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JP6344966B2 - 内燃機関用スパークプラグ - Google Patents
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JP6344966B2 - 内燃機関用スパークプラグ - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関用スパークプラグに関する。
自動車等の内燃機関には、着火手段としてスパークプラグが用いられている。スパークプラグは、中心電極を内側に挿通保持する絶縁碍子と、絶縁碍子の先端側を内側に挿通保持するハウジングと、ハウジングに接合されて中心電極との間に火花放電ギャップを形成する接地電極とを有している。スパークプラグは、点火コイルから高電圧を印加することにより、中心電極と接地電極との間において、火花放電ギャップの絶縁を破壊し放電火花を発生させる。
スパークプラグは、温度が高くなりすぎるとプレイグニッション(過早着火)が発生し、中心電極と接地電極の消耗が進みやすくなる。プレイグニッションを抑制し、耐消耗性を向上するスパークプラグとしては、例えば、特許文献1に示されたものがある。特許文献1のスパークプラグは、ニッケル合金等の金属からなる外層と、外層の内部に設けられた銅合金からなる内層とを有する接地電極を有している。熱伝導性の高い銅合金によって内層を形成することにより、接地電極の熱をハウジングへと効率良く伝達し、接地電極における温度上昇を抑制することができる。
特開2013−120701号公報
しかしながら、特許文献1に示されたスパークプラグには以下の課題がある。
特許文献1のスパークプラグは、上述のごとく、接地電極の温度上昇を抑制することで、接地電極の耐消耗性を向上することができる。その一方で、内燃機関の冷間時や低負荷運転時には、接地電極の温度が上昇しにくい。そのため、スパークプラグの着火性能が低下するおそれがある。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、高温時には接地電極の温度上昇を抑制し、低温時には、接地電極を速やかに昇温することができる内燃機関用スパークプラグを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、中心電極と、
該中心電極を内側に挿通保持する絶縁碍子と、
該絶縁碍子の基端側の一部を露出させつつ、該絶縁碍子を内側に挿通保持するハウジングと、
該ハウジングに接合されて上記中心電極との間に火花放電ギャップを形成する接地電極とを有しており、
上記接地電極は、上記ハウジングから延設された芯材部と、該芯材部よりも線膨張係数が小さい材料からなり上記芯材部が挿通配置される挿入穴を備える有底筒状の表層部とを有しており、
上記芯材部の先端部と、上記表層部における上記挿入穴の底部との間には先端側隙間が形成されており、
上記芯材部における軸方向と直交する径方向において、上記芯材部と上記表層部との間には、径方向隙間が形成されており、
上記芯材部の外周面には、該芯材部の径方向に突出する位置決め部が少なくとも一つ形成されており、該位置決め部と上記表層部における上記挿入穴との間の部分隙間の大きさS3は、上記径方向隙間の大きさS2よりも小さいことを特徴とする内燃機関用スパークプラグにある。
上記内燃機関用スパークプラグ(以下、適宜スパークプラグと記す)の上記接地電極は、上記芯材部と、該芯材部よりも線膨張係数が小さい材料からなり上記芯材部が挿通配置される挿入穴を備える有底筒状の表層部とを有している。さらに、上記芯材部の先端部と、上記表層部における上記挿入穴の底部との間には先端側隙間が形成されている。そのため、上記スパークプラグの温度が低い状態においては、上記接地電極を速やかに昇温し、上記スパークプラグの温度が高い状態においては、上記接地電極の温度上昇を抑制することができる。
すなわち、上記スパークプラグの温度が低い状態においては、上記接地電極の内部に上記先端側隙間が形成されている。そのため、上記接地電極における上記先端側隙間が形成された範囲においては、上記挿入穴が形成され中空の上記表層部のみが伝熱経路となる。したがって、上記接地電極における熱抵抗が大きくなり、該接地電極から上記ハウジングへと放熱される熱量が小さくなる。これにより、上記接地電極を速やかに昇温し、上記スパークプラグの着火性能を向上することができる。
また、上記スパークプラグの温度が上昇すると、上記接地電極を構成する上記芯材部及び上記表層部は線膨張する。このとき、上記芯材部を形成する材料の線膨張係数が、上記表層部を形成する材料の線膨張係数よりも大きいため、上記芯材部が上記表層部よりも大きく線膨張し、該芯材部の先端が上記挿入穴の上記底部と当接する。このように、上記先端側隙間が上記芯材部によって塞がれることにより、上記芯材部及び上記表層部の両方を伝熱経路として利用することができる。したがって、上記接地電極における熱抵抗が小さくなり、該接地電極から上記ハウジングへと伝達される熱量を増大させることができる。これにより、上記接地電極の昇温を抑制し、プレイグニッションの発生を防止すると共に、上記接地電極の耐消耗性を向上することができる。
以上のごとく、上記内燃機関用スパークプラグによれば、高温時には接地電極の温度上昇を抑制し、低温時には、接地電極を速やかに昇温することができる。
実施例1における、スパークプラグを示す部分断面図。 図1における、部分拡大図。 実施例1における、低温時の接地電極を示す部分断面図。 実施例1における、高温時の接地電極を示す部分断面図。 確認試験における、接地電極の温度変化を示すグラフ。 実施例2における、スパークプラグを示す部分断面図。 実施例2における、接地電極の部分断面図。 参考例における、スパークプラグを示す部分断面図。 参考例における、接地電極の部分断面図。
上記芯材部における上記挿入穴への挿入長をL、上記表層部の線膨張係数をa、上記芯材部の線膨張係数をb、内燃機関の運転前における上記接地電極の温度を想定した基準温度t0と内燃機関の運転時における上記接地電極の温度を想定した設定温度t1との温度差をΔtとしたとき、上記先端側隙間の大きさS1は、S1=L×{(1+b×Δt)/(1+a×Δt)−1}の関係を満たすことが好ましい。この場合には、上記接地電極が、上記設定温度(t1)まで昇温した際に、上記芯材部の先端面が上記表層部の挿入穴における底部と当接し上記先端側隙間が埋められる。これにより、上記接地電極が上記設定温度に達するまでは、上記接地電極を速やかに昇温し、上記接地電極が上記設定温度以上に昇温された際に、上記接地電極における熱伝導性を向上し、上記接地電極の昇温を抑制することができる。すなわち、内燃機関の運転始動時等には、上記接地電極を速やかに昇温して上記接地電極における着火性を向上することができる。また、内燃機関の運転時に上記接地電極の温度が高くなりすぎることを防ぎ、上記接地電極の耐消耗性を効果的に向上させることができる。
また、上記芯材部における軸方向と直交する径方向において、上記芯材部と上記表層部との間には、径方向隙間が形成されている。上記接地電極の温度が低い場合、上記径方向隙間が形成されることにより、上記芯材部と上記表層部との接触面積が、上記径方向隙間が形成されていない場合に比べて小さくなる。そのため、上記芯材部と上記表層部との間における熱抵抗を大きくすることができる。したがって、上記表層部から上記芯材部へと伝達される熱量が小さくなる。これにより、上記接地電極をより速やかに昇温することができる。また、上記スパークプラグの温度が上昇すると、上記芯材部が膨張し、上記径方向隙間が埋められる。これにより、上記芯材部と上記表層部との接触面積を増大させ、上記接地電極から上記ハウジングへと伝達される熱量を増大させることができる。それゆえ、上記接地電極の温度上昇をより効果的に抑制することができる。
また、上記芯材部における上記径方向の寸法をW、上記表層部の線膨張係数をa、上記芯材部の線膨張係数をb、内燃機関の運転前における上記接地電極の温度を想定した基準温度t0と内燃機関の運転時における上記接地電極の温度を想定した設定温度t1との温度差をΔtとしたとき、上記径方向隙間の大きさS2は、S2=W×{(1+b×Δt)/(1+a×Δt)−1}/2の関係を満たすことが好ましい。この場合には、上記接地電極が、上記設定温度に昇温した際に、上記芯材部の先端面が上記表層部の挿入穴における底部と当接し上記径方向隙間が埋められる。これにより、上記接地電極が上記設定温度に達するまでは、上記接地電極を速やかに昇温し、上記接地電極が上記設定温度以上に昇温された際に、上記接地電極における熱伝導性を向上し、上記接地電極の昇温を抑制することができる。すなわち、内燃機関の運転始動時等には、上記接地電極を速やかに昇温して上記接地電極における着火性をより向上することができる。また、内燃機関の運転時に上記接地電極の温度が高くなりすぎることを防ぎ、上記接地電極の耐消耗性をより効果的に向上させることができる。
(実施例1)
上記内燃機関用スパークプラグにかかる実施例について、図1〜図3を参照して説明する。
図1に示すごとく、内燃機関用スパークプラグ1は、中心電極2と、中心電極2を内側に挿通保持する絶縁碍子3と、絶縁碍子3の基端側の一部を露出させつつ、絶縁碍子3を内側に挿通保持するハウジング4と、ハウジング4に接合されて中心電極2との間に火花放電ギャップGを形成する接地電極11とを有している。図2及び図3に示すごとく、接地電極11は、ハウジング4から延設された芯材部12と、芯材部12が挿通配置される挿入穴14を備えた有底筒状の表層部13とを有している。芯材部12の先端部と、表層部13における挿入穴14の底部141との間には先端側隙間S1が形成されている。
以下、さらに詳細に説明する。
図1に示すごとく、本例のスパークプラグ1は、内燃機関において、混合気の着火に用いられる。スパークプラグ1の軸方向において、スパークプラグ1の一端は、点火コイル(図示略)と接続され、反対側の他端は、内燃機関の燃焼室(図示略)内に配される。尚、本例においては、軸方向における点火コイルと接続される側を基端側とし、燃焼室内に配される側を先端側として説明する。
スパークプラグ1は、筒状の絶縁碍子3と、絶縁碍子3を内側に保持する筒状のハウジング4と、先端部が突出するように絶縁碍子3の内側に保持された中心電極2と、中心電極2の基端側に配されたステム5と、ハウジング4と接続された接地電極11とを備えている。
絶縁碍子3は、アルミナを略円筒形状に形成してなり、その内側に中心電極2とステム5とを保持するように形成されている。
ステム5は、絶縁碍子3の内側に挿通保持されるステム本体51と、ステム本体51の基端側において絶縁碍子3から露出し点火コイルと接続されるターミナル52とを有している。
また、ステム5と中心電極2との間には、レジスター6が配されている。このレジスター6は、スパークプラグ1における点火ノイズを抑制するためのものである。
レジスター6を介してステム5と接続された中心電極2は、電極母材21と、電極母材21の先端に接合された中心放電チップ22とを有している。
電極母材21は、銅合金からなる内層部材と、ニッケル合金からなり内層部材を覆う外層部材とを有している。
中心放電チップ22は、絶縁碍子3の先端から露出するよう電極母材21の先端に接合されている。中心放電チップ22の材料には、イリジウム、白金、ロジウム等の貴金属又はその合金等が用いられる。なお、中心放電チップ22は、必ずしも貴金属である必要がなく、例えば、タングステン、レニウム、タンタル、ニオブ又はその合金からなる高融点の材料であってもよい。
ハウジング4は、略円筒形状に形成されており、その内側に絶縁碍子3を挿通保持している。ハウジング4は、絶縁碍子3における基端側を露出させると共に、絶縁碍子3の先端側を覆っている。また、ハウジング4の外周側面には、内燃機関のシリンダヘッド(図示略)と螺号するためのネジ山が形成されておりハウジング4の先端面には、接地電極11が配されている。
図2及び図3に示すごとく、接地電極11は、ハウジング4から延設された芯材部12と、芯材部12を覆う表層部13とを有している。
芯材部12は、スパークプラグ1の軸方向に延びる一直線状の四角柱形状に形成されており、その基端部はハウジング4に接合されている。芯材部12は、銅合金からなり、その線膨張係数の大きさbは、16.8×10−6μm/m℃である。なお、線膨張係数の大きさbは、芯材部12を形成する材料や、設定温度の温度条件等によって決定される。
表層部13は、接地電極11の外形形状と同形状に形成されており、ハウジング4から軸方向の先端側に延びる延設部132と、中心電極2の先端と対向して配される対向部133と、延設部132と対向部133とを繋ぐ屈曲部134とを形成している。表層部13は、ニッケル合金からなり、その線膨張係数の大きさaは、14×10−6μm/m℃である。なお、線膨張係数の大きさaは、表層部13を形成する材料や、設定温度の温度条件等によって決定される。
対向部133は、中心電極2と対向するように配設されており、中心電極2と同軸上に接地電極チップ111が配設されている。接地電極チップ111の材料としては、中心放電チップ22の材料には、イリジウム、白金、ロジウム等の貴金属又はその合金等が用いられる。なお、中心放電チップ22は、必ずしも貴金属である必要がなく、例えば、タングステン、レニウム、タンタル、ニオブ又はその合金からなる高融点の材料であってもよい。また、接地電極チップ111と中心電極2との間には、火花放電ギャップGが形成されている。
延設部132の内側には、芯材部12を挿入する挿入穴14が形成されている。挿入穴14は、軸方向と直交する断面において、芯材部12よりも一回り大きく形成されており、挿入穴14の内面と芯材部12との間には径方向隙間S2が形成されている。また、挿入穴14の軸方向の全長は、芯材部12の全長よりも長く形成されており、芯材部12の先端部と挿入穴14の底部141との間には先端側隙間S1が形成されている。
本例において、芯材部12における挿入穴14への挿入長をL、芯材部12における径方向の寸法をW、表層部13の線膨張係数をa、芯材部12の線膨張係数をb、基準温度t0と設定温度t1との温度差をΔtとする。尚、基準温度t0は、内燃機関の運転前における接地電極11の温度を想定した温度であり、15℃〜25℃程度に設定される。また、設定温度t1は、内燃機関の運転時における接地電極11の温度を想定した温度であり、450〜800℃程度に設定される。本例において、表層部13の線膨張係数は、a=14×10−6μm/m℃であり、芯材部12の線膨張係数は、b=16.8×10−6μm/m℃である。また基準温度は、t0=25℃とし、設定温度は、t1=650℃とした。先端側隙間S1の大きさは、S1=L×{(1+b×Δt)/(1+a×Δt)−1}の関係を満たすように求められる。また、径方向寸法S2の大きさは、S2=W×{(1+b×Δt)/(1+a×Δt)−1}/2の関係を満たすように求められる。
次に本例の作用効果について説明する。
内燃機関用スパークプラグ1の接地電極11は、芯材部12と、芯材部12よりも線膨張係数が小さい材料からなり芯材部12が挿通配置される挿入穴14を備える有底筒状の表層部13とを有している。さらに、芯材部12の先端部と、表層部13における挿入穴14の底部141との間には先端側隙間S1が形成されている。そのため、スパークプラグ1の温度が低い状態においては、接地電極11を速やかに昇温し、スパークプラグ1の温度が高い状態においては、接地電極11の温度上昇を抑制することができる。
すなわち、図3に示すごとく、スパークプラグ1の温度が低い状態においては、接地電極11の内部に先端側隙間S1が形成されている。そのため、接地電極11における先端側隙間S1が形成された範囲においては、挿入穴14が形成され中空の表層部13のみが伝熱経路となる。したがって、接地電極11における熱抵抗が大きくなり、接地電極11からハウジング4へと放熱される熱量が小さくなる。これにより、接地電極11を速やかに昇温し、スパークプラグ1の着火性能を向上することができる。
また、図4に示すごとく、スパークプラグ1の温度が上昇すると、接地電極11を構成する芯材部12及び表層部13は線膨張する。このとき、芯材部12を形成する材料の線膨張係数が、表層部13を形成する材料の線膨張係数よりも大きいため、芯材部12が表層部13よりも大きく線膨張し、芯材部12の先端が挿入穴14の底部141と当接する。このように、先端側隙間S1が芯材部12によって塞がれることにより、芯材部12及び表層部13の両方を伝熱経路として利用することができる。したがって、接地電極11における熱抵抗が小さくなり、接地電極11からハウジング4へと放熱される熱量を増大させることができる。これにより、接地電極11の昇温を抑制し、プレイグニッションの発生を防止すると共に、接地電極11の耐消耗性を向上することができる。
また、芯材部12における挿入穴14への挿入長をL、表層部13の線膨張係数をa、芯材部12の線膨張係数をb、内燃機関の運転前における接地電極11の温度を想定した基準温度t0と内燃機関の運転時における接地電極11の温度を想定した設定温度t1との温度差をΔtとしたとき、先端側隙間S1の大きさは、S1=L×{(1+b×Δt)/(1+a×Δt)−1}の関係を満たしている。そのため、接地電極11が、設定温度(t1)まで昇温した際に、芯材部12の先端面が表層部13の挿入穴14における底部141と当接し先端側隙間S1が埋められる。これにより、接地電極11が設定温度に達するまでは、接地電極11を速やかに昇温し、接地電極11が設定温度以上に昇温された際に、接地電極11における熱伝導性を向上し、接地電極11の昇温を抑制することができる。すなわち、内燃機関の運転始動時等には、接地電極11を速やかに昇温して接地電極11における着火性を向上することができる。また、内燃機関の運転時に接地電極11の温度が高くなりすぎることを防ぎ、接地電極11の耐消耗性を効果的に向上させることができる。
また、芯材部12における軸方向と直交する径方向において、芯材部12と表層部13との間には、径方向隙間S2が形成されている。接地電極11の温度が低い場合、径方向隙間S2が形成されることにより、芯材部12と表層部13との接触面積が、径方向隙間S2が形成されていない場合に比べて小さくなる。そのため、芯材部12と表層部13との間における熱抵抗を大きくすることができる。したがって、表層部13から芯材部12へと伝達される熱量が小さくなる。これにより、接地電極11をより速やかに昇温することができる。また、スパークプラグ1の温度が上昇すると、芯材部12が膨張し、径方向隙間S2が埋められる。これにより、芯材部12と表層部13との接触面積を増大させ、接地電極11からハウジング4へと伝達される熱量を増大させることができる。それゆえ、接地電極11の温度上昇をより効果的に抑制することができる。
また、芯材部12における径方向の寸法をW、表層部13の線膨張係数をa、芯材部12の線膨張係数をb、内燃機関の運転前における接地電極11の温度を想定した基準温度t0と内燃機関の運転時における接地電極11の温度を想定した設定温度t1との温度差をΔtとしたとき、径方向隙間S2の大きさは、S2=W×{(1+b×Δt)/(1+a×Δt)−1}/2の関係を満たしている。そのため、接地電極11が設定温度に達するまでは、接地電極11を速やかに昇温し、接地電極11が、設定温度に昇温した際に、芯材部12の先端面が表層部13の挿入穴14における底部141と当接し径方向隙間S2が埋められる。そのため、設定温度において、接地電極11における熱伝導性を向上し、接地電極11の昇温を抑制することができる。すなわち、内燃機関の運転始動時等には、接地電極11を速やかに昇温して接地電極11における着火性を向上することができる。また、内燃機関の運転時に接地電極11の温度が高くなりすぎることを防ぎ、接地電極11の耐消耗性を効果的に向上させることができる。
以上のごとく、本例の内燃機関用スパークプラグ1によれば、高温時には接地電極11の温度上昇を抑制し、低温時には、接地電極11を速やかに昇温することができる。
(確認試験)
本試験においては、図5に示すごとく、実施例1のスパークプラグ1を加熱した際の接地電極11における温度変化の推移を確認した。
本試験は、内燃機関の回転数を1200rpm〜3600rpm、負荷を55〜156Nmの間で変化させることにより、スパークプラグ1の温度を変化させ、接地電極11の温度変化を確認した。
試料としては、1つの実施例と2つの従来例とを用いた。
実施例としてのスパークプラグ1は、実施例1に示したスパークプラグ1である。
従来例1のスパークプラグ1は、接地電極11が芯材部12と表層部13とに分割されておらず、一部材によって形成されている。従来例2のスパークプラグ1は、接地電極11が芯材部12と表層部13とに分割されており、芯材部12と表層部13との間に先端側隙間S1及び径方向隙間S2が形成されていない。その他の構成は実施例1と同様である。
図5は、縦軸を接地電極11の温度(℃)とし、横軸をスパークプラグ1の温度(℃)とした接地電極11の温度変化を示すグラフである。尚、スパークプラグ1の温度としては、絶縁碍子3における温度を示している。実線L1は、実施例のスパークプラグ1における接地電極11の温度変化を示すものである。破線B1及び破線B2は、従来例1及び従来例2のスパークプラグ1における接地電極11の温度変化をそれぞれ示すものである。
破線B1に示すごとく、従来例1のスパークプラグ1における接地電極11の温度は、スパークプラグ1の温度上昇に比例して変化している。また、破線B2に示すごとく、従来例2のスパークプラグ1における接地電極11の温度は、従来例1のスパークプラグ1よりも低い温度域で、スパークプラグ1の温度上昇に比例して変化している。
実線L1に示すごとく、実施例のスパークプラグ1における接地電極11の温度は、絶縁碍子3の温度が約410℃以下の温度域T1においては、従来例1及び従来例2のスパークプラグ1における接地電極11の温度よりも高いことが確認された。また、実施例のスパークプラグ1は、スパークプラグ1の温度が約380℃〜約530℃の間において、接地電極11の温度が設定温度近傍に達すると、絶縁碍子3の温度上昇に対して、接地電極11の温度上昇が緩やかになり、温度上昇が抑制されることが確認された。また、実施例のスパークプラグ1は、スパークプラグ1の温度が約530℃を超える温度域において、スパークプラグ1の温度上昇に比例して接地電極11の温度が上昇することが確認された。
このように、実施例のスパークプラグ1においては、スパークプラグ1の温度が比較的低温となる温度域においては、接地電極11の温度が速やかに昇温されることが確認された。また、接地電極11の温度が設定温度t1近傍に達すると、接地電極11の温度上昇が緩やかとなり、温度上昇が抑制されることが確認された。
(実施例2)
本例は、図6及び図7に示すごとく、実施例1のスパークプラグにおける構造を一部変更した例である。
本例のスパークプラグ1において、表層部13の挿入穴14は屈曲部134の内側まで形成されている。
芯材部12は、挿入穴14の形状に沿うように形成されており、ハウジング4から軸方向に延びる芯材延設部121と、芯材延設部121の先端から表層部13の屈曲部134に沿って形成された芯材屈曲部122とを有している。芯材屈曲部122の先端部には、芯材屈曲部122の径方向外側に向かって突出した位置決め部123が形成されている。位置決め部123は、芯材屈曲部122の先端部における外縁の全周に、鍔状に形成されている。本例においては、位置決め部123と挿入穴14の内周面との間の部分隙間S3はほぼ0mmに設定してあり、部分隙間S3の大きさS3は、径方向隙間S2の大きさS2よりも小さい。
尚、本例の接地電極11は、直線状の芯材部12と、直線状の表層部13とを準備し、表層部13の挿入穴14内に芯材部12を挿通した後、曲げ加工を施すことにより、接地電極11の延設部132、対向部133、屈曲部134を形成している。
その他の構成は実施例1と同様である。尚、本例又は本例に関する図面において用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成要素等を表す。
本例のスパークプラグ1においては、芯材部12に位置決め部123を形成することにより、挿入穴14内において、芯材部12の位置決めを容易に行うことができる。これにより、芯材部12と表層部13との間に径方向隙間S2を容易に形成することができる。また、屈曲部134を形成する際に、芯材部12と表層部13との間に径方向隙間S2を容易に形成することができる。
参考例
本例は、図8及び図9に示すごとく、実施例1のスパークプラグにおける構造を一部変更した例である。
本例のスパークプラグ1において、表層部13は、表層本体部135と表層先端部136とを有している。
表層本体部135は、接地電極11における延設部132、屈曲部134及び対向部133の一部を形成している。また、挿入穴14は表層部13の全長に貫通して形成されている。
表層先端部136は、略直方体形状をなしており、表層本体部135との対向面には、表層本体部135と反対側に向かって窪んだ凹部137を有している。凹部137の深さは、先端側隙間S1の大きさに設定してある。また接地電極チップ111は、表層先端部136における中心電極2との対向面上に配設されている。
芯材部12は、挿入穴14の形状に沿うように形成されており、ハウジング4から軸方向に延びる芯材延設部121と、芯材延設部121の先端から表層部13の屈曲部134に沿って形成された芯材屈曲部122と、対向部133の内側に配置される芯材対向部133とを有している。本例においては、芯材部12と表層部13との間に径方向隙間S2は形成されていない。
尚、本例の接地電極11は、直線状の芯材部12と、直線状の表層本体部135とを準備し、表層本体部135の挿入穴14内に芯材部12を挿通した後、先端側に配置される芯材部12の端面と表層本体部135の端面とを揃えるように切削加工を行う。切削加工を行った端面に表層先端部136を接合し、曲げ加工を施すことにより接地電極11が形成される。このとき、凹部137が先端側隙間S1を形成する。
その他の構成は実施例1と同様である。尚、本例又は本例に関する図面において用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成要素等を表す。
本例のスパークプラグ1によれば、接地電極11内に先端側隙間S1を容易かつ確実に形成することができる。
また本例においても実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
上述の実施例1実施例2、参考例は、態様の一部を示すものであり、これら以外にも種々の態様とすることができる。例えば、実施例1実施例2、参考例の構造を組み合わせてもよい。
1 内燃機関用スパークプラグ
11 接地電極
12 芯材部
13 表層部
14 挿入穴
141 底部
2 中心電極
3 絶縁碍子
4 ハウジング

Claims (4)

  1. 中心電極(2)と、
    該中心電極(2)を内側に挿通保持する絶縁碍子(3)と、
    該絶縁碍子(3)の基端側の一部を露出させつつ、該絶縁碍子(3)を内側に挿通保持するハウジング(4)と、
    該ハウジング(4)に接合されて上記中心電極(2)との間に火花放電ギャップ(G)を形成する接地電極(11)とを有しており、
    上記接地電極(11)は、上記ハウジング(4)から延設された芯材部(12)と、該芯材部(12)が挿通配置される挿入穴(14)を備えた有底筒状の表層部(13)とを有しており、
    上記芯材部(12)の先端部と、上記表層部(13)における上記挿入穴(14)の底部(141)との間には先端側隙間が形成されており、
    上記芯材部(12)における軸方向と直交する径方向において、上記芯材部(12)と上記表層部(13)との間には、径方向隙間が形成されており、
    上記芯材部(12)の外周面には、該芯材部(12)の径方向に突出する位置決め部(123)が少なくとも一つ形成されており、該位置決め部(123)と上記表層部(13)における上記挿入穴(14)との間の部分隙間の大きさS3は、上記径方向隙間の大きさS2よりも小さいことを特徴とする内燃機関用スパークプラグ(1)。
  2. 上記芯材部(12)における上記挿入穴(14)への挿入長をL、上記表層部(13)の線膨張係数をa、上記芯材部(12)の線膨張係数をb、内燃機関の運転前における上記接地電極(11)の温度を想定した基準温度t0と内燃機関の運転時における上記接地電極(11)の温度を想定した設定温度t1との温度差をΔtとしたとき、上記先端側隙間の大きさS1は、S1=L×{(1+b×Δt)/(1+a×Δt)−1}の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用スパークプラグ(1)。
  3. 上記芯材部(12)における上記径方向の寸法をW、上記表層部(13)の線膨張係数をa、上記芯材部(12)の線膨張係数をb、内燃機関の運転前における上記接地電極(11)の温度を想定した基準温度t0と内燃機関の運転時における上記接地電極(11)の温度を想定した設定温度t1との温度差をΔtとしたとき、上記径方向隙間の大きさS2は、S2=W×{(1+b×Δt)/(1+a×Δt)−1}/2の関係を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関用スパークプラグ(1)。
  4. 上記接地電極(11)は、上記ハウジング(4)から上記内燃機関用スパークプラグ(1)の軸方向に延設された延設部(132)と、上記中心電極(2)の先端と対向して配される対向部(133)と、上記延設部(132)と上記対向部(133)とを繋ぐ屈曲部(134)とを有しており、上記芯材部(12)は、上記屈曲部(134)よりも上記対向部(133)側の位置まで延びていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関用スパークプラグ(1)。
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