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JP6350866B2 - シンターハードニング方法 - Google Patents
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本発明は、シンターハードニング方法に関する。
高強度の焼結部品を製造する技術として、シンターハードニングが知られている。シンターハードニングは、粉末材料を圧縮成形して形成されたワークを加熱して焼結(sinter)し、その後の冷却過程でワークを急冷することでワークの組織を硬化(hardening)する方法である。
このシンターハードニングの一例として、従来、特許文献1に記載の方法が知られている。特許文献1のシンターハードニング方法は、鉄とクロムとモリブデンと炭素を含有する粉末材料を圧縮成形して形成されたワークを、一般的な焼結温度(1130℃程度)よりも高い1200℃以上の温度に加熱して焼結する焼結工程と、その焼結工程の後、ワークをマルテンサイト変態点よりも低い温度に急冷することでワークの組織を硬化する急冷工程とからなる。
ここで、特許文献1では、急冷工程により硬化したワークに再圧縮(いわゆるサイジング)を施すために、急冷工程でのワークの冷却速度を1℃/秒以下となるように調整している。
すなわち、特許文献1では、ワークの組織を硬化するために、1200℃以上の高温からマルテンサイト変態点よりも低い温度までワークを急冷しているが、ワークを急冷するときの冷却速度をあまり大きくすると、ワークがマルテンサイトの多い組織に変態して、ワークの硬度が高くなりすぎるので、その後のサイジング(ワークの再圧縮工程)を行なうことができなくなる。ここでサイジングとは、ワークを急冷するときの冷却ムラ等により生じたワークの歪みを矯正するための工程であり、例えば、特許文献2に示すように、金型にワークをセットし、そのワークを200〜900MPa程度の圧力で再圧縮することでワークの歪みを矯正する。このサイジングを行なうことが可能な程度の硬度とするために、特許文献1では、急冷工程でのワークの冷却速度を1℃/秒以下となるように調整している。このとき、急冷後のワークは、ベイナイトが主体で、一部マルテンサイトが混在した組織となる。
特開2014−80642号公報 特開2004−292840号公報
上記のように、ワークの焼結後にサイジングを行なう場合、サイジング用の金型を製作する必要があるので、焼結部品の製造コストが高くなるという問題がある。一方、ワークの焼結後のサイジングを省略すれば、ワークを急冷するときの冷却ムラにより生じた歪みを除去することができず、高い寸法精度を得ることができない。
焼結後のサイジングを行なわずに、極めて高い寸法精度をもつ高硬度焼結部品を製造することが可能なシンターハードニング方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るシンターハードニング方法は、
鉄とクロムとモリブデンと炭素を含有する粉末材料を圧縮成形して形成されたワークを1100℃以上1200℃未満の温度に加熱して焼結する焼結工程と、
その焼結工程の後、前記ワークを900℃よりも低く、かつ、オーステナイト変態点よりも高い温度に冷却保持する冷却保持工程と、
その冷却保持工程の後、前記ワークに冷却ガスを吹き付けることで、前記ワークをマルテンサイト変態点よりも低い温度に急冷してマルテンサイト化するガス急冷工程と、
を有するシンターハードニング方法である。
上記によれば、焼結後のサイジングを行なわずに、極めて高い寸法精度をもつ高硬度焼結部品を製造することができる。
本発明の実施形態にかかるシンターハードニング方法で焼結および硬化を行なうワークを示す平面図である。 図1のII−II線に沿った断面図である。 本発明の実施形態にかかるシンターハードニング方法で使用する連続焼結炉を示す断面図である。 ワークを載せたカーボントレイの搬送状態を示す断面図である。 本発明の実施形態に係るシンターハードニング方法でワークの焼結と硬化を行なったときのワークの温度の時間変化を模式的に示す図である。 1100〜1200℃の焼結工程、A変態点〜900℃の冷却保持工程、2℃/秒以上のガス急冷工程とを順に経る本発明の実施形態に係るシンターハードニング方法で得た高硬度焼結部品(測定例1)と、1200℃以上の焼結工程、A変態点〜900℃の冷却保持工程、2℃/秒以上のガス急冷工程とを順に経る比較例に係るシンターハードニング方法で得た高硬度焼結部品(測定例2)とで、ボス部の外周の真円度をそれぞれ測定した結果を示すグラフである。 1100〜1200℃の焼結工程、A変態点〜900℃の冷却保持工程、2℃/秒以上のガス急冷工程とを順に経る本発明の実施形態に係るシンターハードニング方法で得た高硬度焼結部品(測定例1)と、1200℃以上の焼結工程、A変態点〜900℃の冷却保持工程、2℃/秒以上のガス急冷工程とを順に経る比較例に係るシンターハードニング方法で得た高硬度焼結部品(測定例2)とで、フランジ部の下端面の平面度をそれぞれ測定した結果を示すグラフである。
[本発明の実施形態の説明]
(1)本発明の一態様に係るシンターハードニング方法は、
鉄とクロムとモリブデンと炭素を含有する粉末材料を圧縮成形して形成されたワークを1100℃以上1200℃未満の温度に加熱して焼結する焼結工程と、
その焼結工程の後、前記ワークを900℃よりも低く、かつ、オーステナイト変態点よりも高い温度に冷却保持する冷却保持工程と、
その冷却保持工程の後、前記ワークに冷却ガスを吹き付けることで、前記ワークをマルテンサイト変態点よりも低い温度に急冷してマルテンサイト化するガス急冷工程と、
を有するシンターハードニング方法である。
このようにすると、焼結工程でワークを1200℃未満の温度で焼結するので、ワークを1200℃以上の温度で焼結した場合と比べて、焼結によるワークの収縮が極めて小さく抑えられ、ワークの収縮に起因する寸法精度の低下を防止することができる。また、ワークを急冷する前に、ワークをいったん900℃よりも低い温度に冷却保持するので、ワークを1200℃以上の温度から一気に急冷する場合と比べて、冷却ムラの発生を抑制して、ワークを均一に冷却することができる。そのため、焼結後のサイジングを行なわずに、極めて高い寸法精度をもつ高硬度焼結部品を製造することが可能である。
(2)前記粉末材料として、2〜4質量%のクロムと、0.3〜0.7質量%のモリブデンと、0.3〜0.8質量%の炭素と、残部の鉄とを含有するものを用いると好ましい。
クロムを2質量%以上とすると、ワークの組織を効果的にマルテンサイト化することができ、クロムを4質量%以下とすると、ワークを焼結して得られる焼結部品の密度を確保することができる。モリブデンを0.3質量%以上とすると、ワークを焼結して得られる焼結部品の靱性を効果的に高めることができ、モリブデンを0.7質量%以下とすると、焼結部品の材料コストを実用的な範囲に抑えることができる。炭素を0.3質量%以上とすると、ワークの組織を効果的にマルテンサイト化することができ、炭素を0.8質量%以下とすると、ワークを焼結して得られる焼結部品の密度を確保することができる。
(3)前記ガス急冷工程での前記ワークの冷却速度は2〜5℃/秒とすると好ましい。
ワークの冷却速度を2℃/秒以上とすると、ワークの組織を効果的にマルテンサイト化することができ、ワークの冷却速度を5℃/秒以下とすると、冷却ムラの発生を抑制して、効果的にワークを均一に冷却することができる。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態にかかるシンターハードニング方法の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
図1、図2に、本発明の実施形態にかかるシンターハードニング方法で焼結および硬化を行なうワーク1を示す。ワーク1は、粉末材料を金型で圧縮成形したものである。ワーク1を構成する粉末材料は、2〜4質量%のクロムと、0.3〜0.7質量%のモリブデンと、0.3〜0.8質量%の炭素と、残部の鉄とを含有するものが用いられている。
ここで、クロムを2質量%以上とすると、後述のガス急冷工程でワーク1の組織を効果的にマルテンサイト化することができ、クロムを4質量%以下とすると、ワーク1を焼結して得られる焼結部品の密度を確保することができる。モリブデンを0.3質量%以上とすると、ワーク1を焼結して得られる焼結部品の靱性を効果的に高めることができ、モリブデンを0.7質量%以下とすると、焼結部品の材料コストを実用的な範囲に抑えることができる。炭素を0.3質量%以上とすると、後述のガス急冷工程でワーク1の組織を効果的にマルテンサイト化することができ、炭素を0.8質量%以下とすると、ワーク1を焼結して得られる焼結部品の密度を確保することができる。
ワーク1を焼結して得られる焼結部品は、この実施形態ではシンクロハブである。シンクロハブは、トランスミッションでギア切換時の回転差を吸収するシンクロ機構に使用される部品であり、エンジンやモータからの伝達トルクに耐えうる高強度と、周辺部品との摺動に対する耐摩耗性とが要求される。
ワーク1は、水平に配置される円環状のフランジ部2と、フランジ部2の上端面2aから軸方向に突出して設けられた筒状のボス部3とを有する。ボス部3の中央には、上下方向の貫通孔4が設けられている。ボス部3の外周には、複数の歯部5が周方向に等間隔に設けられている。また、ボス部3には、ボス部3の軸方向端面3aに開放する複数の切欠き6が周方向に間隔をおいて設けられている。フランジ部2の外周には、複数の歯部7が周方向に等間隔に設けられている。
図3に、本発明の実施形態にかかるシンターハードニング方法で使用する連続焼結炉10を示す。この連続焼結炉10は、上流側から下流側に向かって順に、脱ガス室11、予熱室12、焼結室13、徐冷室14、急冷室15、冷却室16を有する。
これらの各室11〜16には、ワーク1(図4参照)を載せたカーボントレイ17を上流側から下流側に移動させる複数のローラ18が設けられている。各ローラ18は、ワーク1の移動方向に沿って間隔をおいて配置され、図示しない駆動装置でそれぞれ独立して回転駆動される。脱ガス室11、予熱室12、焼結室13、徐冷室14には、それぞれの室内雰囲気を加熱するヒータ19が設けられている。
脱ガス室11の入口、脱ガス室11と予熱室12の間、予熱室12と焼結室13の間、焼結室13と徐冷室14の間、徐冷室14と急冷室15の間、急冷室15と冷却室16の間、冷却室16の出口には、それぞれシャッター20〜26が設けられている。これらのシャッター20〜26は個々に開閉駆動される。これらのシャッター20〜26の設置により、各室11〜16の室内温度分布を均一化するとともに、各室11〜16の温度制御の精度を高めることができ、その結果、焼結部品の寸法のバラツキを低減することが可能となっている。
急冷室15には、その室内に冷却ガスを送り込む急冷ファン27が接続されている。急冷ファン27の吐出口は、急冷室15の上部に接続され、急冷ファン27の吸込み口は、急冷室15の下部に接続され、急冷室15と急冷ファン27の間で冷却ガスが循環するようになっている。冷却ガスは、不活性ガス(例えば窒素ガス)である。また、急冷ファン27と急冷室15の間の冷却ガスの経路の途中には、冷却ガスを冷却する熱交換器(図示せず)が設けられている。急冷ファン27から吐出された冷却ガスは、急冷室15を上から下に通過することで急冷室15内のワーク1を急冷する。
冷却室16には、室内雰囲気を冷却するクーラー28と、室内雰囲気を循環させる循環ファン29とが設けられている。
次に、上記ワーク1のシンターハードニング方法を説明する。
まず、図4に示すように、カーボントレイ17の上に複数のセラミックス板30を載せ、その各セラミックス板30の上にワーク1を載せる。セラミックス板30は、ワーク1の貫通孔4に対応する位置を上下に貫通するガス抜け穴31を有する。カーボントレイ17も、ワーク1の貫通孔4に対応する位置を上下に貫通するガス排出穴32を有する。ガス抜け穴31とガス排出穴32は、後述の急冷工程でワーク1の貫通孔4に冷却ガスが吹き込んだときに、その冷却ガスを下方に逃がすことで、冷却ガスの風圧によるワーク1の浮き上がりを防止するためのものである。このようにワーク1をセラミックス板30を介してカーボントレイ17に載せた状態で、図3に示す連続焼結炉10にワーク1を送り込む。
<脱ガス工程>
ワーク1を載せたカーボントレイ17が脱ガス室11に入ると、ワーク1は500〜700℃程度の温度になるまで加熱される(図5の時刻t〜t参照)。このとき、ワーク1に存在するワックス成分等がガスになって除去される。ワーク1から生じたガスは排ガス燃焼炉(図示せず)で処理される。
<予熱工程>
次に、ワーク1を載せたカーボントレイ17は、脱ガス室11から予熱室12に移動する。予熱室12では、ワーク1が焼結温度よりも低い800〜1000℃程度の温度に加熱される(図5の時刻t〜t)。
<焼結工程>
その後、ワーク1を載せたカーボントレイ17は、予熱室12から焼結室13に移動する。焼結室13は、室内の雰囲気温度が1100℃以上1200℃未満(好ましくは1120℃以上1180℃未満)に保たれるように温度制御されている。ワーク1を載せたカーボントレイ17は、この焼結室13内に15分〜30分程度滞在するようにローラ18で搬送される。これにより、ワーク1は、1100℃以上1200℃未満(好ましくは1120℃以上1180℃未満)の焼結温度になるまで加熱して保持され(図5の時刻t〜t)、その結果、ワーク1を構成する粉末材料が焼結して一体化する。
<冷却保持工程>
その後、ワーク1を載せたカーボントレイ17は、焼結室13から徐冷室14に移動する。徐冷室14は、室内の雰囲気温度が900℃よりも低く、かつ、オーステナイト変態点(いわゆるA変態点)よりも高い温度(例えば、840〜870℃の温度範囲)に保たれるように温度制御されている。ワーク1を載せたカーボントレイ17は、この徐冷室14内に10分〜20分程度滞在するようにローラ18で搬送される。これにより、ワーク1は、900℃よりも低く、かつ、オーステナイト変態点よりも高い温度に冷却して保持される(図5の時刻t〜t)。
<ガス急冷工程>
その後、ワーク1を載せたカーボントレイ17は、徐冷室14から急冷室15に移動する。カーボントレイ17が急冷室15に入ると、急冷室15の入口のシャッター24と出口のシャッター25をいずれも閉じ、その状態で急冷ファン27を作動させてワーク1に冷却ガスを吹き付け、ワーク1をマルテンサイト変態点(いわゆるMs点)よりも低い温度(例えば、250〜350℃の温度範囲)に急冷する(図5の時刻t〜t)。急冷時のワーク1の冷却速度は、2〜5℃/秒(好ましくは3〜5℃/秒)である。この急冷によりワーク1は焼入れされ、ワーク1の組織がマルテンサイトに変態する。急冷時のワーク1の冷却速度を2℃/秒以上(好ましくは3℃/秒以上)とすることにより、ワーク1の組織を効果的にマルテンサイト化することができ、極めて高い硬度の焼結部品を得ることができる。急冷時のワーク1の冷却速度を5℃/秒以下とすることにより、冷却ムラ(ワーク1の急冷時にワーク1の温度分布が不均一となること)を抑制して、効果的にワーク1を均一に冷却することができる。ここで、ワーク1の冷却速度は、ワーク1が800℃を下回ってから400℃に至るまでの平均の冷却速度である。
<冷却工程>
その後、ワーク1を載せたカーボントレイ17は、急冷室15から冷却室16に移動する。冷却室16では、ワーク1が150℃以下の低温(例えば100℃程度)に冷却される(図5の時刻t以降)。冷却室16でのワーク1の冷却が完了すると、ワーク1を載せたカーボントレイ17は、冷却室16の下流側に隣接する図示しない置換室に排出される。
上述のシンターハードニング方法でワーク1の焼結および硬化を行なうと、焼結工程でワーク1を1200℃未満の温度で焼結するので、ワーク1を1200℃以上の温度で焼結した場合と比べて、焼結によるワーク1の収縮が極めて小さく抑えられ、ワーク1の収縮に起因する寸法精度の低下を防止することができる。また、ワーク1を急冷する前に、ワーク1をいったん900℃よりも低い温度に冷却保持するので、ワーク1を1200℃以上の温度から一気に急冷する場合と比べて、冷却ムラの発生を抑制して、ワーク1を均一に冷却することができる。そのため、焼結後のサイジングを行なわずに、極めて高い寸法精度をもつ高硬度焼結部品(ガス急冷工程で組織が硬化されたワーク1)を製造することが可能である。
上述のシンターハードニング方法により得られる焼結部品は、浸炭焼入れを行なうことでワーク1の表面のみがマルテンサイト化したものとは異なり、ワーク1の焼結工程の後にワーク1を急冷することでワーク1の表面および内部のいずれもがマルテンサイト化し、表面組織と内部組織とがいずれも同程度に硬化された焼結部品となる。
本発明の実施形態のシンターハードニング方法の効果を確認するため、1100〜1200℃の焼結工程、A変態点〜900℃の冷却保持工程、2℃/秒以上のガス急冷工程とを順に経る上述のシンターハードニング方法で製造した高硬度焼結部品(測定例1)と、1200℃以上の焼結工程、A変態点〜900℃の冷却保持工程、2℃/秒以上のガス急冷工程とを順に経る比較例に係るシンターハードニング方法で製造した高硬度焼結部品(測定例2)とで、寸法精度を比較する試験を行なった。図6および図7に、その試験結果を示す。
測定例1および測定例2の高硬度焼結部品は、いずれも図1および図2に示す形状のシンクロハブであり、ボス部3の内径は68mm、フランジ部2の外径(歯部7の先端径)は82mmである。
図6は、図1および図2に示すボス部3の上端部分の外周(歯部5の先端)の真円度を測定した結果を示す。この図6を見ると、測定例1の高硬度焼結部品は、測定例2の高硬度焼結部品に比べて、ボス部3の外周の真円度(平均値)が大幅に向上していることを確認することができる。また、ボス部3の外周の真円度の標準偏差も低く抑えられ、ボス部3の寸法精度が極めて安定していることを確認することができる。
図7は、図2に示すフランジ部2の下端面2bの平面度を測定した結果を示す。この図7を見ると、測定例1の高硬度焼結部品は、測定例2の高硬度焼結部品に比べて、フランジ部2の下端面2bの平面度(平均値)が大幅に向上していることを確認することができる。
また、この試験において得られた高硬度焼結部品の金属組織、硬度、寸法変化率、密度は、次の表に示すとおりであった。
Figure 0006350866
この表において、寸法変化率は、シンターハードニング前のフランジ部2の外径寸法に対する、シンターハードニングの前後におけるフランジ部2の外径寸法の変化の割合を百分率であらわしたものである。ワーク1を1200℃以上の温度(例えば1220℃)で焼結して製造した測定例2の高硬度焼結部品は、シンターハードニング前のワーク1に対して寸法が収縮している。これに対し、ワーク1を1100℃以上1200℃未満の温度(例えば1130℃)で焼結して製造した測定例1の高硬度焼結部品は、シンターハードニング前のワーク1に対して寸法がほとんど変化していない。このことからも、測定例1の高硬度焼結部品には、ワーク1の収縮に起因する寸法精度の低下が生じていないことを確認することができる。
1 ワーク
2 フランジ部
2a 上端面
3 ボス部
3a 軸方向端面
4 貫通孔
5 歯部
6 切欠き
7 歯部
10 連続焼結炉
11 脱ガス室
12 予熱室
13 焼結室
14 徐冷室
15 急冷室
16 冷却室
17 カーボントレイ
18 ローラ
19 ヒータ
20〜26 シャッター
27 急冷ファン
28 クーラー
29 循環ファン
30 セラミックス板
31 ガス抜け穴
32 ガス排出穴

Claims (3)

  1. 連続焼結炉の焼結室で鉄とクロムとモリブデンと炭素を含有する粉末材料を圧縮成形して形成されたワークを1100℃以上1200℃未満の温度に加熱して焼結する焼結工程と、
    その焼結工程の後、前記焼結室の下流側に位置する連続焼結炉の徐冷室に前記ワークを載せたトレイを移動することにより、前記ワークがオーステナイト変態点以下に温度低下しないよう前記焼結工程の後に連続して行なわれ、前記ワークを900℃よりも低く、かつ、オーステナイト変態点よりも高い温度に冷却保持する冷却保持工程と、
    その冷却保持工程の後、前記徐冷室の下流側に位置する連続焼結炉の急冷室に前記トレイを移動し、前記ワークに冷却ガスを吹き付けることで、前記ワークをマルテンサイト変態点よりも低い温度に急冷してマルテンサイト化するガス急冷工程と、
    を有するシンターハードニング方法。
  2. 前記粉末材料として、2〜4質量%のクロムと、0.3〜0.7質量%のモリブデンと、0.3〜0.8質量%の炭素と、残部の鉄とを含有するものを用いた請求項1に記載のシンターハードニング方法。
  3. 前記ガス急冷工程での前記ワークの冷却速度を2〜5℃/秒とした請求項1または2に記載のシンターハードニング方法。
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