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JP6349293B2 - 暖房システム - Google Patents
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JP6349293B2 - 暖房システム - Google Patents

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本発明は、暖房システムに関する。
従来の一般建物の暖房システムとしては、薪ストーブ、石油ストーブやガスストーブなどを熱源として部屋ごとに室内を直接暖房する場合が多く、部屋ごとに温度差が生じたり、一つの部屋の中においても、場所によって温度差が生じるなど快適な暖房環境を得ることは困難であった。このような暖房システムに対して、建物内全体の温度差を小さくして快適な温度環境を実現するものとして、たとえば、セントラルヒーティングや床暖房などがある。しかし、セントラルヒーティングや床暖房などは、エネルギー消費量が高く、燃料費など経済的負担が大きくなってしまうという課題がある。
その対応策として、特許文献1には、年間を通じて温度がほぼ一定である地中熱を利用する地中熱ヒートポンプ装置を用いた暖房システムが開示されている。特許文献1に記載の暖房システムは、地中熱ヒートポンプ装置を用いて、室内に配置された空気昇温用熱交換器で昇温した空気を床下および壁内部に送り込み、間接的に部屋全体の暖房を行うものである。
特開2013−238371号公報
特許文献1に記載されている暖房システムでは、昇温された空気を床下および壁内の空間に送り込み、床および壁内部を昇温して建物全体の暖房を行い、室内各所の温度差を小さくすることで快適な暖房を実現できるものとされている。しかしながら、床下および壁内部に温風を送風する建物構造では、建物内外で熱(温度)の移動があり、設定室温を満足させるためには、床下および壁内の空間に送り込む空気の温度を50℃〜60℃程度に昇温する必要があり、エネルギー消費量が高くなってしまう。昨今のエネルギー価格の高騰を考慮すると、エネルギー消費量のさらなる低減により、ランニングコストの低減が求められている。また、地球環境の面からも低エネルギー化が求められている。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、建物内の快適な暖房を提供しながら、エネルギー消費量を抑えた暖房システムを実現しようとするものである。
上記課題を解決するために、本発明の暖房システムは、第1地中熱ヒートポンプ装置と、空気熱ヒートポンプ装置と、第1地中熱ヒートポンプ装置および空気熱ヒートポンプ装置によって昇温した暖房用熱媒を建物の床下に充填した蓄熱材の内部に埋設された配管に送流し、蓄熱材を介して暖房用媒体と床材の間で熱交換し、建物の室内の空気を昇温させる一つまたは複数の蓄熱材昇温用熱交換器と、第2地中熱ヒートポンプ装置と、空気中熱交換器と、を有し、第1地中熱ヒートポンプ装置は、地中を循環する第1熱媒と第2熱媒との間で熱交換を行う熱源側の第1熱交換器と、暖房用熱媒となる第3熱媒と第2熱媒との間で熱交換を行う負荷側の第2熱交換器と、第2熱媒の循環路において、第2熱媒を圧縮し第2熱交換器側に送流する第1圧縮機と、第1圧縮機側から送流された第2熱媒を減圧し第1熱交換器側に送流する第1膨張弁と、を有し、空気熱ヒートポンプ装置は、外気と第4熱媒との間で熱交換を行う空気中熱交換部と、第2熱交換器の下流側で分岐された第3熱媒と第4熱媒との間で熱交換を行う第3熱交換器と、第4熱媒の循環路において、第4熱媒を圧縮し第3熱交換器側に送流する第2圧縮機と、第2圧縮機側から送流された第4熱媒を減圧し空気中熱交換部側に送流する第2膨張弁と、を有し、蓄熱材昇温用熱交換器からの戻り熱媒温度を、設定室温に対して8.5℃〜10℃高く前記第2地中熱ヒートポンプ装置は、第1地中熱ヒートポンプ装置から分岐された第1熱媒と、当該第1熱媒と第5熱媒との間で熱交換を行う第4熱交換器と、第6熱媒と第5熱媒との間で熱交換を行う第5熱交換器と、第5熱媒の循環路において、第5熱媒を減圧して第5熱交換器に送流する第3膨張弁と、第5熱交換器から送流される第5熱媒を圧縮して第4熱交換器に送流する第3圧縮機と、を有し、空気中熱交換器は、建物の室内に配置され、第2地中熱ヒートポンプ装置から送流される第6熱媒を循環する配管と、当該配管よりも室内内側に配置された送風機を有し、室内を冷房可能としている、こととする。
上記発明に加えて、第1地中熱ヒートポンプ装置は、第3熱媒を循環させるポンプを有し、蓄熱材昇温用熱交換器の入り側の入り熱媒温度と、戻り側の戻り熱媒温度の差を0.5℃以内となるように、第3熱媒を、流速0.2m/秒〜0.8m/秒、かつ単位時間当たりの流量15リットル/分〜20リットル/分の範囲で循環させる、ことが好ましい。
また、上記発明に加えて、暖房システムは、第1地中熱ヒートポンプ装置および空気熱ヒートポンプ装置から送流された第3熱媒の合流部より下流側に、第3熱媒を一つまたは複数の蓄熱材昇温用熱交換器に分岐して送流するヘッダーを有している、ことが好ましい。
上記発明に加えて、暖房装置は、戻り熱媒温度を検出する温度センサーを有し、第1地中熱ヒートポンプ装置および前記空気熱ヒートポンプ装置は、前記戻り熱媒温度の検出値によって制御される、ことが好ましい。
また、本発明の暖房装置は、第1地中熱ヒートポンプ装置と、空気熱ヒートポンプ装置と、第1地中熱ヒートポンプ装置によって昇温した暖房用熱媒を建物の床下に充填した蓄熱材の内部に埋設された配管に送流し、蓄熱材を介して暖房用媒体と床材の間で熱交換し、建物の室内の空気を昇温させる一つまたは複数の蓄熱材昇温用熱交換器と、第2地中熱ヒートポンプ装置と、空気中熱交換器と、を有し、第1地中熱ヒートポンプ装置は、地中を循環する第1熱媒と第2熱媒との間で熱交換を行う熱源側の第1熱交換器と、暖房用熱媒となる第3熱媒と、第2熱媒との間で熱交換を行う負荷側の第2熱交換器と、第2熱媒の循環路において、第2熱媒を圧縮し第2熱交換器側に送流する第1圧縮機と、第1圧縮機側から送流された第2熱媒を減圧し第1熱交換器側に送流する第1膨張弁と、を有し、蓄熱材昇温用熱交換器からの戻り熱媒温度を設定室温に対して8.5℃〜10℃高く第2地中熱ヒートポンプ装置は、第1地中熱ヒートポンプ装置から分岐された第1熱媒と、当該第1熱媒と第5熱媒との間で熱交換を行う第4熱交換器と、第6熱媒と第5熱媒との間で熱交換を行う第5熱交換器と、第5熱媒の循環路において、第5熱媒を減圧して第5熱交換器に送流する第3膨張弁と、第5熱交換器から送流される第5熱媒を圧縮して第4熱交換器に送流する第3圧縮機と、を有し、空気中熱交換器は、建物の室内に配置され、第2地中熱ヒートポンプ装置から送流される第6熱媒を循環する配管と、当該配管よりも室内内側に配置された送風機を有し、室内を冷房可能としている、こととする。
また、上記発明に加えて、第1地中熱ヒートポンプ装置は、第3熱媒を循環させるポンプを有し、蓄熱材昇温用熱交換器の入り側の入り熱媒温度と、戻り側の戻り熱媒温度の差を0.5℃以内となるように、第3熱媒を、流速0.2m/秒〜0.8m/秒、かつ単位時間当たりの流量15リットル/分〜20リットル/分の範囲で循環させる、ことが好ましい。
また、上記発明に加えて、第1地中熱ヒートポンプ装置から送流された第3熱媒を、一つまたは複数の蓄熱材昇温用熱交換器に分岐して送流するヘッダーを有している、ことが好ましい。
本発明の第1の実施の形態に係る暖房システムの構成を示す構成説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る暖房システムの全体構成を示し、暖房対象の建物と蓄熱材熱交換器の構成を模型的に表す説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る蓄熱材熱交換器を構成する配管の1例を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る暖房システムを用いた暖房方法を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る暖房システムの構成を示す構成説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係る暖房システムの全体構成を模型的に表す説明図である。
以下、本発明の実施の形態に係る暖房システムについて、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る暖房システム1の構成を示す構成説明図である。図1に示すように、暖房システム1は、地中熱を集熱して暖房用熱源となる暖房用熱媒(第3熱媒F3)を昇温する第1地中熱ヒートポンプ装置2と、地中熱ヒートポンプ2で昇温された暖房用熱媒と、建物の床下に充填された蓄熱材との間で熱交換を行う蓄熱材昇温用熱交換器3(以降、蓄熱材熱交換器3と記載する)を有している。図1は、蓄熱材熱交換器3として、建物の1階フロア側に配置される蓄熱材熱交換器3Aと2階フロア側に配置される蓄熱材熱交換器3Bの2系列を有している場合を例示している(図2も参照する)。
また、暖房システム1は、空気熱ヒートポンプ装置4を有している。空気熱ヒートポンプ装置4は、室外の空気を熱源として、第1地中熱ヒートポンプ装置2による暖房用熱媒の昇温を補完するために設けられている。すなわち、第1地中熱ヒートポンプ装置2で昇温された暖房用熱媒の一部をさらに昇温する機能を有する。
また、暖房システム1は、地中熱ヒートポンプ装置2、蓄熱材熱交換器3、空気熱ヒートポンプ装置4に加え、これらを連結する各流路を制御する制御部5を有している。制御部5は、ユーザーによる室温設定に基づき、第1地中熱ヒートポンプ装置2、空気熱ヒートポンプ装置4の駆動制御、および蓄熱材熱交換器3A,3B間の流路の確保、単位時間当たりの流量および流速などを制御する機能を有している。
地中熱ヒートポンプ装置2は、熱源である地中熱を集熱する地中熱交換部6と、地中熱の熱源側の熱交換器である第1熱交換器7と、負荷側(蓄熱材熱交換器3側)の熱交換器である第2熱交換器8を有している。地中熱交換部6と第1熱交換器7は配管L1で連結されていて、ポンプ9によって、第1熱媒F1である液体が地中熱交換部6と第1熱交換部7の間で図示矢印方向に循環される。第1熱媒F1としては、熱伝導性が高い不凍液を用いるが、水であってもよい。また、配管L1は、地中(地中熱交換部6)から第1熱交換器7までの間は架橋ポリエチレン管などの樹脂製のものや銅管などの金属製のものが使用され、第1熱交換器7内は銅管などの熱伝導性が高い金属製のものが使用される。配管L1は、地盤表面Gから地中50m〜100m程度の深さに埋設される。この埋設深さは、地中温度が15℃〜20℃の範囲で、年間を通じてほぼ一定となる深さとなるように設定される。
第1熱交換器7と第2熱交換器8は、配管L2で接続されていて、配管L2内には、第2熱媒F2としてHFC(代替フロンガス)またはHC(ノンフロンガス)などが充填され、図示矢印方向に循環される。第2熱交換器8の上流側には第1圧縮機10が配置され、下流側には第1膨張弁11が配置されている。第1圧縮機10は、第2熱媒F2を圧縮して昇温する。また、第1膨張弁11は、いわゆる蒸発器であって第1圧縮機10によって昇温された第2熱媒F2を降温する。第1圧縮機10で昇温された第2熱媒F2と暖房用熱媒となる第3熱媒F3との間で熱交換することで負荷側(建物側)の暖房用熱媒である第3熱媒F3の温度を昇温する。第1熱媒F1は、第1膨張弁11で降温されて地中温度に近い温度の熱媒として地中に戻される。地中に戻された第1熱媒F1は、地中熱交換部6の熱交換作用によって、循環前の地中温度となる。なお、配管L2は、熱伝導率が高い銅管などの金属製のものを使用することが好ましい。
第2熱交換器8と蓄熱材熱交換器3とは、配管L3、L4によって連結されている。蓄熱材熱交換器3は、図1に示す例では、1階フロア側の蓄熱材熱交換器3Aと2階フロア側の蓄熱材熱交換器3Bを有し、それぞれ配管L3から蓄熱材熱交換器3A側の配管L5と蓄熱材熱交換器3B側の配管L6に第3熱媒F3が分流される。配管L5,L6は、床下に埋設される配管であって、架橋ポリエチレン管などの樹脂製のものや銅管などの金属製のものを使用できる。また、第3熱媒F3としては、不凍液または水を用いることが可能である。
配管L3は、蓄熱材熱交換器3に第3熱媒F3を送流することから往管L3と記載することがある。一方、配管L4は、蓄熱材熱交換器3から第3熱媒F3を第2熱交換器8側に戻すことから還管L4と記載することがある。なお、配管L4および配管L5は、建物内の蓄熱材であるシンダーコンクリート44またはシンダーコンクリート53(共に図2参照)に埋設される範囲をさし、往管L3および還管L4は、建物外に配設される範囲をさすものとする。
往管L4には、第2熱交換器8側から順にポンプ15、逆止弁16、ヘッダーである往管ヘッダー17が配設されている。ポンプ15は、第3熱媒F3を図示矢印方向に所定の流速および単位時間当たりの流量で送流する機能を有する。逆止弁16は、蓄熱材熱交換器3側から第2熱交換器8側に第3熱媒F3が逆流することを防止する機能を有する。そして、往管ヘッダー17は、往管L3に送流される第3熱媒F3を配管L5,L6各々にほぼ同じ流速、流量で分岐して送流する機能を有する。また、還管L4には、還管ヘッダー18が配設されている。還管ヘッダー18は、1階フロア側の蓄熱材熱交換器3Aおよび2階フロア側の蓄熱材熱交換器3Bからの戻りの第3熱媒F3をまとめ、流量条件を往き(往管L3)の流量条件と同じにして第2熱交換器8に戻す機能を有する。ここで、配管L3〜L6を架橋ポリエチレン管としたとき、往還ヘッダー17および還管ヘッダー18をサヤ管ヘッダーとすれば、配管を容易に行うことが可能となる。また、還管L4には、第3熱媒F3の温度を検出する温度センサー19が配置されている。温度センサー19は、蓄熱材熱交換器3からの戻り流路の第3熱媒F3の温度を検出するので、以降、この温度を戻り熱媒温度と記載する。
暖房システム1は、上記の第1地中熱ヒートポンプ装置2に加えて空気熱ヒートポンプ装置4を有している。空気熱ヒートポンプ装置4は、空気中熱交換部20と、第3熱交換器21を有している。空気中熱交換部20は、蒸発器として動作する。空気中熱交換部20と第3熱交換部21は、配管L7によって連結されている。配管L7には、第4熱媒F4が充填されている。第4熱媒F4は、第2熱媒F2と同じHFC(代替フロンガス)またはHC(ノンフロンガス)などであって、図示矢印方向に循環される。第3熱交換器21の上流側には、第2圧縮機22が配設され、下流側には、第2膨張弁23が配設されている。配管L7には、熱伝導率が高い銅管などの金属製のものが使用される。
第2圧縮機23は、第4熱媒F4を圧縮して昇温する。また、第2膨張弁22は、いわゆる蒸発器であって、第2圧縮機22によって昇温された第4熱媒F4を降温する。第2圧縮機22で昇温された第4熱媒F4は、負荷側(建物側)の第3熱媒F3の間の熱交換によって第3熱媒F3を昇温する。また、第2膨張弁23は、昇温された第4熱媒F4を外気温に近い温度に降温する。空気中熱交換部20は、外気から集熱する機能を有する。第3熱交換器21には、第2熱交換器8で昇温された第3熱媒F3が配管L8を通って流入され、第3熱交換器21の熱交換作用によってさらに昇温された第3熱媒F3は、配管L9を通って送流される。
第2熱交換器8から送流された第3熱媒F3は、ポンプ15と逆止弁16の間で蓄熱材熱交換器3側に向かう流れと第3熱交換器21側に向かう流れとに分岐部24で分岐される。分岐部24には、三方弁などが配設される。また、第3熱交換器21から送流される第3熱媒F3は、逆止弁16と往管ヘッダー17の間の合流部25で往管L3に合流される。合流部25には、三方弁などが配設される。往管L3の合流部25と分岐部24の間には逆止弁16が配設されていて、蓄熱材熱交換器3側から第2熱交換器8側および第3熱交換器21側に向かって第3熱媒F3が逆流しない。
配管L9には、第3熱交換器21側から順にポンプ26、熱動弁27、定流量弁28が配設されている。ポンプ26は、分岐部24で分流された第3熱媒F3を図示矢印方向に送流する機能を有する。熱動弁27は、配管L9を開閉することにより第3熱交換器21から送流される第3熱媒F3の送流または送流停止する機能を有する。また、定流量弁28は、往管L3に合流する第3熱交換器21からの第3熱媒F3の流量を制御する機能を有する。なお、第3熱交換器21から送流される第3熱媒F3の単位時間当たりの流量は、第2熱交換器8から送流される第3熱媒F3の流量よりも少ない。往管ヘッダー17では、第2熱交換器8および第3熱交換器21の両方から送流された第3熱媒F3を、1階部フロア側の蓄熱材熱交換器3Aおよび2階フロア側の蓄熱材熱交換器3Bに分流する。往管ヘッダー17の作用によって、蓄熱材熱交換器3Aと蓄熱材熱交換器3Bに流れる第3熱媒F3の単位時間当たりの流量は、ほぼ同じとなる。
暖房システム1は、制御部5を有している。制御部5は、第1地中熱ヒートポンプ装置2、蓄熱材熱交換器3、および空気熱ヒートポンプ装置4の動作を制御する機能を有する。第1地中熱ヒートポンプ装置2においては、ポンプ9の駆動制御、第1圧縮機10および第1膨張弁11の駆動制御を行う。なお、ポンプ9は、地中最深部から第1熱交換器7まで第1熱媒F1を送流可能な揚程を有するものを選択する。制御部5は、温度センサー19で検出した戻り熱媒温度で、第2熱交換器8の昇温の制御を行う。また、制御部5は、ポンプ15の駆動制御を行う。ポンプ15では、蓄熱材熱交換器3に送流する第3熱媒F3の流速および単位時間当たりの流量などを制御する。操作パネルは、1階部分41および2階部分42の室内に配置される。室温の設定は、リモコンなどで入力するようにしてもよい。
制御部5は空気熱ヒートポンプ装置4において、第2圧縮機22および第2膨張弁23の駆動を制御する。第2圧縮機22は、第1地中熱ヒートポンプ装置2が第3熱媒F3の昇温動作を行っても、戻り熱媒温度が所定温度以下の場合に駆動され、同時にポンプ26が駆動される。このとき熱動弁27が解放され第3熱交換器21で昇温された第3熱媒F3が合流部25に向かって送り出される。第3熱交換器21を駆動しないときには、分岐部24の三方弁を制御して、第2熱交換器8側から蓄熱材熱交換器3に向かう第3熱媒F3の送流を継続し、第3熱交換器21側には第3熱媒F3を送流しない。第3熱交換器21を駆動するときには、分岐部24の三方弁を全部解放、または所定量解放して、第2熱交換器8および第3熱交換器21の両方から第3熱媒F3が蓄熱材熱交換器3に向かって送流される。
1階部分だけ暖房する場合には、1階部分側の蓄熱材熱交換器3Aのみに第3熱媒F3を送流するよう往管ヘッダー17を制御する。2階部分だけ暖房する場合には、2階部分側の蓄熱材熱交換器3Bのみに第3熱媒F3を送流するよう往管ヘッダー17を制御し、両方のフロアを暖房する場合には、往管ヘッダー17をすべて解放して蓄熱材熱交換器3A,3Bの両方に第3熱媒F3を送流する。
なお、暖房対象の部屋の温度を検出する温度センサー29を設置するようにしてもよい。温度センサー29は、設定された室温に対して検出した室温との差がある場合には、制御部5により第2熱交換器8および第3熱交換器21を駆動制御することによって昇温または降温することが可能とる。
本実施の形態では、たとえば、地中熱ヒートポンプ装置2のポンプ15の送出可能流量に比べて空気熱ヒートポンプ装置4のポンプ26の送出可能流量を小さくしている。これは、熱動弁27を開放状態にした場合、地中熱ヒートポンプ装置2から送出される第3熱媒F3のうち一部が空気熱ヒートポンプ装置4に流れるようにしていることによる。たとえば、ポンプ15の送出可能流量を毎分15リットルしたとき、ポンプ26の送出可能流量を毎分5リットルなどとすることができる。空気熱ヒートポンプ装置4に流れる第3熱媒F3の流量は、分岐部25の三方弁の開閉度で制御可能である。
続いて、暖房システム1における蓄熱材熱交換器3の構成および建物の構成について図2および図3を参照して説明する。
図2は、第1の実施の形態に係る暖房システム1の全体構成を示し、暖房対象の建物と蓄熱材熱交換器3の構成を模型的に表す説明図である。例示した建物40は、1階部分41および2階部分42を有する2層構造の建物である。なお、1階部分および2階部分には、居住部屋以外に、風呂場、トイレおよび納戸部屋なども含まれる。暖房システム1は、既述したように、地中熱交換部6を備えた第1地中熱ヒートポンプ装置2と、空気熱ヒートポンプ装置4と、蓄熱材熱交換器3A,3Bを有している。第1地中熱ヒートポンプ装置2および空気熱ヒートポンプ装置4は、屋外に設置される。蓄熱材熱交換器3Aは、1階部分41の床下に配設されていて、蓄熱材熱交換器3Bは、2階部分42の床下に配設されている。まず、1階部分41の床下構造について説明する。図2に示すように、1階部分41の床下には、一般的なコンクリートが打設された基礎コンクリート43と、基礎コンクリート43の図示上方に断熱材であり、蓄熱材であるシンダーコンクリート44が打設されている。そして、シンダーコンクリート44の内部には配管L5が埋設されている。基礎コンクリート43とシンダーコンクリート44の間には、ポリスチレンフォームなどの断熱材45が隙間なく敷設されている。
シンダーコンクリート44は、熱伝導体としてのセラミック粒状体を混入して練り合わせたものである。本実施の形態ではセラミック粒状体として黒曜石パーライトを用いている。シンダーコンクリート44は、セメント、水、川砂および黒曜石パーライトに加えて、添加剤として防水材や水セメントなどを適切な混合比で混合して打設したものである。シンダーコンクリート44の熱伝導率は、基礎コンクリート43の概ね1/3程度であり、高い断熱性を備えていて優れた蓄熱材である。シンダーコンクリート44の上面には、シンダーコンクリート44に密着するように床材である床仕上げ材46が組み立てられている。木造建築の場合、床仕上げ材46は、不図示の根太材などに架橋するように組み立てられる。床仕上げ材46に代えて畳、絨毯またはカーペットを用いることも可能で、この場合は、これらをシンダーコンクリート44の上面に直接敷設してもよい。また、シンダーコンクリート44と断熱材45の間に防湿シート(図示は省略)などを敷設するようにしてもよい。なお、風呂場やトイレなどには、床仕上げ材46以外のシートフローリングやタイルなどをシンダーコンクリート44の上面に直接敷設するようにすればよい。
続いて、2階部分42の床下構造について説明する。2階部分42の床下構造は、構造的な仕切り部である桁50に床下材としての合板51が張られ、合板51の上面にポリスチレンフォームなどの断熱材52が敷設される。さらに、この断熱材52の上部にシンダーコンクリート53が打設されている。配管L6は、このシンダーコンクリート53内に埋設されている。シンダーコンクリート53は、1階部分41に打設されるシンダーコンクリート44と同じ構成のものとすることが可能であるが、川砂を除いている。川砂を除くことで、重量を抑えつつ、熱伝導率を下げることが可能となる。シンダーコンクリート53と断熱材52の間に防湿シート(図示せず)を敷設することが好ましい。シンダーコンクリート53の上面には、シンダーコンクリート53に密着するように床仕上げ材54が組み立てられている。床仕上げ材54に代えて畳、絨毯またはカーペットを用いることも可能で、この場合は、シンダーコンクリート53の上面に直接敷設することが可能である。
なお、1階部分41の天井部には、天井仕上げ材55が組みたてられ、2階部分42の天井部には、天井仕上げ材56が組み立てられている。
暖房システム1を効果的に作用させるためには、建物自体(暖房対象の室内)からの放熱を抑えるために、建物自体の断熱性を高めることが必須である。そのために1階部分41および2階部分42を囲む壁や天井部を断熱構造とする。そこで、建物40の断熱構造について説明する。建物40の1階部分41を囲む壁部56の内部には、発泡ウレタンまたはグラスウールなどの断熱材57が配設されている。なお、発泡ウレタンとグラスウールを組み合わせた断熱材としてもよい。また、2階部分42の床下は、断熱材であるシンダーコンクリート53が打設されているが、天井仕上げ材55の上方(2階部分42の床下部下方)には、ポリスチレンフォームなどの断熱材57を敷設すればなおよい。たとえば1階部分41に間仕切壁(図示せず)などがある場合には、間仕切壁内にもグラスウールなどの断熱材を配設する。
2階部分42を囲む壁部58の内部および天井部59にも発泡ウレタンまたはグラスウールなどの断熱材60が配設される。なお、断熱材60として、発泡ウレタンとグラスウールを組み合わせた断熱材としてもよい。天井仕上げ材62の上方(2階部分42の小屋裏)には、断熱材61としてポリスチレンフォームを敷設することが好ましい。また、2階部分42に間仕切壁(図示せず)などがある場合には、間仕切壁内にグラスウールなどの断熱材を配設する。なお、断熱材61としては、ポリスチレンフォーム以外に、グラスウール、発泡ウレタンまたは硬質ウレタンフォームなどとしてもよい。
また、上記各断熱材や建物構造物の接合部、配管L5が基礎コンクリート43を貫通する部分および配管L6が壁部58を貫通する部分などの隙間に発泡ウレタンなどを吹付施工して隙間ができないようにする。このような断熱構造を採用することで、室内外、部屋間および室内と小屋裏の間の温度(熱)移動を抑制すると同時に、床表面からの輻射熱を壁部や天井部で反射する構造体が形成される。次に、蓄熱材熱交換器3A,3Bの構成について図3を参照して説明する。
図3は、蓄熱材熱交換器3を構成する配管L5,L6の1例を示す平面図である。配管L5と配管L6が、架橋ポリエチレン管などの曲げやすい樹脂製の場合には、図3に示すような折れ曲り形状にすることが可能である。この際、各部分の平面にほぼ均等に熱を伝達できる配管構造とする。つまり、床下平面方向に対して配管ピッチをほぼ一定にするために、折れ曲り部の内側に案内軸65を設けて、案内軸65の周りで湾曲するようにする。なお、配管L5,L6は、各々シンダーコンクリート44,53との接触面積を減らさないために、隣接する配管の間に隙間を持たせ、シンダーコンクリート44,53を隙間に充填させる。なお、配管L5,L6の形状は、配管長や配置を考慮して、図3に示す折れ曲り形状以外に渦巻き状や自由曲線形状や、曲線と直線の組み合わせとしてもよい。曲線の場合は、第3熱媒F3の流通を妨げない曲率とする。
なお、配管L5,L6が銅管などの金属製や曲りにくい樹脂製の場合には、単純に図3に示すような折れ曲り形状に成形することは困難であるため、湾曲部と直線部に分割したものを用意し、互いに嵌め込むようにすれば、長さやピッチの自由度が増す。図3に示す矢印は、第3熱媒F3の送流方向を表していて、配管L5,L6共に、往管ヘッダー17側から入り、還管ヘッダー18側に流れることを表している。
(暖房システム1を用いた暖房方法)
図4は、暖房システム1を用いた暖房方法を示すフローチャートである。図1も参照しながら説明する。制御部5には、ユーザーが所望する室温が設定されているものとする。たとえば、1例として設定室温を20℃とする。制御部5は、室温の設定温度に対する戻り熱媒温度を不図示のメモリに記憶していて、たとえば、戻り熱媒温度W1を30℃とする。上記のメモリに記憶されている戻り熱媒温度と設定室温との相関の情報は、予め暖房システムの製造業者や設備業者が、実験やシミュレーションなどによって取得したものである。あるいは、ユーザーが室温および戻り熱媒温度の双方を任意に設定できるようにしてもよい。
また、制御部5には、温度センサー19からの戻り熱媒温度の測定結果と、室内の温度センサー29から、1階部分41または2階部分42もしくはその両者など、暖房対象となる室温の測定結果が伝達されているものとする。また、図4に示す「START」の条件は、第1地中熱ヒートポンプ装置2、および空気熱ヒートポンプ装置4にそれぞれ電源が供給されていると共に、設定室温と実際の室温とに差が生じている状態とする。
ステップS1において、制御部5は、温度センサー29の測定結果が室温の設定温度T1以下か否かを判定する。設定温度T1とは、たとえば20℃である。ステップS1において、室温が設定温度T1以下である(Yes)と判定されると、第1の熱交換ステップとしての第1地中熱ヒートポンプ装置2を起動((ON)する(ステップS2)。一方、ステップS1において、室温が設定温度T1を超えている(No)と判定されると、ステップS8に進む。すなわち、地中熱ヒートポンプ装置2および空気熱ヒートポンプ装置4は、起動しない停止(OFF)状態とされる。
ステップS2において、第1地中熱ヒートポンプ2を起動すると、第2熱交換器8の熱交換作用により、第3熱媒F3が昇温される。昇温された第3熱媒F3は、ポンプ15によって蓄熱材熱交換器3側に送流される。そして、温度センサー19によって戻り熱媒温度を検出し、検出温度が所定の戻り熱媒温度W1であるか否かを判定する(ステップS3)。検出した戻り熱媒温度が、設定戻り熱媒温度W1以上(たとえば31℃(Yes))の場合には、第1地中熱ヒートポンプ装置2を停止するステップS8に移行する。ステップS3において、検出温度が所定の戻り熱媒温度W1以下(たとえば29℃(Yes))の場合には、空気熱ヒートポンプ装置4を起動(ON)する(ステップS4)。つまり、第1地中熱ヒートポンプ装置2だけでは、第3熱媒F3を所定の戻り熱媒温度W1まで昇温できないと判断して、空気熱ヒートポンプ4を起動する。このステップS4の動作は、「START」から所定時間経過後に入るようにしてもよい。すなわち、所定時間経過するまでは、第1地中熱ヒートポンプ2のみを駆動し続けるようにし、その後、ステップS4に入るようにしてもよい。空気熱ヒートポンプ4では、第1地中熱ヒートポンプ装置2から分流された第3熱媒F3をさらに昇温し、ポンプ26によって第1地中熱ヒートポンプ装置2から送流される第3熱媒F3と合流して蓄熱材熱交換器3側に送流される。
次いで、温度センサー19によって戻り熱媒温度を検出し、検出温度が、所定の戻り熱媒温度W1以上であるか否かを判定する(ステップS5)。検出温度が所定の戻り熱媒温度W1以上(たとえば31℃(Yes))になったときには、空気熱ヒートポンプ装置4を停止(OFF)する(ステップS6)。検出温度が所定の戻り熱媒温度W1以下(たとえば29℃(No))の場合には、空気熱ヒートポンプ装置4の駆動(ステップS4)による昇温動作を戻り熱媒温度が所定温度W1になるまで継続する。次いで、温度センサー29によって室温を検出し、室温が設定温度T1以上であるか否かを判定する(ステップS7)。室温が設定温度T1以上(たとえば、21℃)の場合には、第1地中熱ヒートポンプ2および空気熱ヒートポンプ装置4を停止(OFF)し、1周期分の処理を終了する。その処理終了後(「END」後)は、ステップS1に戻り、室温を常時、または所定間隔で検出し、その測定結果と設定温度を比較する。また、ステップS7において、室温が設定温度T1以下を継続していた(NO)場合には、第1地中熱ヒートポンプ2の駆動を継続し、ステップS3以降の工程を繰り返す。なお、ステップS2において、暖房システム1を起動する時には、第3熱媒F3の温度を急上昇させ、その後は、ゆっくりと昇温を継続することで、効率的な暖房を行うことが可能となる。
温度センサー19による戻り熱媒温度の検出は、常時行うようにしてもよく、あるいは所定の間隔で行うようにしてもよい。また、温度センサー29による室温の検出も、常時行うようにしてもよく、あるいは所定の間隔で行うようにしてもよい。
暖房システム1は、第1地中熱ヒートポンプ装置2および空気熱ヒートポンプ装置4によって第3熱媒F3を昇温し、第3熱媒F3の戻り熱媒温度を制御して、蓄熱材熱交換器3の作用によって床表面を昇温し、床表面からの輻射熱で室内を暖める、いわゆる床下暖房システムである。ここで、既述した戻り熱媒温度に対してシンダーコンクリート44およびシンダーコンクリート53に入りこむ前の第3熱媒F3の温度を入り熱媒温度と記載する。
次いで、戻り熱媒温度、床表面室温、室温の関係について図1を参照しながら説明する。なお、暖房対象建物は、既述したような断熱構造を有していることを前提とする。そして、戻り熱媒温度と入り熱媒温度の差を0.5℃以下、好ましくは0.3℃以下となるように、蓄熱材熱交換器3A、3Bに流れる第3熱媒F3の流速および単位時間当たりの流量を設定しておく。シミュレーションおよび事前の確認によって、第3熱媒F3の流速を毎秒0.2m〜0.8m、流量を毎分15リットル〜20リットルの範囲で組み合わせれば、戻り熱媒温度と入り熱媒温度の差が、平均で0.2℃〜0.3℃の範囲、最大でも0.5℃以内となることが確認できた。戻り熱媒温度と入り熱媒温度の差を小さくできるということは、蓄熱材(断熱材)であるシンダーコンクリート44,53の全体を一様に昇温しつつ、温度を維持できることを表している。つまり、暖房用熱媒である第3熱媒F3をゆっくりと大量に送流することで、戻り熱媒温度と入り熱媒温度の差を小さく安定させることが可能となる。したがって、暖房システム1において、上記の流速、単位時間当たりの流量が暖房用熱媒である第3熱媒F3の送流条件となる。なお、第3熱媒F3を上記流速および流量で流すには、配管L3,L4,L5,L6の管内径を13mm〜30mmとすることが好ましい。
また、第3熱媒F3を流速毎秒0.2m〜0.8m、毎分15リットル〜20リットルの流量の範囲で、戻り熱媒温度と入り熱媒温度の差を0.5℃以内になるように送流したときの床表面温度は、戻り熱媒温度に対して1.5℃〜3℃低くなる。したがって、戻り熱媒温度は、輻射熱の直接的な熱源となる床表面の所望の温度に対して1.5℃〜3℃高くなるようにすればよい。また、室温は、床表面からの高さ50cmの位置で、床表面温度に対して平均−7℃、高さ120cmの位置で平均−6℃、高さ240cm(天井付近)で平均−5℃の差があることを確認した。このように、床表面からの高さによる温度差が小さいのは、空気対流方式による暖房に対して、床表面からの輻射熱や壁、天井から輻射熱の反射があるためである。一般にユーザーが寒いと強く感じる床表面からの高さは、50cm位置とされる。よって、設定室温T1(床表面からの高さ50cm位置の温度)を20℃とすれば、床表面温度を27℃とすればよい。また、床表面温度は、戻り熱媒温度に対して1.5℃〜3℃低くなることから、戻り熱媒温度を28.5℃〜30℃とすれば、室温を設定室温20℃にすることが可能となるといえる。床表面温度と戻り熱媒温度の関係は、暖房システムの設置業者または製造業者によって行われる。また、ユーザーが行ってもよい。
床表面温度は、建物40が図2に示すような断熱構造を採用し、第1地中熱ヒートポンプ装置2および空気熱ヒートポンプ装置4を駆動していても外気温の変動の影響を受ける。この影響を2℃とすれば、戻り熱媒温度を30.5℃〜32℃で管理すればよい。すなわち、戻り熱媒温度が設定室温に対して8.5℃〜10℃高くなるように、第1地中熱ヒートポンプ装置2および空気熱ヒートポンプ装置4を駆動すればよい。
以上説明した暖房システム1は、第1地中熱ヒートポンプ装置2と、空気熱ヒートポンプ装置4と、第1地中熱ヒートポンプ装置2および空気熱ヒートポンプ装置4によって昇温した暖房用熱媒である第3熱媒F3を建物40の床下に充填した蓄熱材であるシンダーコンクリート44,53の内部に埋設された配管L5,L6に送流し、シンダーコンクリート44,53を介して第3熱媒F3と床材(床仕上げ材46,54)の間で熱交換し、建物40の1階部分41および2階部分42の各室内の空気を昇温させる蓄熱材熱交換器3A,3Bを有している。
第1地中熱ヒートポンプ装置2は、地中を循環する第1熱媒F1と第2熱媒F2との間で熱交換を行う熱源側の第1熱交換器7と、暖房用熱媒となる第3熱媒F3と第2熱媒との間で熱交換を行う負荷側の第2熱交換器8と、第2熱媒F2の循環路において、第2熱媒F2を圧縮し第2熱交換器8側に送流する第1圧縮機10と、第1圧縮機10側から送流された第2熱媒F2を減圧し第1熱交換器7側に送流する第1膨張弁11と、を有している。
また、空気熱ヒートポンプ装置4は、外気と第4熱媒F4との間で熱交換を行う空気中熱交換部20と、第2熱交換器8の下流側で分岐された第3熱媒F3と第4熱媒F3との間で熱交換を行う第3熱交換器21と、第4熱媒F4の循環路において、第4熱媒F4を圧縮し第3熱交換器21側に送流する第2圧縮機23と、第2圧縮機23側から送流された第4熱媒F4を減圧し空気中熱交換部20側に送流する第2膨張弁22と、を有している。そして、暖房システム1は、蓄熱材熱交換器3から戻る第3熱媒F3の戻り熱媒温度を、設定室温に対して8.5℃〜10℃高くなるように管理するようにする。
このように構成される暖房システム1は、所望の設定室温に対して戻り熱媒温度を8.5℃〜10℃高く、すなわち設定室温を20℃とすれば、戻り熱媒温度を28.5℃〜30℃にすれば、設定室温に暖房することが可能となる。前述した従来技術では、設定室温20℃に対して戻り熱媒(戻り水)温度を50℃〜60℃に昇温している。したがって、暖房システム1は、従来技術の暖房システムに対して、約50%のエネルギー消費に抑えることが可能となる。その結果ランニングコストを大幅に低減できる。また、床表面温度が室温よりも高いことから、足元が温かく、床表面や壁表面などが結露することがない快適な暖房を提供できる。
なお、上記暖房システム1は、蓄熱材熱交換器3において、入り熱媒温度と戻り熱媒温度の差が0.5℃以内となり、流路中の第3熱媒F3の温度変化が小さいことから、地中に埋設する配管L1の深さを、従来の一般的な深さ70m〜80mに対して40m〜60mに浅くすることが可能となる。
また、第1地中熱ヒートポンプ装置2は、第3熱媒F3を循環させるポンプ15を有し、蓄熱材熱交換器3の入り側の入り熱媒温度と、戻り側の戻り熱媒温度の差を0.5℃以内となるように、第3熱媒F3を、流速0.2m/秒〜0.8m/秒、かつ単位時間当たりの流量15リットル/分〜20リットル/分の範囲で循環させる。
このように、蓄熱材(断熱材)であるシンダーコンクリート44,53中に、暖房用熱媒である第3熱媒F3を上記流速、上記単位時間当たりの流量で送流すれば、シンダーコンクリート44,53中の第3熱媒F3の入り熱媒温度と戻り熱媒温度の差を0.5℃以内に維持できるので、シンダーコンクリート44,53の全体をほぼ一定の温度とすることができ、その結果、床表面全体の床表面温度をほぼ一定の温度に維持することができる。
また、暖房システム1は、第1地中熱ヒートポンプ装置2および空気熱ヒートポンプ装置4から送流された第3熱媒F3の合流部より下流側に、第3熱媒F3を蓄熱材熱交換器3Aまたは蓄熱材熱交換器3Bに分岐して送流するヘッダーである往管ヘッダー17を有している。
往管ヘッダー17によって、蓄熱材熱交換器3Aおよび蓄熱材熱交換器3Bにそれぞれに送流する第3熱媒体F3の単位時間当たりの流量が、ほぼ一定となる。したがって、蓄熱材熱交換器3A,3Bの入り側の入り熱媒温度と、戻り側の戻り熱媒温度の差を0.5℃以内に抑えることができる。蓄熱材熱交換器3Aを1階部分41に設置し、蓄熱材熱交換器3Bを2階部分42に設置すれば、1階部分の室温と2階部分の室温をほぼ同じ温度に制御できる。
また、暖房システム1は、戻り熱媒温度を検出する温度センサー19を有し、第1地中熱ヒートポンプ装置2および空気熱ヒートポンプ装置4を、戻り熱媒温度の検出値によって制御される。既述したように、室温は、戻り熱媒温度によって調整可能である。図4で説明したように、第1地中熱ヒートポンプ装置2だけ駆動したときの戻り熱媒温度が所定温度W1以下の場合に、空気熱ヒートポンプ装置4を駆動し、戻り熱媒温度が所定温度W1に達するまで第3熱媒F3を昇温することができる。また、戻り熱媒温度が所定温度W1以上になったときに、空気熱ヒートポンプ装置4を停止する。また、第1地中熱ヒートポンプ装置2だけ駆動したときの戻り熱媒温度が所定温度W1以上の場合には、第1地中熱ヒートポンプ装置2も停止する。このように戻り熱媒温度によって第1地中熱ヒートポンプ装置2および空気熱ヒートポンプ装置4を制御すれば、無駄のない効率的な暖房を行うことが可能となる。
また、暖房システム1は、第1地中熱ヒートポンプ装置2と、空気熱ヒートポンプ装置4と、第1地中熱ヒートポンプ装置2によって昇温した暖房用熱媒である第3熱媒F3を建物40の床下に充填した蓄熱材であるシンダーコンクリート44,53の内部に埋設された配管L5,L6に送流し、シンダーコンクリート44,53を介して第3熱媒F3と床材(床仕上げ材46,54)の間で熱交換し、建物40の室内の空気を昇温させる蓄熱材昇温用熱交換器3A,3Bと、を有している。
また、第1地中熱ヒートポンプ装置2は、地中を循環する第1熱媒F1と第2熱媒F2との間で熱交換を行う熱源側の第1熱交換器7と、第3熱媒F3と、第2熱媒F2との間で熱交換を行う負荷側の第2熱交換器8と、第2熱媒F2の循環路において、第2熱媒F2を圧縮し第2熱交換器8側に送流する第1圧縮機10と、第1圧縮機10側から送流された第2熱媒F2を減圧し第1熱交換器7側に送流する第1膨張弁11と、を有し、蓄熱材熱交換器3からの戻り熱媒温度を設定室温に対して8.5℃〜10℃高くなるように管理する。
地中熱が15℃〜20℃の範囲で比較的高い温度で安定している場合や、春秋季の外気温が冬季に比べて高い季節など、または冬季においても外気温が比較的高い場合などでは、蓄熱材熱交換器3からの戻り熱媒温度を設定室温に対して8.5℃〜10℃高くなるように第1地中熱ヒートポンプ装置2を駆動すれば十分な暖房効果が得られる。したがって、従来技術の暖房システムに対して50%以下にエネルギー消費量を抑えることが可能となる。
また、暖房システム1において、第1地中熱ヒートポンプ装置2を駆動して暖房する場合、第1地中熱ヒートポンプ装置2は、第3熱媒F3を循環させるポンプ15を有し、蓄熱材熱交換器3の入り側の入り熱媒温度と、戻り側の戻り熱媒温度の差を0.5℃以内となるように、第3熱媒F3を、流速0.2m/秒〜0.8m/秒、かつ単位時間当たりの流量15リットル/分〜20リットル/分の範囲で循環させる。
このように、蓄熱材(断熱材)であるシンダーコンクリート44,53中に、暖房用熱媒である第3熱媒F3を上記流速、上記単位時間当たりの流量で送流すれば、シンダーコンクリート44,53中の第3熱媒F3の入り熱媒温度と戻り熱媒温度の差を0.5℃以内に維持できるので、シンダーコンクリート44,53の全体をほぼ一定の温度とすることができ、その結果、床表面全体の床表面温度をほぼ一定の温度に維持することができる。
また、暖房システム1において、第1地中熱ヒートポンプ装置2を駆動して暖房する場合、第1地中熱ヒートポンプ装置2から送流された第3熱媒F3を、蓄熱材昇温用熱交換器3A,3Bに分岐して送流するヘッダー(往管ヘッダー17)を有している。
往管ヘッダー17によって、蓄熱材熱交換器3Aおよび蓄熱材熱交換器3Bにそれぞれに送流する第3熱媒体F3の単位時間当たりの流量が、ほぼ一定となる。したがって、蓄熱材熱交換器3A,3Bの入り側の入り熱媒温度と、戻り側の戻り熱媒温度の差を0.5℃以内に抑えることができる。蓄熱材熱交換器3Aを1階部分41に設置し、蓄熱材熱交換器3Bを2階部分42に設置すれば、1階部分の室温と2階部分の室温をほぼ同じ温度に制御できる。
(第2の実施の形態)
続いて、本発明の第2の実施の形態に係る暖房システム80について図5、図6を参照しながら説明する。第2の実施の形態の暖房システム80は、前述した第1の実施の形態の暖房システム1が、暖房を目的としたシステムであることに対して、暖房に加え冷房が可能な暖房システムである。
図5は、第2の実施の形態に係る暖房システム80の構成を示す構成説明図である。暖房システム80は、前述した第1の実施の形態の暖房システム1に加え、冷房用の第2地中熱ヒートポンプ装置81と空気熱交換器82を有している。暖房システム1の構成は、図1に示したものと同じ構成とすることが可能なので説明を省略し、共通部分には、図1と同じ符号を付している。
第2地中熱ヒートポンプ装置81は、地中熱交換部6と、熱源側の熱交換器である第4熱交換器83と、負荷側の熱交換器である第5熱交換器84を有している。地中熱熱交換部6は、暖房システム1の地中熱交換部6と共用するものとする。地中熱交換部6と第4熱交換器83は、配管L10で連結されていて、ポンプ9によって、第1熱媒F1が地中熱交換部6と第4熱交換器83の間で図示矢印方向に循環される。配管L10は、地中から第4熱交換器83までの間は架橋ポリエチレン管などの樹脂製のものや銅管などの金属製が使用され、第4熱交換器83内は銅管などの熱伝導性が高い金属製のものを使用することが好ましい。ポンプ9は、暖房システム1側のポンプ9と共用する。したがって、ポンプ9は、暖房システム1および暖房システム80を同時に駆動可能な揚程を有することが望ましい。なお、ポンプ9を共用とせず、後述する分岐部85の下流側(第1熱交換器7側および第4熱交換器83側)にそれぞれ1個ずつ、計2個のポンプを設けるようにしてもよい。
暖房システム1側の配管L1と暖房システム80側の配管L10は、送出側ではポンプ9の下流側の分岐部85で分岐連結され、戻り側は地中熱交換部6に対して上流側の分岐部86で合流連結される。分岐部85および分岐部86には、三方弁またはヘッダーが使用される。なお、第4熱交換器83と分岐部85の間に熱動弁を配設するようにしてもよい。また、分岐部86と第1熱交換器7の間の配管L1には、逆止弁87を配設し、第4熱交換器83から送流される第1熱媒F1が第1熱交換器7側に逆流しないようにしている。
第4熱交換器83と第5熱交換器84は、配管L11で接続され、配管L11内には、第5熱媒F5として第2熱媒F2や第4熱媒F4と同じようにHFC(代替フロンガス)またはHC(ノンフロンガス)などが充填されていて、図示矢印方向に循環される。第5熱交換器84の上流側には第3膨張弁88が配設され、下流側には第3圧縮機89が配設されている。第3膨張弁88は、いわゆる蒸発器であって第3熱媒F3を降温する。第3圧縮機89は、第5熱媒F5を圧縮して第5熱媒F5を昇温する。第4熱交換器83は、地中熱の熱源となる第1熱媒と第5熱媒F5との間の熱交換作用によって第5熱媒F5が地中熱を集熱する。第5熱交換器84は、第5熱媒F5と第6熱媒F6の間の熱交換作用で、負荷側(建物側)の熱媒である第6熱媒F6を所定の温度に昇温する。なお、第6熱媒F6は、第3熱媒F3と同じように不凍液または水を使用するが、暖房システム1と区別して説明するため第6熱媒F6と記載する。
第5熱交換器84と空気熱交換器82とは、配管L12、L13によって連結されている。空気熱交換器82は、図5に示す例では、1階部分41用の空気熱交換器82Aと2階部分42用の空気熱交換器82Bを有している。空気熱交換器82Aは配管L14を有し、空気熱交換器82Bは配管L15を有し、配管L14,L15は、各々配管L12から分岐されている。配管L14,L15は、室内機91,92内(図6参照)に配設され、熱伝導率が高い銅管などの金属製のものか、架橋ポリエチレン管などの樹脂製のものを使用することが可能であるが、熱伝導率が高い金属製のものがより好ましい。
配管L12と配管L14,L15は、往き側では往管ヘッダー93で連結されている。また、第5熱交換器84と往管ヘッダー93の間には、ポンプ94が配置されている。ポンプ94は、第6熱媒F6を図示矢印方向に所定の流速、所定の単位時間当たりの流量で送流する。また、配管13と配管L14,L15の戻り側連結部には、還管ヘッダー95が配設されている。還管ヘッダー95は、1階部分41用の空気熱交換器82Aおよび2階部分42用の空気熱交換器82Bからの戻りの第6熱媒F6をまとめ、第6熱媒F6の流量条件を往き(配管L12)の流量条件と同じにして第5熱交換器84に戻す機能を有する。ここで、配管L12、L13には、架橋ポリエチレン管などの樹脂製のものを使用する。1階部分用の空気熱交換器82Aおよび2階部分用の空気熱交換器82Bには、それぞれ送風機96が設けられている。送風機96は、配管L14,L15それぞれの室内内側に配置され、第6熱媒F6と室内空気との間で熱交換された空気を冷風として室内に送風し、室内を冷房する。
暖房システム80は、制御部5によって制御される。制御部5は、暖房システム1と共用可能であるが、前述した暖房システム1の機能に加えて、暖房と冷房の切り換え手段を有し、ユーザーによる室温設定に基づき、第2地中熱ヒートポンプ装置81の駆動制御(つまり第6熱媒F6の温度制御)、第6熱媒F6の流路の確保、単位時間当たりの流量および流速の制御などを行う機能を有する。流路の確保としては、往管ヘッダー93の流路切り換え、すなわち、第6熱媒F6の配管L14または配管L15、または両方への送流の切り換え、還管ヘッダー95による流路切り換え、すなわち、第6熱媒F6の配管L14または配管L15、または両方からの送流の切り換えを行う。
ここで、第2地中熱交換器2および空気熱交換器82による冷房について説明する。第5熱媒F5は、第3膨張弁88の作用で降温され第5熱交換器84に入る。第5熱交換器84では、第5熱媒F5と第6熱媒F6との熱交換作用によって、第6熱媒F6が高温され空気熱交換器82に送流される。空気熱交換器82において、室内空気温度が、第6熱媒F6との間の熱交換作用で第6熱媒F6に吸収されて降温される。そして、送風機96によって冷風が室内に循環される。第6熱媒F6と室内空気との熱交換作用で、戻り側の第6熱媒F6は昇温される。そして、第5熱交換器において第5熱媒との熱交換作用で、第6熱媒F6は、降温される。このサイクルを継続することによって建物40の室内を冷房することが可能となる。
なお、暖房システム80による室内の冷房を効果的に行うためには、建物40を図2に示したような断熱構造としている。
図6は、第2の実施の形態に係る暖房システム80の全体構成を模型的に表す説明図である。建物40は、図2で説明したものと同じ断熱構造を有しているので詳細な説明は省略する。図6では、図2と共通部分に図2と同じ符号を付している。1階部分41の上部には、室内機91が取り付けられ、2階部分42の上部には、室内機92が取り付けられている。一方、室外には、第1地中熱ヒートポンプ装置2、空気熱ヒートポンプ装置2および第2地中熱ヒートポンプ装置81が設置されている。室内機91,92にはそれぞれ、空気熱交換器82Aと送風機96、空気熱交換器82Bと送風機96(共に、図5参照)を有していて、冷風を室内に送風できるようになっている。
次に、暖房システム80を用いた冷房方法について図5を参照しながら説明する。まず、ユーザーは、不図示の操作パネルからの操作(またはリモコン操作)によって、冷房の選択と所望の室温を設定しておく。制御部5には、設定室温および室温と、第5熱交換器84の駆動条件(第3圧縮機89の駆動条件)および第6熱媒F6の単位時間当たりの流量や流速の相関を予めメモリに記憶させてある。なお、第6熱媒F6の単位時間当たりの流量や流速は、ポンプ94の駆動を制御することで行われる。送風機96は、暖房システム80を起動(ON)したときに駆動を開始し、暖房システム80を停止(OFF)したときに駆動を停止する。設定温度よりも室温が高い場合には、第2地中熱ヒートポンプ装置81を起動し、設定温度よりも室温が低い場合あるいは同じ場合には、地中熱ヒートポンプ81を停止する。なお、配管L13の途中に配置された温度センサー96で第6熱媒F6の戻り熱媒温度を検出し、設定室温と第6熱媒F6の戻り熱媒温度との差から、上記駆動条件を決定するようにしてもよい。このような場合も、予め、設定室温と第6熱媒F6の戻り熱媒温度との相関をメモリに記憶させておくが、この設定は、暖房システム80の設置業者または製造業者によって行われる。ただし、ユーザーが行ってもよい。
以上説明した暖房システム80は、前述した暖房システム1に加え、第2地中熱ヒートポンプ装置81と、空気中熱交換器82と、を有している。第2地中熱ヒートポンプ装置81は、第1地中熱ヒートポンプ装置2から分岐された第1熱媒F1と、第1熱媒F1と第5熱媒F5との間で熱交換を行う第4熱交換器83と、第6熱媒F6と第5熱媒F5との間で熱交換を行う第5熱交換器84と、第5熱媒F5の循環路において、第5熱媒F5を減圧して第5熱交換器84に送流する第3膨張弁88と、第5熱交換器84から送流される第5熱媒F5を圧縮して第4熱交換器83に送流する第3圧縮機89と、を有している。また、空気中熱交換器82は、建物40の室内に配置され、第2地中熱ヒートポンプ装置81から送流される第6熱媒F6を循環する配管L14,L15と、配管L14,L15よりも室内内側に配置された送風機96を有し、室内を冷房可能としている。
このように構成された暖房システム80は、暖房と冷房に切り替えることで、前述した暖房システム1で暖房が可能で、制御部5で暖房から冷房に切り替え、第2地中熱ヒートポンプ装置81を駆動することで室内の冷房を行うことが可能となる。この際、第6熱媒F6の戻り熱媒温度を検出し、第2地中熱ヒートポンプ装置81の駆動制御(温度制御)を行うことで室温の調整が可能である。第2地中熱ヒートポンプ装置81の熱源は、地中熱で、地中熱は15℃〜20℃の間でほぼ一定であるから、一般に用いられるチラーなどに比べてエネルギー消費量を抑えることが可能となる。
なお、本発明は前述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
たとえば、第1、第2の実施の形態において、空気熱ヒートポンプ装置4を設けないようにしてもよい。また、第2の実施の形態では、戻り熱媒温度を検出して室温を制御しているが、温度センサー29によって、室温を検出して設定室温になるように第2地中熱ヒートポンプ装置81を制御してもよい。
また、第1、第2の実施の形態では、2階建て建物の例をあげて説明しているが、建物が1階部分のみの場合には、蓄熱材熱交換器3Bや空気熱交換器82Bは不要である。また、3階以上の建物の場合には、フロアごとに、蓄熱材熱交換器3や空気熱交換器82を設けるようにしてもよい。また、1階部分または2階部分が広い面積を暖房する場合には、各階用として蓄熱材熱交換器3Aおよび蓄熱材熱交換器3B、またはさらに蓄熱材熱交換器の数を増やして配置するようにしてもよい。冷房の場合も暖房と同様に、一つの階に複数の空気熱交換器82を設置するようにしてもよい。
また、前述した第2の実施の形態では、第2地中熱ヒートポンプ装置81および空気熱交換器82を駆動するようにしているが、たとえば、第1の実施の形態の暖房システム1(第1地中熱ヒートポンプ2を駆動する)で冷房することも可能である。この場合には、前述した暖房システム1の考え方で、戻り熱媒温度を設定室温に対して適切に設定することで可能となる。ただし、室内の湿度が高く、室温と床表面温度差が大きくなると結露しやすくなるので、暖房システム1を含めた暖房システム80を用いることが好ましい。
1…暖房システム(第1の実施の形態)
2…第1地中熱ヒートポンプ装置
3…蓄熱材熱交換器(蓄熱材昇温用熱交換器)
3A…蓄熱材熱交換器(1階部分)
3B…蓄熱材熱交換器(2階部分)
4…空気熱ヒートポンプ装置
7…第1熱交換器(熱源側)
8…第2熱交換器(負荷側)
9…ポンプ(熱源側)
10…第1圧縮機(地中熱ヒートポンプ装置)
11…第1膨張弁(地中熱ヒートポンプ装置)
17…往管ヘッダー(ヘッダー)
19…温度センサー(還管側)
20…空気中熱交換部
21…第3熱交換器(空気熱ヒートポンプ装置)
22…第2圧縮機(空気熱ヒートポンプ装置)
23…第2膨張弁(空気熱ヒートポンプ装置)
40…建物
44,45…シンダーコンクリート(蓄熱材)
46…床仕上げ材(床材)
57,60,61…断熱材
80…暖房システム(第2の実施の形態)
81…第2地中熱ヒートポンプ装置
82…空気熱交換器
82A…空気熱交換器(1階部分)
82B…空気熱交換器(2階部分)
83…第4熱交換器
84…第5熱交換器
88…第3膨張弁
89…第3圧縮機
95…送風機
F1…第1熱媒
F2…第2熱媒
F3…第3熱媒(暖房用熱媒)
F4…第4熱媒
F5…第5熱媒
F6…第6熱媒(冷房用熱媒)
L1〜L15…配管

Claims (7)

  1. 第1地中熱ヒートポンプ装置と、
    空気熱ヒートポンプ装置と、
    前記第1地中熱ヒートポンプ装置および前記空気熱ヒートポンプ装置によって昇温した暖房用熱媒を建物の床下に充填した蓄熱材の内部に埋設された配管に送流し、前記蓄熱材を介して前記暖房用媒体と床材の間で熱交換し、前記建物の室内の空気を昇温させる一つまたは複数の蓄熱材昇温用熱交換器と、
    第2地中熱ヒートポンプ装置と、
    空気中熱交換器と、を有し、
    前記第1地中熱ヒートポンプ装置は、
    地中を循環する第1熱媒と第2熱媒との間で熱交換を行う熱源側の第1熱交換器と、
    前記暖房用熱媒となる第3熱媒と前記第2熱媒との間で熱交換を行う負荷側の第2熱交換器と、
    前記第2熱媒の循環路において、前記第2熱媒を圧縮し前記第2熱交換器側に送流する第1圧縮機と、前記第1圧縮機側から送流された第2熱媒を減圧し前記第1熱交換器側に送流する第1膨張弁と、を有し、
    前記空気熱ヒートポンプ装置は、
    外気と第4熱媒との間で熱交換を行う空気中熱交換部と、
    前記第2熱交換器の下流側で分岐された前記第3熱媒と前記第4熱媒との間で熱交換を行う第3熱交換器と、
    前記第4熱媒の循環路において、前記第4熱媒を圧縮し前記第3熱交換器側に送流する第2圧縮機と、前記第2圧縮機側から送流された前記第4熱媒を減圧し前記空気中熱交換部側に送流する第2膨張弁と、を有し、
    前記蓄熱材昇温用熱交換器からの戻り熱媒温度を、設定室温に対して8.5℃〜10℃高く
    前記第2地中熱ヒートポンプ装置は、
    前記第1地中熱ヒートポンプ装置から分岐された前記第1熱媒と、当該第1熱媒と第5熱媒との間で熱交換を行う第4熱交換器と、
    第6熱媒と前記第5熱媒との間で熱交換を行う第5熱交換器と、
    前記第5熱媒の循環路において、前記第5熱媒を減圧して前記第5熱交換器に送流する第3膨張弁と、前記第5熱交換器から送流される第5熱媒を圧縮して前記第4熱交換器に送流する第3圧縮機と、
    を有し、
    前記空気中熱交換器は、
    前記建物の室内に配置され、前記第2地中熱ヒートポンプ装置から送流される第6熱媒を循環する配管と、当該配管よりも室内内側に配置された送風機を有し、室内を冷房可能としている、
    ことを特徴とする暖房システム。
  2. 請求項1に記載の暖房システムにおいて、
    前記第1地中熱ヒートポンプ装置は、前記第3熱媒を循環させるポンプを有し、
    前記蓄熱材昇温用熱交換器の入り側の入り熱媒温度と、戻り側の戻り熱媒温度の差を0.5℃以内となるように、
    前記第3熱媒を、流速0.2m/秒〜0.8m/秒、かつ単位時間当たりの流量15リットル/分〜20リットル/分の範囲で循環させる、
    ことを特徴とする暖房システム。
  3. 請求項1に記載の暖房システムにおいて、
    前記第1地中熱ヒートポンプ装置および前記空気熱ヒートポンプ装置から送流された前記第3熱媒の合流部より下流側に、前記第3熱媒を一つまたは複数の前記蓄熱材昇温用熱交換器に分岐して送流するヘッダーを有している、
    ことを特徴とする暖房システム。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の暖房システムにおいて、
    前記戻り熱媒温度を検出する温度センサーを有し、
    前記第1地中熱ヒートポンプ装置および前記空気熱ヒートポンプ装置は、前記戻り熱媒温度の検出値によって制御される、
    ことを特徴とする暖房システム。
  5. 第1地中熱ヒートポンプ装置と、
    空気熱ヒートポンプ装置と、
    前記第1地中熱ヒートポンプ装置によって昇温した暖房用熱媒を建物の床下に充填した蓄熱材の内部に埋設された配管に送流し、前記蓄熱材を介して前記暖房用媒体と床材の間で熱交換し、前記建物の室内の空気を昇温させる一つまたは複数の蓄熱材昇温用熱交換器と、
    第2地中熱ヒートポンプ装置と、
    空気中熱交換器と、を有し、
    前記第1地中熱ヒートポンプ装置は、
    地中を循環する第1熱媒と第2熱媒との間で熱交換を行う熱源側の第1熱交換器と、
    前記暖房用熱媒となる第3熱媒と、前記第2熱媒との間で熱交換を行う負荷側の第2熱交換器と、
    前記第2熱媒の循環路において、前記第2熱媒を圧縮し前記第2熱交換器側に送流する第1圧縮機と、前記第1圧縮機側から送流された第2熱媒を減圧し前記第1熱交換器側に送流する第1膨張弁と、を有し、
    前記蓄熱材昇温用熱交換器からの戻り熱媒温度を設定室温に対して8.5℃〜10℃高く
    前記第2地中熱ヒートポンプ装置は、
    前記第1地中熱ヒートポンプ装置から分岐された前記第1熱媒と、当該第1熱媒と第5熱媒との間で熱交換を行う第4熱交換器と、
    第6熱媒と前記第5熱媒との間で熱交換を行う第5熱交換器と、
    前記第5熱媒の循環路において、前記第5熱媒を減圧して前記第5熱交換器に送流する第3膨張弁と、前記第5熱交換器から送流される第5熱媒を圧縮して前記第4熱交換器に送流する第3圧縮機と、
    を有し、
    前記空気中熱交換器は、
    前記建物の室内に配置され、前記第2地中熱ヒートポンプ装置から送流される第6熱媒を循環する配管と、当該配管よりも室内内側に配置された送風機を有し、室内を冷房可能としている、
    ことを特徴とする暖房システム。
  6. 請求項5に記載の暖房システムにおいて、
    前記第1地中熱ヒートポンプ装置は、前記第3熱媒を循環させるポンプを有し、
    前記蓄熱材昇温用熱交換器の入り側の入り熱媒温度と、戻り側の戻り熱媒温度の差を0.5℃以内となるように、
    前記第3熱媒を、流速0.2m/秒〜0.8m/秒、かつ単位時間当たりの流量15リットル/分〜20リットル/分の範囲で循環させる、
    ことを特徴とする暖房システム。
  7. 請求項5または請求項6に記載の暖房システムにおいて、
    前記第1地中熱ヒートポンプ装置から送流された前記第3熱媒を、一つまたは複数の前記蓄熱材昇温用熱交換器に分岐して送流するヘッダーを有している、
    ことを特徴とする暖房システム。
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