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JP6349873B2 - 酸化ケイ素被覆酸化亜鉛とその製造方法及び酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物並びに化粧料 - Google Patents
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JP6349873B2 - 酸化ケイ素被覆酸化亜鉛とその製造方法及び酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物並びに化粧料 - Google Patents

酸化ケイ素被覆酸化亜鉛とその製造方法及び酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物並びに化粧料 Download PDF

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Description

本発明は、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛とその製造方法及び酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物並びに化粧料に関し、更に詳しくは、特に、紫外線遮蔽機能が求められる化粧水、日焼け止めジェル、乳液、クリーム、ファンデーション、口紅、頬紅、アイシャドー等に用いて好適な酸化ケイ素被覆酸化亜鉛とその製造方法及び酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物並びに化粧料に関するものである。
紫外線は、樹脂やゴム等の多くの物質を劣化させる原因になっており、また、人体に対しては、サンタンやサンバーンのみでなく、老化現象や皮膚癌の原因ともなり得るといわれている。そこで、紫外線遮蔽剤がフィルム、塗料、化粧料等の分野において広く用いられている。
紫外線遮蔽剤は、ベンゾフェノン系、メトキシケイ皮酸系、ジベンゾイルメタン系等の有機系紫外線遮蔽剤や、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機系紫外線遮蔽剤が一般に用いられている。
有機系紫外線遮蔽剤は、熱や長時間の紫外線照射により劣化する虞があること、1種類の有機系紫外線遮蔽剤のみでは幅広い紫外線を吸収することができないことから、紫外線の吸収波長の異なる複数種の有機系紫外線遮蔽剤を組み合わせて使用する必要があること等の問題点がある。
一方、無機系紫外線遮蔽剤は、それに含まれる無機粒子自体のバンドギャップに対応する波長の紫外線を吸収する効果と、無機粒子が有する屈折率に起因する散乱により紫外線を遮蔽することから、熱や長時間の紫外線照射による劣化が無く、耐候性、耐熱性等に優れており、幅広い波長領域の紫外線を遮蔽することができるという利点がある。
ところで、このような利点を有する無機系紫外線遮蔽剤においても、紫外線のみならず可視光線をも散乱することから、このような無機系紫外線遮蔽剤を化粧料等に大量に配合すると、白色っぽくなり易いという問題点があり、そこで、このような問題点に対応するために、無機系紫外線遮蔽剤を有機系紫外線遮蔽剤と適宜組合せて利用することが行われている。
無機系紫外線遮蔽剤としては、一般的には、酸化チタン、酸化亜鉛等が用いられている。特に、酸化亜鉛は、UV−A領域(320nm〜400nm)からUV−B領域(280nm〜320nm)までの幅広い波長領域の紫外線を遮蔽することができる。
例えば、粒子表面に接触している物質を酸化する光触媒活性を、酸化亜鉛と酸化チタンとで比較すると、酸化亜鉛の方が非常に低い。また、酸化亜鉛の屈折率は2.0であり、酸化チタンの屈折率2.7よりも低いので、ナノ粒子化した場合、透明性に優れたものとなる。そこで、酸化亜鉛が紫外線遮蔽剤として注目されている。
一方、亜鉛は両性元素であることから、その酸化物である酸化亜鉛は酸およびアルカリに容易に溶解し、また水にも微量溶解し、亜鉛イオンを放出するという特徴があり、この点が安定性を不十分なものにしている。
また、光触媒活性については、酸化亜鉛は酸化チタンと比べて非常に低いものではあるが、抑制することが望ましい。例えば、酸化亜鉛を平均粒子径が50nm以下となるようにナノ粒子化した場合、比表面積が増大することから光触媒活性が高くなる。
このように、酸化亜鉛粒子においては、亜鉛イオンの放出及び高い光触媒活性が特に顕著な問題点となる。
また、水系の化粧品については、油系の化粧品と比べてべたつきがなく、サラッとした使用感が得られることから、サンスクリーン、乳液、クリーム等の各種化粧料として近年特に使用されている。これらの水系の化粧料に酸化亜鉛を用いる場合、溶出する亜鉛イオンが、有機系紫外線遮蔽剤、増粘剤等の水溶性高分子等と反応し、化粧料としての性能の低下、変色、粘度の増減等の問題が生じる虞があり、したがって、処方の自由度が制限されるという問題点があった。
例えば、増粘剤として汎用されるカルボマー(カルボキシビニルポリマー)と酸化亜鉛を併用すると、溶出した亜鉛イオンとカルボマーのカルボキシレート基(COO−)とが反応することにより、カルボマーのゲル構造が破壊され、粘度が低下するという問題点がある。
このように、酸化亜鉛が有する問題点を解消するために、酸化亜鉛を無機酸化物にて被覆した様々なものが提案されている。
例えば、酸化亜鉛をケイ酸ソーダ水溶液中に加えて懸濁状態にした後、水素イオン指数(pH)を7程度に保持することで、シリカ被覆酸化亜鉛を得る方法が提案されている(特許文献1)。
また、原料である酸化亜鉛を、有機基及びハロゲンを含まないケイ酸またはケイ酸を生成し得る前駆体、水、アルカリ及び有機溶媒を含有するシリカ被覆形成用組成物に接触させることにより、光触媒作用による耐候劣化のないシリカ被覆酸化亜鉛を得る方法が提案されている(特許文献2)。
また、酸化亜鉛粉末を、オルガノポリシロキサン類及びシリコーン化合物(但し、シラン化合物を除く)の少なくとも1種により非気相状態で被覆した後、酸化性雰囲気下にて600〜950℃の温度で焼成することにより、酸化ケイ素で被覆されている活性抑制型酸化亜鉛粉末を得る方法が提案されている(特許文献3)。
特許第2851885号公報 特許第4582439号公報 特許第3187440号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載された方法では、亜鉛イオンの溶出について何等検討されていないことから、酸化亜鉛にシリカによる被覆処理が施されてあっても、酸化亜鉛からの亜鉛イオンの放出を十分に抑制することが困難であるという問題点があった。
また、特許文献3に記載された方法では、酸化亜鉛粉末の表面をオルガノポリシロキサン類及びシリコーン化合物にて被覆した後、これらオルガノポリシロキサン類及びシリコーン化合物を酸化して酸化亜鉛粉末の表面に酸化ケイ素の被膜を形成するためには、600℃以上の高温で焼成する必要がある。しかしながら、この高温による焼成は、酸化亜鉛の結晶成長を促進することから、一次粒子径の小さい、例えば50nm以下のシリカ被覆酸化亜鉛に使用することは困難であるという問題点があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、酸化亜鉛粒子からの亜鉛イオンの溶出を抑制することが可能な酸化ケイ素被覆酸化亜鉛とその製造方法及び酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物並びに化粧料を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、酸化亜鉛の表面を緻密な酸化ケイ素被膜により被覆することとすれば、いわゆるコアシェル構造の複合粒子となり、この酸化ケイ素被膜が、酸化亜鉛粒子からの亜鉛イオンの溶出を阻止することができることを見出し、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を化粧料に適用すれば、紫外線遮蔽機能が向上し、透明性にも優れ、しかも亜鉛イオンの溶出に起因する問題点も解消されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛は、酸化亜鉛粒子の表面を緻密な酸化ケイ素被膜により被覆してなる酸化ケイ素被覆酸化亜鉛であって、前記酸化亜鉛粒子の平均粒子径は1nm以上かつ50nm以下であり、前記酸化ケイ素被膜中のケイ素のQ環境における存在比をQ、Q環境における存在比をQとしたとき、Q+Q≧0.6かつQ/(Q+Q)≧0.5であり、前記酸化亜鉛粒子の光触媒活性によって生じるブリリアントブルーの分解率は3%以下であることを特徴とする。
前記酸化亜鉛粒子の含有率は50質量%以上かつ90質量%以下であることが好ましい。
前記酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を水素イオン指数5の水溶液に0.05質量%となるように浸漬したときに、前記水溶液中に溶出する亜鉛の溶出率は20質量%以下であることが好ましい。
前記酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の表面をシリコーン樹脂にて表面処理してなることが好ましい。
本発明の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の製造方法は、表面改質酸化亜鉛を溶媒中に懸濁させて表面改質酸化亜鉛懸濁液とし、次いで、この表面改質酸化亜鉛懸濁液に、アルコキシシラン及び10量体以下のアルコキシシランのオリゴマーのうちいずれか1種または2種以上と、触媒と、水とを添加して反応させ、次いで、得られた反応物を200℃以上かつ600℃未満の温度にて熱処理することを特徴とする。
本発明の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物は、本発明の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛と、溶媒と、を含有してなることを特徴とする。
本発明の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物では、さらに増粘剤を含有してなることが好ましい。
本発明の化粧料は、本発明の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛及び本発明の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物のうちいずれか一方または双方を基剤中に含有してなることを特徴とする。
本発明の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛によれば、酸化亜鉛粒子の表面を緻密な酸化ケイ素被膜により被覆し、この酸化亜鉛粒子の平均粒子径を1nm以上かつ50nm以下とし、さらに、酸化ケイ素被膜中のケイ素のQ環境における存在比をQ、Q環境における存在比をQとしたとき、Q+Q≧0.6かつQ/(Q+Q)≧0.5とし、この酸化亜鉛粒子の光触媒活性によって生じるブリリアントブルーの分解率を3%以下としたので、酸化亜鉛粒子の表面を緻密な酸化ケイ素被膜で均一に覆うこととなり、よって、この酸化亜鉛粒子から亜鉛イオンが外方へ溶出するのを抑制することができる。したがって、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を化粧料に適用した場合に、亜鉛イオンの溶出による化粧料としての性能の低下、変色、粘度の増減等を抑制することができる。
本発明の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の製造方法によれば、表面改質酸化亜鉛を溶媒中に懸濁させて表面改質酸化亜鉛懸濁液とし、次いで、この表面改質酸化亜鉛懸濁液に、アルコキシシラン及び10量体以下のアルコキシシランのオリゴマーのうちいずれか1種または2種以上と、触媒と、水とを添加して反応させ、次いで、得られた反応物を200℃以上かつ600℃未満の温度にて熱処理するので、酸化亜鉛粒子の表面を緻密な酸化ケイ素被膜で均一に覆うことができる。したがって、酸化亜鉛粒子からの亜鉛イオンの溶出を抑制することができる酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を作製することができる。
本発明の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物によれば、本発明の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛と、溶媒と、を含有したので、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛に含まれる亜鉛元素が亜鉛イオンとして外方へ溶出するのを抑制することができる。したがって、亜鉛イオンの溶出による組成物としての性能の低下、変色、粘度の増減等を抑制することができる。
本発明の化粧料によれば、本発明の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛及び本発明の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物のうちいずれか一方または双方を基剤中に含有したので、これら酸化ケイ素被覆酸化亜鉛及び酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物のうちいずれか一方または双方に含まれる亜鉛元素が亜鉛イオンとして外方へ溶出するのを抑制することができる。したがって、亜鉛イオンの溶出による化粧料としての性能の低下、変色、粘度の増減等を抑制することができる。
本発明の実施例3の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を示す透過型電子顕微鏡(TEM)像である。 本発明の実施例3の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛のNMRスペクトルを示す図である。 本発明の実施例5の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物及び比較例9のカルボマー水溶液それぞれの40℃における粘度の経時変化を示す図である。
本発明の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛とその製造方法及び酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物並びに化粧料を実施するための形態について説明する。
なお、以下の実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
[酸化ケイ素被覆酸化亜鉛]
本発明の一実施形態の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛は、酸化亜鉛粒子の表面を緻密な酸化ケイ素被膜により被覆してなる酸化ケイ素被覆酸化亜鉛であり、この酸化亜鉛粒子の平均粒子径は1nm以上かつ50nm以下であり、この酸化ケイ素被膜中のケイ素のQ環境における存在比をQ、Q環境における存在比をQとしたとき、Q+Q≧0.6かつQ/(Q+Q)≧0.5であり、この酸化亜鉛粒子の光触媒活性によって生じるブリリアントブルーの分解率は3%以下である。
なお、緻密な酸化ケイ素被膜の「緻密さ」と酸化ケイ素の「縮合度」との間には密接な関係があり、酸化ケイ素の縮合度が高くなればなるほど酸化ケイ素被膜の緻密性が高まることとなる。
すなわち、ここでいう緻密な酸化ケイ素被膜の「緻密な」とは、Q+Q≧0.6かつQ/(Q+Q)≧0.5を満たすほど、酸化ケイ素被膜の縮合度が高い状態の酸化ケイ素被膜のことを意味する。
この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛における酸化亜鉛粒子の含有率は、50質量%以上かつ90質量%以下が好ましい。ここで、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛中の酸化亜鉛粒子の含有率が50質量%未満では、所望の紫外線遮蔽効果を得ることができず、そこで、所望の紫外線遮蔽効果を得ようとすると、大量の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を使用しなければならなくなるので好ましくなく、一方、酸化亜鉛粒子の含有率が90質量%を超えると、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛における酸化亜鉛粒子の割合が高くなりすぎてしまう結果、酸化亜鉛粒子の表面を酸化ケイ素被膜で十分に覆うことができなくなるので好ましくない。
この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の平均粒子径は、5nm以上かつ500nm以下であることが好ましく、より好ましくは10nm以上かつ300nm以下、さらに好ましくは20nm以上かつ100nm以下である。
ここで、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の平均粒子径を上記の範囲に限定した理由は、平均粒子径が5nm未満では、粒子径が小さすぎるために、得られた酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の表面エネルギーが高く、したがって、互いに凝集し易く、所望の形状及びサイズの酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を合成することが困難になるからであり、一方、平均粒子径が500nmを超えると、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛自体の透明性が低下し易くなり、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を化粧料等に用いた場合に、可視光線領域の透明性を損なう虞や、きしみ等が生じて使用感が悪化する虞があるからである。
なお、ここでいう「平均粒子径」とは、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を透過型電子顕微鏡(TEM)あるいは走査型電子顕微鏡(SEM)等を用いて観察した場合に、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を所定数、例えば、200個、あるいは100個を選び出し、これら酸化ケイ素被覆酸化亜鉛各々の最長の直線部分(最大長径)を測定し、これらの測定値を加重平均して求められた数値である。
ここで、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛同士が凝集している場合には、この凝集体の凝集粒子径を測定するのではなく、この凝集体を構成している酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の粒子(一次粒子)を所定数測定し、平均粒子径とする。
この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を水素イオン指数(pH)5の水溶液に0.05質量%となるように、1時間浸漬したときに、前記水溶液中に溶出する亜鉛の溶出率は20質量%以下であることが好ましく、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。
ここで、亜鉛の溶出率を20質量%以下とした理由は、亜鉛の溶出率が20質量%を超えると、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛自体の安定性が低下し、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を化粧料に適用した場合に、溶出する亜鉛イオンが、有機系紫外線遮蔽剤、増粘剤等の水溶性高分子等と反応し、化粧料としての性能の低下、変色、粘度の増減等を生じさせるので好ましくないからである。
この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛では、酸化亜鉛粒子の光触媒活性によって生じるブリリアントブルーの分解率は3%以下であることが好ましく、より好ましくは2%以下、さらに好ましくは1%以下である。
ここで、酸化亜鉛粒子の光触媒活性によって生じるブリリアントブルーの分解率を3%以下とした理由は、このブリリアントブルーの分解率が3%以下であれば、酸化亜鉛粒子の光触媒活性が抑制されていることとなるので、酸化亜鉛粒子を覆っている酸化ケイ素被膜の均一性も高いことになるからである。
なお、ブリリアントブルーの分解率が3%を超えていた場合、酸化亜鉛粒子の光触媒活性が抑制されていないので、酸化亜鉛粒子の表面が酸化ケイ素被膜により部分的に覆われていることとなり、酸化ケイ素被膜の均一性が低いことになる。
このブリリアントブルーの分解率の測定方法は、次のとおりである。
まず、ブリリアントブルーを所定の含有率(例えば5ppm)に調製したブリリアントブルー水溶液を作製し、このブリリアントブルー水溶液からスクリュー管に所定量採取し、この採取したブリリアントブルー水溶液に、酸化亜鉛換算で、この液の質量の1質量%の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を投入し、超音波分散して懸濁液を調整する。次いで、この懸濁液に所定の波長の紫外線を所定距離(例えば10cm)から所定時間(例えば6時間)照射する。
紫外線照射ランプとしては、例えば、殺菌ランプGL20(波長253.7nm、紫外線出力7.5W:東芝社製)を用いることができる。
次いで、この紫外線が照射された懸濁液から上澄み液を採取し、原子吸光光度法により、上記のブリリアントブルー水溶液及び上澄み液それぞれの吸光光度スペクトルを測定し、これらの測定値を用いて下記の式(1)によりブリリアントブルーの分解率Dを算出する。
D=(A0−A1)/A0 ……(1)
(但し、A0はブリリアントブルー水溶液(5ppm)の吸光光度スペクトルの吸収極大波長(630nm)における吸光度、A1は上記の上澄み液の吸光光度スペクトルの吸収極大波長における吸光度である。)
この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛は、その表面をシリコーン樹脂にて表面処理してなることとしてもよい。
この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛は、シリコーン樹脂にて表面処理されることにより、油相、特にシリコーン油への親和性が高くなり、よって、油中水型(W/O型)や水中油型(O/W)の化粧料への配合がより容易になる。
すなわち、シリコーン樹脂にて表面処理してなる酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を油相に配合して、油中水型又は水中油型の化粧料とすることで、油中水型(W/O型)や水中油型(O/W)の化粧料における亜鉛イオンの溶出を抑制することができる。
この表面処理に用いられるシリコーン樹脂の種類としては、化粧料として使用できるものであれば特に限定されず、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチコン、ハイドロゲンジメチコン、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルジメチコン、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン、(アクリレーツ/アクリル酸トリデシル/メタクリル酸トリエトキシシリルプロピル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー、トリエトキシカプリリルシラン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、これらを2種以上混合したものを用いてもよく、これらの共重合体を用いてもよい。
この表面処理におけるシリコーン樹脂の表面処理量は、使用する油相に応じて適宜調整すればよく、例えば、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の全質量に対して、1質量%以上かつ20質量%以下が好ましく、3質量%以上かつ10質量%以下がより好ましい。
以下、本実施形態の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の各構成要素について詳細に説明する。
「酸化亜鉛粒子」
この酸化亜鉛粒子の平均粒子径は、1nm以上かつ50nm以下であることが好ましく、より好ましくは5nm以上かつ50nm以下、さらに好ましくは10nm以上かつ40nm以下である。
この酸化亜鉛粒子の平均粒子径は、上述した酸化ケイ素被覆酸化亜鉛と同様の方法、すなわち、この酸化亜鉛粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)等を用いて観察した場合に、顕微鏡の視野から酸化亜鉛粒子を所定数、例えば、200個、あるいは100個を選び出し、これら酸化亜鉛粒子各々の最長の直線部分(最大長径)を測定し、これらの測定値を加重平均することにより求めることができる。
ここで、酸化亜鉛粒子の平均粒子径が1nm未満では、酸化亜鉛の結晶構造が空間群No.186、P63mc、a=0.32498nm、c=0.52066nmであることから、十分な結晶性が得られず、酸化亜鉛の紫外線遮蔽性能が低下するので好ましくない。
一般に、金属酸化物粒子の粒子径が光の波長よりも十分に小さい場合、即ち下記の式(2)
α=πD/λ ……(2)
(但し、α:粒径パラメーター、D:粒径、λ:光の波長である。)
にて、α<<1が成り立つ場合、一般にはα<0.4が成り立つ場合には、レイリー散乱となり、それよりも金属酸化物粒子の粒子径が大きい場合には、ミー散乱となる。
このように、可視光線の波長領域(400nm〜800nm)では、酸化亜鉛粒子の平均粒子径が50nm以下の場合、散乱強度が相対的に低いレイリー散乱となるが、酸化亜鉛粒子の平均粒子径が50nmを超えると、400nm以上の波長領域の可視光線の散乱強度も高くなり、よって、この実施形態の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を配合した化粧料では、可視光線に対して十分な透明性が得られない虞がある。
酸化亜鉛粒子の合成法としては、平均粒子径が1nm以上かつ50nm以下の酸化亜鉛粒子を合成することのできる方法であればよく、特に限定されないが、例えば、フランス法(間接法)、アメリカ法(直接法)等の乾式法、あるいはドイツ法等の湿式法等が挙げられる。
「酸化ケイ素被膜」
酸化ケイ素被膜は、後述する「ケイ素のQ環境における存在比をQ、Q環境における存在比をQとしたとき、Q+Q≧0.6かつQ/(Q+Q)≧0.5」を満たすほど縮合度が高く、かつ、酸化亜鉛粒子の光触媒活性によって生じるブリリアントブルーの分解率が3%以下となるほど均一性が高いものであればよく、特に限定されない。
酸化ケイ素の縮合度については、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を、固体29Si MAS−核磁気共鳴(NMR)分光法によりNMRスペクトルを測定し、このNMRスペクトルのピーク面積比からQ、Q、Q、Q、Qそれぞれの環境に帰属されるシグナルの面積比を測定することで容易に知ることができる。
ここで、Q(n=0〜4)とは、酸化ケイ素の構成単位であるSiO四面体単位の酸素原子のうちの架橋酸素原子、すなわち2つのSiと結合している酸素原子の数に応じて決まる化学的構造のことである。
これらQ、Q、Q、Q、Qそれぞれの環境に帰属されるシグナルの面積比を、Q、Q、Q、Q、Qと表記する。ただし、Q+Q+Q+Q+Q=1である。
この酸化ケイ素被膜中のケイ素のQ環境における存在比をQ、Q環境における存在比をQとしたとき、Q+Q≧0.6かつQ/(Q+Q)≧0.5である。
ここで、Q+Q≧0.6は満足するものの、Q/(Q+Q)が0.5未満(Q/(Q+Q)<0.5)の場合、または、Q/(Q+Q)≧0.5は満足するものの、Q+Qが0.6未満(Q+Q<0.6)の場合には、酸化ケイ素被膜中の酸化ケイ素の縮合が十分に進行しておらず、したがって、緻密な被膜を得ることができず、その結果、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の亜鉛イオンの溶出抑制効果が十分に得られない虞があるので好ましくない。
この酸化ケイ素被膜の均一性は、上述した酸化亜鉛粒子の光触媒活性によって生じるブリリアントブルーの分解率によって評価することができる。
ここで、ブリリアントブルーの分解率が3%以下であれば、酸化亜鉛粒子の光触媒活性が抑制されていることとなるので、酸化亜鉛粒子を覆っている酸化ケイ素被膜の均一性も高いことになる。
一方、ブリリアントブルーの分解率が3%を超えていた場合、酸化亜鉛粒子の光触媒活性が抑制されていないので、酸化亜鉛粒子の表面が酸化ケイ素被膜により部分的に覆われていることとなり、酸化ケイ素被膜の均一性が低いことになる。
[酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の製造方法]
本実施形態の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の製造方法は、表面改質酸化亜鉛を溶媒中に懸濁させて表面改質酸化亜鉛懸濁液とする表面改質酸化亜鉛懸濁液作製工程と、この表面改質酸化亜鉛懸濁液に、アルコキシシラン及び10量体以下のアルコキシシランのオリゴマーのうちいずれか1種または2種以上と、触媒と、水とを添加して反応させる反応工程と、得られた反応物を200℃以上かつ600℃未満の温度にて熱処理する熱処理工程とを有する方法である。
ここで、表面改質酸化亜鉛とは、酸化亜鉛粒子を均一に被覆しやすい、柔軟性を有する酸化ケイ素層で被覆された酸化亜鉛のことである。
柔軟性を有する酸化ケイ素層は、酸化物換算で20質量%以下の酸化アルミニウム、酸化チタン等の金属酸化物を含む、酸化ケイ素と金属酸化物の複合酸化物であってもよい。
ここで用いられる表面改質酸化亜鉛は、次のようにして作製することができる。
ケイ酸アルカリ金属塩水系溶液を用いて、平均粒子径が1nm以上かつ50nm以下の酸化亜鉛粒子の表面に、前記酸化亜鉛粒子に対して酸化ケイ素換算で3質量%以上かつ45質量%以下の酸化ケイ素層を形成して表面改質酸化亜鉛とする。
ここで、ケイ酸アルカリ金属塩水系溶液とは、ケイ酸アルカリ金属塩を水系溶媒に溶解した水系溶液であり、この水系溶媒とは、水を50質量%以上含む溶媒のことである。
水以外の溶媒としては、何等限定されないが、水との相溶性を考慮すると、水溶性の一価アルコールや多価アルコール等の極性溶媒が好ましい。
ケイ酸アルカリ金属塩としては、特に限定するものではないが、オルトケイ酸ナトリウム塩、オルトケイ酸カリウム塩、メタケイ酸ナトリウム塩、メタケイ酸カリウム塩、ケイ酸ソーダの群から選択される1種または2種以上の混合物を用いることができる。
ここでは、まず、酸化亜鉛粒子に対して酸化ケイ素換算で3質量%以上かつ45質量%以下の酸化ケイ素層を生成することができる量のケイ酸アルカリ金属塩水系溶液を調製し、このケイ酸アルカリ金属塩水系溶液に平均粒子径が1nm以上かつ50nm以下の酸化亜鉛粒子を加え、撹拌して酸化亜鉛粒子含有懸濁液とする。
このケイ酸アルカリ金属塩水系溶液にアルミン酸ナトリウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸チタニル等のアルミニウムやチタンの水溶性化合物を共存させると、酸化ケイ素層中に酸化アルミニウム、酸化チタン等を含有させることができる。
次いで、この酸化亜鉛粒子含有懸濁液に塩酸等の酸を添加して、この酸化亜鉛粒子含有懸濁液の水素イオン指数(pH)を6〜9に調整し、静置する。
反応温度は特に限定されないが、酸化ケイ素の析出速度の関係上、40℃以上かつ100℃以下が好ましく、50℃以上かつ70℃以下がより好ましい。
これにより、この懸濁液に含まれる酸化亜鉛粒子の表面に酸化ケイ素が析出し、表面に酸化ケイ素層が形成された表面改質酸化亜鉛となる。
次いで、この懸濁液を固液分離し、得られた固形物を水等の溶媒を用いて洗浄し、さらに、その後の工程のために、水分を取り除く。この水分を取り除く方法としては、特に限定されないが、通常、100℃以上の温度にて乾燥することが好ましい。また、80℃以下の低温にて除去する場合には、減圧乾燥が好ましい。
このように水分を除去されて得られた乾燥物に熱処理工程を加えても良い。
「表面改質酸化亜鉛懸濁液作製工程」
上記の表面改質酸化亜鉛を溶媒中に懸濁させて表面改質酸化亜鉛懸濁液とする工程である。
ここで、表面改質酸化亜鉛を懸濁させる溶媒としては、表面改質酸化亜鉛を懸濁させることのできる溶媒であればよく、特には限定されないが、水の他、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、オクタノール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類;ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類が好適に用いられる。
また、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類も好適に用いられる。
これらの溶媒は、1種のみ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
この表面改質酸化亜鉛懸濁液における表面改質酸化亜鉛の含有率は、好ましくは1質量%以上かつ80質量%以下、より好ましくは20質量%以上かつ70質量%以下、さらに好ましくは30質量%以上かつ60質量%以下である。
ここで、表面改質酸化亜鉛懸濁液における表面改質酸化亜鉛の含有率を1質量%以上かつ80質量%以下とした理由は、表面改質酸化亜鉛の含有率が1質量%未満では、この懸濁液中の表面改質酸化亜鉛の含有量に比べて多量の溶媒を除去する必要があり、コスト高となる虞がある。一方、含有率が80質量%を越えると、懸濁液の粘性が増加(増粘)して表面改質酸化亜鉛の分散安定性が低下し、表面改質酸化亜鉛が沈降し易くなる虞がある。
表面改質酸化亜鉛を溶媒中に懸濁させる方法としては、表面改質酸化亜鉛が凝集状態で酸化ケイ素被膜が被覆されるのを防止するために、公知の懸濁手法を用いて水または有機溶媒に懸濁させる。懸濁手法としては、例えば、ジルコニアビーズ等のメディアを用いたビーズミル、ボールミル、ホモジナイザー、ディスパー、撹拌機等が好適に用いられる。懸濁処理に要する時間としては、表面改質酸化亜鉛が溶媒中に均一に懸濁されるのに十分な時間であればよい。
この場合、必要に応じて分散剤を添加してもよい。
「反応工程」
上記の表面改質酸化亜鉛懸濁液に、アルコキシシラン及び10量体以下のアルコキシシランのオリゴマーのうちいずれか1種または2種以上と、触媒と、水とを添加し、30分以上かつ24時間程度撹拌して反応させる工程である。
ここで、アルコキシシラン及び10量体以下のアルコキシシランのオリゴマーに限定した理由は、酸化ケイ素の縮合度の高い緻密な酸化ケイ素被膜を得るためである。
ここで、アルコキシシランの替わりにケイ酸アルカリ金属塩や、トリアルコキシシランを用いた場合、酸化ケイ素被膜中の酸化ケイ素の縮合度を向上させることが困難で、緻密な酸化ケイ素被膜を得ることができないので、好ましくない。
また、アルコキシシランのオリゴマーを10量体以下のアルコキシシランのオリゴマーに限定した理由は、オリゴマーの鎖長が長くなるとオリゴマー間の距離が開き易くなり、11量体以上では、表面改質酸化亜鉛を被覆した後に熱処理を行っても、被膜中の酸化ケイ素が十分に縮合せず、したがって緻密な酸化ケイ素被膜を得ることができず、所望の溶出抑制効果が得られない虞があるからである。
上記のアルコキシシランとしては、テトラアルコキシシランが好ましく、上記の10量体以下のアルコキシシランのオリゴマーとしては、10量体以下のテトラアルコキシシランのオリゴマーが好ましい。
このテトラアルコキシシランは、下記の一般式(3)
Si(OR) ……(3)
(但し、Rはアルコキシル基(RO基)であり、これら4つのアルコキシル基(RO基)は、すべて同一であってもよく、一部または全部が異なったものであってもよい。)で表される。これらのアルコキシル基の炭素数は、1〜8であることが好ましい。
このようなテトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、テトラsec−ブトキシシラン、テトラt−ブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、モノエトキシトリメトキシシラン、モノブトキシトリメトキシシラン、モノペントキシトリメトキシシラン、モノヘトキシトリメトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、ジメトキシジブトキシシラン等が挙げられる。
これらの中でも、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランは、Siの含有量が多く、溶媒に分散した場合に濃度をコントロールし易いこと、加水分解・縮合反応性が高いことから、好適に用いることができる。
これらのテトラアルコキシシランは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記の10量体以下のテトラアルコキシシランのオリゴマーは、1種または2種以上のテトラアルコキシシランのモノマーに水を添加してある程度加水分解縮合させることにより得ることができる。
このようなテトラアルコキシシランのオリゴマーは、MKCシリケートMS51(三菱化学(株)社製)、メチルシリケート51(平均4量体)、メチルシリケート53A(平均7量体)、エチルシリケート40(平均5量体)、エチルシリケート48(平均10量体)(以上、コールコート社製)等として市販されている。
上記のテトラアルコキシシラン及び10量体以下のテトラアルコキシシランのオリゴマーのうちいずれか1種または2種以上は、酸化ケイ素に換算した場合に、表面改質酸化亜鉛懸濁液中の酸化亜鉛粒子に対して5質量%以上かつ45質量%以下となる様に、添加するのが好ましい。
触媒は、テトラアルコキシシラン及び10量体以下のテトラアルコキシシランのオリゴマーの加水分解または縮重合反応を促進する目的で添加される。このような触媒は公知の酸触媒または塩基性触媒を用いることができる(作花済夫著、「ゾル−ゲル法の科学」、アグネ承風社、9章(p154−p173参照)。
この酸触媒の例としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸;ギ酸、酢酸、シュウ酸、乳酸、酒石酸等の有機酸が挙げられ、なかでも無機酸、特に、塩酸を好適に使用することができる。また、上記の酸触媒は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
この塩基性触媒の例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、ピリジン、ピロール、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピコリン、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルモノエタノールアミン、モノメチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロノナン、ジアザビシクロウンデセン、尿素、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラプロピルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラブチルアンモニウムハイドロオキサイド、ベンジルトリメチルアンモニウムハイドロオキサイド、コリン、等を挙げることができる。
これらの中で、アンモニア、有機アミン類、アンモニウムハイドロオキサイド類を好適に用いることができる。これらの塩基性触媒は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
反応温度は、テトラアルコキシシラン及び10量体以下のテトラアルコキシシランのオリゴマーの加水分解または縮重合反応が速やかに進行する温度であれば、特に制限されないが、好ましくは0℃以上かつ100℃以下、より好ましくは20℃以上かつ80℃以下、さらに好ましくは40℃以上かつ60℃以下である。
水は、テトラアルコキシシラン及び10量体以下のテトラアルコキシシランのオリゴマーのうちいずれか1種または2種以上を加水分解するのに必要な量以上、すなわち加水分解率100%以上となる量を添加すればよい。
これにより、アルコキシシラン及び10量体以下のアルコキシシランのオリゴマーのうちいずれか1種または2種以上の加水分解反応が進行すると共に縮合反応も進行した反応液が得られる。
上記の反応液を、常圧濾過、減圧濾過、加圧濾過、遠心分離等により固液分離することにより固形状の反応物が得られる。
「熱処理工程」
上記の反応物を200℃以上かつ600℃未満の温度にて熱処理する工程である。
反応物の熱処理は、酸化ケイ素被膜の緻密化を促進するためには、250℃以上かつ600℃未満がより好ましく、300℃以上かつ500℃以下がさらに好ましい。
ここで、熱処理温度を200℃以上かつ600℃未満に限定した理由は、200℃未満では、十分に縮合した緻密な酸化ケイ素被膜が得られず、その結果、酸化亜鉛粒子から亜鉛イオンが溶出するのを抑制する効果が十分に得られない虞があるからである。一方、600℃以上では、酸化ケイ素被膜が形成された酸化ケイ素被覆酸化亜鉛同士が結合して粗大粒子となったり、酸化亜鉛が粒成長したりする結果、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を配合した化粧料を使用した場合に、可視光領域で十分な透明性が得られない虞があるからである。
このようにして得られた酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の表面をシリコーン樹脂にて表面処理する場合、熱処理工程後の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛と、シリコーン樹脂とを直接混合する方法(乾式処理法)や、熱処理工程後の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を、シリコーン樹脂を含有する溶媒に分散させ、次いで溶媒を除去し、次いで、加熱処理を行う方法(湿式処理法)等、公知の方法を用いることができる。
熱処理工程後の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛は、シリコーン樹脂を含有する溶媒に分散させる場合に、溶媒中に10質量%以上かつ40質量%以下となるように混合するのが好ましく、25質量%以上かつ35質量%以下がより好ましい。この範囲で混合することで、生産効率を向上させることができる。
加熱処理は100℃以上かつ300℃以下で行うのが好ましい。この範囲で加熱処理を行うことより、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の表面をシリコーン樹脂にて表面処理し、かつ、シリコーン樹脂の熱分解及び酸化亜鉛の結晶成長を抑制することができる。
以上により、本実施形態の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を作製することができる。
[酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物]
本実施形態の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物は、上記の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛と、溶媒と、を含有している。
この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の平均粒子径は、5nm以上かつ500nm以下であることが好ましく、より好ましくは10nm以上かつ300nm以下、さらに好ましくは20nm以上かつ100nm以下である。
ここで、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の平均粒子径を上記の範囲に限定した理由は、平均粒子径が5nm未満では、粒子径が小さすぎるために、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の表面エネルギーが高く、したがって、互いに凝集し易く、所望の形状及びサイズを維持することが困難になるからであり、一方、平均粒子径が500nmを超えると、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛自体の透明性が低下し易くなり、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を化粧料等に用いた場合に、可視光線領域の透明性を損なう虞や、きしみ等が生じて使用感が悪化する虞があるからである。
この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物中の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の平均分散粒径は、10nm以上かつ1μm以下であることが好ましく、より好ましくは20nm以上かつ800nm以下、さらに好ましくは25nm以上かつ500nm以下である。
この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物における酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の含有率は、所望の紫外線遮蔽性能を得るために適宜調整すればよく、特に制限されるものではないが、好ましくは1質量%以上かつ80質量%以下、より好ましくは20質量%以上かつ70質量%以下、さらに好ましくは30質量%以上かつ60質量%以下である。
ここで、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の含有率を1質量%以上かつ80質量%以下とした理由は、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の含有率が1質量%未満では、この組成物が十分な紫外線遮蔽機能を示すことができなくなる虞があり、したがって、この組成物を化粧料等に配合する際に、所望の紫外線遮蔽機能を示すためには大量の組成物を添加する必要があり、製造コストが高くなる虞があるので好ましくない。一方、含有率が80質量%を越えると、組成物の粘性が増加して酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の分散安定性が低下し、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛が沈降し易くなる虞があるので好ましくない。
上記の溶媒としては、上記の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を分散させることができる溶媒であればよく、特に限定されないが、例えば、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、オクタノール、グリセリン等のアルコール類;
酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類;
ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類;
が好適に用いられる。
また、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素;
シクロヘキサン等の環状炭化水素;
ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;
ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン類;
も好適に用いられる。
また、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン類;
アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン類;
も好適に用いられる。
これらの溶媒は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本実施形態の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物は、その特性を損なわない範囲において分散剤、安定剤、水溶性バインダー、増粘剤等、一般的に用いられる添加剤を含んでいてもよい。
分散剤としては、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、オルガノアルコキシシランやオルガノクロロシラン等のシランカップリング剤、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン等の変性シリコーンが好適に用いられる。これらの分散剤の種類や量は複合粒子の粒子径や目的とする分散媒の種類により適宜選択すればよく、上記分散剤のうち1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
水溶性バインダーとしては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシセルロース、ポリアクリル酸等を用いることができる。
増粘剤としては、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物を化粧料に適用する場合には、化粧料に使用される増粘剤であればよく、特に限定されない。例えば、ゼラチン、カゼイン、コラーゲン、ヒアルロン酸、アルブミン、デンプン等の天然の水溶性高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の半合成高分子、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボマー(カルボキシビニルポリマー)、ポリアクリル酸塩、ポリエチレンオキシド等の合成高分子、ベントナイト、ラポナイト、ヘクトライト等の無機鉱物等が好適に用いられる。これらの増粘剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの増粘剤の中でも、好ましくは合成高分子であり、より好ましくはカルボマーである。
ここで、増粘剤としてカルボマーを用いる場合、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物におけるカルボマーの含有率は、0.01質量%以上かつ10質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以上かつ3質量%以下がより好ましい。
この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物におけるカルボマーの含有率が0.01質量%未満であると、増粘効果が得られない虞があるからであり、一方、カルボマーの含有率が10質量%を超えると、粘度が高くなり過ぎてしまい、使用上の観点から好ましくない。
また、増粘剤としてカルボマーを用いる場合の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物における水素イオン指数(pH)は5以上かつ10以下が好ましく、6以上かつ9以下がより好ましく、7以上かつ9以下がさらに好ましい。この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物におけるpHを上記の範囲内とすることにより、粘度等の経時変化を抑制することができる。
なお、上記のカルボマー(カルボキシビニルポリマー)は、水系の化粧料の増粘剤として広く用いられているが、カルボキシル基間やカルボキシレート基間の相互作用を利用して増粘(ゲル化)するので、亜鉛イオンが存在するとカルボマーのネットワーク構造が破壊されてしまい、粘性を一定に保つことができない。よって、粘度調整したカルボマー水溶液に酸化亜鉛を数質量%混合すると、数時間のうちに低粘度化が進行することとなる。また、無機酸化物や樹脂で被覆して表面活性を抑制した酸化亜鉛を用いた場合においても、多くの場合、数時間から数日のうちに低粘度化または分相が進行する。よって、カルボマーと酸化亜鉛を併用する場合、これらを含む混合物の粘度低下を抑制または低減することが問題点となる。
また、従来の無機酸化物や樹脂で被覆して表面活性を抑制した酸化亜鉛を用いてカルボマー水溶液の粘度低下を抑制した場合、初期の粘度低下よりも、一定時間経過した後の粘度低下がしばしば大きな問題点となる。
初期の粘度低下は、カルボマー水溶液の粘度を予め高めに調整すること等で対応することができるが、一定時間経過した後の中長期にて粘度が変化すると、流通段階で化粧料の性状が変化し、経時安定性を損なうこととなる。特に、無機酸化物や樹脂で表面処理を施した酸化亜鉛は、一定の溶出抑制効果を有していることから、中長期に亘って徐々に亜鉛イオンを溶出する虞があった。
また、従来、カルボマーを含む組成物の粘度変化に関する報告例は少なく、また、報告例があったとしても、室温にて7日程度の経時による粘度変化までしか抑制が確認されていなかった。
本実施形態の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物は、従来の無機酸化物や樹脂で被覆された酸化亜鉛と比べて、さらに亜鉛溶出抑制効果の高い酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を用いているので、増粘剤としてカルボマーを用いたとしても、経時による粘度の低下が小さく、品質安定性に優れた組成物を得ることができる。
本実施形態の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物は、促進条件下、例えば40℃にて保管した場合の300時間後の粘度を、初期粘度低下後の粘度、例えば15時間後の粘度にて割った値が0.8以上かつ1.2以下であることが好ましい。
このように、促進条件下300時間後の粘度を初期粘度低下後の粘度にて割った値を上記範囲内とすることにより、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物の粘度を中長期に亘って維持することができる。
本実施形態の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物における酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の含有率を15質量%とし、この組成物を厚み32μmの塗膜とした場合に、波長450nmの光に対する透過率は、50%以上が好ましく、60%以上がより好ましく、70%以上がさらに好ましい。
この透過率は、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を15質量%含有する酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物を、石英基板上にバーコーターにて塗布して、厚みが32μmの塗膜を形成し、この塗膜の分光透過率をSPFアナライザー UV−1000S(Labsphere社製)にて測定することにより求めることができる。
本実施形態の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物の製造方法は、上記の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を上記の溶媒中に分散させることができればよく、特に限定されない。
このような分散方法としては、公知の分散方法を用いることができる。例えば、攪拌機の他、ジルコニアビーズを用いたビーズミル、ボールミル、ホモジナイザー、超音波分散機、混練機、三本ロールミル、自転・公転ミキサー等が好適に用いられる。
分散処理に要する時間としては、上記の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を上記の溶媒中に均一に分散されるのに十分な時間であればよい。
次に、本実施形態の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物の具体例として、(1)酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を非水溶性分散媒であるシリコーン樹脂中に分散させた酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有シリコーン樹脂系組成物、(2)酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を水中に分散させた酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有水系組成物、それぞれについて説明する。
「酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有シリコーン樹脂系組成物」
この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有シリコーン樹脂系組成物は、上記の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛をシリコーン樹脂中に分散してなるシリコーン樹脂系組成物であり、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の含有率を1質量%以上かつ80質量%以下、より好ましくは20質量%以上かつ70質量%以下、さらに好ましくは30質量%以上かつ60質量%以下としたシリコーン樹脂系組成物である。
この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有シリコーン系樹脂組成物中の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の平均分散粒径は、10nm以上かつ1μm以下が好ましく、20nm以上かつ800nm以下がより好ましく、25nm以上かつ500nm以下がさらに好ましい。
本実施形態においては、シリコーンで表面処理された酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を用いるのがより好ましい。
シリコーン樹脂としては、化粧料に用いられるものであればよく、特に限定されず、例えば、環状シリコーン樹脂や直鎖状シリコーン樹脂等を用いることができる。
このようなシリコーン樹脂としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状シロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルペンタシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンポリシロキサン等の環状シロキサン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン等の変性シリコーン、メチルトリメチコン等が挙げられる。
これらのシリコーン樹脂は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有シリコーン樹脂系組成物は、分散剤を含有していてもよい。
この分散剤としては、例えば、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、フェニル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、ジメチルシリコーン等の変性シリコーン、
陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤等の界面活性剤、
オルガノアルコキシシラン、オルガノクロロシラン等のシランカップリング剤、
等を挙げることができる。
これらの分散剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
この分散剤の添加量は、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有シリコーン樹脂系組成物中の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の質量に対して、1質量%以上かつ50質量%以下の範囲であることが好ましい。
分散剤の添加量を上記の範囲内で調整することにより、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有シリコーン樹脂系組成物を単独で用いた場合においても、また、化粧料に直接混合した場合においても、肌に塗り広げて塗布した場合に透明性を十分に確保することができる。
また、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有シリコーン樹脂系組成物に、その特性を損なわない範囲で、さらに天然オイル、保湿剤、増粘剤、香料、防腐剤等を混合させてもよい。
この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有シリコーン樹脂組成物は、これを油相として、水性成分と乳化させて、乳化組成物としてもよい。
油相には、高級アルコール及び高級脂肪酸の少なくとも一方が含有されることが好ましく、双方が含有されることがより好ましい。これらの成分が油相に含有されることで、ハリ感、保湿感が向上し、かつこれらの効果の持続性が向上する。
高級アルコールとしては、化粧料として使用されるものであればよく、特に限定されない。例えば、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、コレステロール、フィトステロール等が好適に用いられる。これらは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
高級脂肪酸としては、炭素数12〜24の飽和または不飽和の脂肪酸を用いることが好ましく、例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、リノール酸、アラキドン酸等が好適に用いられる。これらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
この油相には、必要に応じて油溶性防腐剤、紫外線吸収剤、油溶性薬剤、油溶性色素類、油溶性蛋白質類、植物油、動物油等を適宜混合してもよい。
この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有シリコーン樹脂系組成物の製造方法としては、上記の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を上記のシリコーン樹脂中に分散させることができればよく、特に限定されない。
このような分散方法としては、公知の分散装置を用いることができる。このような分散装置としては、例えば、攪拌機、ビーズミル、ボールミル、ホモジナイザー、超音波分散機、混練機、三本ロールミル、自転・公転ミキサー等が好適に用いられる。
分散処理に要する時間としては、上記の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛が上記のシリコーン樹脂中に均一に分散されるのに十分な時間であればよい。
「酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有水系組成物」
この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有水系組成物は、上記の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛をアルコール類を含む水系分散媒中に分散してなる水系組成物であり、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の含有率を1質量%以上かつ80質量%以下、より好ましくは20質量%以上かつ70質量%以下、さらに好ましくは30質量%以上かつ60質量%以下含有するとともに、アルコール類を含む水系分散媒を5質量%以上かつ20質量%以下含有してなる水系組成物である。
この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有水系組成物中の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の平均分散粒径は、10nm以上かつ1μm以下が好ましく、20nm以上かつ800nm以下がより好ましく、25nm以上かつ500nm以下がさらに好ましい。
ここで、アルコール類を含む水系分散媒とは、アルコール類と水とを含む分散媒であり、アルコール類としては、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、オクタノール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール等の炭素数1〜6の一価アルコールまたは多価アルコールが挙げられる。これらの中でも一価アルコール、特にエタノールが好ましい。
この水系組成物が上記の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛とアルコール類を含む水系分散媒とにより構成されている場合、アルコール類の含有率は、5質量%以上かつ20質量%以下が好ましく、より好ましくは10質量%以上かつ20質量%以下である。
特に、アルコール類の含有率を10質量%以上かつ20質量%以下とした場合には、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の水系組成物における分散性及び経時安定性を向上させることができるので好ましい。
この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有水系組成物では、さらに、水溶性高分子を0.001質量%以上かつ10質量%以下、より好ましくは0.005質量%以上かつ5質量%以下、さらに好ましくは0.01質量%以上かつ3質量%以下含有してなることとしてもよい。この場合、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛、アルコール類を含む水系分散媒及び水溶性高分子各々の含有率の合計が100質量%を超えないように、各成分の含有率を調整する必要がある。
この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有水系組成物を化粧料に適用する場合、この水系組成物に含まれる水溶性高分子としては、化粧料の用途として使用できるものであればよく、特に限定されないが、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、カゼイン、カラギーナン、ガラクタン、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルデンプン、寒天、キサンタンガム、クインスシード、グアーガム、コラーゲン、ゼラチン、セルロース、デキストラン、デキストリン、トラガカントガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒアルロン酸ナトリウムペクチン、プルラン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。これらの水溶性高分子は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
この水溶性高分子は、分散剤及び粘度調整剤としての役割を有するとともに、水系組成物に添加することによって酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の水系組成物中における分散性及び経時安定性も向上する。
この水系組成物が水溶性高分子を含む場合のアルコール類の含有率は、5質量%以上かつ20質量%以下が好ましく、より好ましくは15質量%以上かつ20質量%以下である。
ここで、水系組成物が水溶性高分子を含む場合のアルコール類の含有率を5質量%以上かつ20質量%以下とした理由は、含有率が5質量%未満では、アルコール類の含有量が少なすぎてしまうために、水溶性高分子がアルコール類に均一に浸潤できずに水分にて不均一に膨潤することとなり、その結果、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の分散性が低下して取扱いが困難となり、さらには水系組成物の経時安定性が低下するので、好ましくない。
また、含有率が20質量%を超えると、水系組成物全体の粘性が高くなり、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の分散安定性が低下するとともに、水系組成物の経時安定性も低下するので、好ましくない。
この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有水系組成物は、アルコール類を含む水系分散媒、またはアルコール類及び水溶性高分子を含む水系分散媒に、上記の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を混合し、次いで、水を混合して分散させることにより、得ることができる。水の量は適宜調整すればよいが、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の分散安定性及び経時安定性を考慮すると、15質量%以上かつ94質量%以下の範囲が好ましい。
水の量を上記範囲で調整することにより、単独で用いても、あるいは化粧料に混合しても、肌に塗り広げて塗布した場合に透明性を十分に確保することができる酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有水系組成物が得られる。
この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有水系組成物を水相として、油相と混合した乳化系組成物としてもよい。
[化粧料]
本実施形態の化粧料は、上記の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛及び上記の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物のうちいずれか一方または双方を基剤中に含有している。
この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を紫外線遮蔽用途で用いる場合には、上記の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の平均粒子径は50nm以上かつ500nm以下のものを用いるのが好ましい。
また、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物を紫外線遮蔽用途で用いる場合においても、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物に含まれる酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の平均粒子径は50nm以上かつ500nm以下のものを用いるのが好ましい。
この化粧料中の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の平均分散粒径は、10nm以上かつ1μm以下が好ましく、20nm以上かつ800nm以下がより好ましく、25nm以上かつ500nm以下がさらに好ましい。
上記の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛及び上記の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物のうちいずれか一方または双方を用いた化粧料に含まれる酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の含有率は適宜調整すればよいが、化粧料全体の質量に対して1質量%以上かつ60質量%以下含有していることが好ましい。酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を上記の範囲内で含有することにより、透明感を十分に確保することができ、しかも、ざらつき感等が無く、使用感に優れた化粧料を得ることができる。
本実施形態の化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲内において、有機系紫外線遮蔽剤、無機系紫外線遮蔽剤、美白剤等、化粧料に一般的に用いられる添加剤等を含有していてもよい。
この有機系紫外線遮蔽剤としては、例えば、アントラニラート類、ケイ皮酸誘導体、サリチル酸誘導体、ショウノウ誘導体、ベンゾフェノン誘導体、β,β'-ジフェニルアクリラート誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、ベンザルマロナート誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、イミダゾリン類、ビスベンゾアゾリル誘導体、p−アミノ安息香酸(PABA)誘導体、メチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)誘導体等が挙げられ、これらの群から選択される1種または2種以上を選択して用いることができる。
また、無機系紫外線遮蔽剤としては、酸化亜鉛以外の酸化物、例えば、酸化チタン、酸化セリウム等が挙げられ、これらの群から1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。
この化粧料は、上記の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛及び上記の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物のうちいずれか一方または双方を、乳液、クリーム、ファンデーション、口紅、頬紅、アイシャドー等の基剤中に従来どおりに配合することにより得ることができる。
さらに、従来では処方が困難であった化粧水や日焼け止めジェル等の水系化粧料に、上記の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛及び上記の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物のうちいずれか一方または双方を配合することにより、紫外線遮蔽能、透明感及び使用感に優れた水系化粧料を得ることができる。
さらにまた、この化粧料を化粧品の成分として用いることにより、紫外線遮蔽能、透明感及び使用感に優れたスキンケア化粧品、メイクアップ化粧品、ボディケア化粧品等の各種化粧品を提供することが可能である。特に、紫外線遮蔽能が必要とされるボディケア化粧品のサンスクリーン等に好適である。
以上説明したように、本実施形態の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛によれば、酸化亜鉛粒子の表面を緻密な酸化ケイ素被膜により被覆し、この酸化亜鉛粒子の平均粒子径を1nm以上かつ50nm以下とし、さらに、酸化ケイ素被膜中のケイ素のQ環境における存在比をQ、Q環境における存在比をQとしたとき、Q+Q≧0.6かつQ/(Q+Q)≧0.5とし、この酸化亜鉛粒子の光触媒活性によって生じるブリリアントブルーの分解率を3%以下としたので、酸化亜鉛粒子の表面を緻密な酸化ケイ素被膜で均一に覆うこととなり、よって、この酸化亜鉛粒子から亜鉛イオンが外方へ溶出するのを抑制することができる。したがって、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を化粧料に適用した場合に、亜鉛イオンの溶出による化粧料としての性能の低下、変色、粘度の増減等を抑制することができる。
本実施形態の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の製造方法によれば、ケイ酸アルカリ金属塩水系溶液を用いて、平均粒子径が1nm以上かつ50nm以下の酸化亜鉛粒子の表面に、前記酸化亜鉛粒子に対して酸化ケイ素換算で3質量%以上かつ45質量%以下の酸化ケイ素層を形成して表面改質酸化亜鉛とし、次いで、この表面改質酸化亜鉛を溶媒中に懸濁させて表面改質酸化亜鉛懸濁液とし、次いで、この表面改質酸化亜鉛懸濁液に、アルコキシシラン及び10量体以下のアルコキシシランのオリゴマーのうちいずれか1種または2種以上と、触媒と、水とを添加して反応させ、次いで、得られた反応物を200℃以上かつ600℃未満の温度にて熱処理するので、酸化亜鉛粒子の表面を緻密な酸化ケイ素被膜で均一に覆うことができる。したがって、酸化亜鉛粒子からの亜鉛イオンの溶出を抑制することができる酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を作製することができる。
本実施形態の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物によれば、本実施形態の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛と溶媒とを含有したので、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛に含まれる亜鉛元素が亜鉛イオンとして外方へ溶出するのを抑制することができる。したがって、亜鉛イオンの溶出による組成物としての性能の低下、変色、粘度の増減等を抑制することができる。
この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物は、亜鉛イオンの溶出が抑制されているので、水系分散体、水中油型(O/W型)分散体、油中水型(W/O)分散体、多層型(W/O/W型またはO/W/O)分散体等の化粧料、特にサンスクリーンに好適に用いることができる。また、ポリエステルやポリアミド等の樹脂フィルムに適用した場合には、樹脂フィルムの紫外線遮蔽剤としても好適に用いることができる。
さらに、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物は、カルボマーまたはカルボマー水溶液と混合することができるので、使用感に優れた水溶性組成物または非水溶性組成物を提供することができる。
本実施形態の化粧料によれば、本実施形態の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛及び本実施形態の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物のうちいずれか一方または双方を基剤中に含有したので、亜鉛イオンが外方へ溶出するのを抑制することができる。したがって、亜鉛イオンの溶出による化粧料としての性能の低下、変色、粘度の増減等を抑制することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
ここでは、(1)酸化ケイ素被覆酸化亜鉛、(2)酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物、それぞれについて、実施例及び比較例により説明する。
A.酸化ケイ素被覆酸化亜鉛
[実施例1]
酸化亜鉛粒子(平均粒子径35nm;住友大阪セメント製)と水を混合し、次いで超音波分散し、酸化亜鉛の含有率が20質量%の酸化亜鉛水系懸濁液を調整した。
次いで、この酸化亜鉛水系懸濁液を、この酸化亜鉛水系懸濁液中の酸化亜鉛粒子の質量に対して酸化ケイ素換算で5質量%のケイ酸ソーダ水溶液に加え、強く撹拌し、懸濁液とした。
次いで、この懸濁液を60℃に加温した後、この懸濁液に希塩酸を徐々に添加し、pHが6.5〜7となるように調整した。その後、2時間静置し、この懸濁液を固液分離し、得られた固形物を水にて洗浄した。この固形物を150℃にて乾燥し、さらに500℃にて熱処理(焼成)を行い、表面改質酸化亜鉛Aを作製した。
次いで、表面改質酸化亜鉛Aとメタノールを混合し、次いで超音波分散し、表面改質酸化亜鉛Aの含有率が10質量%の表面改質酸化亜鉛Aメタノール懸濁液を調整した。
次いで、この表面改質酸化亜鉛Aメタノール懸濁液に、この表面改質酸化亜鉛Aメタノール懸濁液中の酸化亜鉛に対して酸化ケイ素に換算して20質量%となるようにメチルシリケート51(コルコート社製)とメタノールと水とを混合した。次いで、この混合液に1Nの塩酸を加えた。この混合液中の表面改質酸化亜鉛Aの含有率は5質量%、メチルシリケート51と純水と塩酸のモル比は1:10:0.1であった。
次いで、この混合液を加温して60℃とし、この温度にて3時間保持し、反応させた。
反応後、遠心分離により固液分離を行い、得られた固形状の反応物を120℃にて乾燥し、生成物Aを得た。
次いで、この生成物Aを、500℃にて2時間、熱処理し、実施例1の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛Aを得た。
[実施例2]
酸化亜鉛粒子(平均粒子径35nm;住友大阪セメント製)を、酸化亜鉛粒子(平均粒子径25nm;住友大阪セメント製)に替えた以外は、実施例1に準じて、実施例2の表面改質酸化亜鉛Bを作製した。
次いで、表面改質酸化亜鉛Bと2−プロパノールを混合し、次いで超音波分散し、表面改質酸化亜鉛Bの含有率が10質量%の表面改質酸化亜鉛B2−プロパノール懸濁液を調整した。
次いで、この表面改質酸化亜鉛B2−プロパノール懸濁液を60℃に加温し、撹拌しながら、アンモニア水と水とを添加し、pHが10〜11となるように調整した。さらに、テトラメトキシシラン2−プロパノール溶液をゆっくり滴下し、6時間撹拌を継続した。
このテトラメトキシシランの滴下量は、酸化ケイ素換算で酸化亜鉛に対して15質量%であった。また、水はテトラメトキシシランの120質量%であった。
反応後、遠心分離により固液分離を行い、得られた固形状の反応物を120℃にて乾燥し、生成物Bを得た。
次いで、この生成物Bを、500℃にて2時間、熱処理し、実施例2の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛Bを得た。
[実施例3]
ケイ酸ソーダ水溶液を、酸化ケイ素換算で5質量%から20質量%に替えた以外は、実施例2に準じて、実施例3の表面改質酸化亜鉛Cを作製した。
次いで、この表面改質酸化亜鉛Cを用いて、実施例2に準じて、実施例3の生成物C及び酸化ケイ素被覆酸化亜鉛Cを得た。
[実施例4]
表面改質酸化亜鉛Aを用いる替わりに、表面改質酸化亜鉛としてSIH20−ZnO350(平均粒子径35nm、SiO/ZnO=17質量%;住友大阪セメント製)を用いた他は、実施例2に準じて、実施例4の生成物D及び酸化ケイ素被覆酸化亜鉛Dを得た。
[比較例1]
実施例1に準じて作製した熱処理を行っていない生成物Aを、比較例1の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛とした。
[比較例2]
酸化亜鉛粒子(平均粒子径25nm;住友大阪セメント製)と水を混合し、次いで超音波分散し、酸化亜鉛の含有率が10質量%の酸化亜鉛水系懸濁液を調整した。
次いで、この酸化亜鉛水系懸濁液に、この酸化亜鉛水系懸濁液中の酸化亜鉛に対して酸化ケイ素に換算して30質量%となるようにケイ酸ソーダ水溶液を加え、強く撹拌した。
さらに、この懸濁液に希塩酸を徐々に添加し、pHが6.5〜7.0に達した時点で添加を停止し、2時間静置した。すると酸化亜鉛粒子の表面には、ケイ素の酸化物が徐々に析出し、被膜が形成された。この懸濁液を濾過し、得られた固形物を水洗した後、乾燥器を用いて105℃にて12時間、加熱乾燥し、比較例2の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を得た。
[比較例3]
比較例2に準じて得られた酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を、500℃にて2時間、熱処理し、比較例3の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を得た。
[比較例4]
酸化亜鉛粒子(平均粒子径25nm;住友大阪セメント製)200gに水を加えて高速分散機により攪拌混合し、酸化亜鉛粒子の含有率が10質量%の酸化亜鉛スラリーを調整した。
この酸化亜鉛スラリーを室温(25℃)下で攪拌しながら、酸化ケイ素換算で20質量%のケイ酸ソーダ水溶液を30g(酸化亜鉛粒子に対し酸化ケイ素として3質量%)添加した。ケイ酸ソーダ水溶液が添加される間、スラリーのpHが7〜8の間に保持されるように塩酸を添加した。その後、15分間熟成した。
熟成後のスラリーを濾過し、得られた固形物を水洗し、酸化亜鉛を50質量%含有するケーキ状の固形物412gを得た。
このケーキ状の固形物を乾燥することなく、2−プロパノール1000gを加えて攪拌、混合し、スラリー化した。さらに、このスラリーに脱イオン水200gとアンモニアを28質量%含むアンモニア水10gを加え、さらに攪拌、混合し、pHを10〜11に調整した。
このようにして得られたスラリーを、連続式ビーズミルUAM−015(寿産業社製)にて攪拌しながら、メチルシリケート51(コールコート社製)86.3gと2−プロパノール42.5gとを混合した混合液を、6時間かけて徐々に添加した。
得られたスラリーを減圧乾燥器を用いて加熱、減圧し、水及び2−プロパノールを留去した。その後、さらに150℃まで加熱し、その温度にて2時間保持してキュアリングを行い、比較例4の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を得た。
[比較例5]
酸化亜鉛粒子(平均粒子径25nm;住友大阪セメント製)とメタノールを混合し、次いで超音波分散し、酸化亜鉛の含有率が12.5質量%の酸化亜鉛メタノール懸濁液を調整した。
次いで、この酸化亜鉛メタノール懸濁液に、この酸化亜鉛メタノール懸濁液中の酸化亜鉛粒子の質量に対して酸化ケイ素換算で20質量%のメチルシリケート51(コルコート社製)とメタノールと水との混合液を加え、次いで、1Nの塩酸を加え、次いで、加温して60℃とし、この温度にて3時間保持し、反応させた。
この反応液中の酸化亜鉛の含有率は5質量%、メチルシリケートと純水と塩酸のモル比は1:10:0.1であった。
反応後、遠心分離により固液分離を行い、得られた固形状の反応物を120℃にて乾燥し、生成物を得た。
次いで、この固形状の乾燥物を500℃にて2時間熱処理(焼成)を行い、比較例5の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を得た。
[評価]
実施例1〜4及び比較例1〜5各々の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の評価を行った。評価項目は次のとおりである。
(1)平均粒子径
酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察して200個を選び出し、これら酸化亜鉛各々の最長の直線部分(最大長径)を測定し、これらの測定値を加重平均して算出した。
この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の透過型電子顕微鏡(TEM)像の一例として、実施例3の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の透過型電子顕微鏡(TEM)像を図1に示す。
(2)赤外分光(IR)
酸化ケイ素被覆酸化亜鉛のIR評価を、JASCO FT/IR−670Plus(日本分光製)を用い、KBr法にて行った。ここでは、1000〜1200cm−1と、400〜600cm−1にSi−O−Si伸縮由来の吸収帯と酸化亜鉛由来の吸収帯がそれぞれ観測されたものを「○」とし、これらの吸収帯のうちいずれか一方または双方が観測されなかったものを「×」とした。
(3)酸化ケイ素の縮合度
酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を、固体29Si MAS−核磁気共鳴(NMR)分光法によりNMRスペクトルを測定し、このNMRスペクトルのピーク面積比からQ、Q、Q、Q、Qそれぞれの環境に帰属されるシグナルの面積比Q、Q、Q、Q、Qを算出した。
この酸化ケイ素被膜中のケイ素のQ環境における存在比をQ、Q環境における存在比をQとしたときのQ+Qの値と、Q/(Q+Q)の値を算出した。
このNMRスペクトルの一例として、実施例3の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛のNMRスペクトルを図2に示す。
この図2では、添字が不明瞭になるのを避けるために、実際のNMRスペクトル測定データQを「Qd」と表示し、この測定データQにフィットするように波形分離を行ったQ、Q、Qを「Q2」、「Q3」、「Q4」と表示し、波形分離されたNMRスペクトルQ、Q、Qを合計したNMRスペクトルQを「Qt」と表示した。
この図2によれば、このNMRスペクトルQtは、実際の測定データQdとよく一致していた。
(4)亜鉛溶出率
酸化ケイ素被覆酸化亜鉛をpH=5の緩衝液に0.05質量%となるように分散し、1時間撹拌した後、固液分離を行い、液相の亜鉛濃度をICP発光分析装置にて測定した。
そして、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛中の亜鉛含有量(mol)のうち上記の液相に溶出した亜鉛イオン(mol)の比率を亜鉛溶出率(%)とした。
pH=5の緩衝液は、0.1Mフタル酸水素カリウム水溶液500mlと0.1M水酸化ナトリウム水溶液226mlを混合した後、水を加えて全体量を1000mlとすることにより作製した。
(5)ブリリアントブルーの分解率
ブリリアントブルーの含有率を5ppmに調整したブリリアントブルー水溶液を作製し、このブリリアントブルー水溶液15gに、酸化亜鉛換算で0.15gの酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を投入し、超音波分散して懸濁液を調整し、この懸濁液に紫外線ランプ(中心波長:254nm)を照射距離10cmにて6時間照射し、その後、上澄み液を採取した。
次いで、原子吸光光度法により、上記のブリリアントブルー水溶液及び上澄み液それぞれの吸光光度スペクトルを測定し、これらの測定値を用いて上述した式(1)によりブリリアントブルーの分解率Dを算出した。
実施例1〜4及び比較例1〜5各々の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の材料組成等及び評価結果を表1及び表2に示す。
また、実施例1で用いた酸化亜鉛粒子(平均粒子径35nm;住友大阪セメント製)の亜鉛溶出率とブリリアントブルーの分解率の測定結果を、比較例6として、表1及び表2に示す。
表1及び表2によれば、実施例1〜4の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛は、比較例1〜5の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛と比べて、酸化ケイ素の縮合度を示すQ+Q値及びQ/(Q+Q)値が高く、亜鉛溶出率及びブリリアントブルーの分解率が低く、酸化亜鉛粒子の表面に緻密かつ均一な酸化ケイ素被膜が形成されていることが確認された。
B.酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物
[実施例5]
カルボマー Ultrez10(日光ケミカルズ社製)1.5gを純水に溶解し、次いで、10質量%水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHを調整し、カルボマーを1.5質量%含有しpHが7.5のカルボマー水溶液を作製した。
次いで、このカルボマー水溶液と、実施例3と同様にして得られた酸化ケイ素被覆酸化亜鉛Cを、95:5の質量比で混合した後、撹拌して、実施例5の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物を得た。
この組成物の粘度を、粘度計 BII型粘度計(東機産業社製)を用いて、20℃、30rpmの条件下で測定した結果、10.4Pa・sであった。
この組成物から所定量を採取し、この採取した試料を恒温槽を用いて40℃に保持し、所定の時間毎に20℃、30rpmの条件下で粘度を測定した。この粘度の結果を図3に示す。
[比較例7]
実施例3と同様にして得られた酸化ケイ素被覆酸化亜鉛Cを用いる替わりに、酸化亜鉛粒子(平均粒子径35nm;住友大阪セメント製)を用いた以外は実施例5と同様にして、比較例7の酸化亜鉛含有組成物を得た。
この組成物の粘度を、実施例5と同様にして測定した結果、2.4Pa・sであった。
[比較例8]
酸化亜鉛粒子(平均粒子径25nm;住友大阪セメント製)300gに水5700gを加えて高速分散機により攪拌混合し、酸化亜鉛粒子の含有率が5質量%の酸化亜鉛スラリーを調整した。
この酸化亜鉛スラリーを攪拌しながら80℃に加温したのち、酸化ケイ素換算で20質量%のケイ酸ソーダ水溶液を7.5g(酸化亜鉛粒子に対し酸化ケイ素として10質量%)を添加した。このケイ酸ソーダ水溶液が添加される間、スラリーのpHが6〜7の間に保持されるように塩酸を適宜添加した。その後、15分間熟成した。
次いで、このスラリーを撹拌しながら、酸化亜鉛粒子の全質量に対して酸化アルミニウム(Al)換算で5質量%のアルミン酸ナトリウムの水溶液(10質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液)を加え、10分間熟成した後、塩酸を加えてpHを7に調整した。
その後、30分間熟成し、得られた懸濁液を濾過、水洗し、130℃にて12時間乾燥した後、ジェットミルを用いて粉砕し、酸化亜鉛粒子の表面が酸化ケイ素及び酸化アルミニウムにて被覆された比較例8の表面被覆酸化亜鉛粒子を得た。
この表面被覆酸化亜鉛粒子の亜鉛溶出率を実施例1と同様にして測定した結果、97%であった。
次いで、実施例3と同様にして得られた酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を用いる替わりに、上記の表面被覆酸化亜鉛粒子を用いた以外は実施例5と同様にして、比較例8の表面被覆酸化亜鉛含有組成物を得た。
この組成物の粘度を、実施例5と同様にして測定した結果、2.5Pa・sであった。
[比較例9]
カルボマー Ultrez10(日光ケミカルズ社製)1.5gを純水に溶解し、次いで、10質量%水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHを調整し、カルボマーを1.5質量%含有しpHが7.5のカルボマー水溶液を作製した。
次いで、このカルボマー水溶液と、純水を、95:5の質量比で混合した後、撹拌して、比較例9のカルボマー水溶液を得た。
次いで、このカルボマー水溶液の粘度を、実施例5と同様にして測定した結果、9.5Pa・sであった。
このカルボマー水溶液から所定量を採取し、この採取した試料を恒温槽を用いて40℃に保持し、所定の時間毎に20℃、30rpmの条件下で粘度を測定した。この粘度の結果を図3に示す。
以上の結果によれば、実施例5の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物は、亜鉛溶出率が十分に抑制されており、この組成物が作製されてから15時間程度までは粘度が低下するものの、その後の粘度は一定であり、粘度の低下が抑制されることが確認された。
また、経時変化により、最初は少し粘度が低くなるが、一定時間以上経過すると、それ以降の粘度低下が抑制されることが確認された。
一方、比較例7の組成物は、配合した酸化亜鉛の亜鉛溶出率が高く、しかも、組成物を作製した後、直ちに粘度が低下したことが確認された。
比較例8の組成物は、酸化ケイ素及び酸化アルミニウムにて被覆された酸化亜鉛粒子の、亜鉛イオンの溶出抑制効果が十分ではなかったことにより、亜鉛溶出率が高くなり、しかも、組成物を作製した後、直ちに分相し、粘度低下が生じたことが確認された。
比較例9は、カルボマー水溶液に酸化亜鉛が含まれていないので、40℃での保持時間の影響を受けず、粘度は約10Pa・sで一定であった。
[実施例6]
実施例3と同様にして得られた酸化ケイ素被覆酸化亜鉛C30質量部と、ハイドロゲンジメチコンKF−9901(信越化学工業社製)1.2質量部と、イソプロピルアルコール68.8質量部とを混合し、60℃にて3時間攪拌した。
次いで、溶媒を除去し、150℃にて15時間熱処理し、実施例6のシリコーンにて表面処理された酸化ケイ素被覆酸化亜鉛Eを得た。
[実施例7]
実施例6と同様にして得られたシリコーンにて表面処理された酸化ケイ素被覆酸化亜鉛E30質量部と、ポリエーテル変性シリコーン SH3775M(東レ・ダウコーニング社製)4.5質量部と、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)65.5質量部と、を混合し、次いで、ビーズミルで分散させ、実施例7の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物を得た。
この組成物における酸化ケイ素被覆酸化亜鉛Eの分散粒径を、粒度分布計 LB−550(堀場製作所社製)で測定したところ、平均分散粒径(D50)は、156nmであった。
また、この組成物を酸化ケイ素被覆酸化亜鉛が15質量%となるようにデカメチルシクロペンタシロキサン(D5)にて希釈した組成物を、石英基板上にバーコーターにて塗布して、厚みが32μmの塗膜を形成した。
この塗膜の分光透過率をSPFアナライザー UV−1000S(Labsphere社製)にて測定した結果、450nmにおける光透過率は57%であった。
C.ビタミンCとの混合安定性の評価
実施例3及び比較例3に準じて得られた酸化ケイ素被覆酸化亜鉛、及び比較例6にて使用した酸化亜鉛、それぞれについてビタミンCとの混合安定性を評価した。
「実施例8」
実施例3の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛3質量部と、アスコルビン酸3質量部と、水94質量部とを混合して混合液を作製し、室温で3時間撹拌した。
この混合直後の混合液と3時間撹拌後の混合液は、いずれも白色で、ほとんど変色が認められなかった。
また、この3時間撹拌後の混合液を遠心分離して上澄み液を回収し、この上澄み液の色度を分光色彩計 Color Meter SE−2000(日本電色工業社製)にて測定した。その結果、この上澄み液のL値は99.08、a値は−0.23、b値は1.99であった。
「比較例10」
実施例3の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の替わりに比較例3の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を用いた以外は、実施例8と同様にしてビタミンCとの混合安定性を評価した。
得られた混合液の混合直後の色調は白色であったが、撹拌時間が進むにつれて変色し、3時間撹拌後の混合液はオレンジ色に変色していた。
また、実施例4と同様にして上澄み液の色度を測定した結果、L値は97.88、a値は−1.26、b値は3.02であり、黄色を示すb値の値が実施例4よりも高く、変色度合いが大きかった。
「比較例11」
実施例3の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の替わりに比較例6にて使用した酸化亜鉛を用いた以外は、実施例8と同様にしてビタミンCとの混合安定性を評価した。
得られた混合液の混合直後の色調は白色であったが、撹拌時間が進むにつれて変色し、3時間撹拌後の混合液は鮮やかなオレンジ色に変色していた。
また、実施例4と同様にして上澄み液の色度を測定した結果、L値は98.03、a値は−2.69、b値は8.25であり、黄色を示すb値の値が実施例4よりも非常に高く、変色度合いが非常に大きかった。
実施例8及び比較例10、11の結果によれば、実施例8の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛は、比較例10の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛及び比較例11の酸化亜鉛と比べて緻密で均一なシリカ被膜で被覆されているので、ビタミンCの分解が抑制され、その結果、ビタミンCとの混合安定性に優れていることが確認された。
すなわち、天然の美白剤等を使用するオーガニック化粧品にも好適であることが確認された。
本発明の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛は、酸化亜鉛粒子の表面を緻密な酸化ケイ素被膜により被覆してなる酸化ケイ素被覆酸化亜鉛における酸化亜鉛粒子の平均粒子径を1nm以上かつ50nm以下、酸化ケイ素被膜中のケイ素のQ環境における存在比をQ、Q環境における存在比をQとしたとき、Q+Q≧0.6かつQ/(Q+Q)≧0.5とし、この酸化亜鉛粒子の光触媒活性によって生じるブリリアントブルーの分解率を3%以下としたことにより、酸化亜鉛粒子から亜鉛イオンが外方へ溶出するのを抑制し、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を化粧料に適用した場合に、亜鉛イオンの溶出による化粧料としての性能の低下、変色、粘度の増減等を抑制することができるものであるから、紫外線遮蔽能が必要とされ、使用感に優れる化粧品への適用はもちろんのこと、化粧品以外の分野で用いる場合においては、分散剤や樹脂の選択の幅が広がり、塗料等の設計配合の自由度を高めることができ、その工業的価値は大きい。

Claims (8)

  1. 酸化亜鉛粒子と、前記酸化亜鉛粒子の表面を被覆してなる酸化ケイ素被膜と、を有する酸化ケイ素被覆酸化亜鉛であって、
    前記酸化亜鉛粒子の平均粒子径は1nm以上かつ50nm以下であり、
    固体29Si MAS−核磁気共鳴(NMR)分光法で測定した前記酸化ケイ素被膜中のケイ素のQ環境における存在比をQ、Q環境における存在比をQとしたとき、Q+Q≧0.6かつQ/(Q+Q)≧0.5であり、
    前記酸化亜鉛粒子の光触媒活性によって生じるブリリアントブルーの分解率は3%以下であり、
    前記ブリリアントブルーの分解率は、ブリリアントブルーの含有率を5ppmに調整したブリリアントブルー水溶液を作製し、このブリリアントブルー水溶液15gに、酸化亜鉛換算で0.15gの酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を投入し、超音波分散して懸濁液を調整し、この懸濁液に紫外線(中心波長:254nm)を照射距離10cmにて6時間照射し、紫外線照射後の前記懸濁液の上澄み液と、前記ブリリアントブルー水溶液とのそれぞれの吸光光度スペクトルを原子吸光光度法により測定し、得られた値を用い下記式(1)に基づいて算出した値であることを特徴とする酸化ケイ素被覆酸化亜鉛。
    ブリリアントブルーの分解率D=(A0−A1)/A0 ……(1)
    (但し、A0はブリリアントブルー水溶液(5ppm)の吸光光度スペクトルの吸収極大波長(630nm)における吸光度、A1は上記の上澄み液の吸光光度スペクトルの吸収極大波長における吸光度である。)
  2. 前記酸化亜鉛粒子の含有率は50質量%以上かつ90質量%以下であることを特徴とする請求項1記載の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛。
  3. 前記酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を水素イオン指数5の水溶液に0.05質量%となるように分散させ、1時間撹拌したときに、前記水溶液中に溶出する亜鉛の溶出率は20質量%以下であることを特徴とする請求項1または2記載の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛。
  4. さらにシリコーン樹脂にて表面処理してなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛。
  5. 表面改質酸化亜鉛を溶媒中に懸濁させて表面改質酸化亜鉛懸濁液とし、
    次いで、この表面改質酸化亜鉛懸濁液に、アルコキシシラン及び10量体以下のアルコキシシランのオリゴマーのうちいずれか1種または2種以上と、触媒と、水とを添加して反応させ、
    次いで、得られた反応物を150℃以上かつ600℃未満の温度にて熱処理することを特徴とする酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の製造方法。
  6. 請求項1ないし4のいずれか1項記載の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛と、溶媒と、を含有してなることを特徴とする酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物。
  7. さらに増粘剤を含有してなることを特徴とする請求項6記載の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物。
  8. 請求項1ないし4のいずれか1項記載の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛及び請求項6または7記載の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物のうちいずれか一方または双方を基剤中に含有してなることを特徴とする化粧料。
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