JP6348307B2 - 濃縮液体調味料 - Google Patents
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そして、液体調味料を用いた料理を喫食する際には、良好な風味が求められることが多く、料理の種類等によって、液体調味料の改良が検討されている。
更には、保存安定性を向上できるとともに、容積低減化による運搬性や利便性等を向上できるという観点から、濃縮型の液体調味料が種々提案されている。
具体的な濃縮型の液体調味料としては、ラーメン等の麺料理に用いられる濃縮中華スープ等の濃縮型調味料などが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、上述のように、だし成分の濃縮が困難であることから、濃縮型の液体調味料では、希釈使用時における香味等のバランスをとることが難しく、液体調味料の使用用途を絞り込んで設計する必要があり、他の用途に転用した場合には、だしの風味(香味)を十分に享受することができなかった。具体的には、鶏がらだしや鶏油といった鶏エキスを配合し、鍋つゆ用として嗜好性の高い味に設計した場合には、麺つゆ用として用いる際には、鶏だしのコクが弱まり、嗜好性が低下するという問題があり、希釈使用時における香味のバランスが良いとはいえなかった。一方、麺つゆ用として嗜好性の高い味に設計した場合には、鍋つゆ用として用いる際には、鶏だしの香味や調味液としての味が強すぎるために後味のくどさを感じ、嗜好性が低下するとともに、鍋物の具材そのものの味が感じられにくくなり、鍋物用調味料として鶏のコクが十分に感じられる品質ではなく、希釈使用時における香味のバランスが良いとはいえなかった。
以上のことから、濃縮型の液体調味料では、複数用途を兼用した場合にも、だしの風味(香味)を十分に享受することができる嗜好性の高い液体調味料が求められていた。
[1]希釈して用いられる濃縮液体調味料であって、
鶏エキスと、コハク酸塩と、植物系油脂と、甘味料と、を含有しており、
前記鶏エキスに含まれる窒素分及び前記コハク酸塩の質量比(窒素分:コハク酸塩)は1:(1.5〜8)であり、
前記鶏エキスに含まれる窒素分及び前記植物系油脂の質量比(窒素分:植物系油脂)は1:(5〜50)であり、
前記鶏エキスに含まれる窒素分及び前記甘味料(但し、甘味度での砂糖換算量)の質量比(窒素分:甘味料)は1:(8.7〜40)であり、
前記鶏エキスに含まれる窒素分が、濃縮液体調味料を100質量%とした場合に、0.02〜0.6質量%であり、
粘度(20℃)は、50〜3000mPa・sであることを特徴とする濃縮液体調味料。
[2]5〜20倍に希釈して用いられる前記[1]に記載の濃縮液体調味料。
[3]鍋つゆ・麺つゆ兼用である前記[1]又は[2]に記載の濃縮液体調味料。
[4]前記植物系油脂は、ナタネ油、ごま油、米油、大豆油、コーン油、ヤシ油、パーム油、綿実油、ひまわり油、紅花油、亜麻仁油、シソ油、オリーブ油、落花生油、ブドウ種子油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、カボチャ種子油、クルミ油、椿油、茶実油、エゴマ油、ボラージ油、米糠油、小麦胚芽油、香味オイル、これらの油脂の分別油、これらの油脂の硬化油、及びこれらの油脂のエステル交換油のうちの少なくとも1種である前記[1]乃至[3]のいずれかに記載の濃縮液体調味料。
[5]増粘剤を更に含有しており、前記増粘剤の含有量が、濃縮液体調味料を100質量%とした場合に、0.1〜0.8質量%である前記[1]乃至[4]のいずれかに記載の濃縮液体調味料。
[6]前記増粘剤は、キサンタンガム、でんぷん、加工でんぷん、タマリンドガム、グアーガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、タラガム、カラギーナン、ペクチン、グルテン、カルボキシメチルセルロース及びゼラチンのうちの少なくとも1種である前記[5]に記載の濃縮液体調味料。
[7]グルタミン酸ナトリウムを更に含有しており、前記グルタミン酸ナトリウムの含有量が、濃縮液体調味料を100質量%とした場合に、2〜13質量%である前記[1]乃至[6]のいずれかに記載の濃縮液体調味料。
[8]核酸系調味料を更に含有しており、前記核酸系調味料の含有量が、濃縮液体調味料を100質量%とした場合に、0.1〜1質量%である前記[1]乃至[7]のいずれかに記載の濃縮液体調味料。
[9]脂質の含有量が、濃縮液体調味料を100質量%とした場合に、0.25〜15質量%である前記[1]乃至[8]のいずれかに記載の濃縮液体調味料。
[10]乳化剤を更に含有しており、前記乳化剤の含有量が、濃縮液体調味料を100質量%とした場合に、0.05〜1質量%である前記[1]乃至[9]のいずれかに記載の濃縮液体調味料。
[11]食塩を更に含有しており、前記食塩の含有量が、濃縮液体調味料を100質量%とした場合に、10〜20質量%である前記[1]乃至[10]のいずれかに記載の濃縮液体調味料。
本発明の濃縮液体調味料は、希釈して用いられるものであって、鶏エキスと、コハク酸塩と、植物系油脂と、甘味料と、を含有している。
上記鶏エキスが液体の場合、抽出媒体としては、通常、水、又は、エタノール等のアルコールが用いられる。アルコールとしては、食品への利用という観点からエタノールが好ましく用いられる。含水エタノールであってもよい。抽出は、通常、熱水又は加熱したアルコールの中で、上記の原料が加熱され、鶏エキスとしては、抽出した組成物を、そのまま、あるいは、濃縮した物を用いることができる。一方、上記鶏エキスが固体の場合、上記のようにして抽出した液体(組成物)を、公知の方法、例えば、自然乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥、スプレードライ、ドラム乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等により乾燥した後、乾固物を、必要により粉砕した物を用いることができる。
尚、これらのコハク酸塩は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
尚、これらの植物系油脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
尚、これらの甘味料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記増粘剤としては、例えば、キサンタンガム、でんぷん、加工でんぷん、タマリンドガム、グアーガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、タラガム、カラギーナン、ペクチン、グルテン、及びカルボキシメチルセルロース及びゼラチン等が挙げられる。
尚、これらの増粘剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
尚、上記粘度は、通常、原料の組み合わせ及びそれらの配合量、上記増粘剤等により調整することができる。また、この粘度は、B型粘度計等の粘度測定装置により測定することができる。
上記グルタミン酸ナトリウムを含有する場合、その含有量は、濃縮液体調味料を100質量%とした場合に、2〜13質量%であることが好ましく、より好ましくは4〜12質量%、更に好ましくは4〜10質量%である。この含有量が上記範囲内である場合には、後味のくどさを感じることなく、鶏がらだしの風味が感じられるため好ましい。
上記核酸系調味料としては、例えば、核酸、イノシン酸ナトリウム、及びグアニル酸ナトリウム等が挙げられる。
尚、これらの核酸系調味料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記食塩を含有する場合、その含有量は、濃縮液体調味料を100質量%とした場合に、10〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜18質量%、更に好ましくは10〜16質量%である。この含有量が上記範囲内である場合には、鶏がらだしのコクを十分に感じられ、後味のくどさを感じない香味バランスとなるため好ましい。
上記乳化剤としては、例えば、酵素分解(大豆由来)レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、及びサポニン等が挙げられる。
尚、これらの乳化剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
尚、これらの形態は特に限定されず、液体、ペースト状、粉末及び顆粒状等のいずれであってもよい。
特に、本発明の濃縮液体調味料は、鶏エキスと、コハク酸塩と、植物系油脂と、甘味料と、を含有しており、コハク酸塩、植物系油脂及び甘味料の含有割合が、それぞれ、鶏エキスに含まれる窒素分に対して特定の質量比となっていることから、鍋つゆ・麺つゆ兼用の濃縮液体調味料として好適に用いることができる。
表1〜表4に示す基本処方のように、各原料[鶏エキス(鶏がらだし、窒素分の含有割合;1.53質量%)、コハク酸塩(コハク酸二ナトリウム)、植物系油脂(ナタネ油、香味食用油)、甘味料(砂糖)、増粘剤(キサンタンガム(モナートガム))、グルタミン酸ナトリウム、核酸系調味料、食塩、淡口しょうゆ、乳化剤(酵素分解レシチン)、水]を、表1の含有割合(質量%)となるように配合、混合し、85℃の湯浴にて殺菌、室温冷却することにより、実験例1〜30の濃縮液体調味料を調製した。
尚、実験例1〜22及び2〜30の濃縮液体調味料においては、20℃における粘度が同程度(250mPa・s前後)となるように意図して調整されている。
専門のパネラーに、実験例1〜30の各濃縮液体調味料を、鍋つゆ用調味料(希釈倍率;11倍)として用いて鍋料理を調理した場合[希釈調味液(800g)、鶏もも肉(400g)、白菜(300g)、ネギ(100g)、豆腐(200g)]、及び、麺つゆ用調味料(希釈倍率;10倍)として用いて麺料理を調理した場合[希釈調味液(350g)、ラーメン(200g)]における「鶏がらだしのコク」及び「後味のくどさ」について、下記の判断基準で評価してもらい、その結果を各表に示した。
「◎」:強い
「○」:やや強い
「△」:やや弱い
「×」:弱い
<後味のくどさ>
「◎」:弱い
「○」:やや弱い
「△」:やや強い
「×」:強い
鍋つゆ用調味料としての評価結果及び麺つゆ用調味料としての評価結果を基に、以下の基準で総合評価し、その結果を各表に示した。
「◎」;非常に好ましい[上記評価結果において「△」及び「×」がなく、且つ「◎」が3つ以上]
「○」;好ましい[上記評価結果において「×」がなく、「△」が1個以下であり、且つ総合評価における「◎」の基準から外れる場合]
「△」;やや好ましい[上記評価結果において「×」が1個ある場合、又は「×」がなく、且つ「△」が2個以上の場合]
「×」;好ましくない[上記評価結果において「×」が2個以上の場合]
表1〜表4より、以下のことが確認できた。
実験例1は、コハク酸塩を含有しない例であり、鍋つゆ用及び麺つゆ用ともコクがなく、香味のバランスが良好ではなかった。実験例6及び7は、鶏エキスに含まれた窒素分に対するコハク酸塩の比が大きく、本発明の範囲外の例であり、鍋つゆ用及び麺つゆ用とも後味がくどく、コクもなかった。
実験例8は、甘味料を含有しない例であり、鍋つゆ用において後味がくどく、コクもなかった。実験例14は、鶏エキスに含まれた窒素分に対する甘味料の比が大きく、本発明の範囲外の例であり、鍋つゆ用及び麺つゆ用とも後味がくどく、コクもなかった。
実験例15は、植物系油脂を含有しない例であり、鍋つゆ用及び麺つゆ用とも後味がくどく、コクもなかった。実験例21は、鶏エキスに含まれた窒素分に対する植物系油脂の比が大きく、本発明の範囲外の例であり、鍋つゆ用及び麺つゆ用とも後味がくどく、香味のバランスが良好ではなかった。
実験例26は、粘度が大きく、本発明の範囲外の例であり、麺つゆ用において後味がくどく、コクもなかった。
一方、実験例2〜5、9〜13、16〜20、22〜25、27〜30は、いずれも、本発明の範囲に含まれる例であり、鍋つゆ用及び麺つゆ用とも後味がくどくなく、コクがあって香味のバランスが良好であった。特に、実験例4、10〜12、18、19、22、24、25、28〜30では、上記性能により優れており、鍋つゆ用及び麺つゆ用とも、鶏だしの風味(香味)を十分に享受することができ、だし感及び後味等の香味バランスに優れたものであった。
Claims (11)
- 希釈して用いられる濃縮液体調味料であって、
鶏エキスと、コハク酸塩と、植物系油脂と、甘味料と、を含有しており、
前記鶏エキスに含まれる窒素分及び前記コハク酸塩の質量比(窒素分:コハク酸塩)は1:(1.5〜8)であり、
前記鶏エキスに含まれる窒素分及び前記植物系油脂の質量比(窒素分:植物系油脂)は1:(5〜50)であり、
前記鶏エキスに含まれる窒素分及び前記甘味料(但し、甘味度での砂糖換算量)の質量比(窒素分:甘味料)は1:(8.7〜40)であり、
前記鶏エキスに含まれる窒素分が、濃縮液体調味料を100質量%とした場合に、0.02〜0.6質量%であり、
粘度(20℃)は、50〜3000mPa・sであることを特徴とする濃縮液体調味料。 - 5〜20倍に希釈して用いられる請求項1に記載の濃縮液体調味料。
- 鍋つゆ・麺つゆ兼用である請求項1又は2に記載の濃縮液体調味料。
- 前記植物系油脂は、ナタネ油、ごま油、米油、大豆油、コーン油、ヤシ油、パーム油、綿実油、ひまわり油、紅花油、亜麻仁油、シソ油、オリーブ油、落花生油、ブドウ種子油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、カボチャ種子油、クルミ油、椿油、茶実油、エゴマ油、ボラージ油、米糠油、小麦胚芽油、香味食用油、これらの油脂の分別油、これらの油脂の硬化油、及びこれらの油脂のエステル交換油のうちの少なくとも1種である請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載の濃縮液体調味料。
- 増粘剤を更に含有しており、前記増粘剤の含有量が、濃縮液体調味料を100質量%とした場合に、0.1〜0.8質量%である請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の濃縮液体調味料。
- 前記増粘剤は、キサンタンガム、でんぷん、加工でんぷん、タマリンドガム、グアーガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、タラガム、カラギーナン、ペクチン、グルテン、カルボキシメチルセルロース及びゼラチンのうちの少なくとも1種である請求項5に記載の濃縮液体調味料。
- グルタミン酸ナトリウムを更に含有しており、前記グルタミン酸ナトリウムの含有量が、濃縮液体調味料を100質量%とした場合に、2〜13質量%である請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載の濃縮液体調味料。
- 核酸系調味料を更に含有しており、前記核酸系調味料の含有量が、濃縮液体調味料を100質量%とした場合に、0.1〜1質量%である請求項1乃至7のうちのいずれか1項に記載の濃縮液体調味料。
- 脂質の含有量が、濃縮液体調味料を100質量%とした場合に、0.25〜15質量%である請求項1乃至8のうちのいずれか1項に記載の濃縮液体調味料。
- 乳化剤を更に含有しており、前記乳化剤の含有量が、濃縮液体調味料を100質量%とした場合に、0.05〜1質量%である請求項1乃至9のうちのいずれか1項に記載の濃縮液体調味料。
- 食塩を更に含有しており、前記食塩の含有量が、濃縮液体調味料を100質量%とした場合に、10〜20質量%である請求項1乃至10のうちのいずれか1項に記載の濃縮液体調味料。
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