以下、本発明の詳細を説明する。
本発明に係る導電性粒子は、基材粒子と、上記基材粒子の表面上に配置されており、かつ外表面に複数の突起を有する導電部と、上記導電部内に埋め込まれた複数の芯物質とを備える。本発明に係る導電性粒子は、上記導電部の外表面の上記突起の内側に、上記芯物質が配置されている。本発明に係る導電性粒子は、上記芯物質が球状ではない形状を有する。従って、本発明に係る導電性粒子には、球状の芯物質を用いた導電性粒子は含まれない。さらに、本発明に係る導電性粒子では、上記芯物質の材料が、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化チタン又はタングステンカーバイドである。
本発明に係る導電性粒子は、上述した構成を備えているので、特に上記芯物質が球状ではない形状を有し、更に上記芯物質の材料が酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化チタン又はタングステンカーバイドであるため、本発明に係る導電性粒子を用いて電極間を接続した場合に、電極間の接続抵抗を低くすることができる。例えば、導電部の表面及び電極の表面には酸化膜が形成されていることがある。本発明に係る導電性粒子の使用により、電極間の接続時に、上記酸化膜が効果的に排除され、電極間の接続抵抗を低くすることができる。
また、上記芯物質が球状ではない形状を有することによって、上記芯物質が球状である場合と比べて、電極間の接続抵抗を低くすることができる。また、上記芯物質の材料が、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化チタン又はタングステンカーバイドであることは、接続抵抗の低減に大きく寄与する。
上記芯物質は、球状ではない形状を有する。上記芯物質の形状としては、楕円球状、多角錐状、多角柱状、円盤状、板状、針状、立方体状、直方体状及びこれらに類似した形状などが挙げられる。
電極間の接続抵抗を効果的に低くする観点からは、上記芯物質の投影像の円形度は好ましくは0.99以下、より好ましくは0.95以下である。上記円形度は、0.95を超えていてもよく、0.99を超えていてもよく、1.05以上であってもよく、1.1以上であってもよく、1.5以下であってもよい。
上記芯物質の円形度は、芯物質を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し撮影し、画像解析ソフト(積水化学工業社製画像計測システム)から芯物質の面積S及び周囲長Lを得て、円形度=4π×S/L2より算出することにより求められる。
電極間の接続抵抗を効果的に低くする観点からは、上記芯物質のアスペクト比は好ましくは1.2以上、より好ましくは1.5以上、更に好ましくは2以上である。上記アスペクト比は、5以下であってもよく、4以下であってもよい。
上記芯物質のアスペクト比は、芯物質を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し撮影し、長辺と短辺の比率から算出することにより求められる。
接続抵抗をより一層低くする観点からは、上記導電性粒子1個あたりの上記導電部の外表面の突起は、好ましくは3個以上、より好ましくは5個以上、更に好ましくは10個以上である。上記突起の数の上限は特に限定されない。突起の数の上限は導電性粒子の粒子径等を考慮して適宜選択できる。上記突起の数は1000個以下であってもよい。
複数の上記突起の平均高さは、好ましくは0.001μm以上、より好ましくは0.05μm以上、好ましくは0.9μm以下、より好ましくは0.2μm以下である。上記突起の平均高さが上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の接続抵抗を効果的に低くすることができる。
上記突起の高さは、導電性粒子の中心と突起の先端とを結ぶ線(図1に示す破線L1)上における、突起が無いと想定した場合の導電部の仮想線(図1に示す破線L2)上(突起が無いと想定した場合の球状の導電性粒子の外表面上)から突起の先端までの距離を示す。すなわち、図1においては、破線L1と破線L2との交点から突起の先端までの距離を示す。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る導電性粒子を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、導電性粒子1は、基材粒子2と、導電部3と、複数の芯物質4と、複数の絶縁物質5とを有する。
導電部3は、基材粒子2の表面上に配置されている。導電性粒子1は、基材粒子2の表面が導電部3により被覆された被覆粒子である。導電部3は連続皮膜である。
導電性粒子1は導電性の表面に、複数の突起1aを有する。導電部3は外表面に、複数の突起3aを有する。複数の芯物質4が、基材粒子2の表面上に配置されている。芯物質4は、基材粒子2の表面と接触している。複数の芯物質4は導電部3内に埋め込まれている。芯物質4は、突起1a,3aの内側に配置されている。導電部3は、複数の芯物質4を被覆している。複数の芯物質4により導電部3の外表面が隆起されており、突起1a,3aが形成されている。
導電性粒子1は、導電部3の外表面上に配置された絶縁物質5を有する。導電部3の外表面の少なくとも一部の領域が、絶縁物質5により被覆されている。絶縁物質5は絶縁性を有する材料により形成されており、絶縁粒子である。
芯物質4は、球状ではない形状を有する。芯物質の形状は、球状ではない形状であれば、図1に示す形状に限定されず、適宜変更可能である。また、芯物質4の材料は、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化チタン又はタングステンカーバイドである。また、突起の形状は、図1に示す形状に限定されず、芯物質の形状に応じて、適宜変更可能である。
図2は、本発明の第2の実施形態に係る導電性粒子を模式的に示す断面図である。
図2に示す導電性粒子11は、基材粒子2と、第1の導電部12と、第2の導電部13と、複数の芯物質4と、複数の絶縁物質5とを有する。
導電性粒子1と導電性粒子11とでは、導電部のみが異なっている。すなわち、導電性粒子1では、1層構造の導電部3が形成されているのに対し、導電性粒子11では、2層構造の第1の導電部12及び第2の導電部13が形成されている。
第1,第2の導電部12,13は、基材粒子2の表面上に配置されている。基材粒子2と第2の導電部13との間に、第1の導電部12が配置されている。従って、基材粒子2の表面上に第1の導電部12が配置されており、第1の導電部12の表面上に第2の導電部13が配置されている。第1,第2の導電部12,13は外表面に、複数の突起12a,13aを有する。導電性粒子11は導電性の表面に、複数の突起11aを有する。
複数の芯物質4が、基材粒子2の表面上に配置されている。芯物質4は、基材粒子2の表面と接触している。複数の芯物質4は第1,第2の導電部12,13内に埋め込まれている。基材粒子2と第1の導電部12との間に、芯物質4が配置されている。芯物質4は、突起11a,12a,13aの内側に配置されている。第1,第2の導電部12,13はそれぞれ、複数の芯物質4を被覆している。複数の芯物質4により第1,第2の導電部12,13の外表面が隆起されており、突起11a,12a,13aが形成されている。
導電性粒子1,11のように、上記導電部は、単層であってもよく、2層以上の多層であってもよい。
図3は、本発明の第3の実施形態に係る導電性粒子を模式的に示す断面図である。
図3に示す導電性粒子21は、基材粒子2と、第1の導電部22と、第2の導電部23と、複数の芯物質4とを有する。導電性粒子21では、2層構造の第1の導電部22及び第2の導電部23を備える。
導電性粒子11と導電性粒子21とでは、芯物質の配置箇所と、絶縁物質の有無のみが異なっている。すなわち、導電性粒子11では、基材粒子2と第1の導電部12との間に、芯物質4が配置されているのに対し、導電性粒子21では、第1の導電部22と第2の導電部23との間に、芯物質4が配置されている。導電性粒子11は、絶縁物質5を有するのに対し、導電性粒子21は、絶縁物質を有さない。
第1,第2の導電部22,23は、基材粒子2の表面上に配置されている。基材粒子2と第2の導電部23との間に、第1の導電部22が配置されている。従って、基材粒子2の表面上に第1の導電部22が配置されており、第1の導電部22の表面上に第2の導電部23が配置されている。第1の導電部22は外表面に突起を有さない。第2の導電部23は外表面に、複数の突起23aを有する。導電性粒子21は導電性の表面に、複数の突起21aを有する。
複数の芯物質4が、基材粒子2の表面上に配置されている。但し、芯物質4は、基材粒子2の表面と接触していない。複数の芯物質4は第1の導電部22の外表面上に配置されており、第2の導電部23内に埋め込まれている。第1の導電部22と第2の導電部23との間に、芯物質4が配置されている。第1,第2の導電部22,23はそれぞれ、複数の芯物質4を被覆している。複数の芯物質4により第2の導電部23の外表面が隆起されており、突起21a,23aが形成されている。芯物質4は、突起21a,23aの内側に配置されている。
導電性粒子1,11,21のように、上記導電性粒子は、上記絶縁物質を有していてもよく、有していなくてもよい。また、上記芯物質は、上記基材粒子の表面に接触していてもよく、上記基材粒子の表面に接触していなくてもよく、上記基材粒子の表面に接触しないように上記導電部内に埋め込まれていてもよい。
図4は、本発明の第4の実施形態に係る導電性粒子を模式的に示す断面図である。
図4に示す導電性粒子31は、基材粒子2と、導電部32と、複数の芯物質4と、絶縁物質5とを備える。導電性粒子31は、導電性の表面に突起31aを有する。
導電部32は、基材粒子2の表面上に配置されている。導電性粒子31では、単層の導電部32が形成されている。
複数の芯物質4が、基材粒子2の表面上に配置されている。但し、芯物質4は、基材粒子2の表面と接触していない。芯物質4は導電部32内に埋め込まれている。基材粒子2と芯物質4との間に、導電部32の一部が配置されている。芯物質4の外表面全体が導電部32により覆われている。導電部32は、複数の芯物質4を被覆している。複数の芯物質4によりの導電部32の外表面が隆起されており、突起31a,32aが形成されている。芯物質4は、突起31a,32aの内側に配置されている。
導電性粒子31のように、上記導電性粒子は、単層の導電部において、基材粒子の表面に接触しないように芯物質が、導電部内に埋め込まれていてもよい。
以下、導電性粒子をより詳しく説明する。
(導電性粒子)
[基材粒子]
上記基材粒子としては、樹脂粒子、金属を除く無機粒子、有機無機ハイブリッド粒子及び金属粒子等が挙げられる。上記基材粒子は、金属粒子を除く基材粒子であることが好ましく、樹脂粒子、金属を除く無機粒子又は有機無機ハイブリッド粒子であることがより好ましい。上記基材粒子は、コアとコアの表面上に配置されたシェルとを備えていてもよく、コアシェル粒子であってもよい。
上記基材粒子は、樹脂により形成された樹脂粒子であることが好ましい。電極間を接続する際には、導電性粒子を電極間に配置した後、一般的に導電性粒子を圧縮させる。基材粒子が樹脂粒子であると、圧縮により導電性粒子が変形しやすく、導電性粒子と電極との接触面積が大きくなる。このため、電極間の導通信頼性が高くなる。
上記樹脂粒子を形成するための樹脂として、種々の有機物が好適に用いられる。上記樹脂粒子を形成するための樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン等のポリオレフィン樹脂;ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート等のアクリル樹脂;ポリアルキレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、及び、エチレン性不飽和基を有する種々の重合性単量体を1種もしくは2種以上重合させて得られる重合体等が挙げられる。また、エチレン性不飽和基を有する種々の重合性単量体を1種もしくは2種以上重合させることにより、導電材料に適した任意の圧縮時の物性を有する樹脂粒子を設計及び合成可能である。また、導電材料に適した任意の圧縮時の物性を有する樹脂粒子を設計及び合成することができ、かつ基材粒子の硬度を好適な範囲に容易に制御できるので、上記樹脂粒子を形成するための樹脂は、エチレン性不飽和基を複数有する重合性単量体を1種又は2種以上重合させた重合体であることが好ましい。
上記樹脂粒子を、エチレン性不飽和基を有する単量体を重合させて得る場合には、該エチレン性不飽和基を有する単量体としては、非架橋性の単量体と架橋性の単量体とが挙げられる。
上記非架橋性の単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基含有単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の酸素原子含有(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル含有単量体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル等のビニルエーテル類;酢酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の酸ビニルエステル類;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン等の不飽和炭化水素;トリフルオロメチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロエチル(メタ)アクリレート、塩化ビニル、フッ化ビニル、クロルスチレン等のハロゲン含有単量体等が挙げられる。
上記架橋性の単量体としては、例えば、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;トリアリル(イソ)シアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルアクリルアミド、ジアリルエーテル、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルスチレン、ビニルトリメトキシシラン等のシラン含有単量体等が挙げられる。
上記エチレン性不飽和基を有する重合性単量体を、公知の方法により重合させることで、上記樹脂粒子を得ることができる。この方法としては、例えば、ラジカル重合開始剤の存在下で懸濁重合する方法、及び非架橋の種粒子を用いてラジカル重合開始剤とともに単量体を膨潤させて重合する方法等が挙げられる。
上記基材粒子が金属粒子を除く無機粒子又は有機無機ハイブリッド粒子である場合には、上記基材粒子の材料である無機物としては、シリカ及びカーボンブラック等が挙げられる。上記シリカにより形成された粒子としては特に限定されないが、例えば、加水分解性のアルコキシシリル基を2つ以上有するケイ素化合物を加水分解して架橋重合体粒子を形成した後に、必要に応じて焼成を行うことにより得られる粒子が挙げられる。上記有機無機ハイブリッド粒子としては、例えば、架橋したアルコキシシリルポリマーとアクリル樹脂とにより形成された有機無機ハイブリッド粒子等が挙げられる。
上記基材粒子が金属粒子である場合には、該金属粒子の材料である金属としては、銀、銅、ニッケル、ケイ素、金及びチタン等が挙げられる。但し、上記基材粒子は金属粒子ではないことが好ましい。
上記基材粒子の粒子径は、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上、より一層好ましくは1μm以上、更に好ましくは1.5μm以上、特に好ましくは2μm以上、好ましくは1000μm以下、より好ましくは500μm以下、より一層好ましくは300μm以下、更に好ましくは100μm以下、更に好ましくは50μm以下、更に一層好ましくは30μm以下、特に好ましくは5μm以下、最も好ましくは3μm以下である。上記基材粒子の粒子径が上記下限以上であると、導電性粒子と電極との接触面積が大きくなるため、電極間の導通信頼性がより一層高くなり、導電性粒子を介して接続された電極間の接続抵抗がより一層低くなる。さらに、基材粒子の表面に導電部を無電解めっきにより形成する際に凝集し難くなり、凝集した導電性粒子が形成されにくくなる。基材粒子の平均粒子径が上記上限以下であると、導電性粒子が充分に圧縮されやすく、電極間の接続抵抗がより一層低くなり、更に電極間の間隔が狭くなる。
上記基材粒子の粒子径は、数平均粒子径を示す。該平均粒子径は、例えばコールターカウンター(ベックマンコールター社製)を用いて測定可能である。
[導電部]
上記導電部は導電層であることが好ましい。上記導電部の材料である金属は特に限定されない。上記導電部の材料である金属としては、金、銀、銅、パラジウム、白金、亜鉛、鉄、錫、鉛、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、タリウム、ゲルマニウム、カドミウム、ケイ素、タングステン、モリブデン及びこれらの合金等が挙げられる。また、上記金属としては、錫ドープ酸化インジウム(ITO)及びはんだ等が挙げられる。なかでも、電極間の接続抵抗をより一層低くすることができるので、錫を含む合金、ニッケル、パラジウム、銅又は金が好ましく、ニッケル又はパラジウムがより好ましい。上記導電部を構成する金属はニッケルを含むことが好ましい。上記導電部は、ニッケル、タングステン、モリブデン、パラジウム、リン及びボロンからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、ニッケルと、リン又はボロンとを含むことがより好ましい。上記導電部の材料は、リン及びボロンなどを含む合金であってもよい。上記導電部では、ニッケルとタングステン又はモリブデンとが合金化していてもよい。上記導電部の融点は、好ましくは300℃以上、より好ましくは450℃以上である。
導電部の硬度をより一層高くし、電極間の接続時に、導電部の表面及び電極の表面の酸化膜をより一層効果的に排除し、電極間の接続抵抗をより一層低くする観点からは、上記導電部は、ニッケルを含む導電部を有することが好ましい。ニッケルを含む導電部はニッケルを主金属として含むことが好ましい。上記ニッケルを含む導電部100重量%中、ニッケルの含有量は50重量%以上であることが好ましい。上記ニッケルを含む層100重量%中、ニッケルの含有量は好ましくは75重量%以上、より好ましくは85重量%以上、更に好ましくは95重量%以上である。ニッケルの含有量が上記下限以上であると、導電部の表面及び電極の表面の酸化膜がより一層効果的に除去され、電極間の接続抵抗がより一層低くなる。
上記導電部はリン又はボロンを含むことが好ましく、上記ニッケルを含む導電部はリン又はボロンを含むことが好ましい。上記導電部がリン又はボロンを含む場合に、リン又はボロンを含む導電部100重量%中、リンとボロンとの合計の含有量は、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは1重量%以上、さらに好ましくは3重量%以上、好ましくは10重量%以下である。リンとボロンとの合計の含有量が上記上限以下であると、導電部の抵抗がより一層低くなり、またニッケルなどの金属の含有量が相対的に多くなるので、電極間の接続抵抗がより一層低くなる。
上記導電部は、1つの層により形成されていてもよく、複数の層により形成されていてもよい。すなわち、導電部は、単層であってもよく、2層以上の積層構造を有していてもよい。導電部が複数の層により形成されている場合には、最外層は、金層、ニッケル層、パラジウム層、銅層又は錫と銀とを含む合金層であることが好ましく、金層又はパラジウム層であることがより好ましく、金層であることが特に好ましい。最外層がこれらの好ましい導電部である場合には、電極間の接続抵抗がより一層低くなる。また、最外層が金層である場合には、耐腐食性がより一層高くなる。
粒子の表面上に導電部を形成する方法は特に限定されない。導電部を形成する方法としては、例えば、無電解めっきによる方法、電気めっきによる方法、物理的蒸着による方法、並びに金属粉末もしくは金属粉末とバインダーとを含むペーストを粒子の表面にコーティングする方法等が挙げられる。なかでも、導電部の形成が簡便であるので、無電解めっきによる方法が好ましい。上記物理的蒸着による方法としては、真空蒸着、イオンプレーティング及びイオンスパッタリング等の方法が挙げられる。
導電部全体の厚みは、好ましくは5nm以上、より好ましくは10nm以上、更に好ましくは20nm以上、特に好ましくは50nm以上、好ましくは1000nm以下、より好ましくは800nm以下、更に好ましくは500nm以下、特に好ましくは400nm以下、最も好ましくは300nm以下である。導電部の厚みは、導電部が上記第1の導電部と上記第2の導電部とを有する場合には、第1,第2の導電部の合計の厚みである。導電部全体の厚みが上記下限以上であると、導電性粒子の導電性がより一層良好になる。導電部全体の厚みが上記上限以下であると、基材粒子と導電部との熱膨張率の差が小さくなり、基材粒子から金属層が剥離し難くなる。
上記導電部が多層である場合に、最外層の導電部の厚みは、好ましくは1nm以上、より好ましくは10nm以上、好ましくは500nm以下、より好ましくは100nm以下である。上記最外層の導電部の厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、最外層の導電部による被覆を均一にでき、耐腐食性が充分に高くなり、かつ電極間の接続抵抗が充分に低くなる。また、上記最外層が内層の導電部よりも高価である場合に、最外層の厚みが薄いほど、コストが低くなる。
上記導電部の厚みは、好ましくは0.005μm以上、より好ましくは0.01μm以上、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.3μm以下である。導電部の厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、導電性が充分に高くなり、かつ導電性粒子が硬くなりすぎずに、電極間の接続の際に導電性粒子が充分に変形可能である。
上記導電部の厚みは、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、導電性粒子の断面を観察することにより測定可能である。
[芯物質]
導電性粒子は、導電性の表面に突起を有し、導電部の表面に突起を有する。該突起は複数である。導電性粒子により接続される電極の表面には、酸化膜が形成されていることが多い。導電部の表面に突起を有する導電性粒子を用いることで、電極間に導電性粒子を配置して圧着させることにより、突起により上記酸化膜を効果的に排除できる。このため、電極と導電部とがより一層確実に接触し、電極間の接続抵抗がより一層低くなる。さらに、電極間の接続時に、導電性粒子の突起によって、導電性粒子と電極との間の絶縁物質を効果的に排除できる。このため、電極間の導通信頼性が高くなる。
上記芯物質が上記導電部内に埋め込まれていることによって、上記導電部が外表面に複数の突起を有するようにすることが容易である。
上記突起を形成する方法としては、基材粒子の表面に芯物質を付着させた後、無電解めっきにより導電部を形成する方法、並びに基材粒子の表面に無電解めっきにより導電部を形成した後、芯物質を付着させ、更に無電解めっきにより導電部を形成する方法等が挙げられる。上記突起を形成する他の方法としては、基材粒子の表面上に、第1の導電部を形成した後、該第1の導電部上に芯物質を配置し、次に第2の導電部を形成する方法、並びに基材粒子の表面上に導電部を形成する途中段階で、芯物質を添加する方法等が挙げられる。
上記基材粒子の表面上に芯物質を配置する方法としては、例えば、基材粒子の分散液中に、芯物質を添加し、基材粒子の表面に芯物質を、例えば、ファンデルワールス力により集積させ、付着させる方法、並びに基材粒子を入れた容器に、芯物質を添加し、容器の回転等による機械的な作用により基材粒子の表面に芯物質を付着させる方法等が挙げられる。なかでも、付着させる芯物質の量を制御しやすいため、分散液中の基材粒子の表面に芯物質を集積させ、付着させる方法が好ましい。
上記導電性粒子は、基材粒子の表面上に第1の導電部を有し、かつ該第1の導電部上に第2の導電部を有していてもよい。この場合に、第1の導電部の表面に芯物質を付着させてもよい。芯物質は第2の導電部により被覆されていることが好ましい。上記第1の導電部の厚みは、好ましくは0.05μm以上、好ましくは0.5μm以下である。導電性粒子は、基材粒子の表面上に第1の導電部を形成し、次に該第1の導電部の表面上に芯物質を付着させた後、第1の導電部及び芯物質の表面上に第2の導電部を形成することにより得られていることが好ましい。
上記芯物質の材料は、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化チタン又はタングステンカーバイドである。上記芯物質の材料は、酸化亜鉛であってもよく、酸化アルミニウムであってもよく、酸化チタンであってもよく、タングステンカーバイドであってもよい。上記芯物質の材料は、酸化チタンであることが好ましい。上記芯物質の材料が酸化チタンであると、芯物質と導電部との密着性がより一層高くなり、特に芯物質とニッケルを含む導電部との密着性がより一層高くなる。さらに、基材粒子に対する芯物質の吸着性がより一層高くなり、基材粒子の表面上に芯物質をより一層容易に配置することができ、突起密度をより一層容易に制御可能になる。
上記芯物質の平均径(平均粒子径)は、好ましくは0.001μm以上、より好ましくは0.05μm以上、好ましくは0.9μm以下、より好ましくは0.2μm以下である。上記芯物質の平均径が上記下限以上及び上限以下であると、電極間の接続抵抗が効果的に低くなる。
上記芯物質の「平均径(平均粒子径)」は、数平均径(数平均粒子径)を示す。芯物質の平均径を細孔電気抵抗法コールターカウンター マルチサイザー4(ベックマンコールター社製)によって測定し、数平均粒子径を算出することにより求められる。
また、複数の芯物質のアスペクト比が1を超える場合に、複数の芯物質の内の少なくとも一部において、芯物質の長辺方向が、導電性粒子の中心と突起(芯物質により隆起されている突起)の先端とを結ぶ方向と直交する方向に対して、略平行ではないことが好ましく、導電性粒子の中心と突起の先端とを結ぶ方向と直交する方向に対して、15度以上傾斜していることが好ましい。
[絶縁物質]
本発明に係る導電性粒子は、上記導電部の表面上に配置された絶縁物質を備えることが好ましい。この場合には、導電性粒子を電極間の接続に用いると、隣接する電極間の短絡を防止できる。具体的には、複数の導電性粒子が接触したときに、複数の電極間に絶縁物質が存在するので、上下の電極間ではなく横方向に隣り合う電極間の短絡を防止できる。なお、電極間の接続の際に、2つの電極で導電性粒子を加圧することにより、導電部と電極との間の絶縁物質を容易に排除できる。導電性粒子が導電部の外表面に複数の突起を有する場合には、導電性粒子の導電部と電極との間の絶縁物質をより一層容易に排除できる。
電極間の圧着時に上記絶縁物質をより一層容易に排除できることから、上記絶縁物質は、絶縁粒子であることが好ましい。
上記絶縁物質の材料である絶縁性樹脂の具体例としては、ポリオレフィン類、(メタ)アクリレート重合体、(メタ)アクリレート共重合体、ブロックポリマー、熱可塑性樹脂、熱可塑性樹脂の架橋物、熱硬化性樹脂及び水溶性樹脂等が挙げられる。
上記ポリオレフィン類としては、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。上記(メタ)アクリレート重合体としては、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート及びポリブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記ブロックポリマーとしては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、SB型スチレン−ブタジエンブロック共重合体、及びSBS型スチレン−ブタジエンブロック共重合体、並びにこれらの水素添加物等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂としては、ビニル重合体及びビニル共重合体等が挙げられる。上記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂及びメラミン樹脂等が挙げられる。上記水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド及びメチルセルロース等が挙げられる。なかでも、水溶性樹脂が好ましく、ポリビニルアルコールがより好ましい。
熱圧着時の絶縁粒子の脱離性をより一層高める観点からは、絶縁粒子は、無機粒子であることが好ましく、シリカ粒子であることが好ましい。上記無機粒子としては、シラス粒子、ハイドロキシアパタイト粒子、マグネシア粒子、酸化ジルコニウム粒子及びシリカ粒子等が挙げられる。上記シリカ粒子としては、粉砕シリカ、球状シリカが挙げられ、球状シリカを用いることが好ましい。
上記導電部の表面上に絶縁物質を配置する方法としては、化学的方法、及び物理的もしくは機械的方法等が挙げられる。上記化学的方法としては、例えば、界面重合法、粒子存在下での懸濁重合法及び乳化重合法等が挙げられる。上記物理的もしくは機械的方法としては、スプレードライ、ハイブリダイゼーション、静電付着法、噴霧法、ディッピング及び真空蒸着による方法等が挙げられる。なかでも、絶縁物質が脱離し難いことから、上記導電部の表面又は上記被膜の表面に、化学結合を介して上記絶縁物質を配置する方法が好ましい。
上記絶縁物質の平均径(平均粒子径)は、導電性粒子の粒子径及び導電性粒子の用途等によって適宜選択可能である。上記絶縁物質の平均径(平均粒子径)は好ましくは0.005μm以上、より好ましくは0.01μm以上、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μm以下である。絶縁物質の平均径が上記下限以上であると、導電性粒子がバインダー樹脂中に分散されたときに、複数の導電性粒子における導電部同士が接触し難くなる。絶縁粒子の平均径が上記上限以下であると、電極間の接続の際に、電極と導電性粒子との間の絶縁物質を排除するために、圧力を高くしすぎる必要がなくなり、高温に加熱する必要もなくなる。
上記絶縁物質の「平均径(平均粒子径)」は、数平均径(数平均粒子径)を示す。絶縁物質の平均径は、粒度分布測定装置等を用いて求められる。
(導電材料)
本発明に係る導電材料は、上述した導電性粒子と、バインダー樹脂とを含む。上記導電性粒子は、バインダー樹脂中に分散され、導電材料として用いられることが好ましい。上記導電材料は、異方性導電材料であることが好ましい。上記導電材料は、電極の電気的な接続に好適に用いられる。上記導電材料は、回路接続材料であることが好ましい。上記バインダー樹脂は特に限定されない。上記バインダー樹脂として、公知の絶縁性の樹脂が用いられる。
上記バインダー樹脂としては、例えば、ビニル樹脂、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂、熱可塑性ブロック共重合体及びエラストマー等が挙げられる。上記バインダー樹脂は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ビニル樹脂としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂及びスチレン樹脂等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びポリアミド樹脂等が挙げられる。上記硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。なお、上記硬化性樹脂は、常温硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂又は湿気硬化性樹脂であってもよい。上記硬化性樹脂は、硬化剤と併用されてもよい。上記熱可塑性ブロック共重合体としては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、及びスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物等が挙げられる。上記エラストマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、及びアクリロニトリル−スチレンブロック共重合ゴム等が挙げられる。
上記導電材料は、上記導電性粒子及び上記バインダー樹脂の他に、例えば、充填剤、増量剤、軟化剤、可塑剤、重合触媒、硬化触媒、着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤及び難燃剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
本発明に係る導電材料は、導電ペースト及び導電フィルム等として使用され得る。本発明に係る導電材料が、導電フィルムである場合には、導電性粒子を含む導電フィルムに、導電性粒子を含まないフィルムが積層されていてもよい。上記導電ペーストは、異方性導電ペーストであることが好ましい。上記導電フィルムは、異方性導電フィルムであることが好ましい。
上記導電材料100重量%中、上記バインダー樹脂の含有量は好ましくは10重量%以上、より好ましくは30重量%以上、更に好ましくは50重量%以上、特に好ましくは70重量%以上、好ましくは99.99重量%以下、より好ましくは99.9重量%以下である。上記バインダー樹脂の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間に導電性粒子が効率的に配置され、導電材料により接続された接続対象部材の接続信頼性がより一層高くなる。
上記導電材料100重量%中、上記導電性粒子の含有量は好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上、好ましくは40重量%以下、より好ましくは20重量%以下、更に好ましくは10重量%以下である。上記導電性粒子の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の導通信頼性がより一層高くなる。
(接続構造体)
本発明に係る導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料を用いて、接続対象部材を接続することにより、接続構造体を得ることができる。
上記接続構造体は、第1の接続対象部材と、第2の接続対象部材と、第1の接続対象部材と第2の接続対象部材を接続している接続部とを備え、該接続部が上述した導電性粒子により形成されているか、又は、上述した導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料により形成されている接続構造体であることが好ましい。
図5に、本発明の第1の実施形態に係る導電性粒子を用いた接続構造体を模式的に正面断面図で示す。
図5に示す接続構造体51は、第1の接続対象部材52と、第2の接続対象部材53と、第1,第2の接続対象部材52,53を接続している接続部54とを備える。接続部54は、導電性粒子1とバインダー樹脂(硬化したバインダー樹脂など)とを含む。接続部54は、導電性粒子1を含む導電材料により形成されている。接続部54は、導電材料を硬化させることにより形成されていることが好ましい。なお、図5では、導電性粒子1は、図示の便宜上、略図的に示されている。導電性粒子1にかえて、導電性粒子11,21,31などの他の導電性粒子を用いてもよい。
第1の接続対象部材52は表面(上面)に、複数の第1の電極52aを有する。第2の接続対象部材53は表面(下面)に、複数の第2の電極53aを有する。第1の電極52aと第2の電極53aとが、1つ又は複数の導電性粒子1により電気的に接続されている。従って、第1,第2の接続対象部材52,53が導電性粒子1により電気的に接続されている。
上記接続構造体の製造方法は特に限定されない。接続構造体の製造方法の一例としては、第1の接続対象部材と第2の接続対象部材との間に上記導電材料を配置し、積層体を得た後、該積層体を加熱及び加圧する方法等が挙げられる。上記加圧の圧力は9.8×104〜4.9×106Pa程度である。上記加熱の温度は、120〜220℃程度である。
上記接続対象部材としては、具体的には、半導体チップ、コンデンサ及びダイオード等の電子部品、並びにプリント基板、フレキシブルプリント基板、ガラスエポキシ基板及びガラス基板等の回路基板である電子部品等が挙げられる。上記接続対象部材は電子部品であることが好ましい。上記導電性粒子は、電子部品における電極の電気的な接続に用いられることが好ましい。
上記接続対象部材に設けられている電極としては、金電極、ニッケル電極、錫電極、アルミニウム電極、銅電極、銀電極、モリブデン電極及びタングステン電極等の金属電極が挙げられる。上記接続対象部材がフレキシブルプリント基板である場合には、上記電極は金電極、ニッケル電極、錫電極又は銅電極であることが好ましい。上記接続対象部材がガラス基板である場合には、上記電極はアルミニウム電極、銅電極、モリブデン電極又はタングステン電極であることが好ましい。なお、上記電極がアルミニウム電極である場合には、アルミニウムのみで形成された電極であってもよく、金属酸化物層の表面にアルミニウム層が積層された電極であってもよい。上記金属酸化物層の材料としては、3価の金属元素がドープされた酸化インジウム及び3価の金属元素がドープされた酸化亜鉛等が挙げられる。上記3価の金属元素としては、Sn、Al及びGa等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1)
パラジウム付着工程:
粒子径が3.0μmであるジビニルベンゼン共重合体樹脂粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−203」)を用意した。
芯物質付着工程:
パラジウムが付着された樹脂粒子をイオン交換水300mL中で3分間攪拌し、分散させ、分散液を得た。次に、芯物質(楕円球状、アスペクト比1.5、円形度0.99以下、材料:酸化チタン、平均粒子径150nm)を10重量%で含むスラリー1gを3分間かけて上記分散液に添加し、芯物質が付着された樹脂粒子を得た。
無電解ニッケルめっき工程:
次いで、芯物質が付着された樹脂粒子をジメチルアミンボラン1重量%溶液100重量部に添加し、樹脂粒子の表面を活性化させた。表面が活性化された樹脂粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液を得た。
また、硫酸ニッケル0.23mol/L、ジメチルアミンボラン0.92mol/L及びクエン酸ナトリウム0.5mol/Lを含むニッケルめっき液(pH8.5)を用意した。
得られた懸濁液を60℃にて攪拌しながら、上記ニッケルめっき液を懸濁液に徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行った。その後、懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、樹脂粒子の表面上に配置されており、かつ外表面に複数の突起を有するニッケル−ボロン導電部(厚み0.1μm)を備える導電性粒子を得た。得られた導電性粒子1個あたりの突起の数は50個、突起の平均高さは200nmであった。
(実施例2)
芯物質の材料を変更したこと、すなわち芯物質(楕円球状、アスペクト比1.5、円形度0.99以下、材料:酸化チタン、平均粒子径150nm)を、芯物質(楕円球状、アスペクト比1.5、円形度0.99以下、材料:酸化亜鉛、平均粒子径150nm)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性粒子を得た。
(実施例3)
芯物質の材料を変更したこと、すなわち芯物質(楕円球状、アスペクト比1.5、円形度0.99以下、材料:酸化チタン、平均粒子径150nm)を、芯物質(楕円球状、アスペクト比1.5、円形度0.99以下、材料:酸化アルミニウム、平均粒子径150nm)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性粒子を得た。
(実施例4)
芯物質の材料を変更したこと、すなわち芯物質(楕円球状、アスペクト比1.5、円形度0.99以下、材料:酸化チタン、平均粒子径150nm)を、芯物質(楕円球状、アスペクト比1.5、円形度0.99以下、材料:タングステンカーバイド、平均粒子径250nm)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性粒子を得た。
(実施例5)
芯物質の使用量をかえて、導電性粒子1個あたりの突起の数を80個に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性粒子を得た。
(実施例6)
芯物質の形状を変更したこと、すなわち芯物質(楕円球状、アスペクト比1.5、円形度0.99以下、材料:酸化チタン、平均粒子径150nm)を、芯物質(楕円球状、アスペクト比3.5、円形度0.95以下、材料:酸化チタン、平均粒子径150nm)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性粒子を得た。
(実施例7)
絶縁粒子の作製:
4ツ口セパラブルカバー、攪拌翼、三方コック、冷却管及び温度プローブが取り付けられた1000mLのセパラブルフラスコに、メタクリル酸メチル100mmolと、N,N,N−トリメチル−N−2−メタクリロイルオキシエチルアンモニウムクロライド1mmolと、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩1mmolとを含むモノマー組成物を固形分率が5重量%となるようにイオン交換水に秤取した後、200rpmで攪拌し、窒素雰囲気下70℃で24時間重合を行った。反応終了後、凍結乾燥して、表面にアンモニウム基を有し、平均粒子径220nm及びCV値10%の絶縁粒子を得た。
絶縁粒子を超音波照射下でイオン交換水に分散させ、絶縁粒子の10重量%水分散液を得た。
実施例1で得られた導電性粒子10gをイオン交換水500mLに分散させ、絶縁粒子の水分散液4gを添加し、室温で6時間攪拌した。3μmのメッシュフィルターでろ過した後、更にメタノールで洗浄し、乾燥し、絶縁粒子が付着した導電性粒子を得た。
走査型電子顕微鏡(SEM)により観察したところ、導電性粒子の表面に絶縁粒子による被覆層が1層のみ形成されていた。画像解析により導電性粒子の中心より2.5μmの面積に対する絶縁粒子の被覆面積(即ち絶縁粒子の粒子径の投影面積)を算出したところ、被覆率は30%であった。
(比較例1)
芯物質を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして、樹脂粒子の表面上に配置されており、かつ外表面に突起を有さないニッケル−ボロン導電部(厚み0.1μm)を備える導電性粒子を得た。
(比較例2)
芯物質の形状を変更したこと、すなわち芯物質(楕円球状、アスペクト比1.5、円形度0.99以下、材料:酸化チタン、平均粒子径150nm)を、芯物質(球状、アスペクト比1、円形度約1、材料:酸化チタン、平均粒子径150nm)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性粒子を得た。得られた導電性粒子の円形度は1.0であった。
(比較例3)
芯物質の材料を変更したこと、すなわち芯物質(楕円球状、アスペクト比1.5、円形度0.99以下、材料:酸化チタン、平均粒子径150nm)を、芯物質(球状、アスペクト比1.0、円形度1.0、材料:シリカ、平均粒子径250nm)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性粒子を得た。
(比較例4)
芯物質の材料を変更したこと、すなわち芯物質(楕円球状、アスペクト比1.5、円形度0.99以下、材料:酸化チタン、平均粒子径150nm)をを、芯物質(楕円球状、アスペクト比1.2、円形度0.99以下、材料:ジルコニア、平均粒子径250nm)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性粒子を得た。
(実施例8)
基材粒子の粒子径を変更したこと、すなわち粒子径が3.0μmであるジビニルベンゼン共重合体樹脂粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−203」)を粒子径が2.5μmであるジビニルベンゼン共重合体樹脂粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP−2025」)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性粒子を得た。
(実施例9)
芯物質の平均粒子径を変更したこと、すなわち芯物質の平均粒子径150nmを30nmに変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性粒子を得た。
(実施例10)
芯物質の平均粒子径を変更したこと、すなわち芯物質の平均粒子径150nmを300nmに変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性粒子を得た。
(実施例11)
芯物質の使用量をかえて、導電性粒子1個あたりの突起の数を4個に変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性粒子を得た。
(評価)
(1)芯物質の円形度
芯物質を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し撮影し、画像解析ソフト(積水化学製画像計測システム)から芯物質の面積S及び周囲長Lを得て、円形度=4π×S/L2より算出した。
(2)芯物質のアスペクト比
芯物質を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し撮影し、長辺と短辺の比率から算出した。
(3)芯物質の平均粒子径
芯物質を細孔電気抵抗法コールターカウンター マルチサイザー4(ベックマンコールター社製)によって測定し、数平均粒子径を算出した。
(4)接続抵抗の評価
得られた導電性粒子を含有量が10重量%となるように、三井化学社製「ストラクトボンドXN−5A」に添加し、分散させて、異方性導電ペーストを作製した。
L/Sが30μm/30μmであるITO電極パターンを上面に有する透明ガラス基板を用意した。また、L/Sが30μm/30μmである銅電極パターンを下面に有する半導体チップを用意した。
上記透明ガラス基板上に、作製直後の異方性導電ペーストを厚さ30μmとなるように塗工し、異方性導電ペースト層を形成した。次に、異方性導電ペースト層上に上記半導体チップを、電極同士が対向するように積層した。その後、異方性導電ペースト層の温度が185℃となるようにヘッドの温度を調整しながら、半導体チップの上面に加圧加熱ヘッドを載せ、1MPaの圧力をかけて異方性導電ペースト層を185℃で硬化させて、接続構造体を得た。
得られた接続構造体の上下の電極間の接続抵抗を、4端子法により測定した。2つの接続抵抗の平均値を算出した。なお、電圧=電流×抵抗の関係から、一定の電流を流した時の電圧を測定することにより接続抵抗を求めることができる。接続抵抗を下記の基準で判定した。
[接続抵抗の判定基準]
○○:接続抵抗が2.0Ω以下
○:接続抵抗が2.0Ωを超え、3.0Ω以下
△:接続抵抗が3.0Ωを超え、5.0Ω以下
×:接続抵抗が5.0Ωを超える
(5)芯物質と導電部との密着性
得られた導電性粒子を用いて、300ccのガラス製ビーカーに導電性粒子1g:ジルコニアボール(φ1.0mm)45g:トルエン17gの比率で各材料を混合し、直径30mmのステンレス製羽根で400rpm/2分攪拌する条件で、導電性粒子に荷重をかけた。その後、導電部の芯物質の表面からの剥離の有無を確認した。芯物質と導電部との密着性を下記の基準で判定した。
[芯物質と導電部との密着性の判定基準]
○:導電部が芯物質の表面から剥離していない
△:導電部がわずかに芯物質の表面から剥離した
×:導電部が多く芯物質の表面から剥離した
結果を下記の表1に示す。