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JP6349028B2 - 議論支援装置及び議論支援方法 - Google Patents
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JP6349028B2 - 議論支援装置及び議論支援方法 - Google Patents

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Description

本発明は、議論支援装置及び議論支援方法に関する。
社会において発生する様々な事象間の関係を構造化し可視化する技術は、システム・ダイナミクスと呼ばれる。システム・ダイナミクスにおいて事象間の構造を表現する手法として、事象を示す“ノード”とノード間の因果関係を示す“リンク”とを有するCLD(Causal Loop Diagram)が使用される。CLDを使用することによって、構造化された事象の相互関連及び問題点を表現し、その問題点の持続的な改善につながる構造上の箇所(以降、“要解決箇所”とも呼ぶ)を発見する準備を整えることができる。
特許文献1の因果関係図生成支援システムが作成するCLDにおいて、各ノードは、時系列の数値(特許文献1の図4)を有する。各リンクは、“時間遅れ”の値、及び、正又は負の符号(特許文献1の図12)を有する。正の符号は、リンクが接続する2つのノードの時系列の数値間に、正の相関があることを示す。負の符号は、リンクが接続する2つのノードの時系列の数値間に、負の相関があることを示す。時間遅れの値が例えば“1”であるということは、原因となるノードの変化が“1期”遅れたうえで、結果となるノードの変化と同期することを示す。特許文献1の因果関係図生成支援システムを使用すると、当該システムのユーザは、ノード間の関係を単に静的に理解できるだけでなく、時間の観念を取り入れてノード間の関係を動的に理解することができる。よって、中長期的な観点から要解決箇所を発見できる可能性が高まる。
特開2013−130946号公報(段落0002、0009、図4、図12)
しかしながら、特許文献1の因果関係図生成支援システムのユーザが、CLDを見ながら要解決箇所を発見するには、相当の経験を必要とする。さらに、経験を積んだユーザ同士が議論する場合であっても、その場で要解決箇所を発見できる場合は稀である。大抵の場合、ユーザは、議論の中断及び再開を繰り返し、最終的に要解決箇所を発見する。つまり、議論の途中経過が有効に表示されなければ、いわゆる堂々巡りが発生し、議論の質及び速度が低下する。特許文献1の因果関係図生成支援システムは、要解決箇所の容易な発見及び議論の途中経過の表示を特に狙ったものではなく、これらの課題を解決するには別途方策が必要になる。
そこで、本発明は、要解決箇所を容易に発見し、議論の途中経過を有効に表示することを目的とする。
本発明の議論支援装置は、時系列で変化する統計値として表現され得る社会現象又は自然現象を示す事象のノード、事象を接続する因果関係のリンク、並びに、ノード及びリンクが環状に接続されるループが記憶されるとともに、ノード、リンク及びループに関連付けて、ノードの属性、リンクの属性及びループの属性が記憶される図形描画情報が格納される記憶部と、ノードの属性、リンクの属性及びループの属性に基づいて、複数のループのうちの少なくとも1つを、解決を要する箇所として抽出し、抽出したループを強調表示し、抽出したループの属性、抽出したループに含まれるノードの属性、及び、抽出したループに含まれるリンクの属性に基づいて、解決のための対策を表示する制御部と、を備えることを特徴とする。
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。
本発明によれば、要解決箇所を容易に発見し、議論の途中経過を有効に表示することが可能になる。
議論支援装置の構成を説明する図である。 議論支援装置が使用される環境を説明する図である。 ノード情報の一例を示す図である。 リンク情報の一例を示す図である。 ループ情報の一例を示す図である。 メモ情報の一例を示す図である。 スコア情報の一例を示す図である。 全体処理手順のフローチャートである。 要解決箇所抽出処理手順のフローチャートである。 CLD画面の一例を示す図である。 統計値画面の一例を示す図である。 要解決箇所抽出画面の一例を示す図である。 メモ作成画面の一例を示す図である。 メモ添付画面の一例を示す図である。 メモ付ノード一覧画面の一例を示す図である。 アイデア作成画面の一例を示す図である。 解決区分確認画面の一例を示す図である。 アイデア総括画面の一例を示す図である。 ビジネスモデルキャンバス画面の一例を示す図である。
以降、本発明を実施するための形態(“本実施形態”という)を、図等を参照しながら詳細に説明する。本実施形態は、環境問題に潜む要解決箇所(解決を要する箇所)を発見するためにCLDを使用する例であるが、本発明を他の例に適用することも可能である。
(用語等)
事象とは、時系列で変化する統計値として表現され得る社会現象又は自然現象である。例えば、事象“エコ製品/サービス数”は、資源節約を目的とした製品又はサービスの種類の数として時系列で表現され得る。また、事象“エコ製品/サービス比率”は、市場に流通する製品又はサービスの種類の総数のうち、資源節約を目的とした製品又はサービスの種類の数が占める比率として時系列で表現され得る。なお、以降CLDの説明において、“事象A”のように事象を簡略的に表記する場合がある。
原因とは、ある2つの事象のうち、時間的又は論理的に先行するものである。結果とは、ある2つの事象のうち、時間的又は論理的に後続するものである。例えば、事象“エコ製品/サービス数”の統計値が時系列で増加するにつれて、事象“エコ製品/サービス比率”の統計値も増加する。このとき、前者が原因となり、後者が結果となる。
因果関係とは、先行する1つの原因と後続する1つの結果との関係である。
相関とは、原因となる事象の統計値の変化と、結果となる事象の統計値の変化との間の関係である。2つの統計値の間には、正又は負の相関係数が定義される(詳細後記)。
ディレイとは、原因となる事象の統計値の時系列変化が発生した後、結果となる事象の統計値の時系列変化が発生するまでの時間(非負の実数)、すなわち、相関が現れるまでの時間である。例えば、事象“エコ製品/サービス数”の統計値の変化は直ちに事象“エコ製品/サービス比率”の変化となる。したがって、事象“エコ製品/サービス数”と事象“エコ製品/サービス比率”との間のディレイは“0”である。他の例として、事象“環境リテラシー”の統計値(環境保護に関する法律の数等)がある年に増加した後、事象“環境ネイティブ”の統計値(環境保護を扱った教科書で学んだ人口等)が増加するまでには、例えば1年の年数を要する。この場合、事象“環境リテラシー”と“環境ネイティブ”との間のディレイは“1年”となる。
(ディレイと相関係数の数学的意味)
一般的に、時系列で変化する2つの統計値をx及びyとする。第n期のxの統計値をxとし、第n期のyの統計値をyとする。但し、n=1,2,3,・・・である。x及びyの時系列の変化に注目し、Δx=xn+1−x及びΔy=yn+1−yとする。
その後、本実施形態の議論支援装置は、まず、ΔxとΔyとの相関を調べる。つまり、(Δx,Δy),(Δx,Δy),(Δx,Δy),(Δx,Δy),・・・のような同時期同士の統計値の変化についての相関を調べる。次に、同様にして、ΔxとΔyn+1との相関を調べる。つまり、(Δx,Δy),(Δx,Δy),(Δx,Δy),(Δx,Δy),・・・のような1期ずれた統計値の変化についての相関を調べる。さらに、同様にして、ΔxとΔyn+2との相関を調べる。つまり、(Δx,Δy),(Δx,Δy),(Δx,Δy),(Δx,Δy),・・・のような2期ずれた統計値の変化についての相関を調べる。
これらを一般化すると、結局、議論支援装置は、ΔxとΔyn+iとの相関を調べることになる。つまり、(Δx,Δy1+i),(Δx,Δy2+i),(Δx,Δy3+i),(Δx,Δy4+i),・・・のようなi期ずれた統計値の相関を調べることになる。但し、i=0,1,2,・・・である。
議論支援装置は、相関係数r(Δx,Δyn+i)を最大化するような、つまりrが“1”に最も近付くようなiを求める(但し、r>0)。すると、x及びyは、i期遅れの正の相関を有することになる。同様に、議論支援装置は、相関係数r(Δx,Δyn+i)を最小化するような、つまりrが“−1” に最も近付くようなiを求める(但し、r<0)。すると、x及びyは、i期遅れの負の相関を有することになる。このようにすれば、議論支援装置は、ある因果関係について、ディレイの長さ“i”及び正負の相関を一度に決定できることになる。
(CLD上の図形等)
本実施形態のCLDにおいては、個々の事象は、“ノード”で表示される。また、因果関係は、2つのノードを接続する有向線分である“リンク”で表示される。リンクの起点となるノード及び終点となるノードが、それぞれ、原因及び結果に相当する。以降、“事象”は“ノード”と同義であり、“因果関係”は“リンク”と同義であるものとして説明を続ける。
原因と結果との間に正の相関がある場合、これらの間のリンクを“正のリンク”と呼ぶ。原因と結果との間に負の相関がある場合、これらの間のリンクを“負のリンク”と呼ぶ。前記したノード“エコ製品/サービス数”とノード“エコ製品/サービス比率”とは、正のリンクで接続されることになる。他の例として、ノード“利便性/経済性重視製品/サービス数”及びノード“環境配慮製品/サービス数”を想定する。ノード“利便性/経済性重視製品/サービス数”は、利便性又は経済性の向上を目的とした製品又はサービスの種類の数として時系列で表現され得る。ノード“環境配慮製品/サービス数”は、環境保護を目的とした製品又はサービスの種類の数として時系列で表現され得る。利便性又は経済性を追求すると、通常、環境保護が犠牲になる。よって、ノード“利便性/経済性重視製品/サービス数”及びノード“環境配慮製品/サービス数”とは、負のリンクで接続されることになる。
(統計値の変化の方向及びその反転)
当然のことながら、負のリンクを1つ経由すると、最初のノードの統計値の変化の方向が逆向きになる。さらに、別の負のリンクを1つ経由すると、一旦逆向きになった方向はさらに反転し、結局最初のノードの統計値の変化の方向に戻る。“ノードA→ノードB→ノードC”という因果関係の連鎖があることを前提に、以下に具体例を説明する。
(1)ノードAの統計値とノードBの統計値との間に正の相関があり、ノードBの統計値とノードCの統計値との間にも正の相関があるとする。この場合、ノードAの統計値が時系列で増加すると、ノードCの統計値も時系列で増加する。
(2)ノードAの統計値とノードBの統計値との間に正の相関があり、ノードBの統計値とノードCの統計値との間には負の相関があるとする。この場合、ノードAの統計値が時系列で増加すると、ノードCの統計値は時系列で減少する。
(3)ノードAの統計値とノードBの統計値との間に負の相関があり、ノードBの統計値とノードCの統計値との間にも負の相関があるとする。この場合、ノードAの統計値が時系列で増加すると、ノードCの統計値も時系列で増加する。
リンクで接続されたノードを順に辿ると、もとのノードに戻る場合がある。この場合、環状に接続された複数のノード及び複数のリンクの集合を“ループ”と呼ぶ。複数のループが1又は複数のノードを共有する場合がある。複数のループが1又は複数のリンクを共有する場合もある。1つのループに含まれる負のリンクの数に注目し、負のリンクの数が“0”を含む偶数である場合、当該ループを“自己強化ループ”と呼ぶ。負のリンクの数が奇数である場合、当該ループを“バランスループ”と呼ぶ。
(ループの解釈)
説明の都合上図1〜図9を飛ばし、図10において、まず、ループR02に注目する。ループR02は、“エコ製品/サービス比率”、“事象C”、“環境リテラシー”及び“環境ネイティブ”という4個のノードを有する。ノード“エコ製品/サービス比率”とノード“事象C”との間には、前者が原因であるのに対し後者が結果であるという因果関係がある。ノード“事象C”とノード“環境リテラシー”との間には、前者が原因であるのに対し後者が結果であるという因果関係がある。
ノード“環境リテラシー”とノード“環境ネイティブ”との間には、前者が原因であるのに対し後者が結果であるという因果関係がある。ノード“環境ネイティブ”とノード“エコ製品/サービス比率”との間には、前者が原因であるのに対し後者が結果であるという因果関係がある。リンクを順に辿って行くと、ノード“エコ製品/サービス比率”から出発した後、当該ノードに戻ることになる。
ループR02に含まれる4個のリンクのすべてが、正のリンクである。よって、ループR02に含まれる負のリンクの数は“0個”(偶数)となるので、ループR02は、自己強化ループである。所定の閾値以上のディレイの長さを有するリンクを“タイムラグリンク”と呼ぶ。例えば、ループR02に含まれる4個のリンクのうち、ノード“環境リテラシー”とノード“環境ネイティブ”との間のリンクのみは、“タイムラグリンク”である。タイムラグリンクを示す有向線分は、2本線で切断されている。
図10において、次に、ループR03に注目する。ループR03は、 “事象C”、“環境リテラシー”及び“事象D”という3個のノードを有する。このうち、ノード“事象C”及びノード“環境リテラシー”は、ループR02と共有されている。そして、ノード“事象C”とノード“環境リテラシー”との間のリンクもまた、ループR02と共有されている。ノード“環境リテラシー”とノード“事象D”との間には、前者が原因であるのに対し後者が結果であるという因果関係がある。ノード“事象D”とノード“事象C”との間には、前者が原因であるのに対し後者が結果であるという因果関係がある。
ループR03に含まれる3個のリンクのうち、ノード“事象D”とノード“事象C”との間のリンクのみが、負のリンクであり、他のリンクは正のリンクである。正のリンクを示す有向線分が実線であるのに対し、負のリンクを示す有向線分は破線である。よって、ループR03に含まれる負のリンクの数は“1個”(奇数)となるので、ループR03は、バランスループである。そして、ループR03は、タイムラグリンクを有さない。
図10において、最後に、ループR02及びループR03に同時に注目する。ループR02に含まれる4個のリンクの向き(すなわちループR02の回転方向)は反時計回りである。ループR03に含まれる3個のリンクの向き(すなわちループR03の回転方向)は時計回りである。よって、2つの歯車がかみ合うように、相乗効果が生じることが一応は期待される。しかしながら、この相乗効果を単純に期待することは危険である。以下にその理由を示す。
ループR02は、自己強化ループである。よって、各ノードの統計値が同じ方向に強化されることが期待され得る。例えば、ノード“事象C”の統計値が増加して行くにつれて、ノード“環境リテラシー”の統計値も増加する。この変化は連鎖して、ノード“事象C”の統計値をさらに増加させる。
ループR03は、バランスループである。ノード“事象C”の統計値が増加して行くにつれてノード“環境リテラシー”の統計値も増加する。ノード“環境リテラシー”の統計値が増加して行くにつれてノード“事象D”の統計値も増加する。しかしながら、ノード“事象D”の統計値が増加して行くにつれて、ノード“事象C”の統計値は減少する。すると、時系列的に“事象C”の統計値は増加して行くのか、それとも、減少していくのかは不明である。このように、バランスループの統計値の変化は、自己強化ループの統計値の変化を相殺する。このことが、“バランスループ”の命名根拠である。
つまり、ループR02及びループR03は近い将来消滅する可能性が高い。よって、相乗効果の存在を過信してはならない。対策としては、(i)タイムラグループを解消する、(ii)負のリンクを正のリンクにする、(iii)ループR03に負のリンクを1つ追加することによりループR03を自己強化ループとする、等が考えられる。なお、ループは、前記したように“自己強化ループ”及び“バランスループ”として区分されるほか、別の観点から“メインループ”及び“サブループ”として区分され、さらに別の観点から “好循環ループ”及び“悪循環ループ”として区分される(詳細後記)。
(議論支援システム)
図1に沿って、議論支援システム1の構成を説明する。議論支援システム1は、議論支援装置2、テーブル型入出力装置3、衝立型入出力装置4、タブレット型入出力装置5を有する。これらは、有線(実線)又は無線(破線)の通信技術によって相互に接続されている。議論支援装置2は、一般的なコンピュータであり、中央制御装置11、主記憶装置12、補助記憶装置13及び通信装置14を有する。これらは、バスによって相互に接続されている。補助記憶装置13は、ノード情報31、リンク情報32、ループ情報33、メモ情報34及びスコア情報35を記憶している。主記憶装置12における、CLD表示部21及び議論支援部22はプログラムである。以降、“○○部は”と主体を記した場合は、中央制御装置11が、補助記憶装置13から各プログラムを読み出し、主記憶装置12にロードしたうえで、各プログラムの機能(詳細後記)を実現するものとする。なお、“図形描画情報”には、ノード情報31、リンク情報32及びループ情報33が相当する。
テーブル型入出力装置3は、例えば、薄型の液晶ディスプレイを水平な天版状に配置した入出力装置である。衝立型入出力装置4は、例えば、薄型の液晶ディスプレイを垂直な衝立状に配置した入出力装置である。タブレット型入出力装置5は、例えば、液晶ディスプレイを有する携帯型の入出力装置である。これらの入出力装置3〜5は、タッチパネルを備えている。テーブル型入出力装置3及び衝立型入出力装置4は、複数のユーザが同時に視認し得る据え置き型の入出力装置である。
図2に沿って、議論支援装置2が使用される環境を説明する。一般的に、議論支援システム1のユーザは、1人のファシリテータ6及び複数の参加者7を含む。参加者7は、テーブル型入出力装置3上に表示されたCLDを見ながら、要解決箇所を発見しようとする。参加者7は、自身のタブレット型入出力装置5を携帯し、テーブル型入出力装置3を囲み、議論を行う。ファシリテータ6は、議論を好ましい方向に誘導する。ファシリテータ6は、参加者同士の議論の要所において参加者に問いかけ、議論を活性化させ収束させる。ファシリテータ6もタブレット型入出力装置5を携帯し、テーブル型入出力装置3が見える場所又は衝立型入出力装置4をポインティングしやすい場所に位置する。
議論支援システム1はあたかも1つの部屋のようになっている。ファシリテータ6及び参加者7は、この部屋に集合して議論を行う。ファシリテータ6又は個々の参加者7は、議論の終了後等において、自身の端末装置(パーソナルコンピュータ、図示せず)を議論支援装置2に接続し、当該端末装置の出力装置を介してCLD画面を含む様々な画面を閲覧することもできる。
(ノード情報)
図3に沿って、ノード情報31を説明する。ノード情報31においては、ノードID欄101に記憶されたノードIDに関連付けて、テーマ欄102にはテーマが、位置欄103には位置が、制御可能性欄104には制御可能性フラグが、分野欄105には分野フラグが、ノード名称欄106にはノード名称が、時系列統計値欄107には時系列の統計値が記憶されている。
ノードID欄101のノードIDは、ノードを一意に特定する識別子である。
テーマ欄102のテーマは、ユーザが議論する題目である。なお、テーマごとにCLD画面51(図10、詳細後記)が作成される。
位置欄103の位置は、CLD画面51におけるノードの位置を示す2次元座標値である。図3では簡略化してどのノードの位置も“(x,y)”と記したが、実際にはノードごとに座標値が異なる。なお、ここでの“(x,y)”は、統計値の例として前記した“x”及び“y”とは無関係である。
制御可能性欄104の制御可能性は、“可”又は“否”のいずれかである。“可”は、当該ノードが、ユーザによって制御され得る“制御可能ノード”であることを示す。“否”は、当該ノードが、ユーザによって制御され得ないことを示す。事象が“東日本大震災”のような自然現象である場合、その時系列の統計値(例えば、地震の発生件数等)をユーザが制御することは不可能である。よって、ノード“東日本大震災”は、“制御可能ノード”ではない。
分野欄105の分野フラグは、ノードの事象が属する分野を示す記号である。ここでは、“P”は“政治”を示し、“E”は“経済”を示し、“S”は“社会”を示し、“T”は“技術”を示す。
ノード名称欄106のノード名称は、ノードの事象の名称である。
時系列統計値欄107の時系列の統計値は、前記した統計値である。ここでは、“(時点,統計値)”が、時点の早い順に“,”で区切られて並んでいる。
(リンク情報)
図4に沿って、リンク情報32を説明する。リンク情報32においては、リンクID欄111に記憶されたリンクIDに関連付けて、テーマ欄112にはテーマが、原因欄113には原因が、結果欄114には結果が、相関欄115には相関フラグが、ディレイ欄116にはディレイフラグが、説明欄117には説明が記憶されている。
リンクID欄111のリンクIDは、リンクを一意に特定する識別子である。
テーマ欄112のテーマは、図3のテーマと同じである。
原因欄113の原因は、当該リンクによって接続される2つのノードのうち、当該リンクの起点となるノードのノードIDである。
結果欄114の結果は、当該リンクによって接続される2つのノードのうち、当該リンクの終点となるノードのノードIDである。
なお、結果のノードを原因のノードの“子ノード”と呼ぶことがある。
相関欄115の相関フラグは、当該リンクが前記した“正のリンク”であることを示す“正”、又は、当該リンクが前記した“負のリンク”であることを示す“負”のいずれかである。
ディレイ欄116のディレイフラグは、当該リンクが前記した“タイムラグリンク”であることを示す“有”、又は、“タイムラグリンク”ではないことを示す“無”のいずれかである。
説明欄117の説明は、当該リンクについての簡略な説明文言である。説明は、なくてもかまわない(空欄とする)。
(ループ情報)
図5に沿って、ループ情報33を説明する。ループ情報33においては、ループID欄121に記憶されたループIDに関連付けて、テーマ欄122にはテーマが、構成要素欄123には構成要素が、種類欄124には種類が、ストーリ欄125にはストーリが、傾向欄126には傾向が、説明欄127には説明が、着目点欄128には着目点が記憶されている。
ループID欄121のループIDは、ループを一意に特定する識別子である。
テーマ欄122のテーマは、図3のテーマと同じである。
構成要素欄123の構成要素は、当該ループに含まれるノードのノードID及び当該ループに含まれるリンクのリンクIDである。
種類欄124の種類は、当該ループが前記した“自己強化ループ”であることを示す“自己強化”、又は、当該ループが前記した“バランスループ”であることを示す“バランス”のいずれかである。
ストーリ欄125のストーリは、“メイン”又は“サブ”のいずれかである。“メイン”は、当該ループがテーマ全体の流れを司る“メインループ”であることを示す。“サブ”は、当該ループが、“メインループ”以外のループのうち“メインループ”のノードを共有するループである“サブループ”であることを示す。“メインループ”が回転しないと、他のループも回転しない。
傾向欄126の傾向は、“好循環”又は“悪循環”のいずれかである。“好循環”は、当該ループが望ましい事象の変化を表現している“好循環ループ”であることを示す。“悪循環”は、当該ループが望ましくない事象の変化を表現している“悪循環ループ”であることを示す。
説明欄127の説明は、当該ループについての簡略な説明文言である。
着目点欄128の着目点は、当該ループについてユーザが着目すべき点を示す文言である。
(メモ情報)
図6に沿って、メモ情報34を説明する。メモ情報34においては、メモID欄131に記憶されたメモIDに関連付けて、ノードID欄132にはノードIDが、区分欄133には区分が、メモ内容欄134にはメモ内容が記憶されている。
メモID欄131のメモIDは、メモを一意に特定する識別子である。メモとは、CLD上のノードに対して付される付箋である。
ノードID欄132のノードIDは、メモが付されるノードのノードIDである。
区分欄133の区分は、“課題”、“施策”又は“コメント”のいずれかである。
“課題”は、メモ内容がノードに対する課題となっていることを示す。“施策”は、メモ内容がノードに対する施策となっていることを示す。“コメント”は、メモ内容がノードに対するコメントになっていることを示す。
メモ内容欄134のメモ内容は、メモに記載される文言である。
(属性)
“ノードの属性”、“リンクの属性”及び“ループの属性”と言うとき、それらは、議論支援装置2が、ノード情報31(図3)、リンク情報32(図4)及びループ情報33(図5)において識別し得る、ノード、リンク及びループの特徴すべてを意味する。同様に、“メモの属性”と言うとき、それは、議論支援装置2が、メモ情報34(図6)において識別し得るメモの特徴すべてを意味する。
(スコア情報)
図7に沿って、スコア情報35を説明する。スコア情報35においては、種類欄141に記憶された種類に関連付けて、検索条件ID欄142には検索条件IDが、検索条件欄143には検索条件が、スコア欄144にはスコアが記憶されている。
種類欄141の種類は、“メモ”又は“ノード・リンク”のいずれかである。“メモ”は、ノードを抽出するに際して、ノードに付されたメモの属性を間接的に検索することを示す。“ノード・リンク”は、ノードそのもの属性を直接的に、又は、ノードを接続するリンクの属性を関接的に検索することを示す。
検索条件ID欄142の検索条件IDは、検索条件を一意に特定する識別子である。
検索条件欄143の検索条件は、メモ、ノード又はリンクを検索する具体的な条件である。前記したように、いずれの検索条件もノードを抽出することを目的とする。
スコア欄144のスコアは、当該検索条件によって抽出されたノードに対して与えられる重要度を示す点数である。
ユーザは、検索条件及びスコアを任意に設定することができる。
(全体処理手順)
図8に沿って、全体処理手順を説明する。全体処理手順を開始する前提として、ノード情報31(図3)、リンク情報32(図4)、ループ情報33(図5)及びスコア情報35(図7)が完成された状態で補助記憶装置13に記憶されているものとする。
ステップS1において、議論支援装置2のCLD表示部21は、CLD画面51(図10)を表示する。具体的には、CLD表示部21は、ノード情報31(図3)、リンク情報32(図4)及びループ情報33(図5)に基づいて、テーブル型入出力装置3にCLD画面51を表示する。CLD画面51には、テーマ151、CLD152、説明153、及び着目点154が表示されている。
ステップS2において、CLD表示部21は、統計値画面52(図11)を表示する。具体的には、第1に、CLD表示部21は、ユーザが任意のノードに指で触れることによって当該ノードを選択するのを受け付ける。ここでは、ユーザがノード“環境ネイティブ”及びノード“環境リテラシー”に触れたとする。
第2に、CLD表示部21は、選択されたノードについての時系列の統計値を、統計値画面52として、衝立型入出力装置4に表示する。つまり、“環境ネイティブ”の時系列の統計値161、及び、“環境リテラシー”の時系列の統計値162を、同じ時間軸上のグラフとして表示する。ユーザは、両者間には正の相関があるものの、無視できないディレイがあることを知る。
ステップS3において、CLD表示部21は、要解決箇所抽出画面53(図12)を表示する。ステップS3の詳細については後記する。結果的には、CLD表示部21は、要解決箇所抽出画面53に、所定の基準に基づいて抽出したパターン171(CLDの強調表示箇所)及び対策172を、テーブル型入出力装置3に表示する。
ステップS4において、議論支援装置2の議論支援部22は、メモ作成画面54(図13)を表示する。具体的には、第1に、議論支援部22は、任意のユーザ(主として参加者7)が自身のタブレット型入出力装置5に対して、“メモ作成要求”を入力する(タッチパネルの所定の領域を指で軽く叩く等)のを受け付ける。
第2に、議論支援部22は、“メモ作成要求”を入力したユーザのタブレット型入出力装置5にメモ作成画面54を表示する。
ユーザは、テキスト入力欄201に対して文字列を入力し、手書き入力欄202に対して手書きの画像、文字列等を入力することができる。さらに、ユーザは、区分ボタン203〜205のうちのいずれか1つを指で触れることによって、メモの区分(課題、施策、又は、コメント)を入力することができる。議論支援部22は、これらの入力情報を受け付ける。ここでは、ユーザは、テキスト入力欄201に“・・・と考える人が増える”と入力し、手書き入力欄202に手書きの文字列“現在の小学校5年生以上は、現行教科書で学んだ後、中学校では環境問題を学ぶのだろうか??”と入力したとする。そして、区分ボタン203(“課題”に対応している)に触れたとする。
ステップS5において、議論支援部22は、メモ添付画面55(図14)を表示する。具体的には、第1に、議論支援部22は、テーブル型入出力装置3にメモ添付画面55を表示する。メモ添付画面55は、CLD画面51(図10)に比して、説明欄153が省略され、メモ欄206が追加されている点が異なる。議論支援部22は、メモ欄206に、ステップS4の“第2”において受け付けた入力情報に基づいて、メモを表示する。複数のメモのなかには、“・・・と考える人が増える”及び“現在の小学校5年生以上は、・・・学ぶのだろうか??”(手書き文字がテキストに変換されている)が記された1つのメモが含まれている。なお、議論支援部22は、メモの区分(課題、施策、又は、コメント)に応じて異なる様態で(色わけ等)メモを表示する。
第2に、議論支援部22は、ユーザ(主としてファシリテータ6)がメモ欄206に表示されている任意のメモに指で触れ、その直後に、メモ添付画面55に表示されている任意のノードに指で触れるのを受け付ける。ここでは、ユーザは、メモ“・・・と考える人が増える。現在の小学校5年生以上は、・・・学ぶのだろうか??”に触れ、その直後に、ノード“環境ネイティブ”に触れたとする。
第3に、議論支援部22は、メモ情報34(図6)の新たなレコードを作成する。そして、入力された区分(ここでは“課題”である)を新たなレコードの区分欄133に記憶し、入力された文字列“・・・と考える人が増える。現在の小学校5年生以上は、・・・学ぶのだろうか??”をメモ内容欄134に記憶する。さらに、ノードID欄132には、ノード“環境ネイティブ”のノードIDを記憶し、メモID欄131にはメモIDを採番したうえで記憶する。
議論支援部22は、ステップS4及びS5の処理を、ユーザが“メモ作成要求”を入力する都度繰り返す。この繰り返し処理を終了した段落で、メモ情報34(図6)は、“メモ作成要求”の数に等しいレコードを記憶していることになる。
ステップS6において、議論支援部22は、メモ付ノード一覧画面56(図15)を表示する。具体的には、第1に、議論支援部22は、メモ情報34(図6)のノードID欄132に記憶されているノードIDを取得する。
第2に、議論支援部22は、“第1”において取得したノードIDが特定するノードごとに、以下のように合計スコアを算出する。
(1)メモ情報34を参照し、スコア情報35(図7)の検索条件“m1”が当該ノードに付されたメモに該当するか否かを判断する。そして、該当する場合は、当該ノードにスコア“5”を与える。当該処理を種類“メモ”についてのすべての検索条件m2、m3、・・・について繰り返す。
(2)ノード情報31(図3)、リンク情報32(図4)及びループ情報33(図5)を参照し、スコア情報35の検索条件“n1”が当該ノードに該当するか否かを判断する。そして、該当する場合は、当該ノードにスコア“10”を与える。当該処理を種類“ノード・リンク”についてのすべての検索条件n2、n3、・・・について繰り返す。
(3)ノードごとに与えたスコアを合計し、合計スコアとする。
第3に、議論支援部22は、“第1”において取得したノードIDが特定するノードを合計スコアの大きい順に並び替える。なお、大きい順に並べ替えるのは一例であって、小さい順に並び替えることも可能である。つまり、議論支援部22は、合計スコアの大小関係に基づいて任意にノード並べ替えることができる。
第4に、議論支援部22は、テーブル型入出力装置3にメモ付ノード一覧画面56を表示する。メモ付ノード一覧画面56においては、事象欄207のノードに関連付けて、1又は複数のメモが表示されている。メモの区分が“課題”である場合、当該メモは、課題欄208に表示される。メモの区分が“施策”である場合、当該メモは、施策欄209に表示される。メモの区分が“コメント”である場合、当該メモは、コメント欄210に表示される。
第5に、議論支援部22は、あるユーザ(主としてファシリテータ6)が、メモ付ノード一覧画面56において、任意のメモに指で触れるのを受け付ける。当該メモを“アイデア補足対象メモ”と呼ぶ。
ステップS7において、議論支援部22は、アイデア作成画面57(図16)を表示する。具体的には、第1に、議論支援部22は、各ユーザ(主として参加者7)のタブレット型入出力装置5にアイデア作成画面57を表示する。アイデアの観点欄211には、アイデア補足対象メモが表示されている。
第2に、議論支援部22は、ユーザが以下の(1)〜(5)の補足情報を入力するのを受け付ける。
(1)ユーザは、タイトル欄212に文字列を入力する。ここでは、“中学生向けテレビ放送”が入力されたとする。
(2)ユーザは、手書き入力欄213に手書きの画像、文字列等を入力する。ここでは、手書きの文字列“中学生向けテレビ放送のスポンサーを探す”が入力されたとする。
(3)ユーザは、“誰が”欄214及び“どのようにうれしい”欄215に文字列を入力する。ここでは、“誰が”欄214及び“どのようにうれしい”欄215に、それぞれ“学習塾経営者が”及び“ターゲット顧客に対する広告効果を期待できる”が入力されたとする。
(4)ユーザは、“その他の気づき”欄216に文字列を入力する。ここでは、“政府に対する批判は避ける”が入力されたものとする。
(5)ユーザは、解決区分欄217に表示される候補から1つの解決区分を選択する。解決区分の詳細については後記する。
ステップS8において、議論支援部22は、解決区分確認画面58(図17)を表示する。具体的には、第1に、議論支援部22は、テーブル型入出力装置3に解決区分確認画面58を表示する。解決区分確認画面58の縦軸は、前記した“アイデア補足対象メモ”である。横軸は、解決区分である。解決区分とは、要解決箇所を解決するための具体的なビジネスの態様である。ユーザは、テーマごとに解決区分を設定する。ここでは、“需要側−売買”等の6つの解決区分が設定されている。例えば“需要側−売買”は、“教育サービスの需要側である中学生を、スポンサーが提供する商品の売買に誘導する”ことが集約的に示されている。
ノードの分野(図3の分野欄105)に関連付けて、複数の横軸(解決区分)が補助記憶装置13に記憶されていてもよい(図示せず)。そして、議論支援部22は、“アイデア補足対象メモ”が付されたノードの分野ごとに横軸を変えてもよい。縦軸と横軸との交点のセルには、図16の手書き入力欄213に入力された画像等が縮小表示され、画像等の数が表示される。なお、議論支援部22は、予め、個々の解決区分を“ビジネスモデルキャンバス”の個々の領域に割り当て、その対応関係を記憶している(詳細後記)。
第2に、議論支援部22は、ユーザが縦軸の任意の“アイデア補足対象メモ”に指で触れるのを受け付ける。
ステップS9において、議論支援部22は、アイデア総括画面59(図18)を表示する。具体的には、第1に、議論支援部22は、テーブル型入出力装置3にアイデア総括画面59を表示する。テーマ欄221には、テーマが表示される。注目したメモ欄222には、ステップS8の“第2”においてユーザが触れた“アイデア補足対象メモ”が表示される。テーマ概要欄223には、テーマの概要を知ることのできる任意の資料が表示される。議論結果欄224には、“アイデア補足対象メモ”が付されたノードを含むパターン(要解決箇所)が表示される。関連データ欄225には、当該ノード及び当該ノードの原因となるノードの時系列の統計値がグラフ型式で表示される。
着目した社会変化欄226には、パターンに含まれるメインループの着目点(図5の着目点欄128)が表示される。アイデアシート欄227には、ユーザが触れた“アイデア補足対象メモ”に対応するアイデア作成画面57(図16)のうち、“タイトル”、“手書き入力”、“誰が”及び“どのようにうれしい”が、解決区分を付されたうえで縮小表示されている。欄228には、図17の縦軸の“アイデア補足対象メモ”が表示されており、“注目したメモ”欄222に表示されているもののみは他とは異なる態様で表示されている。ユーザが欄228の他の“アイデア補足対象メモ”に指で触れると、議論支援部22は、当該アイデア総括画面59を、他の“アイデア補足対象メモ”についてのものに遷移する。
第2に、議論支援部22は、ユーザが“ビジネスモデルキャンバス”欄229に指で触れるのを受け付ける。
ステップS10において、議論支援部22は、ビジネスモデルキャンバス画面60(図19)を表示する。具体的には、第1に、議論支援部22は、テーブル型入出力装置3にビジネスモデルキャンバス画面60を表示する。アイデアシート欄231の1つのレコード(行)は、図16のタイトル欄212、“誰が”欄214、“どのようにうれしい”欄215及び“その他の気づき”欄216に入力された文字列に対応している。
第2に、議論支援部22は、ユーザが、アイデアシート欄231の複数のレコードのうちの任意のレコードのアイコン232を指で触れるのを受け付ける。すると、議論支援部22は、ビジネスモデルキャンバス233を表示する。ビジネスモデルキャンバス233は、当該レコードが属する領域(直ちに後記)を表示する。例えば、アイデアシート欄231の1行目は、ビジネスモデルキャンバス233の領域“CH”に属し、2行目は、領域“C$”に属している。それぞれの領域は、ビジネス上の留意点を示している。
ビジネスモデルキャンバス233を表示した後、全体処理手順を終了する。
(ビジネスモデルキャンバス)
“ビジネスモデルキャンバス”233は、新たなビジネスモデルを議論する際に使用される公知のツールである。ビジネスモデルキャンバス233は、あたかもキャンバス(画材)のように、以下のように名付けられた9個の領域を有する。
“Key Partners(KP)”は、“キーパートナ”を意味し、ビジネス主体にとっての共同事業者である。“Key Activities(KA)”は、“主要活動”を意味し、ビジネス主体が行う主たる経済活動である。“Key Resources(KR)”は、“経営資源”を意味し、ビジネスに必要な資産である。“Value Propositions(VP)”は、“価値提案”を意味し、ビジネス主体が提供する製品又はサービスである。“Customer Relationships(CR)”は、“顧客との関係”を意味する。“Channels(CH)”は、“チャネル”を意味し、製品又はサービスの販売経路である。“Customer Segments(CS)”は、“顧客セグメント”を意味し、ビジネス主体がターゲットとする特定の顧客である。“Cost Structure(C$)”は、“コスト構造”を意味し、ビジネス主体がコストを負担して作成しなければならない情報等である。“Revenue Streams(RS)”は、“収益の流れ”を意味する。
(要解決箇所抽出処理手順)
図9に沿って、要解決箇所抽出処理手順を説明する。要解決箇所抽出処理手順は、全体処理手順のステップS3の詳細である。
ステップS301において、議論支援装置2のCLD表示部21は、強調表示すべきパターンを決定する。具体的には、CLD表示部21は、ノード情報31(図3)、リンク情報32(図4)及びループ情報33(図5)を参照し、以下の4種類のパターンをすべて抽出する。なお、パターンとは、要解決箇所と同義である。
〈パターン1〉
パターン1は、以下の条件をすべて満たす1つのループ、及び、1又は複数の“ヒゲノード”の組み合わせである。なお、“ヒゲノード”とは、因果関係の末端にあるノードである。
・当該ループが、“メインループ”である。
・当該ループが、“制御可能ノード”を含む。
・当該制御可能ノードが、“ヒゲノード”の子ノードとなっている。
パターン1の例として、図10のループR02及びヒゲノード“東日本大震災”が該当する。
〈パターン2〉
パターン2は、以下の条件をすべて満たす2つのループの組み合わせである。
・当該ループが、“メインループ”である。
・当該ループが、“タイムラグリンク”を含む。
・当該ループが、“制御可能ノード”を含む。
・当該2つのループがあるノードを共有している。
パターン2の例として、図10のループR02及びループR04が該当する。
〈パターン3〉
パターン3は、以下の条件をすべて満たす2つのループの組み合わせである。
・当該2つのループのうちの一方が“メインループ”であり、“タイムラグリンク”を含む。
・当該2つのループのうちの他方が“サブループ”である。
・当該2つのループがあるノードを共有している。
・当該2つのループのうち少なくともいずれかが、“制御可能ノード”を含む。
パターン3の例として、図10のループR04とループR05との組み合わせ、及び、ループR02とループR03との組み合わせが該当する。
〈パターン4〉
パターン4は、以下の条件をすべて満たす2つのループの組み合わせである。
・当該2つのループのうちの一方が“メインループ”である。
・当該2つのループのうちの他方が“サブループ”であり、“タイムラグリンク”を含む。
・当該2つのループがあるノードを共有している。
・当該2つのループのうち少なくともいずれかが、“制御可能ノード”を含む。
パターン4の例は、図10には存在しない。
ステップS302において、CLD表示部21は、強調表示すべきノードを決定する。具体的には、第1に、CLD表示部21は、すべてのノードに対して以下のルールに基づいて点数を与える。
(ルール)
(1)当該ノードが“ヒゲノード”である場合、当該ノードに“1”を与える。
(2)当該ノードが“ヒゲノード”の子ノードとなっている場合、当該のノードに“1”を与える。
(3)当該ノードが、“メインループ”に含まれる場合、当該ノードに“1”を与える。
(4)当該ノードが、“サブループ”に含まれる場合、当該ノードに“1”を与える。
(5)当該ノードが、ステップS301において抽出したパターンに含まれる場合、当該ノードに“1”を与える。
(6)当該ノードが、“タイムラグリンク”の起点又は終点にある場合、当該ノードに“1”を与える。
(7)当該ノードが、“制御可能ノード”である場合、当該ノードに“1”を与える。
なお、CLD表示部21は、すべてのノードを対象とするのではなく、ステップS301において抽出したパターンに含まれるノードのみを対象として、当該“第1”の処理を行ってもよい。この場合、上記のルール“(5)”は適用されない。さらに、与えられる点数は“1”に限定されず、個々のルールごとに与えられる点数が異なってもよい。
第2に、CLD表示部21は、与えた点数を合計する。
第3に、CLD表示部21は、合計された点数が所定の閾値以上であるノードをすべて抽出する。
ステップS303において、CLD表示部21は、未処理のパターンを取得する。具体的には、CLD表示部21は、ステップS301において抽出したパターンのうち未処理の任意のパターンを取得する。ここで取得したパターンを“対象パターン”と呼ぶ。
ステップS304において、CLD表示部21は、取得したパターンがパターン1であるか否かを判断する。具体的には、CLD表示部21は、対象パターンが“パターン1”である場合(ステップS304“Yes”)、ステップS305に進み、それ以外の場合(ステップS304“No”)、ステップS308に進む。
ステップS305において、CLD表示部21は、メインループが好循環ループであるか否かを判断する。具体的には、CLD表示部21は、対象パターンに含まれるメインループが“好循環ループ”である場合(ステップS305“Yes”)、ステップS306に進み、それ以外の場合(ステップS305“No”)、ステップS307に進む。
ステップS306において、CLD表示部21は、以下の対策候補Aを対策として指定する。対策とは、要解決箇所に関連付けて表示されるユーザに対するアドバイスである。
〈対策候補A〉
「ヒゲノードの子ノードを強化してください。」
“強化”とは、ループの回転を強めるためのノードへの働きかけである。
ステップS307において、CLD表示部21は、以下の対策候補Bを対策として指定する。
〈対策候補B〉
「ヒゲノードの子ノードを抑制してください。」
“抑制”とは、ループの回転を弱める又は止めるためのノードへの働きかけである。
ステップS308において、CLD表示部21は、メインループが好循環ループであるか否かを判断する。具体的には、CLD表示部21は、対象パターンに含まれるメインループが“好循環ループ”である場合(ステップS308“Yes”)、ステップS312に進み、それ以外の場合(ステップS308“No”)、ステップS309に進む。
ステップS309において、CLD表示部21は、メインループが自己強化ループであるか否かを判断する。具体的には、CLD表示部21は、対象パターンに含まれるメインループが“自己強化ループ”である場合(ステップS309“Yes”)、ステップS310に進み、それ以外の場合(ステップS309“No”)、ステップS311に進む。
ステップS310において、CLD表示部21は、以下の対策候補Cを対策として指定する。
〈対策候補C〉
「メインループが制御可能ノードを含む場合、制御可能ノードを抑制してください。」
「2つのループがいずれも自己強化ループ又はバランスループであり、サブループが制御可能ノードを含む場合、制御可能ノードを抑制してください。」
「2つのループの一方が自己強化ループであり、他方がバランスループであり、サブループが制御可能ノードを含む場合、制御可能ノードを強化してください。」
「メインループが制御可能ノードを含む場合、制御可能ノードに働きかけることによって又は新たなノードを追加することによって、メインループをバランスループに変えてください。」
ステップS311において、CLD表示部21は、以下の対策候補Dを対策として指定する。
〈対策候補D〉
「メインループが制御可能ノードを含む場合、制御可能ノードを抑制してください。」
「2つのループがいずれも自己強化ループ又はバランスループであり、サブループが制御可能ノードを含む場合、制御可能ノードを抑制してください。」
「2つのループの一方が自己強化ループであり、他方がバランスループであり、サブループが制御可能ノードを含む場合、制御可能ノードを強化してください。」
ステップS312において、CLD表示部21は、以下の対策候補Eを対策として指定する。
〈対策候補E〉
「メインループが制御可能ノードを含む場合、制御可能ノードを強化してください。」
「メインループが制御可能ノード及びタイムラグリンクを含む場合、制御可能ノードの子ノードとなり、タイムラグリンクの終点となるノードを子ノードとする新たなノードを追加してください。」
「2つのループの一方が自己強化ループであり、他方がバランスループであり、サブループが制御可能ノードを含む場合、制御可能ノードを抑制してください。」
「2つのループがいずれも自己強化ループ又はバランスループであり、サブループが制御可能ノードを含む場合、制御可能ノードを強化してください。」
ステップS313において、CLD表示部21は、未処理のパターンがあるか否かを判断する。具体的には、CLD表示部21は、未処理のパターンが残っている場合(ステップS313“Yes”)、ステップS303に戻り、残っていない場合(ステップS313“No”)、ステップS314に進む。
ステップS314において、CLD表示部21は、パターン及びノードを強調表示する。具体的には、CLD表示部21は、要解決箇所抽出画面53(図12)をテーブル型入出力装置3に表示する。要解決箇所抽出画面53においては、ステップS301において決定したパターン及びステップS302において決定したノードが強調表示されている(ループの中央が雲状に強調され、ノードが太線で囲まれている)。
なお、強調されるパターンに含まれる強調表示されるノード、及び、強調されるパターンに含まれる強調表示されないノードを区別する場合は、強調表示の態様を変えるものとする。例えば、ループを強調する場合には、円形の帯をループに重ね、ノードを強調する場合は、ノードの図形を二重線とする。
ステップS315において、CLD表示部21は、対策を表示する。具体的には、CLD表示部21は、要解決箇所抽出画面53上のパターンに関連付けて、ステップS306、S307及びS310〜S312のうちのいずれかにおいて指定した対策172を表示する。その後、要解決箇所抽出処理手順を終了し、全体処理手順のステップS4に進む。
(画面表示の自由性)
CLD表示部21及び議論支援部22がそれぞれの画面51〜60を表示する入出力装置は限定されない。つまり、CLD表示部21及び議論支援部22は、ある入出力装置に対してある画面を表示することに替えて、当該画面を、他の2つ(2種)の入出力装置のいずれかに表示してもよい。
(画面の保存)
CLD表示部21及び議論支援部22は、表示した画面を補助記憶装置13に記憶するものとする。その後ユーザは、自身の端末装置から議論支援装置2にアクセスすることによって、それらの画面を見ることができる。例えば、アイデア総括画面59(図18)は、会議の議事録として使用される。解決区分確認画面58(図17)及びビジネスモデルキャンバス画面60(図19)は、立場を変えてビジネスを眺める等、ビジネスモデルの開発を次段階に進めるのに使用される。
(実施形態の効果)
本実施形態の議論支援装置2は、以下の効果を奏する。
(1)ユーザは、要解決箇所を容易に発見し、その対策を知り得る。
(2)ユーザは、メモが付された事象を、重要度の順に視認し得る。
(3)ユーザは、メモに対する補足情報を解決区分ごとに視認し得る。
(4)ユーザは、メモを付したノードについての議論の途中経過を容易に視認し得る。
(5)ユーザは、メモに対する補足情報をビジネスモデルキャンバスに対応付けて視認し得る。
(6)ユーザは、事象の制御可能性等に基づいて、現実的に要解決箇所を発見し得る。
(7)ユーザは、議論を集団で行いながら、機動的にメモ等の入力を行い得る。
なお、本発明は前記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施例は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、前記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウエアで実現してもよい。また、前記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウエアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、又は、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆どすべての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1 議論支援システム
2 議論支援装置
3 テーブル型入出力装置
4 衝立型入出力装置
5 タブレット型入出力装置
11 中央制御装置(制御部)
12 主記憶装置(記憶部)
13 補助記憶装置(記憶部)
14 通信装置
21 CLD表示部
22 議論支援部
31 ノード情報
32 リンク情報
33 ループ情報
34 メモ情報
35 スコア情報

Claims (8)

  1. 時系列で変化する統計値として表現され得る社会現象又は自然現象を示す事象のノード、前記事象を接続する因果関係のリンク、並びに、前記ノード及び前記リンクが環状に接続されるループが記憶されるとともに、前記ノード、前記リンク及び前記ループに関連付けて、前記ノードの属性、前記リンクの属性及び前記ループの属性が記憶される図形描画情報が格納される記憶部と、
    前記ノードの属性、前記リンクの属性及び前記ループの属性に基づいて、複数の前記ループのうちの少なくとも1つを、解決を要する箇所として抽出し、
    前記抽出したループを強調表示し、
    前記抽出したループの属性、前記抽出したループに含まれる前記ノードの属性、及び、前記抽出したループに含まれる前記リンクの属性に基づいて、前記解決のための対策を表示する制御部と、
    を備えることを特徴とする議論支援装置。
  2. 前記記憶部は、
    前記ノードの属性、前記リンクの属性、及び、前記ノードに対して付されるメモの属性に関連付けてスコアが記憶されるスコア情報を格納しており、
    前記制御部は、
    ユーザが、複数の前記ノードのうち任意のものに前記メモを付すのを受け付け、
    前記スコア情報に基づいて、前記メモが付されたノードのそれぞれについて合計スコアを算出し、
    前記合計スコアの大小関係に基づいて、前記メモが付されたノードを並び替えて表示すること、
    を特徴とする請求項1に記載の議論支援装置。
  3. 前記制御部は、
    前記ユーザが、前記メモを補足する補足情報を入力するのを受け付け、
    前記メモ及び前記解決の態様に関連付けて、前記受け付けた補足情報を表示すること、
    を特徴とする請求項2に記載の議論支援装置。
  4. 前記制御部は、
    前記メモに関連付けて、前記メモが付されたノードを含むループ、前記メモが付されたノードに関する時系列の統計値、及び、前記受け付けた補足情報を表示すること、
    を特徴とする請求項3に記載の議論支援装置。
  5. 前記制御部は、
    前記受け付けた補足情報に関連付けられた前記解決の態様を、ビジネス上の留意点を示すビジネスモデルキャンバスの領域に割り当て、
    前記受け付けた補足情報を前記領域に関連付けて表示すること、
    を特徴とする請求項4に記載の議論支援装置。
  6. 前記ノードの属性は、
    前記ユーザにとっての制御可能性を含み、
    前記リンクの属性は、
    前記リンクが接続する2つの前記ノードの前記時系列の統計値の変化についての相関、及び、前記リンクが接続する2つの前記ノード間において前記相関が現れるまでの時間を含み、
    前記ループの属性は、
    前記ループに含まれる前記リンクのうち前記相関が負の相関となる前記リンクの数を含むこと、
    を特徴とする請求項5に記載の議論支援装置。
  7. 前記制御部は、
    複数の前記ユーザが同時に視認できる据え置き型入出力装置を介して前記ループを強調表示し、
    個々の前記ユーザが携帯する入出力装置を介して、前記メモ及び前記補足情報を受け付けること、
    を特徴とする請求項6に記載の議論支援装置。
  8. 議論支援装置の記憶部は、
    時系列で変化する統計値として表現され得る社会現象又は自然現象を示す事象のノード、前記事象を接続する因果関係のリンク、並びに、前記ノード及び前記リンクが環状に接続されるループが記憶されるとともに、前記ノード、前記リンク及び前記ループに関連付けて、前記ノードの属性、前記リンクの属性及び前記ループの属性が記憶される図形描画情報を格納しており、
    前記議論支援装置の制御部は、
    前記ノードの属性、前記リンクの属性及び前記ループの属性に基づいて、複数の前記ループのうちの少なくとも1つを、解決を要する箇所として抽出し、
    前記抽出したループを強調表示し、
    前記抽出したループの属性、前記抽出したループに含まれる前記ノードの属性、及び、前記抽出したループに含まれる前記リンクの属性に基づいて、前記解決のための対策を表示すること、
    を特徴とする議論支援装置の議論支援方法。
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