JP6340787B2 - 透明電極、その製造方法及び電子デバイス - Google Patents
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Description
前記透明電極の波長550nmでの光透過率が、50%以上であり、
前記導電性層が、銅、金、又は白金のいずれかの金属を主成分として構成され、
前記中間層が、1配位、2配位、3配位及び4配位のいずれかである金属錯体からなり、かつ、当該金属錯体が下記一般式(1)〜(5)のいずれかで表される構造を有する低分子化合物であることを特徴とする透明電極。
前記第1中間層が、前記金属錯体を含有する層であり、
前記第2中間層が、芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する芳香族複素環化合物を含有する層であり、
前記第1中間層の層厚が、0.5〜10nmの範囲内であることを特徴とする第1項から第10項までのいずかれ一項に記載の透明電極。
前記導電性層を、銅、金、又は白金のいずれかの金属を主成分とし、かつ有機溶媒を含有する導電性インクを用いて、湿式法により形成することを特徴とする透明電極の製造方法。
前記透明電極の波長550nmでの光透過率が、50%以上であり、
前記導電性層が、銅、金、又は白金のいずれかの金属を主成分として構成され、
前記中間層には、1配位、2配位、3配位及び4配位のいずれかである金属錯体からなり、かつ、当該金属錯体が前記一般式(1)〜(5)のいずれかで表される構造を有する低分子化合物であることを特徴とする。この特徴は、請求項1〜13までの請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
≪1.透明電極≫
<透明電極の構成>
図2に示すように、透明電極1は、中間層1aと、この中間層1aの上部に導電性層1bとが積層された2層構造であり、例えば、基材11の上部に、中間層1a、導電性層1bの順に設けられている。中間層1aは、1配位〜4配位までのいずれかである金属錯体が含有されて構成されている層であり、導電性層1bは、銅、金、又は白金のいずれかの金属を主成分として構成されている層である。導電性層1bの上にさらに中間層1aが積層されていてもよく、導電性層表面を平滑にして、上層との密着性等を向上する観点から好ましい態様である。
本発明の透明電極1が形成される基材11としては、例えば、ガラス、プラスチック等を挙げることができるが、これらに限定されない。また、基材11は、透明であっても不透明であってもよい。本発明の透明電極1が、基材11側から光を取り出す電子デバイスに用いられる場合には、基材11は透明であることが好ましい。好ましく用いられる透明な基材11としては、ガラス、石英又は透明樹脂フィルムを挙げることができる。
本発明に係る中間層1aは、1配位〜4配位のいずれかである金属錯体を用いて構成された層である。
か一種であることが好ましい。
角形型錯体を形成し、かつ第11族で銅及び金原子との相互作用が強いため、最も好ましい。
中間層1aに含有される金属錯体としては、下記一般式(1)〜(5)で表される構造を有する金属錯体である。
本発明に係る導電性層1bは、銅、金、又は白金のいずれかの金属を主成分として構成されている層であって、中間層1a上に成膜された層である。
以上のような構成の透明電極1は、1配位〜4配位のいずれかである金属錯体を用いて構成されている中間層1a上に、銅、金、又は白金のいずれかの金属を主成分として構成されている導電性層1bを設けた構成である。これにより、中間層1aの上部に導電性層1bを成膜する際には、導電性層1bを構成する銅、金、又は白金のいずれかの金属原子が中間層1aを構成する金属錯体の中心金属と相互作用し、銅、金、又は白金のいずれかの金属原子の中間層1a表面での拡散距離が減少し、当該金属の凝集が抑えられる。
第2の実施形態は、主に、下記の点で第1の実施形態と異なっている。
図3に示すように、透明電極2は、前記導電性層側から順に、2層からなる中間層2a1及び2a2が積層された3層構造となっている。すなわち、このような透明電極2は、基材11の上部に、第1中間層2a1、第2中間層2a2、導電性層1bの順に設けられている。
中間層2aは、1配位〜4配位までのいずれかである金属錯体が含有されて構成されている第1中間層2a1と、芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する芳香族複素環化合物が含有されて構成されている第2中間層2a2とを有している。
本発明の透明電極1においては、第2中間層2a2は、芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物を主成分として含有することが好ましい。
上述した構成の透明電極1は、各種電子デバイスに用いることができる。電子デバイスの例としては、タッチパネル、液晶表示素子、有機EL素子、LED(Light Emitting Diode)、太陽電池等が挙げられ、これらの電子デバイスにおいて光透過性を必要とされる電極部材として、上述の透明電極1を用いることができる。
[電極パターンを有する透明電極の形成方法]
本発明に係る透明電極においては、上記のように透明基板11上に、本発明に係る中間層3(図2では中間層1aに相当)及び導電性層である銅薄膜電極5(図2では導電性層1bに相当)を積層した後、フォトリソグラフィー法により、好ましくは少なくとも有機溶媒を含有するエッチング液を用いて、例えば、図5〜図7に示すような電極パターンを形成することができる。
本発明に用いられるエッチング液は、少なくとも有機溶媒を含有していることが好ましい。有機溶媒として、特に制限はないが、中間層に対する溶解能を備えた有機溶媒であることが好ましく、より好ましくは、エーテルアルコール、ケトン及びエステルから選ばれる少なくとも1種である。
本発明に用いられるエッチング液に適用可能なエーテルアルコールとしては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等を挙げることができ、その中でも、ジエチレングリコールが好ましい。
本発明に用いられるエッチング液に適用可能なケトンとしては、例えば、アセトン、ジイソプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン等を挙げることができるが、その中でも、アセトン、メチルエチルケトンが好ましい。
本発明に用いられるエッチング液に適用可能なエステルとしては、例えば、ギ酸イソアミル、ギ酸イソブチル、ギ酸エチル、ギ酸ブチル、ギ酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸プロピル、酢酸メチル、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル等を挙げることができ、その中でも、酢酸エチルが好ましい。
以下、フォトリソグラフィー法による電極パターンの形成方法について説明する。
次いで、本発明のタッチパネルの製造方法により作製されるタッチパネルの構成について、代表的な実施形態の詳細について説明する。
図5は、上述したタッチパネル用の透明電極を用いたタッチパネル21の概略構成を示す斜視図である。また、図6は、タッチパネル21の電極構成を示す2枚の透明電極1−1及び1−2の平面図である。
図5及び図7に示す透明基板11−1及び11−2は、先の透明電極1で説明した透明基板11である。
第1の中間層3−1は、先の透明電極1で説明した中間層3(図2では中間層1a)であり、透明基板11−1上に成膜されている。ここでは一例として、第1の中間層3−1は、透明基板11−1に銅薄膜電極5−1と同一形状にパターニングされている。
第1の銅薄膜電極5−1は、先の透明電極で説明した銅薄膜電極5(図2では導電性層1b)であり、第1の中間層3−1上においてパターニングされた複数のx電極パターン5x1、5x2、(中略)等として構成されている。各x電極パターン5x1、5x2、(中略)等は、それぞれがx方向に延設された状態で、互いに間隔を保って並列に配置されている。これらの各x電極パターン5x1、5x2、(中略)等は、例えば、x方向に配列されたひし形のパターン部分を、ひし形の頂点付近において、x方向に直線状に連結した形状であることとする。
第2の中間層3−2は、先の透明電極1で説明した中間層3(1a)であり、透明基板11−2上に成膜されていて、第2の電極層5−2と同一形状にパターニングされている。
第2の電極層5−2は、先の透明電極1で説明した銅薄膜電極5(1b)であり、第2の中間層3−2上においてパターニングされた複数のy電極パターン5y1、5y2、(中略)等として構成されている。各y電極パターン5y1、5y2、(中略)等は、それぞれがx電極パターン5x1、5x2、(中略)等と直交するy方向に延設された状態で、互いに間隔を保って並列に配置されている。これらの各y電極パターン5y1、5y2、(中略)等は、例えば、y方向に配列されたひし形のパターン部分を、ひし形の頂点付近においてy方向に直線状に連結した形状であることとする。
図5に図示した前面板13は、タッチパネル21において入力位置に対応する部分が押圧される板材である。このような前面板13は、光透過性を有する板材であって、透明基板11と同様のものが用いられる。またこの前面板13は、必要に応じた光学特性を備えた材料を選択して用いても良い。このような前面板13は、例えば接着剤15に(図8参照。)よって第2の透明電極1−2側に張り合わせられていることとする。この接着剤15は、光透過性を有するものであれば、特に材料が限定されることはない。
以上のようなタッチパネル21を動作させる場合、x配線17x及びy配線17yに接続させたフレキシブルプリント基板などから、x電極パターン5x1、5x2、(中略)等及びy電極パターン5y1、5y2、(中略)等に対して電圧を印加しておく。この状態で、前面板13の表面に指又はタッチペンが触れると、タッチパネル21内に存在する各部の容量が変化し、x電極パターン5x1、5x2、(中略)等及びy電極パターン5y1、5y2、(中略)等の電圧の変化となって現れる。この変化は、指又はタッチペンが触れた位置からの距離によって異なり、指又はタッチペンが触れた位置で最も大きくなる。このため、電圧の変化が最大となる、x電極パターン5x1、5x2、(中略)等及びy電極パターン5y1、5y2、(中略)等でアドレスされた位置が、指又はタッチペンが触れた位置として検出される。
以上のようなタッチパネル21は、2層の透明電極1−1及び1−2として、先に説明した光透過性とともに充分な導電性を備えたタッチパネル用の透明電極を用いている。これにより、下地の表示画像の視認性を良好に保ちつつ、タッチパネル用の透明電極を大型化した際の電圧降下を抑えることができ、タッチパネル21の大型化をすることが可能となる。
図8に示すような構成のタッチパネル21であっても、先に説明した光透過性とともに充分な導電性を備えたタッチパネル用透明電極を用いたことにより、先に説明した実施形態のタッチパネルと同様に大型化が可能であり、タッチパネル21を介しての下地の表示画像の視認性を劣化させることをも防止できる。
図9は、実施形態のタッチパネルの他の一例を説明するための断面模式図であり、図7のA−A断面に相当する図である。図9に示すタッチパネル21aは、透明基板11の上に第1の透明電極1−1及び第2の透明電極1−2を設けた構成であり、それ以外の構成は先の実施形態1と同様である。このため、先の実施形態のタッチパネルと同様の構成には同様の符号を付し、重複する説明は省略する。
このような変形例1のタッチパネル21aあっても、先に説明した光透過性とともに充分な導電性を備えたタッチパネル用透明電極を用いたことにより、先に説明した実施形態のタッチパネルと同様に大型化が可能であり、タッチパネル21aを介しての下地の表示画像の視認性を劣化させることをも防止できる。
図10は、実施形態のタッチパネルの他の一例を説明するための断面模式図であり、図7のA−A断面に相当する図である。図10に示すタッチパネル21bは、透明基板11の両面に第1の透明電極1−1及び第2の透明電極1−2を設けた構成であり、それ以外の構成は先の実施形態1及び2と同様である。このため、先の実施形態のタッチパネルと同様の構成には同様の符号を付し、重複する説明は省略する。
このような変形例2のタッチパネル21bあっても、先に説明した光透過性とともに充分な導電性を備えたタッチパネル用透明電極を用いたことにより、先に説明した実施形態のタッチパネルと同様に大型化が可能であり、タッチパネル21bを介しての下地の表示画像の視認性を劣化させることをも防止できる。
図11に、本発明の透明電極を用いた液晶表示素子の構成を示す概略断面図を示す。この液晶表示素子の構成は一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
《透明電極の作製》
以下に説明するように、透明電極101〜125を、導電性領域の面積が5cm×5cmとなるように作製した。透明電極101〜104は、導電性層のみからなる単層構造の透明電極として作製し、透明電極105〜125は、中間層と導電性層との積層構造の透明電極として作製した。
まず、透明な無アルカリガラス製の基材を、市販の真空蒸着装置の基材ホルダーに固定し、真空蒸着装置の真空槽に取り付けた。また、タングステン製の抵抗加熱ボートに銅(Cu)を充填し、当該真空槽内に取り付けた。次に、真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、抵抗加熱ボートを通電して加熱し、蒸着速度0.1〜0.2nm/秒の範囲内で、基材上に層厚5nmの銅(Cu)からなる導電性層を成膜し、単層構造の透明電極101を作製した。
透明電極101の作製において、導電性層の層厚をそれぞれ8nm、10nm、15nmに変更した以外は同様にして、透明電極102〜104を作製した。
( 3)透明電極105の作製
透明な無アルカリガラス製の基材を市販の真空蒸着装置の基材ホルダーに固定し、下記に示す比較化合物(1)をタンタル製抵抗加熱ボートに充填し、これらの基板ホルダーと加熱ボートとを真空蒸着装置の第1真空槽に取り付けた。また、タングステン製の抵抗加熱ボートに銅を充填し、第2真空槽内に取り付けた。
透明電極105の作製において、中間層の構成材料をそれぞれ下記に示す比較化合物(2)及び(3)に変更した以外は同様にして、透明電極106及び107を作製した。
透明電極105の作製において、中間層の構成材料を比較化合物(1)から、表1に記載の化合物に変更し、導電性層の層厚を8nmに変更した以外は同様にして、透明電極115〜122を作製した。
透明電極120〜122の作製において、基材を無アルカリガラスからPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに変更した以外は同様にして、透明電極123〜125を作製した。
作製した透明電極101〜125について、下記の方法に従い、光透過率、シート抵抗値、耐久性(電極寿命)及びpH10の炭酸塩緩衝液に浸漬下の電極寿命の測定を行った。
作製した各透明電極について、分光光度計(日立ハイテクフィールディング製U−3300)を用い、各透明電極の基材をリファレンスとして、波長550nmにおける光透過率(%)を測定した。
作製した各透明電極について、抵抗率計(三菱化学アナリテック社製MCP−T610)を用い、4端子4探針法定電流印加方式でシート抵抗値(Ω/□)を測定した。
作製した各透明電極に、大気下において10Aの電流を流し続け、シート抵抗値が初期値の2倍のシート抵抗値になるのに要する時間を測定した。
炭酸塩緩衝液として市販されている、炭酸塩pH標準液 (pH10.01)(和光純薬工業(株)) をビーカーに入れ、溶液の温度が25℃を保つように調整した。
表1から明らかなように、1配位〜4配位のいずれかである金属錯体を用いた中間層上に銅(Cu)を主成分とした導電性層を設けた本発明の透明電極115〜125は、いずれも光透過率が55%以上であり、シート抵抗値が16.1Ω/□以下に抑えられている。これに対して、比較例の透明電極101〜107は、光透過率が55%未満のものがあり、しかもシート抵抗値が16.1Ω/□を超えるものがあった。
《透明電極の作製》
実施例1と同様に、透明電極201〜223を、導電性領域の面積が5cm×5cmとなるように作製した。透明電極201〜204は、導電性層のみからなる単層構造の透明電極として作製し、透明電極205〜223は、中間層と導電性層との積層構造の透明電極として作製した。
まず、透明な無アルカリガラス製の基材を、市販の真空蒸着装置の基材ホルダーに固定し、真空蒸着装置の真空槽に取り付けた。また、タングステン製の抵抗加熱ボートに銅(Cu)を充填し、当該真空槽内に取り付けた。次に、真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、抵抗加熱ボートを通電して加熱し、蒸着速度0.1〜0.2nm/秒の範囲内で、基材上に層厚5nmの銅(Cu)からなる導電性層を成膜し、単層構造の透明電極201を作製した。
透明電極201の作製において、導電性層の層厚をそれぞれ8nm、10nm、15nmに変更した以外は同様にして、透明電極202〜204を作製した。
透明な無アルカリガラス製の基材に、比較化合物(1)のトルエン溶液を用い、スピンコート法により薄膜を形成した。150℃で1時間加熱乾燥し、層厚25nmの比較化合物(1)からなる中間層を設けた。
透明電極205の作製において、中間層の構成材料をそれぞれ比較化合物(2)及び(3)に変更した以外は同様にして、透明電極206及び207を作製した。
(5)透明電極208の作製
透明電極205の作製において、中間層の構成材料を例示化合物(3)に変更し、導電性層の層厚を5nmに変更した以外は同様にして、透明電極208を作製した。
透明電極208の作製において、導電性層の層厚をそれぞれ8nm、10nm、20nmに変更した以外は同様にして、透明電極209〜211を作製した。
透明電極209の作製において、中間層の構成材料を表2に記載の例示化合物に変更した以外は同様にして、透明電極213〜220を作製した。
(8)透明電極221〜223の作製
透明電極218〜220の作製において、基材を無アルカリガラスからPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに変更した以外は同様にして、透明電極221〜223を作製した。
作製した透明電極201〜223について、下記の方法に従い、光透過率、シート抵抗値及び耐久性(電極寿命)の測定を行った。
作製した各透明電極について、実施例1と同様にして、光透過率(%)及びシート抵抗値(Ω/□)を測定した。
作製した各透明電極に、大気下において8Aの電流を流し続け、シート抵抗値が初期値の2倍のシート抵抗値になるのに要する時間を測定した。
実施例1と同様に温度25℃、pH10の炭酸塩緩衝液に浸漬下の電極寿命について、シート抵抗値が浸漬前の2倍になるのに要する時間を測定した。
表2から明らかなように、1配位〜4配位のいずれかである金属錯体を用いた中間層上に銅(Cu)を主成分とした導電性層を設けた本発明の透明電極208〜223は、いずれも光透過率が54%以上であり、シート抵抗値が17.1Ω/□以下に抑えられている。これに対して、比較例の透明電極201〜207は、光透過率が54%未満のものがあり、しかもシート抵抗値が17.1Ω/□を超えるものがあった。
《透明電極の作製》
実施例1と同様に、透明電極301〜318を、導電性領域の面積が5cm×5cmとなるように作製した。透明電極301及び302は、導電性層のみからなる単層構造の透明電極として作製し、透明電極303〜318は、中間層と導電性層との積層構造の透明電極として作製した。
透明な無アルカリガラス製の基材上に、導電性層材料として銅ナノインク(石原ケミカル株式会社)0.1mLを、スピンコート法により塗布・パターニングした後、130℃で5分間焼成し、層厚12nmの銅(Cu)からなる導電性層を形成し、単層構造の透明電極301を作製した。
透明電極301の作製において、導電性層の層厚を20nmに変更した以外は同様にして、透明電極302を作製した。
無アルカリガラス製の基材上に、比較化合物(1)のトルエン溶液を用い、スピンコート法により薄膜を形成した。150℃で1時間加熱乾燥し、層厚40nmの比較化合物(1)からなる中間層を設けた。
透明電極303の作製において、中間層の構成材料をそれぞれ表3に記載の化合物に変更した以外は同様にして、透明電極304〜315を作製した。なお、透明電極307の導電性層の層厚は、20nmとした。
透明電極313〜315の作製において、基材を無アルカリガラスからPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに変更した以外は同様にして、透明電極316〜318を作製した。
(1)光透過率、シート抵抗値及び電極寿命の測定
作製した各透明電極について、実施例1と同様にして、光透過率(%)、シート抵抗値(Ω/□)、電極寿命及び炭酸塩緩衝液に浸漬下の電極寿命を測定した。なお、電極寿命は、透明電極304の電極寿命を100とする相対値で示している。
表3から明らかなように、1配位〜4配位のいずれかである金属錯体を用いた中間層上に銅(Cu)を主成分とした導電性層を設けた本発明の透明電極306〜318は、いずれも光透過率が55%以上であり、シート抵抗値が16.1Ω/□以下に抑えられている。これに対して、比較例の透明電極301〜305は、光透過率が55%未満のものがあり、しかもシート抵抗値が16.1Ω/□を超えるものがあった。
《透明電極の作製》
実施例1と同様に、透明電極401〜421を、導電性領域の面積が5cm×5cmとなるように作製した。透明電極401〜404は、導電性層のみからなる単層構造の透明電極として作製し、透明電極405〜421は、第1中間層、第2中間層と導電性層との積層構造の透明電極として作製した。
まず、透明な無アルカリガラス製の基材を、市販の真空蒸着装置の基材ホルダーに固定し、真空蒸着装置の真空槽に取り付けた。また、タングステン製の抵抗加熱ボートに銅(Cu)を充填し、当該真空槽内に取り付けた。次に、真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、抵抗加熱ボートを通電して加熱し、蒸着速度0.1〜0.2nm/秒の範囲内で、基材上に層厚5nmの銅(Cu)からなる導電性層を成膜し、単層構造の透明電極401を作製した。
透明電極401の作製において、導電性層の層厚をそれぞれ8nm、10nm、15nmに変更した以外は同様にして、透明電極402〜404を作製した。
透明な無アルカリガラス製の基材を市販の真空蒸着装置の基材ホルダーに固定し、芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する芳香族複素環化合物である化合物(18)をタンタル製抵抗加熱ボートに充填し、これらの基板ホルダーと加熱ボートとを真空蒸着装置の第1真空槽に取り付けた。次いで、真空蒸着装置の第1真空槽を真空度4×10−4Paまで減圧し、上記材料が入った加熱ボートを順次通電して加熱し、蒸着速度0.1〜0.2nm/秒の範囲内で、基材上に層厚20nmの芳香族複素環化合物(18)からなる第2中間層2a2を設けた。
透明電極405の作製において、第1中間層2a1の構成材料をそれぞれ比較化合物(2)及び(3)に変更した以外は同様にして、透明電極406及び407を作製した。
透明電極408の作製において、第1中間層2a1の構成材料をそれぞれ例示化合物(56)及び例示化合物(77)に、導電性層1bの層厚をそれぞれ10nm及び15nmに変更した以外は同様にして、透明電極412及び413を作製した。
透明電極408の作製において、第1中間層2a1の構成材料をそれぞれ例示化合物(108)、例示化合物(191)及び例示化合物(258)に変更した以外は同様にして、透明電極416〜418を作製した。
透明電極408の作製において、基材を無アルカリガラスからPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに、第1中間層2a1の構成材料をそれぞれ例示化合物(108)、例示化合物(191)及び例示化合物(258)に変更した以外は同様にして、透明電極419〜421を作製した。
作製した透明電極401〜421について、下記の方法に従い、光透過率、シート抵抗値及び耐久性(電極寿命)の測定を行った。
作製した各透明電極について、実施例1と同様にして、光透過率(%)及びシート抵抗値(Ω/□)を測定した。
実施例1と同様に温度25℃、pH10の炭酸塩緩衝液に浸漬下の電極寿命について、シート抵抗値が浸漬前の2倍になるのに要する時間を測定した。
表4から明らかなように、1配位〜4配位のいずれかである金属錯体を用いた中間層上に銅(Cu)を主成分とした導電性層を設けた本発明の透明電極412、413及び416〜421は、いずれも光透過率が61%以上であり、シート抵抗値が13.8Ω/□以下に抑えられている。これに対して、比較例の透明電極401〜407は、光透過率が61%未満のものがあり、しかもシート抵抗値が13.8Ω/□を超えるものがあった。
1a 中間層
1b 導電性層
2 透明電極
2a 中間層
2a1 第1中間層
2a2 第2中間層
1−1、1−2 透明電極
3、3A、3B、3−1、3−2 中間層
5、5−1、5−2 銅薄膜電極
5x1、5x2、5x3等 x電極パターン(第1の銅薄膜電極)
5y1,5y2、5y3等 y電極パターン(第2の銅薄膜電極)
6 レジスト膜
7 マスク
8 露光機
9 エッチング液
11、11−1、11−2 透明基板
13 前面板
15 接着剤
17、17x,17y 配線
21、21a タッチパネル
31 液晶表示素子
32−1、32−2 偏光フィルター
33−1、33−2 ガラス基板
34−1、34−2 透明電極
35−1、35−2 配向膜
36 液晶
37 スペーサー
Claims (13)
- 透明な導電性層と、前記導電性層に隣接して設けられる少なくとも1層の透明な中間層との積層構造を有する透明電極であって、
前記透明電極の波長550nmでの光透過率が、50%以上であり、
前記導電性層が、銅、金、又は白金のいずれかの金属を主成分として構成され、
前記中間層が、1配位、2配位、3配位及び4配位のいずれかである金属錯体からなり、かつ、当該金属錯体が下記一般式(1)〜(5)のいずれかで表される構造を有する低分子化合物であることを特徴とする透明電極。
〔一般式(1)〜(5)中、Mは遷移金属原子を表し、Co(II)、Ni(II)、Cu(II)、Pd(II)、Pt(II)及びAu(III)のいずれか一種であり、多座配位子と共有結合及び配位結合を形成している。多座配位子は、互いに結合して三座配位子又は四座配位子となってもよい。Lは、補助配位子を表し、Mと共有結合又は配位結合を形成している。nは、0〜2の整数を表す。nが1のとき、Lは単座配位子又は多座配位子のいずれであってもよく、nが2のとき、Lは同一であっても異なっていてもよいが、分子全体における電荷は中性である。〕 - 前記金属が、銅であることを特徴とする請求項1に記載の透明電極。
- 前記一般式(1)で表される構造を有する金属錯体が、下記一般式(1−1)で表される構造を有する化合物であることを特徴とする請求項1に記載の透明電極。
〔一般式(1−1)中、Mは前記遷移金属原子を表す。R1及びR2は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルバモイル基、ウレイド基、スルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基又はヘテロアリールスルホニル基、アミノ基、ハロゲン原子、フッ化炭化水素基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シリル基、リン酸エステル基、又は亜リン酸エステル基を表す。L1及びL2は、Mと共有結合又は配位結合を形成している配位子を表し、互いに結合して二座配位子を形成してもよい。〕 - 前記一般式(2)で表される構造を有する金属錯体が、下記一般式(2−1)で表される構造を有する化合物であることを特徴とする請求項1に記載の透明電極。
〔一般式(2−1)中、Mは前記遷移金属原子を表す。R3及びR4 で表される置換基としては、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルバモイル基、ウレイド基、スルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基又はヘテロアリールスルホニル基、アミノ基、ハロゲン原子、フッ化炭化水素基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シリル基、リン酸エステル基、又は亜リン酸エステル基を表す。R5〜R12 で表される置換基としては、それぞれ独立に、前記R 3 及びR 4 と同義の置換基を表し、互いに結合して環を形成してもよい。〕 - 前記一般式(3)で表される構造を有する金属錯体が、下記一般式(3−1)で表される構造を有する化合物であることを特徴とする請求項1に記載の透明電極。
〔一般式(3−1)中、Mは前記遷移金属原子を表す。X1〜X4は、それぞれ独立に、−CR21又は窒素原子を表し、R21は、水素原子又は置換基を表し、置換基としてはアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルバモイル基、ウレイド基、スルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基又はヘテロアリールスルホニル基、アミノ基、ハロゲン原子、フッ化炭化水素基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シリル基、リン酸エステル基、又は亜リン酸エステル基を表す。R13〜R20 で表される置換基としては、それぞれ独立に、前記R 21 と同義の置換基を表し、互いに結合して環を形成してもよい。〕 - 前記一般式(4)で表される構造を有する金属錯体が、下記一般式(4−1)で表される構造を有する化合物であることを特徴とする請求項1に記載の透明電極。
〔一般式(4−1)中、Mは前記遷移金属原子を表す。R22〜R25 で表される置換基としては、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルバモイル基、ウレイド基、スルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基又はヘテロアリールスルホニル基、アミノ基、ハロゲン原子、フッ化炭化水素基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シリル基、リン酸エステル基、又は亜リン酸エステル基を表す。環Aは、窒素原子及び炭素原子とともに形成される五員又は六員の芳香族複素環を表し、更に前記R 22 〜R 25 と同義の置換基を有していてもよく、それらの置換基が互いに結合して環を形成してもよい。L3及びL4は、Mと共有結合又は配位結合を形成している配位子を表し、互いに結合して二座配位子を形成してもよい。〕 - 前記一般式(5)で表される構造を有する金属錯体が、下記一般式(5−1)で表される構造を有する化合物であることを特徴とする請求項1に記載の透明電極。
〔一般式(5−1)中、Mは前記遷移金属原子を表す。R26〜R29 で表される置換基としては、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルバモイル基、ウレイド基、スルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基又はヘテロアリールスルホニル基、アミノ基、ハロゲン原子、フッ化炭化水素基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シリル基、リン酸エステル基、又は亜リン酸エステル基を表し、互いに結合して環を形成してもよい。X5及びX6は、それぞれ独立に、−CR30又は窒素原子を表し、R30は水素原子又は前記R 26 〜R 29 と同義の置換基を表す。R31は、水素原子又は前記R 26 〜R 29 と同義の置換基を表す。L5及びL6は、Mと共有結合又は配位結合を形成している配位子を表し、互いに結合して二座配位子を形成してもよい。〕。 - 前記遷移金属原子が、Cu(II)、Pd(II)、Pt(II)及びAu(III)の中から選ばれるいずれか一種であることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の透明電極。
- 前記遷移金属原子が、Pd(II)、Pt(II)及びAu(III)の中から選ばれるいずれか一種であることを特徴とする請求項8に記載の透明電極
- 前記遷移金属原子が、Au(III)であることを特徴とする請求項9に記載の透明電極。
- 前記中間層が、前記導電性層側から順に、第1中間層及び第2中間層の2層から構成され、
前記第1中間層が、前記金属錯体を含有する層であり、
前記第2中間層が、芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する芳香族複素環化合物を含有する層であり、
前記第1中間層の層厚が、0.5〜10nmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項10までのいずかれ一項に記載の透明電極。 - 請求項1から請求項11までのいずれか一項に記載の透明電極を製造する透明電極の製造方法であって、
前記導電性層を、銅、金、又は白金のいずれかの金属を主成分とし、かつ有機溶媒を含有する導電性インクを用いて、湿式法により形成することを特徴とする透明電極の製造方法。 - 請求項1から請求項11までのいずれか一項に記載の透明電極が備えられたことを特徴とする電子デバイス。
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