JP6350866B2 - シンターハードニング方法 - Google Patents
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鉄とクロムとモリブデンと炭素を含有する粉末材料を圧縮成形して形成されたワークを1100℃以上1200℃未満の温度に加熱して焼結する焼結工程と、
その焼結工程の後、前記ワークを900℃よりも低く、かつ、オーステナイト変態点よりも高い温度に冷却保持する冷却保持工程と、
その冷却保持工程の後、前記ワークに冷却ガスを吹き付けることで、前記ワークをマルテンサイト変態点よりも低い温度に急冷してマルテンサイト化するガス急冷工程と、
を有するシンターハードニング方法である。
(1)本発明の一態様に係るシンターハードニング方法は、
鉄とクロムとモリブデンと炭素を含有する粉末材料を圧縮成形して形成されたワークを1100℃以上1200℃未満の温度に加熱して焼結する焼結工程と、
その焼結工程の後、前記ワークを900℃よりも低く、かつ、オーステナイト変態点よりも高い温度に冷却保持する冷却保持工程と、
その冷却保持工程の後、前記ワークに冷却ガスを吹き付けることで、前記ワークをマルテンサイト変態点よりも低い温度に急冷してマルテンサイト化するガス急冷工程と、
を有するシンターハードニング方法である。
このようにすると、焼結工程でワークを1200℃未満の温度で焼結するので、ワークを1200℃以上の温度で焼結した場合と比べて、焼結によるワークの収縮が極めて小さく抑えられ、ワークの収縮に起因する寸法精度の低下を防止することができる。また、ワークを急冷する前に、ワークをいったん900℃よりも低い温度に冷却保持するので、ワークを1200℃以上の温度から一気に急冷する場合と比べて、冷却ムラの発生を抑制して、ワークを均一に冷却することができる。そのため、焼結後のサイジングを行なわずに、極めて高い寸法精度をもつ高硬度焼結部品を製造することが可能である。
(2)前記粉末材料として、2〜4質量%のクロムと、0.3〜0.7質量%のモリブデンと、0.3〜0.8質量%の炭素と、残部の鉄とを含有するものを用いると好ましい。
クロムを2質量%以上とすると、ワークの組織を効果的にマルテンサイト化することができ、クロムを4質量%以下とすると、ワークを焼結して得られる焼結部品の密度を確保することができる。モリブデンを0.3質量%以上とすると、ワークを焼結して得られる焼結部品の靱性を効果的に高めることができ、モリブデンを0.7質量%以下とすると、焼結部品の材料コストを実用的な範囲に抑えることができる。炭素を0.3質量%以上とすると、ワークの組織を効果的にマルテンサイト化することができ、炭素を0.8質量%以下とすると、ワークを焼結して得られる焼結部品の密度を確保することができる。
(3)前記ガス急冷工程での前記ワークの冷却速度は2〜5℃/秒とすると好ましい。
ワークの冷却速度を2℃/秒以上とすると、ワークの組織を効果的にマルテンサイト化することができ、ワークの冷却速度を5℃/秒以下とすると、冷却ムラの発生を抑制して、効果的にワークを均一に冷却することができる。
本発明の実施形態にかかるシンターハードニング方法の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
ワーク1を載せたカーボントレイ17が脱ガス室11に入ると、ワーク1は500〜700℃程度の温度になるまで加熱される(図5の時刻t1〜t2参照)。このとき、ワーク1に存在するワックス成分等がガスになって除去される。ワーク1から生じたガスは排ガス燃焼炉(図示せず)で処理される。
次に、ワーク1を載せたカーボントレイ17は、脱ガス室11から予熱室12に移動する。予熱室12では、ワーク1が焼結温度よりも低い800〜1000℃程度の温度に加熱される(図5の時刻t2〜t3)。
その後、ワーク1を載せたカーボントレイ17は、予熱室12から焼結室13に移動する。焼結室13は、室内の雰囲気温度が1100℃以上1200℃未満(好ましくは1120℃以上1180℃未満)に保たれるように温度制御されている。ワーク1を載せたカーボントレイ17は、この焼結室13内に15分〜30分程度滞在するようにローラ18で搬送される。これにより、ワーク1は、1100℃以上1200℃未満(好ましくは1120℃以上1180℃未満)の焼結温度になるまで加熱して保持され(図5の時刻t3〜t4)、その結果、ワーク1を構成する粉末材料が焼結して一体化する。
その後、ワーク1を載せたカーボントレイ17は、焼結室13から徐冷室14に移動する。徐冷室14は、室内の雰囲気温度が900℃よりも低く、かつ、オーステナイト変態点(いわゆるA3変態点)よりも高い温度(例えば、840〜870℃の温度範囲)に保たれるように温度制御されている。ワーク1を載せたカーボントレイ17は、この徐冷室14内に10分〜20分程度滞在するようにローラ18で搬送される。これにより、ワーク1は、900℃よりも低く、かつ、オーステナイト変態点よりも高い温度に冷却して保持される(図5の時刻t4〜t5)。
その後、ワーク1を載せたカーボントレイ17は、徐冷室14から急冷室15に移動する。カーボントレイ17が急冷室15に入ると、急冷室15の入口のシャッター24と出口のシャッター25をいずれも閉じ、その状態で急冷ファン27を作動させてワーク1に冷却ガスを吹き付け、ワーク1をマルテンサイト変態点(いわゆるMs点)よりも低い温度(例えば、250〜350℃の温度範囲)に急冷する(図5の時刻t5〜t6)。急冷時のワーク1の冷却速度は、2〜5℃/秒(好ましくは3〜5℃/秒)である。この急冷によりワーク1は焼入れされ、ワーク1の組織がマルテンサイトに変態する。急冷時のワーク1の冷却速度を2℃/秒以上(好ましくは3℃/秒以上)とすることにより、ワーク1の組織を効果的にマルテンサイト化することができ、極めて高い硬度の焼結部品を得ることができる。急冷時のワーク1の冷却速度を5℃/秒以下とすることにより、冷却ムラ(ワーク1の急冷時にワーク1の温度分布が不均一となること)を抑制して、効果的にワーク1を均一に冷却することができる。ここで、ワーク1の冷却速度は、ワーク1が800℃を下回ってから400℃に至るまでの平均の冷却速度である。
その後、ワーク1を載せたカーボントレイ17は、急冷室15から冷却室16に移動する。冷却室16では、ワーク1が150℃以下の低温(例えば100℃程度)に冷却される(図5の時刻t6以降)。冷却室16でのワーク1の冷却が完了すると、ワーク1を載せたカーボントレイ17は、冷却室16の下流側に隣接する図示しない置換室に排出される。
2 フランジ部
2a 上端面
3 ボス部
3a 軸方向端面
4 貫通孔
5 歯部
6 切欠き
7 歯部
10 連続焼結炉
11 脱ガス室
12 予熱室
13 焼結室
14 徐冷室
15 急冷室
16 冷却室
17 カーボントレイ
18 ローラ
19 ヒータ
20〜26 シャッター
27 急冷ファン
28 クーラー
29 循環ファン
30 セラミックス板
31 ガス抜け穴
32 ガス排出穴
Claims (3)
- 連続焼結炉の焼結室で鉄とクロムとモリブデンと炭素を含有する粉末材料を圧縮成形して形成されたワークを1100℃以上1200℃未満の温度に加熱して焼結する焼結工程と、
その焼結工程の後、前記焼結室の下流側に位置する連続焼結炉の徐冷室に前記ワークを載せたトレイを移動することにより、前記ワークがオーステナイト変態点以下に温度低下しないよう前記焼結工程の後に連続して行なわれ、前記ワークを900℃よりも低く、かつ、オーステナイト変態点よりも高い温度に冷却保持する冷却保持工程と、
その冷却保持工程の後、前記徐冷室の下流側に位置する連続焼結炉の急冷室に前記トレイを移動し、前記ワークに冷却ガスを吹き付けることで、前記ワークをマルテンサイト変態点よりも低い温度に急冷してマルテンサイト化するガス急冷工程と、
を有するシンターハードニング方法。 - 前記粉末材料として、2〜4質量%のクロムと、0.3〜0.7質量%のモリブデンと、0.3〜0.8質量%の炭素と、残部の鉄とを含有するものを用いた請求項1に記載のシンターハードニング方法。
- 前記ガス急冷工程での前記ワークの冷却速度を2〜5℃/秒とした請求項1または2に記載のシンターハードニング方法。
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| JP2014228601A JP6350866B2 (ja) | 2014-11-11 | 2014-11-11 | シンターハードニング方法 |
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