JP6352987B2 - 電解処理用金属表面処理剤、電解処理用金属表面処理剤の製造方法、及び、金属材料の表面処理方法 - Google Patents
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Description
[1]溶解Zr成分と、溶解F成分と、溶解P成分と、硝酸イオン、塩化物イオン及び硫酸イオンからなる群から選択される1種以上の陰イオンと、を含有し、
前記溶解P成分のP元素の換算質量(Pw)と前記溶解Zr成分のZr元素の換算質量(Zrw)との比(Pw/Zrw)が0.04以上0.5以下の範囲内であり、
下記に示す酸化還元滴定によって算出した過酸化水素換算成分の濃度が、100mg/L以上1500mg/L以下の範囲内である、
電解処理用金属表面処理剤。
[酸化還元滴定]:電解処理用金属表面処理剤を20ml採取し脱イオン水80ml加える。さらに50%硫酸(比重1.395)を10ml添加し、ヨウ化カリウムを2.0g加え冷暗所で5分間静置後、0.1Mチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定をする方法である。終点は茶褐色から無色に変化した点とする。
過酸化水素換算成分の濃度(mg/L)=滴定量(ml)×85.0
[2]前記溶解F成分のF元素の換算質量(Fw)と前記溶解Zr成分のZr元素の換算質量(Zrw)との比(Fw/Zrw)が1.3以上2.5以下の範囲内である、前記[1]に記載の電解処理用金属表面処理剤。
[3]Zr元素濃度が1000mg/L以上1950mg/L以下の範囲内である、前記[1]又は[2]に記載の電解処理用金属表面処理剤。
[4]pHが3.4以上4.8以下の範囲内である、前記[1]〜[3]に記載の電解処理用金属表面処理剤。
[5]前記過酸化水素換算成分が、過酸化水素、亜硝酸、過硫酸、オルガノパーオキサイド及びその塩からなる群から選択される物質を1種以上に由来する成分である、前記[1]〜[4]に記載の電解処理用金属表面処理剤。
[6]さらに、溶解Sn成分、溶解Fe成分、溶解アンモ態N成分、溶解Na成分及び溶解K成分からなる群から選択される少なくとも1成分を含有してもよく、この場合、前記溶解Zr成分のZr元素の換算質量(Zrw)、前記過酸化水素換算成分の質量(AW)、前記溶解Sn成分のSn元素の換算質量(Snw)、前記溶解Fe成分のFe元素の換算質量(Few)及び前記溶解アンモ態N成分のN元素の換算質量(Nw)の合計質量と、前記溶解Zr成分のZr元素の換算質量(Zrw)、前記過酸化水素換算成分の質量(AW)、前記溶解Sn成分のSn元素の換算質量(Snw)、前記溶解Fe成分のFe元素の換算質量(Few)、前記溶解アンモ態N成分のN元素の換算質量(Nw)、前記溶解Na成分のNa元素の換算質量(Naw)及び前記溶解K成分のK元素の換算質量(Kw)の合計質量との比CA:{(Zrw+AW+Snw+Few+Nw)/(Zrw+AW+Snw+Few+Nw+Naw+Kw)}が0.9以上である、前記[1]〜[5]に記載の電解処理用金属表面処理剤。
[7]電気伝導率が1.0S/m以上6.0S/m以下の範囲内である、前記[1]〜[6]に記載の電解処理用金属表面処理剤。
[8]処理対象金属がSn系めっきである、前記[1]〜[7]に記載の電解処理用金属表面処理剤。
[9]処理対象金属がSnとFeとの合金めっきである、前記[8]に記載の電解処理用金属表面処理剤。
[10]溶解Zr成分と、溶解F成分と、溶解P成分と、硝酸イオン、塩化物イオン及び硫酸イオンからなる群から選択される1種以上の陰イオンと、を含有し、
前記溶解P成分のP元素の換算質量(Pw)と前記溶解Zr成分のZr元素の換算質量(Zrw)との比(Pw/Zrw)が0.04以上0.5以下の範囲内であり、
下記に示す酸化還元滴定によって算出した過酸化水素換算成分の濃度が、100mg/L以上1500mg/L以下の範囲内である、
電解処理用金属表面処理剤の製造方法であって、
前記溶解Zr成分、前記溶解F成分、前記溶解P成分、前記過酸化水素換算成分及び前記陰イオンの供給源となる一種以上の原料を液体媒体に添加して混合する工程を含む
ことを特徴とする製造方法。
[酸化還元滴定]:電解処理用金属表面処理剤を20ml採取し脱イオン水80ml加える。さらに50%硫酸(比重1.395)を10ml添加し、ヨウ化カリウムを2.0g加え冷暗所で5分間静置後、0.1Mチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定をする方法である。終点は茶褐色から無色に変化した点とする。
過酸化水素換算成分の濃度(mg/L)=滴定量(ml)×85.0
[11]前記溶解F成分のF元素の換算質量(Fw)と前記溶解Zr成分のZr元素の換算質量(Zrw)との比(Fw/Zrw)が1.3以上2.5以下の範囲内である、前記[10]に記載の電解処理用金属表面処理剤の製造方法。
[12]Zr元素濃度が1000mg/L以上1950mg/L以下の範囲内である、前記[10]又は[11]に記載の電解処理用金属表面処理剤の製造方法。
[13]pHが3.4以上4.8以下の範囲内である、前記[10]〜[12]に記載の電解処理用金属表面処理剤の製造方法。
[14]前記過酸化水素換算成分が、過酸化水素、亜硝酸、過硫酸、オルガノパーオキサイド及びその塩からなる群から選択される物質を1種以上に由来する成分である、前記[10]〜[13]に記載の電解処理用金属表面処理剤の製造方法。
[15]さらに、溶解Sn成分、溶解Fe成分、溶解アンモ態N成分、溶解Na成分及び溶解K成分からなる群から選択される少なくとも1成分を含有してもよく、この場合、前記溶解Zr成分のZr元素の換算質量(Zrw)、前記過酸化水素換算成分の質量(AW)、前記溶解Sn成分のSn元素の換算質量(Snw)、前記溶解Fe成分のFe元素の換算質量(Few)及び溶解アンモ態N成分のN元素換算質量(Nw)の合計質量と、前記溶解Zr成分のZr元素の換算質量(Zrw)、前記過酸化水素換算成分の質量(AW)、前記溶解Sn成分のSn元素の換算質量(Snw)、前記溶解Fe成分のFe元素の換算質量(Few)、前記溶解アンモ態N成分のN元素の換算質量(Nw)、前記溶解Na成分のNa元素の換算質量(Naw)及び前記溶解K成分のK元素の換算質量(Kw)の合計質量との比CA:{(Zrw+AW+Snw+Few+Nw)/(Zrw+AW+Snw+Few+Nw+Naw+Kw)}が0.9以上である、前記[10]〜[14]に記載の電解処理用金属表面処理剤の製造方法。
[16]電気伝導率が1.0S/m以上6.0S/m以下の範囲内である、前記[10]〜[15]に記載の電解処理用金属表面処理剤の製造方法。
[17]処理対象金属がSn系めっきである、前記[10]〜[16]に記載の電解処理用金属表面処理剤の製造方法。
[18]処理対象金属がSnとFeとの合金めっきである、前記[17]に記載の電解処理用金属表面処理剤の製造方法。
[19]処理対象金属が電解処理用金属処理剤に浸漬された状態にて、当該処理対象金属を陰極側として通電する工程を含む、金属材料の表面処理方法において、
前記電解処理用金属処理剤が、
溶解Zr成分と、溶解F成分と、溶解P成分と、硝酸イオン、塩化物イオン及び硫酸イオンからなる群から選択される1種以上の陰イオンと、を含有し、
前記溶解P成分のP元素の換算質量(Pw)と前記溶解Zr成分のZr元素の換算質量(Zrw)との質量比(Pw/Zrw)が0.04以上0.5以下の範囲内であり、
下記に示す酸化還元滴定によって算出した過酸化水素換算成分の濃度が、100mg/L以上1500mg/L以下の範囲内である、
ことを特徴とする表面処理方法。
[酸化還元滴定]:電解処理用金属表面処理剤を20ml採取し脱イオン水80ml加える。さらに50%硫酸(比重1.395)を10ml添加し、ヨウ化カリウムを2.0g加え冷暗所で5分間静置後、0.1Mチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定をする方法である。終点は茶褐色から無色に変化した点とする。
過酸化水素換算成分の濃度(mg/L)=滴定量(ml)×85.0
[20]前記電解処理用金属処理剤における、前記溶解F成分のF元素の換算質量(Fw)と前記溶解Zr成分のZr元素の換算質量(Zrw)との比(Fw/Zrw)が、1.3以上2.5以下の範囲内である、前記[19]に記載の表面処理方法。
[21]前記電解処理用金属処理剤におけるZr元素濃度が、1000mg/L以上1950mg/L以下の範囲内である、前記[19]又は[20]に記載の表面処理方法。
[22]前記電解処理用金属処理剤におけるpHが、3.4以上4.8以下の範囲内である、前記[19]〜[21]に記載の表面処理方法。
[23]前記過酸化水素換算成分が、過酸化水素、亜硝酸、過硫酸、オルガノパーオキサイド及びその塩からなる群から選択される物質を1種以上に由来する成分である、前記[19]〜[22]に記載の表面処理方法。
[24]前記電解処理用金属処理剤が、さらに、溶解Sn成分、溶解Fe成分、溶解アンモ態N成分、溶解Na成分及び溶解K成分からなる群から選択される少なくとも1成分を含有してもよく、この場合、前記溶解Zr成分のZr元素の換算質量(Zrw)、前記過酸化水素換算成分の質量(AW)、前記Sn成分のSn元素の換算質量(Snw)、前記溶解Fe成分のFe元素の換算質量(Few)及び溶解アンモ態N成分のN元素の換算質量(Nw)の合計質量と、前記溶解Zr成分のZr元素の換算質量(Zrw)、前記過酸化水素換算成分の質量(AW)、前記Sn成分のSn元素の換算質量(Snw)、前記溶解Fe成分のFe元素の換算質量(Few)、前記溶解アンモ態N成分のN元素の換算質量(Nw)、前記溶解Na成分のNa元素の換算質量(Naw)及び前記溶解K成分のK元素の換算質量(Kw)の合計質量との質量比CA:{(Zrw+AW+Snw+Few+Nw)/(Zrw+AW+Snw+Few+Nw+Naw+Kw)}が0.9以上である、前記[19]〜[23]に記載の表面処理方法。
[25]前記電解処理用金属処理剤の電気伝導率が、1.0S/m以上6.0S/m以下の範囲内である、前記[19]〜[24]に記載の表面処理方法。
[26]前記処理対象金属がSn系めっきである、前記[19]〜[25]に記載の表面処理方法。
[27]前記処理対象金属がSnとFeとの合金めっきである、前記[26]に記載の表面処理方法。
1.電解処理用金属表面処理剤
1−1.構成成分
1−2.組成(含有比、含有量)
1−3.液性
2.電解処理用金属表面処理剤の製造方法
2−1.原料
2−2.プロセス
3.電解処理用金属表面処理剤の使用方法
3−1.対象金属
3−2.プロセス
本発明に係る電解処理用金属表面処理剤は、溶解Zr成分と、溶解F成分と、溶解P成分と、硝酸イオン、塩化物イオン及び硫酸イオンからなる群から選択される1種以上の陰イオンと、を含有し、前記溶解P成分のP元素の換算質量(Pw)と前記溶解Zr成分のZr元素の換算質量(Zrw)との比(Pw/Zrw)が0.04以上0.5以下の範囲内であり、下記に示す酸化還元滴定によって算出した過酸化水素換算成分の濃度が、100mg/L以上1500mg/L以下の範囲内である。尚、本発明に係る電解処理用金属表面処理剤は、新液(電解処理が行われていない液)及び負荷液(電解処理が行われた後の液)のいずれをも包含する。
[酸化還元滴定]:電解処理用金属表面処理剤を20mlホールピペットにて20ml採取し、コニカルビーカーに入れる。次に、脱イオン水を100mlメスシリンダーにて80ml、50%硫酸(比重1.395)を10mlメスシリンダーにて10ml、ヨウ化カリウムを2.0g加えた後、冷暗所にて5分間静置する。その後、0.1Mチオ硫酸ナトリウム溶液を最小目盛0.1mlの25mlビュレットにて滴定をする。なお、冷暗所とは気温20℃で、直射日光の当たらない場所を指す。また、終点は茶褐色から無色に変化した点とした。
電解処理用金属表面処理剤における過酸化水素換算成分は、硫酸酸性下で、ヨウ化カリウムと酸化還元反応をし、ヨウ素を生成する。過酸化水素換算成分が過酸化水素に由来するとき、1モルの過酸化水素は、2モルのヨウ化カリウム(KI、無色)と酸化還元反応し、1モルのヨウ素(I2)を生成する。この生成したヨウ素(茶褐色)は、滴定液におけるチオ硫酸ナトリウムと酸化還元反応し、無色のヨウ化ナトリウム(NaI)へ変化する。なお、1モルのヨウ素に対して2モルのチオ硫酸ナトリウムが酸化還元反応する。この酸化還元反応に基づき、0.1Mチオ硫酸ナトリウムの滴定量から過酸化水素換算成分の濃度へ換算する式を求めると以下の通りとなる。
過酸化水素換算成分の濃度(mg/L)=0.1Mチオ硫酸ナトリウムの滴定量(ml)×85.0
{1−1−1.溶解Zr成分}
溶解Zr成分は、常温(20℃)及び常圧(1atm=101325Pa)下にて、剤中で溶解状態にあるZr元素を含有する成分を指す。溶解Zr成分は、特に限定されず、例えば、Zrイオン(例えば、Zr4+)の他、Zrと他の成分(例えばF)と結合してなる錯イオン(ZrF6 2−、ZrF5 −、ZrF3 +、ZrF2 2+、ZrF3+)や分子(ZrF4)、酸化ジルコニウムイオン(ZrO3+やHZrO3 −)等の形態にて存在する。尚、本発明に係る電解処理用金属表面処理剤中には、好適には、Zrが結合し得る量を超えたFを含有するため、大部分の溶解Zr成分は、ZrF6 2−(又は、この一部のFが別の配位子で置換されているもの、当該アニオンにカチオンが電気的に結合したもの)として存在しているものと推定される。
溶解F成分は、常温(20℃)及び常圧(1atm=101325Pa)下にて、剤中で溶解状態にあるF元素を含有する成分を指す。溶解F成分は、特に限定されず、例えば、Fイオンの他、Fと他の成分(例えばZr、H)と結合してなる錯イオン(ZrF6 2−、ZrF5 −、ZrF3 +、ZrF2 2+、ZrF3+、HF2 −)や分子(HF、ZrF4)等の形態にて存在する。尚、本発明に係る電解処理用金属表面処理剤中には、好適には、Zrが結合し得る量を超えたFを含有するため、大部分の溶解F成分は、ZrF6 2−(又は、この一部のFが別の配位子で置換されているもの、当該アニオンにカチオンが電気的に結合したもの)として存在しており、残余はFイオン、HF又は他の成分との結合体として存在しているものと推定される。尚、上記にて、「溶解F成分」の一例として「ZrF6 2−」を挙げたが、当該成分はZrも含有しているため、当該成分は「溶解Zr成分」にも該当する(他の成分についても同様)。即ち、液中にある成分が溶解状態として存在しており、且つ、当該ある成分が、Zr及びF等の2種以上の元素を含有している場合(例えば、「X」及び「Y」)には、当該ある成分は、「溶解X成分」でもあり「溶解Y成分」でもある。
溶解P成分は、常温(20℃)及び常圧(1atm=101325Pa)下にて、溶解状態にあるP元素を含有する成分を指す。溶解P成分は、特に限定されず、例えば、(1)オルトりん酸態りん、(2)重合りん酸態りん、(3)溶解性有機りん酸態りん等の形態にて存在する。ここで、(1)オルトりん酸態りんは、より具体的な例としては、剤中で溶解状態にあるりん酸根(PO4)を含有する成分であり、例えば、オルトりん酸(H3PO4)、りん酸イオン(H2PO4 −、HPO4 2−、PO4 3−)など、並びにそれらのイオンと他の成分との結合体を挙げることができる。また、(2)重合りん酸態りんは、より具体的な例としては、剤中に溶解状態にある、ピロりん酸、ポリりん酸、メタりん酸、および、それらのイオンなど、並びにそれらのイオンと他の成分との結合体を挙げることができる。更に、(3)溶解性有機りん酸態りんは、剤中で溶解状態にある有機りん酸を含有する成分であり、例えば、剤中に溶解状態にあるホスホン酸、および、それらのイオン、並びにそれらのイオンと他の成分との結合体を挙げることができる。ここで、有機りん酸とは、炭素元素(C)と水素元素(H)と酸素元素(O)とりん元素(P)を含む構成とするものであって、りんの酸素酸(ホスホン酸)としての性質を有するものである。
本発明に係る電解処理用金属表面処理剤は、硝酸イオン、塩化物イオン及び硫酸イオンからなる群から選択される1種以上の陰イオンを更に含む。本処理剤の排水対策として、硝酸性窒素低減(硝酸性窒素フリーを含む)対策を施す場合には、陰イオンとして、硝酸イオンの全部又は一部を塩化物イオン及び/又は硫酸イオンに替えて対策をすることができる。電解処理装置に対する腐食防止対策として、塩化物低減(塩化物フリーを含む)対策を施す場合には、陰イオンとして、塩化物イオンの全部又は一部を硝酸イオン及び/又は硫酸イオンに替えて対策をすることができる。本処理剤の排水対策及び電解処理装置の腐食防止対策を施す場合には、陰イオンとして、硝酸イオン及び塩化物イオンの全部又は一部を硫酸イオンに替えて対策することができる。
過酸化水素換算成分は、電解処理用金属表面処理剤中に含まれる酸化性成分である。尚、過酸化水素換算成分は、過酸化水素には限定されず、前述した酸化還元滴定において酸化性成分のすべてが過酸化水素であると仮定して濃度特定された成分を意味する。当該過酸化水素換算成分は、例えば、過酸化水素、亜硝酸、過硫酸、オルガノパーオキサイド及びその塩(例えばナトリウム塩やアンモニウム塩)からなる群から選択される酸化性成分に由来した成分である。ここで、オルガノパーオキサイドとしては、例えば、t−ブチルハイドロパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド等の水可溶性のものを挙げることができる。これらの内、過酸化水素に由来した過酸化水素換算成分が、皮膜が薄くなり、且つ、皮膜を緻密化できる(クロメート処理のような不動態膜的な皮膜が形成される)点で特に好適である。
本発明に係る電解処理用金属表面処理剤は、必要に応じ、当該分野において使用される公知成分を含有していてもよい。例えば、溶解Sn成分、溶解Fe成分、溶解アンモ態N成分(即ち、アンモニウム、アンモニア)、溶解Na成分、溶解K成分を含有していてもよい。ここで、当該他の成分は、新液の調製時に添加された成分であっても、負荷液の段階にて素材(鋼板)等から供給される成分であってもよい。例えば、溶解Sn成分や溶解Fe成分は、限定されるものではないが、典型的には、処理過程で素材(鋼板)から供給される成分である。また、例えば、溶解Na成分や溶解K成分は、限定されるものではないが、典型的には、処理過程で液体媒体として使用される工業用水(井戸水、地下水、水道水)に含まれて供給される、または、処理過程で素材表面に付着して供給される成分である。但し、本発明に係る電解処理用金属表面処理剤は、溶解K成分(典型的にはカリウムイオン)を含有しないか痕跡量程度(Kw:3mg/L以下)しか含有しないことが望ましい。溶解K成分を含有しないか痕跡量程度しか含有しない場合、特に短時間皮膜析出性が良くなる。また、本発明に係る電解処理用金属表面処理剤は、溶解Na成分(典型的にはナトリウムイオン)を含有しないか痕跡量程度(Naw:3mg/L以下)しか含有しないことが望ましい。溶解Na成分を含有しないか痕跡量程度しか含有しない場合、特に皮膜外観性が良くなる。このことから処理剤の液体媒体は脱イオン水を用いるのが好ましい。
本発明に係る電解処理用金属表面処理剤における液体媒体は、好適には、水を主体とした液体媒体(例えば、脱イオン水、純水)である。ここで、「主体とする」とは、液体媒体の全質量を基準として水を51質量%以上(好適には60質量%以上、より好適には70質量%以上、更に好適には80質量%以上、特に好適には90質量%以上)を意味する。したがって、上述の各成分(溶解Zr成分、溶解F成分、溶解P成分、過酸化水素換算成分等)における「溶解」は、水を主体とした液体媒体(好適には水)に溶解した状態であることを意味し、例えば「水溶型」と言い換えることができる。尚、本発明に係る電解処理用金属表面処理剤は、上述した溶解成分や液体媒体のみを含有する形態のみならず、スラッジ、例えば、過剰量のイオン等が不溶化したもの{詳細な形態は不明であるが、例えば、FePO4、SnF4、SnO(OH)2、Sn(OH)4等}が共存した形態をも包含する。尚、液体媒体として水以外の他の液体媒体(例えば、水混和性の液体媒体、例えば、エタノール等のアルコール)を含有していてもよいが電解処理を行うためには少ない方が好適である。水以外の他の液体溶剤は、液体媒体の全質量を基準として20質量%以下、好適には10質量%以下、より好適には5質量%以下、更に好適には3質量%以下、特に好適には1質量%以下である。また、本剤は、乾燥形態又は濃縮形態であってもよい。この場合に現場にて水で溶解又は希釈して使用する。
{1−2−1.含有比}
(1−2−1−1.PwとZrwとの質量比)
本発明に係る電解処理用金属表面処理剤における溶解P成分のP元素の換算質量(Pw)と溶解Zr成分のZr元素の換算質量(Zrw)との比(Pw/Zrw)は、0.04以上0.5以下の範囲内であり、0.06以上0.4以下の範囲内であることが好適であり、0.08以上0.3以下であることがより好適である。本発明に係る電解処理用金属表面処理剤の特定系において、当該比を当該範囲内に設定することで{正確には、当該パラメータに加え、後述する過酸化水素換算成分の濃度を後述する範囲内に設定することで}、製缶加工性、フィルム密着性、塗料密着性(一次塗料密着性、二次塗料密着性)、耐食性(塗膜下耐食性、レトルト耐錆性)、耐硫化黒変性等のみならず、耐変色性の性質をSn系めっき材上に付与可能であると共に、短時間皮膜析出性、耐Sn混入性、処理剤経時安定性等、実用上好適な電解処理用金属表面処理剤を提供することができる。特に、Pw/Zrwが0.04未満であると、耐硫化黒変性が悪くなる。また、Pw/Zrwが0.5超であると、フィルム密着性が悪くなる。ここで、剤中のP元素及びZr元素の質量測定は、JIS−K0116:2014規格によるICP発光分光分析装置(ICP−AES)等公知の方法で可能である。
本発明に係る電解処理用金属表面処理剤における{溶解F成分のF元素の換算質量(Fw)と溶解Zr成分のZr元素の換算質量(Zrw)}との比(Fw/Zrw)は、1.3以上2.5以下の範囲内であることが好適であり、1.32以上2.4以下の範囲内であることがより好適であり、1.36以上2.3以下であることが更に好適である。FwとZrwとの比が前記範囲内であると、前述したような効果をより優れたものとすることが可能となる。特に、Fw/Zrwが1.3以上となると、耐Sn混入性がより良くなる。Fw/Zrwが2.5以下であると、二次塗料密着性がより良くなる。ここで、剤中のF元素の質量測定は、JIS−K0102:2014規格34.1記載のふっ素化合物を蒸留分離した溶液をランタン-アリザリンコンプレキソン吸光光度法に基づき定量分析することにより可能である。
さらに、溶解Sn成分、溶解Fe成分、溶解アンモ態N成分、溶解Na成分及び溶解K成分からなる群から選択される少なくとも1成分を含有してもよく、この場合、Zr成分のZr元素の換算質量(Zrw)、過酸化水素換算成分の質量(AW)、溶解Sn成分のSn元素の換算質量(Snw)、溶解Fe成分のFe元素の換算質量(Few)及び溶解アンモ態N成分のN元素の換算質量(Nw)の合計質量と、溶解Zr成分のZr元素の換算質量(Zrw)、過酸化水素換算成分の質量(AW)、溶解Sn成分のSn元素の換算質量(Snw)、溶解Fe成分のFe元素の換算質量(Few)、溶解アンモ態N成分のN元素の換算質量(Nw)、溶解Na成分のNa元素の換算質量(Naw)及び溶解K成分のK元素の換算質量(Kw)の合計質量との比をCAとしたとき、CAは、0.9以上であることが好適であり、0.92以上であることが更に好適である。当該範囲であると皮膜外観が良好となる。ここで、剤中のSn元素及びFe元素の質量測定は、JIS−K0116:2014規格によるICP発光分光分析装置(ICP−AES)等公知の方法で可能である。また、剤中の、溶解アンモ態N成分のN元素、Na元素及びK元素の質量測定は、JIS−K0102:2016規格によるイオンクロマトグラム方法等公知の方法で可能である。また、AWは、過酸化水素換算成分の濃度に体積を乗じた値である。
(1−2−2−1.Zr元素濃度)
本発明に係る電解処理用金属表面処理剤におけるZr元素濃度は、1000mg/L以上1950mg/L以下の範囲内であることが好適であり、1100mg/L以上1850mg/L以下の範囲内であることがより好適であり、1200mg/L以上1750mg/L以下の範囲内であることが更に好適である。当該範囲内であると、通常の電解条件{例えば、供試材を陰極側とし、一定の電流密度で供試材に通電(例えば、所定の40℃の金属表面処理剤に浸漬すると同時に3.0A/dm2の電流密度で1秒間保持)}であっても、前述したような効果を有する金属材料を提供することができる。特に、Zr濃度が1000mg/L以上となると、レトルト耐錆性がより良くなる。Zr元素濃度が1950mg/L以下であると、一次塗料密着性がより良くなる。
前記過酸化水素換算成分の濃度は、100mg/L以上1500mg/L以下の範囲内であり、200mg/L以上1250mg/L以下の範囲内であることが好適であり、300mg/L以上1000mg/L以下であることがより好適である。本発明に係る電解処理用金属表面処理剤の特定系において、過酸化水素換算成分の濃度を当該所定範囲内に設定することで{正確には、当該パラメータに加え、前述した溶解P成分のP元素の換算質量(Pw)と溶解Zr成分のZr元素の換算質量(Zrw)との比(Pw/Zrw)を前記範囲内に設定することで}、製缶加工性、フィルム密着性、塗料密着性(一次塗料密着性、二次塗料密着性)、耐食性(塗膜下耐食性、無塗装耐食性)、耐硫化黒変性等の性質をSn系めっき材上に付与可能であると共に、Sn系めっき材表面の変色(黄変)をも抑制可能な、電解処理用金属表面処理剤を提供することができる。特に、過酸化水素換算成分が100mg/L以上であると、耐変色性がより良好になる。また、過酸化水素換算成分が1500mg/L以下であると製缶加工性が良好になる。
まず、F元素濃度、P元素濃度は、好適には、前述したZr元素濃度と、前述したそれぞれの元素とZr元素との質量比と、に基づき算出された値であることが好適である。また、硝酸イオン、塩化物イオン及び硫酸イオンからなる群から選択される1種以上の陰イオンの濃度は、電気伝導率が後述する好適な数値範囲(1.0S/m以上6.0S/m以下)内となるよう適宜決定することが好適である。
{1−3−1.pH}
本発明に係る電解処理用金属表面処理剤におけるpHは、3.4以上4.8以下であることが好適であり、3.5以上4.7以下の範囲内であることがより好適であり、3.6以上4.5以下であることが更に好適である。pHが3.4以上となると、塗膜下耐食性がより良くなる。pHが4.8以下であると、処理剤経時安定性がより良くなる。尚、このpHは、電解処理用金属表面処理剤について、JIS−Z8802:2011で電解温度(典型的には40℃)にて測定された値である。
本発明に係る電解処理用金属表面処理剤における電気伝導率は、1.0S/m以上6.0S/m以下の範囲内であることが好適であり、1.5以上5.5以下の範囲内であることがより好適であり、2.0以上5.0以下であることが更に好適である。電気伝導率が1.0以上となると、短時間皮膜析出性がより良くなる。電気伝導率が6.0以下であると、電解処理装置に対する腐食がより生じにくい。また、電気伝導率が6.0を超えても短時間皮膜析出性の効果は飽和する。尚、この電気伝導率は、電解処理用金属表面処理剤について、JIS−K0130:2008で電解温度(典型的には40℃)にて測定された値である。
本発明に係る電解処理用金属表面処理剤の製造方法は、前記溶解Zr成分、前記溶解F成分、前記溶解P成分、前記過酸化水素換算成分及び前記陰イオンの供給源となる一種以上の原料を液体媒体に添加して混合する工程を含む。ここで、一の原料が複数の前記成分(溶解Zr成分、溶解F成分、溶解P成分、過酸化水素換算成分及び前記陰イオンから選択される任意の複数の成分)の供給源であっても(例えば、一の原料であるフッ化ジルコン酸は、溶解Zr成分の供給源でもあり、溶解F成分の供給源でもある)、複数の原料が一の前記成分(溶解Zr成分、溶解F成分、溶解P成分、過酸化水素換算成分及び前記陰イオンから選択される任意の一の成分)の供給源であっても(例えば、異なる原料であるフルオロジルコニウム酸及びフッ酸は、いずれも溶解F成分の供給源である)、複数の原料が複数の前記成分(溶解Zr成分、溶解F成分、溶解P成分、過酸化水素換算成分及び前記陰イオンから選択される任意の複数の成分)の供給源であってもよい(例えば、異なる原料であるりん酸及びフッ酸は、それぞれ異なる成分である溶解P成分及び溶解F成分の供給源である)。以下、各原料とプロセスを詳述する。
(2−1−1.溶解Zr成分の供給源)
溶解Zr成分の供給源としては、特に限定されず、例えば、ジルコニウム原子を含んでいる化合物であり、例えば、硫酸ジルコニウム、オキシ硫酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウムアンモニウム、オキシ硝酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウムアンモニウム、フルオロジルコニウム酸、フルオロジルコニウム錯塩等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
溶解F成分の供給源としては、特に限定されず、例えば、フッ素原子を含む化合物であり、例えば、フルオロジルコニウム酸、フッ化アンモニウム、フッ化水素アンモニウム、フッ化ゲルマニウム、フッ化鉄、フッ化ナトリウム、フッ化水素ナトリウム等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。尚、前述で例示したような、溶解Zr成分の供給源であるフルオロジルコニウム酸やフルオロジルコニウム錯塩も、溶解F成分の供給源である。
溶解P成分の供給源としては、特に限定されない。例えば、(1)オルトりん酸態りんとしては、りん酸(オルトりん酸)及びその塩(オルトりん酸アンモニウムなど)を含む。(2)重合りん酸態りんとしては、鎖状のリン酸縮合物であって、ピロリン酸、トリポリリン酸、テトラポリリン酸等を包含し、その塩(ピロりん酸アンモニウム、トリポリりん酸アンモニウム、テトラポリりん酸アンモニウムなど)も含む。(3)有機りん酸態りんとしては、ニトリロトリスメチレンホスホン酸、ニトリロトリスプロピレンホスホン酸、ニトリロジエチルメチレンホスホン酸、メタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、プロパン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸等及びその塩等を含む。尚、溶解P成分の供給源は、1種であっても2種以上を併用してもよい。
過酸化水素換算成分の供給源としては、例えば、過酸化水素、亜硝酸塩(例えばナトリウム塩やアンモニウム塩)、過硫酸塩(例えばナトリウム塩やアンモニウム塩)、水可溶性オルガノパーオキサイド等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
陰イオンの供給源としては、特に限定されず、無機酸類、例えば、硝酸、塩酸、硫酸等の無機酸、無機酸の水溶性塩を挙げることができる。尚、陰イオンの供給源は、1種であっても2種以上を併用してもよい。また、上述した他の成分(例えば溶解Zr成分)の供給源として使用した成分が当該陰イオン(即ち、硝酸イオン、塩化物イオン、硫酸イオン)を含有している場合には、当該成分も陰イオンの供給源である。当該陰イオン(即ち、硝酸イオン、塩化物イオン、硫酸イオン)は処理剤の陽イオン(好ましくはアンモニウム)と対(即ち、中性塩)になり、処理剤の電気伝導率を上げる支持電解質として作用する。
本発明に係る電解処理用金属表面処理剤は、例えば、前述した各成分の供給源となる原料を、水を主体とする液体媒体(例えば水)に添加し、必要に応じて加熱および冷却しながら撹拌することにより調製できる。pHおよび電気伝導率の調整手順としては、前述した各成分の供給源となる原料を添加した後に、pHを所定の値に調整をする。その次に当該陰イオン(即ち、硝酸イオン、塩化物イオン、硫酸イオン)を中性塩(好ましくはアンモニウム塩)で添加し所定の電気伝導率に調整をする。この電気伝導率を調整するために添加した物質(中性塩)を支持電解質という。その後pHが所定の値から変化した場合は微調整を実施する。尚、pHの調整は、アルカリや酸を用いて行うが、特に制限はない。好適には、アルカリはアンモニア、酸は支持電解質の陰イオンと同成分の酸(無機酸)を用いる。pHの調整にアンモニアを用いることにより、形成した皮膜にアンモニアが取り込まれたとしても、その後の乾燥時にアンモニアがその皮膜から揮発することにより、皮膜に殆ど残らない結果、その皮膜性能は悪影響を受けないで済むからである。また、pHの調整に、支持電解質の陰イオンと同成分の酸(無機酸)を用いることにより、形成した皮膜の皮膜性能への悪影響を最小限にすることができるからである。
<3−1.対象金属>
本発明に係る電解処理用金属表面処理剤を用いて対象金属に皮膜を形成させた際の最大の特徴は、製缶加工性等の性能を担保しつつ、表面処理された対象金属に対して耐変色性を付与できる点である。この観点から、本発明に係る電解処理用金属表面処理剤の対象金属は、好適には、Sn系めっき{例えば、Snめっき、Snと他の金属とを含有するめっき(例えば、はんだ)}付金属材料(例えばブリキ鋼板)である。ここで、Sn系めっきとは、めっき層中のSnの含有量が、めっき層の全質量を基準として、20質量%以上(好適には50質量%以上、より好適には70%以上、更に好適には90質量%以上)であるめっきのことをいう。また、Sn系めっきにおいて、Sn以外に一種又は複数種の他の金属(例えばFe)が存在してもよく、当該めっき内で合金が形成されていてもよい{例えば、Snを電気でつけた後に加熱処理(リフロー)をした際に形成される、SnとFeとの合金}。更に、Sn系めっきは、めっき対象である金属材料の少なくとも片面に、Snを100〜15000mg/m2を含むことが好適である。更に、Sn系めっきは、Znを含まないか、又は、含んでいたとしても、めっき層の全質量を基準として、3質量%以下であることが好適であり、2質量%以下であることがより好適であり、1質量%以下であることが更に好適である。Znをある程度の量含有している場合には、そもそも変色が生じ難いからである。但し、本発明に係る電解処理用金属表面処理剤は、前記のように、製缶加工性、フィルム密着性、塗料密着性(一次塗料密着性、二次塗料密着性)、耐食性(塗膜下耐食性、レトルト耐錆性)、耐硫化黒変性等の性質を対象金属に付与することが可能である。したがって、この観点からは、対象金属はSn系めっき付金属材料に限定されず、アルミニウム系金属、鉄系金属、亜鉛系金属、マグネシウム系金属等の金属材料であってもよい。
本発明に係る電解処理用金属表面処理剤は、通常の電解方法にて、金属材料上に製缶加工性、フィルム密着性、塗料密着性(一次塗料密着性、二次塗料密着性)、耐食性(塗膜下耐食性、レトルト耐錆性)、耐硫化黒変性等の性質に優れた皮膜を形成可能である。具体例としては、処理対象の金属材料がSn系めっき金属材料の場合、供試材を陰極側とし、所定温度(典型的には40℃)の電解処理用金属表面処理剤に当該供試材を浸漬すると同時(又は浸漬後)に所定の電流密度(例えば3.0A/dm2)で当該供試材に通電し、所定時間(例えば1秒間)保持する方法が挙げられる。電解温度は特に限定されないが10℃以上55℃以下が好ましい。温度が10℃以上となると、温度維持が容易である。温度が55℃以下であると、電解処理装置に対する腐食がより生じにくい。電流密度は特に限定されないが低い電流密度ではより長い電解時間を必要とする。高い電流密度では短い電解時間で対応可能であるが、皮膜析出効率が低下することがある。
試験材料として、下記の材料を使用した。
(1)電気Sn(錫)めっき鋼板(リフロー処理有り)(ET)
板厚 :0.3mm
Snめっきの目付量: 2.8g/m2
(2)電気ニッケルめっき鋼板(NI)
板厚 :0.3mm
Niめっきの目付量: 0.8g/m2
水に、溶解Zr成分と溶解F成分の供給源となる原料としてジルコニウムフッ化水素酸、溶解F成分の供給源となる原料としてフッ化水素酸及び溶解P成分の供給源となる原料としてオルトりん酸を添加し、所定のFW/ZrW、PW/ZrWとした。ついで、過酸化水素換算成分の供給源となる原料として表1記載の物質種を表1記載の添加量となるように加えた後、十分に混合し、過酸化水素換算成分を肉眼において完全に溶解させた。その後、酸(表1記載の支持電解質を構成するアニオンと同成分の酸)又はアルカリ(アンモニア)を添加してpHを調整した。更に表1記載の支持電解質を添加して電気伝導率を調整した後、必要に応じてpHを微調整した。この際、CAも所定の値になるよう、前記酸、前記アルカリ(アンモニアと水酸化ナトリウム)を添加して調整した。このようにして各金属表面処理薬剤化成処理液を得た。なお、2以上の電解質を混合して使用するときには、2以上の支持電解質を混合して使用するときには、その混合比は質量比とした。
E1:硝酸アンモニウム
E2:硫酸アンモニウム
E3:塩化アンモニウム
M1:亜硝酸アンモニウム
M2:tert-ブチルヒドロペルオキシド
M3:過酸化水素
M4:過硫酸アンモニウム
試験材料の前処理(電解処理前処理)は、アルカリ脱脂剤{ファインクリーナー−E6406(日本パーカライジング株式会社製)、2%建浴、60℃}にて30秒間浸漬脱脂を行った後、水道水による水洗とイオン交換水による水洗を行い、水切りロールにて水分を切り、ドライヤーにて乾燥させることで実施した。
前処理が実施された試験材料を以下の電解処理(標準電解処理)に供した。当該試験材料を陰極とし、カーボン板を対極として、当該試験材料を所定温度(40℃)とした電解処理用金属表面処理剤に浸漬すると同時に1秒間、3.0A/dm2の電流密度にて電解した。その後、電解処理した試験材料を、25℃の市水にて5秒間スプレー水洗することにより当該試験材料の表面を清浄し、ロール絞りを用いて水切りし、当該試験材料の表面到達板温を50℃にて乾燥を行った。
上記の前処理および電解処理(標準電解処理)を行った試験材料及び電解処理用金属表面処理剤そのものについて、以下に示す(A)〜(L)の各項目について、性能評価を行った。表2に試験材料を示し、表3に結果を示す。
試験材料の両面に厚さ20μmのPETフィルムを200℃でラミネートし、直径:150mmのブランクに打ち抜いた後、絞り比:1.67で絞り成形し、缶径:90mm、缶高さ:約40mmの絞り缶を作製した。次に、前記絞り缶を絞り比:1.36で再絞り成形し、缶径:66mmの再絞り缶を作製した後、この再絞り缶を用いて3段のしごき加工により板厚減少率:50%となるようにしごき成形加工を施して絞り−しごき成形加工を行い、缶径:66mm、缶高さ:約125mmの絞り−しごき缶を作製した。その後、当該絞り−しごき缶体に対して、フィルムの疵、浮き、剥離状況を下記の5段階で評価した。△以上の評価が実用レベルである。
◎:フィルムの疵部、浮き部、剥離部の合計面積率が0%
○:フィルムの疵部、浮き部、剥離部の合計面積率が0%超0.5%以下
○△:フィルムの疵部、浮き部、剥離部の合計面積率が0.5%超5%以下
△:フィルムの疵部、浮き部、剥離部の合計面積率が5%超15%以下
×:フィルムの疵部、浮き部、剥離部の合計面積率が15%超または試験材料が破断し成形加工ができず
試験材料の両面に厚さ20μmのPETフィルムを200℃でラミネートし、直径:150mmのブランクに打ち抜いた後、絞り比:1.67で絞り成形し、缶径:90mm、缶高さ:約40mmの絞り缶を作製した。その後、当該絞り缶体に対して121℃、30minのレトルト処理を行い、フィルムの剥離状況を下記の5段階で評価した。△以上の評価が実用レベルである。
◎:剥離部の面積率が0%
○:剥離部の面積率が0%超2%以下
○△:剥離部の面積率が2%超5%以下
△:剥離部の面積率が5%超10%以下
×:剥離部の面積率が10%超
試験材料にエポキシ−フェノール樹脂を乾燥膜厚6g/m2の塗膜となるように塗布し、200℃、10minで焼付けた後、1mm間隔で地鉄に達する深さのゴバン目を入れた。その後、当該試験材料にセロハンテープを貼付した後に当該テープを剥離し、塗膜の剥離状況を下記の5段階で評価した。△以上の評価が実用レベルである。
◎:剥離部の面積率が0%
○:剥離部の面積率が0%超5%以下
○△:剥離部の面積率が5%超15%以下
△:剥離部の面積率が15%超30%以下
×:剥離部の面積率が30%超
試験材料にエポキシ−フェノール樹脂を乾燥膜厚6g/m2の塗膜となるように塗布し、200℃、10minで焼付けた後、1mm間隔で地鉄に達する深さのゴバン目を入れた。その後、当該試験材料に対して121℃、30minのレトルト処理を行い、乾燥後、当該試験材料にセロハンテープを貼付した後に当該テープを剥離し、塗膜の剥離状況を下記の5段階で評価した。△以上の評価が実用レベルである。
◎:剥離部の面積率が0%
○:剥離部の面積率が0%超5%以下
○△:剥離部の面積率が5%超15%以下
△:剥離部の面積率が15%超30%以下
×:剥離部の面積率が30%超
試験材料にエポキシ−フェノール樹脂を乾燥膜厚6g/m2の塗膜となるように塗布し、200℃、10minで焼付けた後、地鉄に達する深さのクロスカットを入れた。その後、当該試験材料を、1.5%クエン酸−1.5%食塩混合液からなる試験液に、45℃、72時間浸漬した。その後、洗浄、乾燥後、当該試験材料にセロハンテープを貼付した後に当該テープを剥離し、クロスカット部の塗膜下腐食部分の腐食幅(mm)と平板部の腐食部分の面積率(%)を下記の5段階で評価した。△以上の評価が実用レベルである。
◎:クロスカット部の塗膜下腐食部分の腐食幅が0.2mm未満かつ平板部の腐食部分の面積率が0%
○:クロスカット部の塗膜下腐食部分の腐食幅が0.3mm未満かつ平板部の腐食部分の面積率が1%以下(ただし、評価が◎の場合を除外する)
○△:クロスカット部の塗膜下腐食部分の腐食幅が0.4mm未満かつ平板部の腐食部分の面積率が3%以下(ただし、評価が◎、○の場合を除外する)
△:クロスカット部の塗膜下腐食部分の腐食幅が0.5mm未満かつ平板部の腐食部分の面積率が5%以下(ただし、評価が◎、○、○△の場合を除外する)
×:クロスカット部の塗膜下腐食部分の腐食幅が0.5mm以上または平板部の腐食部分の面積率が5%超
試験材料を121℃、30minのレトルト処理し、錆の発生状況を観察し、錆発生部の面積率(%)から下記の5段階で評価した。△以上の評価が実用レベルである。
◎:錆発生部の面積率が0%
○:錆発生部の面積率が0%超1%以下
○△:錆発生部の面積率が1%超3%以下
△:錆発生部の面積率が3%超5%以下
×:錆発生部の面積率が5%超
試験材料にエポキシ−フェノール樹脂を乾燥膜厚6g/m2の塗膜になるように塗布し、200℃、10minで焼付けた。その後、試験液(0.056%システイン塩酸塩、0.4%りん酸2水素カリウム、0.81%りん酸ナトリウム)に121℃、1時間浸漬した後、浸漬前後の色差(ΔE値)を下記の5段階で評価した。△以上の評価が実用レベルである。評価機器:日本電色工業製SD7000(SCI方式:全反射測定)
◎:ΔE値が3.0未満
○:ΔE値が3.0以上5.5未満
○△:ΔE値が5.5以上8.0未満
△:ΔE値が8.0以上10.5未満
×:ΔE値が10.5以上
電解処理用金属表面処理剤100mlに塩化第一錫をSnとして350mg/L添加し、40℃の恒温槽にて24時間静置した。静置後の処理剤の上澄み液における溶解Sn濃度を測定し、Sn溶存率(%)を下記の5段階で評価した。△以上の評価が実用レベルである。評価機器:JIS−K0116:2014規格によるICP発光分光分析装置(ICP−AES)等公知の方法
◎:Sn溶存率が80%以上
○:Sn溶存率が70%以上80%未満
○△:Sn溶存率が60%以上70%未満
△:Sn溶存率が50%以上60%未満
×:Sn溶存率が40%以上50%未満
試験材料を70℃、80%RHの恒温槽にて72時間静置した。試験材料における静置前後の色差(ΔE値)を下記の5段階で評価した。△以上の評価が実用レベルである。評価機器:日本電色工業製SD7000(SCI 方式:全反射測定)
◎:ΔE値が2.0未満
○:ΔE値が2.0以上4.0未満
○△:ΔE値が4.0以上6.0未満
△:ΔE値が6.0以上8.0未満
×:ΔE値が8.0以上
試験材料(当該評価では、標準電解処理を行っていない試験材料、即ち、前処理後の試験材料)を陰極とし、カーボン板を対極として、当該試験材料を所定温度(40℃)とした金属表面処理剤に浸漬すると同時に0.3秒間、10.0A/dm2の電流密度にて電解した。その後、電解処理された試験材料を、25℃の市水にて5秒間スプレー水洗することにより当該試験材料の表面を清浄し、ロール絞りを用いて水切りし、当該試験材料の表面到達板温を50℃にて乾燥した。その後、蛍光X線分析装置で当該試験材料のZr付着量を測定して、Zr付着量(mg/m2)を下記の5段階で評価した。△以上の評価が実用レベルである。
◎:Zr付着量が6mg/m2以上
○:Zr付着量が5mg/m2以上6mg/m2未満
○△:Zr付着量が4mg/m2以上5mg/m2未満
△:Zr付着量が3mg/m2以上4mg/m2未満
×:Zr付着量が3mg/m2未満
電解処理用金属表面処理剤100mLを40℃の恒温槽にて1月静置した。1月静置後の処理剤の液外観(液性状)及びその処理剤100mLをろ紙(No5C)にてろ過した後のろ紙に残存していた処理剤の残渣物の質量(mg)を下記の5段階で評価した。△以上の評価が実用レベルである。
◎:処理剤に濁りがなく、かつ残渣物の質量が0mg
○:処理剤に濁りがあり、かつ残渣物の質量が0mg
○△:処理剤に濁りがあり、かつ残渣物の質量が0mg超10mg以下
△:処理剤に濁りがあり、かつ残渣物の質量が10mg超20mg未満
×:処理剤に濁りがあり、かつ残渣物の質量が20mg以上
試験材料(当該評価では、標準電解処理を行っていない試験材料、即ち、前処理後の試験材料)における電解処理(標準電解処理)前後の色差(ΔE値)を下記の5段階で評価した。△以上の評価が実用レベルである。評価機器:日本電色工業製SD7000(SCI 方式:全反射測定)
◎:ΔE値が5.0未満
○:ΔE値が5.0以上7.0未満
○△:ΔE値が7.0以上9.0未満
△:ΔE値が9.0以上11.0未満
×:ΔE値が11.0以上
Claims (27)
- 溶解Zr成分と、溶解F成分と、溶解P成分と、硝酸イオン、塩化物イオン及び硫酸イオンからなる群から選択される1種以上の陰イオンと、を含有し、
前記溶解P成分のP元素の換算質量(Pw)と前記溶解Zr成分のZr元素の換算質量(Zrw)との比(Pw/Zrw)が0.04以上0.5以下の範囲内であり、
下記に示す酸化還元滴定によって算出した過酸化水素換算成分の濃度が、100mg/L以上1500mg/L以下の範囲内であり、
処理対象金属がSn系めっきである、
電解処理用金属表面処理剤。
[酸化還元滴定]:電解処理用金属表面処理剤を20ml採取する。脱イオン水を80ml、50%硫酸(比重1.395)を10ml、ヨウ化カリウムを2.0gそれぞれ加え、冷暗所にて5分間静置後、0.1Mチオ硫酸ナトリウム溶液により酸化還元滴定をする。終点は茶褐色から無色に変化した点とする。
過酸化水素換算成分の濃度(mg/L)=0.1Mチオ硫酸ナトリウム溶液の滴定量(ml)×85.0 - 前記処理対象金属がSnとFeとの合金めっきである、請求項1に記載の電解処理用金属表面処理剤。
- 溶解Zr成分と、溶解F成分と、溶解P成分と、硝酸イオン、塩化物イオン及び硫酸イオンからなる群から選択される1種以上の陰イオンと、を含有し、
前記溶解P成分のP元素の換算質量(P w )と前記溶解Zr成分のZr元素の換算質量(Zr w )との比(P w /Zr w )が0.04以上0.5以下の範囲内であり、
下記に示す酸化還元滴定によって算出した過酸化水素換算成分の濃度が、100mg/L以上1500mg/L以下の範囲内であり、
処理対象金属がニッケルめっきである、
電解処理用金属表面処理剤。
[酸化還元滴定]:電解処理用金属表面処理剤を20ml採取する。脱イオン水を80ml、50%硫酸(比重1.395)を10ml、ヨウ化カリウムを2.0gそれぞれ加え、冷暗所にて5分間静置後、0.1Mチオ硫酸ナトリウム溶液により酸化還元滴定をする。終点は茶褐色から無色に変化した点とする。
過酸化水素換算成分の濃度(mg/L)=0.1Mチオ硫酸ナトリウム溶液の滴定量(ml)×85.0 - 前記溶解F成分のF元素の換算質量(Fw)と前記溶解Zr成分のZr元素の換算質量(Zrw)との比(Fw/Zrw)が1.3以上2.5以下の範囲内である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電解処理用金属表面処理剤。
- Zr元素濃度が1000mg/L以上1950mg/L以下の範囲内である、請求項1〜4にいずれか一項に記載の電解処理用金属表面処理剤。
- pHが3.4以上4.8以下の範囲内である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の電解処理用金属表面処理剤。
- 前記過酸化水素換算成分が、過酸化水素、亜硝酸、過硫酸、オルガノパーオキサイド及びその塩からなる群から選択される物質を1種以上に由来する成分である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の電解処理用金属表面処理剤。
- さらに、溶解Sn成分、溶解Fe成分、溶解アンモ態N成分、溶解Na成分及び溶解K成分からなる群から選択される少なくとも1成分を含有してもよく、この場合、前記溶解Zr成分のZr元素の換算質量(Zrw)、前記過酸化水素換算成分の質量(AW)、前記溶解Sn成分のSn元素の換算質量(Snw)、前記溶解Fe成分のFe元素の換算質量(Few)及び前記溶解アンモ態N成分のN元素の換算質量(Nw)の合計質量と、前記溶解Zr成分のZr元素の換算質量(Zrw)、前記過酸化水素換算成分の質量(AW)、前記溶解Sn成分のSn元素の換算質量(Snw)、前記溶解Fe成分のFe元素の換算質量(Few)、前記溶解アンモ態N成分のN元素の換算質量(Nw)、前記溶解Na成分のNa元素の換算質量(Naw)及び前記溶解K成分のK元素の換算質量(Kw)の合計質量との比CA:{(Zrw+AW+Snw+Few+Nw)/(Zrw+AW+Snw+Few+Nw+Naw+Kw)}が0.9以上である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の電解処理用金属表面処理剤。
- 電気伝導率が1.0S/m以上6.0S/m以下の範囲内である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の電解処理用金属表面処理剤。
- 溶解Zr成分と、溶解F成分と、溶解P成分と、硝酸イオン、塩化物イオン及び硫酸イオンからなる群から選択される1種以上の陰イオンと、を含有し、
前記溶解P成分のP元素の換算質量(Pw)と前記溶解Zr成分のZr元素の換算質量(Zrw)との比(Pw/Zrw)が0.04以上0.5以下の範囲内であり、
下記に示す酸化還元滴定によって算出した過酸化水素換算成分の濃度が、100mg/L以上1500mg/L以下の範囲内であり、
処理対象金属がSn系めっきである、
電解処理用金属表面処理剤の製造方法であって、
前記溶解Zr成分、前記溶解F成分、前記溶解P成分、前記過酸化水素換算成分及び前記陰イオンの供給源となる一種以上の原料を液体媒体に添加して混合する工程を含む
ことを特徴とする製造方法。
[酸化還元滴定]:電解処理用金属表面処理剤を20ml採取し脱イオン水80ml加える。さらに50%硫酸(比重1.395)を10ml添加し、ヨウ化カリウムを2.0g加え冷暗所で5分間静置後、0.1Mチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定をする方法である。終点は茶褐色から無色に変化した点とする。
過酸化水素換算成分の濃度(mg/L)=滴定量(ml)×85.0 - 前記処理対象金属がSnとFeとの合金めっきである、請求項10に記載の電解処理用金属表面処理剤の製造方法。
- 溶解Zr成分と、溶解F成分と、溶解P成分と、硝酸イオン、塩化物イオン及び硫酸イオンからなる群から選択される1種以上の陰イオンと、を含有し、
前記溶解P成分のP元素の換算質量(P w )と前記溶解Zr成分のZr元素の換算質量(Zr w )との比(P w /Zr w )が0.04以上0.5以下の範囲内であり、
下記に示す酸化還元滴定によって算出した過酸化水素換算成分の濃度が、100mg/L以上1500mg/L以下の範囲内であり、
処理対象金属がニッケルめっきである、
電解処理用金属表面処理剤の製造方法であって、
前記溶解Zr成分、前記溶解F成分、前記溶解P成分、前記過酸化水素換算成分及び前記陰イオンの供給源となる一種以上の原料を液体媒体に添加して混合する工程を含む
ことを特徴とする製造方法。
[酸化還元滴定]:電解処理用金属表面処理剤を20ml採取し脱イオン水80ml加える。さらに50%硫酸(比重1.395)を10ml添加し、ヨウ化カリウムを2.0g加え冷暗所で5分間静置後、0.1Mチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定をする方法である。終点は茶褐色から無色に変化した点とする。
過酸化水素換算成分の濃度(mg/L)=滴定量(ml)×85.0 - 前記溶解F成分のF元素の換算質量(Fw)と前記溶解Zr成分のZr元素の換算質量(Zrw)との比(Fw/Zrw)が1.3以上2.5以下の範囲内である、請求項10〜12のいずれか一項に記載の電解処理用金属表面処理剤の製造方法。
- Zr元素濃度が1000mg/L以上1950mg/L以下の範囲内である、請求項10〜13のいずれか一項に記載の電解処理用金属表面処理剤の製造方法。
- pHが3.4以上4.8以下の範囲内である、請求項10〜14のいずれか一項に記載の電解処理用金属表面処理剤の製造方法。
- 前記過酸化水素換算成分が、過酸化水素、亜硝酸、過硫酸、オルガノパーオキサイド及びその塩からなる群から選択される物質を1種以上に由来する成分である、請求項10〜15のいずれか一項に記載の電解処理用金属表面処理剤の製造方法。
- さらに、溶解Sn成分、溶解Fe成分、溶解アンモ態N成分、溶解Na成分及び溶解K成分からなる群から選択される少なくとも1成分を含有してもよく、この場合、前記溶解Zr成分のZr元素の換算質量(Zrw)、前記過酸化水素換算成分の質量(AW)、前記溶解Sn成分のSn元素の換算質量(Snw)、前記溶解Fe成分のFe元素の換算質量(Few)及び溶解アンモ態N成分のN元素換算質量(Nw)の合計質量と、前記溶解Zr成分のZr元素の換算質量(Zrw)、前記過酸化水素換算成分の質量(AW)、前記溶解Sn成分のSn元素の換算質量(Snw)、前記溶解Fe成分のFe元素の換算質量(Few)、前記溶解アンモ態N成分のN元素の換算質量(Nw)、前記溶解Na成分のNa元素の換算質量(Naw)及び前記溶解K成分のK元素の換算質量(Kw)の合計質量との比CA:{(Zrw+AW+Snw+Few+Nw)/(Zrw+AW+Snw+Few+Nw+Naw+Kw)}が0.9以上である、請求項10〜16のいずれか一項に記載の電解処理用金属表面処理剤の製造方法。
- 電気伝導率が1.0S/m以上6.0S/m以下の範囲内である、請求項10〜17のいずれか一項に記載の電解処理用金属表面処理剤の製造方法。
- 処理対象金属が電解処理用金属処理剤に浸漬された状態にて、当該処理対象金属を陰極側として通電する工程を含む、金属材料の表面処理方法において、
前記電解処理用金属処理剤が、
溶解Zr成分と、溶解F成分と、溶解P成分と、硝酸イオン、塩化物イオン及び硫酸イオンからなる群から選択される1種以上の陰イオンと、を含有し、
前記溶解P成分のP元素の換算質量(Pw)と前記溶解Zr成分のZr元素の換算質量(Zrw)との質量比(Pw/Zrw)が0.04以上0.5以下の範囲内であり、
下記に示す酸化還元滴定によって算出した過酸化水素換算成分の濃度が、100mg/L以上1500mg/L以下の範囲内であり、
前記処理対象金属がSn系めっきである、
ことを特徴とする表面処理方法。
[酸化還元滴定]:電解処理用金属表面処理剤を20ml採取し脱イオン水80ml加える。さらに50%硫酸(比重1.395)を10ml添加し、ヨウ化カリウムを2.0g加え冷暗所で5分間静置後、0.1Mチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定をする方法である。終点は茶褐色から無色に変化した点とする。
過酸化水素換算成分の濃度(mg/L)=滴定量(ml)×85.0 - 前記処理対象金属がSnとFeとの合金めっきである、請求項19に記載の表面処理方法。
- 処理対象金属が電解処理用金属処理剤に浸漬された状態にて、当該処理対象金属を陰極側として通電する工程を含む、金属材料の表面処理方法において、
前記電解処理用金属処理剤が、
溶解Zr成分と、溶解F成分と、溶解P成分と、硝酸イオン、塩化物イオン及び硫酸イオンからなる群から選択される1種以上の陰イオンと、を含有し、
前記溶解P成分のP元素の換算質量(P w )と前記溶解Zr成分のZr元素の換算質量(Zr w )との質量比(P w /Zr w )が0.04以上0.5以下の範囲内であり、
下記に示す酸化還元滴定によって算出した過酸化水素換算成分の濃度が、100mg/L以上1500mg/L以下の範囲内であり、
前記処理対象金属がニッケルめっきである、
ことを特徴とする表面処理方法。
[酸化還元滴定]:電解処理用金属表面処理剤を20ml採取し脱イオン水80ml加える。さらに50%硫酸(比重1.395)を10ml添加し、ヨウ化カリウムを2.0g加え冷暗所で5分間静置後、0.1Mチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定をする方法である。終点は茶褐色から無色に変化した点とする。
過酸化水素換算成分の濃度(mg/L)=滴定量(ml)×85.0 - 前記電解処理用金属処理剤における、前記溶解F成分のF元素の換算質量(Fw)と前記溶解Zr成分のZr元素の換算質量(Zrw)との比(Fw/Zrw)が、1.3以上2.5以下の範囲内である、請求項19〜21のいずれか一項に記載の表面処理方法。
- 前記電解処理用金属処理剤におけるZr元素濃度が、1000mg/L以上1950mg/L以下の範囲内である、請求項19〜22のいずれか一項に記載の表面処理方法。
- 前記電解処理用金属処理剤におけるpHが、3.4以上4.8以下の範囲内である、請求項19〜23のいずれか一項に記載の表面処理方法。
- 前記過酸化水素換算成分が、過酸化水素、亜硝酸、過硫酸、オルガノパーオキサイド及びその塩からなる群から選択される物質を1種以上に由来する成分である、請求項19〜24のいずれか一項に記載の表面処理方法。
- 前記電解処理用金属処理剤が、さらに、溶解Sn成分、溶解Fe成分、溶解アンモ態N成分、溶解Na成分及び溶解K成分からなる群から選択される少なくとも1成分を含有してもよく、この場合、前記溶解Zr成分のZr元素の換算質量(Zrw)、前記過酸化水素換算成分の質量(AW)、前記Sn成分のSn元素の換算質量(Snw)、前記溶解Fe成分のFe元素の換算質量(Few)及び溶解アンモ態N成分のN元素の換算質量(Nw)の合計質量と、前記溶解Zr成分のZr元素の換算質量(Zrw)、前記過酸化水素換算成分の質量(AW)、前記Sn成分のSn元素の換算質量(Snw)、前記溶解Fe成分のFe元素の換算質量(Few)、前記溶解アンモ態N成分のN元素の換算質量(Nw)、前記溶解Na成分のNa元素の換算質量(Naw)及び前記溶解K成分のK元素の換算質量(Kw)の合計質量との質量比CA:{(Zrw+AW+Snw+Few+Nw)/(Zrw+AW+Snw+Few+Nw+Naw+Kw)}が0.9以上である、請求項19〜25のいずれか一項に記載の表面処理方法。
- 前記電解処理用金属処理剤の電気伝導率が、1.0S/m以上6.0S/m以下の範囲内である、請求項19〜26のいずれか一項に記載の表面処理方法。
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