機による精度良好な鉄粉分別処理を行うことが可能となり、優れた処理効率と精度良好な鉄粉分別処理が可能となる。
これによれば、上述した遠心分離機を追加的に用いることによる効果に加え、鉄粉を繰り返し利用することにより、鉄粉添加工程における鉄粉使用量を抑制して、鉄粉の収容や添加を行う各種機器類を小規模化して運用可能となり、汚染土壌浄化処理の合理化を図れる効果も奏する。
なお、上述の遠心分離機は、当該遠心分離機を構成する円筒容器に対し、固体混じりの液体を円周方向から渦を描く様に投入することで、比重の重い固体は遠心分離作用により円筒容器内壁に衝突させて回収し、液体は円筒中心から排出させる機能を有しているものを採用できる。こうした機能を有する遠心分離機、いわゆるサイクロンは、装置の機構が単純であるため、一般的には、濁水からの土砂の分離においては、強制旋回式の遠心分離装置と比べて、分離能力が劣るとされている。しかしながら、上述のサイクロンを、土砂よりも比重が十分に大きい鉄粉の分離を目的として使用する場合には、強制旋回式の遠心分離機と同等の能力を発揮すると考えられ、安定的な処理能力を継続して発揮し、大量の掘削土を連続的に処理する状況には好適である。
また、工事現場毎に専用の水中比重選別機を設計、注文する必要はなく、既存製品を用いて鉄粉分別処理を行うことが可能であり、機器導入コストや手間を抑制出来る。
本発明によれば、重金属を含む掘削土を効率的かつ低コストで浄化可能となる。
本実施形態の汚染土壌浄化システムを含む全体構成を示す図である。 本実施形態の汚染土壌浄化方法の手順例を示すフロー図である。 本実施形態における水中比重選別機の構成例1を示す図である。 本実施形態における水中比重選別機の構成例2を示す図である。 本実施形態における鉄粉転用回数確認試験の手順を示す図である。 本実施形態における鉄粉転用回数の特定試験結果(表)を示す図である。 本実施形態における鉄粉転用回数の特定試験結果(グラフ)を示す図である。 本実施形態における汚染土壌浄化方法の実証実験結果(表)を示す図である。
以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は本実施形態の汚染土壌浄化システム1を含む全体構成を示す図であり、図2は本実施形態の汚染土壌浄化方法の手順例を示すフロー図である。本実施形態においては、泥水式シールド工法による掘削工事に、汚染土壌浄化システム1を適用した場合について説明する。また、掘削工事により生じた掘削土には、重金属として砒素が含まれていたものとする。
図1に例示する汚染土壌浄化システム1において、シールドマシン10は、カッタヘッドを回転駆動させて切羽面の掘削を行い、カッタヘッドにより切削した切羽面の土砂すなわち掘削土を泥水と混合し、これを適宜な圧送ポンプと配管からなる排泥系統26により坑外に圧送する。こうして圧送した泥水は、固液分離装置11へ送られる。この固液分離装置11は、泥水と掘削土を分離する泥水処理装置であって、上述の泥水を、振動ふるい等により、掘削土由来の建設発生土(振動ふるい等にて抽出)と泥水とに分離する。
固液分離装置11にて分離された上述の建設発生土については、一般残土として処分する。他方、固液分離装置11にて分離された上述の泥水2は、送泥管や送泥ポンプ等の所定系統を介して調整槽12に供給される。調整槽12では、供給された泥水2を一旦貯留し、成分調整した上で、送泥系統25を介して切羽に供給する。
一方、汚染土壌浄化を行う本実施形態の汚染土壌浄化システム1は、砒素吸着槽14、遠心分離機15、鉄粉前処理槽18、鉄粉ストック槽19、水中比重選別機20、鉄粉タンク21、及びそれら各間における泥水、溶液等の移送系統を備えているものとする。また、上述したシールドマシン10による掘削の進行に伴い、余剰槽13には泥水2が貯留されていき、一定基準量以上となった分の泥水2が、汚染土壌浄化システム1における砒素吸着槽14に供給されるものとする。
ここで、図2のフローにて例示する本実施形態の汚染土壌浄化方法において、余剰槽13から供給された泥水2を砒素吸着槽14にて貯留し、これに対し、鉄粉タンク21より取り出した所定量の鉄粉3を投入し、撹拌する(s101)。なお、砒素吸着槽14は、図1に示すように複数配置し、これに合わせて鉄粉ストック槽19も同数だけ配置するものとする。図1では、3つの砒素吸着槽14A〜14Cおよび鉄粉ストック槽19A〜19Cを配置した構成を例示している。なお、1つの砒素吸着槽14に対し、複数の鉄粉ストック槽19を配置するとしてもよい。砒素吸着槽14Aと鉄粉ストック槽19A、砒素吸着槽14Bと鉄粉ストック槽19B、砒素吸着槽14Cと鉄粉ストック槽19Cは、それぞれ所定の配管系統40〜42で結ばれている。また、各砒素吸着槽14A〜14Cは余剰槽13と所定の配管系統43〜45で結ばれている。
こうした構成において、上述のステップs101(鉄粉添加工程)を実行する場合、まず、余剰槽13から供給される泥水2で当該砒素吸着槽14Aを満たし、所定量の鉄粉3を水と混合した鉄粉混合液を砒素吸着槽14Aに投入し、撹拌作業を行う。その後も余剰槽13から泥水2が供給される状況であれば、次の砒素吸着槽14Bに鉄粉3を投入し、余剰槽13から供給される泥水2で砒素吸着槽14Bを満たし、撹拌作業を行う。さらに余剰槽13から泥水2が供給される状況であれば、次の砒素吸着槽14Cに鉄粉3を投入し、余剰槽13から供給される泥水2で砒素吸着槽14Cを満たし、撹拌作業を行う。このように、余剰槽13からの泥水2の供給に応じて、上述の鉄粉3の投入、泥水2との撹拌といった作業を、砒素吸着槽14A→砒素吸着槽14B→砒素吸着槽14Cの順で行う。
砒素吸着槽14に投入する鉄粉3は、砒素吸着槽14で貯留している泥水2の比重の大きさが大きいほど、すなわち掘削土量が多いほど投入量を多くする。
鉄粉は、砒素、セレン、六価クロム、カドミウム、鉛、シアンなどの重金属を効率良く吸着し、固定化する性状を有することが知られている。従って、この鉄粉を掘削土を含む泥水2に添加し、十分に撹拌すれば、泥水2中の掘削土粒子に付着した砒素が、鉄粉表面に吸着され、鉄粉3に固定化されることになる。以降、砒素を吸着した鉄粉3を砒素吸着鉄粉38(重金属吸着鉄粉)と称する。
続いて、上述の砒素吸着槽14において、泥水2と鉄粉3との撹拌作業を所定時間継続し、泥水2と鉄粉3とが十分混合した後、この混合液である鉄粉添加泥水4を遠心分離機15に供給し、当該鉄粉添加泥水4からの砒素吸着鉄粉38の分離を図る(s102)。なお、この分離により得られる砒素吸着鉄粉38には、砒素吸着鉄粉38と分離しきれなかった土砂が混入する可能性があるが、後述する鉄粉ストック槽19を経て砒素吸着槽14に再投入されるため、混入した土砂は再び泥水中に戻されるので問題は生じない。また、各砒素吸着槽14A〜14Cで得られた鉄粉添加泥水4は、異なる転用回数の砒素吸着鉄粉38が混じり合うことを防ぐべく、砒素吸着槽14A〜14C間でタイミングをずらして遠心分離機15に供給する。
上述の遠心分離機15としてはサイクロンを採用できる。サイクロンは、固体混じりの液体等を円筒容器に対して円周方向から渦を描く様に投入することで、比重の重い砒素吸着鉄粉38(と掘削土)は遠心分離作用により円筒容器内壁に衝突させて回収し、液体(この場合、泥水)は円筒中心から排出させる機能を有している。
続いて、サイクロンなどの遠心分離機15により、上述の鉄粉添加泥水4中より砒素吸着鉄粉38を分離させて得た泥水、すなわち鉄粉回収後泥水7をスラリー槽16に送り、鉄粉回収後泥水7に含まれる細粒分の土砂を沈降させ、この沈降土砂をプレス17によって所定の減容、脱水を行ってケーキとした上で(s103)、砒素を含まない健全な産業廃棄物(以後、健全産廃とする)として搬出する(s104)。なお、本発明の汚染土壌浄化システムを適用していない従来の泥水シールド工法であれば、余剰槽13から排出される泥水は、このスラリー槽16に直接供給されて、減容、脱水を経てケーキとされ、砒素で汚染された産業廃棄物(以後、汚染産廃とする)として搬出されることになる。
一方、上述のステップs102の処理により分離、回収された、若干の土砂を含む砒素吸着鉄粉38である分離物5は、上述の遠心分離機15での砒素吸着鉄粉38の分離動作に伴って鉄粉前処理水槽18に継続的に送られる(s105)。この場合、各砒素吸着槽14A〜14C由来の分離物5が、互いに混じり合うことのないよう、砒素吸着槽別の鉄粉添加泥水4に対する遠心分離機15での処理が完了する毎に、それまでに鉄粉前処理水槽18に貯留された分離物5を、鉄粉ストック槽19A〜19Cのいずれか空いているものに供給する(s106)。また、鉄粉ストック槽19A〜19Cでは、鉄粉前処理水槽18から供給された分離物5に適宜な加水を行うなどして溶液化し、鉄粉混合液6を生成する(s107)。
以上の処理の結果、各砒素吸着槽14ごとに鉄粉添加泥水4に対する遠心分離機15での処理が完了すると該当砒素吸着槽14は空になり、余剰槽13から新たに供給される泥水2を貯留できる状態となる。一方、該当砒素吸着槽14A〜14Cと所定系統でつながった鉄粉ストック槽19A〜19Cには、各砒素吸着槽14の1回分の鉄粉混合液6が貯留された状態となる。
鉄粉ストック槽19A〜19Cの鉄粉混合液6は、次の泥水2が計量されている砒素吸着槽14A〜14Cに配管を通じて投入され、新たな鉄粉添加工程s101が開始される。
以降、上述のステップs101〜s107を、予め特定してある、鉄粉転用可能回数に基づく所定回数の範囲内で繰り返し実行する(s108:n〜s101)。すなわち、転用可能回数限界まで繰り返し実行してもよいし、転用可能回数に応じて、それ以下の回数だけ繰り返し実行してもよい。
砒素吸着槽14にて泥水2に添加する鉄粉混合液6中の砒素吸着鉄粉38は、一定量あたりで吸着、固定化できる重金属量の限界を持ち、この限界量までは繰り返し使用しても重金属を吸着、固定化し続けることが可能である。従って、ステップs102の実行毎に遠心分離機15で回収される上述の分離物5(若干の土砂を含む砒素吸着鉄粉38)を繰り返し転用すれば、鉄粉の有効利用を図れる。そのため使用する鉄粉量を低減しコストを削減することが出来る。
他方、1度も鉄粉転用を行わず(図2のフローにおける、s108:n〜s101での回帰ループを実行しない)、ステップs107の一度の実行後、すぐさま次なるステップs109を実行するとしてもよい。
なお、上述のごとく繰り返し砒素吸着鉄粉38を用いるうちに徐々に鉄粉が失われてその量が減少し、鉄粉混合液6に含まれる鉄粉量が規定量よりも少なくなった場合、未使用の鉄粉3を、鉄粉タンク21から不足分だけ添加するとすればよい。
こうして、鉄粉転用回数に応じた、上述のステップs101〜s107の繰り返し処理を行い、所定転用回数における最終回における上述のステップs102、すなわち、遠心分離機15における鉄粉添加泥水4からの砒素吸着鉄粉38の分離工程に至った場合(s108:y)、この最終回において遠心分離機15で生じた上述の分離物5は所定の鉄粉ストック槽19に収容され、当該鉄粉ストック槽19での適宜な加水に伴って鉄粉混合液6とした後、泥水比重調整槽22に供給して更に加水し、水中比重選別機20での水中比重選別処理に好適な適宜な比重に調整する(s109)。この好適な比重の例については実証実験結果に基づいて後述する。また、泥水比重調整槽22は、例えば鉄粉ストック槽19からの鉄粉混合液6を受け入れる所定容量のタンクと、このタンク内に水を供給する給水装置、およびタンク内における貯留物の撹拌装置を含む構成など、適宜な装置構成のものを必要に応じて採用できる。
次に、上述のように比重調整を行った溶液を、水中比重選別機20に供給する(s110)。水中比重選別機20においては、泥水比重調整槽22にて適宜な比重となった上述の溶液から砒素吸着鉄粉38を水中比重選別処理により選別し分離する(s111)。
図3は本実施形態における水中比重選別機20の構成例1を示す図である。この場合の水中比重選別機20は、処理対象の溶液すなわち鉄粉混合液6を貯留する一対の水槽50A、水槽50Bを備えており、一方の水槽が鉄粉混合液6で満たされるごとに、上述の鉄粉ストック槽19からの鉄粉混合液6の供給先を他方の水槽に切り替える。図3の例においては、現在、水槽50Aが上述の鉄粉ストック槽19から鉄粉混合液6の供給を受け入れており、この鉄粉混合液6を成す泥水2(掘削土)と砒素吸着鉄粉38の比重差による両者の分離処理が進行中となっている。他方、水槽50Bは、既に鉄粉混合液6で満たされて所定時間が経過し、水中比重選別が進んだ結果、その底部には比重の大きな砒素吸着鉄粉38が堆積し、その上方の上澄みには鉄粉より比重の小さな鉄粉無し泥水39が貯まった状態となっている。
図3に例示した状態において、上述したように水槽50Aにおける鉄粉混合液6の貯留と水中比重選別処理を進行させる一方で、水槽50Bでの上澄みとなっている鉄粉無し泥水39すなわち汚泥をスラリー槽16に送る。スラリー槽16では、水槽50Bから送られてきた汚泥が含む細粒分の土砂を沈降させ、この沈降土砂をプレス17によって所定の減容、脱水を行ってケーキとした上で(s112)、砒素を含まない健全産廃として搬出する(s113)。一方、上述のステップs111の処理により分離、回収された、水槽50B内の砒素吸着鉄粉38は、所定の排出口55から取り出し、これを汚染産廃として搬出して(s114)、処理を終了する。
水中比重選別機20は、図3で例示した構成の他にも、図4にて例示するように、土砂洗浄用の汎用機械を採用するとしてもよい。図4は本実施形態における水中比重選別機20の構成例2を示す図である。ここで示す水中比重選別機20は、図4にて示すように、断面が三角形状で底面が水面に向け緩やかに上り傾斜した水槽50、この水槽50に鉄粉ストック槽19からの鉄粉混合液6を導く鉄粉混合液供給手段51、水槽50の底面に設置され、その一端が水槽50の水面上に突出したベルトコンベア52、ベルトコンベア52の搬送面のうち水槽50の水面より上空に突出した部位において搬送面に付着した砒素吸着鉄粉38を掻き取るスクレーパー等の砒素吸着鉄粉回収手段53、この砒素吸着鉄粉回収手段53の対面において水槽50の水面付近の壁面に設けられたオーバーフロー口54、を具備している。
鉄粉混合液供給手段51から鉄粉混合液6が供給された水槽50内では、鉄粉混合液6において比重が大きな砒素吸着鉄粉38が、水槽底部のベルトコンベア搬送面に沈降する。ベルトコンベア52は連続的に稼働しており、搬送面に沈降し付着した砒素吸着鉄粉38を、水槽50の水面上に向けて搬送することになる。また、ベルトコンベアの搬送面に付着して水槽50の水面上まで搬送された砒素吸着鉄粉38は、スクレーパー等の砒素吸着鉄粉回収手段53により掻き取られ、回収される。ここで回収された砒素吸着鉄粉38は、上述のステップs114での処理対象となり、汚染産廃として搬出される。他方、水槽50において、上澄みとなって水槽内を満たす鉄粉無し泥水39すなわち汚泥は、オーバーフロー口54を介して水槽50の水面付近の壁面から水槽外に排出して、スラリー槽16に送り、プレス17による減容、脱水とケーキ形成(s112)を経て、健全産廃として搬出(s113)する。
なお、上述のフロー例では、水中比重選別機20による鉄粉分離工程に先立ち、遠心分離機たるサイクロン15によって事前の鉄粉分離工程を行う処理形態を示した。こうした処理形態の他、図2のフローにおけるステップs102〜s106など、遠心分離機が関与する処理(s1)を実行せず、砒素吸着槽14にて泥水2(掘削土)と鉄粉3とを撹拌した鉄粉添加泥水4を、適宜な加水等による比重調整を行った上でそのまま水中比重選別機20に投入し、以降の処理を行うとしてもよい。この場合、上述のステップs110において水中比重選別機20が水槽50にて貯留し、水中比重選別処理の対象となる溶液は鉄粉添加泥水4となる。
なお、上記の説明では、水中比重選別機20による鉄粉分離工程を1回実行するものとしたが、これに限らず、複数回実行してもよい。すなわち、水中比重選別機20により分離された砒素吸着鉄粉38に僅かな土砂が混じっている場合に、その分離物を再度、水中比重選別機20に投入して、より完全に砒素吸着鉄粉38を土砂から分離することとしてもよい。
また、上述した鉄粉3の転用可能回数の特定方法は以下のようなものとなる。図5は、本実施形態における鉄粉転用回数確認試験の手順を示す図である。すなわち、試験容器30において、所定量の水(例:1リットル)と砒素(例:0.5mg)を混入させた砒素混入溶液35を作成し、これに鉄粉3を4g投入して1時間撹拌させる。この砒素混入溶液35は、液固比5の泥水に、土量あたり2%の鉄粉を添加したケースを想定している。
1時間の撹拌後、砒素を吸着させた鉄粉、すなわち砒素吸着鉄粉38のみをろ過等により砒素混入溶液35から取り出す。ここまでの処理で、上述のステップs102もしくはs103における、鉄粉添加泥水4からの鉄粉3の分離処理が1回実行されたのと同義とする。また、砒素混入溶液35に対するろ過等の固液分離処理で得られる、濾液のpH、EC、砒素濃度を測定した。
引き続き、試験容器30に新たに用意した砒素混入溶液35に対し、上述の1回目の処理で取り出した鉄粉3を投入して1時間撹拌させ、上述同様、砒素吸着鉄粉38を砒素混入溶液35から取り出す作業を行う。これでステップs102における分離処理の2回目が実行されたのと同義とする。この場合にも、上述同様に、濾液のpH、EC、砒素濃度を測定した。
本実施形態ではこうした処理を10回繰り返し行った。また、砒素混入溶液35は、砒素濃度0.5mg/l、0.05mg/lの2液を用意し、試験対象とした。図6は本実施形態における鉄粉転用回数の特定試験結果表400を示す図であり、図7は本実施形態における鉄粉転用回数の特定試験結果グラフ500を示す図である。図6の表400、及び図7のグラフ500に示すように、砒素濃度0.05mg/Lの汚染水に対し、同じ鉄粉で10回まで繰り返し処理を行った場合、濾液に残留した砒素(As)はいずれの回でも0.002mg/L以下であり、転用を10回繰り返すとしても砒素濃度を十分に低減できることが明らかである。一方、砒素濃度0.5mg/Lの汚染水に対し、同じ鉄粉で繰り返し処理を行った場合、処理1回目において残留した砒素濃度は0.001mg/L以下であるが、処理2回目では、残留した砒素濃度が0.080mg/Lとなり、砒素濃度を十分に低減出来ていないことがわかる。濃度の高低を踏まえると、砒素濃度0.5mg/Lの汚染水に対する処理1回は、砒素濃度0.05mg/Lの汚染水に対する処理10回に相当すると推定されることから、0.5mg/Lの汚染水に対する処理2回目で砒素濃度を十分に低減出来なくなった結果は、この試験で用いた鉄粉の転用可能回数が、砒素濃度0.05mg/Lの汚染物に対して、少なくとも10回より多く、20回より少ない回数であることを示している。こうして砒素濃度0.5mg/Lの汚染水に関して転用可能回数の目処をつけたならば、再度、砒素濃度0.05mg/Lの汚染水に対する上述の試験を行って、砒素濃度を十分に低減出来なくなる限界の転用回数、すなわち転用可能回数を見極める。また、このように特定した鉄粉の転用可能回数が、例えば15回であったならば、所定の安全率を考慮して実際の転用回数を12回などと決定することができる。
続いて、本実施形態における汚染土壌浄化方法の実証実験結果について説明する。図8は本実施形態における汚染土壌浄化方法の実証実験結果(表)を示す図である。この実証実験において、まず試験用泥水を作成すべく、使用材料の神奈川県産土丹をハンマーで破砕し、これをジョークラッシャーにて粉砕、高速ブランジャーで加水分散の後、サイクロンによる分別および75μmスクリーンによる分級を経て、75μm以下の泥土を5mタンクに投入し、マッドバランスにて比重を測定しながら加水して目標比重1.05の泥水を生成した。
続いて、上述のタンク内の泥水の容量を水深から算出し、土粒子密度2.65としてタンク内の乾土重量を算出した。更に、ここで算出した乾土重量に対して4%の鉄粉を計量し、これを添加・攪伴して、試験用泥水を生成した。なお、この度の実証実験においては、広い粒度分布の鉄粉(53NJ)を採用したが、単一粒度のものを採用することも可能である。
ここで生成した試験用泥水からメスシリンダーで1Lの試料を採取し、試験室で組成を計測した所、図8の実証実験結果700のうち、「初期」のレコード中にて示すように、比重1.063、鉄粉量3.88g/l、乾土量0.101kg/l、乾土当たりの鉄粉量3.83(%)となった。
水中比重選別機(土砂洗浄用の汎用機)による試験では、まず、水中比重選別機における水槽内を上述の試験用泥水で満たした上、更に上述の試験用泥水を供給し、この供給開始から5分経過して流量安定後(0.05m/分、0.1m/分)に、水槽からのオーバーフロー分を試料泥水として1.2L、2回採取し、ここで採取した試料泥水に含まれる鉄粉等について分析した。この分析手法は以下の通りとなる。
まず、上述の試料泥水のうちからメスシリンダーにて1.0L分を計量し、その重量から泥水比重を算出する。次に、土粒子密度を2.65とし、上述の泥水比重から試料泥水中の乾土重量を算出する。なお、試料泥水の比重から、泥水中の乾土量を算出する手法としては、例えば泥水比重が1.2であった場合、土体積+水体積=1L、土重量+水重量=1.2kg、水体積=水重量、土重量=土体積×2.65(土粒子密度)、の連立方程式を解くことで乾土重量を得る。
続いて、試料泥水中を棒状磁石で攪伴し、この棒状磁石に付着した鉄粉を採取する。この棒状磁石による鉄粉採取は、該当磁石に鉄粉が付着しなくなるまで10回程度繰り返し実行する。次に、棒状磁石によって試料泥水から採取された鉄粉を、乾燥炉で乾燥させ、絶乾状態にしてその重量(鉄粉重量)を計測した。
こうした測定により明らかとなった水中比重選別処理後の水槽内の上澄み、であるオーバーフロー泥水の性状は、図8の実証実験結果700のうち、「オーバー泥水」のレコード中にて示すように、泥水流量0.05m/分の場合、オーバーフロー泥水中の鉄粉量355g/m(「初期」の泥水が含む全鉄粉量3880g/mうちの9.1%)、に対し、泥水より回収した鉄粉量(図中ではアンダーと記載)3525g/m(「初期」の泥水が含む全鉄粉量3880g/mうちの90.9%)であった。一方、泥水流量0.1m/分の場合、オーバーフロー泥水中の鉄粉量995g/m(「初期」の泥水が含む全鉄粉量3880g/mうちの25.6%)、に対し、泥水より回収した鉄粉量(図中ではアンダーと記載)2885g/m(「初期」の泥水が含む全鉄粉量3880g/mうちの74.4%)であった。
この実証実験結果700によれば、各泥水流量のいずれも泥水中より高効率に鉄粉を分離出来ていることがわかるが、特に泥水流量0.05m/分とした場合は鉄粉の分離・回収効率が良好なことが分かる。また、水中比重選別機20での水中比重選別処理に好適な泥水の比重としては、図8の実証実験結果700において鉄粉の分離、回収の効率が良好である点を踏まえると、1.05〜1.063を範囲に含むことが分かる。
また、オーバーフロー泥水の性状のうち、土砂に関するものは、図8の実証実験結果700のうち、「オーバー泥水」のレコード中にて示すように、泥水流量0.05m/分の場合、オーバーフロー泥水中の土砂量33.0kg/m(「初期」の泥水が含む全土砂量101kg/mうちの32.7%)、に対し、泥水より回収した土砂量(図中ではアンダーと記載)68.0kg/m(「初期」の泥水が含む全土砂量101kg/mうちの67.3%)であった。一方、泥水流量0.1m/分の場合、オーバーフロー泥水中の土砂量47.5kg/m(「初期」の泥水が含む全土砂量101kg/mうちの47.0%)、に対し、泥水より回収した土砂量(図中ではアンダーと記載)53.5kg/m(「初期」の泥水が含む全土砂量101kg/mうちの53.0%)であった。この実証実験結果700によれば、各泥水流量のいずれも泥水中より相応の土砂を鉄粉と共に排出する結果となった。
ここで、図8の実証実験結果700において、「アンダー」のレコードが示す鉄粉量および土砂量は、試料泥水の生成時、すなわち「初期」の泥水に関する計測値(鉄粉量3.88g/l=3880g/m、乾土量101kg/m)を、「オーバー泥水」に関して計測した計測値で減算して得た値である。
なお、本実施形態においては、掘削土が重金属として砒素を含む場合に対応したシステム構成と処理方法について説明したが、上述のように、砒素以外の、セレン、六価クロム、カドミウム、鉛、シアンなどに対して本実施形態の汚染土壌浄化システム、汚染土壌浄化方法を適用するとしてもよい。その場合、泥水中での重金属吸着鉄粉の沈降時間を踏まえる必要がある水中比重選別機における水槽深度やサイズ、泥水流量等、或いは、鉄粉の使用量や撹拌時間、転用可能回数など諸条件の値を、必要に応じて該当重金属の性状に適用させることとなる。
こうした本実施形態によれば、重金属を含む掘削土を効率的かつ低コストで浄化可能となる。以上、本発明の実施の形態について、その実施の形態に基づき具体的に説明したが、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
1 汚染土壌浄化システム
2 泥水(掘削土)
3 鉄粉
4 鉄粉添加泥水
5 分離物
6 鉄粉混合液
7 鉄粉回収後泥水
10 シールドマシン
11 固液分離装置
12 調整槽
13 余剰槽
14 砒素吸着槽
15 サイクロン
16 スラリー槽
17 プレス
18 鉄粉前処理槽
19 鉄粉ストック槽
20 水中比重選別機
21 鉄粉タンク
22 泥水比重調整槽
25 送泥系統
26 排泥系統
30 試験容器
35 砒素混入溶液
38 砒素吸着鉄粉
39 鉄粉無し泥水
40〜45 配管系統
50 水中比重選別用の水槽
51 鉄粉混合液供給手段
52 ベルトコンベア
53 砒素吸着鉄粉回収手段
54 オーバーフロー口
55 砒素吸着鉄粉排出口

Claims (2)

  1. 掘削工事で生じた重金属を含む掘削土に重金属吸着用の鉄粉を添加する鉄粉添加工程と、
    前記鉄粉添加工程により前記重金属を吸着した重金属吸着鉄粉を含む掘削土を、遠心分離機に供給して、前記重金属吸着鉄粉を前記掘削土から分離する事前の鉄粉分離工程と、
    前記遠心分離機にて前記掘削土から分離させた、掘削土混じりの前記重金属吸着鉄粉を水中での比重選別を行う水中比重選別機に供給し、当該水中比重選別機によって、前記重金属吸着鉄粉を前記掘削土から分離する鉄粉分離工程と、を含む汚染土壌浄化方法であって、
    前記事前の鉄粉分離工程において、前記遠心分離機の分離により得た掘削土混じりの前記重金属吸着鉄粉を再利用して、前記鉄粉添加工程および前記事前の鉄粉分離工程の一連の手順を1または複数回実行した後、前記鉄粉分離工程において、前記遠心分離機にて前記掘削土から分離させた、掘削土混じりの前記重金属吸着鉄粉を前記水中比重選別機に供給し、該重金属吸着鉄粉を前記掘削土から分離することを特徴とする汚染土壌浄化方法。
  2. 前記鉄粉分離工程では、前記水中比重選別機に対をなす水槽を備え、
    該水槽の一方を、掘削土混じりの前記重金属吸着鉄粉で満たした後、前記重金属吸着鉄粉を前記掘削土から分離する分離処理を進行させつつ、前記水槽の他方に、掘削土混じりの前記重金属吸着鉄粉を供給することを特徴とする請求項1に記載の汚染土壌浄化方法。
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