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JP6350899B2 - キャブオーバー型車両の前部構造 - Google Patents
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Description

本発明は、キャブオーバー型車両の前部構造に関する。
特開2004−161036号公報には、シャシフレームの前部にキャブが設置されるキャブオーバトラックの前部構造が記載されている。左右のシャシフレームの前端部には、それぞれキャブマウントブラケットが固定されており、キャブマウントブラケットとシャシフレームとは強固に締結されている。キャブマウントブラケットは、シャシフレームに締結固定されて上方へ延びる基部と、基部の先端に固定された筒状のヒンジ部とを有する。ヒンジ部には、ヒンジ部から上方へ延びる延長部がヒンジ部と一体的に設けられると共に、ヒンジ部の前面部の略垂直平面が延長部まで形成されている。キャブオーバトラック(追突車)が車高の相違する車両(被追突車)へ追突し、衝突時の荷重がキャブマウントブラケットに向かって入力する場合、キャブマウントブラケットへ入力された荷重はシャシフレームに伝達されてシャシフレームの上下曲げによってエネルギが吸収され、キャブの生存空間が確保される。
特開2004−161036号公報
しかし、上記特許文献1に記載の装置では、追突車が被追突車に衝突し、衝突時の荷重がキャブマウントブラケットに向かって入力する場合、衝突荷重がヒンジ部の延長部から直接キャブマウントブラケットに入力する。このため、衝突荷重がキャブマウントブラケットを経由してシャシフレームに伝達される際にキャブマウントブラケットも変形し、キャブのチルト機能等が損なわれるおそれがある。
そこで本発明は、キャブオーバー型車両が前方の車両と衝突した際に、キャブの生存空間を確保し、且つキャブマウントの変形を抑制することが可能なキャブの前部構造の提供を目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明の第1の態様のキャブオーバー型車両の前部構造は、シャシフレームと、キャブと、キャブマウントと、エネルギ吸収体とを備える。シャシフレームは、車両の前後方向に沿って延びる。キャブは、シャシフレームの上方に配置される。キャブマウントは、シャシフレームに固定されて上方へ延びる下部ブラケットと、下部ブラケットの上部とキャブの底部とを回転自在に連結する上部ブラケットと、を有し、キャブを下方から支持する。上部ブラケットには、車両の前後方向に略直交して前方を向く吸収体取付面が設けられている。エネルギ吸収体は、上部ブラケットの吸収体取付面の前方に対向配置される対向面を有し、キャブマウントよりも前方に突出する。キャブは、車幅方向に沿って起立して室内空間の前側を区画するダッシュパネルを有する。エネルギ吸収体は、対向面と吸収体取付面との間にダッシュパネルを挟んだ状態で吸収体取付面に固定される。
上記構成では、前方の車両(前方車両)にキャブオーバー型車両(自車両)が衝突すると、前方車両と自車両との車高の差が小さい場合は、前方車両の後端部が自車両のシャシフレームに衝突してシャシフレームに衝撃力が作用し、シャシフレームが前後方向に有効に潰れ変形して衝撃エネルギを吸収する。このため、シャシフレームの上方に支持されているキャブの前後方向の変形が抑制されて運転者等の生存空間が確保される。
一方、前方車両の後端部の車高が自車両のシャシフレームの高さよりも高い場合は、前方車両の後端部がシャシフレームの上方でキャブを支持するキャブマウントに衝突しようとする。しかし、キャブマウントの上部ブラケットに固定されているエネルギ吸収体はキャブマウントよりも前方に突出しているので、前方車両の後端部はキャブマウントに衝突する前に必ずエネルギ吸収体に衝突し、衝撃力がエネルギ吸収体に作用する。エネルギ吸収体に作用する衝撃力は、エネルギ吸収体が固定されている上部ブラケット、及び下部ブラケットを介してキャブマウントが固定されているシャシフレームに伝達されてシャシフレームを変形させる。このため、キャブの前後方向の変形が抑制されキャブの生存空間が確保される。
また、衝突時に前方車両の後端部が自車両のキャブマウントと直接衝突せず、エネルギ吸収体によって衝撃エネルギの一部が吸収されて減衰し、減衰した衝撃エネルギがキャブマウントに入力するので、衝突によるキャブマウントの変形が抑制される。この結果、キャブマウントの機能が損なわれる可能性が低下し、衝突後の修理作業等が軽減される。
また、前方車両に自車両が衝突し、エネルギ吸収体に前方から衝撃力が作用すると、エネルギ吸収体は、前後方向に略直交して前方を向く吸収体取付面に固定されているので前後方向に有効に変形して衝撃エネルギをより効率的に吸収する。このため、キャブマウントに入力する衝撃エネルギがより減衰し、衝突によるキャブマウントの変形がより効果的に抑制される。
本発明の第2の態様のキャブオーバー型車両の前部構造は、シャシフレームと、キャブと、キャブマウントと、エネルギ吸収体とを備える。シャシフレームは、車両の前後方向に沿って延びる。キャブは、シャシフレームの上方に配置される。キャブマウントは、シャシフレームに固定されて上方へ延びる下部ブラケットと、下部ブラケットの上部とキャブの底部とを回転自在に連結する上部ブラケットと、を有し、キャブを下方から支持する。上部ブラケットには、車両の前後方向に略直交して前方を向く吸収体取付面が設けられている。エネルギ吸収体は、上部ブラケットの吸収体取付面の前方に対向配置される対向面を有し、キャブマウントよりも前方に突出する。キャブは、車幅方向に沿って起立して室内空間の前側を区画するダッシュパネルを有する。エネルギ吸収体は、ダッシュパネルに一体形成されている。
本発明によれば、キャブオーバー型車両が前方の車両と衝突した際に、キャブの生存空間を確保し、且つキャブマウントの変形を抑制することが可能となる。
本実施形態に係わるキャブオーバー型車両の前部構造を示す斜視図である。 図1の側面図である。 図1の要部を示す斜視図である。 車両と車高差の小さい前方車両へ車両が衝突する前の状態を模式的に示す側面図である。 車両よりも車高が高い前方車両へ車両が衝突する前の状態を模式的に示す側面図である。
以下、本発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、図中FRは車両前方を、図中UPは車両上方を、図中INは車幅方向内側をそれぞれ示している。また、以下の説明における前後方向は、車両の前後方向を意味し、左右方向は、車両前方を向いた状態での左右方向を意味する。
図1〜図3に示すように、本実施形態に係わるキャブオーバー型車両(車両)1は、シャシフレーム2と、キャブマウント9と、キャブ5と、インパクトボックス(エネルギ吸収体)20とを備えている。なお、キャブマウント9とインパクトボックス20とは、車両1の前端下部の左右両側にそれぞれ配置されており、右側と左側とがそれぞれ同様の構成を有するため、以下ではその一方(左側)について説明し、他方(右側)についての説明を省略する。
シャシフレーム2は、1対のサイドメンバ3と複数のクロスメンバ4とを有する。1対のサイドメンバは、車幅方向左右両側に前後方向に沿って配置され、クロスメンバ4は、車幅方向に沿って配置され左右両側のサイドメンバ3同士を連結する。シャシフレーム2の前部にはキャブ5が配置され、運転者着座位置は概ねエンジン(図示省略)よりも上方に位置する。
キャブマウント9は、サイドメンバ3の前端部3aの上部に配置され、キャブマウントブラケット10と第1リンクアーム13及び第2リンクアーム16とを有する。キャブマウントブラケット10は、サイドメンバ3にボルトによって固定されて上方に延びる基部11と、基部11と一体的に形成され基部11の上部に配置される軸支持部12とを有する。左右のキャブマウント9の軸支持部12の間には車幅方向に延びるキャブクロスパイプ21が設置されており、軸支持部12は、キャブクロスパイプ21の内部に挿入され車幅方向に延びるトーションバー(図示省略)の中心軸21aを車幅方向端部で支持する。第1リンクアーム13は、キャブマウントブラケット10の軸支持部12に回転自在に支持されて車両後方へ延び、第1リンクアーム13の後部14に設けられた車幅方向を軸とする連結軸15によって第2リンクアームを回転可能に連結する。第2リンクアーム16は、連結軸15によって第1リンクアーム13の後部14と回転可能に連結され、第1リンクアーム13の上方で前後方向に延びて、後述のキャブ5のキャブフレーム7前部の下面に固定され、キャブ5を下方から支持する。
キャブ5は、フロアパネル6と、左右1対のキャブフレーム7と、ダッシュパネル8とを備えている。キャブフレーム7は、車幅方向左右両側に車体前後方向に沿って配置されフロアパネル6の下面に固定されてフロアパネル6を下方から支持する。また、キャブフレーム7前部の下面は、キャブマウント9の第2リンクアーム16の上面に固定されており、キャブ5がキャブマウント9によって下方から支持される。フロアパネル6の前端部にはダッシュパネル8が車幅方向に沿って固定されて上方に延びる。ダッシュパネル8は、ダッシュパネル8の後方にキャブ5の室内空間を区画する。
また、キャブマウント9には、エアサスペンション22及びショックアブソーバ23が設けられている。エアサスペンション22は、上端部を第2リンクアーム16の下面に固定され、下端部を第1リンクアーム13の上面に固定されて上下方向に伸縮可能に設置される。ショックアブソーバ23は、上端部を第2リンクアーム16の車幅方向外側の側面に固定され、下端部を第1リンクアーム13の車幅方向外側の側面に固定されて上下方向に伸縮可能に設置される。エアサスペンション22及びショックアブソーバ23は、サイドメンバ3からキャブマウント9を介してキャブ5に伝達される車両1の振動を緩衝し、キャブ5に搭乗する乗員の乗り心地を改善する。
キャブ5の後部は、キャブチルトロック機構(図示省略)により、シャシフレーム2に対して離脱自在に固定されている。キャブチルトロック機構を解除することによって、キャブマウントブラケット10の軸支持部12で支持されるキャブクロスパイプ21を中心にキャブ5が上方へチルト自在となる。係るチルト機能により、キャブ5を上方へ傾けた状態でエンジン等が露出し、点検作業等が実施可能となる。また、キャブクロスパイプ21の内部に挿入されたトーションバーのスプリング機能によって、キャブ5を前方へ傾ける際の助力が発生する。
図3に示すように、キャブマウント9の第2リンクアーム16前部の右左両側の側面には、第2リンクアーム16に沿って前後方向に延びる長板状のブラケット17とブラケット18とがそれぞれ固定されている。第2リンクアーム16の車幅方向内側の側面に固定されるブラケット17は、第2リンクアーム16の前端部で車幅方向内側に屈曲するフランジ部17aを有し、第2リンクアーム16の車幅方向外側の側面に固定されるブラケット18は、第2リンクアーム16の前端部で車幅方向外側に屈曲するフランジ部18aを有する。フランジ部17aの前面及びフランジ部18aの前面は、いずれも車両1の前後方向に略直交して前面を向く吸収体取付面19を形成する。
フランジ部17及びフランジ部18の前面には、インパクトボックス20が取付けられている。インパクトボックス20は、車幅方向に並行した前面20aを有する中空の矩形箱状体であり薄板で形成される。インパクトボックス20は、後端部にブラケット17,18のフランジ部17及びフランジ部18と相対向するフランジ部20bびフランジ部20cを有している。フランジ部17とフランジ部20b、及びフランジ部18とフランジ部20cが、間にダッシュパネル8を挟んでボルト及びナットで締結固定され(図3参照)、インパクトボックス20の前面20aは、キャブマウント9の前端部よりも前方に突出する(図2参照)。
本実施形態では、前方の車両(前方車両)24に車両1が衝突した際に、図4に示すように前方車両24と車両1との車高の差が小さい場合は、前方車両24の後端部24aが車両1のシャシフレーム2に衝突してサイドメンバ3に衝撃力(図4矢印)が作用し、サイドメンバ3の前端部3aが前後方向に有効に潰れ変形して衝撃エネルギを吸収する。このため、サイドメンバ3の上方に支持されているキャブ5の前後方向の変形が抑制されてダッシュパネル8等で区画される運転者等の生存空間が確保される。
一方、前方車両24の後端部24aの車高が車両1のサイドメンバ3の高さよりも高い場合は、図5に示すように前方車両24の後端部24aがサイドメンバ3の上方でキャブ5を支持するキャブマウント9に衝突しようとする。しかし、キャブマウント9の第2リンクアーム16に固定されているインパクトボックス20の前面20aはキャブマウント9の前端部よりも前方に突出しているので、前方車両24の後端部24aはキャブマウント9に衝突する前に必ずインパクトボックス20の前面20aに衝突し、衝撃力(図5矢印)がインパクトボックス20に作用する。衝撃力は、図1の矢印で示すように、インパクトボックス20を介して、インパクトボックス20が固定されている第2リンクアーム16の先端部からキャブマウント9に入力し、第2リンクアーム16、第1リンクアーム13、及びキャブマウントブラケット10を経由してサイドメンバ3に伝達され、サイドメンバ3を変形させる。このため、キャブ5の前後方向の変形が抑制されキャブ5の生存空間が確保される。
また、図5に示すように衝突時に前方車両24の後端部24aが車両1のキャブマウント9と直接衝突せず、まずインパクトボックス20に衝突して衝撃エネルギの一部が吸収されて減衰し、減衰した衝撃エネルギがキャブマウント9に入力するので、衝突によるキャブマウント9の変形が抑制される。また、インパクトボックス20が、前後方向に略直交して前方を向く吸収体取付面19に固定されているので、インパクトボックス20が前後方向に有効に変形して衝撃エネルギがより効率的に吸収される。このため、第2リンクアーム16からキャブマウント9へ入力する衝撃エネルギがより減衰し、衝突によるキャブマウント9の変形がより効果的に抑制される。この結果、キャブチルト等のキャブマウント9の機能が損なわれる可能性が低下し、衝突後の修理作業等が軽減される。
なお、インパクトボックス20の形状は、衝突時に衝撃エネルギを吸収できるものであれば矩形箱状に限定されず、例えば前後方向を軸とする筒状等であってもよい。
また、本実施形態ではエネルギ吸収体としてキャブマウント9の第2リンクアーム16の先端部にインパクトボックス20を配置したが、例えば第2リンクアーム16の先端部に対応するダッシュパネルの部分を、キャブマウント9の前端部よりも前方に突出する凸状に加工してエネルギ吸収体としてもよい。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
本発明は、キャブオーバー型車両の前部構造として広く適用可能である。
1 車両
2 シャシフレーム
5 キャブ
9 キャブマウント
10 キャブマウントブラケット(下部ブラケット)
13 第1リンクアーム(上部ブラケット)
16 第2リンクアーム(上部ブラケット)
19 吸収体取付面
20 インパクトボックス(エネルギ吸収体)

Claims (2)

  1. 車両の前後方向に沿って延びるシャシフレームと、
    前記シャシフレームの上方に配置されるキャブと、
    前記シャシフレームに固定されて上方へ延びる下部ブラケットと、前記下部ブラケットの上部と前記キャブの底部とを回転自在に連結する上部ブラケットと、を有し、前記キャブを下方から支持するとともに、前記上部ブラケットに、前記車両の前後方向に略直交して前方を向く吸収体取付面が設けられたキャブマウントと、
    記上部ブラケットの前記吸収体取付面の前方に対向配置される対向面を有し、前記キャブマウントよりも前方に突出するエネルギ吸収体と、を備え
    前記キャブは、車幅方向に沿って起立して室内空間の前側を区画するダッシュパネルを有し、
    前記エネルギ吸収体は、前記対向面と前記吸収体取付面との間に前記ダッシュパネルを挟んだ状態で前記吸収体取付面に固定される
    ことを特徴とするキャブオーバー型車両の前部構造。
  2. 車両の前後方向に沿って延びるシャシフレームと、
    前記シャシフレームの上方に配置されるキャブと、
    前記シャシフレームに固定されて上方へ延びる下部ブラケットと、前記下部ブラケットの上部と前記キャブの底部とを回転自在に連結する上部ブラケットと、を有し、前記キャブを下方から支持するとともに、前記上部ブラケットに、前記車両の前後方向に略直交して前方を向く吸収体取付面が設けられたキャブマウントと、
    前記上部ブラケットの前記吸収体取付面の前方に対向配置される対向面を有し、前記キャブマウントよりも前方に突出するエネルギ吸収体と、を備え、
    前記キャブは、車幅方向に沿って起立して室内空間の前側を区画するダッシュパネルを有し、
    前記エネルギ吸収体は、前記ダッシュパネルに一体形成されている
    ことを特徴とするキャブオーバー型車両の前部構造。
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