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JP6343184B2 - 装着判定装置、装着判定方法および装着判定プログラム - Google Patents
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JP6343184B2 - 装着判定装置、装着判定方法および装着判定プログラム - Google Patents

装着判定装置、装着判定方法および装着判定プログラム Download PDF

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Description

本発明は、タイヤチェーンの装着判定装置、装着判定方法および装着判定プログラムに関する。
従来、車両が備えるセンサを用いて当該車両のタイヤにタイヤチェーンが装着されているか否かを判定する装置が知られている。例えば、特許文献1には、車輪の回転速度の変動を検出し、検出結果に基づいてタイヤチェーンの装着の有無を判定する技術が開示されている。
特開平7−300067号公報
上述した従来技術においては、走行中の車両の外部から車両にタイヤチェーンが装着されているか否かを判定することはできなかった。すなわち、冬期の道路管理等のためには、走行中の車両のタイヤチェーン装着の有無を外部機器により検出する必要があった。例えば、道路の維持管理者等が、降雪時、積雪時、路面凍結時など、タイヤチェーンの装着を要する状況が発生している冬期の道路におけるタイヤチェーンの装着率を把握したり、タイヤチェーンの非装車に対して装着を促したりするためには、車両にタイヤチェーンが装着されているか否かを車両の外部から判定する必要がある。
本発明は、前記課題にかんがみてなされたもので、車両の外部から車両にタイヤチェーンが装着されているか否かを判定することが可能な技術の提供を目的とする。
前記目的を達成するため、本発明においては、車両の前輪によって励起された振動である前輪振動の特性と、車両の後輪によって励起された振動である後輪振動の特性との比較結果に基づいて、前輪または後輪にチェーンが装着されているか否かを判定する。すなわち、車両が走行すると、車両に装着された車輪から空気中や路面等に振動が励起され、当該振動は車輪の表面形状の素材や形状等を反映した特性となる。また、車両の車輪にタイヤチェーンを装着する際に、通常は、車両の前方または後方の駆動輪に対してタイヤチェーンが装着され、他方の車輪にタイヤチェーンは装着されない。
従って、前輪または後輪にタイヤチェーンが装着されている場合には、前輪振動の特性と、後輪振動の特性とが顕著に異なった特性になる。一方、前輪または後輪にタイヤチェーンが装着されていない場合には、前輪振動の特性と、後輪振動の特性とが類似した特性になる。従って、前輪振動の特性と後輪振動の特性とを比較すれば、その比較結果に基づいて前輪または後輪にチェーンが装着されているか否かを判定することができる。
そして、前輪振動および後輪振動は、車両の外部、例えば、車両が走行する道路の周囲に設けられた振動センサで取得することができる。従って、本発明の一実施形態にかかる装着判定装置によれば、走行中の車両の外部から車両にタイヤチェーンが装着されているか否かを判定することができる。
ここで、前輪振動取得手段は、車両の前輪によって励起された振動である前輪振動を取得することができればよい。すなわち、車両が路面を走行すると前輪および後輪によって振動が励起されるため、振動センサによって前輪由来の振動を検出し、振動センサの出力に基づいて前輪振動を検出することができればよい。振動は、媒体を振動させる現象であれば良く、媒体は空気であってもよい(この場合、振動は音である)し、路面であっても良く、種々の媒体を想定可能である。
また、前輪振動は、前輪によって励起された振動であるが、ここでは、前輪振動として取得された振動が主に前輪によって励起された振動であればよく、後輪によって励起された後輪振動がわずかに含まれていても良い。すなわち、前輪振動が前輪由来の振動であり、後輪振動が後輪由来の振動であることによって、両振動の比較結果に基づいてタイヤチェーンの装着と非装着とが判定できる程度に前輪由来の振動と後輪由来の振動とが区別されていれば良い。
後輪振動取得手段は、車両の後輪によって励起された振動である後輪振動を取得することができればよい。すなわち、後輪振動取得手段の構成は、振動の取得対象が後輪である点以外は前輪振動取得手段の構成と同様である。
前輪振動と後輪振動とは、各振動の取得手段によって別個に取得されても良いし、前輪振動と後輪振動とを含む期間の振動が一旦取得された後に、取得された振動の一部を前輪振動、他の一部を後輪振動として取得する構成であっても良い。前者としては、例えば、1カ所以上の位置に設置された振動センサによって主に前輪由来の振動を検出していると見なされる期間に取得された振動を前輪振動、主に後輪由来の振動を検出していると見なされる期間に取得された振動を後輪振動として取得する構成等を採用可能である。後者としては、1カ所に設置された振動センサで検出された時系列の振動から前部の振動(早い時間帯の振動)を前輪振動として取得し、後部の振動(遅い時間帯の振動)を後輪振動として取得する構成を採用可能である。
装着判定手段は、前輪振動の特性と後輪振動の特性との比較結果に基づいて、前輪または後輪にタイヤチェーンが装着されているか否かを判定することができればよい。すなわち、前輪振動の特性と後輪振動の特性とを比較し、前輪または後輪にタイヤチェーンが装着されていることによる特性の差異が生じている場合に、前輪または後輪にチェーンが装着されていると判定することができればよい。むろん、ここでは、前輪振動の特性と後輪振動の特性とを比較し、特性の差異が生じていない場合に、前輪または後輪の双方にタイヤチェーンが装着されていないと判定しても良い。
振動の特性は、種々の要素によって解析することができる。例えば、振動の強度、周波数、プロファイル(波形)等を解析対象としても良いし、所定の特性の振動の有無を確認しても良く種々の手法を採用可能である。なお、振動の特性として強度を解析する場合、装着判定手段が、前輪振動の強度と後輪振動の強度との相違に基づいて、前輪または後輪にチェーンが装着されているか否かを判定する構成となる。例えば、強度の差や比を相違として取得し、当該相違に基づいて、前輪または後輪にチェーンが装着されているか否かを判定する構成を採用しても良い。
この場合、強度の差や比を解析するために解析対象として取得するサンプル量としても種々の量を採用可能である。例えば、ある時点における振動の強度を比較しても良いし、所定期間内の強度を比較しても良い。後者としては、当該所定期間内の強度の積分値であってもよいし、所定期間内の強度の平均値であっても良いし、所定期間内で強度が所定値以上となっているか否かの比較であっても良いし、所定期間内で強度が所定値以上となっているサンプルの個数であってもよい。むろん、強度に関する解析は強度自体(振動波形の振幅)に基づいて行われても良いし、強度を間接的に示す物理量(例えば、エネルギー)に基づいて行われてもよい。
なお、タイヤチェーンは、タイヤチェーンが装着された状態と装着されていない状態とで、車輪によって励起される振動の特性に差異が生じるような滑り止め防止器具であれば良く、素材や形状は限定されない。例えば、金属製のタイヤチェーンであっても良いし、樹脂製のタイヤチェーンであっても良い。
さらに、前輪振動取得手段が取得する前輪振動の終了タイミングが、後輪振動取得手段が取得する後輪振動の開始タイミングよりも早いタイミングとなるように構成しても良い。すなわち、車両の走行に伴って励起される一連の振動を1カ所に設置された振動センサで取得し、その前部の振動を前輪振動として取得し、後部の振動を後輪振動として取得する構成において、前輪振動と後輪振動とが互いに重複せず、両者の間に所定の時間間隔が存在するように前輪振動と後輪振動とを取得する構成とする。
1個の振動センサで車輪によって励起された振動を取得する場合、当該振動センサと車輪との距離が小さいほど振動センサで取得される振動の強度は大きくなる。従って、振動センサと前輪との距離が振動センサと後輪との距離よりも小さい場合、振動センサで取得される振動には前輪由来の振動成分が多く含まれる。しかし、振動センサと前輪との距離が振動センサと後輪との距離に近ければ、振動センサで取得される振動において前輪由来の振動と後輪由来の振動とのいずれが支配的であるのかを区別することは困難である。
そして、このように区別困難な時間帯は、前輪が振動センサに最接近したタイミングと後輪が振動センサに最接近したタイミングとの中間のタイミングおよびその前後を含む時間帯である。従って、前輪振動と後輪振動とを比較する際に、このような時間帯を除外した上で前輪振動と後輪振動とを取得すれば、取得後の前輪振動においては前輪由来の振動が支配的になり、取得後の後輪振動においては後輪由来の振動が支配的になる。
そこで、前輪振動取得手段が取得する前輪振動の終了タイミングが、後輪振動取得手段が取得する後輪振動の開始タイミングよりも早いタイミングとなるように構成すれば、前輪振動の終了タイミングが後輪振動の開始タイミング以後である場合と比較して、前輪振動と後輪振動との比較結果に基づくタイヤチェーン装着の有無を確実に判定することが可能になる。
以上は、本発明が装置として実現される場合について説明したが、かかる装置を実現する方法やプログラム、当該プログラムを記録した媒体としても発明は実現可能である。また、以上のような装着判定処理装置は単独で実現される場合もあるし、ある方法に適用され、あるいは同方法が他の機器に組み込まれた状態で利用されることもあるなど、発明の思想としてはこれに限らず、各種の態様を含むものである。また、ソフトウェアであったりハードウェアであったりするなど、実現態様は適宜、変更可能である。また、ソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であっても良いし光磁気記録媒体であっても良いし、今後開発されるいかなる記録媒体においても同様である。
(1A)はタイヤチェーンを装着していない車両によって励起された道路の振動、(1B)はタイヤチェーンを装着した車両によって励起された道路の振動を示す図である。 本発明の一実施形態を示すブロック図である。 装着判定処理を示すフローチャートである。 (4A)(4B)は前輪振動と後輪振動の比較を説明するための図である。 (5A)(5B)は前輪振動と後輪振動の比較を説明するための図である。
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)装着判定の原理:
(2)装着判定装置の構成および装着判定処理:
(3)他の実施形態:
(1)装着判定の原理:
図1A,図1Bは、車両の走行道路の所定位置(例えば、タイヤが接する位置から既定距離離した車線内、路側帯内等の位置)に埋設された振動センサによって検出された道路の振動を示すグラフであり、横軸を時間、縦軸を強度として示している。図1Aは、タイヤチェーンを装着していない車両によって励起された道路の振動、図1Bは、タイヤチェーンを装着した車両によって励起された道路の振動を示している。なお、図1Aおよび図1Bにおいては、振動センサで取得可能な振動の強度(振幅)の最大値が1となるように規格化してある。
図1Aに示す振動においては、横軸の左から右へ時間が進行するにつれて強度が徐々に大きくなり、その後減衰する強度の増減パターンが2カ所に現れている。これらのパターンにおける先のパターンPfは前輪によって励起された前輪振動であり、後のパターンPrは後輪によって励起された後輪振動である。そして、図1Aに示すように、タイヤチェーンが装着されていない車両の前輪振動および後輪振動は、強度の大きさやプロファイルが互いに類似している。
図1Bに示す例において、車両は前輪にタイヤチェーンを装着している。車両にタイヤチェーンが装着されている場合においても前輪および後輪のそれぞれによって振動が励起されるが、図1Bに示す例においては、タイヤチェーンが装着された前輪によって励起された前輪振動の強度が、タイヤチェーンが装着されていない後輪によって励起された後輪振動の強度よりも著しく大きい。従って、図1Bに示す前輪振動は、タイヤチェーンが装着されていない場合の前輪振動(図1Aに示すパターンPf)と比較して、長期にわたって大きい強度である状態が維持される。
さらに、図1Bに示す後輪振動のパターンPrbにおいては、初期に前輪振動の振動と重複しているために、初期において図1Aに示す後輪振動のパターンPrと若干異なるものの、図1Aに示す後輪振動とほぼ同様の強度および減衰の傾向で振動が励起されていると推定される。そして、図1Bに示す前輪振動と後輪振動とを比較すると、両者は著しく異なっている。従って、前輪振動と後輪振動とを比較し、両者に顕著な相違があれば、車両の前輪または後輪にタイヤチェーンが装着されていると判定することができる。
(2)装着判定装置の構成および装着判定処理:
図2は本発明の装着判定装置10の一実施形態を示すブロック図であり、図3は装着判定装置10で実行される装着判定処理を示すフローチャートである。本実施形態にかかる装着判定装置10には図示しないインタフェースを介して各種の機器を接続可能であり、振動センサ40、表示部42および車両センサ43が装着判定装置10に接続されている。なお、振動センサ40は、増幅器41を介して装着判定装置10に接続されている。
振動センサ40は車両が道路Rを走行することによって生じる道路Rの振動を取得できるように、道路Rに対して埋設され、または道路Rに対して接触するように取り付けられる。車両が振動センサ40の周辺の道路を走行すると、当該車両の走行による道路の振動を示す信号が振動センサ40から出力される。当該振動を示す信号は増幅器41によって増幅された後に制御部20に入力される。制御部20は、当該振動を示す信号を取得し、解析することができる。すなわち、制御部20は、振動を示す信号に基づいて、所定の単位時間毎の振動の強度を示すデータ(時系列の強度データ)を生成し、後述するRAMに記録し、解析対象とすることができる。なお、振動センサ40は、車両が走行する道路Rの所定位置(例えば、タイヤが接する位置から既定距離離した車線内、路側帯内等の位置)において、車輪によって励起された道路Rの振動を取得可能な位置に埋設される。
車両センサ43は、図示しない光源と当該光源から出力される光を受光する受光部とを備えている。車両センサ43の受光部は、光源からの光を受光している状態を示す信号と、受光していない状態を示す信号とを出力する。車両センサ43においては、光源と受光部との一方が道路Rの片側、他方が他方側に配置され(例えば、両側の路肩等に配置される)、光源と受光部とで道路Rを挟むように設置される。従って、車両センサ43における光源から受光部までの光路を車両が横切ると、車両の前端から後端までの期間は光が遮断される。制御部20は、当該車両センサ43の受光部が出力する信号に基づいて、車両の前端および後端が車両センサ43を横切ったタイミング(時刻)を特定することができる。なお、本実施形態において、車両センサ43の道路長方向(道路Rが延びる方向)の位置は、振動センサ40の道路長方向の位置と略同一である。むろん、車両センサ43の構成は一例であり、光源を設置せず、受光部が検出した光量の変化(車両からの反射光による変化等)に基づいて車両の通過を検出するセンサであっても良い。
装着判定装置10は、制御部20と記録媒体30を備えている。制御部20は、図示しないCPU,RAM,ROM等によって構成され、記録媒体30やROMに記録されたプログラムを実行することができる。本実施形態においては、当該プログラムの一つとして装着判定プログラム21を実行可能である。また、記録媒体30には前輪振動と後輪振動との比較結果を評価するための閾値を示す閾値情報30aが記録されている。
装着判定プログラム21は、前輪振動取得部21aと後輪振動取得部21bと装着判定部21cとを備えている。前輪振動取得部21aは、車両の前輪によって励起された振動である前輪振動を取得する機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。本実施形態において、制御部20は、1カ所に設置された振動センサ40の出力信号に基づいて取得された時系列の振動から早い時間帯の振動を前輪振動として取得し、遅い時間帯の振動を後輪振動として取得する。
具体的には、制御部20は、振動センサ40の出力信号に基づいて時系列の振動の強度を示すデータを順次取得している。この状態において、車両センサ43の受光部が車両の前端が横切ったことを示す信号を出力すると、制御部20は、図3に示す装着判定処理を実行する。図3に示す装着判定処理において、制御部20は、装着判定プログラム21の処理により、車両1台分の振動を取得する(ステップS100)。
本実施形態において、制御部20は、車両の前端が車両センサ43の受光部を横切ったタイミングから車両の後端が車両センサ43の受光部を横切ったタイミングまでの期間における時系列の振動を車両1台分の振動として取得する。このために、制御部20は、図示しない計時回路による計時結果と車両センサ43の受光部の出力信号に基づいて、車両の前端が車両センサ43の受光部を横切ったタイミング(時刻)と、車両の後端が車両センサ43の受光部を横切ったタイミング(時刻)とを特定する。そして、制御部20は、時系列の振動から車両の前端が車両センサ43の受光部を横切ったタイミングから車両の後端が車両センサ43の受光部を横切ったタイミングまでの期間の振動を抽出し、1台分の振動として取得する。
なお、図1Aおよび図1Bにおいては、車両の前端が車両センサ43の受光部を横切ったタイミングTfと、車両の後端が車両センサ43の受光部を横切ったタイミングTrとをグラフ内に示している。すなわち、図1Aおよび図1Bにおいては、タイミングTfからタイミングTrまでの振動が1台分の振動Wcである。
前輪振動取得部21aは、車両の前輪によって励起された振動である前輪振動を取得する機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールであり、後輪振動取得部21bは、車両の後輪によって励起された振動である後輪振動を取得する機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。本実施形態において制御部20は、1台分の振動が取得されると、前輪振動取得部21aおよび後輪振動取得部21bの処理により、前輪振動および後輪振動を取得する(ステップS110)。すなわち、ステップS110において、制御部20は、前輪振動取得部21aの処理により、1台分の振動の前部を前輪振動として取得する。また、制御部20は、後輪振動取得部21bの処理により、1台分の振動の後部を後輪振動として取得する。
ここで、前輪振動には主に前輪によって励起された振動が含まれ、後輪振動には主に後輪によって励起された振動が含まれていればよい。従って、1台分の振動から抽出される前輪振動は後輪振動よりも早い期間の振動であれば良く、前輪振動の開始タイミングが後輪振動の開始タイミングよりも早く、前輪振動の終了タイミングが後輪振動の終了タイミングよりも早ければ良い。
前輪振動の終了タイミングと後輪振動の開始タイミングとは、種々の関係とすることができるが、本実施形態において前輪振動の終了タイミングは後輪振動の開始タイミングよりも早いタイミングである。すなわち、制御部20は、前輪振動取得部21aの処理により、1台分の振動の前半から後期の一部の期間を除外した期間の振動を前輪振動として取得する。制御部20は、後輪振動取得部21bの処理により、1台分の振動の後半から初期の一部の期間を除外した期間の振動を後輪振動として取得する。
より具体的には、図1A、図1Bにおいては、1台分の振動Wcの前半をWf、後半をWrとして示しており、前半Wfから取得される前輪振動の期間をF,後輪振動の期間をRとして示している。これらの図に示すように、本実施形態においては、前輪振動の期間Fと後輪振動の期間Rとの間に所定の期間Iが形成されており、前輪振動と後輪振動とが重複する部位(1台分の振動の時間中心付近の部位)は、前輪振動および後輪振動として取得されない。なお、本実施形態において制御部20は、1台分の振動の前半から後期の一部とともに初期の一部も除外して前輪振動として取得しており、1台分の振動の後半から初期の一部とともに後期の一部も除外して後輪振動として取得している。
装着判定部21cは、前輪振動の特性と後輪振動の特性との比較結果に基づいて、前輪または後輪にチェーンが装着されているか否かを判定する機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。本実施形態において制御部20は、前輪振動と後輪振動とが取得されると、装着判定部21cの処理により、前輪振動の強度の和と後輪振動の強度の和との差を取得する(ステップS120)。
すなわち、制御部20は、前輪振動の全サンプルについての強度を足し合わせる(前輪振動の期間についての強度の積分値を取得)ことで前輪振動の強度の和を取得する。また、後輪振動の全サンプルについての強度を足し合わせる(後輪振動の期間についての強度の積分値を取得)ことで後輪振動の強度の和を取得する。そして、制御部20は、前者の和−後者の和を取得する。なお、ここで取得されるべき和は絶対値であっても良い。
上述のように、車両の前輪または後輪にタイヤチェーンが装着されている状態においては、前輪振動と後輪振動とが顕著に異なるため、ステップS120で取得される差の値は大きくなる。一方、車両にタイヤチェーンが装着されていない状態においては、前輪振動と後輪振動とが類似しているため、ステップS120で取得される差の値は小さくなる。従って、ステップS120で取得される差の値が閾値より大きい場合には、車両の前輪または後輪にタイヤチェーンが装着されており、S120で取得される差の値が閾値以下である場合には、車両にタイヤチェーンが装着されていないと判定することができる。
図4Aは、タイヤチェーンを装着した車両と装着していない車両の車輪によって励起された振動を多数回測定し、前輪振動の強度の和と後輪振動の強度の和との差を取得して作成したヒストグラムである。なお、図4Aに示すヒストグラムにおいて縦軸は頻度、横軸は前輪振動の強度の和と後輪振動の強度の和との差であり、振動の強度の規格化前の値で差が示されている。同図4Aにおいては、タイヤチェーンが装着された車両のヒストグラムを黒い矩形、タイヤチェーンが装着されていない車両のヒストグラムを白い矩形で示している。同図4Aに示すように、タイヤチェーンが装着された車両のヒストグラムはグラフの右側に分布し、タイヤチェーンが装着されていない車両のヒストグラムはグラフの左側に分布している。従って、強度の和の差が7(×107)程度の値より大きければ車両の前輪または後輪にタイヤチェーンが装着されていると判定することができ、強度の和の差が7(×107)程度の値より小さければ車両にタイヤチェーンが装着されていないと判定することができる。本実施形態においては、このように、タイヤチェーンの装着または非装着を判定するための閾値が予め定義され、当該閾値を示す情報が閾値情報30aとして予め記録媒体に記録されている。
そこで、制御部20は、装着判定部21cの処理により、閾値情報30aを参照し、ステップS120で取得された差が閾値より大きいか否かを判定する(ステップS130)。ステップS130において、ステップS120で取得された差が閾値より大きいと判定されない場合、制御部20は、装着判定部21cの処理により、車両にタイヤチェーンが装着されていないと判定し、表示部42に対して制御信号を出力して当該判定結果を表示部42に表示させる(ステップS140)。一方、ステップS130において、ステップS120で取得された差が閾値より大きいと判定された場合、制御部20は、装着判定部21cの処理により、車両の前輪または後輪にタイヤチェーンが装着されていると判定し、表示部42に対して制御信号を出力して当該判定結果を表示部42に表示させる(ステップS150)。
以上の構成において前輪振動および後輪振動は、車両の外部に設置された振動センサ40で取得することができる。従って、走行中の車両の外部から車両にタイヤチェーンが装着されているか否かを判定することができる。さらに、以上の構成においては、前輪振動の終了タイミングが、後輪振動の開始タイミングよりも早いタイミングであり、図1Aおよび図1Bに示すように、前輪振動の期間Fと後輪振動の期間Rとの間に所定の期間Iが形成されている。そして、所定の期間Iにおいては、前輪振動と後輪振動が重複して存在し、いずれか一方が支配的であると見なすことが困難である。本実施形態においては、当該所定の期間Iが除外された状態で前輪振動および後輪振動が取得されるため、前輪振動および後輪振動の特徴が明確に現れる状態で両振動を取得することができる。この結果、前輪振動の強度の和と後輪振動の強度の和との差を解析することで、図4Aに示すように、タイヤチェーンが装着された車両と装着されていない車両とを明確に区別することができる。従って、タイヤチェーンの装着または非装着を正確に判定することができる。
(3)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、前輪振動の特性と後輪振動の特性とを比較することによって車両にタイヤチェーンが装着されているか否かを判定する限りにおいて、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、複数の振動センサ40が道路に設置されても良い。この場合、道路幅方向に複数個の振動センサ40を埋設し、最も正確に解析をすることが可能なデータ(例えば、強度が大きいデータや前輪振動と後輪振動の強度の差が大きいデータ等)に基づいてタイヤチェーンの装着または非装着を判定する構成等を採用可能である。
さらに、複数の車両センサ43が道路に設置されても良い。この場合、道路長方向に複数個の車両センサ43を設置し、各センサを車両が横切るタイミングに基づいて車速を特定し、車両があるセンサを横切るタイミングと車速に基づいて車長を特定し、車速や車長に基づいて、振動センサ40で取得された振動から前輪振動や後輪振動として取得すべき範囲を特定する構成等を採用可能である。
さらに、前輪振動の特性と後輪振動の特性を比較するための手法は、上述の実施形態に限定されず、種々の手法を採用可能であり、振動の強度、周波数、プロファイル(波形)等を解析対象としても良いし、所定の特性の振動の有無を確認しても良く種々の手法を採用可能である。さらに、振動の媒体は道路Rに限定されず、空気(この場合振動は音)であっても良いし、道路Rとセンサとの接触音を車輪によって励起された振動として取得しても良い。
強度の比較をする場合において、前輪振動の強度の和と後輪振動の強度の和との比を解析しても良い。このような構成は、上述の実施形態と同様の構成において、制御部20がステップS120で前輪振動の強度の和と後輪振動の強度の和との比を取得することで実現可能である。むろん、この場合、ステップS130で判定に使用される閾値は、強度の和の比によってタイヤチェーンの装着および非装着が区別できるように予め設定された閾値である。
図4Bは、タイヤチェーンを装着した車両と装着していない車両の振動を多数回測定し、前輪振動の強度の和と後輪振動の強度の和との比を取得して作成したヒストグラムである。なお、図4Bに示すヒストグラムにおいて縦軸は頻度、横軸は前輪振動の強度の和と後輪振動の強度の和との比である。同図4Bにおいても、タイヤチェーンが装着された車両のヒストグラムを黒い矩形、タイヤチェーンが装着されていない車両のヒストグラムを白い矩形で示している。同図4Bに示すように、タイヤチェーンが装着された車両のヒストグラムはグラフの右側に分布し、タイヤチェーンが装着されていない車両のヒストグラムはグラフの左側に分布している。従って、強度の和の比が2.5程度の値より大きければ車両の前輪または後輪にタイヤチェーンが装着されていると判定することができ、強度の和の比が2.5程度の値より小さければ車両にタイヤチェーンが装着されていないと判定することができる。
なお、図4Bにおいては、タイヤチェーンを装着する場合、前輪に装着しており、前輪振動の強度の和と後輪振動の強度の和との比として、前者/後者を取得しているため、比の値が閾値以上である場合にタイヤチェーンが装着されていると判定される。前輪振動の強度の和と後輪振動の強度の和との比として、後者/前者が取得される場合、比の値が閾値以下である場合にタイヤチェーンが装着されていると判定されることになる。さらに、前輪振動の強度の和と後輪振動の強度の和のうち、値が大きい方を分子にするように比を設定すれば、比の値が閾値以上である場合にタイヤチェーンが装着されていると判定される。
さらに、前輪振動および後輪振動とすべき振動の長さも上述の実施形態のような長さに限定されない。例えば、図1Aおよび図1Bに示すような1台分の振動Wcの前半Wfの振動を前輪振動、後半Wrの振動を後輪振動として取得する構成であっても良い。図5Aは、多数回の振動について、前半Wfの振動が前輪振動、後半Wrの振動が後輪振動として取得された場合について、強度の和の差をヒストグラムとして示した図である。この例であっても、同図5Aに示すように、強度の和の差が7(×107)程度の値より大きければ車両の前輪または後輪にタイヤチェーンが装着されていると判定することができ、強度の和の差が7(×107)程度の値より小さければ車両にタイヤチェーンが装着されていないと判定することができる。
さらに、図5Bは、多数回の振動について、1台分の振動Wcの前半Wfの振動を前輪振動、後半Wrの振動を後輪振動として取得した場合について、強度の和の比をヒストグラムとして示した図である。この例であっても、同図5Bに示すように、強度の和の比が2.25程度の値より大きければ車両の前輪または後輪にタイヤチェーンが装着されていると判定することができ、強度の和の比が2.25程度の値より小さければ車両にタイヤチェーンが装着されていないと判定することができる。
さらに、前輪振動や後輪振動の取得法は上述の例以外にも種々の手法を採用可能であり、1台分の振動が取得された後、当該振動から前輪振動と後輪振動が取得される構成ではなく、前輪振動と後輪振動とが個別に取得される構成であっても良い。さらに、前輪振動と後輪振動の長さは種々の指標に基づいて特定することができる。例えば、前輪、後輪のそれぞれが振動センサ40に最接近したタイミングの前後の期間であって、タイヤ1回転分の距離だけ車両が走行する期間(最接近したタイミングの前後にタイヤ半回転分の期間)に相当する期間の振動を前輪振動および後輪振動として取得する構成等を採用可能である。むろん、タイヤ1回転分の距離だけ車両が走行する期間が重複することがホイールベース等から明らかである場合には、ホイールベース等に基づいて各期間が重複しないように各期間を短縮しても良い。
さらに、タイヤチェーンを装着した車輪によって励起される振動と装着していない車輪によって励起される振動とのそれぞれに着目してタイヤチェーンの装着または非装着を判定することも可能である。例えば、タイヤチェーンを装着した車輪によって励起される振動の特性と装着していない車輪によって励起される振動の特性とを区別できる評価基準を予め決めておけば、前輪振動と後輪振動とのそれぞれが当該評価基準を満たすか否か判定することにより、前輪および後輪にタイヤチェーンが装着されているか否を判定することができる。なお、評価基準としては、種々の特性に応じた種々の基準を採用可能であり、例えば、前輪振動および後輪振動について、振動の強度の和と比較すべき閾値や、振動の強度が所定値以上であるサンプル数についての閾値を予め設定しておく構成等を採用可能である。すなわち、振動の強度の和が閾値以上である場合に、車輪にタイヤチェーンが装着されていると判定する構成や、振動の強度が所定値以上であるサンプル数が閾値以上である場合に、車輪にタイヤチェーンが装着されていると判定する構成等を採用可能である。
10…装着判定装置、20…制御部、21…装着判定プログラム、21a…前輪振動取得部、21b…後輪振動取得部、21c…装着判定部、30…記録媒体、30a…閾値情報、40…振動センサ、41…増幅器、42…表示部、43…車両センサ

Claims (5)

  1. 車両の前輪によって路面に励起された振動である前輪振動を取得する前輪振動取得手段と、
    前記車両の後輪によって路面に励起された振動である後輪振動を取得する後輪振動取得手段と、
    前記前輪振動の特性と前記後輪振動の特性との比較結果に基づいて、前記前輪または前記後輪にタイヤチェーンが装着されているか否かを判定する装着判定手段と、
    を備える装着判定装置。
  2. 前記装着判定手段は、
    前記前輪振動の強度と前記後輪振動の強度との相違に基づいて、前記前輪または前記後輪にタイヤチェーンが装着されているか否かを判定する、
    請求項1に記載の装着判定装置。
  3. 前記前輪振動取得手段が取得する前記前輪振動の終了タイミングは、
    前記後輪振動取得手段が取得する前記後輪振動の開始タイミングよりも早いタイミングである、
    請求項1または請求項2のいずれかに記載の装着判定装置。
  4. 車両の前輪によって路面に励起された振動である前輪振動を取得する前輪振動取得工程と、
    前記車両の後輪によって路面に励起された振動である後輪振動を取得する後輪振動取得工程と、
    前記前輪振動の特性と前記後輪振動の特性との比較結果に基づいて、前記前輪または前記後輪にタイヤチェーンが装着されているか否かを判定する装着判定工程と、
    を含む装着判定方法。
  5. 車両の前輪によって路面に励起された振動である前輪振動を取得する前輪振動取得機能と、
    前記車両の後輪によって路面に励起された振動である後輪振動を取得する後輪振動取得機能と、
    前記前輪振動の特性と前記後輪振動の特性との比較結果に基づいて、前記前輪または前記後輪にタイヤチェーンが装着されているか否かを判定する装着判定機能と、
    をコンピュータに実行させる装着判定プログラム。
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